JP2016046626A - 偏波共用八木アンテナ - Google Patents
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Abstract
Description
偏波共用八木アンテナは、図8にその一例を示すように、放射器100と、該放射器100より約0.25波長後方に配置された反射器200と、放射器100より約0.25波長前方に配置された導波器300とを備えている。
・垂直偏波の垂直面内指向性は、放射器100のダイポール素子101の電界面内指向性である。
・水平偏波の垂直面内指向性は、放射器100のダイポール素子102の磁界面内指向性である。
・垂直偏波の水平面内指向性は、放射器100のダイポール素子101の磁界面内指向性である。
・水平偏波の水平面内指向性は、放射器100のダイポール素子102の電界面内指向性である。
上記した従来の偏波共用八木アンテナ(以下、従来アンテナと略称する)も、放射器100がダイポールアンテナとしての構成を有するので、やはり上記した傾向を示すことになる。
上記の従来アンテナは、前記したように上記ビーム幅の差が比較的大きく(約10°)、このため上記の問題を生じる。
前記放射器は、前記第1の偏波の偏波面に沿いかつ前記中心軸線を中心として所定の間隔で対向する一対の第1のダイポールアンテナ素子と、前記第2の偏波の偏波面に沿いかつ前記中心軸線を中心として所定の間隔で対向する一対の第2のダイポールアンテナ素子と、を備える。また前記導波器は、前記一対の第1のダイポールアンテナ素子にそれぞれ対向する一対の第1の導波素子及び前記一対の第2のダイポールアンテナ素子にそれぞれ対向する一対の第2の導波素子を備える。
前記一対の第1のダイポールアンテナ素子の磁界面方向での作用の合成によって前記第1の偏波についての磁界面内指向性のビーム幅を狭めるとともに、前記一対の第2のダイポールアンテナ素子の磁界面方向での作用の合成によって前記第2の偏波についての磁界面内指向性のビーム幅を狭め、これによって上記の目的を達成している。
このように形成された前記第1、第2のダイポールアンテナ素子及び前記第1、第2の導波素子は、必要に応じて円筒状のカバーで覆われる。
また、前記第1、第2のダイポールアンテナ素子は折返し構造を有するように形成することができる。
前記第1の直線偏波及び第2の直線偏波は、例えば、水平偏波及び垂直偏波、または+45度偏波及び−45度偏波である。
また、八木アンテナの導波素子の数量は主に必要とされる利得で決定されるが、本発明によれば、磁界面内指向性のビーム幅が狭くなることに伴う利得の増大により、同じ利得を得るために必要な導波素子の数量を少なくすることが可能となる。これはアンテナ全長の短縮化に寄与する。
放射器1のダイポールアンテナ素子11〜14は、誘電体基板上に貼着した金属箔(例えば銅箔)によって形成することができる。この金属箔からなるダイポールアンテナ素子11〜14は、いわゆる印刷配線パターンの作成手法を用いて形成することができる。
導波器3は、中心軸線l1に沿って所定の間隔で配列する複数個(図示の例では3個)の素子ユニット30を有する。
図3に拡大して示すように、素子ユニット30は、外周が円弧形状を有する4つの導波素子31〜34を図1の中心軸線l1を中心とする円周上に均等な間隔で配列した構成を有する。
導波素子31〜34の長さL2は及び導波素子31,33(32,34)間の距離D2は、該導波素子31〜34をそれぞれ図2に示す放射器1のダイポールアンテナ素子11〜14に対向させ得るように設定される。なお、導波素子31〜34は、上記ダイポールアンテナ素子11〜14と同様に、誘電体基板上に貼着された金属箔によって形成することができる。
上記構成の本実施形態の偏波共用八木アンテナは、放射器1のダイポールアンテナ素子11〜14及び導波器3の導波素子31〜34が使用周波数帯域の周波数に共振する。
ここで、図2に示すように放射器1の基準線l2が垂直に向けられているものとする。この場合、ダイポールアンテナ素子11,13は水平偏波の偏波面に沿うことになるので、水平偏波の放射素子として機能する。また、ダイポールアンテナ素子12,14は垂直偏波の偏波面に沿うことになるので、垂直偏波の放射素子として機能する。
また、八木アンテナの導波素子の数量は主に必要とされる利得で決定されるが、本実施形態の偏波共用八木アンテナによれば、磁界面内指向性のビーム幅が狭くなるのに伴って利得が増加するので、同じ利得を得るために必要な導波素子30の数量を少なくすることが可能となる。これはアンテナ全長の短縮化に寄与する。
なお、この小型化された放射器10を適用する場合には、図3に示す導波素子ユニット30の導波素子31〜34を放射器10のダイポールアンテナ素子15〜18に対向させるために、図示の素子長L2及び素子間隔D2が例えば約0.32λ及び約0.4λにそれぞれ設定される。つまり、放射器10の形状に対応するように導波器3の形状も小型にされる。
このような放射器10及び導波器3を使用すれば、上記した円筒形カバーとしてより細径なもの(例えば、内径が約0.55λのもの)を使用することができ、これはアンテナの小型化と風荷重の軽減に寄与する。
図6に示すように、この偏波共用八木アンテナによれば、実線で示す垂直偏波の垂直面内指向性(電界面内指向性である)のビーム幅が54.31°となり、また、点線で示す水平偏波の垂直面内指向性(磁界面内指向性である)のビーム幅が54.53°となる。
つまり、この偏波共用八木アンテナでは、ダイポールアンテナ素子19,21の磁界面方向での作用の合成によって水平偏波についての磁界面内指向性のビーム幅が狭められる結果、該ビーム幅が垂直偏波についての垂直面内指向性のビーム幅とほぼ同等になる。
つまり、この偏波共用八木アンテナでは、ダイポールアンテナ素子20,22の磁界面方向での作用の合成によって垂直偏波についての磁界面内指向性のビーム幅が狭められる結果、該ビーム幅が垂直偏波についての水平面内指向性のビーム幅とほぼ同等になる。
この結果、上記の偏波共用八木アンテナによれば、磁界面内指向性に基づくサービスエリアと電界面内指向性に基づくサービスエリアとの均一化を図ることができる。
上記のように指向性利得が増加すると、同じ利得を得るために必要な導波素子の数量を少なくすることが可能となり、これはアンテナ全長の短縮化に寄与する。すなわち、従来構成の偏波共用八木アンテナの全長が約1.02λ程度であるのに対して、上記の偏波共用八木アンテナによれば、全長を約0.91λ程度まで短縮することが可能になる。
・ 図2に示す放射器1の円弧状ダイポールアンテナ素子11〜14は、直線状のダイポールアンテナ素子に置換しても良い。その場合、図3に示す素子ユニット30の導波素子31〜34も直線状のものに置換される。
・ 図2に示す放射器1のダイポールアンテナ素子11〜14は、折返しダイポールアンテナ素子に置換しても良い。。
・ 図1に示す反射板2は円形でなくても良く、また、1枚の金属板で形成する必要もない。
・ 共用する偏波は垂直偏波と水平偏波に限定されず、+45度偏波と−45度偏波であっても良い。
・ 上記放射器1,10,10’は、誘電体基板にプリント形成されているが、適宜な厚さを有する汎用の金属板で形成しても良い。各導波器30も同様である。なお、各導波器30の内のいくつかをプリント形成し、他を汎用の金属板で形成することも可能である。
11〜14 ダイポールアンテナ素子
10 放射器
15〜18 ダイポールアンテナ素子
15a〜18a,15b〜18b 切欠
10’ 放射器
19〜22 ダイポールアンテナ素子
19a〜22a,19b〜22b 切欠
2 反射器
3 導波器
30 素子ユニット
31〜34 導波素子
前記放射器は、前記第1の偏波の偏波面に沿いかつ前記中心軸線を中心として所定の間隔で対向する一対の第1のダイポールアンテナ素子と、前記第2の偏波の偏波面に沿いかつ前記中心軸線を中心として所定の間隔で対向する一対の第2のダイポールアンテナ素子と、を備える。また前記導波器は、前記一対の第1のダイポールアンテナ素子にそれぞれ対向する一対の第1の導波素子及び前記一対の第2のダイポールアンテナ素子にそれぞれ対向する一対の第2の導波素子を備える。
前記一対の第1のダイポールアンテナ素子の磁界面方向での作用の合成によって前記第1の偏波についての磁界面内指向性のビーム幅を狭めるとともに、前記一対の第2のダイポールアンテナ素子の磁界面方向での作用の合成によって前記第2の偏波についての磁界面内指向性のビーム幅を狭め、これによって上記の目的を達成している。
さらに、前記第1、第2のダイポールアンテナ素子は、隣接する端部相互がラップするように形成されている。そのため、放射器の小型化を図ることができる。
Claims (8)
- 中心軸線に沿って配列する導波器、放射器及び反射器を用いて直交する第1、第2の偏波を共用する偏波共用八木アンテナであって、
前記放射器は、
前記第1の偏波の偏波面に沿いかつ前記中心軸線を中心として所定の間隔で対向する一対の第1のダイポールアンテナ素子と、
前記第2の偏波の偏波面に沿いかつ前記中心軸線を中心として所定の間隔で対向する一対の第2のダイポールアンテナ素子と、を備え、
前記導波器は、前記一対の第1のダイポールアンテナ素子にそれぞれ対向する一対の
第1の導波素子及び前記一対の第2のダイポールアンテナ素子にそれぞれ対向する一対の第2の導波素子を備え、
前記一対の第1のダイポールアンテナ素子の磁界面方向での作用の合成によって前記第1の偏波についての磁界面内指向性のビーム幅を狭めるとともに、前記一対の第2のダイポールアンテナ素子の磁界面方向での作用の合成によって前記第2の偏波についての磁界面内指向性のビーム幅を狭めるようにしたことを特徴とする偏波共用八木アンテナ。 - 前記第1、第2のダイポールアンテナ素子及び前記第1、第2の導波素子は、前記中心軸線を中心とする円周に沿った円弧状の外周形状を有するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の偏波共用八木アンテナ。
- 前記第1、第2のダイポールアンテナ素子及び前記第1、第2の導波素子を円筒状のカバーで覆ったことを特徴とする請求項2に記載の偏波共用八木アンテナ。
- 前記第1、第2のダイポールアンテナ素子は、隣接する端部相互がラップするように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏波共用八木アンテナ。
- 前記第1、第2のダイポールアンテナ素子が折返し構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏波共用八木アンテナ。
- 前記反射器が一枚の金属板によって形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の偏波共用八木アンテナ。
- 前記反射器が一枚の金属板によって形成され、この反射器によって前記円筒状のカバーを閉塞するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の偏波共用八木アンテナ。
- 前記第1の直線偏波及び第2の直線偏波は、水平偏波及び垂直偏波、または+45度偏波及び−45度偏波であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の偏波共用八木アンテナ。
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