JP2016049255A - 検眼装置 - Google Patents

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Toshibumi Sumiya
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Abstract

【課題】角膜浮腫の観察および診断に役立つ情報を取得する検眼装置を提供すること。【解決手段】検眼装置1は、被検眼の角膜に第1測定光と参照光とを照射する照射光学系10と、第1測定光の角膜反射光および参照光の角膜反射光を受光する受光素子22を備える受光光学系20と、を備えている。また、検眼装置1は、受光素子22によって検出された第1測定光の反射光の強度と参照光の反射光の強度とに基づいて、角膜における二次元的な水分量の分布に関する水分量分布情報を、制御部によって取得する。【選択図】図1

Description

本開示は、角膜における水分量を計測する検眼装置に関する。
角膜に生じる障害の一つとして浮腫が知られている。角膜の浮腫は、例えば角膜の酸素不足および眼圧異常等に起因して角膜内の含水量が増加することによって生じる。また、角膜の浮腫は、悪化すれば角膜びらん、及び角膜潰瘍等となる。
浮腫は角膜に混濁を生じさせるため、例えば、細隙灯顕微鏡等の装置を用いた前眼部観察によって、医師は浮腫を確認し、診断を行っていた(非特許文献1参照)。
大橋裕一編、「角膜異常の考え方、専門医のための眼科診療クオリファイ (第12巻) 角膜内皮障害 to the Rescue」、第1版、中山書店、平成24年7月9日、p.4
しかし、浮腫の診断は医師の経験によってばらつきがあり、経験の浅い医師が浮腫を適正に発見および診断することは困難であった。特に、浮腫が軽度であるほど、適正な診断は難しい。
本開示は、従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、角膜浮腫の観察および診断に役立つ情報を取得する検眼装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の検眼装置は、被検眼の角膜に水分測定赤外線と参照赤外線とを照射する照射光学系と、前記水分測定赤外線の角膜反射光である第1反射光および前記参照赤外線の角膜反射光である参照反射光を受光する受光素子を備える受光光学系と、前記受光素子によって検出された前記第1反射光の強度と前記参照反射光の強度とに基づいて、前記角膜における二次元的な水分量の分布に関する水分量分布情報を取得する水分量分布取得手段を有する。
本開示の検眼装置によれば、角膜浮腫の観察および診断に役立つ情報を取得することができる。
本実施形態の検眼装置の概略構成を示した図である。 フィルタ板を光軸方向から見た図である。 水分の光吸収スペクトルを示したグラフである。なお、『水分計の測定原理、“水分測定の原理”、[online]、株式会社NEAT、[平成26年8月19日検索]、インターネット〈http://www.neat21.co.jp/analysis/moisture_meter/index.html?/mois〉』から引用した図である。 検眼装置の制御系を示したブロック図である。 前眼部の正面画像と分布マップとの合成画像を示した図である。
以下、図面を参照しつつ、典型的な実施形態を説明する。本実施形態の検眼装置1は、被検眼Eの角膜に赤外光を照射すると共に、赤外光の角膜反射光の強度に基づいて少なくとも角膜を含む部分における二次元的な水分量の分布に関する水分量分布情報を得るものである。また、本実施形態の検眼装置1は、角膜を含む部分における二次元的な水分量の分布を、分布マップとしてモニタ50(図4参照)に表示する。なお、以下の説明において、検眼装置1は据え置き型の装置として説明する。但し、必ずしもこれに限定されるものではなく、ハンディタイプ(手持ち型)の装置であってもよい。
まず、図1を参照し、検眼装置1の光学系の概略構成について説明する。
<光学系の概略構成>
まず、検眼装置1の光学系について説明する。本実施形態の検眼装置1は、照射光学系10と、受光光学系20と、を有する。
照射光学系10は、被検眼の角膜に光を照射する。照射光学系10は、第1測定光(水分測定赤外線)と参照光(参照赤外線)とを、少なくとも照射する。また、本実施形態では、第2測定光(第2水分測定赤外線)と、撮影光とが、照射光学系10から角膜に対して照射される。なお、各光線の詳細は、後述する。
本実施形態の照射光学系10は、一例として、光源11と、波長選択部12と、レンズ16と、ミラー17と、を有する。
本実施形態において、光源11は、広い帯域の波長で赤外光を照射する。ここでは、0.9μm〜2.5μmの帯域で照射が行われる。光源11としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)、SC光源(Supercontinuum光源)、およびハロゲンランプ等を利用できる。
波長選択部12は、角膜に照射される光の波長を選択する。本実施形態の波長選択部12は、回転板13と、駆動部14と、回転位置検出器15と、を有する。回転板13は、図2に示すように、開口13aと、3種類のフィルタ13b,13c,13dと、を有する。光源11からの光の通過領域上には、開口13aと各フィルタ13b,13c,13dのうち、いずれか1つが配置される。開口13aと各フィルタ13b,13c,13dの通過領域上における配置は、駆動部14が回転板13を駆動(例えば、回転)することによって切り替えられる。回転位置検出器15は、光センサ等によって回転板13の回転位置を検出する。結果として、開口13aと各フィルタ13b,13c,13dのいずれが光の通過領域上に配置されているかが、回転位置検出器15を用いて検出される。
開口13aは、前眼部正面像を撮影する場合に、光の通過領域上に置かれる。つまり、本実施形態では、光源11から出射された光が、そのまま前眼部撮影用の撮影光として利用される。
各フィルタ13b,13c,13dは、互いに異なる分光特性を持つ。本実施形態において、フィルタ13bは、第1測定光を透過する。本実施形態の第1測定光は、角膜実質深層からの反射が得られる波長(第1波長)を持つ。第1測定光は、水分に吸収されやすい波長の光である。ここでは、一例として、第1測定光として、波長約1.45μmの光が利用されるものとする。波長1.45μmは、図3に示す水分の吸収スペクトルにおいて、波長1.4μm近傍の吸光度のピーク(極大点)と略対応する。なお、波長1.45μmの光は、表面からおよそ1mmまで透過する。よって、波長1.45μmの光が角膜に照射された場合、約500μmの深さまでの組織から反射を得ることができる。即ち、角膜実質深層までの深さの組織からの反射が得られる。
フィルタ13cは、参照光を透過する。本実施形態において、参照光は、第1測定光の波長に近い波長域であって、第1測定光と比べて水分の影響が小さい波長域の光である。ここでは、一例として、参照光として、波長がおよそ1.3μmの光が利用される。
フィルタ13dは、第2測定光を透過する。第2測定光は、第1測定光と比べて、より一層水分に吸収されやすい波長域の光である。より詳細には、第2測定光は、角膜実質深層よりも浅い部位での吸収が第1測定光の波長に対して大きい波長(第2波長)を持つ。ここでは、一例として、第2測定光として、波長1.94μmの光が利用される。波長1.94μmは、図3に示す水分の吸収スペクトルにおいて、波長1.9μm近傍の吸光度のピーク(極大点)と略対応する。なお、波長1.9μmの光は、表面からおよそ200mmまで透過する。よって、波長1.94μmの光が角膜に照射された場合、約100μmの深さまでの反射を得ることができる。つまり、第2測定光が角膜に照射された場合、角膜表面から角膜の上皮付近の実質浅層までの組織からの反射が得られる。
本実施形態では、フィルタを用いて角膜に照射される光の波長を選択する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、光源を、角膜に照射する光の種類ごとに別光源とし、波長選択部は、使用する光源を切り替えることによって、波長を選択する構成であってもよい。
本実施形態において、回転板13を通過した光は、レンズ16を介してミラー17へ導かれる。図1の例では、ミラー17は、被検眼Eの正面に(例えば、視軸の延長線上)に配置される。よって、ミラー17で反射された光は、角膜を含む被検眼Eの前眼部に、正面から照射される。
次に、受光光学系20について説明する。受光光学系20は、主に、撮像素子22(受光素子)を備える。本実施形態において撮像素子22は、例えば、CCDおよびCMOS等の二次元撮像素子である。また、受光光学系20は、照射光学系10から角膜に照射された光の角膜反射光を撮像素子22上で結像するためのレンズ21を備える。本実施形態において、撮像素子22は、レンズ21に関して角膜と略共役な位置に配置される。撮像素子22は、照射光学系10から角膜に照射された光の角膜反射光を受光する。つまり、撮像素子22は、第1測定光、参照光、第2測定光、撮影光のそれぞれを受光する。詳細は後述するが、本実施形態では、撮像素子22からの出力信号に基づいて、角膜における水分量の分布マップ、および前眼部の正面画像が生成される。
<制御系の概略構成>
次に、図4を参照して、検眼装置1の制御系について説明する。検眼装置1の各部は、主に制御部30によって制御される。制御部30は、検眼装置1の各部の制御処理と、測定結果の演算処理とを行う電子回路を有する処理装置(プロセッサ)である。
本実施形態において、制御部30は、光源11、駆動部14、撮像素子22、記憶部31、コントロール部40(操作部)、およびモニタ50と、電気的に接続される。また、詳しくは後述するが、制御部30は、他の測定ユニット60と電気的に接続されていてもよい。
記憶部31には、各種の制御プログラムおよび固定データが格納される。また、本実施形態において、記憶部31には、検眼装置1によって取得された画像および測定結果等の一時データ等が記憶される。
コントロール部40には、検者によって操作されるマウスおよびキーボード等のインターフェイスが接続される。コントロール部40は、インターフェイスの操作に応じた信号を制御部30に対して出力する。これによって、制御部30は、検者からの操作入力を受け付ける。
モニタ50は、各種情報の出力装置として用いられる。本実施形態において、モニタ50の表示制御は、制御部30によって行われる。モニタ50には、撮像素子22を介して取得される被検眼Eの画像の他、画像の処理結果等、各種のデータが表示されてもよい。
<装置の動作>
次に、検眼装置1の動作について説明する。電源が投入された後、光源11が点灯されると共に、撮像素子22で撮像される画像の表示がモニタ50にて行われるようになる。また、当初、光源11からの光の通過領域には、開口13aが配置される。その結果として、撮影光による画像(即ち、前眼部の正面画像)がモニタ50に表示される。
検者は、図示無き固視標を固視するよう被検者に指示する。また、図示無きアライメント機構等を用いて、検眼装置1の光学系と被検眼Eとの位置関係を調節する。例えば、被検眼Eと装置の図示無き検査窓とが適正作動距離に調節され、撮影光軸と被検眼Eの眼軸とが一致するように調節される。
その後、コントロール部40を介して撮影開始の指示が制御部30へ入力されることによって、各種の光による角膜部分を含む前眼部画像(本実施形態では、正面画像)の取得動作(本実施形態では、撮影動作)が行われる。
<前眼部画像の取得>
本実施形態に前眼部画像は、撮影光、第1測定光、参照光、および第2測定光のそれぞれを用いて撮影される。つまり、角膜に照射される光の種類が順次切り替えられながら、それぞれの種類の光によって撮影が行われる。この場合において、制御部30は、回転位置検出器15から出力される信号に基づいて駆動部14を駆動することによって、所期する種類の光が前眼部に照射されるように回転板13を制御する。また、制御部30は、角膜に照射される光の種類が切り替えられる毎に、撮像素子22からの受光信号に基づく前眼部画像を、撮影画像として取得する。また、取得された撮影画像は、制御部30によって記憶部31へ保存される。
<水分量分布情報の取得>
本実施形態において、制御部30は、角膜を含む前眼部における二次元的な水分量の分布に関する情報(水分量分布情報)を、撮像素子22からの受光信号に基づいて取得する。本実施形態において、水分量分布情報は、第1測定光の反射光の強度に少なくとも基づく情報である。以下の説明では、一例として、撮像素子22の受光信号に基づく画像情報が水分量分布情報として利用される場合について説明する。
また、角膜の表面から実質深層までの水分量の分布に関する第1分布情報と、角膜の表面から実質浅層までの水分量の分布に関する第2分布情報と、角膜実質層における水分量の分布に関する第3分布情報と、の3種類が取得される場合について説明する。
<第1分布情報>
まず、制御部30は、第1測定光の反射光と参照光の反射光との強度の差を反射位置毎に求める。このように求められた強度差は、例えば、第1分布情報として規定される。例えば、制御部30は、第1測定光に基づく正面画像と、参照光に基づく正面画像との輝度(例えば、階調値)の差分が画素毎に示された差分画像を生成する。この差分画像が、水分量分布情報(第1分布情報)であってもよい。
ここで、第1測定光が角膜へ照射された場合、第1測定光の一部は、角膜表面で反射・散乱され、残りが角膜の内部へと透過される。角膜の内部へと透過された光のうち、表面からおよそ500μmの深さまでの組織にて反射又は散乱された光が戻されて、撮像素子22で受光される。第1測定光は水分によって吸収されやすいので、角膜内部の水分が貯留した箇所(即ち、浮腫)に照射された第1測定光の反射光の強度は低くなる。従って、第1測定光の反射光は、角膜内部の水分量に応じた強度となる。即ち、水分量が多い部分では反射光の強度は低く、水分量が少ない部分では反射光の強度が高い。
しかしながら、実際の反射光は、角膜表面の散乱、角膜表面の傾き等による反射率の違いなどがある。従って、角膜内部に水の貯留が無くても、反射光の強度は、角膜全体で一様ではない。そこで、本実施形態では、参照光の角膜反射の強度を用いて、角膜表面の反射のバラツキを補正している。参照光は、第1測定光に比べて、水分によって吸収され難いので、参照光の角膜表面での反射は、第1測定光と略同様であるが、参照光の角膜内部での吸収は第1測定光と比べて少ない。よって、例えば、第1測定光の反射光と参照光の反射光との強度の差を取れば、角膜表面での反射による減衰分を除去して角膜内部の水分によって吸収された光の量を得ることができ、結果として、より正確な水分量を得ることができる。
よって、本実施形態の第1分布情報には、角膜の表面からおよそ500μmまでの範囲における水分量の分布が示されている。従って、第1分布情報には、角膜に生じる浮腫の位置および規模が良好に反映される。
<第2分布情報>
また、制御部30は、第2測定光の反射光と参照光の反射光との強度の差を反射位置毎に求める。このように求められた強度差は、例えば、第2分布情報として規定される。例えば、制御部30は、第2測定光に基づく正面画像と、参照光に基づく正面画像との輝度(例えば、階調値)の差分が画素毎に示された差分画像を、第2分布情報として生成してもよい。
角膜に第2測定光が照射される場合、第2測定光の一部は、角膜の内部へ透過される。その結果として、角膜の内部へと透過された光のうち、表面からおよそ100μmの深さまでの組織にて反射又は散乱された光が戻されて、撮像素子22で受光される。図3に示すように、第2測定光は水分によって吸収されやすく、参照光は、第2測定光と比べて吸収され難い。よって、例えば、第2測定光の反射光と参照光の反射光との強度の差を取れば、角膜表面での反射による減衰分を除去して表面からおよそ100μmまでの組織の水分で吸収された光の量を得ることができる。よって、吸収された光の量に基づいて表面からおよそ100μmまでの組織の水分量を得ることができる。
よって、本実施形態の第2分布情報には、角膜の表面からおよそ100μmまでの範囲における水分量の分布が示されている。つまり、第2分布情報には、角膜に表面に存在する涙液層(油層・水層・ムチン層の3層からなり厚みは合わせて約7μm程度)の水分量および、主に角膜上皮とその近傍の組織の水分量が示される。よって、例えば、第2分布情報には、角膜上皮において発生する上皮浮腫の位置および規模が反映される。
<第3分布情報>
また、制御部30は、第1測定光の反射光と第2測定光の反射光との強度の差を反射位置毎に求める。このように求められた強度差は、例えば、第3分布情報として規定される。本実施形態において、第3分布情報は、第1分布情報と第2分布情報との差分情報として求められる。差分情報は、輝度値に関する差分画像として取得されてもよい。第3分布情報は、第1分布情報および第2分布情報のそれぞれによって水分量が示される組織において、共通する組織における水分量の分布を示す。つまり、第3分布情報は、主に角膜の実質部分(より詳細には、上皮近傍を除いた実質浅層から実質深層までの部分)の水分量に関する情報となる。従って、第3分布情報には、主に角膜の実質層に生じた浮腫の位置および規模が反映される。
ここで、上皮の浮腫は実質層に浮腫が生じる前段階であり、治癒しやすいため、実質層の浮腫を調べることが重要であると考えられる。第3分布情報は、実質層の浮腫の分布が主に示されるため、角膜の診断における有用な指標として利用できると考えられる。
また、ドライアイ等では、角膜の表面に形成される涙液層が安定しておらず、短時間(数秒以内)で破綻することが知られている。涙液層が破綻した場合、涙液層の厚みは角膜全面で均一ではなく、局所的なバラツキが生じる。ここで、涙液層の厚みのバラツキは、角膜全体の水分量の分布に影響すると考えられる。しかし、第3分布情報では、例えば、第1分布情報と第2分布情報との差分を取ったことによって、涙液層の水分量は除去されている。従って、第3分布情報は、ドライアイ等の眼においても角膜浮腫についての有用な指標として利用できると考えられる。
<分布マップの生成および表示>
更に、制御部30は、角膜を含む前眼部における二次元的な水分量の分布を示す分布マップを、水分量分布情報に基づいて生成する。分布マップは、前述したように、角膜内部の水分量が反映されたマップである。
本実施形態において、制御部30は、第1分布マップ、第2分布マップ、および第3分布マップを生成する。第1分布マップは、角膜の表面から実質深層までの水分量の分布を示すマップであり、第1分布情報に基づいて生成される。第2分布マップは、角膜の表面から上皮付近の実質浅層までの水分量の分布を示すマップであり、第2分布情報に基づいて生成される。また、第3分布マップは、上皮付近を除いた角膜実質の水分量を示すマップであり、第3分布情報に基づいて生成される。
分布マップでは、水分量の分布をさまざまな手法で表すことができる。例えば、等高線を用いて水分量の分布を示したマップでもよいし、水分量に応じて領域が色分けされたマップであってもよい。マップでは、しきい値よりも水分量が高い領域、または、しきい値よりも広い範囲で高い水分量を持つ領域のみが示されてもよい。ここでは、画像情報である水分量分布情報に対して画像処理が行われることによって、分布マップが生成される。
上記のようにして得られた分布マップは、モニタ50に表示される。この場合、第1分布マップと第2分布マップとのうち、一方だけが表示されてもよいし、両方が表示されてもよい。これによって、検者等は、角膜における水分量の分布を把握できる。
図5に示すように、本実施形態では、制御部30は、分布マップと、前眼部画像とを、モニタ50上に合成表示させる。一例として、図5では、水分量の分布マップにおいて、しきい値よりも水分量の多い領域P,Qのみを前眼部画像上に重畳表示している。なお、図5において、水分の分布は、等高線マップを用いて示されている。各位置における水分量は、等高線の他に、領域の色の違い等によって示されてもよい。合成表示によって、検者は、前眼部上のどの位置にどの程度の浮腫が存在しているかを良好に把握できる。前述したように、浮腫は、角膜内皮が健全か否かの指標となる。よって、例えば、浮腫の経時変化によって、角膜びらんや角膜潰瘍の兆候を確認したり、角膜移植手術や、細胞注入による再生医療における術後の細胞の定着状況を確認したりする場合に分布マップは役立つ。なお、浮腫の経時変化を確認するために、異なる時期に取得された分布マップが、同一画面上に並べて表示されてもよい。また、異なる時期に取得された分布マップの差分情報(例えば、差分マップ)が制御部30によって生成され、画面上に表示されてもよい。
<変容例等>
以上、一実施形態に基づいて説明を行ったが、上記実施形態は様々に変形可能である。
例えば、上記実施形態では、第1測定光、参照光、第2測定光としてそれぞれ示した光の波長は例示に過ぎず、必ずしも上記例示した値に限定されるものではない。第1測定光は、角膜深層の組織からの反射が得られる光であればよく、例えば、波長1.4μm近傍に吸光度の極大値を持つ水分の吸収スペクトルにおいて、上記極大値以下の吸光度と対応する波長の光であってもよい。つまり、吸光度の極大値における波長を使用するのであれば、1.4μm付近の他に、1.2μm付近等の他の波長を利用できる。また、参照光の波長は、第1測定光の波長に近いことがより好ましいが、波長に大きな差があってもよい。例えば、上記実施形態では、約1.7μmの波長の光が参照光として使用されてもよい。第2測定光は、少なくとも角膜の実質深層からの反射が、第1測定光と比べて得られ難い光である。上記実施形態では、波長1.9μm付近の他、波長約2.1μm付近、2.3μm付近、2.5μm付近などが使用され得る。
また、上記実施形態において、撮影光として赤外域の波長の光が使用される場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、可視域の光が撮影光として使用されてもよい。
また、上記実施形態において、制御部30によて取得され水分量分布情報は、画像情報である場合を例示して説明した。但し、水分量分布情報は、角膜を含む部分における二次元的な水分量の分布に関する情報であればよい。例えば、各位置の水分量を示す数値、関数等が水分量分布情報として利用されてもよい。
また、上記実施形態において、波長が異なる少なくとも2種類の角膜反射光の強度の差(例えば、第1測定光の反射光と参照光の反射光との強度の差)を用いて水分量分布情報が得られる場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、水分量分布情報は、角膜反射光の強度の比を用いて求められてもよい。また、水分量分布情報は、少なくとも2種類の角膜反射光の強度を用いて求められる吸光度に関する情報であってもよい。
また、上記実施形態において、照射光学系10および受光光学系20は、撮像素子22を用いて前眼部の撮影を行うカメラの構成を備えていたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、照射光学系10および受光光学系20は、前眼部撮影用の共焦点レーザー検眼鏡の構成であってもよい。この場合、照射光学系10は、レーザー光源と、レーザー光を角膜上で走査する光スキャナとを少なくとも備える。なお、レーザー光源は、角膜に照射する光の種類ごとに設けられていてもよく、この場合、波長選択部は、角膜に照射する光源の選択を行うための機構または制御部である。また、受光光学系20は、レーザー光の角膜反射光を受光するための受光素子を少なくとも備える。共焦点レーザー検眼鏡の光学系を備える場合は、上記実施形態に対してより高解像度の分布マップが得られると考えられる。よって、分布マップから浮腫の発生状況がより好適に確認できることを期待できる。
また、照射光学系10および受光光学系20の少なくともいずれかの光軸は、被検眼Eの視軸に対し、斜めに配置されていてもよい。測定光及び参照光は、被検眼に対して斜め方向から照射され、測定光及び参照光による角膜反射光を正面方向から受光するようにしてもよい。これによって、水分量の二次元的な分布を均一に取得できる。
また、上記実施形態では、照射光学系10に波長選択部12を有する場合について説明した。つまり、上記実施形態では、被検眼に照射される光の波長が順番に切り替えられることによって、第1測定光、参照光、第2測定光、および撮影光のそれぞれに対する反射光が得られる。しかし、関らずしもこれに限られるものではない。例えば、波長選択部12は、受光光学系20に設けられてもよい。この場合、上記実施形態と同様の機構(即ち、複数のフィルタおよび開口を光路上に切り替えて配置する機構)が波長選択部として使用されてもよい。また、波長選択部として、ビームスプリッター等の光束を分割する部材が用いられてもよい。この場合、分割された光束の数に応じて撮像素子を複数有していてもよい。波長の選択は、分割された光束に対してフィルタを配置することによって行われてもよいし、ビームスプリッターとしてダイクロイックミラーを使用し、所望の波長の光を分割された光束ごとに選択的に取り出してもよい。それぞれの撮像素子では、異なる波長で撮影された前眼部画像が得られる。よって、例えば、異なる波長で撮影された複数の前眼部画像が同時に得られる。同時に撮影された前眼部画像に基づいて分布情報が得られるので、分布情報における角膜の水分量の測定誤差が良好に低減される。
また、検眼装置1は、角膜の水分量測定装置とは異なる眼科装置の構成を有していてもよい。例えば、図4に示すように、測定ユニット60を有していてもよい。図4では、制御部30と測定ユニット60は電気的に接続されている。
測定ユニット60は、前眼部の検査に利用される装置であってもよい。例えば、測定ユニット60は、スリットランプであってもよいし、被検眼Eの屈折分布を測定する装置(例えば、トポグラファー、オートレフ等)であってもよいし、角膜の断層像を撮像する装置(例えば、前眼部OCT、シャインプルークカメラ等)であってもよいし、角膜内皮細胞撮影装置であってもよいし、その他の装置であってもよい。測定ユニット60の筐体は、検眼装置1と同一であってもよいし、別筐体であってもよい。また、測定ユニット60の制御は、上記制御部30によって行われてもよいし、測定ユニット60が独自に有する制御部によって行われてもよい。
この場合において、検眼装置1は、水分量の分布マップと共に、他の測定ユニット60にて取得された情報を表示する構成を有していてもよい。例えば、水分量の分布マップと共に、例えば、角膜厚等の分布マップ、被検眼Eの屈折マップ等の各種のマップを同時に表示してもよい。この場合において、2つのマップは、並べて表示されてもよいし、重畳されて表示されてもよい。例えば、角膜において浮腫が生じた箇所は角膜厚が水分によって増大しているので、角膜厚の分布マップは、より適正に浮腫が生じた箇所を調べるために使用されること等が期待される。角膜厚のマップは、例えば、角膜の断層像を撮像する装置(例えば、前眼部OCT,シャインプルークカメラ)、角膜の前面および後面の曲率情報を取得可能な装置(例えば、トポグラファー)等を用いて取得することができる。また、屈折の分布マップは、トポグラファー等を用いて取得できる。
また、測定ユニット60が、角膜の断層像を撮像する装置を備える構成である場合において、以下の制御が行われてもよい。例えば、制御部30は、角膜において浮腫が生じている部分を水分量の分布マップに基づいて検出する。また、制御部30は、浮腫が検出された箇所の断層情報を、測定ユニット60を制御することによって得る。この場合、浮腫が検出された箇所の断層情報を用いて、浮腫が生じている角膜の層が、いずれの層であるかを容易に確認できる。もちろん、モニタ上の分布マップ上において断層情報の取得位置を、検者が設定できる構成であってもよい。この場合、例えば、分布マップ上での取得位置(例えば、走査ライン表示)は、操作部からの操作信号に基づいて変更されてもよい」。
また、測定ユニット60がスリットランプである場合、例えば、スリットランプを用いた観察によって混濁が確認された場合に、混濁が角膜浮腫であるか否か、また、混濁が角膜浮腫である場合には、その状況を、水分量情報に基づいて検者が把握することができる。よって、角膜浮腫の観察および診断を良好に行うことができる。
また、例えば、照射光学系10と受光光学系20とは、他の測定ユニット60のアライメントに利用されてもよい。例えば、上記実施形態では、撮影光により取得される前眼部正面画像を用いて測定ユニット60のアライメントが行われてもよい。
1 検眼装置
10 照射光学系
20 受光光学系
22 受光素子
30 制御部

Claims (8)

  1. 被検眼の角膜に水分測定赤外線と参照赤外線とを照射する照射光学系と、
    前記水分測定赤外線の角膜反射光である第1反射光および前記参照赤外線の角膜反射光である参照反射光を受光する受光素子を備える受光光学系と、
    前記受光素子によって検出された前記第1反射光の強度と前記参照反射光の強度とに基づいて、前記角膜における二次元的な水分量の分布に関する水分量分布情報を取得する水分量分布取得手段を有する検眼装置。
  2. 前記水分量分布取得手段は、前記第1反射光と前記参照反射光との強度の比、又は強度の差を用いて得られる水分量に関する情報を、前記水分量分布情報として取得する検眼装置。
  3. 前記照射光学系は、角膜実質深層からの反射が得られる第1波長の光を、前記水分測定赤外線として照射する請求項1又は2記載の検眼装置。
  4. 前記水分測定赤外線は、波長1.4マイクロメートル近傍に吸光度の極大値を持つ水分の吸収スペクトルにおいて、前記極大値以下の吸光度と対応する波長のいずれかである請求項3記載の検眼装置。
  5. 前記照射光学系は、更に、前記第1波長よりも水分によって吸収されやすい第2波長を持つ第2水分測定赤外線を、前記角膜に照射し、
    前記受光光学系は、更に、前記第2水分測定赤外線の角膜反射光である第2反射光を前記受光素子で受光し、
    前記水分量分布取得手段は、前記受光素子によって検出された第1反射光と第2反射光
    の強度に基づいて、角膜の実質層における二次元的な水分量の分布に関する水分量分布情報を取得する請求項1から4のいずれかに記載の検眼装置。
  6. 前記水分量分布取得手段によって取得される水分量分布情報に基づいて、前記角膜の組織における水分量の分布を示す分布マップを生成する分布マップ生成手段を有する請求項1から5のいずれかに記載の検眼装置。
  7. 前記被検眼の前眼部正面画像を取得する前眼部画像取得手段と、
    前記水分量分布取得手段によって生成される分布マップと前記前眼部画像とを合成表示させる表示制御手段と、を有する請求項6記載の検眼装置。
  8. 前記照射光学系から前記角膜に対して光が照射される照射光軸と、前記角膜から前記受光光学系に向けて前記角膜反射光が導かれる受光光軸とは、被検眼の視軸方向に伸び、且つ、同軸である請求項1から7の何れかに記載の検眼装置。
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