JP6055125B2 - 直動アクチュエータ - Google Patents

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Description

この発明は、直動アクチュエータに関する。
電動ブレーキ装置は、一般に、電動モータの回転を摩擦パッドの軸方向移動に変換し、その摩擦パッドをブレーキディスクに押し付けて制動力を発生する。この制動力を所望の大きさに制御するため、電動ブレーキ装置には、摩擦パッドに印加する荷重の反力を受ける部分に荷重センサを組み込むことが多い。この荷重センサにかかる荷重(すなわち摩擦パッドに印加する荷重)の大きさは最大で30kN程度であり、また、電動ブレーキの応答性を高めるために微小変位で荷重を検出する荷重センサが用いられる。
このように大きな荷重を微小変位で検出する荷重センサとして、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1の荷重センサは、対向一対の円環板状の押圧板と、その一対の押圧板の間に挟み込まれた水晶圧電素子と、その水晶圧電素子と片側の押圧板との間を電気的に絶縁する絶縁板と、水晶圧電素子が発生する電圧を取り出すリード線とからなる。
この特許文献1の荷重センサは、軸方向荷重が入力されると、その荷重で水晶圧電素子の内部に圧縮応力が生じ、その応力の大きさに応じた電圧が水晶圧電素子に発生するので、この水晶圧電素子の電圧を計測することで荷重の大きさを検出することができる。また、水晶圧電素子の変形による押圧板の変位は微小なので、このセンサを電動ブレーキに組み込んだ場合、電動ブレーキの応答性を損なうことがない。
しかしながら、この荷重センサは、入力された荷重を水晶圧電素子で直接受けるので、衝撃荷重や軸方向に対して斜め方向の荷重が加わると水晶圧電素子に割れや欠けが生じるおそれがあった。また、圧電素子と片方の押圧板の間を電気的に絶縁する絶縁板にも荷重が作用するので、絶縁板に高い耐久性が必要とされるが、樹脂などの安価な絶縁板では耐久性を確保するのが難しかった。
そこで、本願発明の発明者は、大きな荷重を微小変位で検出することができ、しかも耐久性に優れた荷重センサを研究し、そのような荷重センサとして、図15に示すものを社内において開発した。
図15に示す荷重センサ80は、フランジ部材2と支持部材3と磁気ターゲット4と磁気センサ5とからなる。フランジ部材2は、軸方向前方から荷重が入力されたときにたわみを生じるように、荷重の入力位置から径方向外方にずらした位置で軸方向後方から支持部材3で支持されている。磁気ターゲット4は、フランジ部材2に固定されている。磁気センサ5は、磁気ターゲット4が発生する磁束を検出するように、支持部材3に固定されている。
この荷重センサ80は、軸方向前方からフランジ部材2に荷重が入力されると、フランジ部材2のたわみによって磁気ターゲット4と磁気センサ5が相対変位し、その磁気ターゲット4と磁気センサ5の相対変位に応じて磁気センサ5の出力信号が変化するので、磁気センサ5の出力信号に基づいて荷重の大きさを検出することができる。ここで、荷重センサ80に荷重が入力されたときに、その荷重はフランジ部材2に作用してフランジ部材2をたわませるが、磁気センサ5には作用しない。そのため、衝撃荷重や軸方向に対して斜め方向の荷重が加わっても故障しにくく、高い耐久性を確保することができる。
国際公開2011/030839号
本願の発明者は、実際に図15に示す荷重センサを試作し、その荷重センサで電動ブレーキ装置の軸方向荷重を検出する試験を行なったところ、荷重増加時(すなわちフランジ部材2のたわみが増加するとき)と荷重減少時(すなわちフランジ部材2のたわみが減少するとき)の間にヒステリシス誤差が生じることが分かった。
そして、本願の発明者は、このヒステリシス誤差が生じる原因を調査した結果、フランジ部材2がたわむときに、そのたわみによって、フランジ部材2の荷重作用面6が僅かに径方向に変位し、その変位によって荷重作用面6に生じる僅かな滑りが原因であることを見いだした。
この発明が解決しようとする課題は、ヒステリシス誤差が生じにくい荷重センサを提供することである。
本願の発明者は、図15に示すフランジ部材2に軸方向前方から軸方向荷重を入力したときにフランジ部材2の各部位に生じる径方向の変位を解析したところ、図16(a)に示すように、フランジ部材2の軸方向前面は径方向内方に変位し、フランジ部材2の軸方向後面は径方向外方に変位するが、フランジ部材2の軸方向前面と軸方向後面の間の部位(すなわち、軸方向の中間部位)は、径方向にほとんど変位しないことが分かった。そして、このフランジ部材2の軸方向前面と軸方向後面の間に荷重作用面6を配置すれば、荷重作用面6の滑りを低減することが可能となる点に着眼した。
この着眼に基づいて、本願発明では、軸方向前方から荷重が入力されてたわみを生じるフランジ部材と、そのフランジ部材を前記荷重の入力位置から径方向にずらした位置で軸方向後方から支持する支持部材と、磁束を発生する磁気ターゲットと、その磁気ターゲットが発生する磁束を検出する磁気センサとを有し、前記磁気ターゲットと磁気センサは、前記フランジ部材に荷重が入力されたときにそのフランジ部材のたわみにより磁気ターゲットと磁気センサが相対変位するように、磁気ターゲットと磁気センサの一方が前記フランジ部材に固定され、他方が前記支持部材に固定され、前記磁気センサで検出した磁束に基づいて前記荷重の大きさを検出する磁気式荷重センサとして、前記フランジ部材の前記荷重が入力される荷重作用面を、前記フランジ部材の支持部材で支持される部分の軸方向前面に対して軸方向後方にオフセットした位置に形成した磁気式荷重センサを提供する。
このようにすると、フランジ部材の荷重作用面が、フランジ部材の軸方向前面に対して軸方向後方にオフセットしているので、フランジ部材がたわむときの荷重作用面の径方向の変位を小さく抑えることができる。そのため、フランジ部材に荷重を入力したときの荷重作用面の滑りが低減され、荷重作用面の滑りによるヒステリシス誤差を防止することができる。
さらに、前記フランジ部材の支持部材で支持される被支持面を、前記フランジ部材の前記荷重が入力される部分の軸方向後面に対して軸方向前方にオフセットした位置に形成すると好ましい。このようにすると、フランジ部材の被支持面が、フランジ部材の軸方向後面に対して軸方向前方にオフセットしているので、フランジ部材がたわむときの被支持面の径方向の変位も小さく抑えることができる。そのため、フランジ部材に荷重を入力したときの被支持面の滑りが低減され、被支持面の滑りによるヒステリシス誤差を防止することができる。
前記フランジ部材の前記荷重が入力される荷重作用面と、前記フランジ部材の支持部材で支持される部分の軸方向前面とは、段差を介して連なる二平面とすることができる。この場合、前記フランジ部材の荷重作用面と前記フランジ部材の前面側の段差との間に両者を滑らかにつなぐ断面円弧状の隅R部を形成すると、フランジ部材に荷重を入力したときに、フランジ部材の荷重作用面と段差が交差する位置に引張応力が集中するのを防止して、フランジ部材の耐久性を確保することができる。
また、前記フランジ部材の支持部材で支持される被支持面と、前記フランジ部材の前記荷重が入力される部分の軸方向後面とは、段差を介して連なる二平面とすることができる。この場合、前記フランジ部材の被支持面と前記フランジ部材の後面側の段差とが交差する位置に、円弧状の断面をもつ盗み溝を形成すると、フランジ部材に荷重を入力したときに、フランジ部材の被支持面と段差が交差する位置に圧縮応力が集中するのを防止して、フランジ部材の耐久性を確保することができる。
前記フランジ部材の前記荷重が入力される荷重作用面と、前記フランジ部材の前記支持部材で支持される被支持面とを、同一平面上に位置するように形成すると、フランジ部材に荷重を入力したときの荷重作用面の滑りと被支持面の滑りとを極めて効果的に低減することが可能となる。ここで、同一平面上とは、フランジ部材の荷重作用面と被支持面とが、数学的に厳密な意味で同一平面上にあることを必要とせず、荷重作用面と被支持面とが、フランジ部材の荷重が入力される部分の厚さの10%程度の厚みをもつ仮想の平面状領域内に存在する程度のことを意味する。
前記磁気ターゲットとして、磁気ターゲットと磁気センサの軸方向の相対変位方向である軸方向に対して直交する方向を磁化方向とする複数の永久磁石を軸方向に並ぶように配置したものを採用し、その隣り合う磁極の境目の近傍に前記磁気センサを配置すると好ましい。
このようにすると、磁気センサの出力信号は、磁気ターゲットと磁気センサの軸方向の相対変位に対して急峻に変化し、一方、軸方向以外の方向の相対変位に対してはあまり変化しないという軸方向の指向性を示す。そのため、磁気センサの出力信号が外部振動の影響を受けにくく、安定した精度で荷重の大きさを検出することができる。
前記支持部材は、前記フランジ部材の外径側端部の軸方向後面を支持する環状の支持部と、前記フランジ部材の外周に締め代をもって嵌合するように前記支持部の外径側に形成された嵌合筒部とを有する構成とすることができる。このようにすると、フランジ部材が支持部材と一体化するので、磁気式荷重センサの取り扱いが容易になるとともに、嵌合筒部とフランジ部材の間に締め代が設定されているので、フランジ部材がたわむときに、嵌合筒部とフランジ部材の間に滑りが生じにくく、嵌合筒部とフランジ部材の嵌合面間の滑りによるヒステリシス誤差を防止することができる。
また、この発明では、上記磁気式荷重センサを備えた電動ブレーキ装置を提供する。
この発明の磁気式荷重センサは、フランジ部材の荷重作用面が、フランジ部材の軸方向前面に対して軸方向後方にオフセットしているので、フランジ部材がたわむときの荷重作用面の径方向の変位が小さく抑えられる。そのため、フランジ部材に荷重が入力されたときに、荷重作用面の滑りによるヒステリシス誤差を生じにくい。
この発明の第1実施形態の磁気式荷重センサを示す断面図 図1に示す磁気式荷重センサの左側面図 図1に示す磁気式荷重センサの磁気ターゲット近傍の拡大断面図 図2に示す磁気ターゲットと磁気センサの配置を変更した例を示す拡大断面図 図2に示す磁気式荷重センサの他の例を示す拡大断面図 図1に示す磁気式荷重センサを使用した電動ブレーキ装置を示す断面図 図6の直動アクチュエータ近傍の拡大断面図 図7のVIII−VIII線に沿った断面図 図6に示す遊星ローラ機構にかえてボールねじ機構を使用した電動ブレーキ装置を示す断面図 図6に示す遊星ローラ機構にかえてボールランプ機構を使用した電動ブレーキ装置を示す断面図 図10のXI−XI線に沿った断面図 (a)は図11に示すボールと傾斜溝の関係を示す図、(b)は(a)に示す状態から回転ディスクと直動ディスクが相対回転して両ディスクの間隔が拡大した状態を示す図 この発明の第2実施形態の磁気式荷重センサを示す断面図 図13に示す磁気式荷重センサを使用した電動ブレーキ装置を示す断面図 比較例の磁気式荷重センサを示す断面図 (a)は図15に示す比較例の磁気式荷重センサに軸方向荷重を入力したときにフランジ部材の各部位に生じる径方向の変位を解析した結果を示す図、(b)は図1に示す磁気式荷重センサに軸方向荷重を入力したときにフランジ部材の各部位に生じる径方向の変位を解析した結果を示す図
図1〜図3に、この発明の第1実施形態の磁気式荷重センサ1を示す。この磁気式荷重センサ1は、軸方向前方から荷重が入力されてたわみを生じるフランジ部材2と、フランジ部材2を軸方向後方から支持する支持部材3と、磁束を発生する磁気ターゲット4と、磁気ターゲット4が発生する磁束を検出する磁気センサ5とからなる。
フランジ部材2は、鉄等の金属で形成された円環板状の部材である。フランジ部材2の内径側部分の軸方向前面には、荷重が入力される荷重作用面6が形成されている。荷重作用面6は軸方向に直角な平面であり、フランジ部材2の支持部材3で支持される部分の軸方向前面7に対して軸方向後方にオフセットした位置に形成されている。このオフセットにより、荷重作用面6はフランジ部材2の軸方向前端と後端の間の領域(フランジ部材2の軸方向の中間領域)に存在する配置となっている。
図3に示すように、荷重作用面6と、フランジ部材2の支持部材3で支持される部分の軸方向前面7とは、段差8を介して連なっている。荷重作用面6と段差8の間には、両者を滑らかにつなぐ断面円弧状の隅R部9が形成されている。この隅R部9は、軸方向前方からフランジ部材2に軸方向荷重が入力されたときに、フランジ部材2の荷重作用面6と段差8が交差する位置に引張応力が集中するのを防止することにより、フランジ部材2の耐久性を確保するものである。
フランジ部材2の外径側部分の軸方向後面には、支持部材3で支持される被支持面10が形成されている。被支持面10は、軸方向に直角な平面であり、フランジ部材2の荷重が入力される部分の軸方向後面11に対して軸方向前方にオフセットした位置に形成されている。このオフセットにより、被支持面10はフランジ部材2の軸方向前端と後端の間の領域(フランジ部材2の軸方向の中間領域)に存在する配置となっている。
被支持面10と、フランジ部材2の荷重が入力される部分の軸方向後面11とは、段差12を介して連なっている。被支持面10と段差12とが交差する位置には、円弧状の断面をもち周方向に延びる盗み溝13が形成されている。この盗み溝13は、軸方向前方からフランジ部材2に軸方向荷重が入力されたときに、フランジ部材2の被支持面10と段差12が交差する位置に圧縮応力が集中するのを防止することにより、フランジ部材2の耐久性を確保するものである。
支持部材3は、フランジ部材2と同一の金属で形成されている。支持部材3は、フランジ部材2の外径側端部の軸方向後面11を支持する環状の支持部14と、フランジ部材2の外周に嵌合するように支持部14の外径側に形成された嵌合筒部15と、フランジ部材2の内径側に対向するように設けられた円筒部16と、フランジ部材2の軸方向後方で円筒部16と支持部14の間を連結する連結部17とを有する。
ここで、支持部材3の支持部14は、フランジ部材2に対する荷重の入力位置(すなわち荷重作用面6)から径方向外方にずれた位置でフランジ部材2を支持している。これにより、フランジ部材2は、荷重が入力されたときに被支持面10の位置を支点として内径側部分が軸方向後方にたわむようになっている。
嵌合筒部15の内周とフランジ部材2の外周の間には締め代が設定されている。この締め代によって、フランジ部材2が支持部材3と一体化し、磁気式荷重センサ1の取り扱いが容易となっている。
磁気ターゲット4は、フランジ部材2の内周に固定されている。磁気センサ5は、磁気ターゲット4と径方向に対向するように支持部材3の円筒部16の外周に固定されている。円筒部16の内周には複数の軸受18が軸方向に間隔をおいて装着されている。
磁気ターゲット4は、フランジ部材2のたわみによる磁気ターゲット4と磁気センサ5の相対変位方向である軸方向に対して直交する方向(ここでは半径方向)を磁化方向とする2個の永久磁石19からなる。2個の永久磁石19は、それぞれの永久磁石19の反対の極性を有する磁極(すなわち、一方の永久磁石19のN極と他方の永久磁石19のS極)が軸方向に並ぶように隣接して配置されている。
永久磁石19としては、例えば、ネオジム磁石を使用すると、省スペースで強力な磁束を発生させることができるが、サマリウムコバルト磁石、サマリウム窒化鉄磁石、アルニコ磁石、フェライト磁石、プラセオジム磁石、などを使用してもよい。サマリウムコバルト磁石、サマリウム窒化鉄磁石、またはアルニコ磁石を使用すると、永久磁石19の温度上昇に伴う磁束の減少を抑えることができる。また、プラセオジム磁石を使用すると、永久磁石19の機械的強度を向上することができる。
磁気センサ5は、2個の永久磁石19の隣り合う磁極の境目の近傍で磁気ターゲット4と軸直交方向(図では半径方向)に対向するように配置されている。磁気センサ5としては、磁気抵抗素子(いわゆるMRセンサ)や、磁気インピーダンス素子(いわゆるMIセンサ)を使用することも可能であるが、ホールICを使用するとコスト面で有利であり、また耐熱性の高いホールICが市販されているので電動ブレーキの用途に好適である。
この磁気式荷重センサ1は、図1の矢印に示すように、軸方向前方から後方に向かう軸方向荷重がフランジ部材2に入力されると、その軸方向荷重によってフランジ部材2が外径側端部を支点として軸方向後方にたわみ、このたわみに伴い、磁気ターゲット4と磁気センサ5が軸方向に相対変位し、磁気ターゲット4と磁気センサ5の相対変位に応じて磁気センサ5の出力信号が変化する。そのため、フランジ部材2に入力される軸方向荷重の大きさと、磁気センサ5の出力信号との関係を予め把握しておくことにより、磁気センサ5の出力信号に基づいてフランジ部材2にかかる軸方向荷重の大きさを検出することができる。
ここで、磁気式荷重センサ1に軸方向荷重が入力されたときの磁気ターゲット4と磁気センサ5の相対変化量は極めて小さい。例えば、この磁気式荷重センサ1を後述する電動ブレーキ装置に組み込んだとき、磁気式荷重センサ1には最大で30kNの軸方向荷重が入力されるが、このときの磁気ターゲット4と磁気センサ5の軸方向の相対変化量は0.4mm程度である。ここで、上記磁気式荷重センサ1は、半径方向を磁化方向とする2個の永久磁石19のN極とS極が軸方向に隣接しているので、そのN極とS極の境目に配置された磁気センサ5の付近には、軸方向に交差する磁束が高い密度で存在している。そのため、磁気ターゲット4と磁気センサ5の軸方向の僅かな相対変位に対して、磁気センサ5の出力信号が急峻に変化する。したがって、磁気ターゲット4と磁気センサ5の相対変位が極めて小さいにもかかわらず、フランジ部材2に作用する軸方向荷重の大きさを検出することが可能となっている。
図15に上記実施形態に対する比較例の磁気式荷重センサ80を示す。この磁気式荷重センサ80は、フランジ部材2の荷重作用面6がフランジ部材2の軸方向前面7に対してオフセットされておらず、フランジ部材2の前面側の段差8が存在しない。また、フランジ部材2の被支持面10もフランジ部材2の軸方向後面11に対してオフセットされておらず、フランジ部材2の後面側の段差12が存在しない。その他の構成は、上記実施形態と同一である。
そして、この図15に示す比較例の磁気式荷重センサ80のフランジ部材2に軸方向前方から軸方向荷重を入力したときにフランジ部材2の各部位に生じる径方向の変位を解析した結果と、上記実施形態の磁気式荷重センサ1のフランジ部材2に軸方向前方から軸方向荷重を入力したときにフランジ部材2の各部位に生じる径方向の変位を解析した結果を、図16(a)、(b)に示す。この解析はフランジ部材2の1/36カットモデルを対象にして行なった。
この解析結果によれば、図15に示すように、フランジ部材2の荷重作用面6をオフセットしない場合、図16(a)に示すような変位分布を示すのに対し、上記実施形態のように、フランジ部材2の荷重作用面6をオフセットした場合、図16(b)に示すように、図16(a)と比較して荷重作用面6が径方向にほとんど変位していないことが分かる。
また、図15に示すように、フランジ部材2の被支持面10をオフセットしない場合、図16(a)に示すような変位分布を示すのに対し、上記実施形態のように、フランジ部材2の被支持面10をオフセットした場合、図16(b)に示すように、図16(a)と比較して被支持面10が径方向にほとんど変位していないことが分かる。
このように、フランジ部材2の荷重作用面6および被支持面10をオフセットした場合に、荷重作用面6と被支持面10の径方向の変位が小さく抑えられる理由は次のように考えられる。すなわち、フランジ部材2に軸方向前方から軸方向荷重を入力したとき、図16(a)に示すように、フランジ部材2の軸方向前面7は径方向内方に変位し、フランジ部材2の軸方向後面11は径方向外方に変位するが、フランジ部材2の軸方向前面7と軸方向後面11の間の部位は、径方向にほとんど変位しない。そして、このフランジ部材2の軸方向前面7と軸方向後面11の間に荷重作用面6と被支持面10が配置されていることから、荷重作用面6と被支持面10の径方向の変位が小さく抑えられるものと考えられる。
以上のように、上記実施形態の磁気式荷重センサ1は、フランジ部材2の荷重作用面6が、フランジ部材2の軸方向前面7に対して軸方向後方にオフセットしているので、フランジ部材2がたわむときの荷重作用面6の径方向の変位を小さく抑えることができる。そのため、フランジ部材2に荷重を入力したときの荷重作用面6の滑りが低減され、この結果、荷重増加時(すなわちフランジ部材2のたわみが増加するとき)と荷重減少時(すなわちフランジ部材2のたわみが減少するとき)の間に、荷重作用面6の滑りによるヒステリシス誤差が生じることを防止することができる。
また、磁気式荷重センサ1は、フランジ部材2の被支持面10が、フランジ部材2の軸方向後面11に対して軸方向前方にオフセットしているので、フランジ部材2がたわむときの被支持面10の径方向の変位も小さく抑えることができる。そのため、フランジ部材2に荷重を入力したときの被支持面10の滑りが低減され、この結果、荷重増加時と荷重減少時の間に被支持面10の滑りによるヒステリシス誤差が生じることを防止することができる。
また、この磁気式荷重センサ1は、荷重が入力されたときに、その荷重はフランジ部材2に作用してフランジ部材2をたわませるが、磁気センサ5には作用しない。そのため、衝撃荷重や軸方向に対して斜め方向の荷重が加わっても磁気センサ5が故障しにくく、高い耐久性を確保することができる。
また、この磁気式荷重センサ1は、フランジ部材2と支持部材3とを同一の線膨張係数をもつ材料で形成しているので、温度上昇したときにフランジ部材2と支持部材3とが同じ割合で熱膨張する。そのため、温度変化による磁気ターゲット4と磁気センサ5の相対変位が生じにくく、温度変化による誤差が生じにくい。
図1〜図3では、フランジ部材2に磁気ターゲット4を固定し、支持部材3に磁気センサ5を固定しているが、この磁気ターゲット4と磁気センサ5の関係を反対にしてもよい。すなわち、図4に示すように、フランジ部材2に磁気センサ5を固定し、支持部材3に磁気ターゲット4を固定してもよい。
図5に示すように、フランジ部材2の荷重作用面6と被支持面10は、同一平面上に位置するように形成すると好ましい。このようにすると、フランジ部材2に荷重を入力したときの荷重作用面6の滑りと被支持面10の滑りとを極めて効果的に低減することが可能となる。ここで、同一平面上とは、フランジ部材2の荷重作用面6と被支持面10とが、数学的に厳密な意味で同一平面上にあることを必要とせず、荷重作用面6と被支持面10とが、フランジ部材2の荷重が入力される部分の厚さの10%程度の厚みをもつ仮想の平面状領域内に存在する程度のことを意味する。なお、図5において、フランジ部材2の荷重作用面6と被支持面10は、フランジ部材2の軸方向前面7と軸方向後面11のいずれからも等距離となる中間位置に配置されている。
図6〜図8に、上記の磁気式荷重センサ1を使用した車両用の電動ブレーキ装置を示す。
この電動ブレーキ装置は、車輪と一体に回転するブレーキディスク21を間に挟んで対向する対向片22,23をブリッジ24で連結した形状のキャリパボディ25と、対向片23のブレーキディスク21に対する対向面に開口する収容孔26に組み込まれた直動アクチュエータ27と、左右一対の摩擦パッド28,29とからなる。
摩擦パッド28は、対向片23とブレーキディスク21の間に設けられており、キャリパボディ25に取り付けられたパッドピン(図示せず)でブレーキディスク21の軸方向に移動可能に支持されている。他方の摩擦パッド29は反対側の対向片22に取り付けられている。キャリパボディ25は、ブレーキディスク21の軸方向にスライド可能に支持されている。
図7に示すように、直動アクチュエータ27は、回転軸30と、回転軸30の外周の円筒面に転がり接触する複数の遊星ローラ31と、これらの遊星ローラ31を囲むように配置された外輪部材32と、遊星ローラ31を自転可能かつ公転可能に保持するキャリヤ33と、外輪部材32の軸方向後方に配置された磁気式荷重センサ1とを有する。
回転軸30は、図6に示す電動モータ34の回転が歯車35を介して入力されることにより回転駆動される。回転軸30は、対向片23を軸方向に貫通して形成された収容孔26の軸方向後側の開口から一端が突出した状態で収容孔26に挿入され、収容孔26からの突出部分に歯車35がスプライン嵌合して回り止めされている。歯車35は、収容孔26の軸方向後側の開口を塞ぐようにボルト36で固定した蓋37で覆われている。蓋37には回転軸30を回転可能に支持する軸受38が組み込まれている。
図8に示すように、遊星ローラ31は、回転軸30の外周の円筒面に転がり接触しており、回転軸30が回転したときに遊星ローラ31と回転軸30の間の摩擦によって遊星ローラ31も回転するようになっている。遊星ローラ31は、周方向に一定の間隔をおいて複数設けられている。
図7に示すように、外輪部材32は、キャリパボディ25の対向片23に設けられた収容孔26内に収容され、その収容孔26の内周で軸方向にスライド可能に支持されている。外輪部材32の軸方向前端には、摩擦パッド28の背面に形成された係合凸部39に係合する係合凹部40が形成され、この係合凸部39と係合凹部40の係合によって、外輪部材32がキャリパボディ25に対して回り止めされている。
外輪部材32の内周には螺旋凸条41が設けられ、遊星ローラ31の外周には、螺旋凸条41に係合する円周溝42が設けられており、遊星ローラ31が回転したときに、外輪部材32の螺旋凸条41が円周溝42に案内されて、外輪部材32が軸方向に移動するようになっている。ここでは遊星ローラ31の外周にリード角が0度の円周溝42を設けているが、円周溝42のかわりに螺旋凸条41と異なるリード角をもつ螺旋溝を設けてもよい。
キャリヤ33は、遊星ローラ31を回転可能に支持するキャリヤピン33Aと、その各キャリヤピン33Aの軸方向前端の周方向間隔を一定に保持する環状のキャリヤプレート33Bと、各キャリヤピン33Aの軸方向後端の周方向間隔を一定に保持する環状のキャリヤ本体33Cとからなる。キャリヤプレート33Bとキャリヤ本体33Cは遊星ローラ31を間に軸方向に対向しており、周方向に隣り合う遊星ローラ31の間に配置された連結棒43を介して連結されている。
キャリヤ本体33Cは、滑り軸受44を介して回転軸30に支持され、回転軸30に対して相対回転可能となっている。遊星ローラ31とキャリヤ本体33Cの間には、遊星ローラ31の自転がキャリヤ本体33Cに伝達するのを遮断するスラスト軸受45が組み込まれている。
各キャリヤピン33Aは、周方向に間隔をおいて配置された複数のキャリヤピン33Aに外接するように装着された縮径リングばね46で径方向内方に付勢されている。この縮径リングばね46の付勢力によって、遊星ローラ31の外周は回転軸30の外周に押さえ付けられ、回転軸30と遊星ローラ31の間の滑りが防止されている。縮径リングばね46の付勢力を遊星ローラ31の軸方向全長にわたって作用させるため、キャリヤピン33Aの両端に縮径リングばね46が設けられている。
磁気式荷重センサ1は、フランジ部材2の軸方向後方に支持部材3が位置する向きで収容孔26内に嵌め込まれている。キャリヤ33と磁気式荷重センサ1の間には、キャリヤ33と一体に公転する間座47と、間座47と磁気式荷重センサ1の間で軸方向荷重を伝達するスラスト軸受48とが組み込まれている。スラスト軸受48は、フランジ部材2の荷重作用面6に接触するように設けられており、このスラスト軸受48を介して間座47からフランジ部材2の荷重作用面6に軸方向荷重が入力されるようになっている。支持部材3の円筒部16内に組み込まれた軸受18で、回転軸30が回転可能に支持されている。
磁気式荷重センサ1は、支持部材3の外周縁を、収容孔26の内周に装着した止め輪49で係止することによって軸方向後方への移動が規制されている。そして、この磁気式荷重センサ1は、間座47とスラスト軸受48とを介してキャリヤ本体33Cを軸方向に支持することで、キャリヤ33の軸方向後方への移動を規制している。また、キャリヤ33は、回転軸30の軸方向前端に装着された止め輪50で軸方向前方への移動も規制されている。したがって、キャリヤ33は、軸方向前方と軸方向後方の移動がいずれも規制され、キャリヤ33に保持された遊星ローラ31も軸方向移動が規制された状態となっている。
次に、上述した電動ブレーキ装置の動作例を説明する。
電動モータ34を作動させると、回転軸30が回転し、遊星ローラ31がキャリヤピン33Aを中心に自転しながら回転軸30を中心に公転する。このとき螺旋凸条41と円周溝42の係合によって外輪部材32と遊星ローラ31が軸方向に相対移動するが、遊星ローラ31はキャリヤ33と共に軸方向の移動が規制されているので、遊星ローラ31は軸方向に移動せず、外輪部材32が軸方向に移動する。このようにして、直動アクチュエータ27は、電動モータ34で駆動される回転軸30の回転を外輪部材32の軸方向移動に変換し、その外輪部材32で摩擦パッド28に軸方向荷重を印加することで、摩擦パッド28をブレーキディスク21に押し付けて制動力を発生させる。
ここで、外輪部材32が摩擦パッド28に軸方向荷重を印加するとき、外輪部材32には軸方向後方への反力が作用し、その反力は、遊星ローラ31、キャリヤ33、間座47、スラスト軸受48を介して磁気式荷重センサ1で受け止められる。そして、その反力によって磁気式荷重センサ1のフランジ部材2が軸方向後方にたわみ、磁気ターゲット4と磁気センサ5が相対変位する。このとき、その磁気ターゲット4と磁気センサ5の相対変位に応じて磁気センサ5の出力信号が変化するので、磁気センサ5の出力信号に基づいて軸方向荷重の大きさを検出することができる。また、この磁気センサ5の出力信号を用いて電動ブレーキ装置の制動力をフィードバック制御することにより、高精度な荷重制御が実現できる。
この電動ブレーキ装置では、回転軸30の回転を外輪部材32の軸方向移動に変換する直動機構として、回転軸30の外周の円筒面に転がり接触する複数の遊星ローラ31と、遊星ローラ31を自転可能かつ公転可能に保持し、軸方向移動を規制されたキャリヤ33と、複数の遊星ローラ31を囲むように配置された外輪部材32と、外輪部材32の内周に設けられた螺旋凸条41と、螺旋凸条41と係合するように各遊星ローラ31の外周に設けられた螺旋溝または円周溝42とからなる遊星ローラ31機構を採用しているが、他の構成の直動機構を採用した電動ブレーキ装置にも上記磁気式荷重センサ1を組み込むことができる。
例えば、直動機構としてボールねじ機構を採用した電動ブレーキ装置の例を図9に示す。以下、上記実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
図9において、直動アクチュエータ27は、回転軸30と、回転軸30と一体に設けられたねじ軸51と、ねじ軸51を囲むように設けられたナット52と、ねじ軸51の外周に形成されたねじ溝53とナット52の内周に形成されたねじ溝54の間に組み込まれた複数のボール55と、ナット52のねじ溝54の終点から始点にボール55を戻す図示しないリターンチューブと、ナット52の軸方向後方に配置された磁気式荷重センサ1とを有する。
ナット52は、対向片23に設けられた収容孔26内に、キャリパボディ25に対して回り止めされた状態で軸方向にスライド可能に収容されている。ねじ軸51の軸方向後端にはねじ軸51と一体に回転する間座47が設けられ、その間座47がスラスト軸受48を介して磁気式荷重センサ1で支持されている。ここで、磁気式荷重センサ1は、間座47とスラスト軸受48とねじ軸51とを介してナット52を軸方向に支持することで、ナット52の軸方向後方への移動を規制している。
この電動ブレーキ装置は、回転軸30を回転させることによって、ねじ軸51とナット52を相対回転させ、ナット52を軸方向前方に移動させて摩擦パッド28に軸方向荷重を印加する。このとき、ねじ軸51には、軸方向後方への反力が作用し、その反力は、間座47、スラスト軸受48を介して磁気式荷重センサ1で受け止められる。そして、その反力によって磁気式荷重センサ1のフランジ部材2が軸方向後方にたわみ、磁気ターゲット4と磁気センサ5が相対変位する。そのため、上記実施形態と同様、磁気センサ5の出力信号が摩擦パッド28に印加される軸方向荷重の大きさに応じて変化し、この磁気センサ5の出力信号に基づいて軸方向荷重の大きさ(摩擦パッド28の押圧力)を検出することができる。
また、直動機構としてボールランプ機構を採用した電動ブレーキ装置の例を図10に示す。
図10において、電動ブレーキ装置は、回転軸30と、回転軸30の外周に回り止めされた回転ディスク60と、回転ディスク60の軸方向前方に対向して配置された直動ディスク61と、回転ディスク60と直動ディスク61の間に挟まれた複数のボール62と、直動ディスク61の軸方向後方に配置された磁気式荷重センサ1とを有する。
直動ディスク61は、対向片23に設けられた収容孔26内に、キャリパボディ25に対して回り止めされた状態で軸方向にスライド可能に収容されている。回転ディスク60の軸方向後端には回転ディスク60と一体に回転する間座47が設けられ、その間座47がスラスト軸受48を介して磁気式荷重センサ1で支持されている。ここで、磁気式荷重センサ1は、間座47とスラスト軸受48とを介して回転ディスク60を軸方向に支持することで回転ディスク60の軸方向後方への移動を規制している。
図10、図11に示すように、回転ディスク60の直動ディスク61に対する対向面には、周方向の一方向に沿って深さが次第に浅くなる傾斜溝63が形成され、直動ディスク61の回転ディスク60に対する対向面には、周方向の他方向に沿って深さが次第に浅くなる傾斜溝64が形成されている。図12(a)に示すように、ボール62は、回転ディスク60の傾斜溝63と直動ディスク61の傾斜溝64の間に組み込まれており、図12(b)に示すように、直動ディスク61に対して回転ディスク60が相対回転すると、傾斜溝63,64内をボール62が転動して、回転ディスク60と直動ディスク61の間隔が拡大するようになっている。
この電動ブレーキ装置は、回転軸30を回転させることによって、直動ディスク61と回転ディスク60を相対回転させて、直動ディスク61を軸方向前方に移動させて摩擦パッド28に軸方向荷重を印加する。このとき、回転ディスク60には、軸方向後方への反力が作用し、その反力は、間座47、スラスト軸受48を介して磁気式荷重センサ1で受け止められる。そして、その反力によって磁気式荷重センサ1のフランジ部材2が軸方向後方にたわみ、磁気ターゲット4と磁気センサ5の相対位置が変化する。そのため、上記実施形態と同様、磁気センサ5の出力信号が摩擦パッド28に印加される軸方向荷重の大きさに応じて変化し、この磁気センサ5の出力信号に基づいて、軸方向荷重の大きさ(摩擦パッド28の押圧力)を検出することができる。
図13に、この発明の第2実施形態の磁気式荷重センサ70を示す。第1実施形態に対応する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
フランジ部材2の外径側部分の軸方向前面7には、荷重が入力される荷重作用面6が形成されている。荷重作用面6は軸方向に直角な平面であり、フランジ部材2の支持部材3で支持される部分の軸方向前面7に対して軸方向後方にオフセットした位置に形成されている。
フランジ部材2の外径側部分の軸方向後面には、支持部材3で支持される被支持面10が形成されている。被支持面10は、軸方向に直角な平面であり、フランジ部材2の荷重が入力される部分の軸方向後面11に対して軸方向前方にオフセットした位置に形成されている。
支持部材3は、フランジ部材2の内径側部分の軸方向後面を支持する環状の支持部71と、フランジ部材2の外径側に対向するように設けられた円筒部72と、フランジ部材2の軸方向後方で円筒部72と支持部71の間を連結する連結部73とを有する。連結部73は、内径側が軸方向後方にオフセットした段付き形状とされており、その連結部73の段差部分の内周に、支持部71の軸方向後端部の外周が締め代をもって嵌合し、一体化している。支持部71の軸方向前端部は、フランジ部材2の後面側の段差12の内周に締め代をもって嵌合している。
支持部材3の連結部73は、その内径側部分の軸方向前面に支持部71との接触面74を有する。支持部材3の連結部73は、その外径側部分の軸方向後面に取付け面75を有する。接触面74は、連結部73の軸方向前面76に対して軸方向後方にオフセットした位置に形成されている。取付け面75は、連結部73の軸方向後面77に対して軸方向前方にオフセットした位置に形成されている。
磁気ターゲット4は、フランジ部材2の外周に固定されている。磁気センサ5は、磁気ターゲット4と径方向に対向するように支持部材3の円筒部72の内周に固定されている。
ここで、支持部材3の支持部71は、フランジ部材2に対する荷重の入力位置(すなわち荷重作用面6)から径方向内方にずれた位置でフランジ部材2を支持している。これにより、フランジ部材2は、荷重が入力されたときに被支持面10の位置を支点として外径側部分が軸方向後方にたわむようになっている。
この磁気式荷重センサ70は、図13の矢印に示すように、軸方向前方から後方に向かう軸方向荷重がフランジ部材2に入力されると、その軸方向荷重によってフランジ部材2が内径側部分を支点として軸方向後方にたわむとともに、支持部材3も外径側端部を支点として軸方向後方にたわみ、このたわみによって、磁気ターゲット4と磁気センサ5が軸方向に相対変位し、磁気ターゲット4と磁気センサ5の相対変位に応じて磁気センサ5の出力信号が変化する。このように、フランジ部材2に軸方向荷重が入力されたときに、フランジ部材2だけでなく支持部材3にもたわみが生じるので、磁気ターゲット4と磁気センサ5の相対変位量が大きく、高い分解能で荷重を検出することが可能である。
この磁気式荷重センサ70は、第1実施形態と同様、フランジ部材2の荷重作用面6が、フランジ部材2の軸方向前面7に対して軸方向後方にオフセットしているので、フランジ部材2がたわむときの荷重作用面6の径方向の変位を小さく抑えることができる。そのため、フランジ部材2に荷重を入力したときの荷重作用面6の滑りが低減され、この結果、荷重増加時と荷重減少時の間に、荷重作用面6の滑りによるヒステリシス誤差が生じることを防止することができる。
また、磁気式荷重センサ70は、第1実施形態と同様、フランジ部材2の被支持面10が、フランジ部材2の軸方向後面11に対して軸方向前方にオフセットしているので、フランジ部材2がたわむときの被支持面10の径方向の変位も小さく抑えることができる。そのため、フランジ部材2に荷重を入力したときの被支持面10の滑りが低減され、この結果、荷重増加時と荷重減少時の間に被支持面10の滑りによるヒステリシス誤差が生じることを防止することができる。
また、フランジ部材2と同様に、支持部材3の接触面74および取付け面75もオフセットして配置されているので、フランジ部材2に荷重を入力したときの支持部材3の接触面74および取付け面75での滑りも低減され、接触面74および取付け面75での滑りによるヒステリシス誤差も防止することができる。
図14に示すように、第2実施形態の磁気式荷重センサ70も、第1実施形態と同様に、車両用の電動ブレーキ装置に組み込んで使用することができる。
1 磁気式荷重センサ
2 フランジ部材
3 支持部材
4 磁気ターゲット
5 磁気センサ
6 荷重作用面
7 軸方向前面
8 段差
9 隅R部
10 被支持面
11 軸方向後面
12 段差
13 盗み溝
14 支持部
15 嵌合筒部
19 永久磁石
70 磁気式荷重センサ

Claims (8)

  1. 電動モータ(34)と、
    その電動モータ(34)で回転駆動される回転軸(30)と、
    その回転軸(30)の回転を直動部材(32,52,61)の軸方向移動に変換する直動機構と、
    前記直動部材(32,52,61)が軸方向前方に移動して軸方向荷重を印加するときに前記直動部材(32,52,61)に作用する軸方向後方への反力が入力されてたわみを生じるフランジ部材(2)と、
    そのフランジ部材(2)を前記反力の入力位置から径方向にずらした位置で軸方向後方から支持する支持部材(3)と、
    前記フランジ部材(2)のたわみにより生じる相対変位に基づいて前記軸方向荷重の大きさを検出する荷重センサ(1)とを有し、
    前記フランジ部材(2)の前記反力が入力される荷重作用面(6)を、前記フランジ部材(2)の支持部材(3)で支持される部分の軸方向前面(7)に対して軸方向後方にオフセットした位置に形成したことを特徴とする直動アクチュエータ。
  2. 前記フランジ部材(2)の支持部材(3)で支持される被支持面(10)を、前記フランジ部材(2)の前記反力が入力される部分の軸方向後面(11)に対して軸方向前方にオフセットした位置に形成した請求項1に記載の直動アクチュエータ。
  3. 前記フランジ部材(2)の前記反力が入力される荷重作用面(6)と、前記フランジ部材(2)の支持部材(3)で支持される部分の軸方向前面(7)とが、段差(8)を介して連なる二平面である請求項1または2に記載の直動アクチュエータ。
  4. 前記フランジ部材(2)の支持部材(3)で支持される被支持面(10)と、前記フランジ部材(2)の前記反力が入力される部分の軸方向後面(11)とが、段差(12)を介して連なる二平面である請求項1から3のいずれかに記載の直動アクチュエータ。
  5. 前記フランジ部材(2)の前記反力が入力される荷重作用面(6)と、前記フランジ部材(2)の前記支持部材(3)で支持される被支持面(10)とを、同一平面上に位置するように形成した請求項1から4のいずれかに記載の直動アクチュエータ。
  6. 前記フランジ部材(2)の荷重作用面(6)と前記フランジ部材(2)の前面側の段差(8)との間に両者を滑らかにつなぐ断面円弧状の隅R部(9)を形成した請求項3に記載の直動アクチュエータ。
  7. 前記フランジ部材(2)の被支持面(10)と前記フランジ部材(2)の後面側の段差(12)とが交差する位置に、円弧状の断面をもつ盗み溝(13)を形成した請求項4に記載の直動アクチュエータ。
  8. 前記支持部材(3)が、前記フランジ部材(2)の外径側端部の軸方向後面を支持する環状の支持部(14)と、前記フランジ部材(2)の外周に締め代をもって嵌合するように前記支持部(14)の外径側に形成された嵌合筒部(15)とを有する請求項1から7のいずれかに記載の直動アクチュエータ。
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