JP2016052823A - ドア位置検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度でドアの位置を検出しながらも、信頼性の向上を図ることが可能なドア位置検出装置を提供すること。【解決手段】ドア位置検出装置Dは、ドア81に設けられ、磁界を形成する永久磁石10と、ケース82に設けられ、磁界の強度を検出する磁気センサ20と、ドア81の位置を検出する位置検出回路40と、を備え、磁気センサ20が検出する磁界の強度は、ドア81の移動に伴って変化するように構成され、位置検出回路40は、磁気センサ20が検出する磁界の強度に基づいてドア81の位置を検出する。【選択図】図1
Description
本発明は、空気の吹き出し態様を調整するドア及びそのドアを移動可能となるように支持する支持部材を有する空調装置のドア位置検出装置に関する。
近年、空調装置においてより微細な制御を行うために、風路の開閉や風量の調整といった空気の吹き出し態様を調整するドアを、高精度で制御するための検討が進められている。具体的には、ドアの位置を検出するドア位置検出装置の高精度化が進められている。
このようなドア位置検出装置として、例えば、下記特許文献1に記載されているようなアクチュエータ装置を用いたものが知られている。このアクチュエータ装置には、モータ(駆動モータ)と、ポテンショタイプのセンサと、モータの駆動により発生するトルクを出力してドア(ダンパ)を移動させる出力軸と、が設けられている。
このモータが発生させるトルクは、複数の歯車を介して出力軸に伝達されるように構成されており、センサは、その歯車の回転角度を検出することによって、ドアの位置を検出可能とされている。このようなアクチュエータ装置は、ドアを移動可能に支持する支持部材に対して取り付けられことが一般的である。
下記特許文献1に記載されているようなアクチュエータ装置を用いてドアの位置を検出するとともに、その検出結果をフィードバックしてモータの駆動を制御することで、実際のドアの位置を反映させた制御を行うことが可能となる。
しかしながら、上記特許文献1に記載のドア位置検出装置は、支持部材に対するアクチュエータ装置の取り付けに誤差が生じると、ドアの位置の検出精度が大幅に低下するという課題があった。つまり、本アクチュエータ装置は、モータから出力軸までトルクを伝達する複数の歯車に回避困難なガタつきがあるところ、それに加えてアクチュエータ装置の取り付けに誤差が生じることで、誤差が累積し、ドアの位置の検出精度に悪影響を及ぼすという課題があった。
また、上記特許文献1に記載のドア位置検出装置には、歯車の摩耗や、ポテンショタイプのセンサの摺動による摩耗など、使用に伴ってさらに累積する誤差となりうる要因も存在する。したがって、当該ドア位置検出装置は、信頼性の面でも懸念を残していた。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高精度でドアの位置を検出しながらも、信頼性の向上を図ることが可能なドア位置検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るドア位置検出装置は、空気の吹き出し態様を調整するドア(81,83,85)及びドアを移動可能となるように支持する支持部材(82,84,86)と、を有する空調装置のドア位置検出装置(D,DA,DB,DC)であって、ドア及び支持部材の一方に設けられ、磁界を形成する磁界形成部(10,10A,10B,10C)と、ドア及び支持部材の他方に設けられ、磁界の強度を検出する磁界強度検出部(20,20A1〜20A6,20B1〜20B5,20C1〜20C4)と、ドアの位置を検出する位置検出部(40,40A,40B,40C)と、を備え、磁界強度検出部が検出する磁界の強度は、ドアの移動に伴って変化するように構成され、位置検出部は、磁界強度検出部が検出する磁界の強度に基づいてドアの位置を検出することを特徴とする。
本発明では、ドア及び支持部材の一方に磁界形成部が設けられ、他方に磁界強度検出部が設けられている。磁界強度検出部が検出する磁界の強度は、ドアの移動に伴って変化する。したがって、ドアの移動に伴い、磁界形成部と磁界強度検出部とを干渉させることなく、ドアの位置を検出することが可能となる。すなわち、摩耗の影響を受けない、信頼性の高いドア位置検出を行うことができる。
本発明によれば、高精度でドアの位置を検出しながらも、信頼性の向上を図ることが可能なドア位置検出装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、本発明の第1実施形態に係るドア位置検出装置Dは、車両用空調装置の開閉機構80に適用されている。まず、図1を参照しながら、開閉機構80の構成について説明する。
開閉機構80は、車両用空調装置において風向を調整する装置であり、ドア81と、ケース82と、アクチュエータ89と、を有している。
ドア81は、板81aと、軸81bと、を有している。板81aは樹脂製で、厚さ寸法が他の寸法に比べて小さく、幅方向に大きく延びた平板状に形成されている。軸81bは、板81aと一体的に形成され、板81aの一端部において幅方向に延びる円柱状の部材である。また、軸81bは、板81aの幅方向の両端から突出するように形成されている。
ケース82は、車両用空調装置の風路の一部を構成する樹脂製の部材である。ケース82は、鉛直方向に延びる側面板82aと、側面板82aの上端から水平方向に延びる上面板82bと、を有しており、正面視で略L字状を呈している。側面板82a及び上面板82bは、いずれも平板状に形成されている。側面板82aは、その厚さ方向(水平方向)に貫通する貫通孔82cが形成されている。
ドア81は、その軸81bが、ケース82の貫通孔82cに挿通されている。また、板81aの端部のうち、ケース82の側面板82a側の端部81a1は、側面板82aと所定間隔を隔てて対向している。これにより、ドア81は、軸81bを中心として回動可能となるようにケース82に支持されている。すなわち、ドア81は、軸81bとは反対側の端部が移動可能となっている。
アクチュエータ89は、外部から電力の供給及び制御信号を受けて作動する電動アクチュエータである。アクチュエータ89は、ケース82の側面板82aの外側面のうち、ドア81の板81aが配置される側とは反対側の面に取り付けられている。アクチュエータ89は、その内部にサーボモータや、サーボモータの出力軸に対し接続された減速機構等が配置されている。アクチュエータ89は、貫通孔82cを挿通しているドア81の軸81bを受容している。
以上のように構成された開閉機構80では、アクチュエータ89が、空調装置の制御装置であるECU90から受ける制御信号に基づいて、サーボモータが所定方向へのトルクを発生させる。当該トルクは、サーボモータの出力軸から減速機構を介して軸81bに伝達され、軸81bを中心としてドア81を回動させる。
回動後、所定の位置で停止したドア81は、その停止姿勢において、外側面に沿って空気を流すことで、空気が流れる方向を変更したり、空気が流れないように風路を閉止したりすることができる。ドア81の端部81a1と、側面板82aと、の所定間隔は、ドア81が回動する間も略一定に保たれる。
次に、図1を参照しながら、以上のように構成された開閉機構80に適用されるドア位置検出装置Dについて説明する。ドア位置検出装置Dは、永久磁石10と、磁気センサ20と、信号線30と、位置検出回路40と、を備える。
永久磁石10は、硬磁性を示す強い磁性を持つフェライト磁石であり、ドア81に設けられている。詳細には、永久磁石10は、板81aの端部81a1のうち、軸81bの中心軸から距離L1だけ離間した部位に、モールド成形によって内部に埋め込まれるようにして設けられている。永久磁石10は、ドア81の回動に伴って、軸81bを中心として回動(移動)するように設けられている。
磁気センサ20は、磁界の強度を検出する磁気インピーダンス素子であり、ケース82の側面板82aに設けられている。詳細には、磁気センサ20は、ケース82の側面板82aのうち、貫通孔82cよりもやや上方であって、貫通孔82cから距離L2だけ離間した部位に、モールド成形によって内部に埋め込まれるようにして設けられている。この距離L2は、前述した距離L1とほぼ等しくなるように設定されている。
信号線30は、磁気センサ20と、位置検出回路40とを電気的に接続する導線である。信号線30の一端部は、磁気センサ20に接続され、モールド成形により側面板82aの内部に埋め込まれている。また、信号線30の他端部は、側面板82aから外部に引き出され、位置検出回路40に接続されている。信号線30は、磁気センサ20から発信される電気信号を位置検出回路40へと伝達する。
位置検出回路40は、磁気センサ20から発信された電気信号を受信する電子回路である。位置検出回路40は、当該電気信号に基づいて所定の処理を行い、ドア81の位置の検出を行う。
以下、図1及び図2を参照しながら、このドア位置検出装置Dによるドア81の位置の検出方法について説明する。まず、前述したように、ドア81の端部81a1には、永久磁石10が埋め込まれている。このため、ドア81の周囲には、ドア81に近い位置ほど強くなる特性を有する磁界が形成されている。
ケース82の側面板82aに埋め込まれた磁気センサ20は、この永久磁石10が形成する磁界の強度を検出する。また、磁気センサ20は、検出した磁界の強度に関する情報を、電気信号として発信する。
ここで、図1に示されるように、ケース82の貫通孔82cを中心として側面板82aに沿う方向に、磁気センサ20から角度θだけ離れた位置に永久磁石10が存在している場合を考える。この場合、磁気センサ20が検出する磁界の強度は、図2に示されるように、永久磁石10と磁気センサ20が最も接近する場合であるθ=0の位置で最大となり、角度θの増加に伴って低下する傾向を示す。すなわち、磁気センサ20が検出する磁界の強度は、永久磁石10と磁気センサ20との距離に応じて一義的に決定される。磁気センサ20は、その検出した磁界の強度に対応する電気信号を、信号線30を介して位置検出回路40に向けて発信する。
位置検出回路40の記憶部(不図示)には、磁気センサ20から受信する電気信号と、ドア81の位置とを対応させたマップが予め記憶されている。位置検出回路40は、このマップ、及び、磁気センサ20から受信した電気信号に基づいて、ドア81の位置の検出を行う。
ECU90は、位置検出回路40からドア81の位置の情報を取得するとともに、当該情報に基づいてアクチュエータ89を駆動させるフィードバック制御を行うことで、ドア81の位置を高精度で制御することが可能となる。
以上のように、ドア位置検出装置Dでは、磁界を形成する永久磁石10がドア81に設けられ、その磁界の強度を検出する磁気センサ20がケース82に設けられる。磁気センサ20が検出する磁界の強度は、ドア81の回動に伴って変化するように構成され、位置検出回路40は、磁気センサ20が検出する磁界の強度に基づいてドア81の位置を検出する。
したがって、ドア位置検出装置Dによれば、ドア81の回動に伴い、永久磁石10と磁気センサ20とを干渉させることなく、ドア81の位置を検出することが可能となる。すなわち、摩耗の影響を受けない、信頼性の高いドア位置検出を行うことができる。
また、磁気センサ20が検出する磁界の強度は、ドア81の位置に対応して一義的に決定されるように構成されている。したがって、位置検出回路40において、磁気センサ20から受信した電気信号と、ドア81の位置とを対応させたマップに基づいてドア81の位置を特定する等、簡易な方法でドア81の位置を検出することが可能となる。
また、永久磁石10によってドア81の周囲に磁界を形成するため、外部からエネルギーを投入することなく磁界を形成することが可能になるとともに、簡便な構成ゆえに信頼性が高いものとすることも可能となる。
また、永久磁石10はドア81に埋め込まれ、磁気センサ20はケース82に埋め込まれている。したがって、ドア81にガタつきが生じた場合等でも、永久磁石10と磁気センサ20とが干渉して摩耗することを抑制することが可能となる。
尚、本実施形態では、永久磁石10と磁気センサ20のいずれもが、ケース82又はドア81に埋め込まれたものとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、永久磁石10及び磁気センサ20の一方のみを、ケース82又はドア81に埋め込まれたものとしても、永久磁石10及び磁気センサ20の干渉や摩耗を抑制することが可能である。
続いて、本発明の第2実施形態に係るドア位置検出装置DAについて、図3を参照しながら説明する。この第2実施形態は、第1実施形態と同様に開閉機構80に適用されるものである。したがって、第1実施形態と同一の構成については適宜同一の符号を付して、説明を省略する。
ドア位置検出装置DAは、磁気マーカ10Aと、基板200Aと、信号線30Aと、位置検出回路40Aと、を備える。
磁気マーカ10Aは、インダクタとコンデンサ(いずれも不図示)とを有するLC共振型磁気マーカであり、ドア81に設けられている。詳細には、磁気マーカ10Aは、板81aの端部81a1のうち、軸81bの中心軸から距離L1だけ離間した部位に、モールド成形によって内部に埋め込まれるようにして設けられている。磁気マーカ10Aは、ドア81の回動に伴って、軸81bを中心として回動するように設けられている。
基板200Aは、平板状のプリント基板であり、ケース82の側面板82aに設けられている。詳細には、基板200Aは、モールド成形によって側面板82aの内部に埋め込まれるようにして設けられている。基板200Aは、ケース82の貫通孔82cと対応する位置に孔(不図示)が形成されており、当該孔にドア81の軸81bが挿通される。
基板200Aの表面には、6つの検出コイル20A1〜20A6と、励磁コイル21Aと、が固定されている。検出コイル20A1〜20A6は、貫通孔82cを中心として、半径L2の円弧状に、互いに周方向に所定間隔を空けて配置されている。この半径L2は、前述した距離L1とほぼ等しくなるように設定されている。また、励磁コイル21Aは、これら検出コイル20A1〜20A6からやや離間した位置に配置されている。
信号線30Aは、基板200Aと、位置検出回路40Aとを電気的に接続する導線である。信号線30Aの一端部は、基板200Aに接続され、モールド成形により側面板82aの内部に埋め込まれている。また、信号線30Aの他端部は、側面板82aから外部に引き出され、位置検出回路40Aに接続されている。信号線30Aは、基板200Aから発信される電気信号を位置検出回路40Aへと伝達する。
位置検出回路40Aは、基板200Aから発信された電気信号を受信する電子回路である。位置検出回路40Aは、当該電気信号に基づいて所定の処理を行い、ドア81の位置の検出を行う。
以下、図3及び図4を参照しながら、このドア位置検出装置DAによるドア81の位置の検出方法について説明する。まず、前述したように、ケース82の側面板82aには、基板200Aが埋め込まれており、この基板200Aの表面には励磁コイル21Aが固定されている。励磁コイル21Aは、外部から電力の供給を受けることで、振動する磁界をその周囲に形成する。この磁界が振動する周波数は、磁気マーカ10Aのインダクタ及びコンデンサから決定される磁気マーカ10Aの共振周波数f1となるように設定されている。
励磁コイル21Aが共振周波数f1で振動する磁界を形成することにより、ドア81に埋め込まれた磁気マーカ10Aにおいて共振現象が発現する。このため、磁気マーカ10Aは、その周囲に誘導磁界を形成する。
基板200Aの表面に固定された検出コイル20A1〜20A6は、この磁気マーカ10Aが形成する誘導磁界の強度を検出する。また、基板200Aは、検出コイル20A1〜20A6において検出した磁界の強度に関する情報を、電気信号として発信する。
ここで、各検出コイル20A1〜20A6が検出する誘導磁界の強度は、磁気マーカ10Aと各検出コイル20A1〜20A6との距離に応じて変化する。すなわち、磁気マーカ10Aと近い距離にある検出コイルほど、強い誘導磁界を検出するように構成されている。
検出コイル20A1,20A4,20A6による誘導磁界の強度の検出を例にとって説明する。検出コイル20A1,20A4,20A6がそれぞれ検出する誘導磁界の強度は、図2に示されるように、いずれも共振周波数f1においてピークを示す。しかしながら、そのピーク値は互いに異なるものとなる。
図1に示されるように、ドア81が、板81aが軸81bから垂下するような姿勢にある状態では、検出コイル20A1〜20A6のうち、最も下方に配置された検出コイル20A6が、最も磁気マーカ10Aとの距離が小さいものとなる。したがって、この状態では、検出コイル20A6が検出する誘導磁界の強度H6が最大となる。そして、検出コイル20A4、更に検出コイル20A1と、磁気マーカ10Aから離間するのに伴って、それぞれで検出する誘導磁界の強度H4,H1も低下する。
すなわち、ドア81は、検出コイル20A1〜20A6のうち、検出する誘導磁界の強度が最も大きい検出コイルの近傍に位置しているといえる。基板200Aは、これら検出コイル20A1〜20A6によって検出された誘導磁界の強度に対応する電気信号を、信号線30Aを介して位置検出回路40Aに向けて発信する。
位置検出回路40Aは、基板200Aから受信する電気信号に基づいて、磁気マーカ10Aが検出コイル20A1〜20A6のいずれに近い位置にあるかを判断し、ドア81の位置の検出を行う。
ECU90は、位置検出回路40Aからドア81の位置の情報を取得するとともに、当該情報に基づいてアクチュエータ89を駆動させるフィードバック制御を行うことで、ドア81の位置を高精度で制御することが可能となる。
以上のように、ドア位置検出装置DAでは、誘導磁界を形成する磁気マーカ10Aがドア81に設けられ、その磁界の強度を検出する6つの検出コイル20A1〜20A6がケース82に設けられる。検出コイル20A1〜20A6が検出する磁界の強度は、ドア81の回動に伴って変化するように構成され、位置検出回路40Aは、検出コイル20A1〜20A6が検出する磁界の強度に基づいてドア81の位置を検出する。
したがって、ドア位置検出装置DAによれば、6つの検出コイル20A1〜20A6を用いることでドア81の検出精度が向上し、ドア81をさらに高精度で制御することが可能となる。
続いて、本発明の第2実施形態の第1変形例に係るドア位置検出装置DBについて、図5を参照しながら説明する。この第1変形例は、適用される開閉機構80Bの構成が、前述した実施形態の開閉機構80と異なっており、ドア位置検出装置DBの構成も、それに対応したものとされている。前述した実施形態と同一の構成については適宜同一の符号を付して、説明を省略する。まず、開閉機構80Bの構成について説明する。
開閉機構80Bは、車両用空調装置において風路の開度調整を行う装置であり、ドア83と、ケース84と、を有している。
ドア83は、略扇形で同一形状の側面板83b,83cと、側面板83b,83cの間に設けられる矩形の正面板83aと、を有している。正面板83aは、側面板83b,83cの扇形の弧に沿って湾曲している。側面板83b,83cの扇形の要の位置から突出するように、軸83d,83dが設けられている。
ケース84は、車両用空調装置の風路の一部を構成する樹脂製の部材である。ケース84は、互いに間隔を隔てて略平行に配置された矩形の側面板84a,84bと、側面板84a,84bの間に設けられる矩形の正面板84c、背面板84dと、を有している。これにより、ケース84の下端には、矩形の第1開口84fが形成されている。
また、ケース84は、側面板84a,84b及び正面板84c、背面板84dの上端部を覆う上面板84eを有している。上面板84eは、上方に向けて突出するように円弧状に湾曲している。上面板84eのうち正面板84c寄りの部分には、矩形の第2開口84gが形成されている。これにより、ケース84の内部には、第1開口84fと第2開口84gとを連通する風路が形成されている。
ドア83は、ケース84の内部に配置され、その軸83d,83dをケース84の側面板84a,84bによって支持される。ドア83の側面板83bとケース84の側面板84aとは、所定の間隔を隔てて対向している。また、ドア83の側面板83cとケース84の側面板84bとは、所定の間隔を隔てて対向している。これにより、ドア83は、アクチュエータ(不図示)の出力軸から伝達されるトルクにより、軸83d,83dを中心として、ケース84の内部で回動可能とされている。すなわち、ドア83は、ケース84の第2開口84gを完全に閉止する位置と、第2開口84gを全て開放する位置との間で回動可能である。
回動後、所定の位置で停止したドア83は、その停止姿勢において、第2開口84gの開度を調整したり、第2開口84gを閉止したりすることができる。ドア83の側面板83cとケース84の側面板84bとの間隔は、ドア83が回動する間も略一定に保たれる。
次に、図5を参照しながら、以上のように構成された開閉機構80Bに適用されるドア位置検出装置DBについて説明する。ドア位置検出装置DBは、磁気マーカ10Bと、基板200Bと、信号線30Bと、位置検出回路40Bと、を備える。
磁気マーカ10Bは、前述した磁気マーカ10Aと同様に、インダクタとコンデンサ(いずれも不図示)とを有するLC共振型磁気マーカであり、ドア83に設けられている。詳細には、磁気マーカ10Bは、ドア83の側面板83cのうち、軸83dから距離L3だけ離間した部位に、モールド成形によって内部に埋め込まれるようにして設けられている。
基板200Bは、平板状のプリント基板であり、その外形は、ケース84の上面板84eに沿って側面視で略円弧状を呈している。基板200Bは、ケース84に設けられている。詳細には、基板200Bは、ケース84の側面板84bの内部に、モールド成形によって埋め込まれるようにして設けられている。
基板200Bの表面には、5つの検出コイル20B1〜20B5と、励磁コイル21Bと、が固定されている。検出コイル20B1〜20B5は、軸83dを中心として、半径L4の略円弧状に、互いに周方向に所定間隔を空けて配置されている。この半径L4は、前述した距離L3とほぼ等しくなるように設定されている。また、励磁コイル21Bは、これら検出コイル20B1〜20B5からやや離間した位置に配置されている。
信号線30Bは、基板200Bと、位置検出回路40Bとを電気的に接続する導線である。信号線30Bの一端部は、基板200Bに接続され、モールド成形により側面板84bの内部に埋め込まれている。また、信号線30Bの他端部は、側面板84bから外部に引き出され、位置検出回路40Bに接続されている。信号線30Bは、基板200Bから発信される電気信号を位置検出回路40Bへと伝達する。
位置検出回路40Bは、基板200Bから発信された電気信号を受信する電子回路である。位置検出回路40Bは、当該電気信号に基づいて所定の処理を行い、ドア83の位置の検出を行う。
以下、ドア位置検出装置DBによるドア83の位置の検出方法について説明する。ドア位置検出装置DBでは、電力の供給を受けた励磁コイル21Bが、共振周波数f1で振動する磁界を形成する点と、磁気マーカ10Bが誘導磁界を形成する点において、前述したドア位置検出装置DAと共通している。また、磁気マーカ10Bにおいて共振現象が発現し、その周囲に誘導磁界を形成する点でも共通している。
ドア83が回動すると、磁気マーカ10Bと各検出コイル20B1〜20B5との距離が変化する。このため、検出コイル20B1〜20B5のうち、磁気マーカ10Bと近い距離にある検出コイルほど、強い誘導磁界を検出する。
基板200Bは、これら検出コイル20B1〜20B5によって検出された誘導磁界の強度に対応する電気信号を、信号線30Bを介して位置検出回路40Bに向けて発信する。
位置検出回路40Bは、基板200Bから受信する電気信号に基づいて、ドア83が検出コイル20B1〜20B5のいずれに近い位置にあるかを判断し、ドア83の位置の検出を行う。
続いて、本発明の第2実施形態の第2変形例に係るドア位置検出装置DCについて、図6及び図7を参照しながら説明する。この第2変形例は、適用される開閉機構80Cの構成が、前述した実施形態の開閉機構80,80Bと異なっており、ドア位置検出装置DCの構成も、それに対応したものとされている。前述した実施形態と同一の構成については適宜同一の符号を付して、説明を省略する。まず、開閉機構80Cの構成について説明する。
開閉機構80Cは、車両用空調装置において風路の開度調整を行う装置であり、ドア85と、ケース86と、駆動軸88と、を有している。
ドア85は、板85aと、ラック85b,85cと、を有している。板85aは樹脂製で、厚さ寸法が他の寸法に比べて小さく、幅方向に大きく延びた平板状に形成されている。ラック85b,85cは、板85aの上面であって、幅方向の両端部寄りの位置にそれぞれ設けられている。
ケース86は、車両用空調装置の風路の一部を構成する樹脂製の部材である。ケース86は、図6に示されるように、互いに間隔を隔てて略平行に配置された矩形の側面板86a,86bと、側面板84a,84bの間に設けられる矩形の正面板86c、背面板86dと、を有している。また、ケース86は、その下部において、側面板84a,84bの間に跨るように略水平に延びる仕切板86eを有している。これにより、ケース86の内部には、上端の矩形の流入口860と、下端の矩形の第1流出口861及び第2流出口862とを連通する風路が形成されている。
ケース86の側面板86aの内側面には、側面板86b側に向かって突出する上側レール871及び下側レール872が設けられている。上側レール871及び下側レール872は、いずれも正面板86c、背面板86dの間に跨るように略水平に延びている。また、ケース86の側面板86bの内側面にも、側面板86b側に向かって突出する上側レール873及び下側レール874が設けられている。上側レール873及び下側レール874も、いずれも正面板86c、背面板86dの間に跨るように略水平に延びている。
ドア85は、その幅方向の一方の端部が、上側レール871と下側レール872との間に挿入され、他方の端部が、上側レール873と下側レール874との間に挿入されている。これにより、ドア85は、幅方向の両端部を支持された状態でケース86の内部であって、仕切板86eよりも上方に配置されている。
駆動軸88は、軸部材88aと、ピニオンギア88b,88cと、を有している。軸部材88aは、金属製で円柱状の部材であり、ドア85よりも上方においてケース86の幅方向に延びている。また、軸部材88aは、その一端が側面板86aによって支持され、他端が側面板86bによって支持されることで、円柱の軸を中心として回動可能とされている。ピニオンギア88b,88cは、いずれも軸部材88aに対して固定され、軸部材88aとともに回動可能とされている。ピニオンギア88bは、ドア85のラック85bと噛合し、ピニオンギア88cは、ラック85cと噛合している。
以上のように構成された開閉機構80Cでは、アクチュエータ(不図示)のサーボモータの出力軸から伝達されるトルクにより、駆動軸88がケース86の内部で回動可能とされている。駆動軸88が回動すると、ドア85は、ピニオンギア88b,88cと噛合しているラック85b,85cにおいて水平方向の力を受ける。これにより、ドア85は、ケース86の内部において、上側レール871と下側レール872、及び、上側レール873と下側レール874に沿って水平方向にスライドするように移動する。ドア85は、ケース86の背面板86dと当接して第2流出口862の上方を閉止する位置(図6及び図7に示される位置)と、ケース86の正面板86cと当接して第1流出口861の上方を閉止する位置と、の間で移動可能である。
移動し、所定の位置で停止したドア85は、その停止姿勢において、ケース86の第1流出口861及び第2流出口862の一方のみを開放したり、第1流出口861と第2流出口862との開度の比を調整したりすることができる。
次に、図6及び図7を参照しながら、以上のように構成された開閉機構80Cに適用されるドア位置検出装置DCについて説明する。ドア位置検出装置DCは、磁気マーカ10Cと、基板200Cと、信号線30Cと、位置検出回路40Cと、を備える。
磁気マーカ10Cは、前述した磁気マーカ10Aと同様に、インダクタとコンデンサ(いずれも不図示)とを有するLC共振型磁気マーカであり、ドア85に設けられている。詳細には、磁気マーカ10Cは、ドア85の板85aの内部であって、上側レール871と下側レール872とで上下方向に挟まれる位置に、モールド成形によって埋め込まれるようにして設けられている。
基板200Cは、平板状のプリント基板である。基板200Cは、ケース86に設けられている。詳細には、基板200Cは、ケース86の側面板86aのうち、上側レール871と下側レール872との間の部位に、モールド成形によって内部に埋め込まれるようにして設けられている。
基板200Cの表面には、4つの検出コイル20C1〜20C4と、励磁コイル21Cと、が固定されている。検出コイル20C1〜20C4は、水平方向に互いに所定間隔を空けて配置されている。
信号線30Cは、基板200Cと、位置検出回路40Cとを電気的に接続する導線である。信号線30Cの一端部は、基板200Cに接続され、モールド成形により側面板86aの内部に埋め込まれている。また、信号線30Cの他端部は、側面板86aから外部に引き出され、位置検出回路40Cに接続されている。信号線30Cは、基板200Cから発信される電気信号を位置検出回路40Cへと伝達する。
位置検出回路40Cは、基板200Cから発信された電気信号を受信する電子回路である。位置検出回路40Cは、当該電気信号に基づいて所定の処理を行い、ドア85の位置の検出を行う。
以下、ドア位置検出装置DCによるドア85の位置の検出方法について説明する。ドア位置検出装置DCでは、電力の供給を受けた励磁コイル21Cが、共振周波数f1で振動する磁界を形成する点と、磁気マーカ10Cが誘導磁界を形成する点において、前述したドア位置検出装置DAと共通している。また、磁気マーカ10Cにおいて共振現象が発現し、その周囲に誘導磁界を形成する点でも共通している。
ドア85が移動すると、磁気マーカ10Cと各検出コイル20C1〜20C4との距離が変化する。このため、検出コイル20C1〜20C4のうち、磁気マーカ10Cと近い距離にある検出コイルほど、強い誘導磁界を検出する。
基板200Cは、これら検出コイル20C1〜20C4によって検出された誘導磁界の強度に対応する電気信号を、信号線30Cを介して位置検出回路40Cに向けて発信する。
位置検出回路40Cは、基板200Cから受信する電気信号に基づいて、ドア85が検出コイル20C1〜20C4のいずれに近い位置にあるかを判断し、ドア85の位置の検出を行う。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
D,DA,DB,DC:ドア位置検出装置
10 :永久磁石(磁界形成部)
10A,10B,10C:磁気マーカ(磁界形成部)
20 :磁気センサ(磁気強度検出部)
20A1〜20A6,20B1〜20B5,20C1〜20C4:検出コイル(磁気強度検出部)
21A,21B,21C:励磁コイル
40,40A,40B,40C:位置検出回路(位置検出部)
81,83,85:ドア
82,84,86:ケース(支持部材)
10 :永久磁石(磁界形成部)
10A,10B,10C:磁気マーカ(磁界形成部)
20 :磁気センサ(磁気強度検出部)
20A1〜20A6,20B1〜20B5,20C1〜20C4:検出コイル(磁気強度検出部)
21A,21B,21C:励磁コイル
40,40A,40B,40C:位置検出回路(位置検出部)
81,83,85:ドア
82,84,86:ケース(支持部材)
Claims (5)
- 空気の吹き出し態様を調整するドア(81,83,85)及び前記ドアを移動可能となるように支持する支持部材(82,84,86)と、を有する空調装置のドア位置検出装置(D,DA,DB,DC)であって、
前記ドア及び前記支持部材の一方に設けられ、磁界を形成する磁界形成部(10,10A,10B,10C)と、
前記ドア及び前記支持部材の他方に設けられ、磁界の強度を検出する磁界強度検出部(20,20A1〜20A6,20B1〜20B5,20C1〜20C4)と、
前記ドアの位置を検出する位置検出部(40,40A,40B,40C)と、を備え、
前記磁界強度検出部が検出する磁界の強度は、前記ドアの移動に伴って変化するように構成され、
前記位置検出部は、前記磁界強度検出部が検出する磁界の強度に基づいて前記ドアの位置を検出することを特徴とするドア位置検出装置。 - 前記磁界強度検出部が検出する磁界の強度は、前記ドアの位置に対応して一義的に決定されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のドア位置検出装置。
- 前記磁界形成部は、永久磁石(10)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のドア位置検出装置。
- 前記磁界形成部は、LC共振回路(10A,10B,10C)を有し、
前記磁界強度検出部は、前記LC共振回路の周囲に磁界を形成する励磁コイル(21A,21B,21C)を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のドア位置検出装置。 - 前記磁界形成部及び前記磁界強度検出部の少なくとも一方が、前記ドア又は前記支持部材に埋め込まれていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のドア位置検出装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014179257A JP2016052823A (ja) | 2014-09-03 | 2014-09-03 | ドア位置検出装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10164364B2 (en) | 2017-03-21 | 2018-12-25 | Molex, Llc | Connector |
CN110260490A (zh) * | 2019-06-25 | 2019-09-20 | 宁波奥克斯电气股份有限公司 | 对空调器滑动门自动检测的方法、装置及空调器 |
DE102019218407A1 (de) * | 2019-11-27 | 2021-06-17 | Faurecia Innenraum Systeme Gmbh | Luftausströmer und Verfahren zum Bestimmen eines Schwenkzustands einer Lamelle eines Luftausströmers |
-
2014
- 2014-09-03 JP JP2014179257A patent/JP2016052823A/ja active Pending
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