JP2016044747A - 車輪駆動装置 - Google Patents

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小野 浩二
Koji Ono
浩二 小野
岡田 学
Manabu Okada
学 岡田
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Abstract

【課題】 サイクロイド式の減速機20を使用する車輪駆動装置において、部品間の機械的干渉が生じないようにし、しかもガタの発生を抑制することができ、NVH性能が高い車輪駆動装置を提供する。【解決手段】 曲線板24の波形歯形24aとこの波形歯形24aに噛合する外ピン25との間に弾性部材51dを配置し、この弾性部材51dによる弾性力によって外ピン25と前記曲線板24の波形歯形24aとの間に予圧を付与し、前記所定の隙間によるガタを低減させ、高いNVH性能が得られるようにした。【選択図】 図5

Description

この発明は、自動車の駆動車輪を駆動する車輪駆動装置に関する。
電動モータを駆動源とし、その電動モータの回転を減速機により減速して駆動車輪を回転させる車輪駆動装置には、減速機の出力軸の回転を、その出力軸上に設けたハブ輪に伝達して、そのハブ輪に支持した駆動車輪を駆動するようにしたインホイールモータ方式と、上記減速機の出力軸にジョイントを介して駆動軸を接続し、その駆動軸の回転をハブ輪に伝達して駆動車輪を駆動するオンボード方式とが存在する。
ここで、図1(a)は、車輪駆動装置Aによって駆動車輪としての後輪1を直接駆動するインホイールモータ方式を示し、図1(b)は、車輪駆動装置Aにおける減速機(図示省略)の出力軸にジョイント2を介して駆動軸3を接続し、その駆動軸3によって後輪1を駆動するようにしたオンボード方式を示している。
車輪駆動装置Aは、図15に示すように、駆動力を発生させるモータ部110と、モータ部110の回転を減速して出力する減速機120と、減速機120からの出力を図示しない駆動輪に伝える車輪ハブ軸受部130とを備える。図15の車輪駆動装置Aはインホイールモータ方式を示している。オンボード方式の場合は、車輪ハブ軸受部130と減速機120との間に上述したジョイント2および駆動軸3を介して接続される。
インホイールモータ方式およびオンボード方式のいずれの車輪駆動装置Aもコンパクト化が要求される。また、後輪1を駆動するために大きな回転駆動トルクが要求される。
その要求に応えるため、特許文献1に記載された車輪駆動装置においては、モータ部110の回転を減速する減速機120にサイクロイド減速機を採用している。
上記モータ部110および減速機120は、ケーシング111内に収容されている。ケーシング111は、モータ部110側のケーシング111aと、減速機120側のケーシング111bとからなり、ケーシング111aとケーシング111bとは、ボルト121によって軸方向に接続され、ケーシング111aとケーシング111bは、仕切壁111cによって仕切られている。
モータ部110は、ケーシング111aの内周面にステータ112を設け、このステータ112の内周に間隔をおいてロータ113を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ113は、モータ軸114を中心部に有し、そのモータ軸114は減速機120の入力軸122と接続して減速機120のケーシング111b内に挿入され、軸受115によってケーシング111aに対して回転自在に支持されている。
サイクロイド式の減速機120は、入力軸122に設けられた偏心軸部123によって曲線板124を回転自在に支持し、その曲線板124の外周に形成された波形歯形を減速機120のケーシング111bの内側に配設された外ピン125に噛合し、上記入力軸122の回転により曲線板124を偏心揺動運動させ、その曲線板124の自転を入力軸122と同軸上に配置された出力軸126から出力し、車輪ハブ131を回転させている。
外ピン125は、減速機120のケーシング111bの内径面に隙間を介してフローティング支持された外ピンハウジング150に設けられている。外ピンハウジング150は、円筒部150aと、円筒部150aの軸方向両端部から径方向内側に延びる一対のリング部150bとを備え、ケーシング111bの内径面、あるいは幅面等にキー止め等により減速機120のケーシング111bに対して回り止めされている。
リング部150bには、それぞれ厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔150cが設けられ、この外ピン保持孔150cに、外ピン125の両端部が、針状ころ軸受151を介して回転可能に支持されている。
ケーシング111bの軸方向の内壁に対面する外ピンハウジング150のリング部150bには、外ピン保持孔150cに支持された外ピン125の針状ころ軸受151の軸方向の抜け出しを防止する外ピンサイドプレート160が設置されている。
また、サイクロイド式の減速機120を採用した車輪駆動装置Aでは、減速機120の外ピンハウジング150を、ゴム部材を介してケーシング111b内にフローティング支持する構造にしている(特許文献1)
特開2012−25267公報
ところで、電気自動車の車輪駆動装置Aは、電気自動車らしい静粛性を実現するために、特に、NVH性能、即ち、「Noise」(雑音や騒音)、「Vibration」(エンジンやタイヤから伝わってくる振動)、「Harshness」(路面の段差などによってステアリングやシート、フロアに感じる振動)が少ないという性能が要求される。
車輪駆動装置Aのサイクロイド式の減速機120は、高速回転で使用されるものであり、NVH性能をより向上させるために、部品間の寸法精度としてミクロンオーダの高精度が求められる。
ところが、曲線板124の外周に形成された波形歯形と、この波形歯形に噛合する外ピン125との間に隙間がないような精度を求めることは、量産過程でのコストアップにつながると共に、部品間の機械的干渉も生じやすくなる。
このため、曲線板124の外周に形成された波形歯形と、この波形歯形に噛合する外ピン125との間は、所定の隙間を設けて機械的干渉が生じないように精度を緩和することが量産上必須となる。
しかしながら、曲線板124の外周に形成された波形歯形と、この波形歯形に噛合する外ピン125との間に隙間があると、ガタが発生し易くなり、回転動作が安定しないと共に、音振の原因にもなる。
そこで、この発明は、曲線板の外周に形成された波形歯形と、この波形歯形に噛合する外ピンとの間のガタの発生を抑制することができ、NVH性能が高い車輪駆動装置を提供しようとするものである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機と、減速機から出力される回転を駆動車輪に伝達する車輪ハブ軸受部とからなり、前記減速機が、前記モータ部によって回転駆動される入力軸と、入力軸に設けられた偏心軸部と、内周が偏心軸部の外周に相対回転可能に取り付けられ、外周に波形歯形を周方向等間隔に複数有する曲線板と、入力軸の軸線を中心として減速機のケーシングに周方向等間隔に複数配設され、偏心軸部の回転に伴って曲線板の波形歯形に噛合して曲線板を公転および自転させる外ピンと、曲線板の自転を取り出す出力軸と、減速部のケーシングに外ピンの両端部を支持する外ピンハウジングとを備えるサイクロイド減速機とされた車輪駆動装置において、前記外ピンと前記曲線板の波形歯形との間に予圧を付与したことを特徴とする。
前記外ピンと前記曲線板の波形歯形との間に予圧を付与するには、例えば、外ピンと前記曲線板の波形歯形との間の隙間に弾性部材を配置する。
より具体的には、外ピンの両端部を外ピンハウジングの支持孔に軸受を介して支持し、この外ピンの両端部の軸受の外周面と外ピンハウジングの支持孔との間に所定の隙間を設け、この隙間に弾性部材を配置して外ピンと前記曲線板の波形歯形との間に予圧を付与することができる。
また、外ピンの外周面にスリーブを挿入し、このスリーブの内周面と外ピンの外周面との間に所定の隙間を設け、この隙間に弾性部材を配置して外ピンと前記曲線板の波形歯形との間に予圧を付与するようにしてもよい。
また、曲線板の側面に、曲線板の波形歯形の外径側に張り出し、外ピンと接触によって内径側に撓むバネ板を固定し、このバネ板の弾性力によって外ピンと前記曲線板の波形歯形との間に予圧を付与するようにしてもよい。
この発明に係る車輪駆動装置においては、上記のように、外ピンと曲線板の波形歯形との間に予圧を付与することにより、ガタの発生を抑制することができると共に、曲線板の波形歯形と外ピンとの間に所定の隙間を設けることにより、機械的干渉が生じないように精度を緩和することが可能となる。
(a)は、この発明に係る車輪駆動装置をインホイールモータ方式として採用した電動車両の概略図、(b)は、この発明に係る車輪駆動装置をオンボード方式として採用した電動車両の概略図である。 この発明に係る車輪駆動装置の実施の形態を示す正面図である。 図2に示す車輪駆動装置の縦断面図である。 図3のIV−IV線に沿った断面図である。 図3の減速機を拡大して示す断面図である。 図3に示す車輪駆動装置の減速機に使用する弾性部材の一例を示す側面図である。 図3に示す車輪駆動装置の減速機に使用する弾性部材の別の例を示す側面図である。 この発明の車輪駆動装置の他の実施形態を示す縦断面図である。 図8の減速機を拡大して示す断面図である。 この発明の車輪駆動装置の他の実施形態を示す縦断面図である。 図8に示す車輪駆動装置の減速機に使用する弾性部材の例を示す側面図である。 図8に示す車輪駆動装置の減速機に使用する弾性部材の別の例を示す側面図である。 図8に示す車輪駆動装置の減速機に使用する弾性部材の別の例を示す側面図である。 この発明に係る車輪駆動装置の減速機に使用する弾性金属板の実施形態を示し、(a)は側面図、(b)は正面図である。 従来の車輪駆動装置を示す縦断面図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図2に示すように、駆動車輪としての後輪1におけるホイール1aの内側には、この発明に係る車輪駆動装置Aが設けられている。
車輪駆動装置Aは、図3に示すように、駆動力を発生させるモータ部10と、モータ部10の回転を減速して出力する減速機20と、減速機20からの出力を図示しない駆動輪に伝える車輪ハブ軸受部30とを備える。
上記モータ部10および減速機20は、ケーシング11内に収容されている。ケーシング11は、モータ部10側のケーシング11aと、減速機20側のケーシング11bとからなり、ケーシング11aとケーシング11bとは、ボルト21によって軸方向に接続され、ケーシング11aとケーシング11bは、仕切壁11cによって仕切られている。
モータ部10は、ケーシング11aの内周面にステータ12を設け、このステータ12の内周に間隔をおいてロータ13を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。
ロータ13は、モータ軸14を中心部に有し、そのモータ軸14は減速機20の入力軸22と接続して減速機20のケーシング11b内に挿入され、軸受15によってケーシング11aに対して回転自在に支持されている。
減速機20のケーシング11bには、下部に潤滑油のオイルタンク41が設けられ、オイルタンク41内の潤滑油をオイルポンプ42によって吸い込み、モータ部10と減速機20に潤滑油を供給し、潤滑と冷却を行っている。
潤滑油を減速機20の内部に供給する給油通路43は、モータ部10の回転により駆動されるオイルポンプ42の吐出口からケーシング11aの内側に沿って後方に延び、モータ軸14の後端部からその内部通路44を経て、減速機20の入力軸22の内部通路45、その内部通路45に連通するよう入力軸22に径方向に設けられた入力軸給油孔46a、46bによって構成される。また、モータ軸14の内部通路44には、モータ部10に潤滑油を給油するための給油孔47が設けられている。
潤滑油の帰還通路48は、減速機20のケーシング11bの底部に設けられた排出口49、オイルタンク41を経てオイルポンプ42の吸入口に至る通路により構成される。
図3〜図5に示すように、サイクロイド式の減速機20は、入力軸22に設けられた偏心軸部23によって曲線板24を回転自在に支持し、その曲線板24の外周に形成された波形歯形24aを減速機20のケーシング11bの内側に配設された外ピン25に噛合し、上記入力軸22の回転により曲線板24を偏心揺動運動させ、その曲線板24の自転を入力軸22と同軸上に配置された出力軸26から出力し、車輪ハブ31を回転させている。
減速機20のケーシング11bの内側に配設された外ピン25の数は、曲線板24の外周の波形歯形24aより多い。
外ピン25は、減速機20のケーシング11bの内径面に隙間を介してフローティング支持された外ピンハウジング50に設けられている。外ピンハウジング50は、キー止め等により減速機20のケーシング11bに対して回り止めされている。
入力軸22は、その一端部がスプライン嵌合によりロータ13のモータ軸14に接続されてモータ部10により回転駆動されるようになっており、その他端部に偏心軸部23が設けられている。
偏心軸部23は、入力軸22の軸方向に一対設けられている。その一対の偏心軸部23は、円筒状外径面の中心が周方向に180°位相がずれるようにして設けられ、その一対の偏心軸部23のそれぞれの外径面に転がり軸受28が嵌合されている。
一対の偏心軸部23を設けた入力軸22には、一対の偏心軸部23を挟むように一対のカウンタウェイト55を、周方向に180°位相をずらして設けている。
曲線板24は、転がり軸受28によって入力軸22に回転自在に支持され、その外周に形成された波形歯形24aはトロコイド曲線歯形とされている。図4に示すように、曲線板24には、回転軸心を中心とする一つの円上に複数のピン孔24bが等間隔に形成され、軸方向に並ぶ一対のピン孔24bのそれぞれに内ピン29が余裕をもって挿入され、その内ピン29に回転自在に支持された針状ころ軸受29aの外周一部がピン孔24bの内周一部に接触している。
減速機20は、上記のように、偏心軸部23に回転自在に保持される公転部材としての曲線板24と、曲線板24の外周部の波形歯形24aに係合する複数の外ピン25と、曲線板24の自転運動を出力する出力軸26と、曲線板24の隙間に取り付けられてこれら曲線板24の端面に当接して曲線板24の傾きを防止するセンターカラー24cとを備える。
出力軸26は、フランジ部26aと軸部26bとを有する。フランジ部26aには、出力軸26の回転軸線Oを中心とする円周上に、内ピン29が等間隔に固定されている。軸部26bの外径面には、車輪ハブ31が固定されている。
外ピン25は、入力軸22の回転軸線Oの円周軌道上に等間隔に設けられる。そして、曲線板24が公転運動すると、外周の波形歯形24aと外ピン25とが係合して、曲線板24に自転運動を生じさせる。
ケーシング11bに配設された外ピン25は、ケーシング11bに直接保持されているわけではなく、図5に示すようにケーシング11bの内壁に対してフローティング支持された外ピンハウジング50に保持されている。より具体的には、外ピン25は、軸方向両端部を外ピンハウジング50に対して針状ころ軸受51によって回転自在に支持している。このように、外ピン25を外ピンハウジング50に対して回転自在にすることにより、曲線板24との係合による接触抵抗を低減することができる。
外ピンハウジング50は、円筒部50aと、円筒部50aの軸方向両端部から径方向内側に延びる一対のリング部50bとを備え、ケーシング11bの内径面、あるいは幅面等にキー止め等によってケーシング11bに対してフローティング状態に保持されている。
外ピンハウジング50の一対のリング部50bの内周には、出力軸26が軸受52を介して回転自在に支持されている。また、出力軸26のフランジ部26aの内径面と入力軸22の外径面とは、軸受53を介して相対的に回転可能に支持されている。
曲線板24は、出力軸26の対向するフランジ部26a間に組み込まれている。また、出力軸26の対向するフランジ部26aには、組み込まれた曲線板24のピン孔24bを貫通する内ピン29の両端が支持されている。
出力軸26の対向するフランジ部26aに支持された複数の内ピン29は、入力軸22の回転軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に設けられ、曲線板24との摩擦抵抗を低減するために、曲線板24のピン孔24bの内壁面に当接する位置に針状ころ軸受29aが設けられている。ピン孔24bの内径寸法は、内ピン29の外径寸法(「針状ころ軸受29aを含む最大外径」を指す。以下同じ。)より所定分大きく設定されている。
外ピンハウジング50の径方向内側に延びる一対のリング部50bには、それぞれ厚み方向に貫通する複数の外ピン保持孔50cが設けられている。外ピン保持孔50cは、それぞれ入力軸22の回転軸線Oと平行な方向に延びて、針状ころ軸受51の外輪51aを保持している。また、一対のリング部50bの対応する外ピン保持孔50cは、周方向の同位置に設けられて互いに対面している。即ち、1対の外ピン保持孔50cの中心軸線は一致し、外ピンハウジング50をケーシング11bに取り付けると、この外ピン保持孔50cの中心軸線は、入力軸22の回転軸線Oと平行になる。
これにより、外ピン25を入力軸22の回転軸線Oと平行に保持することができる。なお、外ピン保持孔50cは同時加工で同時に形成することができるので、対向する外ピン保持孔50cの中心軸線を比較的簡単に一致させることができる。
前記曲線板24の波形歯形24aとこの波形歯形24aに噛合する外ピン25との間には、量産図面における幾何学的寸法公差から想定される部品間の機械的干渉を回避するために、所定の隙間を設けている。そして、この設定した隙間によって発生するガタを低減し、安定動作と音振の低減を実現するために、前記曲線板24の波形歯形24aとこの波形歯形24aに噛合する外ピン25との間に予圧を付与している。
前記曲線板24の波形歯形24aとこの波形歯形24aに噛合する外ピン25との間に予圧を付与する手段の具体例としては、次のような手段がある。
まず、図3及び図5に示す実施形態では、外ピン25の両端部を支持する針状ころ軸受51の外輪51aの外周面と外ピンハウジング50の外ピン保持孔50cの内周面との間に、部品間の機械的干渉を回避するための所定の隙間を設け、この隙間に、ゴム、バネリング、トーションバネ等の弾性部材51dを配置し、この弾性部材51dの弾性力によって前記曲線板24の波形歯形24aとこの波形歯形24aに噛合する外ピン25との間に予圧が付与されるようにしている。
図6は、弾性部材51dであるバネリングの外形図、図5は、弾性部材51dであるトーションバネの外形図である。
また、図8及び図9に示す実施形態では、外ピン25の外周面にスリーブ25aを挿入し、このスリーブ25aの内周面と外ピン25の外周面との間に、部品間の機械的干渉を回避するための所定の隙間を設け、この隙間に、ゴム、バネリング、等の弾性部材51dを配置し、外ピン25のスリーブ25aと前記曲線板24の波形歯形24aとの間に予圧を付与している。
また、図10乃至図13に示す実施形態では、曲線板24の側面に、曲線板24の波形歯形24aの外径側に張り出し、外ピン25との接触によって内径側に撓むバネ板27を固定し、このバネ板27の弾性力によって外ピン25と前記曲線板24の波形歯形24aとの間に予圧を付与している。図10乃至図13に示す実施形態では、バネ板27が予圧を付与する弾性部材51dとなる。
バネ板27は、図11〜図13に示すように、曲線板24の側面形状と基本的に同形状に形成され、外径側から内径側に向かって弾性的に撓むように、ジグザグに屈曲する屈曲部27aを、曲線板24の波形歯形24aの近傍に放射状に等間隔に形成している。図11〜図13に示す例では、バネ板27は、薄墨で示し、曲線板24は、2点鎖線で示している。
図11に示す実施形態は、バネ板27を曲線板24に対して、バネ板27の外径の一部が張り出すように回転方向にオフセットさせて固定している。図11では、2点鎖線で示す曲線板24の中心線に対して、実線で示すバネ板27の中心線を回転させている。
このように、バネ板27の中心線を、曲線板24の中心線に対して回転方向にオフセットさせると、バネ板27の外径の一部が曲線板24の外径から張り出す。そして、外ピン25がバネ板27の張り出した部分を通過する際に、バネ板27が内径側に向かって撓み、このバネ板27の弾性力によって曲線板24と外ピン25との間で予圧が付与される。なお、図11には、曲線板24と外ピン25の間に予圧を付与するバネ板27の張り出し部分aにクロスハッチングを付している。
図12に示す実施形態は、バネ板27を曲線板24に対して、一部が張り出すように上下方向にオフセットさせて固定し、この張り出した部分が外ピン25を通過する際に、バネ板27が内径側に向かって撓み、曲線板24と外ピン25の間に予圧が付与される。曲線板24と外ピン25の間に予圧を付与するバネ板27の張り出し部分aは、図12にクロスハッチングで示している。
次に、図13に示す実施形態は、バネ板27を曲線板24の側面形状よりも一回り大きく形成し、曲線板24の全周でバネ板27の一部が張り出すように固定し、この張り出した部分が外ピン25を通過する際に、バネ板27が内径側に向かって撓み、曲線板24と外ピン25の間に予圧が付与されるようにしている。図13に示す実施形態では、曲線板24と外ピン25の間に予圧を付与するバネ板27の張り出し部分aが、クロスハッチングで示すように全周に設けられる。
曲線板24は、周方向に180°位相をずらして設けられた一対の偏心軸部23に対して一対設けられている。この一対の曲線板24に固定するバネ板27は、図10に示すように、曲線板24の対向面にそれぞれ固定され、対向するバネ板27の対向面にセンタスラストプレート27cを設置している。
なお、バネ板27を形成する材質は、SUP、SUS301、SUS304等である。
また、車輪駆動装置Aの軽量化の観点から、ケーシング11a、11bは、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成する。一方、高い強度が求められる外ピンハウジング50は、炭素鋼で形成するのが望ましい。
外ピンハウジング50のリング部50bの側面には、外ピン25の軸方向の抜け出しを防止するために、外ピンサイドプレート部60aが固定されている。
図5に示すように、アウタ側の外ピンサイドプレート部60aとケーシング11bのアウタ側の側面壁11dとの間、インナ側の外ピンサイドプレート部60aとインナ側の仕切壁11cとの間には、弾性金属板60が設置され、この弾性金属板60によって、外ピンハウジング50が、減速機20のケーシング11bのアウタ側の側面壁11dとインナ側の仕切壁11cに対して弾性的に保持され、減速機20の振動が車体に伝達されないように抑制されている。
弾性金属板60は、図14(a)、(b)に示すように、外ピンサイドプレート部60aの側に設けられる外ピンサイド側プレート部60bと、ケーシング11bのアウタ側の側面壁11d又はインナ側の仕切壁11cの側に設けられるケーシング側プレート部60cと、外ピンサイド側プレート部60bとケーシング側プレート部60cとの間に設けられる弾性柱部60dとからなる。
弾性柱部60dは、外ピンサイド側プレート部60bとケーシング側プレート部60cとを繋ぐ環状壁に周方向に貫通孔60eを所定間隔でプレス加工することにより形成することができる。なお、外ピンサイド側プレート部60bはケーシング側プレート部60cより外径側にあるので、弾性柱部60dは円すい形状に形成している。また、貫通孔60eの数を変えることで必要な弾性力を自由に得ることができるので、設計自由度が向上する。
弾性金属板60の材質としては、冷間圧延鋼(SPCC)、みがき特殊帯鋼(ばね鋼SUP、SCM415、SCr420)、ステンレス鋼を使用することができる。
図3、図8及び図10に示すように、車輪ハブ軸受部30は、出力軸26の軸部26bの外径面に固定連結された内輪部材32と、内輪部材32をケーシング11bに対して回転自在に保持する外輪部材33とを備える。内輪部材32と外輪部材33とは複列アンギュラ玉軸受を構成し、内輪部材32と外輪部材33の間に複列の転動体34を設置している。内輪部材32には、フランジ部35が一体に設けられたハブ輪31と別体の内輪を有し、フランジ部35にはボルト36によって図示しない駆動輪が固定連結される。
上記構成の車輪駆動装置Aの作動原理を詳しく説明する。
モータ部10は、例えば、ステータ12のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ13が回転する。
これにより、ロータ13に接続されたモータ軸14が回転すると、曲線板24はモータ軸14の回転軸線Oを中心として公転運動する。このとき、外ピン25が、曲線板24の曲線形状の波形と転がり接触するよう係合して、曲線板24をモータ軸14の回転とは逆向きに自転運動させる。
曲線板24のピン孔24bに挿通する内ピン29の外径は、ピン孔24bの内径よりも小さく、曲線板24の自転運動に伴ってピン孔24bの内壁面と当接する。これにより、曲線板24の公転運動が内ピン29に伝わらず、曲線板24の自転運動のみが出力軸26を介して車輪ハブ軸受部30に伝達される。
このとき、回転軸線Oと同軸に配置された出力軸26は、減速機20の出力軸として曲線板24の自転を取り出し、モータ軸14の回転が減速機20によって減速されて出力軸26に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部10を採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速機20の減速比は、外ピン25の数をZA、曲線板24の波形の数をZBとすると、(ZA−ZB)/ZBで算出される。図4に示す実施形態では、ZA=12、ZB=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速機20を採用することにより、コンパクトで高減速比の車輪駆動装置Aを得ることができる。また、外ピン25を外ピンハウジング50に対して回転自在とし、内ピン29の曲線板24に当接する位置に針状ころ軸受29aを設けたことにより、摩擦抵抗が低減されるので、減速機20の伝達効率が向上する。
この発明に係る車輪駆動装置Aを電気自動車に採用することにより、特に、インホイールモータ方式の場合、ばね下重量を抑えることができる。その結果、走行安定性に優れた電気自動車を得ることができる。
また、前記の実施形態においては、減速機20の曲線板24を180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
なお、前記の実施形態における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力がモータ部10から駆動輪に伝達される。したがって、上述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。
また、前記の実施形態における作動の説明では、モータ部10に電力を供給してモータ部10を駆動させ、モータ部10からの動力を駆動輪に伝達させたが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするようなときは、駆動輪側からの動力を減速機20で高回転低トルクの回転に変換してモータ部10に伝達し、モータ部10で発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後でモータ部10を駆動させたり、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いてもよい。
また、前記の実施形態においては、モータ部10にケーシング11aに固定されるステータ12と、ステータ12の内側に径方向の隙間を空けて対面する位置に配置されるロータ13とを備えるラジアルギャップモータを採用した例を示したが、これに限ることなく、任意の構成のモータを適用可能である。例えばステータとロータとが軸方向に開いた隙間を介して対向配置されるアキシアルギャップモータであってもよい。
さらに、この発明に係る車輪駆動装置Aを搭載した電気自動車は、後輪を駆動輪としてもよく、また、前輪を駆動輪としてもよく、4輪駆動車であってもよい。なお、本明細書中で「電気自動車」とは、電力から駆動力を得る全ての自動車を含む概念であり、例えば、ハイブリッドカー等をも含むものとして理解すべきである。
この発明に係る車輪駆動装置Aは、サイクロイド式の減速機20のケーシング11bの内径面に隙間を介してフローティング支持された外ピンハウジング50を、ケーシング11bに対して弾性金属板60を介して軸方向に弾性的に保持しているため、外ピンハウジング50の振動が車体に伝達されにくく、高いNVH性能が得られる。
したがって、振動抑制のためのゴム部材の使用を廃止できるため、長期信頼性と耐久性の向上する。また、外ピンサイドプレート部60aと外ピンハウジング50をフローティング支持する部材の弾性金属板を一体に設けるので、部品点数を削減できて低コストが可能である。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
10 :モータ部
11 :ケーシング
11a :ケーシング
11b :ケーシング
11c :仕切壁
11d :側面壁
12 :ステータ
13 :ロータ
14 :モータ軸
15 :軸受
20 :減速機
21 :ボルト
22 :入力軸
23 :偏心軸部
24 :曲線板
24a :波形歯形
24b :ピン孔
24c :センターカラー
25 :外ピン
25a :スリーブ
26 :出力軸
26a :フランジ部
26b :軸部
27 :バネ板
27a :屈曲部
27c :センタスラストプレート
28 :転がり軸受
29 :内ピン
29a :軸受
30 :車輪ハブ軸受部
31 :車輪ハブ
32 :内輪部材
33 :外輪部材
34 :転動体
35 :フランジ部
36 :ボルト
41 :オイルタンク
42 :オイルポンプ
43 :給油通路
44 :内部通路
45 :内部通路
46a :入力軸給油孔
46b :入力軸給油孔
47 :給油孔
48 :帰還通路
49 :排出口
50 :外ピンハウジング
50a :円筒部
50b :リング部
50c :外ピン保持孔
51 :軸受
51a :外輪
51d :弾性部材
52 :軸受
53 :軸受
55 :カウンタウェイト
60 :弾性金属板
60a :外ピンサイドプレート部
60b :外ピンサイド側プレート部
60c :ケーシング側プレート部
60d :弾性柱部
60e :貫通孔
A :車輪駆動装置

Claims (10)

  1. 駆動力を発生させるモータ部と、モータ部の回転を減速して出力する減速機と、減速機から出力される回転を駆動車輪に伝達する車輪ハブ軸受部とからなり、前記減速機が、前記モータ部によって回転駆動される入力軸と、入力軸に設けられた偏心軸部と、内周が偏心軸部の外周に相対回転可能に取り付けられ、外周に波形歯形を周方向等間隔に複数有する曲線板と、入力軸の軸線を中心として減速機のケーシングに周方向等間隔に複数配設され、偏心軸部の回転に伴って曲線板の波形歯形に噛合して曲線板を公転および自転させる外ピンと、曲線板の自転を取り出す出力軸と、減速部のケーシングに外ピンの両端部を支持する外ピンハウジングとを備えるサイクロイド減速機とされた車輪駆動装置において、前記外ピンと前記曲線板の波形歯形との間に予圧を付与したことを特徴とする車輪駆動装置。
  2. 前記外ピンの両端部の外周面と外ピンハウジングの支持孔の内周面との間に所定の隙間を設け、この隙間に弾性部材を配置して外ピンと前記曲線板の波形歯形との間に予圧を付与することを特徴とする請求項1記載の車輪駆動装置。
  3. 前記外ピンの両端部を外ピンハウジングの支持孔に軸受を介して支持し、この外ピンの両端部の軸受の外周面と外ピンハウジングの支持孔との間に所定の隙間を設け、この隙間に弾性部材を配置して外ピンと前記曲線板の波形歯形との間に予圧を付与することを特徴とする請求項1記載の車輪駆動装置。
  4. 前記外ピンの外周面にスリーブを挿入し、このスリーブの内周面と外ピンの外周面との間に所定の隙間を設け、この隙間に弾性部材を配置して外ピンと前記曲線板の波形歯形との間に予圧を付与することを特徴とする請求項1記載の車輪駆動装置。
  5. 前記曲線板の側面に、曲線板の波形歯形の外径側に張り出し、外ピンと接触によって内径側に撓むバネ板を固定し、このバネ板の弾性力によって外ピンと前記曲線板の波形歯形との間に予圧を付与することを特徴とする請求項1記載の車輪駆動装置。
  6. 前記曲線板の側面に固定する前記バネ板を、前記曲線板に対して回転方向にオフセットさせて、バネ板の外径側を部分的に曲線板の波形歯形の外径側に張り出させている請求項5に記載の車輪駆動装置。
  7. 前記曲線板の側面に固定する前記バネ板を、前記曲線板に対して平行にオフセットさせて、バネ板の外径側を部分的に曲線板の波形歯形の外径側に張り出させている請求項5に記載の車輪駆動装置。
  8. 前記曲線板の側面に固定する前記バネ板の外径を、前記曲線板の外径よりも大きくして、前記バネ板の外径全周を曲線板の波形歯形の外径側に張り出させている請求項5に記載の車輪駆動装置。
  9. 前記減速機と前記車輪ハブ軸受部との間にジョイントおよび駆動軸を介在したオンボード方式の請求項1〜8のいずれかの項に記載の車輪駆動装置。
  10. インホイールモータ方式の請求項1〜8のいずれかの項に記載の車輪駆動装置。
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