JP2016045108A - 放射性廃液の処理装置及び処理方法 - Google Patents

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紘子 阿部
Hiroko Abe
紘子 阿部
直樹 田嶋
Naoki Tajima
直樹 田嶋
村田 栄一
Eiichi Murata
栄一 村田
関 秀司
Hideji Seki
秀司 関
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Abstract

【課題】簡易な方法で、放射性核種を効率よく分離することのできる放射性廃液の処理装置及び処理方法を提供する。
【解決手段】強磁性体材料からなり、残留磁化を有する吸着剤5と、前記放射性廃液とを収容して、前記放射性廃液中の前記放射性核種を磁力によって前記吸着剤に吸着させる吸着装置2を有する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、放射性廃液の処理装置及び処理方法に関する。
従来、使用済核燃料を処理する再処理工場において生じる放射性廃液中のウラン(U)、プルトニウム(Pu)等の放射性核種を除去することが行われている。
このような放射性廃液の処理方法としては、放射性核種を吸着することのできる吸着剤あるいは洗浄剤を用い、この吸着剤、洗浄剤に放射性核種を吸着させて、除去する方法が提案されている。
放射性核種を吸着する吸着剤、洗浄剤を用いる方法として、例えば、カルバミルメチレン燐酸と、カルバミルメチレン燐酸エステルとの混合物を多孔質担体中に含浸させてなる希土類元素除去用吸着剤を用いる方法(例えば、特許文献1参照。)、多孔質の樹脂(担体)に、二酸化有機リン酸化合物等の溶媒を含浸させてなる吸着剤(例えば、特許文献2参照。)を用いる方法、ヒドラジニウム塩を含む洗浄剤(例えば、特許文献3参照。)等が提案されている。また、使用済核燃料から超ウラン元素を回収する方法として、使用済核燃料を硝酸に溶解し、得られた溶解液を電解酸化、冷却を行った後に、溶解液から超ウラン元素の硝酸塩をウラン元素の硝酸塩と共沈させて回収する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)
しかしながら、これらの方法では、放射性核種の元素の価数を制御するために、処理対象である放射性廃液のpHを、例えば硝酸等を用いて酸性に調整することが必要になる。
また、放射性核種を吸着する難溶性金属塩からなる除染用粒子と、磁性物質との複合材料である除染用磁性複合粒子を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献5参照。)。この除染用磁性複合粒子は、処理後の処理液からの除染用粒子の分離を簡便にする目的で、磁性ナノ粒子の表面に被覆層を介して除染用粒子を結合して形成されている。この方法では、放射性廃液の液性は限定されないが、放射性廃液の処理後に発生する廃棄物の処分が困難であるという課題がある。
特許第3322952号 特許第3042010号 特許第2939078号 特許第2948166号 特開2014−52287号公報
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであって、簡易な方法で、放射性核種を効率よく分離することのできる放射性廃液の処理装置及び処理方法を提供することを目的とする。
本発明の放射性廃液の処理装置の一態様は、放射性核種を含む放射性廃液を処理する装置であって、強磁性体材料からなり、残留磁化を有する吸着剤と、前記放射性廃液とを収容して、前記放射性廃液中の前記放射性核種を磁力によって前記吸着剤に吸着させる吸着装置を有することを特徴とする。
本発明の放射性廃液の処理方法の一態様は、放射性核種を含む放射性廃液を処理する方法であって、前記放射性廃液を、強磁性体材料からなり、残留磁化を有する吸着剤と接触させて、前記放射性核種を磁力によって前記吸着剤に吸着させることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な方法で、放射性核種を効率よく分離することのできる放射性廃液の処理装置及び処理方法を提供することができる。
第1の実施形態に係る放射性廃液の処理装置の構成を概略的に表すブロック図。 金属元素の原子番号と磁化率の関係を示すグラフ。 非磁性体材料粒子の表面に強磁性体材料を固着した吸着剤を模式的に示す断面図。 棒状等の非磁性体材料の表面に強磁性体材料を固着した吸着剤を模式的に示す断面図。 第1の実施形態に係る吸着装置の一例を模式的に示す断面図。 第1の実施形態に係る吸着装置の他の例を模式的に示す断面図。 第1の実施形態に係る吸着装置の他の例を模式的に示す断面図。 第1の実施形態に係る吸着装置に備えられる吸着剤回収装置の一例を模式的に示す断面図。 第1の実施形態に係る吸着装置に備えられる吸着剤回収装置の他の例を模式的に示す断面図。 マンガンフェライト粉末に対するAm、Puの分配係数(kd)を示すグラフ。
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態の放射性廃液の処理装置1を概略的に示すブロック図である。図1に示すように、放射性廃液の処理装置1は、吸着装置2と、放射性廃液を吸着装置2に供給する放射性廃液流入ライン3と、吸着装置2から処理後の放射性廃液を排出する処理液流出ライン4を備えている。吸着装置2内には、放射性廃液に含まれる放射性核種を吸着する吸着剤5が収容されている。吸着剤5は残留磁化を有する強磁性体材料からなる。
本実施形態の放射性廃液の処理装置1における処理対象は、放射性核種、特に、高磁化率のα核種を含む放射性廃液である。ここで、図2のグラフに、金属元素の原子番号と磁化率の関係を示す。高磁化率の核種とは、例えば、磁化率が1×10−6emu/gの以上の大きさの磁化率を有する元素を指す。図2に示されるように、高磁化率の核種としては、ランタノイドやアクチノイド等が挙げられる。本実施形態の放射性廃液の処理装置は、放射性廃液中に含まれる高磁化率のα核種、例えば、U、Pu、サマリウム(Sm)、アメリシウム(Am)等を、効率よく除去することができる。
図1に示す放射性廃液の処理装置1においては、放射性廃液は、放射性廃液流入ライン3から吸着装置2に供給され、吸着装置2内で、吸着剤5と接触する。これにより放射性廃液中の放射性核種が磁力によって吸着剤5に吸着されて、除去される。放射性核種の除去された処理後の処理液は、処理液流出ライン4より流出される。
吸着剤5は、強磁性体材料を構成する強磁性体材料としては、Fe、Co、Ni、Sm、Y等の磁性金属や、これら磁性金属の酸化物等の化合物が挙げられる。
吸着剤5の残留磁化は、目的とする放射性核種を吸着できれば特に限定されないが、放射性核種を効率的に吸着する点で、0.1〜1000Am/kgであることが好ましく、10〜300Am/kgであることがより好ましい。
強磁性体材料としては、特に限定されないが、例えば、鉄又は酸化鉄を含むことが好ましい。強磁性体材料に含まれる鉄又は酸化鉄としては、例えばフェライトであることが好ましく、具体的には、γ−Fe、Fe、α−Fe等であることが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、強磁性体材料は、酸化鉄以外の構成成分として、さらに、Zn、Cr、Mn、Mg、Ni、Co、Cu、Sr、Y、Ba等の元素の酸化物又は複合酸化物を含んでいてもよい。また、上記元素とFeとの複合酸化物を含んでいてもよい。強磁性体材料は、これらの酸化物又は複合酸化物の1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。このような強磁性体材料としては、バリウムフェライト(BaO・6Fe)、コバルトフェライト(Co−γ−Fe)、マンガンフェライトを用いることが好ましい。
吸着剤5として、強磁性体材料の粒子を用いる場合、強磁性体材料の粒子の大きさや形状は特に限定されず、例えば、球状等の強磁性体材料を用いることができる。
また、吸着剤5は、例えば、非磁性体材料の表面に上述した強磁性体材料を固着して用いてもよい。非磁性体材料としては、強磁性体以外の、非磁性体材料(常磁性体材料、反磁性体材料等)であって、強磁性体材料よりも比重の小さい非磁性体材料を特に限定なく用いることができ、これにより、吸着剤5と非磁性体材料からなる全体の比重を小さくし、取り扱い性を向上させることができる。
非磁性体材料としては、例えば、活性炭などの多孔質体、樹脂材料、非磁性酸化物材料等を用いることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上の混合体又は複合体として用いてもよい。
非磁性体材料の比重は0.03〜4.9g/cmであることが好ましく、0.5〜2.0g/cmであることがより好ましい。非磁性体材料の比重が上記した範囲であることで、全体としての比重を小さくし、取り扱い性を向上させることができる。例えば、非磁性体材料として、比重が0.03〜1.45g/cmの樹脂材料や、比重が0.5〜2.1g/cmの活性炭、比重が1.2〜3g/cmの非磁性酸化物材料を用いることができる。また、耐放射線性の点から、非磁性体材料の使用上限線量は、10kGy〜1000MGyであることが好ましく、1MGy〜10MGyであることがより好ましい。
強磁性体材料を非磁性体材料の表面に固着する方法としては特に限定されず、強磁性体材料及び非磁性体材料と親和性が良く、強磁性体材料及び非磁性体材料よりも融点の低い材料、例えば、アミド系樹脂等をバインダーとして用い、固着する方法が挙げられる。また、それぞれ粉末にした強磁性体材料と非磁性体材料を混合し、加圧または加熱する方法、非磁性体材料表面に強磁性体材料を電解溶着又は射出成型により固着する方法が挙げられる。
図3は、強磁性体材料を非磁性体材料の表面に固着した態様の一例として、非磁性体材料粒子51aの表面に強磁性体材料51bを固着した吸着粒子51の断面を模式的に示す図である。この場合、上記強磁性体材料51bの厚みは、非磁性体材料粒子51aの平均粒子径の1/100〜1/5程度であることが好ましく、1/50〜1/10であることがより好ましい。強磁性体材料51bの厚みが上記した範囲であることで、吸着剤5の取り扱い性を向上させるとともに、優れた放射性核種の吸着効率を得ることができる。
また、図4に、強磁性体材料を非磁性体材料の表面に固着した態様の他の例として、板状の非磁性体材料52aの表面に強磁性体材料52bを固着した吸着構造体52の断面を模式的に示す。非磁性体材料52aの形状としては、板状に限定されず、円柱状、角柱状、格子状等の形状であってもよい。また、非磁性体材料52aの大きさについても特に限定されず、処理する放射性廃液の量や、放射能濃度等によって適宜設計することができる。また、強磁性体材料52bの厚みは特に限定されず、吸着構造体52表面が上記した好ましい態様で残留磁化を有していればよい。
次に、吸着装置2の構成について図5〜7を参照して説明する。図5は、本実施形態で用いられる吸着装置の一例を模式的に示す断面図である。図5に示す吸着装置21は、吸着槽6内に、強磁性体材料の粒子からなる吸着剤5又は吸着粒子51を充填して構成されている。吸着槽6内に充填される吸着剤5及び吸着粒子51は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
吸着装置21において、吸着槽6内に充填される吸着剤5又は吸着粒子51の平均粒子径は、10〜5000μmであることが好ましく、500〜5000μmであることがより好ましい。吸着剤5又は吸着粒子51の平均粒子径が10μm未満であると、粒子が小さすぎて吸着剤回収装置9での分離が困難になる等、取り扱い性に劣ることがある。5000μmを超えると、吸着剤5又は吸着粒子5と放射性廃液が十分に混合できずに、放射性核種の除去が十分に行えないことがある。
吸着装置21において、吸着槽6の大きさは、放射性廃液の体積や種類に応じて適宜変更することができる。吸着剤5又は吸着粒子51の吸着効率を向上させる点で、吸着槽6の内径は、吸着剤5又は吸着粒子51の平均粒子径の5倍以上であることが好ましく、15倍以上であることがより好ましい。吸着槽6の内径の上限は、処理される放射性廃液の体積に応じて適宜決定すればよい。
また、吸着槽6の内部又は外部に磁場発生装置を設置してもよい。これにより、放射性廃液中の放射性核種の磁化率を上げ、吸着率を向上させることができる。後述する吸着槽7、8についても同様である。
図6は、本実施形態で用いられる吸着装置2の他の例である吸着装置22を模式的に示す断面図である。図6に示す吸着装置22は、吸着槽7内に、吸着構造体52を充填して構成されている。図6に示す吸着装置22では吸着構造体52を用いていることで、放射性核種を吸着した後の吸着構造体52の、回収、交換等の作業性を向上させることができる。
図7は、本実施形態で用いられる吸着装置2の他の例である吸着装置23を模式的に示す断面図である。図7に示す吸着装置23は、吸着剤5又は吸着粒子51(以下、図7から図9および放射性廃液の処理方法の説明において代表して吸着剤5と示す)と放射性廃液を収容し、これらを混合、撹拌して、放射性核種を吸着剤5に吸着させる吸着槽8と、吸着槽8に接続され、放射性核種の除去された処理液と吸着剤5を分離する吸着剤回収装置9を備えている。
吸着装置23において、吸着槽8内には、吸着槽8内に収容した吸着剤5と放射性廃液を均一に撹拌するための撹拌機10を備えることが好ましい。撹拌機10の形状は特に限定されず、パドル翼、タービン翼、アンカー翼等の形状が挙げられる。また、吸着剤5と放射性廃液を撹拌するために、撹拌機10の代わりに、循環ポンプ等、水流を利用して撹拌を行う機構を用いてもよい。
吸着装置23において、吸着槽8内に充填される吸着剤5の平均粒子径は、0.1〜500μmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましい。吸着剤5の平均粒子径が0.1μm未満であると、吸着剤5の粒子が小さすぎて吸着剤回収装置9での分離が困難になる等、取り扱い性に劣る。500μmを超えると、吸着剤5と放射性廃液が十分に混合できずに、放射性核種の除去が十分に行えないことがある。なお、本発明において平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計によって測定した値による、分布の中央値であるメディアン径で示す。
図7に示す吸着剤回収装置9は、放射性核種の除去された処理液と放射性核種を吸着した吸着剤5を沈降により分離する。吸着剤回収装置9は、沈降分離槽91と、それぞれ沈降分離槽91に接続された処理液流入ライン9aと、処理液流出ライン9bを備えている。吸着剤回収装置9は、吸着槽8において放射性廃液が除去された処理液を、処理液流入ライン9aから沈降分離槽91に供給し、静置する。これにより、処理液を上澄み液11と吸着剤5に分離する。吸着剤5が、沈降分離槽91内に沈降した後、上澄み液11のみを処理液流出ライン9bから排出する。このとき、沈降分離槽91内での処理液の静置時間を調節して、沈降分離槽91の最低面から好ましくは1/2以下の高さまで、より好ましくは1/5以下の高さまで吸着剤5を沈降させる。これにより、吸着剤5の分離率を高めることができる。
図8は、図7に示す吸着剤回収装置9の他の例を模式的に示す断面図である。図8に示す吸着剤回収装置92は、放射性核種を吸着した吸着剤5と放射性核種の除去された処理液を磁力により分離する。吸着剤回収装置92は、処理液を内部に収容する処理液槽93と、処理液槽93の外部に、処理液槽93の外周に沿って設置された磁力発生装置94を備えている。処理液槽93には、処理液流入ライン9aと、処理液流出ライン9bが接続されている。磁力発生装置94は、吸着剤5を処理液から分離できればよいため、処理液槽93の外周の全部に設置されていてもよく、一部に設置されていてもよい。また、図8において、磁力発生装置94は、処理液槽93の外部(外周)に沿って設置しているが、処理液槽93の内周に沿って設置してもよく、処理液槽93の内部に設置してもよい。
吸着剤回収装置92において、放射性廃液から放射性核種の除去された処理液と放射性核種を吸着した吸着剤5が処理液流入ライン9aから処理液槽93に供給される。処理液が処理液槽93に収容された状態で、磁力発生装置94によって磁力を発生させ、処理液中に含まれる吸着剤5を処理液槽93の内周壁面に移動させる。これにより、処理液と吸着剤5を分離する。このとき、処理液槽93を、磁力の方向と略直角の方向を軸として回転させてもよい。この場合、吸着剤5を遠心力によって処理液槽93の内周壁面に移動させることができ、吸着剤5の分離効率を向上させることができる。吸着剤5の除去された処理液は、処理液流出ライン9bから流出される。
図9は、図7に示す吸着剤回収装置9の他の例を模式的に示す断面図である。図8に示す吸着剤回収装置95は、膜により放射性核種を吸着した吸着剤5と放射性核種の除去された処理液の分離を行う。図9に示す吸着剤回収装置95は、内部に、フィルタ装置96を備えている。フィルタ装置96としては、吸着剤5を捕捉できるものであれば特に限定されず、平板状、プリーツ状、中空糸状などの膜や、セラミック、樹脂等の多孔質物質で構成される膜を用いることができる。フィルタ装置96の材質は、耐放射線性の点から、使用上限線量が10kGy〜1000MGyであるものが好ましく、1MGy〜10MGyであるものより好ましい。
吸着剤回収装置95において、放射性廃液から放射性核種の除去された処理液と放射性核種を吸着した吸着剤5が処理液流入ライン9aから吸着剤回収装置95に流入される。処理液がフィルタ装置96を通流する過程で、処理液中に含まれる吸着剤5がフィルタ装置96に捕捉される。吸着剤5の除去された処理液は、処理液流出ライン9bから流出される。
次に、図1に示す本実施形態の放射性廃液の処理装置1を用いた放射性廃液の処理方法について説明する。本実施形態の放射性廃液の処理方法は、放射性核種を含む放射性廃液を、強磁性体材料からなり残留磁化を有する吸着剤5と接触させることで、放射性廃液中の放射性核種を吸着剤5に磁力により吸着させて除去する方法である。
本実施形態の放射性廃液の処理方法は、バッチ式で行ってもよく、連続式で行ってもよい。連続式で行う場合には、放射性廃液の吸着装置2への供給、放射性廃液と吸着剤5との接触、吸着装置2からの処理液の取り出しは連続的に行われる。この場合、吸着装置2における、放射性廃液の流量としては、空間速度SV(放射性廃液の通液量/吸着剤5の体積)で0.01〜50h−1であることが好ましく、0.1〜5h−1であることがより好ましい。これにより、放射性核種の吸着剤5による吸着効率を向上させることができる。
以上、本実施形態の放射性廃液の処理装置によれば、放射性廃液中の放射性核種を、吸着剤5を用い、磁力によって吸着することで放射性核種を効率的に除去することができる。
図10は、マンガンフェライト粉末に対するAm、Puの分配係数(kd)を求めた試験の結果を示すグラフである。本試験では、高磁化率の放射性核種としてAm、Puを含む放射性廃液を用い、吸着剤として粒径30μmのマンガンフェライト粉末を使用して、次のように吸着試験を行った。
室温において、水で100倍に希釈した海水にAmを10Bq/mlとなる量で混合したトレーサー溶液の30mlに、上記フェライト粉末の0.1gを浸漬した。その後、上澄み液をメンブレンフィルタ(孔径0.45μm)でろ過し、ろ過液の放射能濃度を、液体シンチレータを用いて測定した。吸着前のトレーサー溶液中の放射能濃度と、吸着後のトレーサー溶液中の放射能濃度を用い、下記式(1)によって分配係数(kd)を求めた。
Puについても同様の試験を行った。
分配係数(kd)={(Ci−Co)/Co}×(V/M) ・・・(1)
Ci:吸着前のトレーサー溶液中の放射能濃度(Bq/ml)
Co:吸着後のトレーサー溶液中の放射能濃度(Bq/ml)
V:トレーサー溶液体積(ml)
M:吸着剤重量(g)
分配係数(kd)の値は、大きいほど単位量当たりの吸着剤におけるAm又はPuの吸着量が多くなり、少ない吸着剤の量で多くの放射性核種を効率よく吸着できることを示す。
図10に示されるように、マンガンフェライト粉末のkdはAmで10000以上、Puでも1000以上の高い値が得られていることが分かった。これにより、高磁化率の放射性核種が吸着剤の持つ磁力によって吸着されるため、放射性廃液中の放射性核種濃度を低減することができることが分かる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…放射性廃液の処理装置、2…吸着装置、3…放射性廃液流入ライン、4…処理液流出ライン、5…吸着剤、6,7,8…吸着槽、9…吸着剤回収装置、9a…処理液流入ライン、9b…処理液流出ライン、10…撹拌機、21,22,23…吸着装置、51…吸着粒子、52…吸着構造体、51a…非磁性体材料粒子、51b,52b…強磁性体材料、52a…非磁性体材料、91…沈降分離槽、92,93,95…吸着剤回収装置、94…処理液槽、94…磁力発生装置、96…フィルタ装置。

Claims (11)

  1. 放射性核種を含む放射性廃液を処理する装置であって、
    強磁性体材料からなり、残留磁化を有する吸着剤と、前記放射性廃液とを収容して、前記放射性廃液中の前記放射性核種を磁力によって前記吸着剤に吸着させる吸着装置を有することを特徴とする放射性廃液の処理装置。
  2. 前記吸着剤の残留磁化は0.1〜1000Am/kgであることを特徴とする請求項1記載の放射性廃液の処理装置。
  3. 前記強磁性体材料は、鉄及び/又は酸化鉄を含むことを特徴とする請求項1又は2項記載の放射性廃液の処理装置。
  4. 前記強磁性体材料は、さらに、Fe、Zn、Cr、Mn、Mg、Ni、Co、Cu、Sr、Y及びBaからなる群より選ばれる1種以上の元素の酸化物又は複合酸化物の1種以上を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の放射性廃液の処理装置。
  5. 前記強磁性体材料は、γ−Fe、Fe、Co−γ−Fe、BaO・6Fe、α−Feからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の放射性廃液の処理装置。
  6. 前記吸着剤は、前記強磁性体材料よりも比重の小さい非磁性体材料の表面に固着されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の放射性廃液の処理装置。
  7. 前記非磁性体材料は、活性炭、樹脂及び非磁性酸化物からなる群より選ばれる1種以上の単体及び/又は2種以上の複合体であることを特徴とする請求項6記載の放射性廃液の処理装置。
  8. 前記吸着剤は、平均粒子径が10〜5000μmの略球状であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の放射性廃液の処理装置。
  9. 前記吸着装置は、前記吸着剤と前記放射性廃液を接触させて、前記放射性廃液に含まれる前記放射性核種を前記吸着剤に吸着させて除去する吸着槽と、
    前記放射性核種の除去された前記放射性廃液と、前記放射性核種を吸着した吸着剤を分離するフィルタ装置を具備することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の放射性廃液の処理装置。
  10. 前記吸着装置における、前記放射性廃液の流量は、前記吸着剤の単位体積あたりの空間速度SVで0.5〜5h−1であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の放射性廃液の処理装置。
  11. 放射性核種を含む放射性廃液を処理する方法であって、
    前記放射性廃液を、強磁性体材料からなり、残留磁化を有する吸着剤と接触させて、前記放射性廃液中の前記放射性核種を磁力によって前記吸着剤に吸着させることを特徴とする放射性廃液の処理方法。
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