JP2016044613A - 車両の制御装置 - Google Patents
車両の制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016044613A JP2016044613A JP2014169943A JP2014169943A JP2016044613A JP 2016044613 A JP2016044613 A JP 2016044613A JP 2014169943 A JP2014169943 A JP 2014169943A JP 2014169943 A JP2014169943 A JP 2014169943A JP 2016044613 A JP2016044613 A JP 2016044613A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- internal combustion
- combustion engine
- isg
- amount
- generator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
Abstract
【課題】内燃機関に従動する発電機に何らかの異常が発生していたとしても、内燃機関のアイドリングないし低負荷運転中のエンジン回転を安定的に維持する。【解決手段】内燃機関及びこの内燃機関から駆動力の供給を受けて発電を行う発電機が搭載された車両を制御する制御装置であって、アクセルペダルの踏込量が0または0に近い所定値以下であるときに、エンジン回転数を目標回転数に追従させるべく両者の偏差に応じて吸気量及び燃料噴射量を補正するものであり、かつその補正量に上限値を設定しており、発電機の異常の有無を判断し、発電機に異常が発生していると判断した場合、そうでない場合と比較して、上記の目標回転数及び補正量の上限値を高く設定する車両の制御装置を構成した。【選択図】図5
Description
本発明は、内燃機関及びこの内燃機関から駆動力の供給を受けて発電を行う発電機が搭載された車両の制御装置に関する。
一般に、自動車等では、内燃機関が出力する駆動力の一部を利用して発電機を回転させ、発電した電力を車載の蓄電装置(バッテリやキャパシタ)に充電するとともに、運転制御を司るECU(Electronic Control Unit)や車体に装備されている照明灯、エアコンディショナのコンデンサやラジエータを空冷するファンのモータ、ヒータ、デフォッガ、オーディオ機器、カーナビゲーションシステム等といった種々の電気負荷に供給している。
電気負荷による電力需要が増大した場合、内燃機関がアイドリング中であったとしても発電機による発電量を増大させるが、これに起因して内燃機関にかかる機械的な負荷が増し、アイドル回転を維持できなくなる懸念がある。そこで、従来より、吸気量及び燃料噴射量を増量して内燃機関の出力するエンジントルクを増強する制御を実施し、エンジン回転の安定化を図っている(例えば、下記特許文献を参照)。
発電機に関して何らかの異常が生じている場合、発電機による発電量、つまりは発電機が発電のために費やすエンジントルクの大きさを正しく把握できなくなることがある。さすれば、発電機による負荷に見合った量だけエンジントルクを増強することが困難となり、エンジンストールを招来するおそれがある。
本発明は、発電機に異常が発生している状況下において、内燃機関のアイドリングないし低負荷運転中のエンジン回転を安定的に維持することを所期の目的とする。
本発明では、内燃機関及びこの内燃機関から駆動力の供給を受けて発電を行う発電機が搭載された車両を制御する制御装置であって、アクセルペダルの踏込量が0または0に近い所定値以下であるときに、エンジン回転数を目標回転数に追従させるべく両者の偏差に応じて吸気量及び燃料噴射量を補正するものであり、かつその補正量に上限値を設定しており、発電機の異常の有無を判断し、発電機に異常が発生していると判断した場合、そうでない場合と比較して、前記目標回転数及び前記補正量の上限値を高く設定する車両の制御装置を構成した。
本発明によれば、発電機に何らかの異常が発生していたとしても、内燃機関のアイドリングないし低負荷運転中のエンジン回転を安定的に維持することが可能である。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に示す車両用内燃機関100は、火花点火式の4ストロークエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものである。EGR装置2は、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。
図2に示すように、本実施形態における内燃機関100には、スタータモータ(セルモータ)140、ISG(Integrated Starter Generator。または、モータジェネレータ)110及びコンプレッサ130その他の補機が付随している。
スタータモータ140は、主として冷間始動時に内燃機関100のクランクシャフト10を回転駆動する、クランキング専用の電動機である。スタータモータ140は、その出力軸にピニオンギア141を有し、このピニオンギア141が内燃機関100の出力軸であるクランクシャフト10に固定されたリングギア103に噛合することで、クランクシャフト10に回転駆動力を伝達する。ピニオンギア141は、スタータモータ140による内燃機関100のクランキング中以外は、リングギア103から離脱している。
ISG110は、クランクシャフト10ひいては車両の車軸(そして、駆動輪)を駆動する電動機としての機能と、クランクシャフト10から駆動力の伝達を受けて発電する発電機としての機能とを兼ね備える。ISG110は、巻掛伝動機構112、113、101を介して内燃機関100のクランクシャフト10の一端側と接続している。
ISG110は、例えばインナーロータ方式の交流同期機であり、永久磁石及びロータコイル(励磁(界磁)巻線)116を両備したロータ(回転子)と、ロータの外周面に対向する三相交流のステータコイル(固定子巻線)115を備えたステータ(固定子)とを要素としてなる。ロータは、ロータ軸111の外周に固着している。ロータ軸111及びクランクシャフト10には、それぞれプーリ(または、スプロケット)112、101が固着しており、これらプーリ112、101に巻き掛けたベルト(または、チェーン)113により、クランクシャフト10とロータ軸111との間で相互に(双方向に)回転駆動力を伝達する。
ISG110は、主としてアイドルストップした内燃機関100の再始動時や、車軸に供給する走行駆動力を増強する(特に、加速中や登坂中の)モータアシスト時に、車載の蓄電装置61から電力の供給を受けてクランクシャフト10を回転駆動する。蓄電装置61は、バッテリ及び/またはキャパシタを含む。翻って、クランクシャフト10により回転駆動されて発電する場合には、その発電した電力を同蓄電装置61に充電する。車両が減速する際には、ISG110による回生制動を行い、車両の運動エネルギを電気エネルギとして回収することができる。
エアコンディショナの冷媒圧縮用のコンプレッサ130もまた、ISG110と同様、巻掛伝動機構102、134、133を介して内燃機関100のクランクシャフト10の一端側と接続している。コンプレッサ130の入力軸132及びクランクシャフト10には、それぞれプーリ(または、スプロケット)133、102が固着しており、これらプーリ133、102に巻き掛けたベルト(または、チェーン)134によって、クランクシャフト10から入力軸132に回転駆動力を伝達する。ベルト134は、コンプレッサ130以外の補機である潤滑油ポンプ(図示せず)や冷却水ポンプ(図示せず)等にも駆動力を伝達することがある。なお、コンプレッサ130の本体と入力軸132との間には、断接切換可能なマグネットクラッチ131を設けており、エアコンディショナを稼働しないときには当該クラッチ131を切断する。
内燃機関100と車軸とを繋ぐトランスミッション120は、クランクシャフト10の他端側に設置する。
車両には、各種の電気負荷が実装されている。電気負荷の具体例としては、エアコンディショナの送風用ブロワ、リアガラスの曇りを取るデフォッガ、オーディオ機器、カーナビゲーションシステム、照明灯(ヘッドランプ、テールランプ、ストップランプ(ブレーキランプ)、フォグランプ、ウィンカ(ターンシグナルランプ)等)、内燃機関の冷却水を空冷するラジエータのファン、電動パワーステアリング装置、等が挙げられる。
図3に、電気負荷を制御するための電気回路を示している。既に述べた通り、内燃機関のクランクシャフト10と冷媒圧縮用コンプレッサ130との間には、マグネットクラッチ131が介在している。エアコンディショナを稼働するときには、マグネットクラッチ131に通電して当該クラッチ131を締結する。エアコンディショナを稼働しないときには、マグネットクラッチ131に通電せず、当該クラッチ131を切断する。マグネットクラッチ131への通電及びその遮断は、リレースイッチ62のON/OFFによって行う。
送風用ブロワを回転駆動するモータ63や、デフォッガとしてリアガラスに敷設された電熱線ヒータ65は、蓄電装置61(または、ISG110)から電力供給を受けて作動する。モータ63やヒータ65への通電及びその遮断は、リレースイッチ64のON/OFF、または半導体スイッチング素子(パワートランジスタ、パワーMOSFET等に代表されるパワーデバイス(電力用半導体素子))66の点弧/消弧によって行う。
オーディオ機器やカーナビゲーションシステム、照明灯、ラジエータファンを回転駆動するモータその他の電気負荷についても、上記と同様である。
図4に、発電機として働くISG110の等価回路を示す。ISG110を発電機として動作させる場合、三相コイルであるステータコイル115には三相交流の誘起電流が発生する。この誘起電流は、ダイオードを用いた整流器113によって直流電流とした上で蓄電装置61や電気負荷に供給する。
ISG110に付帯するコントローラ114は、本実施形態の制御装置たるECU0から発される、ISG110の出力電圧の目標値を指令する制御信号nを受け付ける。そして、その指令された目標電圧に蓄電装置61の端子電圧(換言すれば、電装系に供給する電源電圧)を追従せしめるべく、半導体スイッチング素子119をスイッチ動作させてロータコイル116に印加する励磁電流の大きさを調節するPWM(Pulse Width Modulation)制御を実施する。ISG110の出力電圧即ちステータコイル115に誘起される発電電圧は、ロータコイル116を流れる励磁電流が大きいほど大きくなる。
発電機として作動するISG110は、内燃機関100から見れば機械的な負荷となる。ISG110の出力電圧が蓄電装置61の端子電圧を超越するとき、蓄電装置61が充電され、かつISG110から電気負荷に電力が供給される。つまり、ISG110がクランクシャフト10の回転のエネルギを費やして電気エネルギを生成する仕事をする。蓄電装置61への充電量及び電気負荷への給電量は、ISG110の出力電圧と蓄電装置61の端子電圧との電位差に依存する。
逆に、ISG110の出力電圧が蓄電装置61の端子電圧に満たないかこれに近いときには、蓄電装置61が充電されず、またISG110から電気負荷に電力が供給されない(蓄電装置61から電気負荷に電力供給されることはある)。つまり、ISG110がクランクシャフト10の回転のエネルギを費やす仕事をしないか、またはその仕事が小さくなる。
要するに、ECU0からISG110に高い発電電圧を指令すると、エンジン回転に対するISG110の機械負荷が増し、低い発電電圧を指令すると、エンジン回転に対するISG110の機械負荷が減る。
因みに、コントローラ114は、電気負荷の増大等に伴いISG110による発電量を増加させる際、励磁電流をステップ的に急増させるのではなく、励磁電流を徐々に増大させる徐励機能を有する。この徐励機能により、内燃機関100に対する機械的な負荷の一時的な集中を避け、アイドル運転ないし低負荷運転領域におけるエンジン回転の低落を防いでいる。
また、コントローラ114は、ECU0から発される、励磁電流の上限値を指令する制御信号nを受け付けるとともに、ロータコイル116を流れる励磁電流の大きさをセンサ117を介して検出し、励磁電流を指令された上限値以下に規制する。励磁電流に上限を設けるのは、内燃機関100に対する機械的な負荷が過大となってエンジン回転が不安定化することを予防する意図である。故に、例えば、冷媒圧縮用コンプレッサ130の作動時と非作動時とでは、前者の方が励磁電流の上限値が低くなる。
励磁電流の上限値へのクリップは、ISG110の発電電圧の目標電圧値への追従に優先する。つまり、コントローラ114は、蓄電装置61の端子電圧が未だECU0から指令された目標電圧未満であるとしても、ロータコイル116を流れる励磁電流が既にECU0から指令された上限に達している場合には、それ以上励磁電流を増大させない。
他方、ISG110をクランクシャフト10を駆動する電動機として動作させる場合には、ロータコイル116に所要の励磁電流を通電しつつ、ステータコイル115に半導体スイッチング素子を用いたインバータ118を介して三相交流電流を印加して、ロータの周囲に回転磁界を発生させる。インバータ118の各相のハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチはそれぞれ、コントローラ114によって点弧/消弧される。
ECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。その入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフト10の回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、シフトレバーのレンジを知得するためのセンサ(シフトポジションスイッチ)から出力されるシフトレンジ信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出するセンサから出力される吸気温・吸気圧信号e、内燃機関100の冷却水温を検出するセンサから出力される冷却水温信号f、ブレーキペダルが踏まれていることまたはブレーキペダルの踏込量を検出するセンサ(ブレーキスイッチやマスタシリンダ圧センサ等)から出力されるブレーキ信号g、蓄電装置61の端子電圧及び端子電流(特に、バッテリ電圧やバッテリ電流)を検出するセンサから出力される電圧・電流信号h、エアコンディショナや各種電気負荷のそれぞれについてこれを作動させるべきか否かに関する作動要求信号m、ISG110のコントローラ114からもたらされるステータス信号s等が入力される。
作動要求信号mは、エアコンディショナや各種電気負荷を作動させることを望む運転者または搭乗者が手動操作する、エアコンディショナまたは電気負荷毎の操作スイッチ(または、コントロールパネル)から発される手動制御信号であったり、オートエアコンシステムを司るオートエアコンECU等から発される自動制御信号であったりする。
ステータス信号sは、ISG110に関する各種の情報、例えば回転数や温度、ロータコイル116を流れる励磁電流の大きさ、現在の動作モード(即ち、発電しているか、内燃機関100をクランキングしているか、内燃機関100をモータアシストしているか、発電機としても電動機としても働かない無負荷状態か)等の情報を含む。
ECU0の出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l、ISG110のコントローラ114に対してこれを制御するための制御信号n、マグネットクラッチ131に通電する電気回路上のスイッチ62に対してクラッチ締結信号o、モータ63やヒータ65その他の電気負荷に通電する電気回路上のスイッチ64、66に対してスイッチON信号p、q等を出力する。
制御信号nは、ISG110の動作モードを指示するとともに、発電機として動作させる場合にISG110から出力させる発電電圧の目標値や、ロータコイル116に通電する励磁電流の上限値等を指令する信号である。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関100の運転を制御する。ECU0は、内燃機関100の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、h、m、sを入力インタフェースを介して取得し、要求されるスロットルバルブ32開度、気筒1に充填される吸気量(新気量)に見合った燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、エアコンディショナのコンプレッサのON/OFF、各種電気負荷のON/OFF、ISG110の発電量または出力等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、n、o、p、q、sを出力インタフェースを介して印加する。
加えて、ECU0は、内燃機関100の始動時、特に冷間始動において、スタータモータ140に制御信号rを入力し、ピニオンギア141をリングギア103に噛合させて内燃機関100のクランキングを行う。
ECU0は、所定のアイドルストップ条件が成立したときに、内燃機関100のアイドル回転を停止させるアイドルストップを実行する。ECU0は、ブレーキペダルの踏込量またはマスタシリンダ圧が閾値以上であり(ブレーキペダルが踏まれた)、内燃機関の冷却水温が所定以上に高く、蓄電装置61の端子電圧が所定以上に高く、ISG110が実質的に発電しておらず、マグネットクラッチ131を切断しており冷媒圧縮用コンプレッサ130が稼働しておらず、シフトレンジが走行レンジであり、前回のアイドルストップ終了からある車速以上まで加速した経歴があり、かつ現在の車速がある車速以下である(例えば、車速が13.5km/h以上から13km/hまで低下した、または9.5km/h以上から7km/hまで低下した)、といった諸条件がおしなべて成立したことを以て、アイドルストップ条件が成立したものと判断する。
アイドルストップ条件の成立後、所定のアイドルストップ終了条件が成立したときには、内燃機関100を再始動する。ECU0は、ブレーキペダルの踏込量またはマスタシリンダ圧が0または0に近い閾値未満となった(ブレーキペダルが踏まれなくなった)、逆にブレーキペダルの踏込量またはマスタシリンダ圧がさらに増大した(ブレーキペダルがさらに強く踏み込まれた)、アクセル開度が増大した(アクセルペダルが踏まれた)、アイドルストップ状態で所定時間(3分)が経過した等のうち何れかを以て、アイドルストップ終了条件が成立したものと判断する。原則として、アイドルストップ後の再始動においては、ISG110を電動機として動作させて内燃機関100のクランキングを行う。
運転者によるアクセルペダルの踏込量が0または0に近い所定値以下であり、内燃機関100がアイドル運転中またはアイドル運転に近い低負荷運転領域にある状況において、ISG110を発電機として動作させると、元々小さいエンジントルクがISG110によって消費され、エンジン回転が不安定となり、遂にはエンジンストールに陥る懸念がある。そこで、ECU0は、ISG110の発電量に応じて増減する内燃機関100に対する機械的な負荷を補うべく、ロータコイル116を流れる励磁電流の多寡に対応した補正量だけスロットルバルブ32の開度を拡大させる補正制御を実施する。これにより、気筒1に充填される吸気量及び燃料噴射量を増量して、内燃機関100の出力するエンジントルクの増強を図ることができる。
加えて、ECU0は、エンジン回転数を所要の目標回転数に追従させるべく、両者の偏差に応じてスロットルバルブ32の開度を操作するフィードバック制御を実施する。エンジン回転数のフィードバック制御における目標回転数は、通常、600rpmないし800rpmの範囲内の値である。なお、このフィードバック制御における補正量、即ちスロットルバルブ32の開度の拡大量(または、吸気量若しくは燃料噴射量の増加量)には予め上限を設けており、ECU0が算出する制御系の演算パラメータが発散する等してスロットルバルブ32の開度等が異常に増大することを防止している。
しかしながら、ISG110に関して何らかの異常が生じた場合には、ISG110による発電量、ひいてはISG110が発電のために費やすエンジントルクの大きさを正しく把握できなくなることがある。換言すれば、ロータコイル116を流れる励磁電流の多寡に対応した補正量分スロットルバルブ32の開度を拡大させたとしても、ISG110の発電量が正常な場合と異なるために、ISG110による負荷に見合った量だけエンジントルクを増強できない可能性がある。そうなれば、ISG110を含む機械的負荷に対してエンジントルクが不足し、不意のエンジン回転数の低落さらにはエンジンストールを招来しかねない。
そこで、本実施形態のECU0は、ISG110の異常の有無を判断し、ISG110に異常が発生していると判断した場合には、そうでない場合と比較して、上述したエンジン回転数のフィードバック制御における目標回転数及び補正量の上限をそれぞれより高い値に引き上げるようにしている。
ISG110の異常の有無の判断の具体的な手法は、種々考えられる。以下に、その例を列挙する。
・ISG110のコントローラ114が備えている自己診断機能により、コントローラ114がISG110の内部回路の断線等の異常を感知したとき、その旨をステータス信号sとしてECU0に通知する。この信号sを受信したECU0は、ISG110に異常が発生していると判断する
・コントローラ114からもたらされるステータス信号sを参照して知得される、ISG110の回転数や温度の値が、所定の適正範囲から逸脱している場合に、ISG110に異常が発生していると判断する
・クランク角信号bを参照して知得されるエンジン回転数と、ステータス信号sを参照して知得されるISG110の回転数とが矛盾している場合、ISG110に異常が発生していると判断する。正常であれば、ISG110の回転数はエンジン回転数に比例する。それ故、エンジン回転数に所定の比例係数を乗じた値(エンジン回転数から予想されるISG110の回転数)と、ステータス信号sにより示されるISG110の回転数との差が一定以上に大きいならば、クランクシャフト10とロータ軸111とを接続する巻掛伝動機構112、113、101に故障が生じた(特に、ベルト113が切れた)と考えられる
・ECU0とコントローラ114との間の通信が正常に行われない場合(制御信号nに対応した適正なステータス信号sが返信されない等)に、ISG110に異常が発生していると判断する
・ステータス信号sを参照して知得される励磁電流の大きさと、蓄電装置61の端子電圧(または、ISG110の発電電圧)とが矛盾している場合、ISG110に異常が発生していると判断する。ISG110の回転数が一定であると仮定すると、ISG110の発電電圧は励磁電流に概ね比例するはずである。それ故、励磁電流の値に所定の比例係数を乗じた値(励磁電流から予想されるISG110の出力電圧)と、電圧・電流信号hにより示される蓄電装置61の端子電圧との差が一定以上に大きいならば、ISG110が正常に作動していないと考えられる
・内燃機関100がアイドル運転中またはアイドル運転に近い低負荷運転領域にある状況において実施するエンジン回転数のフィードバック制御における、スロットルバルブ32の開度(または、吸気量若しくは燃料噴射量)の補正量が所定の適正範囲から逸脱している場合に、ISG110に異常が発生していると判断する
図5に、本実施形態のECU0が実行する処理の手順例を示す。ECU0は、運転者によるアクセルペダルの踏込量が0または0に近い所定値以下であるときに(ステップS1)、ISG110に関して何らかの異常が生じていなければ(ステップS2)、ISG110のロータコイル116を流れる励磁電流の多寡に対応した補正量だけスロットルバルブ32の開度を拡大させる補正制御を実施する(ステップS3)。並びに、エンジン回転数を目標回転数に追従させるべく、両者の偏差に応じてスロットルバルブ32の開度を操作するフィードバック制御を実施する(ステップS4)。
・ISG110のコントローラ114が備えている自己診断機能により、コントローラ114がISG110の内部回路の断線等の異常を感知したとき、その旨をステータス信号sとしてECU0に通知する。この信号sを受信したECU0は、ISG110に異常が発生していると判断する
・コントローラ114からもたらされるステータス信号sを参照して知得される、ISG110の回転数や温度の値が、所定の適正範囲から逸脱している場合に、ISG110に異常が発生していると判断する
・クランク角信号bを参照して知得されるエンジン回転数と、ステータス信号sを参照して知得されるISG110の回転数とが矛盾している場合、ISG110に異常が発生していると判断する。正常であれば、ISG110の回転数はエンジン回転数に比例する。それ故、エンジン回転数に所定の比例係数を乗じた値(エンジン回転数から予想されるISG110の回転数)と、ステータス信号sにより示されるISG110の回転数との差が一定以上に大きいならば、クランクシャフト10とロータ軸111とを接続する巻掛伝動機構112、113、101に故障が生じた(特に、ベルト113が切れた)と考えられる
・ECU0とコントローラ114との間の通信が正常に行われない場合(制御信号nに対応した適正なステータス信号sが返信されない等)に、ISG110に異常が発生していると判断する
・ステータス信号sを参照して知得される励磁電流の大きさと、蓄電装置61の端子電圧(または、ISG110の発電電圧)とが矛盾している場合、ISG110に異常が発生していると判断する。ISG110の回転数が一定であると仮定すると、ISG110の発電電圧は励磁電流に概ね比例するはずである。それ故、励磁電流の値に所定の比例係数を乗じた値(励磁電流から予想されるISG110の出力電圧)と、電圧・電流信号hにより示される蓄電装置61の端子電圧との差が一定以上に大きいならば、ISG110が正常に作動していないと考えられる
・内燃機関100がアイドル運転中またはアイドル運転に近い低負荷運転領域にある状況において実施するエンジン回転数のフィードバック制御における、スロットルバルブ32の開度(または、吸気量若しくは燃料噴射量)の補正量が所定の適正範囲から逸脱している場合に、ISG110に異常が発生していると判断する
図5に、本実施形態のECU0が実行する処理の手順例を示す。ECU0は、運転者によるアクセルペダルの踏込量が0または0に近い所定値以下であるときに(ステップS1)、ISG110に関して何らかの異常が生じていなければ(ステップS2)、ISG110のロータコイル116を流れる励磁電流の多寡に対応した補正量だけスロットルバルブ32の開度を拡大させる補正制御を実施する(ステップS3)。並びに、エンジン回転数を目標回転数に追従させるべく、両者の偏差に応じてスロットルバルブ32の開度を操作するフィードバック制御を実施する(ステップS4)。
翻って、ISG110に関して何らかの異常が生じているならば(ステップS2)、ロータコイル116を流れる励磁電流の多寡とは無関係に所定の補正量だけスロットルバルブ32の開度を拡大させる補正制御を実施する(ステップS5)。ステップS5の補正制御における補正量即ちスロットルバルブ32の開度の拡大量は、ステップS3の補正制御におけるそれよりも小さくする。これに加えて、エンジン回転数と目標回転数との偏差に応じてスロットルバルブ32の開度を操作するフィードバック制御を実施する(ステップS6)が、このフィードバック制御における目標回転数は、ステップS4のフィードバック制御における目標回転数よりも300ないし600rpm高い値、例えば1000ないし1200rpmの範囲内の値に設定する。また、ステップS6のフィードバック制御におけるスロットルバルブ32の開度(または、吸気量若しくは燃料噴射量)の補正量の上限値は、ステップS4のフィードバック制御における上限値よりも高く設定する。
本実施形態では、内燃機関100及びこの内燃機関100から駆動力の供給を受けて発電を行う発電機が搭載された車両を制御する制御装置0であって、アクセルペダルの踏込量が0または0に近い所定値以下であるときに、エンジン回転数を目標回転数に追従させるべく両者の偏差に応じて吸気量及び燃料噴射量を補正するものであり、かつその補正量に上限値を設定しており、発電機110の異常の有無を判断し、発電機110に異常が発生していると判断した場合、そうでない場合と比較して、前記目標回転数及び前記補正量の上限値を高く設定する車両の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、発電機に何らかの異常が発生したとしても、内燃機関のアイドリングないし低負荷運転中のエンジン回転を安定的に維持でき、エンジンストールを確実に防止することが可能である。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、内燃機関に付随する電動機は、ISGには限定されないことは言うまでもない。
また、上記実施形態では、エンジン回転数(アイドル回転数)のフィードバック制御のために、電子スロットルバルブ32の開度を操作(補正)していたが、アイドルスピードコントロール(Idle Speed Control)バルブを実装している内燃機関においては、このISCバルブの開度を補正することとしてもよい。周知の通り、ISCバルブは、吸気通路におけるスロットルバルブの上流側と下流側とを連通するバイパスを開閉する流量制御バルブである。
その他、各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、クランクシャフトを回転駆動できる電動機が付随する内燃機関の始動時の制御に適用できる。
0…制御装置(ECU)
100…内燃機関
10…クランクシャフト
110…発電機、電動機(ISG)
100…内燃機関
10…クランクシャフト
110…発電機、電動機(ISG)
Claims (1)
- 内燃機関及びこの内燃機関から駆動力の供給を受けて発電を行う発電機が搭載された車両を制御する制御装置であって、
アクセルペダルの踏込量が0または0に近い所定値以下であるときに、エンジン回転数を目標回転数に追従させるべく両者の偏差に応じて吸気量及び燃料噴射量を補正するものであり、かつその補正量に上限値を設定しており、
発電機の異常の有無を判断し、発電機に異常が発生していると判断した場合、そうでない場合と比較して、前記目標回転数及び前記補正量の上限値を高く設定する車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014169943A JP2016044613A (ja) | 2014-08-22 | 2014-08-22 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014169943A JP2016044613A (ja) | 2014-08-22 | 2014-08-22 | 車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016044613A true JP2016044613A (ja) | 2016-04-04 |
Family
ID=55635407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014169943A Pending JP2016044613A (ja) | 2014-08-22 | 2014-08-22 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016044613A (ja) |
-
2014
- 2014-08-22 JP JP2014169943A patent/JP2016044613A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2015120462A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP2016117449A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP6223038B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP6012400B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2013173408A (ja) | 制御装置 | |
JP2017046525A (ja) | 制御装置 | |
JP2016044614A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP2016044613A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP2016070144A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2016094161A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP6406835B2 (ja) | 制御装置 | |
JP2016043916A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP6562604B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP2014163320A (ja) | 制御装置 | |
JP2016044615A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP6573281B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2016101081A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP6614967B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP6573279B2 (ja) | 車両用電源装置 | |
JP2019044643A (ja) | 制御装置 | |
JP2014177908A (ja) | 制御装置 | |
JP6004696B2 (ja) | 制御装置 | |
JP2014163281A (ja) | 制御装置 | |
JP6422244B2 (ja) | 制御装置 | |
JP6222940B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 |