JP2016047580A - チューブクリップ装着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】チューブに複数個のチューブクリップを装着する場合であっても、チューブの挿入深さの調節を容易に行うことができるチューブクリップ装着装置を提供する。
【解決手段】弾性変形自在な線材(金属材)を円形にしてなるリング部と、線材の両端が延長されてなる拡径クリップ部とからなるチューブクリップをチューブに装着するチューブクリップ装着装置10において、チューブを挿入自在な貫通孔22aの周囲に形成される凹部22bに収容されるチューブクリップのリング部を拡径クリップ部を介して拡径するチューブクリップ拡径手段24と、貫通孔22aに挿入されるチューブの挿入深さを調節可能なチューブ挿入深さ調節手段26とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明はチューブクリップ装着装置に関し、より具体的には車両の燃料系などに使用されるゴムチューブにチューブクリップを装着する装置に関する。
チューブクリップ装着装置の従来技術としては、例えば下記の特許文献1記載の技術を挙げることができる。特許文献1記載の技術にあっては、チューブが挿入される貫通孔と、貫通孔の周囲に形成されてチューブクリップが収容(載置)される凹部(載置台)と、凹部に収容されたチューブクリップのリング部を拡径するチューブクリップ拡径手段と、チューブクリップ拡径手段の動作を制御するコントローラとを備える。
特開2012−161892号公報
ところで、特許文献1記載のチューブクリップ装着装置を用いてチューブに複数個のチューブクリップを装着する場合、複数個のチューブクリップがそれぞれチューブの適正位置に装着されるようにチューブクリップを装着する度に貫通孔へのチューブの挿入深さ(挿入位置)を正確に調節(位置合わせ)する必要がある。しかしながら、チューブの挿入深さの調節を手動で行おうとすると、その調節は難しく、作業者の負担が大きいという不都合がある。なお、複数個のチューブクリップはいずれもチューブの一端側から挿入されて装着されるものとする。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、チューブに複数個のチューブクリップを装着する場合であっても、チューブの挿入深さの調節を容易に行うことができるチューブクリップ装着装置を提供することにある。
上記した課題を解決するために、請求項1にあっては、弾性変形自在な線材を円形にしてなるリング部と、前記線材の両端が延長されてなる拡径クリップ部とからなるチューブクリップをチューブに装着するチューブクリップ装着装置において、前記チューブを挿入自在な貫通孔の周囲に形成される凹部に収容される前記チューブクリップの前記リング部を前記拡径クリップ部を介して拡径するチューブクリップ拡径手段と、前記貫通孔に挿入されるチューブの挿入深さを調節可能なチューブ挿入深さ調節手段とを備えるように構成した。
請求項2に係るチューブクリップ装着装置にあっては、前記チューブ挿入深さ調節手段は、前記貫通孔に挿入される前記チューブの先端部に当接して前記チューブの挿入深さを規制する規制部材を有し、前記規制部材の位置を移動させることで、前記チューブの挿入深さを調節するように構成した。
請求項3に係るチューブクリップ装着装置にあっては、前記貫通孔に挿入されるチューブの先端部が前記規制部材に当接したことを検知するチューブ挿入検知手段を備えるように構成した。
請求項4に係るチューブクリップ装着装置にあっては、前記チューブクリップ拡径手段は、前記チューブの先端部が前記規制部材に当接したことが検知されたとき、前記リング部の拡径を停止するように構成した。
請求項5に係るチューブクリップ装着装置にあっては、前記チューブ挿入深さ調節手段は、前記チューブクリップ拡径手段によって前記リング部の拡径が停止されて前記チューブに前記チューブクリップが装着されるごとに前記規制部材を前記貫通孔方向に移動させて前記チューブの挿入深さを減少させるように構成した。
請求項1に係るチューブクリップ装着装置にあっては、チューブを挿入自在な貫通孔の周囲に形成される凹部に収容されるチューブクリップのリング部を拡径クリップ部を介して拡径するチューブクリップ拡径手段と、貫通孔に挿入されるチューブの挿入深さを調節可能なチューブ挿入深さ調節手段とを備えるように構成したので、チューブに複数個のチューブクリップを装着する場合であっても、チューブ挿入深さ調節手段によってチューブの挿入深さの調節を容易に行うことができる。
請求項2に係るチューブクリップ装着装置にあっては、チューブ挿入深さ調節手段は、貫通孔に挿入されるチューブの先端部に当接してチューブの挿入深さを規制する規制部材を有し、規制部材の位置を移動させることで、チューブの挿入深さを調節するように構成したので、上記した効果に加え、貫通孔に挿入されるチューブの先端部が規制部材に当接してチューブの挿入深さが自動的に定まるため、チューブの挿入深さの調節を一層容易に行うことができる。また、規制部材を用いるだけの簡易な構成でチューブの挿入深さの調節が可能となる。
請求項3に係るチューブクリップ装着装置にあっては、貫通孔に挿入されるチューブの先端部が規制部材に当接したことを検知するチューブ挿入検知手段を備えるように構成したので、上記した効果に加え、例えばチューブの先端部が規制部材に当接したことを検知したときにチューブクリップをチューブに装着することも可能となり、チューブクリップの装着を効率よく行うことができる。
請求項4に係るチューブクリップ装着装置にあっては、チューブクリップ拡径手段は、チューブの先端部が規制部材に当接したことが検知されたとき、リング部の拡径を停止するように構成したので、上記した効果に加え、チューブクリップの装着を一層効率よく行うことができる。
請求項5に係るチューブクリップ装着装置にあっては、チューブ挿入深さ調節手段は、チューブクリップ拡径手段によってリング部の拡径が停止されてチューブにチューブクリップが装着されるごとに規制部材を貫通孔方向に移動させてチューブの挿入深さを減少させるように構成したので、上記した効果に加え、一つのチューブに対する複数個のチューブクリップの装着をより一層効率よく行うことができる。
この発明の実施例に係るチューブクリップ装着装置の斜視図である。 図1に示すチューブクリップ装着装置を部分的に示す概略正面断面図である。 図2に示すチューブクリップの斜視図である。 図2に示すチューブクリップが装着されたチューブの斜視図である。 図1に示すチューブクリップ拡径手段の説明図である。 図1に示すチューブ挿入深さ調節手段の説明図である。 図1に示すコントローラの制御動作を示すフロー・チャートである。 図1に示すチューブクリップ装着装置の動作手順を示す動作説明図である。 チューブ挿入深さ調節手段の変形例を示す、図6と同様の説明図である。
以下、添付図面に即してこの発明に係るチューブクリップ装着装置を実施するための形態について説明する。
図1はこの実施例に係るチューブクリップ装着装置の斜視図、図2はチューブクリップ装着装置を部分的に示す概略正面断面図である。また、図3はチューブクリップの斜視図、図4はチューブクリップが装着されたチューブの斜視図である。
最初に図3を参照して実施例に係るチューブクリップ装着装置が対象とするチューブクリップについて説明する。チューブクリップ12は、弾性変形自在な1枚の板ばね(金属材(線材))を環状(円形)に湾曲させたリング部12aと、リング部12aの両端部に形成されてリング部12aを拡径する拡径クリップ部12bとからなる。
拡径クリップ部12bは、リング部12aの一端の一部分が延長されて軸方向外方に突出した第1のツマミ12b1と、他端が延長されて軸方向外方に突出すると共に、中央部分に第1のツマミ12b1が交差される係合穴12b2が穿設された第2のツマミ12b3とからなる。
チューブクリップ12は、拡径クリップ部12bを両側から押圧、具体的には第1、第2のツマミ12b1,12b3が互いに近接する方向に押圧されるとき、リング部12aが拡径され、押圧から解放されるとき、弾性力によって復元されて図3に示す形状に復帰する。
チューブ14は、車両の燃料系などに使用されるゴム製のチューブからなり、図4に示すように、リング部12aの内径に相応した外径の円形断面を備える。チューブ14は、チューブクリップ12の拡径クリップ部12bが押圧されてリング部12aが拡径されるとき、リング部12aに挿通され、拡径クリップ部12bが押圧から解放されると、リング部12aで挟持される。図4では、2個のチューブクリップ12が装着されたチューブ14を示す。
チューブ14の外壁にはチューブクリップ12の装着方向などを示すマーキング16が施される。具体的にはチューブ14の端部付近にチューブクリップ12の組み付け方向に応じて直径2mmから4mm程度の円形状の所定の色(例えば黄色や白色)のマーキング16が予め印される。
以上を前提としてチューブクリップ装着装置(以下「装置」という)について説明する。装置10は、図1および図2に示すように、板状のベース部材20と、ベース部材20に設置され、チューブ14を挿入するための貫通孔22aとチューブクリップ12を収容するための凹部22bを有する基台22と、凹部22bに収容されるチューブクリップ12のリング部12aを拡径するチューブクリップ拡径手段24と、貫通孔22aに挿入されるチューブ14の挿入深さを調節可能なチューブ挿入深さ調節手段26と、チューブクリップ拡径手段24やチューブ挿入深さ調節手段26の動作を制御するコントローラ28とを備える。また、装置10には、作業員の操作自在に設けられ、作業員に操作される(押される)とき、出力を生じるスイッチ30が設けられる。
基台22は、直方体状に形成された樹脂製または金属製のブロック部材からなり、上面には上記した貫通孔22aと凹部22bが形成される。
貫通孔22aは、チューブ14が挿入自在となるように、チューブ14の外径よりも僅かに大きな直径で構成された円形断面(貫通孔22aの軸線方向に直交する断面が円形)の孔からなり、図2に示すように、基台22の天井部分を貫通して、基台22の内部に形成された空洞部22cに開口する。
凹部22bは、貫通孔22aの周囲に形成される所定深さ(基台22の上面からリング部12aのほぼ高さ分に相当する深さ)の円柱状または図2に示すように逆円錐台状(テーパ状)の溝(凹部)からなる。
空洞部22cには、貫通孔22aから挿入されたチューブ14の外壁に施されたマーキング16の色と位置を検出し、検出された色が既定色であり、検出された位置が所定位置のとき、出力を生じるマーキング検出手段(チューブ挿入検知手段)32が設置される。
マーキング検出手段32は、赤、青、緑の3色のLEDからなる発光素子を用いてチューブ14のマーキング16に向けて(図2の矢印の方向)光を照射し、その反射光の比率などからマーキング16の色および位置を検出する。
チューブクリップ拡径手段24は、基台22の側面に取り付けられ、エアシリンダ24aと、エアシリンダ24aの内部に収容されるプランジャ24bと、エアシリンダ24aにエア(圧縮空気)を供給するコンプレッサ24cとを備える。
図5はチューブクリップ拡径手段24の説明図である。
プランジャ24bは、エアシリンダ24aにコンプレッサ24cからエアが供給されると、図5に示すように、基台22の上面近傍に形成されたプランジャ移動溝22d内を伸長し、チューブクリップ12の第1のツマミ12b1を押圧する。このとき第2のツマミ12b3は、基台22のチューブクリップ支持壁(ストッパ)22eに支持されるため、プランジャ24bが伸長するにつれてリング部12aは拡径する。プランジャ24bはエアの供給が停止されると、拡径クリップ部12bの反発力によって初期位置に後退する。
図1および図2の説明に戻ると、チューブ挿入深さ調節手段26は、基台22の、チューブクリップ拡径手段24が取り付けられている側とは反対側の側面に取り付けられ、チューブクリップ拡径手段24と同じく、エアシリンダ26aと、エアシリンダ26aの内部に収容されるプランジャ(規制部材)26bと、エアシリンダ26aにエアを供給するコンプレッサ26cとを備える。
図6はチューブ挿入深さ調節手段26の説明図である。
プランジャ26bは、エアシリンダ26aにコンプレッサ26cからエアが供給されると、空洞部22c内をチューブ14の挿入経路を横切るように(図中矢印A)に伸長する。従って、プランジャ26bが所定距離だけ伸長すると、図6に示すように、チューブ14の挿入経路はプランジャ26bによって遮断される。その結果、貫通孔22aから挿入されたチューブ14の先端部はプランジャ26bに当接し、チューブ14はそれ以上先へは進めなくなる(それ以上深く挿入できなくなる(チューブ14の挿入が規制される))。
図6は、プランジャ26bが所定距離伸長することにより、チューブ14の挿入深さがd1からd2に変化した状態を示す。すなわち、この実施例ではチューブ14の挿入深さはd1とd2の2段階に調節可能となり、チューブ14の挿入深さがd1のときはチューブ14のP1の位置にチューブクリップ12が装着され、チューブ14の挿入深さがd2のときはチューブ14のP2の位置にチューブクリップ12が装着される。
上記したようにプランジャ26bはチューブ14の挿入を阻止するものであるから、チューブ14の先端部と当接するプランジャ26bの面26b1は、チューブ14の挿入を阻止しやすいように平面状に形成されると共に、チューブ14の挿入を阻止できるだけの一定の幅を有する。従って、この実施例では、プランジャ26bはプレート状を呈する板状部材で構成される。ただし、チューブ14の挿入を阻止できるのであれば、プランジャ26bの形状は特定の形状に限定されるものではなく、例えば上部のみが平らに形成された断面視半円状の棒状部材等でもよい。
また、上記したように、この実施例ではチューブ挿入深さ調節手段26によってチューブ14の挿入深さをd1とd2の2段階に調節できるようにしているが、例えばプランジャ26bが空洞部22c内においてチューブ14の挿入経路上を上下方向(図中矢印B)にも移動可能なように構成し、チューブ14の挿入深さをさらに細かく何段階にも調節できるようにしてもよい。
さらには、図示は省略するが、エアシリンダ26aを一台ではなく、基台22の側面に沿って複数台設置して、チューブ14の挿入深さに応じて複数のプランジャ26bのうちの対応するプランジャ26bを伸長させるようにしてもよい(この場合、チューブ14の挿入深さはエアシリンダ26aの設置台数に相当する数だけ切り替え可能となる)。
なお、プランジャ26bはエアの供給が停止されると、図2に示す初期位置に戻されるが、プランジャ26bを初期位置に戻す方法はどのような方法であってもよい。すなわち、例えばエアシリンダ26a内にスプリング等を設け、このスプリングの付勢力によってプランジャ26bを初期位置に戻すようにしてもよく、またはエアの供給先を切り替えることでプランジャ26bを収縮させ、初期位置に戻すようにしてもよい。
図1および図2の説明に戻ると、コントローラ28はCPU、メモリなどを備えたマイクロコンピュータからなり、チューブクリップ拡径手段24(コンプレッサ24c)、チューブ挿入深さ調節手段26(コンプレッサ26c)、スイッチ30およびマーキング検出手段32に接続される。
コントローラ28はスイッチ30の出力を検知すると、チューブクリップ拡径手段24のエアシリンダ24aにエアを供給してプランジャ24bを動作させ、凹部22bに収容されたチューブクリップ12のリング部12aを拡径させる。
その後コントローラ28は、貫通孔22aからチューブ14が挿入されてマーキング検出手段32の出力を検知すると、チューブクリップ拡径手段24によるリング部12aの拡径を停止、具体的にはチューブクリップ拡径手段24に対してエアの供給を停止させてプランジャ24bの動作を停止させる。その結果、プランジャ24bは拡径クリップ部12bの反発力(復元力)で初期位置に復帰させられ、チューブ14の所定位置にはチューブクリップ12が装着される。
以上の動作を図7フロー・チャート等を参照して説明する。図7はコントローラ28の制御動作を示すフロー・チャートであり、図8は装置10の動作手順を示す動作説明図である。なお、図7においてSはプログラムの処理ステップを示す。
以下説明すると、先ずS10においてスイッチ30が押(ON)されたか否か判断し、否定されるときは次の処理には進まない一方、肯定されるときはS12に進んで凹部22bに収容されたチューブクリップ12の向きが所定の向きになっているか否か判断する。チューブクリップ12の向きの判断についての詳細な説明は省略するが、例えば光センサを用いてチューブクリップ12の拡径クリップ部12bに光を照射し、その反射光に基づいてチューブクリップ12の向きを判断する。
S12で否定、すなわち、チューブクリップ12が所定の向きに収容されていない(チューブクリップ12の向きが上下反対に収容されている)と判断されるときは次の処理には進まない一方、肯定、すなわち、チューブクリップ12が所定の向きに収容されていると判断されるときはS14に進んでチューブクリップ拡径手段24により凹部22bに収容されるチューブクリップ12のリング部12aを拡径する。チューブクリップ12のリング部12aが拡径されることにより、作業員は貫通孔22aにチューブ14を挿入可能となる。
次いでS16に進み、マーキング検出手段32によって検出されたチューブ14のマーキング16の色が既定色であり、位置が所定位置にあるか否か判断する。
上記したように、マーキング16の色はチューブ14に対してチューブクリップ12が装着される向きを示すものである。従って、1つのチューブ14に複数個のチューブクリップ12を装着する場合であって、装着時のチューブクリップ12の向きがそれぞれ異なる場合には、チューブクリップ12ごとにマーキング16の既定色も異なる(チューブクリップ12ごとに異なる色のマーキングの既定色が予め定められる)。
より具体的に説明すると、例えば1つのチューブ14に2個のチューブクリップ12を装着する場合であって、1個目のチューブクリップ12と2個目のチューブクリップ12の装着する向きが異なる場合には、1個目と2個目のチューブクリップ12では装着時におけるマーキング16の既定色が異なるように設定される(例えば1個目のチューブクリップ12については白色、2個目のチューブクリップ12については黄色というように設定される)。
従って、1個目のチューブクリップ12を装着するときは、例えば白色のマーキング16が所定位置にあることが検出されればS16で肯定され、2個目のチューブクリップ12を装着するときは、黄色のマーキング16が所定位置にあることが検出されればS16で肯定される。
なお、この実施例において、既定色のマーキング16が所定位置にあるということは、換言すれば、チューブ14が空洞部22cの床面やプランジャ26bに当接して、所定深さにセットされたことを意味する。
図7フロー・チャートの説明に戻ると、S16で否定、すなわち、マーキング検出手段32によって検出されたチューブ14のマーキング16の色が既定色でなく、または位置が所定位置でないときは次の処理には進まない一方、肯定されるときはS18に進んでチューブクリップ拡径手段24によるチューブクリップ12のリング部12aの拡径を停止してチューブ14にチューブクリップ12を装着する。チューブ14にチューブクリップ12が装着されると、作業員によって一旦チューブ14が貫通孔22aから引き抜かれる(図8(a)参照)。
次いでS20に進み、整数型の変数n(この変数nはプログラム実行時には初期化(ゼロにリセット)されている)をインクリメント(変数nに1を加算)する。変数nは、現在チューブ14に何個目のチューブクリップ12を装着したかを判断するための変数であり、例えば1つ目のチューブクリップ12を装着したときは、変数nはS20においてインクリメントされて1となる。
次いでS22に進み、変数nが規定回数に達したか否か判断する。規定回数は、チューブ14に装着する予定のチューブクリップ12の数に相当する回数が設定される。従って、例えばチューブ14に2個のチューブクリップ12を装着する場合には規定回数は2に設定される。
S22で否定、すなわち、変数nが規定回数に達していないとき、換言すれば、まだチューブ14にすべてのチューブクリップ12が装着されていないときはS24に進み、次のチューブクリップ12の装着に備えてチューブ14の挿入深さを切り替える(チューブ14の挿入深さを減少させる(浅くする))。具体的には、エアシリンダ26aにエアを供給してプランジャ26bを所定距離伸長させる。チューブ14の挿入深さを切り替えた後はS10に戻る。
他方、S22で肯定、すなわち、変数nが規定回数に達してすべてのチューブクリップ12がチューブ14に装着されたとき(図8(b)参照)はS26に進んでチューブ14の挿入深さを初期位置に戻して(リセットして)処理を終了する。
図9はチューブ挿入深さ調節手段24の変形例を示す、図6と同様の概略正面断面図である。
変形例におけるチューブ挿入深さ調節手段26’は、上記した実施例におけるチューブ挿入深さ調節手段26と同様、エアシリンダ26a’と、エアシリンダ26a’の内部に収容されるプランジャ26b’と、エアシリンダ26a’にエアを供給するコンプレッサ(図示せず)とを備える。
ただし、変形例におけるチューブ挿入深さ調節手段26’は、図9に示すように、基台22の下方、より具体的には空洞部22cの床部分、すなわち、ベース部材20に設けられ、エアが供給されると、プランジャ26b’が空洞部22c内を上下方向に伸長するように構成される。従って、プランジャ26b’の伸縮量を制御することによってチューブ14の挿入深さを調節することができる。
以上の如く、この発明の実施例にあっては、弾性変形自在な線材(金属材)を円形にしてなるリング部12aと、前記線材の両端が延長されてなる拡径クリップ部12bとからなるチューブクリップ12をチューブ14に装着するチューブクリップ装着装置10において、前記チューブを挿入自在な貫通孔22aの周囲に形成される凹部22bに収容される前記チューブクリップの前記リング部を前記拡径クリップ部を介して拡径するチューブクリップ拡径手段24と、前記貫通孔に挿入されるチューブの挿入深さを調節可能なチューブ挿入深さ調節手段26とを備えるように構成したので、チューブ14に複数個のチューブクリップ12を装着する場合であっても、チューブ挿入深さ調節手段26によってチューブ14の挿入深さの調節を容易に行うことができる。
また、前記チューブ挿入深さ調節手段は、前記貫通孔に挿入される前記チューブの先端部に当接して前記チューブの挿入深さを規制する規制部材(プランジャ)26bを有し、前記規制部材の位置を移動させることで、前記チューブの挿入深さを調節するように構成したので、貫通孔22aに挿入されるチューブ14の先端部がプランジャ26bに当接してチューブ14の挿入深さが自動的に定まるため、チューブ14の挿入深さの調節を一層容易に行うことができる。また、プランジャ26bを用いるだけの簡易な構成でチューブ14の挿入深さの調節が可能となる。
また、前記貫通孔に挿入されるチューブの先端部が前記規制部材に当接したことを検知するチューブ挿入検知手段(マーキング検出手段)32を備えるように構成したので、例えばチューブ14の先端部がプランジャ26bに当接したことを検知したときにチューブクリップ12をチューブ14に装着することも可能となり、チューブクリップ12の装着を効率よく行うことができる。
また、前記チューブクリップ拡径手段は、前記チューブの先端部が前記規制部材に当接したことが検知されたとき、前記リング部の拡径を停止するように構成したので(S16,S18)、チューブクリップ12の装着を一層効率よく行うことができる。
また、前記チューブ挿入深さ調節手段は、前記チューブクリップ拡径手段によって前記リング部の拡径が停止されて前記チューブに前記チューブクリップが装着されるごとに前記規制部材を前記貫通孔方向に移動させて前記チューブの挿入深さを減少させるように構成したので(S20からS24)、一つのチューブ14に対する複数個のチューブクリップ12の装着をより一層効率よく行うことができる。
なお、実施例では、チューブ挿入深さ調節手段26をエアシリンダ26aと、プランジャ26bと、コンプレッサ26cとで構成し、エアシリンダ26aにエアを供給することでプランジャ26bを伸縮させるようにしたが、エアシリンダ26aの代わりに流体圧シリンダやモータなどを用いてプランジャ26bを伸縮させるようにしてもよい。
また、エアの供給、換言すれば、プランジャ26bの伸縮は、コントローラ28からの指令により自動で行うようにしたが、手動操作によってプランジャ26bの伸縮が可能なように構成し、コントローラ28によらずに手動によってプランジャ26bを伸縮させるようにしてもよい。
また、チューブ14の先端部がプランジャ26bに当接したか否かは、チューブ14の外壁に施されたマーキング16の位置を検出することで判断したが、それ以外に例えばプランジャ26の面26b1に圧力センサ等を設けてチューブ14の先端部がプランジャ26bに当接したか否かを判断するようにしてもよく、その判断手法は特定の手法に限定されるものではない。
また、チューブ挿入深さ調節手段26が基台22の、チューブクリップ拡径手段24が取り付けられている側とは反対側の側面に取り付けられる例を示したが、これはあくまで例示であって、チューブ14の挿入経路を遮断できるのであれば、基台22の側面を構成する4つの面のうち、いずれの側面にチューブ挿入深さ調節手段26を取り付けてもよい。
10 チューブクリップ装着装置、12 チューブクリップ、12a リング部、12b 拡径クリップ部、14 チューブ、22 基台、22a 貫通孔、22b 凹部、24 チューブクリップ拡径手段、26 チューブ挿入深さ調節手段、26a エアシリンダ、26b プランジャ(規制部材)、26c コンプレッサ、28 コントローラ、30 スイッチ、32 マーキング検出手段(チューブ挿入検知手段)

Claims (5)

  1. 弾性変形自在な線材を円形にしてなるリング部と、前記線材の両端が延長されてなる拡径クリップ部とからなるチューブクリップをチューブに装着するチューブクリップ装着装置において、前記チューブを挿入自在な貫通孔の周囲に形成される凹部に収容される前記チューブクリップの前記リング部を前記拡径クリップ部を介して拡径するチューブクリップ拡径手段と、前記貫通孔に挿入されるチューブの挿入深さを調節可能なチューブ挿入深さ調節手段とを備えることを特徴とするチューブクリップ装着装置。
  2. 前記チューブ挿入深さ調節手段は、前記貫通孔に挿入される前記チューブの先端部に当接して前記チューブの挿入深さを規制する規制部材を有し、前記規制部材の位置を移動させることで、前記チューブの挿入深さを調節することを特徴とする請求項1記載のチューブクリップ装着装置。
  3. 前記貫通孔に挿入されるチューブの先端部が前記規制部材に当接したことを検知するチューブ挿入検知手段を備えることを特徴とする請求項2記載のチューブクリップ装着装置。
  4. 前記チューブクリップ拡径手段は、前記チューブの先端部が前記規制部材に当接したことが検知されたとき、前記リング部の拡径を停止することを特徴とする請求項3記載のチューブクリップ装着装置。
  5. 前記チューブ挿入深さ調節手段は、前記チューブクリップ拡径手段によって前記リング部の拡径が停止されて前記チューブに前記チューブクリップが装着されるごとに前記規制部材を前記貫通孔方向に移動させて前記チューブの挿入深さを減少させることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のチューブクリップ装着装置。
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