JP2016047491A - 懸濁装置、及びそれを用いた懸濁方法 - Google Patents

懸濁装置、及びそれを用いた懸濁方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016047491A
JP2016047491A JP2014172640A JP2014172640A JP2016047491A JP 2016047491 A JP2016047491 A JP 2016047491A JP 2014172640 A JP2014172640 A JP 2014172640A JP 2014172640 A JP2014172640 A JP 2014172640A JP 2016047491 A JP2016047491 A JP 2016047491A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
state
container
rotation operation
centrifuge tube
operation unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014172640A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6295169B2 (ja
Inventor
智大 下田
Tomohiro Shimoda
智大 下田
晃庸 奥田
Akinobu Okuda
晃庸 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PHC Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Healthcare Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Healthcare Holdings Co Ltd filed Critical Panasonic Healthcare Holdings Co Ltd
Priority to JP2014172640A priority Critical patent/JP6295169B2/ja
Publication of JP2016047491A publication Critical patent/JP2016047491A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6295169B2 publication Critical patent/JP6295169B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Mixers With Rotating Receptacles And Mixers With Vibration Mechanisms (AREA)

Abstract

【課題】本発明に係る懸濁装置は、十分な懸濁に要する時間を短縮することを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するために、本発明に係る懸濁装置1は、遠沈管2の内容物を懸濁し、遠沈管2を保持する保持部3と、保持部3を介して遠沈管2を回転させる回転動作部4と、保持部3によって遠沈管2が保持される初期状態から、内容物が遠沈管2の上端部に位置する第1の状態へ変化させ、第1の状態から、内容物が遠沈管2の下端部に位置する第2の状態へ変化させるように回転動作部4を制御し、第1の状態の期間が第2の状態の期間よりも長くなるように、及び、第1の状態と第2の状態を交互に繰り返すように、回転動作部4を制御する制御部5、を備える構成とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、懸濁装置及びそれを用いた懸濁方法に関し、特に磁性を利用した懸濁装置及びそれを用いた懸濁方法に関するものである。
従来、懸濁装置としては、懸濁対象の液中に撹拌子を挿入して振動させ、懸濁を実現する手法がある。しかし、連続した懸濁対象液について繰り返し懸濁を実行することを想定すると、撹拌子を介したコンタミネーションの発生リスクがある。
そこで、懸濁対象の容器の内容物として、懸濁対象物と磁性粒子を入れ、撹拌子を用いずに、容器の外側から磁石を近接させることにより磁性粒子を移動させ、懸濁を実現する手法がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−254472号公報
上述のような手法を用いることにより、撹拌子を介したコンタミネーションのリスクを避けることはできる。
しかしながら、特に、粘度の高い溶液を懸濁する場合には、懸濁前の初期状態において懸濁対象の容器の底部に内容物の塊が付着し、この内容物を素早く洗い流して懸濁することが困難であり、そのため、十分な懸濁をするためには、その懸濁時間が長くなってしまう。
そこで、本発明は、十分な懸濁に要する時間を短縮することを目的とする。
上述のような目的を達成するために、本発明に係る懸濁装置は、容器の内容物を懸濁する懸濁装置であって、保持部と、回転動作部と、制御部と、を備えている。保持部は、容器を保持する。回転動作部は、保持部を介して容器を回転させる。制御部は、保持部によって容器が保持される初期状態から、内容物が容器の上端部に位置する第1の状態へ変化させ、第1の状態から、内容物が容器の下端部に位置する第2の状態へ変化させるように回転動作部を制御し、第1の状態の期間が第2の状態の期間よりも長くなるように、及び、第1の状態と第2の状態を交互に繰り返すように、回転動作部を制御する。
これにより、第1の状態の期間を比較的長く確保することができ、容器の底部に付着する内容物が下方に落ちるまでの待ち時間を安定して持たせることができ、内容物を塊として留めずに溶液内に溶け込みやすくすることができる。また、容器の底部に付着する内容物は、容器の上部(天井部)付近に付着する内容物よりも溜まりやすいため、制御部が第1の状態の期間を比較的長くするように制御することにより、内容物を溶かすための効率が良くなる。その結果として、十分な懸濁に要する時間を短縮することができる。
上述のように本発明に係る懸濁装置及び懸濁方法を構成することにより、十分な懸濁に要する時間を短縮することができる。
本発明の実施の形態に係る懸濁装置1の概要図。 本発明の実施の形態に係る懸濁方法のフローチャート。 本発明の実施の形態に係る回転懸濁における遠沈管2の状態変化説明図。 本発明の実施の形態に係る回転懸濁における遠沈管2の回転動作説明図。 本発明の実施の形態に係る回転懸濁における遠沈管2の回転中心位置の説明図。 本発明の実施の形態に係る回転懸濁における遠沈管2の回転中心位置の説明図。 本発明の実施の形態に係る回転懸濁における遠沈管2の回転角度の時間変化説明図。
以下、本発明の一実施形態に係る懸濁装置1及び懸濁方法について説明を行なう。
(懸濁装置の概要)
図1は、本発明の実施形態に係る懸濁装置1の概要図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は前面図、図1(c)は側面図である。
図1において示されるように、懸濁装置1は、主に保持部3、回転動作部4、制御部5、マグネット部6から構成される。懸濁装置1は、一般には容器の内容物を懸濁する装置であり、本実施例では、遠沈管の内部の溶液を懸濁する。懸濁対象の溶液中には、懸濁対象の細胞を含む溶液と、磁性粒子である磁気ビーズとが混入されており、この細胞の一部は磁気ビーズに付着する。
保持部3は、容器である遠沈管2を保持する。回転動作部4は、種々の構成が考えられるが、端的には保持部3を介して遠沈管2を回転させるために必要な構成であればよい。具体的な保持部3の構成例として、保持部3の一方の面がゴムで形成され、他方の面は金属で形成される保持部3を用いて、エア吹き込みによりゴム部に対する圧力制御を行なうことにより、遠沈管2の蓋を取り外す程度の作業では、遠沈管2が動かないように、吸着性のある構成とする。
なお、図1(c)における回転動作部4の構成では、遠沈管2の回転中心は、遠沈管2の右側の部分であるように示されているものの、回転動作部4は、遠沈管2の下側の部分、重心付近、あるいは底部2c(後述する図4参照)が回転中心となるように構成されていてもよい。
制御部5は、回転動作部4を制御することにより、遠沈管2を様々な状態に変化させることができる。マグネット部6は、遠沈管2の側部近傍に配置され、遠沈管2の内容物の一部である磁気ビーズを遠沈管2の側部に引き寄せるために用いられる。
(懸濁方法の概要)
次に、図2を用いて本発明の実施の形態に係る懸濁装置1を用いた懸濁方法の大まかな流れについて説明する。
まず、使用者が、懸濁対象の溶液が入っている遠沈管2を、懸濁装置1の保持部3が安定して保持できるように設置する。回転動作により懸濁を行うため、遠沈管2は、通常、上部に蓋を有するものが用いられる。
そして、制御部5は、マグネット部6が遠沈管2に近接するように、マグネット部6を動作させる(S01)。これにより、マグネット部6の磁力をONにして、遠沈管2中の磁気ビーズを遠沈管2の側部に引き寄せることができる。ここで、磁力のON/OFFの切り替え方法については、常に磁力の働く永久磁石をマグネット部6として用いて、その磁石を物理的に引き寄せる方法でも良いし、電磁力を働かせるようにマグネット部6を構成し、電気的な切り替え手段により、マグネット部6の磁力のON/OFFを切り換える構成としてもよい。
次に、制御部5は回転動作部4を制御して、遠沈管2を数回程度回転させる(S02)。ここで、この回転について補足すると、遠沈管2を全周回転させるように構成してもよいが、磁気ビーズが遠沈管2の一方の側部に集中して引き寄せられている場合には特に、半回転程度の回転を行なうように構成することにより、回転軌道を短縮して懸濁速度を早めることができる。
その後、制御部5は遠沈管2を数分程度静置する(S03)。このとき、遠沈管2の蓋が上側に位置するように、遠沈管2は配置されている。
その後、遠沈管2が開栓された後に、溶液が一部回収される(S04)。そして、制御部5は、磁石が遠沈管2から分離するように、マグネット部6を動作させる等により、マグネット部6の磁力をOFFにする(S05)。
次に、制御部5は、遠沈管2を傾斜させ(S06)、懸濁に用いるための懸濁液が、遠沈管2中の側面に付着している磁気ビーズに当たり、磁気ビーズが容器側面から剥がれ、溶液内に回収できるように添加される(S07)
その後、遠沈管2が閉栓された後に、制御部5は、本発明の主要な実施形態である回転による懸濁を行なう(S08)。なお詳細には、別途説明を行なう。
遠沈管2の溶液に対する懸濁が行われた後に、再び制御部5は、マグネット部6が遠沈管2に近接するように、マグネット部6を動作させる(S09)。これにより、磁気ビーズに付着する細胞等の懸濁対象物を再び引き寄せることができる。その後、制御部5は遠沈管2を数分程度静置する(S10)。そして静置された後に、遠沈管2の溶液が回収されて(S11)、懸濁が終了する。
(回転懸濁)
次に、図2の回転懸濁(S09)について、遠沈管2の状態変化を示す図3を用いて詳細に説明する。
図3(a)は、回転懸濁の初期状態の遠沈管2及びその中の溶液8と磁気ビーズ7の様子を示す図であり、この図において示されるように、初期状態において、遠沈管2の蓋2aが上側に位置するように遠沈管2は配置されている。そして、遠沈管2の内部において、マグネット部6の磁力の影響を受けて、マグネット部6が近接していた側部2bの部分に、厚みを持った磁気ビーズ7の塊ができている。さらに、ステップS02の回転等の影響を受けて、遠沈管2の蓋2aの近傍にも磁気ビーズ7が付着している。
次に、図3(b)は、制御部5が、遠沈管2の蓋が下側に位置するように回転動作部4を制御した後の第1の状態を示す図である。このように制御部5が回転動作部4を制御するとき、溶液8自体の流れによるせん断力が働くことにより、遠沈管2の側部に付着していた磁気ビーズ7の塊が削ぎ取られて、磁気ビーズ7が溶液に溶け込みやすくなる。さらにこのとき、溶液8が図3(b)において下部となる遠沈管2の蓋2aの近傍に流れ込むため、それまで遠沈管2の蓋2aの近傍に付着していた磁気ビーズ7も溶液8に溶け込みやすくなる。
次に、図3(c)は、制御部5が、遠沈管2の蓋2aが再び上側に位置するように回転動作部4を制御した後の第2の状態を示す図である。このように制御部5が回転動作部4を制御するとき、図3(b)と同様に、溶液8自体の流れによるせん断力が働くことにより、遠沈管2の側部2bに付着していた磁気ビーズ7の塊がさらに削ぎ取られて、磁気ビーズ7がさらに溶液8に溶け込みやすくなる。さらにこのとき、溶液8が図3(c)において下部となる遠沈管2の底部2cに流れ込むため、容器の底部2cに付着する磁気ビーズ7の塊に対して、溶液8の落下する衝撃を与えることができ、底部2cに付着する磁気ビーズ7も溶液8に溶け込みやすくなる。
そして、図3(b)と図3(c)の状態、つまり第1の状態と第2の状態を数回繰り返した後に、懸濁終了状態を示す図3(d)のように、初期位置と同様の位置になるように制御部5は回転動作部4を制御する。
なお、図3における遠沈管2の形状は、底部2cが円錐状に尖っている形状、いわゆるテーパ形状になっている。このような形状では、特に底部近傍に、比重の大きな懸濁対象の細胞や磁気ビーズ7が塊となって吸着・沈殿し、懸濁を行なった際にそれらの細胞や磁気ビーズ7が溶液中に溶け出しづらくなるため、本実施の形態に係る懸濁装置のように、溶液の懸濁時間を短くするための手法は特に有用となる。
(回転動作)
次に、本実施の形態にかかる遠沈管2の回転動作について、図4を用いて説明する。
図4において示されるように、初期位置の遠沈管2は、水平線Hに対して垂直に配置される。本図では図示を省略しているが、遠沈管2は、その底部2cを回転の中心軸S1として、回転動作部4によって回転される。
第1の状態において遠沈管2が静止する静止位置1及び、第2の状態において遠沈管2が静止する静止位置2は、水平線Hに対してそれぞれ同程度のなす角を有する。なす角の設定は、例えば、30度、45度、60度の所定間隔で切り換えるように、制御部5はソフトウェア制御により行なう。なお、90度近くになった場合には、溶液を遠沈管2の側面(特に、側部2b)のみに安定して流すことが困難になるため、溶液の流れる力を生かすためには、溶液の粘度、濃度、又は磁気ビーズ等の諸条件により変化するものの、60度程度の設定が望ましい。また、遠沈管2の終了位置は、初期位置と同じである。
この回転角度の調整については、上述のように制御部5のソフトウェア制御により実現可能であるが、別途、仕切り板を設ける(図示せず)等することにより、遠沈管2の回転をメカ的な実装により所定範囲に抑制し、さらなる懸濁処理の安定化を実現することができる。仕切り板を設ける以外の実装例としては、回転動作部4等の治具が所定位置を通過したか否かを継続して観測する位置決めセンサ(図示せず)を用いることにより、遠沈管2の回転角度を制御する構成としてもよい。また、懸濁具合をカメラ等で撮影、アルゴリズムなどを用いて解析を行わせることで、懸濁具合に応じて回転角度を制御する構成としても良い。
(回転中心の位置の変形例)
次に、図5Aおよび図5Bを用いて、本発明の実施の形態に係る遠沈管2の回転中心の位置について説明する。
図5Aにおいて示されるように、回転動作部4による遠沈管2の回転の中心点S2は、前記保持部3において保持される遠沈管2の中心位置S1とは異なる位置にあってもよい。これは、遠沈管2の回転の中心点S2から遠沈管2の端部の距離を大きくすることにより、遠心力を遠沈管2の内部の溶液8や磁気ビーズ7により大きく付加させるためである。この遠心力を加えることにより、底部2cに溜まりやすい磁気ビーズ7を底部2cから分離しやすくすることができる。また、遠心力によって、溶液8や磁気ビーズ7の有する運動エネルギーが大きくなるため、静止位置1や静止位置2において遠沈管2の底部2cや蓋2a付近に磁気ビーズ7を叩きつける衝撃力、かつ溶液8が磁気ビーズ7を砕く衝撃力を増すことができ、磁気ビーズ7を溶かすための効率が良くなる。その結果として、十分な懸濁に要する時間を短縮することができる。
なお、図5Aのように、遠沈管2の蓋2aから底部2cへの延長線上に遠沈管2の回転の回転軸S2が位置するように遠沈管2を配置してもよいし、図5Bのように、遠沈管2の底部2cの一点と遠沈管2の回転の回転軸S3を結ぶ線と、その底部2cの一点でのみ接するように遠沈管2を配置してもよい。
(回転角度の時間変化)
次に、図6を用いて、本発明の実施の形態に係る遠沈管2の回転角度の時間変化について説明する。図6における横軸は時刻であり、縦軸は遠沈管2の回転角度である。遠沈管2の回転角度を視認しやすいように、遠沈管2を図中に付記する。
時刻t0において、遠沈管2の状態は初期状態である。その後、遠沈管2の状態は順方向(図4の矢印J参照)の回転により第1の状態となり、時刻t1において静止する。時刻t1から時刻t2までの期間は第1の静止期間である。
その後、遠沈管2の状態は第2の状態になるように、逆方向(図4の矢印K参照)に回転し、時刻t3において静止する。時刻t3から時刻t4までの期間は第2の静止期間である。その後、遠沈管2の状態は第1の状態になるように、再び順方向(図4の矢印J参照)に回転し、時刻t5において静止する。このようにして、第1の静止期間と第2の静止期間は交互に繰り返される。そして、第1の状態の期間は第2の状態の期間よりも長く、かつ、第1の静止期間は第2の静止期間よりも長い。第1の状態及び第1の静止期間を確保することにより、特にテーパ形状の遠沈管2を採用する場合、遠沈管2の底部2cに溜まりやすい磁気ビーズ7が下方に落ちるまでの待ち時間を持たせることにより、磁気ビーズ7を塊として留めずに溶液8内に溶け込みやすくすることができる。そして、第2の状態及び第2の静止期間を確保することにより、遠沈管2の蓋2a付近に付着した磁気ビーズ7を溶液8に溶け込みやすくするとともに、懸濁対象となる溶液8の全てを下方へ移動させることができる。
さらに、懸濁装置1の構成を含めて特徴部分のみを具体的に説明すると、制御部5は保持部3によって遠沈管2が保持される初期状態から、内容物が遠沈管2の上端部に位置する第1の状態へ変化させ、第1の状態から、内容物が遠沈管2の下端部に位置する第2の状態へ変化させるように回転動作部4を制御する。さらに制御部5は、第1の状態の期間が第2の状態の期間よりも長くなるように、かつ、第1の状態と第2の状態を交互に繰り返すように、回転動作部4を制御するものである。
このように構成することにより、第1の状態の期間を比較的長く確保することができ、遠沈管2の底部2cに付着する磁気ビーズ7が下方に落ちるまでの待ち時間を安定して持たせることができ、磁気ビーズ7を塊として留めずに溶液8内に溶け込みやすくすることができる。遠沈管2の底部2cに付着する磁気ビーズ7は、蓋2a付近に付着する磁気ビーズ7よりも溜まりやすいため、制御部5が第1の状態の期間を比較的長くするように制御することにより、磁気ビーズ7を溶かすための効率が良くなる。その結果として、十分な懸濁に要する時間を短縮することができる。
ここで、初期状態から第1の状態への変化、及び、第1の状態から第2の状態への変化について補足すると、図4を用いて上述したように、遠沈管2は、初期状態において水平線Hに対して垂直に配置されており、第1の状態において水平線に対して上端部2dが下向きに60度程度傾けて配置されており、第2の状態において水平線に対して上端部2dが上向きに60度程度傾けて配置されている。ただし、これらの配置設定に限られず、第1の状態において内容物が遠沈管2の上端部に位置するように遠沈管2が傾けて配置され、第2の状態において内容物が遠沈管2の下端部に位置するように遠沈管2が傾けて配置されていれば、上述のように磁気ビーズを溶かすための効率を上げることができる。
そして、図6において示されるように、制御部5は、第1の状態において、遠沈管2の回転を静止する第1の静止期間を有し、第2の状態において、遠沈管2の回転を制止するよう第2の静止期間を有し、第1の静止期間が第2の静止期間よりも長くなるように、回転動作部4を制御することが望ましい。
なお、図6において、回転動作部4の回転速度としては、順方向に一定→ゼロ(静止)→逆方向に一定というように、回転角度の時間変位の波形が略台形となるように、制御部5によって制御されているものの、この形状に限られず、回転角度の時間変位の波形が正弦波形になるように制御部5によって制御される構成でもよい。さらに、図6において、順方向の一定速度、すなわち、第1の静止期間から第2の静止期間までの期間t2〜t3における回転角度の時間変位を示す直線の傾きは、逆方向の一定速度、すなわち、第2の静止期間から第1の静止期間までの期間t4〜t5における回転角度の時間変位を示す直線の傾きよりも急峻であり、期間t2〜t3は、期間t4〜t5よりも短く設定されている。このように、第1の静止期間から第2の静止期間に変化する際には、その期間が比較的短く設定されることにより、遠沈管2の側面に付着している磁気ビーズを勢いよく洗い流し、さらに遠沈管2の底部にたまっている磁気ビーズを溶液の落下による衝撃力によって砕くことができる。さらのこのように、第2の静止期間から第1の静止期間に変化する際には、その期間が比較的長く設定されることにより、遠沈管2の底部に溜まっている磁気ビーズ7に対して、溶液のみが流れて磁気ビーズ7が底部近傍に留まり続けないようにすることができる。
なお、制御部5は、第1の状態の期間と第2の状態の期間、又は、第1の静止期間と第2の静止期間を繰り返すように制御する際に、繰り返す毎に、それぞれの期間の長さを全体的に短くするように変更してもよい。さらに制御部5は、この第1の静止状態の期間と第2の状態の期間、又は、第1の静止期間と第2の静止期間の繰り返しの回数を、実験において測定された結果を基にして、予め定めておく構成としてもよい。この回数は、懸濁対象の種類や液量等の諸条件によって異なる。
なお、懸濁装置1の構成として、図示は省略されているものの、遠沈管2の一部の状態を検出するセンサをさらに備える構成としてもよい。この場合、制御部5は、センサにおける検出結果に基づいて、回転動作部4の制御を変更する。つまり、センサが遠沈管の底部、側部、又は蓋近傍などの磁気ビーズ7が溜まりやすい個所の一部の状態を継続して検出することにより、磁気ビーズ7が検出されなくなった後に、制御部5が回転動作部4の制御を止めるように構成することで、たとえ上述のように懸濁の際に繰り返す回数を予め定めておかなくとも、より安定した懸濁を実現することができる。センサの種類としては、磁気ビーズに対して光を透過することなく反射する発光機能を有するセンサを用いればよい。
ここで、より具体的なセンサの配置に関する一例として、センサを回転動作の影響を受けない場所に固定的に配置して、例えば上述の第1の静止状態及び第2の静止状態における遠沈管2の一部の個所のみを検出する構成とすればよい。また、センサの配置に関する他の例として、センサを回転動作部4と接続し、回転動作部4による遠沈管2の回転とともに回転し、遠沈管2が回転している間、遠沈管2の同一個所の一部の検出を継続するように配置してもよい。また、センサの代わりに、撮像手段を用いてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本発明の実施の形態に係る懸濁装置は、十分な懸濁に必要な時間の短い装置であるため、細胞培養装置等のように、その懸濁対象が細胞のような溶液に溶け込みづらい性質のものであり、懸濁に磁性粒子等を用いる装置において特に有用である。
1 懸濁装置
2 遠沈管
2a 蓋
2b 側部
2c 底部
2d 上端部
3 保持部
4 回転動作部
5 制御部
6 マグネット部
7 磁気ビーズ
8 溶液

Claims (10)

  1. 容器の内容物を懸濁する懸濁装置であって、
    前記容器を保持する保持部と、
    前記保持部を介して前記容器を回転させる回転動作部と、
    前記保持部によって前記容器が保持される初期状態から、前記内容物が前記容器の上端部に位置する第1の状態へ変化させ、前記第1の状態から、前記内容物が前記容器の下端部に位置する第2の状態へ変化させるように前記回転動作部を制御し、前記第1の状態の期間が前記第2の状態の期間よりも長くなるように、及び、前記第1の状態と前記第2の状態を交互に繰り返すように、前記回転動作部を制御する制御部と、
    を備える、懸濁装置。
  2. 前記制御部は、前記第1の状態において前記容器の回転が静止される第1の静止期間が、前記第2の状態において、前記容器の回転が静止される第2の静止期間よりも長くなるように、前記回転動作部を制御する、請求項1に記載の懸濁装置。
  3. 前記容器は、底部が円柱状に尖っている形状の遠沈管である、請求項1又は2に記載の懸濁装置。
  4. 前記容器の側部近傍に配置され、前記容器の内容物の一部である磁性粒子を前記容器の側部に引き寄せるために用いられるマグネット部をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の懸濁装置。
  5. 前記容器は、上端部に蓋を有する遠沈管であり、
    前記制御部は、
    前記初期状態において、前記蓋が上側に位置するように前記遠沈管を配置し、
    前記第1の状態において、前記蓋が下側に位置するように前記回転動作部を制御し、
    前記第2の状態において、前記蓋が上側に位置するように前記回転動作部を制御する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の懸濁装置。
  6. 前記回転動作部の回転動作を所定の範囲内に制限する仕切り板をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の懸濁装置。
  7. 前記容器の一部の状態を検出するセンサをさらに備え、
    前記制御部は、前記センサにおける検出結果に基づいて、前記回転動作部の制御を変更する、請求項1から6のいずれか一項に記載の懸濁装置。
  8. 前記センサは、前記回転動作部による前記容器の回転とともに回転し、前記容器が回転している間、前記容器の同一個所の一部の検出を継続する、請求項7に記載の懸濁装置。
  9. 前記回転動作部による前記容器の回転の中心点は、前記保持部において保持される前記容器の中心位置とは異なる、請求項1から8のいずれか一項に記載の懸濁装置。
  10. 容器の内容物を懸濁する懸濁装置であって、前記容器を保持する保持部と、前記保持部を介して前記容器を回転させる回転動作部と、前記回転動作部を制御する制御部とを備える前記懸濁装置を用いる懸濁方法であって、
    前記保持部によって前記容器が保持される初期状態から、前記内容物が前記容器の上端部に位置する第1の状態へ変化させるように、前記制御部が前記回転動作部を制御するステップと、
    前記第1の状態から、前記容器の内容物が前記容器の下端部に位置する第2の状態へ変化させるように、前記制御部が前記回転動作部を制御し、前記第1の状態の期間よりも前記第2の状態の期間が短くなるように制御するステップと、
    前記第1の状態と前記第2の状態を交互に繰り返すように、前記制御部が前記回転動作部を制御するステップと、
    を備える懸濁方法。
JP2014172640A 2014-08-27 2014-08-27 懸濁装置、及びそれを用いた懸濁方法 Expired - Fee Related JP6295169B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014172640A JP6295169B2 (ja) 2014-08-27 2014-08-27 懸濁装置、及びそれを用いた懸濁方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014172640A JP6295169B2 (ja) 2014-08-27 2014-08-27 懸濁装置、及びそれを用いた懸濁方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016047491A true JP2016047491A (ja) 2016-04-07
JP6295169B2 JP6295169B2 (ja) 2018-03-14

Family

ID=55648723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014172640A Expired - Fee Related JP6295169B2 (ja) 2014-08-27 2014-08-27 懸濁装置、及びそれを用いた懸濁方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6295169B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3757577A4 (en) * 2018-02-20 2021-10-27 Hitachi High-Tech Corporation AUTOMATED ANALYSIS DEVICE

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0363860U (ja) * 1989-10-27 1991-06-21
US6059446A (en) * 1998-05-08 2000-05-09 Dschida; William J. A. Apparatus for mixing the contents of microcentrifuge tubes
JP2013108814A (ja) * 2011-11-18 2013-06-06 Sysmex Corp 血球計数装置および血球計数方法
JP2014048113A (ja) * 2012-08-30 2014-03-17 Sysmex Corp 検体処理装置
JP2014115301A (ja) * 2014-02-20 2014-06-26 Sysmex Corp 血液試料処理装置及び血液試料処理方法
JP2014122826A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Hitachi High-Technologies Corp 磁性粒子の分離方法および当該方法を使用する自動分析装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0363860U (ja) * 1989-10-27 1991-06-21
US6059446A (en) * 1998-05-08 2000-05-09 Dschida; William J. A. Apparatus for mixing the contents of microcentrifuge tubes
JP2013108814A (ja) * 2011-11-18 2013-06-06 Sysmex Corp 血球計数装置および血球計数方法
JP2014048113A (ja) * 2012-08-30 2014-03-17 Sysmex Corp 検体処理装置
JP2014122826A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Hitachi High-Technologies Corp 磁性粒子の分離方法および当該方法を使用する自動分析装置
JP2014115301A (ja) * 2014-02-20 2014-06-26 Sysmex Corp 血液試料処理装置及び血液試料処理方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3757577A4 (en) * 2018-02-20 2021-10-27 Hitachi High-Tech Corporation AUTOMATED ANALYSIS DEVICE
US11761972B2 (en) 2018-02-20 2023-09-19 Hitachi High-Tech Corporation Automated analysis device

Also Published As

Publication number Publication date
JP6295169B2 (ja) 2018-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10242977B2 (en) Fluid-suspended microcomponent harvest, distribution, and reclamation
KR101767336B1 (ko) 자동 세포 배양기 및 그 배양기의 동작 방법
CN103165495A (zh) 基板保持旋转装置、基板处理装置以及基板处理方法
JP5709678B2 (ja) 分注装置
JP4600592B2 (ja) 遠心分離器及び遠心分離方法
CN102066934B (zh) 使用磁性粒子的分析装置
JP2016045192A (ja) ラボラトリ試料分配システムのための試料容器キャリア、ラボラトリ試料分配システム、および、ラボラトリオートメーションシステム
BRPI0815155B1 (pt) Método para colocar ou recolocar em susensão partículas magneticamente atrativas
CN102350735A (zh) 放料监控方法和系统及具有该系统的混凝土搅拌车
US9956534B2 (en) Method and device for suspending cells
JP6295169B2 (ja) 懸濁装置、及びそれを用いた懸濁方法
JP2019197035A (ja) 撹拌装置、分析装置、分注方法
JP5700474B2 (ja) 混合物の分離方法及び分離装置
WO2013089080A1 (ja) 混合物の分離方法及び分離装置
CN101332458A (zh) 颗粒状物料自动分级方法及其装置
WO2015033616A1 (ja) 培養容器駆動装置及び培養システム
US20150328605A1 (en) Method and device for suspending cells
JP2019144023A (ja) 自動分析装置、自動分析システム、および分析方法
JP6364246B2 (ja) 攪拌装置、攪拌方法および当該攪拌装置を備えた自動分析装置
CN205056483U (zh) 用于检测分选机的物料上料机构及检测分选机
CN104111180A (zh) 一种自动定位振动取样机
CN102430531A (zh) 轴向台阶件的料渣检测装置
JP2014073469A (ja) 粉体篩分装置及び粉体篩分方法
CA2937568A1 (en) Magnetic mixing system and method
JP2013074839A (ja) 分注装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170619

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6295169

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees