JP2016047870A - 蒸着面保護用コーティング材、及びガスバリア性フィルム - Google Patents

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道也 中嶋
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博之 武田
正憲 林
Masanori Hayashi
正憲 林
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Tomoki Doi
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Abstract

【課題】 有機溶媒系(非水系)のため各種蒸着フィルムへのオーバーコートの操作が容易で、且つ蒸着フィルムのガスバリア機能を大幅に向上させることができるコーティング材を提供することにある。加えて、該コーティング材を蒸着面に塗布したガスバリア性フィルム、および該フィルムからなる包装材を提供することにある。【解決手段】 トリシクロアルカン骨格を含むアルコールと、多価カルボン酸、あるいはその酸無水物とを重縮合して得られるポリエステルを含有する、蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材を提供することにより前記課題を解決した。【選択図】 なし

Description

本発明は、蒸着面保護用コーティング材、及びそれを用いたガスバリア性フィルムに関する。
食品や飲料等の包装材料は、内容物の保護のため水蒸気、酸素バリア等のガスバリア性が求められることが多い。包装材料にガスバリアを付与する方法はガスバリアコーティングを延伸フィルムに施す方法や、ガスバリア性の樹脂を共押し出しにより多層フィルム中の層に設けるなどの方法が広く用いられているが、中でもフィルムへの蒸着法は、ガスの種類によらずに容易にバリア機能を付与できる優れた方法である。
蒸着を行うフィルムとしては延伸フィルムと、未延伸フィルムとがあり、特にアルミニウム等の金属蒸着フィルムでは、これら両種類の基材がよく使用されている。しかし、蒸着層の厚みは一般に10〜50nmと薄いため、ピンホールが生じやすく、ガスバリア機能が安定しないことがある。特に、基材フィルムが未延伸フィルムの場合では延伸フィルムに比べて、フィルムが伸びやすいこと、および基材フィルムの表面平滑性が乏しい事により特にガスバリアが不安定である。そのため、安定したガスバリア性を必要とする包装には、未延伸フィルムに蒸着したフィルムは使用しにくい。一方、シリカやアルミナ等の金属酸化物の蒸着層をガスバリア層として設けた透明蒸着フィルムは蒸着層が金属に比べて脆いため、未延伸フィルムでは殆ど量産化されていない。そのため、寸法安定性が高い延伸フィルムへの蒸着が主体であるが、依然としてクラック、ピンホールによりバリア性能がばらついたり、袋の製造工程でバリア性能が低下する問題点がある。
以上のガスバリアが不安定な問題の解決のため、蒸着層をオーバーコート層により保護することが、特に透明蒸着では広く行われている。透明蒸着へのオーバーコート技術は、例えば、特許文献1、特許文献2には無機酸化物層、いわゆる透明蒸着層上に、水溶性高分子並びに、(a)1種以上の金属アルコキシド、(b)1種以上の金属アルコキシドの加水分解物、または(c)塩化錫の少なくとも1つ以上を含む水溶液、あるいは、水/アルコール混合溶液を主成分とするガスバリア被覆液を塗布してなるガスバリア被覆層を持つ透明ガスバリア積層体について記載されている。これの技術で用いられているオーバーコート層は一般に水溶性高分子を用いているため塗工乾燥性がわるい上、ゾルゲル反応プロセスを含むためオーバーコート液の反応管理が困難などの、オーバーコートプロセスが煩雑な問題がある。
一方、アルミニウム等の金属蒸着層は、透明蒸着に較べて曲げへの追随性が良好である金属層であるため、透明蒸着に較べるとオーバーコート層が設置されているケースが少ない。しかし、金属蒸着層でもピンホール等が一定割合で存在しているためこれらを基点としてバリア性能が悪くなることがある。またこのような現象は特に耐熱性やフィルムの寸法安定性が劣るために生じるため、この解決のために特許文献3では、基材層が少なくとも2層からなり、ポリプロピレンからなる樹脂組成物Aと、ノルボルネンとエチレンの共重合体からなる環状ポリオレフィン系高分子とポリオレフィンの混合物である樹脂組成物Bとを積層した構成からなる該基材層の上にアルミ蒸着層を設けた無延伸アルミ蒸着フィルムが例示されている。本方法は耐熱性、寸法安定性がポリプロピレン単独よりも高い、環状ポリオレフィン系高分子を含むフィルム基材上に蒸着することでバリア性等の安定性を付与している。しかし本方法は、基材フィルムとして2層構成のフィルムを用いる必要があるため、製法が煩雑で高コスト化する問題がある。
トリシクロアルカン骨格を有する材料に関しては、例えば特許文献4には、トリシクロアルカン骨格を含む縮合型脂環式構造を有するマレイミド化合物を使用した例がある。
しかしながら、これらの発明では蒸着フィルムのオーバーコートとして、トリシクロデカンジメタノールを含有するポリエステルを用いることで、ガスバリア機能を大幅に高められるとの記載はない。
特開2012−101505号公報 特開2012−250470号公報 特開2011−224921号公報 特開2006−176576号広報
発明が解決しようとする課題は、有機溶媒系(非水系)のため各種蒸着フィルムへのオーバーコートの操作が容易で、且つ蒸着フィルムのガスバリア機能を大幅に向上させることができるコーティング材を提供することにある。加えて、該コーティング材を蒸着面に塗布したガスバリア性フィルム、および該フィルムからなる包装材を提供することにある。
本発明者らは、トリシクロアルカン骨格を含むアルコールと、多価カルボン酸、あるいはその酸無水物とを重縮合して得られるポリエステルを含有する、蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材を見出すことにより前記課題を解決した。
本発明により、各種蒸着フィルムでの酸素バリア性及び水蒸気バリア性の向上能力に優れ、且つ耐ブロッキング性に優れたバリア性フィルムを提供するための、該バリア性フィルムが有する蒸着フィルムの蒸着面保護用非水系コーティング材を提供することができる。特に、トリシクロアルカン骨格が持つ疎水性付与の効果により、水蒸気バリアの向上に特に優れる。加えて本コーティング材はトリシクロアルカン骨格を含有するため、ガラス転移温度(Tg)が高い傾向にあり、コーティング用途として適する特徴もある。
また、本発明のコーティング材を蒸着面保護用に用いることにより、接着剤等により多層の積層体としなくても、優れたバリア特性を有することから、特に食品包装用として有用なバリア性フィルムを低コスト、且つ環境対応可能な形態で提供することができる。
本発明では、蒸着面保護用コーティング材の成分として、トリシクロアルカン骨格を含むアルコール成分と、多価カルボン成分を重縮合して得られるポリエステルを含有する。
即ち、本発明は以下の項目から構成される。
1.トリシクロアルカン骨格を含むアルコールと、多価カルボン酸、あるいはその酸無水物とを重縮合して得られるポリエステルを含有する、蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材、
2.ポリエステルにおいて、トリシクロアルカン骨格のアルコール全成分に対する含有率が30〜100質量%である、1.に記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材。
3.ポリエステルのガラス転移点が25℃以上である、1.又は2.に記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材、
4.前記トリシクロアルカンが、トリシクロデカンである1.〜3.の何れかに記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材、
5.前記多価カルボン酸成あるいはその酸無水物が、芳香環骨格、脂環骨格から選ばれる少なくとも1種を含む多価カルボン酸成分である1.〜4.の何れかに記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材、
6.コーティング材がポリイソシアネート化合物を含有する、1.〜5.の何れかに記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材、
7.コーティング材のポリイソシアネート化合物が、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートから選ばれる1種である、6.に記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材、
8.1.〜7.の何れかに記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材を蒸着フィルムの蒸着面側にコーティングした、ガスバリア性フィルム、
9.蒸着フィルムがアルミニウム蒸着フィルムである、8.に記載のガスバリア性フィルム、
10.蒸着フィルムが未延伸フィルムである、8.に記載のガスバリア性フィルム、
11.8.〜10.の何れかに記載のガスバリア性フィルムを用いた包装材。
[ポリエステル]
本発明でコーティング材として用いるポリエステルは、トリシクロアルカン骨格を含むアルコール成分と、多価カルボン成分あるいはその酸無水物とを重縮合することにより製造される。ポリエステルの分子量としては、コーティング材として十分な膜の靭性や塗工適性、溶媒溶解性が付与できるのであれば特に制限はないが数平均分子量で1000〜50000、さらに好ましくは、1500〜30000である。ポリエステル末端の官能基としても特に制限はなく、アルコール末端でも、カルボン酸末端でも、双方の末端を持っていても良い。但し、コーティング材として用いる際にイソシアネート系硬化剤を併用する場合には、アルコール末端であるポリエステルポリオールを用いる必要がある。
[ポリエステルのガラス転移温度(Tg)]
本発明で用いるポリエステルのTgは25℃以上である必要があることが好ましい。これ以上温度が低いと、樹脂がコーティング操作後に粘着性を持ち、ブロッキングを生じやすくなり、コーティング後の巻き取り操作がしにくくなるためである。Tgが25℃以下になるとブロッキング防止材の添加によっても巻き芯付近の圧力が高い状況では対応が困難になるためである。Tgのより好ましい温度は30℃以上、さらに好ましくは35℃以上である。
本発明で用いるポリエステルは、トリシクロアルカン骨格を含むアルコール成分と多価カルボン酸或いはその酸無水物とを反応させてなるポリエステル類を挙げることができる。
[トリシクロアルカン骨格を含むアルコール]
本発明で使用されるトリシクロアルカン骨格を含むアルコール成分は、公知慣用のトリシクロアルカン骨格を含むアルコールを挙げることができ、トリシクロアルカンとしては、例えば、トリシクロノナン、トリシクロノネン、トリシクロデカン、トリシクロデセン、トリシクロウンデカン、トリシクロドデカン、トリシクロテトラデカン、トリシクロペンタデカン、トリシクロヘキサデカン等を挙げることができる。また、このときの水酸基の価数については特に制限はないが、ポリエステル合成時のゲル化防止の観点から三価以下が好ましい。三価のアルコールを用いる場合は架橋したポリエステルの架橋点とすることができる。二価のアルコールを用いる場合は直鎖型ポリエステルとすることができる。一価のアルコールを用いる場合は、側鎖の末端トリシクロアルカン構造を持つポリエステルとすることができる。トリシクロアルカンは疎水性をもつため、本構造を含むポリエステルは特に水蒸気や、極性の高いガス、香り成分に対するバリア補強効果を持つ。
[その他のアルコール]
本発明ではトリシクロアルカン骨格を含むアルコール成分がアルコール全成分に対して30質量%以上含有されていれば、これ以外のアルコール成分をポリエステルの原料として用いてもよい。具体例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、及び1,3−ビスヒドロキシエチルベンゼンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコール成分であるとバリアの補強効果を高くできる傾向にある。中でも、酸素原子間の炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟にならずに、各種のガスが透過しにくいと推定されることから、エチレングリコールを主成分として使用することが最も好ましい。
このほか、本発明の効果を損なわない範囲において、他の多価アルコール成分を共重合させてもよい。具体的には、ジオールとしては1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールが、三価以上のアルコールとしては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトール等があげられる。特に、三価のアルコールの内、グリセロール及び、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを併用したポリエステルは、分岐構造に由来して架橋密度も適度に高いことにより有機溶媒溶解性が良好な上、バリア機能も優れており、特に好ましく用いられる。
[多価カルボン酸、あるいはその酸無水物]
本発明でポリエステルの原料として用いられる、多価カルボン酸成分は、ガスバリア機能が高いポリエステルを合成できる原料であれば制限はない。しかし、中でも芳香環骨格、脂環骨格から選ばれる少なくとも1種を含む多価カルボン酸成分を用いてポリエステルを重縮合した場合、ガスバリア機能が高くなる傾向があり特に好ましい。
芳香環骨格をもつカルボン酸、あるいはその酸無水物としては、オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の少なくとも1種を含むと、バリア機能に加えてコーティング材として用いる場合に必要である溶媒溶解性も高くなるため特に好ましい。カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸又はその無水物としては、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2−ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3−ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3−アントラセンカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していてもよい。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基又はナフチル基等が挙げられる。
オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物以外の多価カルボン酸としては、芳香族骨格を含有するものとしてはテレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ジフェン酸及びその無水物、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物或いはエステル形成性誘導体を例示することができる。
また、脂環骨格をもつジカルボン酸あるいはその酸無水物としては、前記芳香族骨格をもつジカルボン酸またはその無水物に水素添加を行って得られるシクロヘキサン骨格を含有する化合物や、その誘導体が好ましく用いられる。具体的化合物としてはヘキサヒドロキシフタル酸、ヘキサヒドロキシ無水フタル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物等が例示できる。
本発明では発明の効果を損なわない範囲において、他の多価カルボン酸成分を共重合させてもよい。具体的には、脂肪族多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等を、不飽和結合含有多価カルボン酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等を例示することができる。
以上の原料モノマーを用いて合成される本発明で用いられるポリエステルの態様は、例えば以下を挙げることができるが、これらに限らない。
((I);一般式(1)
Figure 2016047870
(1)
(但し、Aは多価カルボン酸若しくはその無水物、Bはトリシクロアルカン骨格を有する多価アルコールであって、A及びBは、A及びBとの反応により得られるエステル基で結合されており、nは1〜200の整数である。)で表されるポリエステル。
(II);一般式(2)
Figure 2016047870
(2)
(但し、Aは多価カルボン酸若しくはその無水物、Bはトリシクロアルカン骨格を有する多価アルコール、Cはトリシクロアルカン骨格を有する多価アルコール以外の多価アルコールであって、A及びB、A及びCは、A及びB、A及びCとの反応により得られるエステル基で結合されており、m、nは1〜200の整数である。)で表されるポリエステル。
(III);一般式(3)
Figure 2016047870
(3)
(但し、Aは多価カルボン酸若しくはその無水物、Bはトリシクロアルカン骨格を有する多価アルコール、Cはトリシクロアルカン骨格を有する1価又は多価アルコール、Dはトリシクロアルカン骨格を有する多価アルコール以外の多価アルコールであって、A及びB、A及びC、A及びDは、A及びB、A及びC、A及びDとの反応により得られるエステル基で結合されており、m、nは1〜200の整数である。)で表されるポリエステル。
(IV);一般式(4)
Figure 2016047870
(4)
(但し、Aは多価カルボン酸若しくはその無水物、Bはトリシクロアルカン骨格を有する多価アルコール、Cはトリシクロアルカン骨格を有するアルコール以外のアルコールであって、A及びB、A及びCは、A及びB、A及びCとの反応により得られるエステル基で結合されており、nは1〜100の整数である。)で表されるポリエステル。
(V);一般式(5)
Figure 2016047870
(5)
(但し、Aは多価カルボン酸若しくはその無水物、Bはトリシクロアルカン骨格を有する多価アルコール以外の多価アルコール、Cはトリシクロデカン骨格を有する1価又は多価アルコールであって、A及びB、A及びCは、A及びB、A及びCとの反応により得られるエステル基で結合されており、nは1〜100の整数である。)で表されるポリエステル。
尚、以上の一般式は末端が水酸基であるポリエステルポリオールとしているが、これら末端の一部、もしくは全てがカルボン酸である、ポリエステルポリカルボン酸であっても良い。
本発明のポリエステルを得る反応に用いる触媒としては、モノブチル酸化錫、ジブチル酸化錫等錫系触媒、テトラ−イソプロピル−チタネート、テトラ−ブチル−チタネート等のチタン系触媒、テトラ−ブチル−ジルコネート等のジルコニア系触媒等の酸触媒が挙げられる。エステル反応に対する活性が高い、テトラ−イソプロピル−チタネート、テトラ−ブチル−チタネート等の上記チタン系触媒と上記ジルコニア触媒を組み合わせて用いることが好ましい。前記触媒量は、使用する反応原料全質量に対して1〜1000ppm用いられ、より好ましくは10〜100ppmである。1ppmを下回ると触媒としての効果が得られにくく、1000ppmを上回るとイソシアネート硬化剤を用いる場合にウレタン化反応を阻害する問題が生じる場合がある。
[コーティング材としてポリエステルのみを用いた場合の特徴]
本発明では、コーティング材にポリエステル単独を用いてもよいし、ポリエステルと反応する硬化剤を添加しても良い。ポリエステル単独をコーティング材(オーバーコートワニス)として用いた場合は、利点として塗工液の増粘の恐れがなく塗工製造の管理が容易、コーティング液を希釈再利用可能であり、加えて硬化工程(いわゆるエージング工程)が不要である点が例示できる。このとき、使用するポリエステルの末端は、ポリオールでもポリカルボン酸でも、この両者の混合物であっても問題なく用いることができる。その一方で、コーティング層の樹脂が直鎖であるため耐熱性や、耐摩耗性が十分ではない場合や、ボイルやレトルト包装の加熱工程がある場合に使用しにくい問題が生じる場合がある。
[コーティング材として硬化剤を併用した場合の特徴]
一方、コーティング層に硬化剤を用いる場合にはフィルムへのコーティングであるためフィルムの耐熱性の観点からイソシアネート硬化系が好ましく、この場合にはコーティング材の樹脂成分がポリエステルポリオールである必要がある。一方、エポキシ系化合物を硬化剤として用いる場合にはポリエステルポリカルボン酸である必要がある。これらの場合ではコーティング層が架橋系になるため耐熱性や、耐摩耗性、剛性が向上する利点がある。従って、ボイルやレトルト包装にも使用しやすい。その一方で硬化剤を混合した後では液を再利用できない、塗工後に硬化(エージング)工程が必須になる欠点もある。
従って、本発明のコーティング材の使用の際の硬化剤の有無は、これらの利点、欠点を踏まえた上で適宜決定すると良い。
[ポリイソシアネート化合物]
本発明のコーティング材は、前述の通りポリイソシアネート化合物を含有してもよい。本発明で用いられるポリイソシアネート化合物は、ポリエステルが水酸基を有する場合、少なくとも一部が反応し、ウレタン構造を作ることで樹脂成分として高極性化し、ポリマー鎖間を凝集させることでガスバリア機能を更に強化できる。また、コーティング材の樹脂が直鎖型の樹脂である場合に、3価以上のポリイソシアネートで架橋することで、耐熱性や、耐摩耗性を付与することができる。本発明で用いられるポリイソシアネート化合物としてはジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよいが、骨格の一部に芳香族環、または脂肪族環を含有するとガスバリア向上機能の観点から好ましい。たとえば、芳香族環を持つイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、脂肪族環を持つイソシアネートとしては、水素化キシリレンジイソシアネート、水素化トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルンジイソシアネート、あるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などと反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
[ポリイソシアネート化合物の3官能化部分の構造]
ラミネート用接着剤の主成分である直鎖型のポリオールの硬化剤としては3官能のポリイソシアネートが広く用いられている。これらの3官能化のための分岐構造を付与する骨格としては、アロファネート、ヌレート、ビュレット、アダクト体が挙げられる。本発明ではいずれの3官能化部分の構造をもつポリイソシアネートを用いてもよいが、中でもヌレート骨格はコーティング塗膜に乾燥後の粘着性がでにくくコーティング材に適しているため特に好ましく用いられる。
[ポリイソシアネート化合物の添加比率]
本発明のコーティング材でポリイソシアネートを添加する際の、水酸基に対するイソシアネート化合物の比率は特に限定はないが、二液硬化型接着剤の場合とは異なり、水酸基価に対して、イソシアネート化合物を過剰に(つまり100%以上)添加する必要はない。好ましくは、水酸基価に対して50%未満である。イソシアネート化合物はポリエステルポリオールの一部の水酸基を架橋することで耐熱性や、耐摩耗性の特性を出せればよい。
(ブロックイソシアネート)
また、芳香族環、脂肪族環を含有しているポリイソシアネート化合物であれば、ブロック化イソシアネートであってもよい。イソシアネートブロック化剤としては、例えば芳香族を含有しているものであれば、フェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公知の適宜の方法より付加反応させて得られる。
[ポリエステルポリウレタン型コーティング材]
本発明のコーティング材では、ポリエステルとポリイソシアネート化合物とは、ガスバリアコーティング材料としての諸特性を満たせば、2液混合型として使用してもよいし、予めポリエステルとポリイソシアネート化合物とを反応させた、ポリエステルポリウレタンを予め合成した上で使用してもよい。
(コーティングに用いる溶媒)
本発明で用いるコーティング材は、速乾燥性や水蒸気バリア機能も補填する観点から非水系であり、有機溶媒を主成分とする必要がある。また、主成分であるポリエステルを溶解させる必要がある。加えて、残留溶媒や即乾燥性の観点から沸点が100℃以下である方が好ましい。好ましく用いられる溶媒としては、エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ケトン系溶媒としては、アセトン、4−ブタノン、エーテル系としてはテトラヒドロフラン、脂肪族系溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、芳香族系溶媒としはトルエン等を例示することができる。アルコール系溶媒や水を混合しても差し支えないが、イソシアネート化合物を硬化剤として併用する場合はこれらを含有させることに注意を要する。
[コーティング材への添加材]
(板状無機化合物)
本発明のコーティング材用樹脂組成物では、板状無機化合物を含有させてもよい。
本発明に板状無機化合物が用いられる場合には、粘着性の低減によるコーティング後の巻き取り適性の向上とガスバリア性を向上させる効果を有する。
板状無機化合物を併用した場合には形状が板状であることによりバリア性が向上する特徴がある。板状無機化合物の層間の電荷はバリア性に直接大きく影響しないが、樹脂組成物に対する分散性が、イオン性無機化合物、或いは水に対して膨潤性無機化合物では大幅に劣り、添加量を増加させると樹脂組成物の増粘やチキソ性となることより塗工適性が課題となる。これに対して、無電荷(非イオン性)、或いは水に対して非膨潤性の場合は、添加量を増加させても、増粘やチキソ性となり難く塗工適性が確保できる。本発明で使用される板状無機化合物としては、例えば、板状無機化合物としては、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト−蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等、アンチゴライト、クリソタイル等)、パイロフィライト−タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)、緑泥石族(クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト等)、ハイドロタルサイト、板状硫酸バリウム、ベーマイト、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。板状無機化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用される。これら板状無機化合物のアスペクト比、コーティング材内での含有率、粒子径、粒径分布としては、バリア向上機能や、耐ブロッキング適性が付与できていれば特に制限はない。
本発明で使用される板状無機化合物をポリエステルを主成分とするコーティング材に分散させる方法としては公知の分散方法が利用できる。例えば、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントコンディショナー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、ナノミル、SCミル、ナノマイザー等を挙げることができ、更により好ましくは、高い剪断力を発生させることのできる機器として、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー、二本ロール、三本ロール等が上げられる。これらのうちの1つを単独で用いてもよく、2種類以上装置を組み合わせて用いてもよい。
(酸無水物)
本発明では、コーティング材層の耐酸性を向上させる方法として公知の酸無水物を添加剤として併用することもできる。酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、コハク酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドラフタル酸無水物、テトラプロムフタル酸無水物、テトラクロルフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7−ナフタリンテトラカルボン酸2無水物、5−(2,5−オキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、スチレン無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
(ガス捕捉成分)
また、必要に応じて、更にガス捕捉機能を有する材料を添加してもよい。酸素捕捉機能を有する材料としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。水蒸気補足機能を有する材料としては、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、炭酸カルシウム等の材料を挙げることができる。これら以外にも遮断したい対象ガスの捕捉成分を添加することができる。
(その他の成分)
本発明のコーティング材は、ガスバリア補助機能を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機充填剤、無機材料を用いる場合には分散剤、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、レベリング剤、スリップ向上剤等が例示できる。
[蒸着フィルム]
本発明のコーティン材は、蒸着フィルムが持つガスバリア性を大幅に向上させるために使用する。そのためコーティング材を塗布する対象としては各種蒸着フィルムを用いる。本発明のコーティング材をコートしたフィルムは、通常の蒸着フィルムよりも更にガスバリア性に優れるため、高ガスバリアフィルムとして使用できる。
(蒸着層の種類)
本発明で用いるコーティング材が塗布される蒸着フィルムの蒸着層の種類としては、ガスバリア性を付与できるものであれば特に限定されない。現在包装用に広く用いられている金属蒸着、または金属酸化物蒸着が好適に例示される。金属蒸着としては各種金属が例示できるが、特に安価で広く用いられているアルミニウムが好ましい。また、金属酸化物としては、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ケイ素(SiOx)が高汎用の材料として好ましく例示される。これ以外にも各種有機化合物、無機化合物を蒸着したフィルムを用いても良い。また、これら蒸着フィルムには蒸着の保護として、オーバーコートやアンダーコートが予め施されていても、施されていなくても用いることができる。しかし特に、コーティング層が無い蒸着フィルムでは、本発明のコーティングのバリア向上機能を十分に発揮することができるため好ましく用いられる。
(フィルムの種類)
本発明でのコーティング材を使用するフィルムは、特に限定はなく、所望の用途に応じた熱可塑性樹脂フィルムを適宜選択することができる。例えば食品包装用としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:リニア低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、シクロオレフィンコポリマフィルム等が挙げられる。これらのフィルムには延伸処理があっても、無くても好ましく用いることができる。延伸処理をほどこしているフィルム類は寸法安定性、剛性よりコーティング操作が容易で使いやすい利点がある。また、未延伸フィルムでは逆に基材の寸法安定性、剛性、耐熱性が劣るため蒸着層が欠陥を多く持ちガスバリアが安定しないことが多いので、本発明のコーティング材を用いることで、バリア機能の強化に大きな効果をだせる利点がある。
[コーティングを行う部分]
本発明では、コーティングを蒸着面側に施す必要がある。これは、本発明のコーティング材が蒸着のピンホールやクラック等の欠陥部分を効率よく穴埋めすることにより、極めて優れたバリア向上機能を付与するためである。コーティング材が蒸着面の逆側のフィルム面に設置された場合はこのような補強効果を付与することはできずバリアの向上効果が限定的となる。
本発明では、さらに高いバリア機能を付与するためにポリビニルアルコールや、エチレン・ビニールアルコール共重合体、塩化ビニリデン等のガスバリア層を含有するバリア性フィルムを併用して、より高いバリア機能を付与しても良い。
[コーティング方法]
本発明のコーティング材のコーティング方法としては、蒸着フィルムの蒸着面にコーティングができるのであれば特に制限はない。具体的な方法としては、コールコート、グラビアコート、ナイフコート、リップコート、平版、凸版等の各種コーティング方法を例示することができる。また、コーティングに用いる装置についても特に限定はない。
[コーティング膜厚]
本発明のコーティング材を塗布する膜厚は特に制限はない。しかし、本発明のコーティング材は蒸着欠陥をふさぐことでガスバリアの補強効果を高める。そのため、コーティング膜厚は蒸着欠陥さえ塞ぐことができれば特に厚い必要ななく、0.1μm以上あればバリア向上効果を出すことができる。好ましい厚み範囲としては、コーティング欠陥が生じにくいことと、乾燥性とのバランスより好ましくは0.1μm〜5μmの範囲、さらに好ましくは0.3〜3μmの範囲である。
[コーティングが使用される層構成]
本発明のコーティングが用いられる層構成としては、以下の構成が想定される。いずれも、蒸着層直上にコーティングされることにより良好なバリア機能を付与することができる。使用方法は単層でも、ラミネート等の多層化をおこなっても良い。
1)アルミ等の金属蒸着延伸フィルムを用いた構成としては、
・コーティング/インキ/蒸着延伸フィルム/ラミネート接着剤/シーラントフィルム
2)酸化アルミニウム等の透明蒸着延伸フィルムを用いた場合、
・透明蒸着延伸フィルム/コーティング/インキ/ラミネート接着剤/シーラントフィルム
3)アルミ等の金属蒸着未延伸フィルムを用いた構成としては
・ 延伸フィルム/インキ/ラミネート接着剤/コーティング/金属蒸着未延伸フィルム
コーティング/インキ/金属蒸着未延伸フィルム
4)酸化アルミニウム等の透明蒸着未延伸フィルムを用いた場合
・ 延伸フィルム/インキ/ラミネート接着剤/コーティング/透明蒸着未延伸フィルム
コーティング/インキ/透明蒸着未延伸フィルム
いずれの層構成も、フィルム層が2層以下で、インキ層の印刷を施した高ガスバリアのフィルムを提供することができる。特に金属または透明蒸着未延伸フィルムを用いた場合には、単層の高バリアフィルムを提供することができる。
(透過を遮断できるガス成分種類)
本発明のガスバリア用フィルムが遮断できるガスとしては、酸素、水蒸気の他、二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガス、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール成分、フェノール、クレゾール等のフェノール類の他、低分子化合物からなる香気成分類、例えば、醤油、ソース、味噌、レモネン、メントール、サリチル酸メチル、コーヒー、ココアシャンプー、リンス、等の香り成分を例示することができる。
次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明をする。例中断りのない限り、「部」「%」は質量基準である。
(製造例1)TCDoPA;トリシクロデカンジメタノールと無水フタル酸を重縮合したポリエステルポリオールの製造方法
撹拌機、窒素ガス導入管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸100部、トリシクロデカンジメタノール155部、及びチタニウムテトライソプロポキシドを多価カルボン酸と多価アルコールとの合計量に対して100ppm仕込み、精留塔上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保存した。酸価が5mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量2000、酸価1.1mgKOH/g、水酸基価58.8mgKOH/gのポリエステルポリオール(TCDoPA)を得た。
(製造例2)TCDHH:トリシクロデカンジメタノールとヘキサヒドロキシ無水フタル酸を重縮合したポリエステルポリオールの製造方法
撹拌機、窒素ガス導入管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、ヘキサヒドロキシ無水フタル酸100部、トリシクロデカンジメタノール150部、及びチタニウムテトライソプロポキシドを多価カルボン酸と多価アルコールとの合計量に対して100ppm仕込み、精留塔上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保存した。酸価が5mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量2000、酸価3.4mgKOH/g、水酸基価60.7mgKOH/gのポリエステルポリオール(TCDHH)を得た。
(製造例3)TCDMH:トリシクロデカンジメタノールと4-メチルシクロヘキサン-1,2−ジカルボン酸無水物を重縮合したポリエステルポリオールの製造方法
撹拌機、窒素ガス導入管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物109部、トリシクロデカンジメタノール150部、及びチタニウムテトライソプロポキシドを多価カルボン酸と多価アルコールとの合計量に対して100ppm仕込み、精留塔上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保存した。酸価が5mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量2000、酸価2.8mgKOH/g、水酸基価59.8mgKOH/gのポリエステルポリオール(TCDMH)を得た。
(製造例4)CHDMTMATCD:シクロヘキサンジメタノールとトリメリット酸無水物とトリシクロデカンモノメタノールを重縮合したポリエステルポリオールの製造方法
撹拌機、窒素ガス導入管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、トリメリット酸無水物100部、トリシクロデカンモノメタノール90部を仕込み、メチルエチルケトンを溶媒に用いて還流反応させ、酸価が315mgKOH/gとなったところで反応を終了し、脱溶媒を行った。シクロヘキサンジメタノール105部、及びチタニウムテトライソプロポキシドを多価カルボン酸と多価アルコールとの合計量に対して100ppm仕込み、精留塔上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保存した。酸価が5mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量1500、酸価0.2mgKOH/g、水酸基価84.8mgKOH/gのポリエステルポリオール(CHDMTMATCD)を得た。
(製造例5)TCDoPA-A;トリシクロデカンジメタノールと無水フタル酸を重縮合したポリエステルポリカルボン酸
撹拌機、窒素ガス導入管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸140部、トリシクロデカンジメタノール155部、及びチタニウムテトライソプロポキシドを多価カルボン酸と多価アルコールとの合計量に対して100ppm仕込み、精留塔上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保存した。酸価が40.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量3000、酸価37.4mgKOH/g、水酸基価3.6mgKOH/gのポリエステルポリカルボン酸(TCDoPA-A)を得た。
製造例1〜5で得られた実施例用のポリエステルの原料モノマー組成、樹脂の数平均分子量、原料モノマー中のトリシクロアルカン骨格を含むアルコールのアルコール全成分に対する含有率(トリシクロアルカン含有率(質量%)と称する)と、後述の方法で測定したガラス転移点(℃)を表1に示す。
Figure 2016047870
(実施例1〜5:ポリエステル単独のコーティング液の調整)
実施例1〜5では、製造例1〜5で合成したポリエステルを酢酸エチルまたは2-ブタノンに表2の配合で添加し、常温でスターラーで撹拌した。いずれのポリエステル共溶媒に完全に溶解したコーティング液を調整することができた。
得られたコーティング材を、表2のフィルム欄に記した蒸着フィルムの蒸着面側にバーコーター#6番で塗工し、ドライヤで80℃の熱風により溶媒を揮発させた後、100℃設定の乾燥機中に30秒間設置した。いずれの実施例でも均一なコーティング塗膜が得られた。こうして得られた、オーバーコートが施された蒸着フィルムを後述の各種評価(酸素透過率測定、水蒸気透過率測定、塗膜乾燥特性)に供した。ここで得られたフィルムではコーティング面の塗膜乾燥性が良好でタック感(粘着性)は見られず、ロールでの取り扱いが容易と想定された。
(実施例6〜8:ポリエステルにイソシアネート系硬化剤を併用したコーティング液の調整)
実施例6〜8では、製造例1、3、4で合成したポリエステルを酢酸エチルまたは2−ブタノンに表2の硬化剤を除いた配合で添加し、常温でスターラーで撹拌した。いずれのポリエステル共溶媒に完全に溶解した溶液を調整することができた。得られた溶液に引き続き表2の配合で硬化剤を添加し、常温でスターラーで撹拌し均一のコーティング液を調整した。
得られたコーティング材を、表3フィルム欄に記した蒸着フィルムの蒸着面側にバーコーター#6番で塗工し、ドライヤで80℃の熱風により溶媒を揮発させた後、100℃設定の乾燥機中に30秒間設置した。いずれの実施例でも均一なコーティング塗膜が得られた。この時点で後述の塗膜乾燥性を評価したところ、各フィルムとも実施例1〜7同様にコーティング面の塗膜乾燥性が良好でタック感(粘着性)は見られなかった。従ってこの状態でロールでの巻き取りを行っても問題がないと想定された。これを、さらに40℃で3日間エージングすることで、硬化剤の反応を促進させたオーバーコートが施された蒸着フィルムを得た。これらを後述の各種評価(酸素透過率測定、水蒸気透過率測定)に供した。
(参考例1〜4)
本発明のオーバーコートのガスバリアへの効果を明確化するため、参考例として各実施例、比較例に使用した蒸着フィルムの未処状態(即ちコーティング前)の酸素透過率、水蒸気透過率を測定した。
(使用フィルム)
以上の実施例、参考例で使用したフィルムは以下の通りである。いずれの蒸着フィルムにもオーバーコートは施されていない。
延伸フィルムへの蒸着フィルム
・透明蒸着PET:バリアロックス1011HG(東レフィルム加工(株)製)
・アルミ蒸着PET:1510(東レフィルム加工(株)製)
未延伸フィルムへの蒸着フィルム
・アルミ蒸着CPP:2203#25(東レフィルム加工(株)製)
・アルミ蒸着LLDPE:TUX-F#30(三井化学東セロ(株)製)
(使用硬化剤)
以上の実施例6〜8で用いた硬化剤は以下の通りである。
・D−110N: 三井化学(株)製「タケネートD−110N」(メタキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、不揮発成分75.0%、NCO%11.5%、溶媒酢酸エチル)
・D−262T: 三井化学(株)製「タケネートD−262T」(トルエンジイソシアネートのイソシアヌレート体、不揮発成分50.0%、NCO%7.5%、溶媒酢酸エチル)
・MR−400:日本ポリウレタン(株)製、「ミリオネートMR−400」ポリメリック4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート、不揮発成分100%、NCO%30%)
(評価方法)
(1)酸素透過率
各種実施例で得られたフィルム及び、参考例として未処理の蒸着フィルムを、モコン社製酸素透過率測定装置OX−TRAN2/21MHを用いてJIS−K7126(等圧法)に準じ、23℃90%RHの雰囲気下で測定した。なお、RHは湿度を示す。
(2)水蒸気透過率
各種実施例で得られたフィルム及び、参考例として未処理の蒸着フィルムを、Illinois社製水蒸気透過率測定装置7002を用いて、伝導度法「ISO−15106−3」に準じ、40℃90%RHの雰囲気下で測定した。
(3)塗膜乾燥特性
各種実施例で得られたフィルムを70℃設定のドライヤで乾燥させ、100℃設定の乾燥機に30秒間さらに乾燥させた直後の状態を指で触ることによる官能試験で比較した。粘着性が残存しない場合は○、粘着性が残存した場合は×とした。この時点で粘着性が残存した場合には乾燥後にロールに巻いた状態で取り扱えない懸念があることを示す。
(4)ガラス転移温度
各種製造例で得られたポリエステルを示差走査熱量測定装置(DSC−60A)により−50℃〜100℃の温度範囲で熱流量を検出することでガラス転移温度の測定を行った。
各実施例での結果を表2に示した。表では使用したポリエステル、溶媒、硬化剤の種類及び量を記した。これらに加えて、ガラス転移温度以外の各種評価結果を記した。また、表3に参考例として各種蒸着フィルムでの酸素透過率、水蒸気透過率の結果を示した。
Figure 2016047870
Figure 2016047870
以上、表2の実施例1〜5に示されたトリシクロアルカンを含有するポリエステルを含有するコーティング材は、表3のコーティングを施されていない蒸着フィルムと比べ、酸素、水蒸気とも低い透過率を示しバリア機能を向上させるコーティング材として優れた特性を示した。また、実施例6〜8に示した、同ポリエステルポリオールと各種ポリイソシアネートと混合後、エージングにより反応させた2液硬化型のコーティング材料でも、実施例1〜5と同様に優れたバリア機能の向上特性を示した。
また、これらいずれのコーティング材とも溶媒系コーティング材特有の優れた乾燥性とそれに伴う耐ブロッキング性を示した。これらは本発明で用いたポリエステルが室温以上のTgを持つことに起因したものと考えられる。
本発明のコーティング材は、蒸着フィルムに対する水蒸気、酸素のバリア性を有するので、各種包装材料に加えて、例えば太陽電池用保護フィルム用の接着剤や表示素子用水蒸気バリア性基板のコーティング材等の電子材料用コーティング材、建築材料用コーティング材、工業材料用コーティング等、水蒸気、酸素のガスバリア性の強化を所望される用途であれば好適に使用できる。特に、未延伸蒸着フィルムでのバリア向上効果が極めて高いため、未延伸蒸着フィルムに適応した場合には、蒸着面にインキを印刷した後に本発明のオーバーコートを施すことにより、延伸フィルムを用いない単層バリアフィルムとして極めて安価な高バリア性の包装とすることができる。

Claims (11)

  1. トリシクロアルカン骨格を含むアルコールと、多価カルボン酸、あるいはその酸無水物とを重縮合して得られるポリエステルを含有する、蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材。
  2. ポリエステルにおいて、トリシクロアルカン骨格を含むアルコールのアルコール全成分に対する含有率が30〜100質量%である、請求項1に記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材。
  3. ポリエステルのガラス転移点が25℃以上である、請求項1又は2に記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材。
  4. 前記トリシクロアルカンが、トリシクロデカンである請求項1〜3の何れかに記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材。
  5. 前記多価カルボン酸、あるいはその酸無水物が、芳香環骨格、脂環骨格から選ばれる少なくとも1種を含む多価カルボン酸成分である請求項1〜4の何れかに記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材。
  6. コーティング材がポリイソシアネート化合物を含有する、請求項1〜5の何れかに記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材。
  7. コーティング材のポリイソシアネート化合物が、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートから選ばれる1種である、請求項6に記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の蒸着フィルムの蒸着面保護用コーティング材を蒸着フィルムの蒸着面側にコーティングした、ガスバリア性フィルム。
  9. 蒸着フィルムがアルミニウム蒸着フィルムである、請求項8に記載のガスバリア性フィルム。
  10. 蒸着フィルムが未延伸フィルムである、請求項8に記載のガスバリア性フィルム。
  11. 請求項8〜10の何れかに記載のガスバリア性フィルムを用いた包装材。
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