JP2016044428A - 開放操作力軽減機能付き引手装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】引き形式のサッシ窓10における障子13の戸先框に取付ねじで固定される縦長の基体2と、基体2のスライド体支持孔に嵌合して基体2により左右方向にスライド可能に支持され、縦枠20に向かって進退するスライド体3と、基体2により垂直支軸Cまわりに回動可能に支持されたレバー部材4とを備え、スライド体3の室内側面の縦枠20から遠い側の部分にラック歯3Aを一体形成し、ラック歯3Aに噛合する、垂直支軸Cを回動中心軸とした部分円筒歯車4Aをレバー部材4に一体形成することにより、スライド体3及びレバー部材4を連動させる。
【選択図】図6
Description
前記開放操作力を軽減する機能を備えた引手装置において、構成が比較的簡素で意匠性が高いものとして、障子(3,4)の戸先框(5d,7d)の室内側面に取付ねじで固定される縦長のベース部(12)、前記取付ねじを隠すためにベース部(12)に装着されるキャップ(20,20)、垂直の支軸(14)により軸支されてベース部(12)に対して横方向に回動し、一端を引手部(9)、他端を出力部(10x)としたレバー部材(10)、ベース部(12)に対して障子(3,4)の開閉方向へ進退し、出力部(10x)により押圧されてベース部(12)内より縦枠(2c,2d)に突出して障子(3,4)を開方向に押し出す突出部(11)、及び突出部(11)の基端部に形成した鍔状の規制部(18)を押圧して突出部(11)をベース部(12)内に戻す復帰ばね(13)を有し、ベース部(12)、レバー部材(10)及び突出部(11)をプラスチック製とし、支軸(14)及び復帰ばね(13)を金属製としたものがある(特許文献1参照)。
また、レバー部材(10)を軸支する支軸(14)、及びレバー部材(10)と突出部(11)を連動させるための復帰ばね(13)が必須の構成部品である。
更に、規制部(18)を押圧する復帰ばね(13)により突出部(11)をベース部(12)内に戻す必要があるため、ベース部(12)の突出部(11)まわりの見込み方向の厚みが大きくなる。
よって、特許文献1の開放操作力軽減機能付き引手装置は、前記特徴を有する構成が比較的簡素で意匠性が高いものであるが、構成部品数を少なくして製造コストを低減することや、よりコンパクトに形成するという観点からは改良の余地がある。
よって、スライド体の脱落を防止するために特許文献1のような鍔状の規制部を設ける必要がないとともに、スライド体を押圧して基体内に戻す復帰ばねが必須の構成部品ではないので、構成がより簡素になるため、構成部品数を少なくして製造コストを低減できるとともに、基体のスライド体まわりの見込み方向の厚みを小さくできるため、よりコンパクトに形成できる。
このような構成によれば、スライド体が最も後退した位置で取付ねじ挿通孔がレバー部材により被われるので、取付ねじが視認されにくいため、特許文献1のような取付ねじを隠すキャップを基体に装着しなくても意匠性が損なわれることがないため、製造コストを更に低減できる。
その上、スライド体が最も後退した位置で、レバー部材が、特許文献1のような障子の面に対して略直角ではなく、縦枠側へ倒れた状態であるので、レバー部材の見込み方向の突出量が小さいため、よりコンパクトな外観になる。
このような構成によれば、垂直支軸が基体及びレバー部材間の凹凸嵌合により形成されるので、特許文献1のような金属製の支軸が不要になるため、製造コストを一層低減できる。
その上、基体、スライド体、及びレバー部材が合成樹脂製であるので、例えば射出成形により製造することにより、製造コストを更に一層低減できる。
このような構成によれば、スライド体の障子開閉方向へのスライド動作とレバー部材の垂直支軸まわりの回動動作とが連動するので、スライド体を最も後退した位置まで戻す復帰ばねを、スライド体を押圧するものとする必要がなく、基体及びレバー部材間に取り付けたねじりコイルばねとすることができる。
よって、復帰ばねであるねじりコイルばねを設けてもコンパクトな形態を維持できるとともに、スライド体を最も後退した位置に戻す操作が自動的に行われるため、操作性を向上できる。
(1)スライド体の障子開閉方向へのスライド動作とレバー部材の垂直支軸まわりの回動動作とが連動するので、スライド体の脱落を防止するために特許文献1のような鍔状の規制部を設ける必要がないとともに、スライド体を押圧して基体内に戻す復帰ばねが必須の構成部品ではないことから、構成がより簡素になるため、構成部品数を少なくして製造コストを低減できるとともに、基体のスライド体まわりの見込み方向の厚みを小さくできるため、よりコンパクトに形成できること、
(2)スライド体が最も後退した位置(待機位置)で、レバー部材により取付ねじ挿通孔(取付ねじ)が被われるように、レバー部材が縦枠側へ倒れた状態になるように構成したものでは、取付ねじが視認されにくいので、特許文献1のような取付ねじを隠すキャップを基体に装着しなくても意匠性が損なわれることがないため、製造コストを更に低減できること、
(3)待機位置で、レバー部材により取付ねじ挿通孔(取付ねじ)が被われるように、レバー部材が縦枠側へ倒れた状態になるように構成したものでは、待機位置で、レバー部材が、特許文献1のような障子の面に対して略直角ではなく、縦枠側へ倒れた状態であるので、レバー部材の見込み方向の突出量が小さいため、よりコンパクトな外観になること、
(4)基体、スライド体、及びレバー部材を合成樹脂製とするとともに、垂直支軸を基体及びレバー部材間の凹凸嵌合により形成してなるものでは、特許文献1のような金属製の支軸が不要になるため、製造コストを一層低減できるとともに、例えば射出成形により製造することにより、製造コストを更に一層低減できること、
(5)基体及びレバー部材間にねじりコイルばねを取り付けて、基体に対してレバー部材を回動させる弾性付勢力を作用させることにより、障子を開けた状態でスライド体を待機位置までスライドさせるように構成したものでは、スライド体を押圧する復帰ばねではないので、コンパクトな形態を維持できるとともに、待機位置に戻す操作が自動的に行われるため、操作性を向上できること、
等の顕著な効果を奏する。
ここで、本発明に係る開放操作力軽減機能付き引手装置が使用される引き形式のサッシ窓又は引戸の開閉形式として、引違い、片引き又は両引き(引分け)があるが、以下においては、代表例として引き違いサッシについて説明する。
すなわち、例えば図1及び図6(a)に示す障子13が閉じた状態から、解錠状態で、レバー部材4の室内側端部(指掛け部4E)を図6(a)の矢印B1のように右方(障子開方向B)へ操作することにより、図6(b)のように、スライド体3が縦枠20に向かって左方へ進出して縦枠20を押圧するので、障子13が矢印B2のように開く。そして、スライド体3が縦枠20を押す押圧力は、図7の横断平面図におけるレバー部材4の腕の長さをD、ピッチ円半径をEとすると、梃子の原理により、レバー部材4の操作力の(D/E)倍になる。
なお、障子12,13の戸先框17,18に取り付けられる引手装置1,1は同様の構成であるため、以下において、室外側障子13の戸先框18に取り付けられる引手装置1を代表させて、その構成及び動作について説明する。
ここで、基体2、スライド体3、及びレバー部材4は、ポリアセタール、ポリプロピレン、ナイロン又はABS等の合成樹脂製である。
また、スライド体3の室内側面の縦枠20から遠い側の部分にラック歯3A,3Aが一体形成されるとともに、ラック歯3A,3Aに噛合する、垂直支軸Cを回動中心軸とした部分円筒歯車4A,4Aがレバー部材4に一体形成される。
この状態でレバー部材4の回動位置は、図6(b)のように開放操作した状態に対応する位置とする。この状態で基体2のスライド体支持孔2Dから基体2内にスライド体3を挿入し、レバー部材4の部分円筒歯車4A,4Aにスライド体3のラック歯3A,3Aを噛合させる。
この状態で裏蓋5の係合突片5A,5A,5Aを基体2の係合凹部2F,2F,2Fに係合させた後、裏蓋5の係合突片5B,5Bを基体2の係合凹部2G,2Gに係合するように押し込むことにより組立が完了し、この状態では、裏蓋5の上下の立起部5C,5Cの円弧状凹部5D,5Dがレバー部材4の上下の円筒軸4B,4Bに当接する。
よって、円筒軸4B,4Bは、基体2の円弧状凹部2C,2C、及び裏蓋5の円弧状凹部5D,5Dに当接した状態で垂直支軸C(円筒軸4B,4Bの軸芯であり、図6及び図7参照)まわりに回動する。すなわち、垂直支軸Cは、基体2及びレバー部材4間の凹凸嵌合により形成される。
よって、スライド体3の脱落を防止するために特許文献1のような鍔状の規制部を設ける必要がないとともに、スライド体3を押圧して基体2内に戻す復帰ばねが必須の構成部品ではないので、構成がより簡素になるため、構成部品数を少なくして製造コストを低減できるとともに、基体2のスライド体3まわりの見込み方向(前後方向)の厚みを小さくできるため、よりコンパクトに形成できる。
また、基体2、スライド体3、及びレバー部材4を合成樹脂製とするとともに、垂直支軸Cを基体2及びレバー部材4間の凹凸嵌合により形成しているので、特許文献1のような金属製の支軸が不要になるため、製造コストを更に低減できるとともに、基体2、スライド体3、及びレバー部材4が合成樹脂製であるので、例えば射出成形により製造することにより、製造コストを一層低減できる。
更にまた、待機位置で、レバー部材4が、特許文献1のような障子13の面に対して略直角ではなく、縦枠20側へ倒れた状態であるので、レバー部材4の見込み方向の突出量が小さいため、よりコンパクトな外観になる。
図8の引手装置1の分解斜視図、及び図9の引手装置1の裏蓋5を外して基体2を裏側から見た図において、復帰ばねFは、基体2及びレバー部材4間に装着されるねじりコイルばね6である。
すなわち、レバー部材4の上下の部分円筒歯車4A,4A間の下方及び上方へ突出する上下のばね支持部4C,4Cをねじりコイルばね6のコイル内に入れた状態で、ねじりコイルばね6は、レバー部材4の部分円筒歯車4A,4A間に収容される。そして、ねじりコイルばね6の端末6Aがレバー部材4の端末支持部4Dにより支持され、ねじりコイルばね6の端末6Bが基体2の端末支持部2Hにより支持される。
そして、ねじりコイルばね6の自由状態では、図2及び図6(a)のようにレバー部材4が縦枠20側へ倒れた状態になっている。
よって、図6(b)のように開放操作した後に、レバー部材4は、ねじりコイルばね6の弾性変形に基づく復元力により、図2及び図6(a)のように縦枠20側へ倒れた状態に復帰する。そして、スライド体3は、レバー部材4の回動動作に連動するので、レバー部材4が縦枠20側へ倒れた状態に復帰する回動動作に伴って、図2及び図6(a)の待機位置までスライドする。
よって、復帰ばねFであるねじりコイルばね6を設けてもコンパクトな形態を維持できるとともに、スライド体3を待機位置に戻す操作が自動的に行われるため、操作性を向上できる。
2 基体
2A レバー部材取付開口
2B 係合凹部
2C 円弧状凹部
2D スライド体支持孔
2E 取付ねじ挿通孔
2F,2G 係合凹部
2H 端末支持部
3 スライド体
3A ラック歯
4 レバー部材
4A 部分円筒歯車
4B 円筒軸
4C ばね支持部
4D 端末支持部
4E 指掛け部
5 裏蓋
5A,5B 係合突片
5C 立起部
5D 円弧状凹部
5E 取付ねじ挿通孔
6 ねじりコイルばね
6A,6B 端末
10 引き違いサッシ
11 枠体
12 室内側障子
13 室外側障子
14,15 複層ガラス
16 召合せ框部
17,18 戸先框
19,20 縦枠
21 施錠装置
A 障子開閉方向
B 障子開方向
C 垂直支軸
D 腕の長さ
E ピッチ円半径
F 復帰ばね
Claims (4)
- 引き形式のサッシ窓又は引戸における障子の戸先框の室内側面又は室外側面に取付ねじで固定される縦長の基体と、前記基体に形成されたスライド体支持孔に嵌合して前記基体により障子開閉方向にスライド可能に支持され、前記スライド体支持孔から前記サッシ窓又は引戸の縦枠に向かって進退するスライド体と、前記スライド体を操作する、前記基体により垂直支軸まわりに回動可能に支持されたレバー部材とを備えた、前記障子を開く方向への前記レバー部材の操作力を梃子の原理により拡大して前記スライド体に伝達し、拡大された前記操作力により前記スライド体が進出する開放操作力軽減機能付き引手装置であって、
前記スライド体の室内側面又は室外側面の前記縦枠から遠い側の部分にラック歯を一体形成するとともに、前記ラック歯に噛合する、前記垂直支軸を回動中心軸とした部分円筒歯車を前記レバー部材に一体形成することにより、前記スライド体及び前記レバー部材を連動させてなることを特徴とする開放操作力軽減機能付き引手装置。 - 前記基体の前記スライド体支持孔の上下位置に、前記取付ねじが室内外方向へ挿通される取付ねじ挿通孔を形成し、前記取付ねじ挿通孔よりも前記縦枠から遠い位置に前記垂直支軸を設け、
前記スライド体が最も後退した位置で、前記基体を室内側又は室外側から見ると、前記レバー部材により前記取付ねじ挿通孔が被われるように、前記レバー部材が前記縦枠側へ倒れた状態になる請求項1記載の開放操作力軽減機能付き引手装置。 - 前記基体、前記スライド体、及び前記レバー部材を合成樹脂製とするとともに、前記垂直支軸を前記基体及び前記レバー部材間の凹凸嵌合により形成してなる請求項1又は2記載の開放操作力軽減機能付き引手装置。
- 前記基体及び前記レバー部材間にねじりコイルばねを取り付けて、前記基体に対して前記レバー部材を回動させる弾性付勢力を作用させることにより、前記障子を開けた状態で前記スライド体を最も後退した位置までスライドさせる請求項1〜3の何れか1項に記載の開放操作力軽減機能付き引手装置。
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