JP2016050902A - 荷重センサ、電動式直動アクチュエータおよび電動ブレーキ装置 - Google Patents

荷重センサ、電動式直動アクチュエータおよび電動ブレーキ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両用ブレーキ装置に好適な荷重センサを提供する。
【解決手段】外部から軸方向荷重が入力されて弾性変形を生じる弾性部材2と、弾性部材2の変形量に応じた信号を出力する荷重検出部4a,4bとを有する。第1の荷重検出部4aは、弾性部材2に入力される軸方向荷重の大きさが所定の上限値Faよりも小さい第1の荷重領域Laで、弾性部材2の変形量に応じた信号Vaを出力する。第2の荷重検出部4bは、第1の荷重領域Laの上限値Faよりも大きい軸方向荷重を含む第2の荷重領域Lbで、弾性部材2の変形量に応じた信号Vbを出力する。第1の荷重検出部4aおよび第2の荷重検出部4bは、第1の荷重検出部4aが第2の荷重検出部4bよりも高い検出分解能を有するように構成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、荷重センサ、その荷重センサを用いた電動式直動アクチュエータおよび電動ブレーキ装置に関する。
車両用ブレーキ装置として、油圧シリンダで摩擦パッドを押圧する油圧ブレーキ装置が採用されてきたが、近年、ABS(アンチロックブレーキシステム)等のブレーキ制御の導入に伴い、油圧回路を使用しない電動ブレーキ装置が注目されている。
電動ブレーキ装置は、一般に、電動モータの回転を直動部材の軸方向移動に変換し、その直動部材で摩擦パッドを軸方向前方に押圧して制動力を発生する。この制動力を所望の大きさに制御するため、電動ブレーキ装置には、摩擦パッドに印加する軸方向荷重の反力を受ける部分に荷重センサを組み込むことが多い。そして、この荷重センサの出力に基づいて、運転者のペダル操作や車両の状態に応じた適切な制動力が発生するように、電動モータが制御される。
上記のような電動ブレーキ装置に組み込まれる荷重センサとして、例えば、特許文献1〜3に記載のものが知られている。特許文献1〜3に記載の荷重センサはいずれも、外部から軸方向荷重が入力されて弾性変形を生じる弾性部材と、その弾性部材の変形量に応じた信号を出力する単一の磁気センサ部とを有し、その磁気センサ部の出力に基づいて軸方向荷重の大きさを算出するものである。
特開2013−257000号公報 特開2014−016307号公報 特開2014−134450号公報
ところで、運転者がブレーキペダルを操作して車両を減速するとき、減速度が0.2G以下の通常制動時には、運転者は、車両の挙動に応じてペダルを細かく操作していると考えられるので、細かな荷重制御が必要とされる。一方、減速度が0.3Gを超えるような急制動時には、短時間で大きな制動力を発生する必要があるものの、細かな荷重制御は必要とされない。
一方、車両用ブレーキ装置に特許文献1〜3の荷重センサを採用すると、単一の磁気センサ部を用いて全荷重領域の荷重を検出することとなるため、通常制動時において、運転者の細かなペダル操作に対応するのに十分な荷重の検出分解能を得ることができず、その結果、車両の挙動に違和感が生じるおそれがあった。
そこで、検出分解能が高く、しかも車両用ブレーキ装置の全荷重領域にわたって荷重を検出可能な荷重センサを使用することも可能であるが、そのような荷重センサはコストが高いという問題がある。
この発明が解決しようとする課題は、車両用ブレーキ装置に好適な荷重センサを提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明では、以下の構成の荷重センサを提供する。
外部から軸方向荷重が入力されて弾性変形を生じる弾性部材と、
その弾性部材の変形量に応じた信号を出力する2つ以上の荷重検出部とを有し、
前記2つ以上の荷重検出部は、
前記弾性部材に入力される軸方向荷重の大きさが所定の上限値よりも小さい第1の荷重領域で、前記弾性部材の変形量に応じた信号を出力する第1の荷重検出部と、
前記第1の荷重領域の上限値よりも大きい軸方向荷重を含む第2の荷重領域で、前記弾性部材の変形量に応じた信号を出力する第2の荷重検出部とを含み、
前記第1の荷重検出部および第2の荷重検出部は、第1の荷重検出部が第2の荷重検出部よりも高い検出分解能を有するように構成されている荷重センサ。
このようにすると、軸方向荷重の大きさが小さい第1の荷重領域では、高い検出分解能を有する第1の荷重検出部で荷重を検出することができる。そのため、この荷重センサを車両用ブレーキ装置に使用すると、減速度が比較的小さい通常制動時には、運転者の細かなペダル操作に対応するのに十分な荷重の検出分解能を得ることが可能である。一方、減速度が比較的大きい急制動時には、第2の荷重検出部で、第1の荷重領域の上限値よりも大きい軸方向荷重を検出することが可能である。
前記第2の荷重領域は、前記第1の荷重領域と少なくとも一部重複するように設定すると好ましい。
このようにすると、前記第1の荷重領域の上限値をまたがる連続した荷重領域において軸方向荷重を検出することができる。
前記第1の荷重領域は、前記弾性部材に入力される軸方向荷重の大きさがゼロから前記上限値までの領域とし、
前記第2の荷重領域は、前記弾性部材に入力される軸方向荷重の大きさがゼロから前記上限値の2倍以上の大きさの上限値までの領域とすると好ましい。
このようにすると、第1の荷重領域では、第1の荷重検出部と第2の荷重検出部の両方で軸方向荷重を検出することができる。そのため、第1の荷重検出部と第2の荷重検出部のいずれか一方の荷重検出部が故障したときにも、他方の荷重検出部で第1の荷重領域の軸方向荷重を検出可能であり、優れた冗長性を得ることができる。
前記2つ以上の荷重検出部は、前記弾性部材に対する軸方向荷重の作用中心まわりに円周方向に等間隔となるように配置すると好ましい。
このようにすると、外部から弾性部材に入力される軸方向荷重が偏荷重になったときにも、各荷重検出部から出力される信号を併用することで、偏荷重の影響を排除することが可能となる。
また、前記第1の荷重検出部と第2の荷重検出部から出力されるそれぞれの信号が入力され、その各信号に基づいて前記第1の荷重検出部での荷重値と第2の荷重検出部での荷重値とをそれぞれ算出し、前記第1の荷重領域では、前記第1の荷重検出部での荷重値と第2の荷重検出部での荷重値とを平均したものを前記軸方向荷重の大きさとして出力する制御部を設けると好ましい。
このようにすると、外部から弾性部材に入力される軸方向荷重が偏荷重になったときにも、偏荷重の影響を排除することが可能となる。
前記第1の荷重検出部として、磁界を発生する磁気ターゲットと、その磁気ターゲットに対する相対位置が前記弾性部材の変形量に応じて変化するように配置された磁気センサ部とからなるものを採用し、
前記磁気ターゲットとして、前記弾性部材の変形による磁気ターゲットと磁気センサ部の相対変位方向に対して直交する方向に磁化された2つの永久磁石を、一方の永久磁石のN極と他方の永久磁石のS極が前記磁気ターゲットと磁気センサ部の相対変位方向に隣接するように配置したものを採用し、
前記磁気センサ部を、前記隣接するN極とS極の境目の近傍に配置すると好ましい。
このようにすると、N極とS極の境目の近傍に高密度の磁束が生じ、この磁束が磁気センサ部を貫く状態となる。そのため、磁気ターゲットと磁気センサ部の微小な相対移動に応じて、磁気センサ部の出力信号が急峻に変化し、その結果、高い検出分解能を実現することが可能となる。また、磁気センサ部の出力信号は、弾性部材の変形による磁気ターゲットと磁気センサ部の相対変位に対して急峻に変化し、一方、それ以外の磁気ターゲットと磁気センサ部の相対変位に対してはあまり変化しないという指向性が生じるため、磁気センサ部の出力信号が外部振動の影響を受けにくく、安定した精度で荷重の大きさを検出することが可能となる。
また、この発明では、上記荷重センサを使用した電動式直動アクチュエータとして、以下の構成のものを提供する。
電動モータと、その電動モータの回転を直動部材の軸方向移動に変換する運動変換機構とを有する電動式直動アクチュエータにおいて、
前記直動部材で対象物を軸方向前方に押圧したときに直動部材に作用する軸方向後方への反力を受ける部分に、上記荷重センサを組み込んだことを特徴とする電動式直動アクチュエータ。
前記運動変換機構としては、前記電動モータの回転が入力される回転軸と、その回転軸の外径面に転がり接触する複数の遊星ローラと、その複数の遊星ローラを自転可能かつ公転可能に保持するキャリヤと、前記複数の遊星ローラを囲むように配置された前記直動部材としての外輪部材と、その外輪部材の内径面に設けられた螺旋凸条と、その螺旋凸条と係合するように前記各遊星ローラの外径面に設けられた螺旋溝または円周溝とを有するものを採用することができる。この場合、前記弾性部材は、前記キャリヤをスラスト軸受を介して支持することで前記キャリヤの軸方向後方への移動を規制する部材とすることができる。
また、この発明では、上記荷重センサを使用した電動ブレーキ装置として、以下の構成のものを提供する。
電動モータと、その電動モータの回転を直動部材の軸方向移動に変換する運動変換機構とを有し、前記直動部材で摩擦パッドを軸方向前方に押圧して制動力を発生する電動ブレーキ装置において、
前記直動部材で摩擦パッドを軸方向前方に押圧したときに直動部材に作用する軸方向後方への反力を受ける部分に、上記荷重センサを組み込んだことを特徴とする電動ブレーキ装置。
この発明の荷重センサは、軸方向荷重の大きさが小さい第1の荷重領域では、高い検出分解能を有する第1の荷重検出部が荷重を検出する。そのため、この荷重センサを車両用ブレーキ装置に使用すると、減速度が比較的小さい通常制動時には、運転者の細かなペダル操作に対応するのに十分な荷重の検出分解能を得ることが可能である。一方、減速度が比較的大きい急制動時には、第2の荷重検出部で、第1の荷重領域の上限値よりも大きい軸方向荷重を検出することが可能である。したがって、この発明の荷重センサは、車両用ブレーキ装置に好適である。
この発明の実施形態の荷重センサを示す断面図 図1に示す荷重センサを軸方向前側から見た図 図1に示す荷重センサの第1の荷重検出部の近傍の拡大断面図 弾性部材に入力する軸方向荷重の大きさと磁気センサ部で検出される磁束との対応関係を示す図 各荷重検出部の磁気センサ部の出力信号に基づいて軸方向荷重の大きさを算出する制御部のブロック図 各荷重検出部の磁気センサ部の出力信号と荷重値との対応関係を示す図 図1に示す荷重センサに偏荷重が作用した状態を模式的に示す図 図7に示す状態での各荷重検出部の磁気センサ部の出力信号と荷重値との対応関係を示す図 図4に示す第2の荷重領域Lbを、第1の荷重領域Laと一部のみ重複するように変更した例を示す図 図3に示す磁気ターゲットと磁気センサ部の配置を変更した例を示す拡大断面図 図1に示す荷重センサを使用した車両用の電動ブレーキ装置を示す断面図 図11の直動アクチュエータ近傍の拡大断面図 図12のXIII−XIII線に沿った断面図 図12に示す遊星ローラ機構にかえてボールねじ機構を運動変換機構として採用した電動ブレーキ装置を示す断面図 図12に示す遊星ローラ機構にかえてボールランプ機構を運動変換機構として採用した電動ブレーキ装置を示す断面図 図15のXVI−XVI線に沿った断面図 (a)は図16に示すボールと傾斜溝の関係を示す図、(b)は(a)に示す状態から回転ディスクと直動ディスクが相対回転して両ディスクの間隔が拡大した状態を示す図
図1〜図3に、この発明の実施形態の荷重センサ1を示す。この荷重センサ1は、軸方向前方から荷重が入力されて弾性変形を生じる弾性部材2と、弾性部材2を軸方向後方から支持する静止部材3と、弾性部材2の変形量に応じた信号を出力する第1の荷重検出部4aおよび第2の荷重検出部4bとを有する。
弾性部材2は、鉄等の金属で形成された円環板状の部材である。弾性部材2の軸方向前面には、軸方向荷重が入力される荷重入力部5が設けられている。図では、荷重入力部5は、後述のスラスト軸受43(図12参照)の転動体の転走面とされている。弾性部材2の軸方向後面には、静止部材3で支持される被支持部6が設けられている。
静止部材3は、弾性部材2と同一の金属で形成されている。静止部材3は、弾性部材2の被支持部6を軸方向後方から支持する環状の支持部7と、弾性部材2の外周に嵌合するように支持部7の外径側に形成された嵌合筒部8と、弾性部材2の内径側に対向するように設けられた円筒部9と、弾性部材2の軸方向後方で円筒部9と支持部7の間を連結する連結部10とを有する。嵌合筒部8の内周と弾性部材2の外周の間には締め代が設定されている。この締め代によって、弾性部材2が静止部材3と一体化し、磁気式荷重センサ1の取り扱いが容易となっている。
弾性部材2の被支持部6は、荷重入力部5よりも径方向外方にずれた位置に配置されている。これにより、弾性部材2は、荷重が入力されたときに被支持部6の位置を支点として軸方向後方にたわみ変形を生じるようになっている。
図2に示すように、第1の荷重検出部4aと第2の荷重検出部4bは、円周方向に180度ずれた位置に設けられ、弾性部材2の中心(すなわち弾性部材2に対する軸方向荷重の作用中心)まわりに円周方向に等間隔となるように配置されている。第1の荷重検出部4aは、磁束を発生する磁気ターゲット11aと、磁気ターゲット11aが発生する磁束を検出する磁気センサ部12aとからなる。
第1の荷重検出部4aと第2の荷重検出部4bは、同様の構成なので、第1の荷重検出部4aの構成を以下に説明し、第2の荷重検出部4bについては、第1の荷重検出部4aに対応する部分に同一の符号または末尾のアルファベットaをbに置き換えた符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、磁気ターゲット11aは、弾性部材2の内周に固定されている。磁気センサ部12aは、磁気ターゲット11aと径方向に対向するように静止部材3の円筒部9の外周に固定されている。磁気ターゲット11aは、弾性部材2のたわみによる磁気ターゲット11aと磁気センサ部12aの相対変位方向である軸方向に対して直交する方向(ここでは半径方向)に磁化された2個の永久磁石13からなる。2個の永久磁石13は、一方の永久磁石13のN極と他方の永久磁石13のS極が軸方向に隣接するように配置されている。
永久磁石13としては、例えば、ネオジム磁石を使用すると、省スペースで強力な磁束を発生させることができるが、サマリウムコバルト磁石、サマリウム窒化鉄磁石、アルニコ磁石、フェライト磁石、プラセオジム磁石、などを使用してもよい。サマリウムコバルト磁石、サマリウム窒化鉄磁石、またはアルニコ磁石を使用すると、永久磁石13の温度上昇に伴う磁束の減少を抑えることができる。また、プラセオジム磁石を使用すると、永久磁石13の機械的強度を向上することができる。
磁気センサ部12aは、2個の永久磁石13の隣接するN極とS極の境目の近傍で、磁気ターゲット11aと軸直交方向(図では半径方向)に対向するように配置されている。磁気センサ部12aとしては、磁気抵抗素子(いわゆるMRセンサ)や、磁気インピーダンス素子(いわゆるMIセンサ)を使用することも可能であるが、ホールICを使用するとコスト面で有利であり、また耐熱性の高いホールICが市販されているので車両用の電動ブレーキの用途に好適である。
図1の矢印に示すように、軸方向前方から後方に向かう軸方向荷重が弾性部材2に入力されると、その軸方向荷重によって弾性部材2が外径側端部を支点として軸方向後方にたわみ、このたわみに伴い、磁気ターゲット11aと磁気センサ部12aが軸方向に相対変位し、磁気センサ部12aの出力信号が弾性部材2のたわみ量に応じて変化する。そのため、弾性部材2に入力される軸方向荷重の大きさと、磁気センサ部12aの出力信号との関係を予め把握しておくことにより、磁気センサ部12aの出力信号に基づいて弾性部材2に入力される軸方向荷重の大きさを検出することができる。
第1の荷重検出部4aの磁気センサ部12aは、フルスケール(磁気検出範囲)に対し16bit(4096段階)の分解能をもつセンサである。図4に示すように、磁気センサ部12aのフルスケールSaは、弾性部材2に入力される軸方向荷重の大きさが第1の荷重領域Laで変動するときの磁束の変動範囲となるように設定される。
第2の荷重検出部4bの磁気センサ部12bも、フルスケール(磁気検出範囲)に対し16bit(4096段階)の分解能をもつセンサである。磁気センサ部12bのフルスケールSbは、弾性部材2に入力される軸方向荷重の大きさが第2の荷重領域Lbで変動するときの磁束の変動範囲となるように設定される。
第1の荷重領域Laは、軸方向荷重の大きさがゼロから上限値Faまでの領域である。第2の荷重領域Lbは、軸方向荷重の大きさがゼロから上限値Fmaxまでの領域である。ここで、第2の荷重領域Lbは、第1の荷重領域Laの上限値Faよりも大きい軸方向荷重を含むような範囲とされ、第2の荷重領域Lbの上限値Fmaxは、第1の荷重領域Laの上限値の2倍以上の大きさに設定されている。この実施形態では、第2の荷重領域Lbの上限値Fmaxは、車両用ブレーキ装置で発生しうる最大荷重の大きさとされている。
第1の荷重検出部4aの磁気センサ部12aのフルスケールSaを、第2の荷重検出部4bの磁気センサ部12bのフルスケールSbの1/3に設定した場合、第1の荷重検出部4aによる荷重の検出分解能は、第2の荷重検出部4bによる荷重の検出分解能の3倍となる。例えば、第1の荷重検出部4aの磁気センサ部12aのフルスケールSaが10kN、第2の荷重検出部4bの磁気センサ部12bのフルスケールSbが30kNとすると、第1の荷重検出部4aによる荷重の検出分解能はフルスケールSaの4096分の1に相当する約2.4N、第2の荷重検出部4bによる荷重の検出分解能はフルスケールSbの4096分の1に相当する約7.3Nとなり、第1の荷重検出部4aは第2の荷重検出部4bの3倍の検出分解能を有することとなる。
この荷重センサ1を車両用の電動ブレーキ装置に使用する場合、第1の荷重領域Laは、車両用ブレーキとしての使用頻度の高い通常制動時の減速度0〜0.2Gを発生させる荷重の範囲に設定し、第2の荷重領域Lbは、車両用ブレーキで発生しうる全荷重領域に設定することができる。
図5に示すように、磁気センサ部12a,12bは制御部14に電気的に接続され、磁気センサ部12aから出力される信号と、磁気センサ部12bから出力される信号とがそれぞれ制御部14に入力されるようになっている。制御部14には、図6に示すように、各磁気センサ部12a,12bの出力信号と荷重値との対応関係が予め設定されている。制御部14は、例えば、後述の電動ブレーキ装置の電動モータ29(図11参照)を制御する電子制御装置であり、磁気センサ部12a,12bの出力信号Va,Vbに基づいて出力される荷重値に基づいて電動モータ29を制御する。
制御部14は、磁気センサ部12aの出力信号Vaに基づいて第1の荷重検出部4aでの荷重値faを算出するとともに、磁気センサ部12bの出力信号Vbに基づいて第2の荷重検出部4bでの荷重値fbを算出する。そして、第1の荷重検出部4aでの荷重値faと第2の荷重検出部4bでの荷重値fbとがいずれも第1の荷重領域Laにあるとき、第1の荷重検出部4aでの荷重値faと第2の荷重検出部4bでの荷重値fbとを平均したものを軸方向荷重の大きさとして出力する。一方、第1の荷重検出部4aでの荷重値faまたは第2の荷重検出部4bでの荷重値fbが第1の荷重領域Laの上限値Faを超えるときは、第2の荷重検出部4bでの荷重値fbをそのまま軸方向荷重の大きさとして出力する。
この荷重センサ1は、軸方向荷重の大きさが小さい第1の荷重領域Laでは、高い検出分解能を有する第1の荷重検出部4aが荷重を検出する。そのため、この荷重センサ1を車両用ブレーキ装置に使用すると、減速度が比較的小さい通常制動時には、運転者の細かなペダル操作に対応するのに十分な荷重の検出分解能を得ることが可能である。一方、減速度が比較的大きい急制動時には、第2の荷重検出部4bで、第1の荷重領域Laの上限値Faよりも大きい軸方向荷重を検出することが可能である。このように、荷重センサ1は車両用ブレーキ装置に好適である。
また、この荷重センサ1は、第1の荷重領域Laでは、第1の荷重検出部4aと第2の荷重検出部4bの両方で軸方向荷重を検出することができる。そのため、第1の荷重検出部4aと第2の荷重検出部4bのいずれか一方の荷重検出部が故障したときにも、他方の荷重検出部で第1の荷重領域Laの軸方向荷重を検出可能であり、優れた冗長性を有する。
また、この荷重センサ1は、弾性部材2に偏荷重(不均一な分布の軸方向荷重)が入力されたときにも、その偏荷重の影響を排除することが可能である。以下説明する。
すなわち、図1の矢印に示すように、弾性部材2に入力される軸方向荷重の分布が、第1の荷重検出部4aの位置と第2の荷重検出部4bの位置とで均一である場合、図6に示すように、第1の荷重検出部4aの出力信号Vaに基づいて算出される荷重値faと、第2の荷重検出部4bの出力信号Vbに基づいて算出される荷重値fbとは互いに一致する。
一方、図7の矢印に示すように、弾性部材2に入力される軸方向荷重の分布が不均一であり、その結果、第1の荷重検出部4aの位置に作用する軸方向荷重が、第2の荷重検出部4bの位置に作用する軸方向荷重よりも大きくなる場合、図8に示すように、第1の荷重検出部4aの出力信号Vaに基づいて算出される荷重値faは本来の値fよりも大きくなり、第2の荷重検出部4bの出力信号Vbに基づいて算出される荷重値fbは本来の値fよりも小さくなる。すなわち、弾性部材2に偏荷重が入力されたとき、第1の荷重検出部4aでの荷重値faと第2の荷重検出部4bでの荷重値fbのうち、いずれか一方の荷重値が本来の値fよりも大きくなり、他方の荷重値が本来の値fよりも小さくなる傾向がある。
このとき、もし仮に第1の荷重検出部4aと第2の荷重検出部4bのいずれか一方のみで荷重を検出するとすれば、弾性部材2に入力される軸方向荷重が偏荷重か否かを知ることはできず、検出される荷重の値も大きな誤差を含んだものとなってしまう。
これに対し、上記の荷重センサ1は、第1の荷重検出部4aから出力される信号Vaに基づいて検出される荷重値faと、第2の荷重検出部4bから出力される信号Vbに基づいて検出される荷重値fbとを平均したものを軸方向荷重の大きさとして出力するので、弾性部材2に入力される軸方向荷重が偏荷重になったときにも、荷重センサ1から出力される荷重の大きさが、実際の軸方向荷重の大きさfと概ね一致し、偏荷重の影響を排除することが可能である。
また、この荷重センサ1は、2つの永久磁石13をN極とS極が軸方向に隣接するように並べて配置した磁気ターゲット11aと、その隣接するN極とS極の境目の近傍に配置した磁気センサ部12aとを有する荷重検出部4a,4bを採用しているので、N極とS極の境目の近傍に高密度の磁束が生じ、この磁束が磁気センサ部12aを貫く状態となる。そのため、磁気ターゲット11aと磁気センサ部12aの微小な相対移動に応じて、磁気センサ部12aの出力信号が急峻に変化し、その結果、高い検出分解能を実現することが可能である。また、磁気センサ部12aの出力信号は、弾性部材2の変形による磁気ターゲット11aと磁気センサ部12aの相対変位に対して急峻に変化し、一方、それ以外の磁気ターゲット11aと磁気センサ部12aの相対変位に対してはあまり変化しないという指向性が生じるため、磁気センサ部12aの出力信号が外部振動の影響を受けにくく、安定した精度で荷重の大きさを検出することが可能となる。
上記実施形態では、第1の荷重領域Laの全体と重複するように第2の荷重領域Lbを設定したが、図9に示すように、第2の荷重領域Lbは、第1の荷重領域Laと一部のみ重複するように設定してもよい。このようにしても、第1の荷重領域Laの上限値Faをまたがる連続した荷重領域において軸方向荷重を検出することができる。
また、上記実施形態では、弾性部材2に磁気ターゲット11aを固定し、静止部材3に磁気センサ部12aを固定しているが、この磁気ターゲット11aと磁気センサ部12aの関係を反対にしてもよい。すなわち、図10に示すように、弾性部材2に磁気センサ部12aを固定し、静止部材3に磁気ターゲット11aを固定してもよい。
また、上記実施形態では、2つの荷重検出部4a,4bを180度の間隔となるように設けた荷重センサ1を例に挙げて説明したが、3つ以上の荷重検出部を円周方向に等間隔となるように設けてもよい。
荷重検出部4a,4bは、例えば歪ゲージなど他の方式で荷重を検出する構成のものを採用してもよい。また、高い検出分解能を有する第1の荷重検出部4aとして、上記実施形態のように磁気式のものを採用し、全荷重領域において荷重を検出する第2の荷重検出部4bとして、歪ゲージを採用することも可能である。
図11〜図13に、上記の磁気式荷重センサ1を使用した車両用の電動ブレーキ装置を示す。
この電動ブレーキ装置は、車輪と一体に回転するブレーキディスク20を間に挟んで対向する対向片21,22をブリッジ23で連結した形状のキャリパボディ24と、対向片21のブレーキディスク20に対する対向面に開口する収容孔25に組み込まれた直動アクチュエータ26と、左右一対の摩擦パッド27,28とからなる。
摩擦パッド27は、対向片21とブレーキディスク20の間に設けられており、キャリパボディ24をブレーキディスク20に対し軸方向にスライド可能に支持するマウント(図示せず)で、ブレーキディスク20の軸方向に移動可能に支持されている。他方の摩擦パッド28は反対側の対向片22に取り付けられている。直動アクチュエータ26は、電動モータ29と、その電動モータ29の回転を外輪部材30の軸方向移動に変換する運動変換機構31とを有する。
図12に示すように、運動変換機構31は、電動モータ29の回転が入力される回転軸32と、その回転軸32の外径面に転がり接触する複数の遊星ローラ33と、その複数の遊星ローラ33を自転可能かつ公転可能に保持するキャリヤ34と、複数の遊星ローラ33を囲むように配置された直動部材としての外輪部材30とを有する。
回転軸32は、図11に示す電動モータ29の回転が歯車35を介して入力されることにより回転駆動される。回転軸32は、対向片21を軸方向に貫通して形成された収容孔25の軸方向後側の開口から一端が突出した状態で収容孔25に挿入され、収容孔25からの突出部分に歯車35がスプライン嵌合して回り止めされている。歯車35は、収容孔25の軸方向後側の開口を塞ぐようにボルトで固定した蓋36で覆われている。
図13に示すように、遊星ローラ33は、回転軸32の外周の円筒面に転がり接触しており、回転軸32が回転したときに遊星ローラ33と回転軸32の間の摩擦によって遊星ローラ33も回転するようになっている。遊星ローラ33は、周方向に一定の間隔をおいて複数設けられている。
図12に示すように、外輪部材30は、収容孔25の内周で軸方向にスライド可能に支持されている。外輪部材30の軸方向前端には、摩擦パッド27の背面に形成された係合凸部37に係合する係合凹部38が形成され、この係合凸部37と係合凹部38の係合によって、外輪部材30がキャリパボディ24に対して回り止めされている。
外輪部材30の内径面には螺旋凸条39が設けられ、遊星ローラ33の外径面には、螺旋凸条39に係合する円周溝40が設けられており、遊星ローラ33が回転したときに、外輪部材30の螺旋凸条39が円周溝40に案内されて、外輪部材30が軸方向に移動するようになっている。ここでは遊星ローラ33の外径面にリード角が0度の円周溝40を設けているが、円周溝40のかわりに螺旋凸条39と異なるリード角をもつ螺旋溝を設けてもよい。
キャリヤ34には、各遊星ローラ33の軸方向後面を自転可能に支持するスラスト軸受41が組み込まれている。収容孔25内には、キャリヤ34の軸方向後方に荷重センサ1が嵌め込まれている。キャリヤ34と荷重センサ1の間には、キャリヤ34と一体に公転する間座42と、間座42を公転可能に支持するスラスト軸受43とが組み込まれている。
スラスト軸受43は、弾性部材2の荷重入力部5で軸方向に支持されるように設けられており、このスラスト軸受43を介して間座42から弾性部材2の荷重入力部5に軸方向荷重が入力されるようになっている。回転軸32は、静止部材3の円筒部9内に組み込まれた軸受44で回転可能に支持されている。
荷重センサ1は、静止部材3の外周縁を、収容孔25の後端部内周に形成された突起45で係止することによって軸方向後方への移動が規制されている。そして、この荷重センサ1は、間座42とスラスト軸受43とを介してキャリヤ34を軸方向に支持することで、キャリヤ34の軸方向後方への移動を規制している。また、キャリヤ34は、回転軸32の軸方向前端に装着された止め輪46で軸方向前方への移動も規制されている。したがって、キャリヤ34は、軸方向前方と軸方向後方の移動がいずれも規制され、キャリヤ34に保持された遊星ローラ33も軸方向移動が規制された状態となっている。
次に、上述した電動ブレーキ装置の動作例を説明する。
電動モータ29を作動させると、回転軸32が回転し、遊星ローラ33が自転しながら回転軸32を中心に公転する。このとき螺旋凸条39と円周溝40の係合によって外輪部材30と遊星ローラ33が軸方向に相対移動するが、遊星ローラ33はキャリヤ34と共に軸方向の移動が規制されているので、遊星ローラ33は軸方向に移動せず、外輪部材30が軸方向に移動する。このようにして、直動アクチュエータ26は、電動モータ29で駆動される回転軸32の回転を外輪部材30の軸方向移動に変換し、その外輪部材30で摩擦パッド27を軸方向前方に押圧することで、摩擦パッド27をブレーキディスク20に押し付けて制動力を発生させる。
ここで、外輪部材30で摩擦パッド27を軸方向前方に押圧するとき、外輪部材30には軸方向後方への反力が作用し、その反力は、遊星ローラ33、キャリヤ34、間座42、スラスト軸受43を介して荷重センサ1で受け止められる。そして、その反力によって荷重センサ1の弾性部材2が軸方向後方にたわみ、弾性部材2のたわみ量に応じて第1の荷重検出部4aと第2の荷重検出部4bの出力信号Va,Vbが変化し、この出力信号Va,Vbに基づいて軸方向荷重の大きさ(摩擦パッド27の押圧力)が検出される。
この電動ブレーキ装置では、電動モータ29の回転が入力される回転軸32の回転を外輪部材30の軸方向移動に変換する運動変換機構31として、遊星ローラ33を用いた機構を採用したが、他の構成の運動変換機構31を採用してもよい。
運動変換機構31としてボールねじ機構を採用した電動ブレーキ装置の例を図14に示す。以下、上記実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
図14において、運動変換機構31は、回転軸32と一体に設けられたねじ軸50と、ねじ軸50を囲むように設けられたナット51と、ねじ軸50の外周に形成されたねじ溝52とナット51の内周に形成されたねじ溝53の間に組み込まれた複数のボール54と、ナット51のねじ溝53の終点から始点にボール54を戻す図示しないリターンチューブとを有する。
ナット51は、対向片21に設けられた収容孔25内に、キャリパボディ24に対して回り止めされた状態で軸方向にスライド可能に収容されている。ねじ軸50の軸方向後端にはねじ軸50と一体に回転する間座42が設けられ、その間座42がスラスト軸受43を介して荷重センサ1で支持されている。ここで、荷重センサ1は、間座42とスラスト軸受43とを介してねじ軸50を軸方向に支持することで、ねじ軸50の軸方向後方への移動を規制している。
この電動ブレーキ装置は、回転軸32の回転を直動部材としてのナット51の軸方向移動に変換し、そのナット51で摩擦パッド27を軸方向前方に押圧することで、摩擦パッド27をブレーキディスク20に押し付けて制動力を発生させる。このとき、ナット51には、軸方向後方への反力が作用し、その反力は、ねじ軸50、間座42、スラスト軸受43を介して荷重センサ1で受け止められる。そして、その反力によって荷重センサ1の弾性部材2が軸方向後方にたわみ、弾性部材2のたわみ量に応じて第1の荷重検出部4aと第2の荷重検出部4bの出力信号Va,Vbが変化し、この出力信号Va,Vbに基づいて軸方向荷重の大きさ(摩擦パッド27の押圧力)が検出される。
また、運動変換機構31としてボールランプ機構を採用した電動ブレーキ装置の例を図15に示す。
図15において、運動変換機構31は、回転軸32と、回転軸32の外周に回り止めされた回転ディスク60と、回転ディスク60の軸方向前方に対向して配置された直動ディスク61と、回転ディスク60と直動ディスク61の間に挟まれた複数のボール62とを有する。
直動ディスク61は、対向片21に設けられた収容孔25内に、キャリパボディ24に対して回り止めされた状態で軸方向にスライド可能に収容されている。回転ディスク60の軸方向後端には回転ディスク60と一体に回転する間座42が設けられ、その間座42がスラスト軸受43を介して荷重センサ1で支持されている。ここで、荷重センサ1は、間座42とスラスト軸受43とを介して回転ディスク60を軸方向に支持することで回転ディスク60の軸方向後方への移動を規制している。
図15、図16に示すように、回転ディスク60の直動ディスク61に対する対向面には、周方向の一方向に沿って深さが次第に浅くなる傾斜溝63が形成され、直動ディスク61の回転ディスク60に対する対向面には、周方向の他方向に沿って深さが次第に浅くなる傾斜溝64が形成されている。図17(a)に示すように、ボール62は、回転ディスク60の傾斜溝63と直動ディスク61の傾斜溝64の間に組み込まれており、図17(b)に示すように、直動ディスク61に対して回転ディスク60が相対回転すると、傾斜溝63,64内をボール62が転動して、回転ディスク60と直動ディスク61の間隔が拡大するようになっている。
この電動ブレーキ装置は、回転軸32の回転を直動部材としての直動ディスク61の軸方向移動に変換し、その直動ディスク61で摩擦パッド27を軸方向前方に押圧することで、摩擦パッド27をブレーキディスク20に押し付けて制動力を発生させる。このとき、回転ディスク60には、軸方向後方への反力が作用し、その反力は、間座42、スラスト軸受43を介して荷重センサ1で受け止められる。そして、その反力によって荷重センサ1の弾性部材2が軸方向後方にたわみ、弾性部材2のたわみ量に応じて第1の荷重検出部4aと第2の荷重検出部4bの出力信号Va,Vbが変化し、この出力信号Va,Vbに基づいて軸方向荷重の大きさ(摩擦パッド27の押圧力)が検出される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 弾性部材
4a 第1の荷重検出部
4b 第2の荷重検出部
11a 磁気ターゲット
12a 磁気センサ部
13 永久磁石
14 制御部
26 電動式直動アクチュエータ
27 摩擦パッド
29 電動モータ
30 外輪部材
31 運動変換機構
32 回転軸
33 遊星ローラ
34 キャリヤ
39 螺旋凸条
40 円周溝
43 スラスト軸受
Fa,Fmax 上限値
La 第1の荷重領域
Lb 第2の荷重領域
Va,Vb 出力信号
fa,fb 荷重値

Claims (9)

  1. 外部から軸方向荷重が入力されて弾性変形を生じる弾性部材(2)と、
    その弾性部材(2)の変形量に応じた信号を出力する2つ以上の荷重検出部(4a,4b)とを有し、
    前記2つ以上の荷重検出部(4a,4b)は、
    前記弾性部材(2)に入力される軸方向荷重の大きさが所定の上限値(Fa)よりも小さい第1の荷重領域(La)で、前記弾性部材(2)の変形量に応じた信号(Va)を出力する第1の荷重検出部(4a)と、
    前記第1の荷重領域(La)の上限値(Fa)よりも大きい軸方向荷重を含む第2の荷重領域(Lb)で、前記弾性部材(2)の変形量に応じた信号(Vb)を出力する第2の荷重検出部(4b)とを含み、
    前記第1の荷重検出部(4a)および第2の荷重検出部(4b)は、第1の荷重検出部(4a)が第2の荷重検出部(4b)よりも高い検出分解能を有するように構成されている荷重センサ。
  2. 前記第2の荷重領域(Lb)は、前記第1の荷重領域(La)と少なくとも一部重複するように設定されている請求項1に記載の荷重センサ。
  3. 前記第1の荷重領域(La)は、前記弾性部材(2)に入力される軸方向荷重の大きさがゼロから前記上限値(Fa)までの領域であり、
    前記第2の荷重領域(Lb)は、前記弾性部材(2)に入力される軸方向荷重の大きさがゼロから前記上限値(Fa)の2倍以上の大きさの上限値(Fmax)までの領域である請求項1または2に記載の荷重センサ。
  4. 前記2つ以上の荷重検出部(4a,4b)が、前記弾性部材(2)に対する軸方向荷重の作用中心まわりに円周方向に等間隔となるように配置されている請求項1から3のいずれかに記載の荷重センサ。
  5. 前記第1の荷重検出部(4a)と第2の荷重検出部(4b)から出力されるそれぞれの信号(Va,Vb)が入力され、その各信号(Va,Vb)に基づいて前記第1の荷重検出部(4a)での荷重値(fa)と第2の荷重検出部(4b)での荷重値(fb)とをそれぞれ算出し、前記第1の荷重領域(La)では、前記第1の荷重検出部(4a)での荷重値(fa)と第2の荷重検出部(4b)での荷重値(fb)とを平均したものを前記軸方向荷重の大きさとして出力する制御部(14)を更に有する請求項1から4のいずれかに記載の荷重センサ。
  6. 前記第1の荷重検出部(4a)は、磁界を発生する磁気ターゲット(11a)と、その磁気ターゲット(11a)に対する相対位置が前記弾性部材(2)の変形量に応じて変化するように配置された磁気センサ部(12a)とからなり、
    前記磁気ターゲット(11a)は、前記弾性部材(2)の変形による磁気ターゲット(11a)と磁気センサ部(12a)の相対変位方向に対して直交する方向に磁化された2つの永久磁石(13)を、一方の永久磁石(13)のN極と他方の永久磁石(13)のS極が前記磁気ターゲット(11a)と磁気センサ部(12a)の相対変位方向に隣接するように配置したものであり、
    前記磁気センサ部(12a)は、前記隣接するN極とS極の境目の近傍に配置されている請求項1から5のいずれかに記載の荷重センサ。
  7. 電動モータ(29)と、その電動モータ(29)の回転を直動部材(30)の軸方向移動に変換する運動変換機構(31)とを有する電動式直動アクチュエータにおいて、
    前記直動部材(30)で対象物(27)を軸方向前方に押圧したときに直動部材(30)に作用する軸方向後方への反力を受ける部分に、請求項1から6のいずれかに記載の荷重センサを組み込んだことを特徴とする電動式直動アクチュエータ。
  8. 前記運動変換機構(31)は、前記電動モータ(29)の回転が入力される回転軸(32)と、その回転軸(32)の外径面に転がり接触する複数の遊星ローラ(33)と、その複数の遊星ローラ(33)を自転可能かつ公転可能に保持するキャリヤ(34)と、前記複数の遊星ローラ(33)を囲むように配置された前記直動部材としての外輪部材(30)と、その外輪部材(30)の内径面に設けられた螺旋凸条(39)と、その螺旋凸条(39)と係合するように前記各遊星ローラ(33)の外径面に設けられた螺旋溝または円周溝(40)とを有し、
    前記弾性部材(2)は、前記キャリヤ(34)をスラスト軸受(43)を介して支持することで前記キャリヤ(34)の軸方向後方への移動を規制する部材である請求項7に記載の電動式直動アクチュエータ。
  9. 電動モータ(29)と、その電動モータ(29)の回転を直動部材(30)の軸方向移動に変換する運動変換機構(31)とを有し、前記直動部材(30)で摩擦パッド(27)を軸方向前方に押圧して制動力を発生する電動ブレーキ装置において、
    前記直動部材(30)で摩擦パッド(27)を軸方向前方に押圧したときに直動部材(30)に作用する軸方向後方への反力を受ける部分に、請求項1から6のいずれかに記載の荷重センサを組み込んだことを特徴とする電動ブレーキ装置。
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