JP2016043656A - 液体吐出記録装置およびクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体の吐出安定性を維持することが可能な液体吐出記録装置を提供する。
【解決手段】液体吐出記録装置は、液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面14を有する記録ヘッド1と、吐出口面14上を移動するワイパー41を用いて、吐出口面14をワイピングするワイピング部と、吐出口面14に付着した液体の溶媒成分を除去する溶媒除去部2,3と、吐出口面14にクリーニング液を付与するクリーニング液付与部4と、溶媒除去部2,3を用いて、吐出口面14に付着した液体の溶媒成分を除去し、クリーニング液付与部4を用いて、クリーニング液を溶媒成分が除去された吐出口面14に付与し、ワイピング部を用いて、クリーニング液が付与された吐出口面14をワイピングすることを順に行う制御部200とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】液体吐出記録装置は、液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面14を有する記録ヘッド1と、吐出口面14上を移動するワイパー41を用いて、吐出口面14をワイピングするワイピング部と、吐出口面14に付着した液体の溶媒成分を除去する溶媒除去部2,3と、吐出口面14にクリーニング液を付与するクリーニング液付与部4と、溶媒除去部2,3を用いて、吐出口面14に付着した液体の溶媒成分を除去し、クリーニング液付与部4を用いて、クリーニング液を溶媒成分が除去された吐出口面14に付与し、ワイピング部を用いて、クリーニング液が付与された吐出口面14をワイピングすることを順に行う制御部200とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体吐出記録装置およびクリーニング方法に関する。
インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドを用いて、印刷を行う記録装置がある。この種の記録装置は、インクジェット記録装置と呼ばれ、広く普及している。インクジェット記録装置では、記録物の耐候性を高めるために、色材として顔料を含有するインクが使用されることが多い。この種のインクは、水分が蒸発すると顔料の凝集が起こるため、吐出口の近傍で目詰まりを起こしやすい。
また、近年、記録物の定着性や耐摩耗性を高めるために、樹脂粒子を含有するインクも使用されている。樹脂粒子は、記録媒体上で溶融すると樹脂被膜を形成し、その結果、定着性および耐摩耗性を高めることができる。
記録媒体上で速やかに樹脂粒子が樹脂被膜を形成するためには、樹脂粒子の最低造膜温度を低くすることが好ましい。しかしながら、一般的に記録ヘッドは記録動作に伴って温度が上昇する。このため、樹脂粒子の最低造膜温度よりも記録ヘッドの温度が高くなることがある。この場合、樹脂粒子が記録ヘッドの吐出口面で樹脂被膜を形成して、目詰まりが起こりやすい。最低造膜温度が60度以下の樹脂粒子がインクに含まれる場合、目詰まりが起こりやすくなり、最低造膜温度が40℃以下の樹脂粒子がインクに含まれる場合、さらに、目詰まりが起こりやすくなる。
また、近年、記録物の定着性や耐摩耗性を高めるために、樹脂粒子を含有するインクも使用されている。樹脂粒子は、記録媒体上で溶融すると樹脂被膜を形成し、その結果、定着性および耐摩耗性を高めることができる。
記録媒体上で速やかに樹脂粒子が樹脂被膜を形成するためには、樹脂粒子の最低造膜温度を低くすることが好ましい。しかしながら、一般的に記録ヘッドは記録動作に伴って温度が上昇する。このため、樹脂粒子の最低造膜温度よりも記録ヘッドの温度が高くなることがある。この場合、樹脂粒子が記録ヘッドの吐出口面で樹脂被膜を形成して、目詰まりが起こりやすい。最低造膜温度が60度以下の樹脂粒子がインクに含まれる場合、目詰まりが起こりやすくなり、最低造膜温度が40℃以下の樹脂粒子がインクに含まれる場合、さらに、目詰まりが起こりやすくなる。
記録ヘッドの吐出口で目詰まりを起こすと、吐出不良が発生して、記録ヘッドの記録性能が低下してしまう。このため、記録ヘッドの吐出口面に付着したインクや顔料凝集物、樹脂粒子凝集物を除去するクリーニングが行われる。一般的なクリーニング方法は、ワイパーを用いたワイピングである。ワイピングは、ワイパーを吐出口面上で移動させることによって、吐出口面に付着したインク等を拭き取る方法である。
また、ワイピング以外のクリーニング方法として、特許文献1に記載された吸収体を用いた方法や、特許文献2に記載されたクリーニング液を用いた方法がある。特許文献1に記載された方法では、吸収体を吐出口面に当接させることで、吐出口面に付着したインクや、ノズル内の増粘したインクを除去している。また特許文献2に記載された方法では、クリーニング液を吐出口面のインク固着物に付与することで、固着物を溶解または膨潤させて、除去しやすくしている。
また、ワイピング以外のクリーニング方法として、特許文献1に記載された吸収体を用いた方法や、特許文献2に記載されたクリーニング液を用いた方法がある。特許文献1に記載された方法では、吸収体を吐出口面に当接させることで、吐出口面に付着したインクや、ノズル内の増粘したインクを除去している。また特許文献2に記載された方法では、クリーニング液を吐出口面のインク固着物に付与することで、固着物を溶解または膨潤させて、除去しやすくしている。
しかしながら、ワイピングによるクリーニング方法や、特許文献1および特許文献2に記載のクリーニング方法では、吐出口面を十分にクリーニングすることが困難な場合があるという問題があった。
具体的には、ワイピングでは、吐出口面にインク中の顔料や樹脂粒子が凝集物のような固体となって強固に付着した場合には、これらの固体を取り除くことができない。例えば、インクに含まれる樹脂粒子の最低造膜温度が低い場合、樹脂粒子が樹脂被膜となって吐出口面に強固に付着することがある。この場合には、吐出口面に付着した樹脂被膜やこの樹脂被膜に覆われた凝集物などを取り除くことができず、吐出口面を十分にクリーニングすることが困難である。
また、特許文献1に記載の方法では、吸収体は、液体を吸収することはできても、固体を取り除くことはできない。このため、吐出口面に形成された顔料の凝集物や樹脂粒子の凝集物を取り除くことができず、吐出口面を十分にクリーニングすることが困難である。
また、特許文献2に記載の方法では、インクが液体の状態で吐出面に付着している場合、クリーニング液がこのインクの溶媒成分で希釈されてしまい、クリーニング効果が低下することがあった。例えばインクの溶媒としてSP値が高い溶媒が用いられる場合、溶媒の含有量が多くなるため、クリーニング液を希釈してしまうことが多い。この場合、吐出口面に形成された顔料の凝集物や樹脂粒子の凝集物を取り除くことができず、吐出口面を十分にクリーニングすることが困難である。
本発明の目的は、液体の吐出安定性を維持することが可能な液体吐出記録装置およびクリーニング方法を提供することである。
具体的には、ワイピングでは、吐出口面にインク中の顔料や樹脂粒子が凝集物のような固体となって強固に付着した場合には、これらの固体を取り除くことができない。例えば、インクに含まれる樹脂粒子の最低造膜温度が低い場合、樹脂粒子が樹脂被膜となって吐出口面に強固に付着することがある。この場合には、吐出口面に付着した樹脂被膜やこの樹脂被膜に覆われた凝集物などを取り除くことができず、吐出口面を十分にクリーニングすることが困難である。
また、特許文献1に記載の方法では、吸収体は、液体を吸収することはできても、固体を取り除くことはできない。このため、吐出口面に形成された顔料の凝集物や樹脂粒子の凝集物を取り除くことができず、吐出口面を十分にクリーニングすることが困難である。
また、特許文献2に記載の方法では、インクが液体の状態で吐出面に付着している場合、クリーニング液がこのインクの溶媒成分で希釈されてしまい、クリーニング効果が低下することがあった。例えばインクの溶媒としてSP値が高い溶媒が用いられる場合、溶媒の含有量が多くなるため、クリーニング液を希釈してしまうことが多い。この場合、吐出口面に形成された顔料の凝集物や樹脂粒子の凝集物を取り除くことができず、吐出口面を十分にクリーニングすることが困難である。
本発明の目的は、液体の吐出安定性を維持することが可能な液体吐出記録装置およびクリーニング方法を提供することである。
本発明による液体吐出記録装置は、
液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する記録ヘッドと、
前記吐出口面上を移動するワイパーを用いて、前記吐出口面をワイピングするワイピング部と、
前記吐出口面に付着した液体の溶媒成分を除去する溶媒除去部と、
前記吐出口面にクリーニング液を付与するクリーニング液付与部と、
前記溶媒除去部を用いて、前記吐出口面に付着した前記液体の溶媒成分を除去し、前記クリーニング液付与部を用いて、前記クリーニング液を前記溶媒成分が除去された前記吐出口面に付与し、前記ワイピング部を用いて、前記クリーニング液が付与された前記吐出口面をワイピングすることを順に行う制御部と、
を有する。
液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する記録ヘッドと、
前記吐出口面上を移動するワイパーを用いて、前記吐出口面をワイピングするワイピング部と、
前記吐出口面に付着した液体の溶媒成分を除去する溶媒除去部と、
前記吐出口面にクリーニング液を付与するクリーニング液付与部と、
前記溶媒除去部を用いて、前記吐出口面に付着した前記液体の溶媒成分を除去し、前記クリーニング液付与部を用いて、前記クリーニング液を前記溶媒成分が除去された前記吐出口面に付与し、前記ワイピング部を用いて、前記クリーニング液が付与された前記吐出口面をワイピングすることを順に行う制御部と、
を有する。
また、本発明によるクリーニング方法は、
液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する記録ヘッドを備える液体吐出記録装置が、
前記吐出口面に付着した前記液体の溶媒成分を除去し、
前記クリーニング液を前記吐出口面に付与し、
前記吐出口面をワイピングすることを順に行う。
上記発明によれば、吐出口面に付着した液体の溶媒成分が除去され、その後、溶媒成分が除去された吐出口面にクリーニング液が付与され、さらにクリーニング液が付与された吐出口面がワイピングされる。したがって、クリーニング液が溶媒で希釈されることを抑制することが可能になるため、吐出口面に液体内の顔料の凝集物や樹脂粒子の凝集物が付着していても、吐出口面を十分にクリーニングすることができる。
液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する記録ヘッドを備える液体吐出記録装置が、
前記吐出口面に付着した前記液体の溶媒成分を除去し、
前記クリーニング液を前記吐出口面に付与し、
前記吐出口面をワイピングすることを順に行う。
上記発明によれば、吐出口面に付着した液体の溶媒成分が除去され、その後、溶媒成分が除去された吐出口面にクリーニング液が付与され、さらにクリーニング液が付与された吐出口面がワイピングされる。したがって、クリーニング液が溶媒で希釈されることを抑制することが可能になるため、吐出口面に液体内の顔料の凝集物や樹脂粒子の凝集物が付着していても、吐出口面を十分にクリーニングすることができる。
したがって、本発明によれば、液体の吐出安定性を維持することが可能である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、同一の機能を有する構成要素については同じ符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
<概要>
本発明の一実施形態に係るクリーニング方法では、以下の第1工程〜第3工程を順番に実行する。
第1工程:溶媒除去工程
第2工程:クリーニング液付与工程
第3工程:ワイピング工程
第1〜第3工程が、記載した順番で実行されることにより、吐出口面に付着した顔料凝集物や樹脂粒子凝集物(以下、顔料凝集物や樹脂粒子凝集物をまとめて凝集物ともいう。)を効果的に除去することができる。凝集物を効果的に除去することで、長期間にわたって吐出安定性を維持することが可能になる。
第1工程は、後述する溶媒除去手段を用いて、吐出口面に付着したインクの少なくとも溶媒成分を除去する溶媒除去工程である。この溶媒除去工程を行うことで、吐出口面に付着した凝集物の界面に存在する溶媒成分が除去される。溶媒成分が除去されると、吐出口面には、主に顔料や樹脂粒子の固形物が残留する状態となる。
第2工程は、第1工程の後に実行される。第2工程は、吐出口面に対して、クリーニング液を付与するクリーニング液付与工程である。クリーニング液は、固形物と吐出口面との界面に入り込むことで、固形物と吐出口面との付着力を低下させる。また、固形物はクリーニング液に浸されることで、溶解および膨潤する。
第1工程で溶媒成分を除去する前にクリーニング液が吐出口面に付与されると、凝集物の周辺にインクの溶媒成分が残留しているため、クリーニング液を付与しても、クリーニング液がインクの溶媒成分と混合して希釈されてしまう。これに対して、上記第2工程では、第1工程でインクの溶媒成分が除去された後に、クリーニング液が付与される。このため、クリーニング液がインクの溶媒成分により希釈されることがないため、高いクリーニング効果を発揮することができる。これにより、第2工程が実行されると、凝集物と吐出口面との間にクリーニング液が入り込んで、凝集物が浮き上がった状態となっている。
第3工程は、吐出口面上を移動するワイパーを用いたワイピング工程である。ワイパーを用いて、吐出口面上をワイピングすることで、クリーニング液により吐出口面上で浮き上がった状態の凝集物を剥がし取り、除去することができる。
特に、インクに含まれる樹脂粒子の最低造膜温度(MFT:Minimum Film Formation Temparature)が低い場合、樹脂粒子が凝集して造膜し、吐出口面に強固に付着する。最低造膜温度が60度以下の樹脂粒子がインクに含まれる場合、樹脂被膜が吐出口面で形成され易くなり、最低造膜温度が40℃以下の樹脂粒子がインクに含まれる場合、さらに、樹脂被膜が吐出口面で形成され易くなる。このため、この樹脂粒子を除去することが困難であったが、上記第1〜第3工程を実行することで、このような樹脂粒子を除去することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るクリーニング方法では、以下の第1工程〜第3工程を順番に実行する。
第1工程:溶媒除去工程
第2工程:クリーニング液付与工程
第3工程:ワイピング工程
第1〜第3工程が、記載した順番で実行されることにより、吐出口面に付着した顔料凝集物や樹脂粒子凝集物(以下、顔料凝集物や樹脂粒子凝集物をまとめて凝集物ともいう。)を効果的に除去することができる。凝集物を効果的に除去することで、長期間にわたって吐出安定性を維持することが可能になる。
第1工程は、後述する溶媒除去手段を用いて、吐出口面に付着したインクの少なくとも溶媒成分を除去する溶媒除去工程である。この溶媒除去工程を行うことで、吐出口面に付着した凝集物の界面に存在する溶媒成分が除去される。溶媒成分が除去されると、吐出口面には、主に顔料や樹脂粒子の固形物が残留する状態となる。
第2工程は、第1工程の後に実行される。第2工程は、吐出口面に対して、クリーニング液を付与するクリーニング液付与工程である。クリーニング液は、固形物と吐出口面との界面に入り込むことで、固形物と吐出口面との付着力を低下させる。また、固形物はクリーニング液に浸されることで、溶解および膨潤する。
第1工程で溶媒成分を除去する前にクリーニング液が吐出口面に付与されると、凝集物の周辺にインクの溶媒成分が残留しているため、クリーニング液を付与しても、クリーニング液がインクの溶媒成分と混合して希釈されてしまう。これに対して、上記第2工程では、第1工程でインクの溶媒成分が除去された後に、クリーニング液が付与される。このため、クリーニング液がインクの溶媒成分により希釈されることがないため、高いクリーニング効果を発揮することができる。これにより、第2工程が実行されると、凝集物と吐出口面との間にクリーニング液が入り込んで、凝集物が浮き上がった状態となっている。
第3工程は、吐出口面上を移動するワイパーを用いたワイピング工程である。ワイパーを用いて、吐出口面上をワイピングすることで、クリーニング液により吐出口面上で浮き上がった状態の凝集物を剥がし取り、除去することができる。
特に、インクに含まれる樹脂粒子の最低造膜温度(MFT:Minimum Film Formation Temparature)が低い場合、樹脂粒子が凝集して造膜し、吐出口面に強固に付着する。最低造膜温度が60度以下の樹脂粒子がインクに含まれる場合、樹脂被膜が吐出口面で形成され易くなり、最低造膜温度が40℃以下の樹脂粒子がインクに含まれる場合、さらに、樹脂被膜が吐出口面で形成され易くなる。このため、この樹脂粒子を除去することが困難であったが、上記第1〜第3工程を実行することで、このような樹脂粒子を除去することが可能となる。
以下この発明の好適な実施の形態を例示する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する主旨のものではない。以下、記録装置の例としてインクジェット方式のプリンタの実施形態を説明する。本明細書において「記録装置」とは、プリント機能に特化した専用機に限らず、プリント機能とその他の機能を複合した複合機や、基板などにパターンを形成する製造装置等も含むものとする。
<溶媒除去工程>
本発明の溶媒除去工程では吐出口面のインクの溶媒を極力除去することが好ましいが、必ずしもすべての溶媒を除去する必要はない。凝集物と吐出口との界面、凝集物内部に存在する溶媒は溶媒除去の方法によっては十分除去できない場合がある。
しかしながら本発明のクリーニング方法では、凝集物と吐出口との界面、凝集物内部以外の溶媒成分を除去すれば、後述するクリーニング液の付与により、凝集物と吐出口界面や凝集物細孔内の溶媒成分がクリーニング液と十分に置換することができる。このため、良好なクリーニング効果が得られる。凝集物と吐出口との界面、凝集物内部以外の溶媒成分を除去するためには、インク中の溶媒成分(水や水溶性有機溶剤)のうち90質量%以上の溶媒除去を行うことが好ましい。
本発明における溶媒除去手段(溶媒除去部)は、公知の溶媒除去方法を特に制限なく用いることができる。溶媒除去方法としては、例えば、多孔質吸収体を用いて溶媒を吸収する方法、風圧により吐出口面から溶媒を吹き飛ばす方法、および、乾燥により溶媒を蒸発させる方法などが挙げられる。多孔質吸収体を用いて溶媒を吸収する方法は、簡易な構造で実現することが可能であり、クリーニング効果が高いことから好ましい。
本発明の溶媒除去工程では吐出口面のインクの溶媒を極力除去することが好ましいが、必ずしもすべての溶媒を除去する必要はない。凝集物と吐出口との界面、凝集物内部に存在する溶媒は溶媒除去の方法によっては十分除去できない場合がある。
しかしながら本発明のクリーニング方法では、凝集物と吐出口との界面、凝集物内部以外の溶媒成分を除去すれば、後述するクリーニング液の付与により、凝集物と吐出口界面や凝集物細孔内の溶媒成分がクリーニング液と十分に置換することができる。このため、良好なクリーニング効果が得られる。凝集物と吐出口との界面、凝集物内部以外の溶媒成分を除去するためには、インク中の溶媒成分(水や水溶性有機溶剤)のうち90質量%以上の溶媒除去を行うことが好ましい。
本発明における溶媒除去手段(溶媒除去部)は、公知の溶媒除去方法を特に制限なく用いることができる。溶媒除去方法としては、例えば、多孔質吸収体を用いて溶媒を吸収する方法、風圧により吐出口面から溶媒を吹き飛ばす方法、および、乾燥により溶媒を蒸発させる方法などが挙げられる。多孔質吸収体を用いて溶媒を吸収する方法は、簡易な構造で実現することが可能であり、クリーニング効果が高いことから好ましい。
本発明の多孔質吸収体による溶媒除去手段について図を参照して説明する。
図1(A)は本発明の記録ヘッド1の吐出口面14に付着したインクから溶媒除去を行う方法の第1の構成モデル図であり、図1(B)は多孔質吸収体21が記録ヘッド1の吐出口面14に押し当てられた状態を示す。図1(C)は図1(B)の状態から多孔質吸収体を記録ヘッド1の吐出口面14から引き離した直後の説明図である。
記録ヘッド1は、液室11、ノズルチップ12、ノズル13を備える。液室11はインクを一時蓄積してノズルチップ12にインクを供給する。ノズルチップ12には液室11から供給されたインクを液滴として吐出させるための複数のノズル13がノズル面に配列されている。
ノズル13の各ノズルにはインク滴を吐出させるためのエネルギー発生素子が設けられている。本実施例ではエネルギー発生素子は発熱素子である。しかしながら、エネルギー発生素子は、これに限らず、ピエゾ素子を用いる方式、静電素子を用いる方式、MEMS素子を用いる方式など、別の方式のインクジェット方式を採用するようにしてもよい。
溶媒除去機構2は、多孔質吸収体21、溶媒除去吸収体支持体22、ポンプ23、チューブ24、廃インク収容部25を備える。溶媒除去吸収体支持体22は多孔質吸収体21を支持する。多孔質吸収体21は、吸収部材の一例であり、内部に管状部である空洞を有している。多孔質吸収体21は、この空洞内にインクを保持する。多孔質吸収体に保持されたインクは、チューブ24を介してポンプ23で吸引することで廃インク収容部25に収容される。
溶媒除去を行うとき、図1(A)の状態から、溶媒除去機構2を記録ヘッド1側に移動させることで、図1(B)に示したように多孔質吸収体21を記録ヘッド1の吐出口面14に押圧する。これにより、多孔質吸収体21は、記録ヘッド1の吐出口面14に密着して、吐出口面14に付着したインクに接触する。多孔質吸収体21に接触したインクは毛管力により、インクの溶媒が吐出口面14から多孔質吸収体21の方へ移動する。この時、インクの溶媒と共に顔料や樹脂粒子も多孔質吸収体の方へ移動しても構わない。
次に図1(C)に示すように多孔質吸収体21を記録ヘッド1から引き離すと、多孔質吸収体21で吸収することができなかった凝集物が吐出口面14に残留する。特に造膜した樹脂粒子は吐出口面14に強固に付着するため、多孔質吸収体による溶媒除去を行っても除去が難しく、吐出口面14に残留する。
また、本発明において多孔質吸収体に保持される溶媒は廃インクとして廃インク収容部25に排出することで、多孔質吸収体を初期状態に近づけることができ、繰り返し溶媒除去動作を行うことができる。多孔質吸収体21に保持されるインクは多孔質吸収体21と廃インク収容部25をつなぐポンプ23を用いることにより廃インクタンク25に排出することができる。
図1(A)は本発明の記録ヘッド1の吐出口面14に付着したインクから溶媒除去を行う方法の第1の構成モデル図であり、図1(B)は多孔質吸収体21が記録ヘッド1の吐出口面14に押し当てられた状態を示す。図1(C)は図1(B)の状態から多孔質吸収体を記録ヘッド1の吐出口面14から引き離した直後の説明図である。
記録ヘッド1は、液室11、ノズルチップ12、ノズル13を備える。液室11はインクを一時蓄積してノズルチップ12にインクを供給する。ノズルチップ12には液室11から供給されたインクを液滴として吐出させるための複数のノズル13がノズル面に配列されている。
ノズル13の各ノズルにはインク滴を吐出させるためのエネルギー発生素子が設けられている。本実施例ではエネルギー発生素子は発熱素子である。しかしながら、エネルギー発生素子は、これに限らず、ピエゾ素子を用いる方式、静電素子を用いる方式、MEMS素子を用いる方式など、別の方式のインクジェット方式を採用するようにしてもよい。
溶媒除去機構2は、多孔質吸収体21、溶媒除去吸収体支持体22、ポンプ23、チューブ24、廃インク収容部25を備える。溶媒除去吸収体支持体22は多孔質吸収体21を支持する。多孔質吸収体21は、吸収部材の一例であり、内部に管状部である空洞を有している。多孔質吸収体21は、この空洞内にインクを保持する。多孔質吸収体に保持されたインクは、チューブ24を介してポンプ23で吸引することで廃インク収容部25に収容される。
溶媒除去を行うとき、図1(A)の状態から、溶媒除去機構2を記録ヘッド1側に移動させることで、図1(B)に示したように多孔質吸収体21を記録ヘッド1の吐出口面14に押圧する。これにより、多孔質吸収体21は、記録ヘッド1の吐出口面14に密着して、吐出口面14に付着したインクに接触する。多孔質吸収体21に接触したインクは毛管力により、インクの溶媒が吐出口面14から多孔質吸収体21の方へ移動する。この時、インクの溶媒と共に顔料や樹脂粒子も多孔質吸収体の方へ移動しても構わない。
次に図1(C)に示すように多孔質吸収体21を記録ヘッド1から引き離すと、多孔質吸収体21で吸収することができなかった凝集物が吐出口面14に残留する。特に造膜した樹脂粒子は吐出口面14に強固に付着するため、多孔質吸収体による溶媒除去を行っても除去が難しく、吐出口面14に残留する。
また、本発明において多孔質吸収体に保持される溶媒は廃インクとして廃インク収容部25に排出することで、多孔質吸収体を初期状態に近づけることができ、繰り返し溶媒除去動作を行うことができる。多孔質吸収体21に保持されるインクは多孔質吸収体21と廃インク収容部25をつなぐポンプ23を用いることにより廃インクタンク25に排出することができる。
図2は本発明の記録ヘッドの吐出口面のインクから溶媒除去を行う方法の第2の構成モデル図であり、記録ヘッドに多孔質吸収体を回転させながら押し付ける方式である。なお、本構成モデル図では、主として上述の第1の構成モデル図との相違点を説明し、特に説明しない部分は第1の構成モデル図の場合と実質的に同じである。溶媒除去機構3は、多孔質吸収体21、溶媒除去吸収体支持体22、回転軸26を備える。多孔質吸収体21は回転軸26で固定されており、回転軸26を中心にして回転が可能である。支持体22は、図2の左右方向に移動可能である。
溶媒除去を行うとき、図2(A)の状態から、溶媒除去機構3を記録ヘッド1側(図示した矢印の方向)に移動させる。これにより、図2(B)に示すように回転軸26を中心に吐出口面に沿って多孔質吸収体21を図示した矢印の方向(反時計回り)に回転させながら吐出口面14に押し当て移動させることにより、インクの溶媒の除去を行うことができる。吐出口面14と接触するときには多孔質吸収体21は、その表面が吐出口面14に対して一定の侵入量をもって接触しており、多孔質吸収体21の表面と吐出口面14との間に接触面(ニップ部)が形成された状態で正確に接触移動可能となっている。
多孔質吸収体21の吐出口面14に対する侵入量は多孔質吸収体の圧縮弾性変形量の範囲内に選定される。また、多孔質吸収体21の移動速度や侵入量の調整により所望の吸引量を得ることができる。図2(C)に示すように多孔質吸収体21が記録ヘッド1から離れた位置まで移動することで溶媒除去が完了する。
溶媒除去を行うとき、図2(A)の状態から、溶媒除去機構3を記録ヘッド1側(図示した矢印の方向)に移動させる。これにより、図2(B)に示すように回転軸26を中心に吐出口面に沿って多孔質吸収体21を図示した矢印の方向(反時計回り)に回転させながら吐出口面14に押し当て移動させることにより、インクの溶媒の除去を行うことができる。吐出口面14と接触するときには多孔質吸収体21は、その表面が吐出口面14に対して一定の侵入量をもって接触しており、多孔質吸収体21の表面と吐出口面14との間に接触面(ニップ部)が形成された状態で正確に接触移動可能となっている。
多孔質吸収体21の吐出口面14に対する侵入量は多孔質吸収体の圧縮弾性変形量の範囲内に選定される。また、多孔質吸収体21の移動速度や侵入量の調整により所望の吸引量を得ることができる。図2(C)に示すように多孔質吸収体21が記録ヘッド1から離れた位置まで移動することで溶媒除去が完了する。
吸収体を押し当てて溶媒を除去する方法では、毛管現象を利用して溶媒の吸引を行う。このとき吸収体の吸引力すなわち毛管力が強い方が吸引力も強くなりより一層の除去効果を得ることができる。毛管力は、液面に毛細管を立てたときの管内外の液面の高さの差をh、管の半径をr、液体の密度をρ、液体の表面張力をγ、接触角をθ、重力速度をg、とすると、
h=2γcosθ/rρg
となる。したがって、毛管力を強くし、吸収体押しつけ吸引をより効果的に行うためには、インクの表面張力を大きくすること、多孔質吸収体のポアサイズを小さくすること、インクと多孔質吸収体の接触角を小さくすることが必要である。しかしながら、一般的に知られている多孔質吸収体はインクとの接触角が大きいため毛管力を強くするには、接触角を小さくすることが大変効果的である。そのため多孔質吸収体にインクの界面活性剤を含有させることなどの方法により親水化処理をして、インクと多孔質吸収体の接触角を小さくする。それにより毛管力を大きくすることができ、大きな吸引力を得られる。
その結果として吐出口面の溶媒の流速が速くなるためより一層の異物除去の効果がある。また、圧縮などにより多孔質吸収体のポアサイズを小さくすることでより強い吸引力を得ることができる。これらの手法を用いることで、凝集物と吐出口との界面、凝集物内部に存在する比較的除去しづらい溶媒成分の除去が可能となり、より効果的なクリーニングを行うことができる。
多孔質吸収体としては、例えば親水性ポリウレタン、親水性ポリオレフィン、親水性ポリビニルアルコール等の吸水性に優れた材料が好適である。上記多孔質体の気孔径は数nm〜数十μmの任意の径を使用してもよい。多孔質体の気孔径は、好ましくは100nm〜20μmの範囲である。上記多孔質体の空隙率は60%以上、90%以下になることが好ましい。空隙率が90%を超える多孔質吸収体は機械的強度が著しく低下してしまう。また、空隙率が60%より小さい場合、溶媒を保持する空隙が少なすぎて十分な溶媒量を吸収することができない。
h=2γcosθ/rρg
となる。したがって、毛管力を強くし、吸収体押しつけ吸引をより効果的に行うためには、インクの表面張力を大きくすること、多孔質吸収体のポアサイズを小さくすること、インクと多孔質吸収体の接触角を小さくすることが必要である。しかしながら、一般的に知られている多孔質吸収体はインクとの接触角が大きいため毛管力を強くするには、接触角を小さくすることが大変効果的である。そのため多孔質吸収体にインクの界面活性剤を含有させることなどの方法により親水化処理をして、インクと多孔質吸収体の接触角を小さくする。それにより毛管力を大きくすることができ、大きな吸引力を得られる。
その結果として吐出口面の溶媒の流速が速くなるためより一層の異物除去の効果がある。また、圧縮などにより多孔質吸収体のポアサイズを小さくすることでより強い吸引力を得ることができる。これらの手法を用いることで、凝集物と吐出口との界面、凝集物内部に存在する比較的除去しづらい溶媒成分の除去が可能となり、より効果的なクリーニングを行うことができる。
多孔質吸収体としては、例えば親水性ポリウレタン、親水性ポリオレフィン、親水性ポリビニルアルコール等の吸水性に優れた材料が好適である。上記多孔質体の気孔径は数nm〜数十μmの任意の径を使用してもよい。多孔質体の気孔径は、好ましくは100nm〜20μmの範囲である。上記多孔質体の空隙率は60%以上、90%以下になることが好ましい。空隙率が90%を超える多孔質吸収体は機械的強度が著しく低下してしまう。また、空隙率が60%より小さい場合、溶媒を保持する空隙が少なすぎて十分な溶媒量を吸収することができない。
<クリーニング液付与工程>
本発明におけるクリーニング液付与手段(クリーニング液付与部)は、公知の液付与法を特に制限なく用いることができる。クリーニング液を吐出口面に付与する方法としては、例えば、クリーニング液を含有させた吸収体を吐出口面に押し当てる方法、スプレーにより吐出口面にクリーニング液を吹き付ける方法等を挙げることができる。
本発明のクリーニング液を含有させた吸収体によるクリーニング液付与手段について図を参照して説明する。図3は、前述の溶媒除去工程後の記録ヘッド1の吐出口面14に残留した凝集物にクリーニング液を付与する構成モデル図である。図3(A)は記録ヘッド1とクリーニング液付与機構4が離間した状態を示す説明図である。多孔質吸収体21にはクリーニング液が含浸されている。図3(B)はクリーニング液を含有した多孔質吸収体21が記録ヘッド1の吐出口面14に押し当てられた状態を示す。
クリーニング液付与機構4は、多孔質吸収体31、クリーニング液付与吸収体支持体32、クリーニング液33、クリーニング液収容タンク34、ポンプ36、チューブ37を備える。支持体32は多孔質吸収体31を支持する。多孔質吸収体31にはクリーニング液33が保持されている。
クリーニング液の付与を行うとき、図3(A)の状態から、クリーニング液付与機構4を記録ヘッド1に移動させることで、図3(B)のように多孔質吸収体31を記録ヘッド1の吐出口面14に押し当てる。多孔質吸収体31にはクリーニング液33が含浸されているので、多孔質吸収体31が吐出口面14に密着、さらに圧縮されることでクリーニング液33が多孔質吸収体31から染み出し、吐出口面に残留する凝集物に付与される。次にクリーニング液付与機構4が記録ヘッド1から離間して、図3(A)に示す状態になることでクリーニング液の付与が完了する。
また、多孔質吸収体31に保持されるクリーニング液は、クリーニング液収容タンク34からチューブ37を介してポンプ36により多孔質吸収体31に供給することができる。クリーニング液収容タンク上面には大気連通口35が設けられている。多孔質吸収体が含有するクリーニング液を一定量に保つことで、安定したクリーニング液の付与を行うことができる。
多孔質吸収体としては、例えば親水性ポリウレタン、親水性ポリオレフィン、親水性ポリビニルアルコール等の吸水性に優れた材料が好適である。上記多孔質体の気孔径は数nm〜数百μmの任意の径を使用してもよい。多孔質体の気孔径は、好ましくは100nm〜100μmの範囲である。上記多孔質体の空隙率は60%以上、90%以下になることが好ましい。空隙率が90%を超える多孔質吸収体は機械的強度が著しく低下してしまう。また、空隙率が60%より小さい場合、クリーニング液を保持する空隙が少なすぎて十分なクリーニング液を吐出口面14に付与することができない。
本発明におけるクリーニング液付与手段(クリーニング液付与部)は、公知の液付与法を特に制限なく用いることができる。クリーニング液を吐出口面に付与する方法としては、例えば、クリーニング液を含有させた吸収体を吐出口面に押し当てる方法、スプレーにより吐出口面にクリーニング液を吹き付ける方法等を挙げることができる。
本発明のクリーニング液を含有させた吸収体によるクリーニング液付与手段について図を参照して説明する。図3は、前述の溶媒除去工程後の記録ヘッド1の吐出口面14に残留した凝集物にクリーニング液を付与する構成モデル図である。図3(A)は記録ヘッド1とクリーニング液付与機構4が離間した状態を示す説明図である。多孔質吸収体21にはクリーニング液が含浸されている。図3(B)はクリーニング液を含有した多孔質吸収体21が記録ヘッド1の吐出口面14に押し当てられた状態を示す。
クリーニング液付与機構4は、多孔質吸収体31、クリーニング液付与吸収体支持体32、クリーニング液33、クリーニング液収容タンク34、ポンプ36、チューブ37を備える。支持体32は多孔質吸収体31を支持する。多孔質吸収体31にはクリーニング液33が保持されている。
クリーニング液の付与を行うとき、図3(A)の状態から、クリーニング液付与機構4を記録ヘッド1に移動させることで、図3(B)のように多孔質吸収体31を記録ヘッド1の吐出口面14に押し当てる。多孔質吸収体31にはクリーニング液33が含浸されているので、多孔質吸収体31が吐出口面14に密着、さらに圧縮されることでクリーニング液33が多孔質吸収体31から染み出し、吐出口面に残留する凝集物に付与される。次にクリーニング液付与機構4が記録ヘッド1から離間して、図3(A)に示す状態になることでクリーニング液の付与が完了する。
また、多孔質吸収体31に保持されるクリーニング液は、クリーニング液収容タンク34からチューブ37を介してポンプ36により多孔質吸収体31に供給することができる。クリーニング液収容タンク上面には大気連通口35が設けられている。多孔質吸収体が含有するクリーニング液を一定量に保つことで、安定したクリーニング液の付与を行うことができる。
多孔質吸収体としては、例えば親水性ポリウレタン、親水性ポリオレフィン、親水性ポリビニルアルコール等の吸水性に優れた材料が好適である。上記多孔質体の気孔径は数nm〜数百μmの任意の径を使用してもよい。多孔質体の気孔径は、好ましくは100nm〜100μmの範囲である。上記多孔質体の空隙率は60%以上、90%以下になることが好ましい。空隙率が90%を超える多孔質吸収体は機械的強度が著しく低下してしまう。また、空隙率が60%より小さい場合、クリーニング液を保持する空隙が少なすぎて十分なクリーニング液を吐出口面14に付与することができない。
<ワイピング工程>
本発明のワイピング工程について図を参照して説明する。前述した溶媒除去工程、クリーニング液付与工程を行った後、凝集物は吐出口面との付着力が低下しているため、ワイピングを行うことで容易に剥がし取ることができる。
図4はワイピング工程の一例を示す構成モデル図である。図4(A)は記録ヘッド1とワイピング機構5(ワイピング部)が離間した状態を示す説明図である。図4(B)はワイパー41が記録ヘッド1の吐出口面14に摺接した状態を示す。
ワイピング機構5は、ゴム等の弾性部材で構成されるワイパー41A及び41B、ワイパーホルダ42を備える。
ワイパーホルダ42は、図4の左右方向に移動可能である。ワイピングを行うとき、図4(A)の状態から、ワイピング機構5を記録ヘッド1に移動させることで、図4(B)に示すようにワイパー41を記録ヘッド1の吐出口面14に押し当てる。ワイパー41A及び41Bは長さが異なっており、記録ヘッド1の吐出口面14との摺接時に、ワイパー41Aは比較的大きく屈曲してその側部が吐出口面14に摺接し、凝集物を掻き取る。さらにワイパー41Bの先端部(エッジ)が吐出口面14に当接することで、凝集物を効率的に掻きとり、吐出口面の凝集物の除去が行われる。
上記ワイピングを行った後は、ワイパーには凝集物が付着している。これが重力の作用に従いワイパーを伝って流れ落ちるようにする場合には、図示のワイパーホルダ42の位置の下方においてこれを受容する部材を設けることができる。また、凝集物が付着したワイパーをスポンジやスクレイパ等に当接させて、ワイパーから積極的に受容させることが好ましい。ワイパー部材の材質としては、例えばウレタン樹脂等の弾性材料(ゴム状弾性材)が好適である。
本発明のワイピング工程について図を参照して説明する。前述した溶媒除去工程、クリーニング液付与工程を行った後、凝集物は吐出口面との付着力が低下しているため、ワイピングを行うことで容易に剥がし取ることができる。
図4はワイピング工程の一例を示す構成モデル図である。図4(A)は記録ヘッド1とワイピング機構5(ワイピング部)が離間した状態を示す説明図である。図4(B)はワイパー41が記録ヘッド1の吐出口面14に摺接した状態を示す。
ワイピング機構5は、ゴム等の弾性部材で構成されるワイパー41A及び41B、ワイパーホルダ42を備える。
ワイパーホルダ42は、図4の左右方向に移動可能である。ワイピングを行うとき、図4(A)の状態から、ワイピング機構5を記録ヘッド1に移動させることで、図4(B)に示すようにワイパー41を記録ヘッド1の吐出口面14に押し当てる。ワイパー41A及び41Bは長さが異なっており、記録ヘッド1の吐出口面14との摺接時に、ワイパー41Aは比較的大きく屈曲してその側部が吐出口面14に摺接し、凝集物を掻き取る。さらにワイパー41Bの先端部(エッジ)が吐出口面14に当接することで、凝集物を効率的に掻きとり、吐出口面の凝集物の除去が行われる。
上記ワイピングを行った後は、ワイパーには凝集物が付着している。これが重力の作用に従いワイパーを伝って流れ落ちるようにする場合には、図示のワイパーホルダ42の位置の下方においてこれを受容する部材を設けることができる。また、凝集物が付着したワイパーをスポンジやスクレイパ等に当接させて、ワイパーから積極的に受容させることが好ましい。ワイパー部材の材質としては、例えばウレタン樹脂等の弾性材料(ゴム状弾性材)が好適である。
<記録装置>
本発明の記録装置を図5に示す。図5は本発明の記録装置の正面概略図であり、記録を行う記録ヘッド1、吐出口面の溶媒除去を行う溶媒除去機構3、吐出口面にクリーニング液の付与を行うクリーニング液付与機構4、吐出口面のワイピングを行うワイピング機構5が備わっている。
尚、これら以外に不図示の記録ヘッドキャッピング部、記録媒体を搬送する給紙部、記録ヘッド1を左右に駆動させる駆動部、溶媒除去機構2を上下及び記録ヘッド1のノズル方向に駆動させる駆動部、を備えている。また、これら以外に不図示のクリーニング液付与機構4を上下に駆動させる駆動部、ワイピング機構5を上下及び記録ヘッド1のノズル方向に駆動させる駆動部を備えている。また、図5で記録ヘッドは1つ図示しているが、複数個配置してもよい。その場合、溶媒除去機構、クリーニング液付与機構、ワイピング機構もヘッドの数に応じて複数個配置することが好ましい。
本発明の記録装置を図5に示す。図5は本発明の記録装置の正面概略図であり、記録を行う記録ヘッド1、吐出口面の溶媒除去を行う溶媒除去機構3、吐出口面にクリーニング液の付与を行うクリーニング液付与機構4、吐出口面のワイピングを行うワイピング機構5が備わっている。
尚、これら以外に不図示の記録ヘッドキャッピング部、記録媒体を搬送する給紙部、記録ヘッド1を左右に駆動させる駆動部、溶媒除去機構2を上下及び記録ヘッド1のノズル方向に駆動させる駆動部、を備えている。また、これら以外に不図示のクリーニング液付与機構4を上下に駆動させる駆動部、ワイピング機構5を上下及び記録ヘッド1のノズル方向に駆動させる駆動部を備えている。また、図5で記録ヘッドは1つ図示しているが、複数個配置してもよい。その場合、溶媒除去機構、クリーニング液付与機構、ワイピング機構もヘッドの数に応じて複数個配置することが好ましい。
<制御系>
図6は、記録装置の制御系のブロック図を示す。記録装置は、CPU200と、ROM201と、RAM202と、記録ヘッド1と、溶媒除去吸収体支持体22と、クリーニング液付与吸収体支持体32と、ワイパーホルダ42と、シート搬送機構51とを有する。
CPU200は記録装置の全体の各種制御を司る制御部であり、ROM201はCPU200が用いる制御プログラムや制御データを記憶する。RAM202は画像処理のために展開されたデータ保存領域となったり、制御パラメータを一時保存する。バス203はデータや制御指令を伝達する。これらCPU200、ROM201、RAM202、バス203が中心となってコントローラを構成する。
CPU200が、ROM201等に記憶された制御プログラムを読み出し、読み出した制御プログラムを実行することで、記録装置は、印刷動作を行ったり、クリーニング動作を行ったりする。CPU200は、制御プログラムに従って、記録ヘッド1、溶媒除去吸収体支持体22、クリーニング液付与吸収体支持体32、ワイパーホルダ42、およびシート搬送機構51などに動作を制御指令を与える。
CPU200からの制御指令はバス203を通じて記録ヘッド1、溶媒除去吸収体支持体22、クリーニング液付与吸収体支持体32、 ワイパーホルダ42、シート搬送機構等に伝達され、それぞれが指令に従って作動する。シート搬送機構は、記録ヘッド1でプリントを行なうシートを一定速度で搬送させるための搬送ローラ等を含む機構である。
コントローラのROM201には、プリントモードとクリーニングモードを選択的に実行するための制御プログラムが記憶されている。コントローラは、プリントモードの実行時には、シート搬送機構で記録ヘッド1に対してシートを搬送させながら記録ヘッド1からインクを吐出させてシート上に画像を形成するように制御する。
CPU200が、クリーニング動作の各処理を記述した制御プログラムを読み出して、読み出した制御プログラムを実行した場合、CPU200は、上述の溶媒除去工程、クリーニング液付与工程、ワイピング工程を順に実行する。具体的には、CPU200は、溶媒除去吸収体支持体22を用いて、吐出口面14に付着したインクの溶媒成分を除去させる。そして、溶媒成分が除去された後に、CPU200は、クリーニング液付与吸収体支持体32を用いて、クリーニング液を吐出口面14に付与する。
またクリーニング液が付与された後に、CPU200は、ワイパーホルダ42を用いて、吐出口面14をワイピングする。
図6は、記録装置の制御系のブロック図を示す。記録装置は、CPU200と、ROM201と、RAM202と、記録ヘッド1と、溶媒除去吸収体支持体22と、クリーニング液付与吸収体支持体32と、ワイパーホルダ42と、シート搬送機構51とを有する。
CPU200は記録装置の全体の各種制御を司る制御部であり、ROM201はCPU200が用いる制御プログラムや制御データを記憶する。RAM202は画像処理のために展開されたデータ保存領域となったり、制御パラメータを一時保存する。バス203はデータや制御指令を伝達する。これらCPU200、ROM201、RAM202、バス203が中心となってコントローラを構成する。
CPU200が、ROM201等に記憶された制御プログラムを読み出し、読み出した制御プログラムを実行することで、記録装置は、印刷動作を行ったり、クリーニング動作を行ったりする。CPU200は、制御プログラムに従って、記録ヘッド1、溶媒除去吸収体支持体22、クリーニング液付与吸収体支持体32、ワイパーホルダ42、およびシート搬送機構51などに動作を制御指令を与える。
CPU200からの制御指令はバス203を通じて記録ヘッド1、溶媒除去吸収体支持体22、クリーニング液付与吸収体支持体32、 ワイパーホルダ42、シート搬送機構等に伝達され、それぞれが指令に従って作動する。シート搬送機構は、記録ヘッド1でプリントを行なうシートを一定速度で搬送させるための搬送ローラ等を含む機構である。
コントローラのROM201には、プリントモードとクリーニングモードを選択的に実行するための制御プログラムが記憶されている。コントローラは、プリントモードの実行時には、シート搬送機構で記録ヘッド1に対してシートを搬送させながら記録ヘッド1からインクを吐出させてシート上に画像を形成するように制御する。
CPU200が、クリーニング動作の各処理を記述した制御プログラムを読み出して、読み出した制御プログラムを実行した場合、CPU200は、上述の溶媒除去工程、クリーニング液付与工程、ワイピング工程を順に実行する。具体的には、CPU200は、溶媒除去吸収体支持体22を用いて、吐出口面14に付着したインクの溶媒成分を除去させる。そして、溶媒成分が除去された後に、CPU200は、クリーニング液付与吸収体支持体32を用いて、クリーニング液を吐出口面14に付与する。
またクリーニング液が付与された後に、CPU200は、ワイパーホルダ42を用いて、吐出口面14をワイピングする。
<インク>
本発明の記録ヘッドのクリーニングの技術に関する記録装置に用いられるインクについて説明する。
本発明の記録ヘッドのクリーニングの技術に関する記録装置に用いられるインクについて説明する。
(顔料)
顔料としては、分散剤により分散するタイプの顔料(分散剤分散型顔料)や、顔料粒子の表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散型顔料)を用いることができる。また、顔料粒子の表面に、分散剤として機能する高分子を含む有機基を化学的に結合した顔料(分散剤結合型自己分散顔料)、顔料の分散性を高めて分散剤等を用いることなく分散可能としたマイクロカプセル型顔料等も用いることができる。勿論、これらの分散方法が異なる顔料を複数組み合わせて用いることもできる。
顔料としては、カーボンブラックや有機顔料を用いることが好ましい。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上15.0質量%以下、さらには1.0質量%以上10.0質量%以下とすることが好ましい。
顔料としては、分散剤により分散するタイプの顔料(分散剤分散型顔料)や、顔料粒子の表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散型顔料)を用いることができる。また、顔料粒子の表面に、分散剤として機能する高分子を含む有機基を化学的に結合した顔料(分散剤結合型自己分散顔料)、顔料の分散性を高めて分散剤等を用いることなく分散可能としたマイクロカプセル型顔料等も用いることができる。勿論、これらの分散方法が異なる顔料を複数組み合わせて用いることもできる。
顔料としては、カーボンブラックや有機顔料を用いることが好ましい。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上15.0質量%以下、さらには1.0質量%以上10.0質量%以下とすることが好ましい。
カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックを用いることができる。具体的には、例えば、以下の市販品等を用いることができる。
レイヴァン:7000、5750、5250、5000ULTRA、3500、2000、1500、1250、1200、1190ULTRA−II、1170、1255(以上、コロンビア製)。
ブラックパールズ:L、リーガル:400R、330R、660R、モウグル:L、モナク:700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、2000、ヴァルカン:XC−72R(以上、キャボット製)。
カラーブラック:FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリンテックス:35、U、V、140U、140V、スペシャルブラック:6、5、4A、4(以上、デグッサ製)。
No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学製)。
勿論、本発明においては、これらに限定されるものではなく従来公知のカーボンブラックを用いることが可能である。また、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を顔料として用いてもよい。
レイヴァン:7000、5750、5250、5000ULTRA、3500、2000、1500、1250、1200、1190ULTRA−II、1170、1255(以上、コロンビア製)。
ブラックパールズ:L、リーガル:400R、330R、660R、モウグル:L、モナク:700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、2000、ヴァルカン:XC−72R(以上、キャボット製)。
カラーブラック:FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリンテックス:35、U、V、140U、140V、スペシャルブラック:6、5、4A、4(以上、デグッサ製)。
No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学製)。
勿論、本発明においては、これらに限定されるものではなく従来公知のカーボンブラックを用いることが可能である。また、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を顔料として用いてもよい。
有機顔料としては、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッド等の水不溶性アゾ顔料。
リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の水溶性アゾ顔料。アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体。
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料。キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料。
ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料。
イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料。
ベンズイミダゾロンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料。
ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料。
インジゴ系顔料。縮合アゾ系顔料。チオインジゴ系顔料。
ジケトピロロピロール系顔料。
フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、キノフタロンイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等。
また、有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、例えば、以下のものを用いることができる。勿論、下記以外でも従来公知の有機顔料を用いることができる。
C.I.ピグメントイエロー:12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185等。
C.I.ピグメントオレンジ:16、36、43、51、55、59、61、71等。
C.I.ピグメントレッド:9、48、49、52、53、57、122、123、149、168、175、176、177、180、192等。同:215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272等。
C.I.ピグメントバイオレット:19、23、29、30、37、40、50等。
C.I.ピグメントブルー:15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64等。C.I.ピグメントグリーン:7、36等。
C.I.ピグメントブラウン:23、25、26等。
トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッド等の水不溶性アゾ顔料。
リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の水溶性アゾ顔料。アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体。
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料。キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料。
ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料。
イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料。
ベンズイミダゾロンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料。
ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料。
インジゴ系顔料。縮合アゾ系顔料。チオインジゴ系顔料。
ジケトピロロピロール系顔料。
フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、キノフタロンイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等。
また、有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、例えば、以下のものを用いることができる。勿論、下記以外でも従来公知の有機顔料を用いることができる。
C.I.ピグメントイエロー:12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185等。
C.I.ピグメントオレンジ:16、36、43、51、55、59、61、71等。
C.I.ピグメントレッド:9、48、49、52、53、57、122、123、149、168、175、176、177、180、192等。同:215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272等。
C.I.ピグメントバイオレット:19、23、29、30、37、40、50等。
C.I.ピグメントブルー:15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64等。C.I.ピグメントグリーン:7、36等。
C.I.ピグメントブラウン:23、25、26等。
〔樹脂分散型顔料〕
上記で挙げたような顔料を分散剤により水性媒体中に分散する、即ち分散剤分散型顔料を含有するインクとするためには、分散剤として水溶性を有する樹脂(水溶性高分子分散剤)等を用いることが好ましい。
分散剤には、アニオン性基等の作用によって上記顔料を水性媒体中に安定に分散することのできるものが好ましい。分散剤として用いる樹脂の重量平均分子量は、1,000以上30,000以下、さらには3,000以上15,000以下であることが好ましい。また、分散剤としての樹脂の酸価は、130mgKOH/g乃至180mgKOH/gであることが好ましい。インク中の分散剤としての樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
分散剤として用いる樹脂の具体例には、例えば、以下のものが挙げられる。
スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等。スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等。スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等。スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体等。ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体等。またはこれらの共重合体の塩等。
なお、普通紙等に形成した画像の耐擦過性や耐水性等、また、光沢性を有する記録媒体に形成した画像の光沢性等を向上するために、上記顔料以外の色材を含有するインクに、上記で挙げた分散剤をアニオン性樹脂として添加することがある。このような場合でも、本発明のヘッド用液体と前記インクとを組み合わせて用いることで、本発明の効果を得ることができる。
上記で挙げたような顔料を分散剤により水性媒体中に分散する、即ち分散剤分散型顔料を含有するインクとするためには、分散剤として水溶性を有する樹脂(水溶性高分子分散剤)等を用いることが好ましい。
分散剤には、アニオン性基等の作用によって上記顔料を水性媒体中に安定に分散することのできるものが好ましい。分散剤として用いる樹脂の重量平均分子量は、1,000以上30,000以下、さらには3,000以上15,000以下であることが好ましい。また、分散剤としての樹脂の酸価は、130mgKOH/g乃至180mgKOH/gであることが好ましい。インク中の分散剤としての樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
分散剤として用いる樹脂の具体例には、例えば、以下のものが挙げられる。
スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等。スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等。スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等。スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体等。ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体等。またはこれらの共重合体の塩等。
なお、普通紙等に形成した画像の耐擦過性や耐水性等、また、光沢性を有する記録媒体に形成した画像の光沢性等を向上するために、上記顔料以外の色材を含有するインクに、上記で挙げた分散剤をアニオン性樹脂として添加することがある。このような場合でも、本発明のヘッド用液体と前記インクとを組み合わせて用いることで、本発明の効果を得ることができる。
〔自己分散型顔料〕
上記で挙げたような顔料は、顔料粒子の表面にイオン性基(アニオン性基)を結合することにより、分散剤を用いることなく水性媒体中に分散可能である自己分散型顔料とすることもできる。具体的には、例えば、アニオン性基がカーボンブラック粒子の表面に結合した自己分散型カーボンブラック等が挙げられる。
前記アニオン性基には、例えば、−(COOM)n、−SO3M、−PO3HM、−PO3HM2等が挙げられる。なお、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムであり、nは1以上の整数である。これらのアニオン性基は、カーボンブラック粒子の表面に直接又は他の原子団(−R−)を介して結合していることが好ましい。前記他の原子団(−R−)としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香環が挙げられる。
上記で挙げたような顔料は、顔料粒子の表面にイオン性基(アニオン性基)を結合することにより、分散剤を用いることなく水性媒体中に分散可能である自己分散型顔料とすることもできる。具体的には、例えば、アニオン性基がカーボンブラック粒子の表面に結合した自己分散型カーボンブラック等が挙げられる。
前記アニオン性基には、例えば、−(COOM)n、−SO3M、−PO3HM、−PO3HM2等が挙げられる。なお、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムであり、nは1以上の整数である。これらのアニオン性基は、カーボンブラック粒子の表面に直接又は他の原子団(−R−)を介して結合していることが好ましい。前記他の原子団(−R−)としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香環が挙げられる。
(樹脂粒子)
本発明において、「樹脂粒子」とは、粒径を有する状態で溶媒中に分散して存在する樹脂からなる粒子を意味する。
樹脂粒子の最低造膜温度(MFT)は、使用するモノマーの種類やその組成比、樹脂粒子の重量平均分子量などにより値が異なる。樹脂粒子の最低造膜温度はISO2115の試験法に準拠して測定することができる。
樹脂粒子の50%累積体積平均粒径(D50)は、10nm以上1,000nm以下であることが好ましい。また、40nm以上500nm以下であることがより好ましい。尚、本発明において樹脂粒子のD50は、以下の方法で測定する。樹脂粒子分散体を純水で50倍(体積基準)に希釈し、UPA−EX150(日機装製)を使用して、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.5の測定条件で測定する。
また、樹脂粒子を構成する樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下であることが好ましい。
インク中の樹脂粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として3質量%以上30質量%以下、さらには3質量%以上15質量%以下とすることが好ましい。
本発明において、樹脂粒子としては、上述の樹脂粒子の定義を満たすものであれば、何れのものもインクに使用することができる。樹脂粒子に用いられるモノマーとしては、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法などで重合可能なモノマーであれば何れのものも用いることが可能である。
モノマーの違いによって、例えば、アクリル系、酢酸ビニル系、エステル系、エチレン系、ウレタン系、合成ゴム系、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、オレフィン系などの樹脂粒子が挙げられる。これらの中でも、アクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子を用いることが好ましい。本発明においては、樹脂粒子はアニオン性の樹脂粒子であることが好ましい。
アクリル樹脂粒子に具体的に使用可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、アンゲリカ酸、イタコン酸、フマル酸などのα,β−不飽和カルボン酸及びその塩;
エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノブチル、イタコン酸ジメチルなどのα,β−不飽和カルボン酸のエステル化合物;
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、マレイン酸モノアミド、クロトン酸メチルアミドなどのα,β−不飽和カルボン酸のアルキルアミド化合物;
スチレン、α−メチルスチレン、フェニル酢酸ビニル、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのアリール基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物;
エチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレートなどの多官能アルコールのエステル化合物などが挙げられる。
これらは、単一のモノマーが重合した単重合体でもよく、2種以上のモノマーが重合した共重合体でもよい。樹脂粒子が共重合体の場合は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。中でも、親水性のモノマーと疎水性のモノマーを用いた樹脂粒子が好ましい。親水性モノマーとしては、α,β−不飽和カルボン酸及びその塩が挙げられ、疎水性モノマーとしてはα,β−不飽和カルボン酸のエステル化合物やアリール基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物が挙げられる。
ウレタン樹脂粒子は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であるポリイソシアネートと、2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物であるポリオール化合物を反応させて合成する樹脂粒子である。本発明においては、上記樹脂粒子の条件を満たすものであれば、公知のポリイソシアネート化合物と公知のポリオール化合物を反応させて得られるウレタン樹脂粒子を何れも用いることができる。
一方、樹脂粒子の構造としては、単層構造の樹脂粒子と、コアシェル構造などの複層構造の樹脂粒子が挙げられる。
本発明において、「樹脂粒子」とは、粒径を有する状態で溶媒中に分散して存在する樹脂からなる粒子を意味する。
樹脂粒子の最低造膜温度(MFT)は、使用するモノマーの種類やその組成比、樹脂粒子の重量平均分子量などにより値が異なる。樹脂粒子の最低造膜温度はISO2115の試験法に準拠して測定することができる。
樹脂粒子の50%累積体積平均粒径(D50)は、10nm以上1,000nm以下であることが好ましい。また、40nm以上500nm以下であることがより好ましい。尚、本発明において樹脂粒子のD50は、以下の方法で測定する。樹脂粒子分散体を純水で50倍(体積基準)に希釈し、UPA−EX150(日機装製)を使用して、SetZero:30s、測定回数:3回、測定時間:180秒、屈折率:1.5の測定条件で測定する。
また、樹脂粒子を構成する樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の重量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下であることが好ましい。
インク中の樹脂粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として3質量%以上30質量%以下、さらには3質量%以上15質量%以下とすることが好ましい。
本発明において、樹脂粒子としては、上述の樹脂粒子の定義を満たすものであれば、何れのものもインクに使用することができる。樹脂粒子に用いられるモノマーとしては、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法などで重合可能なモノマーであれば何れのものも用いることが可能である。
モノマーの違いによって、例えば、アクリル系、酢酸ビニル系、エステル系、エチレン系、ウレタン系、合成ゴム系、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、オレフィン系などの樹脂粒子が挙げられる。これらの中でも、アクリル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子を用いることが好ましい。本発明においては、樹脂粒子はアニオン性の樹脂粒子であることが好ましい。
アクリル樹脂粒子に具体的に使用可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、アンゲリカ酸、イタコン酸、フマル酸などのα,β−不飽和カルボン酸及びその塩;
エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノブチル、イタコン酸ジメチルなどのα,β−不飽和カルボン酸のエステル化合物;
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、マレイン酸モノアミド、クロトン酸メチルアミドなどのα,β−不飽和カルボン酸のアルキルアミド化合物;
スチレン、α−メチルスチレン、フェニル酢酸ビニル、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのアリール基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物;
エチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレートなどの多官能アルコールのエステル化合物などが挙げられる。
これらは、単一のモノマーが重合した単重合体でもよく、2種以上のモノマーが重合した共重合体でもよい。樹脂粒子が共重合体の場合は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。中でも、親水性のモノマーと疎水性のモノマーを用いた樹脂粒子が好ましい。親水性モノマーとしては、α,β−不飽和カルボン酸及びその塩が挙げられ、疎水性モノマーとしてはα,β−不飽和カルボン酸のエステル化合物やアリール基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物が挙げられる。
ウレタン樹脂粒子は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であるポリイソシアネートと、2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物であるポリオール化合物を反応させて合成する樹脂粒子である。本発明においては、上記樹脂粒子の条件を満たすものであれば、公知のポリイソシアネート化合物と公知のポリオール化合物を反応させて得られるウレタン樹脂粒子を何れも用いることができる。
一方、樹脂粒子の構造としては、単層構造の樹脂粒子と、コアシェル構造などの複層構造の樹脂粒子が挙げられる。
(溶媒)
インクは、溶媒として、水、または水と水溶性有機溶剤の混合物を含むことができ、水と水溶性有機溶剤の混合物を含有することが好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。また、水は脱イオン水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、例えば、以下のものを用いることができる。これらの水溶性有機溶剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1乃至4のアルキルアルコール類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類。アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類。
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2乃至6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類。
チオジグリコール。ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルキルエーテルアセテート。グリセリン。エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類。N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等。
インクは、溶媒として、水、または水と水溶性有機溶剤の混合物を含むことができ、水と水溶性有機溶剤の混合物を含有することが好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。また、水は脱イオン水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、例えば、以下のものを用いることができる。これらの水溶性有機溶剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1乃至4のアルキルアルコール類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類。アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類。
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2乃至6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類。
チオジグリコール。ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルキルエーテルアセテート。グリセリン。エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類。N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等。
(その他成分)
インクには、保湿性維持のために、上記した成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の保湿性固形分を用いても良い。インク中の保湿性固形分の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。さらに、インクには、上記の成分の他に必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤等の種々の添加剤を含有してもよい。
インクをインクジェット方式(例えば、サーマル方式やピエゾ方式等)で記録媒体に付与する場合には、インクの粘度や表面張力を調整して、所望のインクジェット吐出特性を有するようにすることが好ましい。
インクには、保湿性維持のために、上記した成分の他に、尿素、尿素誘導体、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の保湿性固形分を用いても良い。インク中の保湿性固形分の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。さらに、インクには、上記の成分の他に必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤等の種々の添加剤を含有してもよい。
インクをインクジェット方式(例えば、サーマル方式やピエゾ方式等)で記録媒体に付与する場合には、インクの粘度や表面張力を調整して、所望のインクジェット吐出特性を有するようにすることが好ましい。
<クリーニング液>
本発明のクリーニング液に用いられる物質には、吐出口面と凝集物との界面に入り込み、凝集物と吐出口面との吸着力を低下することや、凝集物を溶解、膨潤することができるという特性を有する物質が挙げられる。本発明者らが検討を行った結果、クリーニング液に用いられる物質として、特定の化合物を用いることで、凝集物を除去する効果が得られることを確認した。具体的には、1,2−アルカンジオール及びグリコールモノアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
このような効果が得られる理由を、本発明者らは以下のように推測している。上記で挙げたような特定の化合物を含有するクリーニング液は表面張力が低く、さらに、記録ヘッドの吐出口面及び凝集物に対する親和性が高くなる。そのためクリーニング液は吐出口面と顔料や樹脂粒子の固形物との界面に入り込み、固形物と吐出口面との付着力を低下させることができ、さらには顔料や樹脂粒子の固形物を溶解、膨潤させることができる。その結果、ワイピングを行うことで吐出口面に付着した凝集物を容易に剥がし取ることができるため、凝集物を容易に除去する効果を発現するものと考えている。
クリーニング液中の前記特定の化合物は、1,2−アルカンジオール及びグリコールモノアルキルエーテルの少なくとも1種である。前記特定の化合物の含有量(質量%)(複数種を用いる場合はその合計量)は、クリーニング液全質量を基準として、50質量%以上、さらには70質量%以上であることが好ましい。
1,2−アルカンジオールとしては、炭素数5〜10の1,2−アルカンジオール、例えば、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。
また、グリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。
本発明のクリーニング液に用いられる物質には、吐出口面と凝集物との界面に入り込み、凝集物と吐出口面との吸着力を低下することや、凝集物を溶解、膨潤することができるという特性を有する物質が挙げられる。本発明者らが検討を行った結果、クリーニング液に用いられる物質として、特定の化合物を用いることで、凝集物を除去する効果が得られることを確認した。具体的には、1,2−アルカンジオール及びグリコールモノアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
このような効果が得られる理由を、本発明者らは以下のように推測している。上記で挙げたような特定の化合物を含有するクリーニング液は表面張力が低く、さらに、記録ヘッドの吐出口面及び凝集物に対する親和性が高くなる。そのためクリーニング液は吐出口面と顔料や樹脂粒子の固形物との界面に入り込み、固形物と吐出口面との付着力を低下させることができ、さらには顔料や樹脂粒子の固形物を溶解、膨潤させることができる。その結果、ワイピングを行うことで吐出口面に付着した凝集物を容易に剥がし取ることができるため、凝集物を容易に除去する効果を発現するものと考えている。
クリーニング液中の前記特定の化合物は、1,2−アルカンジオール及びグリコールモノアルキルエーテルの少なくとも1種である。前記特定の化合物の含有量(質量%)(複数種を用いる場合はその合計量)は、クリーニング液全質量を基準として、50質量%以上、さらには70質量%以上であることが好ましい。
1,2−アルカンジオールとしては、炭素数5〜10の1,2−アルカンジオール、例えば、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。
また、グリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。
以下に、本発明の実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、以下の実施例により限定されるものではない。なお、以下の記載で、「部」又は「%」とあるものは特に断らない限り質量基準である。
(顔料分散体の調製)
<ブラック顔料分散液1の調整>
カーボンブラック(製品名:モナク1100、キャボット製)10部、樹脂水溶液15部、純水75部を混合し、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを200部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。
なお、樹脂水溶液は、スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、酸価150、重量平均分子量8,000、樹脂の含有量が20.0質量%の水溶液を水酸化カリウム水溶液で中和したものである。この分散液を遠心分離して、粗大粒子を除去した後、顔料の含有量が10.0質量%の顔料分散体1を得た。
<ブラック顔料分散液2の調整>
カーボンブラックの表面に親水性基が結合した自己分散カーボンブラック顔料として市販されているCab−O−Jet400(Cabot製)を水で希釈し、十分撹拌して顔料分散体2を得た。顔料分散体2の顔料(固形分)の含有量は15.0質量%、顔料の平均粒子径は130nmであった。
<ブラック顔料分散液1の調整>
カーボンブラック(製品名:モナク1100、キャボット製)10部、樹脂水溶液15部、純水75部を混合し、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを200部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。
なお、樹脂水溶液は、スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、酸価150、重量平均分子量8,000、樹脂の含有量が20.0質量%の水溶液を水酸化カリウム水溶液で中和したものである。この分散液を遠心分離して、粗大粒子を除去した後、顔料の含有量が10.0質量%の顔料分散体1を得た。
<ブラック顔料分散液2の調整>
カーボンブラックの表面に親水性基が結合した自己分散カーボンブラック顔料として市販されているCab−O−Jet400(Cabot製)を水で希釈し、十分撹拌して顔料分散体2を得た。顔料分散体2の顔料(固形分)の含有量は15.0質量%、顔料の平均粒子径は130nmであった。
(樹脂粒子分散体の調製)
<樹脂粒子分散体1の調製>
撹拌機、還流冷却装置及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、水100部を入れた後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で80℃に昇温させた。
水100部、ラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)1.0部、アクリル酸−2−エチルヘキシル30.8部、メタクリル酸メチル52.4部、アクリル酸16.8部を混合し、モノマーの乳化物を調製した。上記のフラスコに、モノマーの乳化物と5%の過硫酸カリウム水溶液10部を3時間かけて滴下した。その後、エージングを2時間行い、適量のイオン交換水を加えることで、最低造膜温度が12℃、体積平均粒子径が100nm、固形分の含有量が25%である、樹脂粒子分散体1を得た。
<樹脂粒子分散体2の調製>
撹拌機、還流冷却装置及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、水100部を入れた後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で80℃に昇温させた。
水100部、ラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)1.0部、スチレン20部、アクリル酸−2−エチルヘキシル30部、メタクリル酸メチル30部、アクリル酸18部を混合し、モノマーの乳化物を調製した。上記のフラスコに、モノマーの乳化物と5%の過硫酸カリウム水溶液10部を3時間かけて滴下した。その後、エージングを2時間行い、適量のイオン交換水を加えることで、最低造膜温度が20℃、体積平均粒子径が100nm、固形分の含有量が30%である、樹脂粒子分散体2を得た。
<樹脂粒子分散体3の調製>
撹拌機、還流冷却装置及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、水100部を入れた後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で70℃に昇温させた。
水50部、ラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)0.6部、アクリルアミド2部、スチレン45.5部、アクリル酸−2−エチルヘキシル48.5部、メタクリル酸3部、エチレングリコールジメタクリレート0.2部を混合し、モノマーの乳化物を調製した。上記のフラスコに、モノマーの乳化物と5%の過硫酸カリウム水溶液8部を3時間かけて滴下した。その後、エージングを2時間行い、適量のイオン交換水を加えることで、最低造膜温度が50℃、体積平均粒子径が60nm、固形分の含有量が30%である、樹脂粒子分散体3を得た。
<樹脂粒子分散体4の調製>
撹拌機、還流冷却装置及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、水100部を入れた後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で80℃に昇温させた。
水100部、ラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)1.0部、メタクリル酸エチル80部、メタクリル酸20部を混合し、モノマーの乳化物を調製した。上記のフラスコに、モノマーの乳化物と5%の過硫酸カリウム水溶液10部を3時間かけて滴下した。その後、エージングを2時間行い、適量のイオン交換水を加えることで、最低造膜温度が120℃、体積平均粒子径が100nm、固形分の含有量が30%である、樹脂粒子分散体4を得た。
<樹脂粒子分散体1の調製>
撹拌機、還流冷却装置及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、水100部を入れた後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で80℃に昇温させた。
水100部、ラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)1.0部、アクリル酸−2−エチルヘキシル30.8部、メタクリル酸メチル52.4部、アクリル酸16.8部を混合し、モノマーの乳化物を調製した。上記のフラスコに、モノマーの乳化物と5%の過硫酸カリウム水溶液10部を3時間かけて滴下した。その後、エージングを2時間行い、適量のイオン交換水を加えることで、最低造膜温度が12℃、体積平均粒子径が100nm、固形分の含有量が25%である、樹脂粒子分散体1を得た。
<樹脂粒子分散体2の調製>
撹拌機、還流冷却装置及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、水100部を入れた後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で80℃に昇温させた。
水100部、ラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)1.0部、スチレン20部、アクリル酸−2−エチルヘキシル30部、メタクリル酸メチル30部、アクリル酸18部を混合し、モノマーの乳化物を調製した。上記のフラスコに、モノマーの乳化物と5%の過硫酸カリウム水溶液10部を3時間かけて滴下した。その後、エージングを2時間行い、適量のイオン交換水を加えることで、最低造膜温度が20℃、体積平均粒子径が100nm、固形分の含有量が30%である、樹脂粒子分散体2を得た。
<樹脂粒子分散体3の調製>
撹拌機、還流冷却装置及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、水100部を入れた後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で70℃に昇温させた。
水50部、ラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)0.6部、アクリルアミド2部、スチレン45.5部、アクリル酸−2−エチルヘキシル48.5部、メタクリル酸3部、エチレングリコールジメタクリレート0.2部を混合し、モノマーの乳化物を調製した。上記のフラスコに、モノマーの乳化物と5%の過硫酸カリウム水溶液8部を3時間かけて滴下した。その後、エージングを2時間行い、適量のイオン交換水を加えることで、最低造膜温度が50℃、体積平均粒子径が60nm、固形分の含有量が30%である、樹脂粒子分散体3を得た。
<樹脂粒子分散体4の調製>
撹拌機、還流冷却装置及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、水100部を入れた後、反応系に窒素ガスを導入し、撹拌下で80℃に昇温させた。
水100部、ラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)1.0部、メタクリル酸エチル80部、メタクリル酸20部を混合し、モノマーの乳化物を調製した。上記のフラスコに、モノマーの乳化物と5%の過硫酸カリウム水溶液10部を3時間かけて滴下した。その後、エージングを2時間行い、適量のイオン交換水を加えることで、最低造膜温度が120℃、体積平均粒子径が100nm、固形分の含有量が30%である、樹脂粒子分散体4を得た。
(インクの調製)
下記表1及び表2に示した各配合割合(質量%)で各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過を行い、インク1〜18を調製した。
下記表1及び表2に示した各配合割合(質量%)で各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過を行い、インク1〜18を調製した。
(クリーニング液の調製)
下記表3に示した各配合割合(質量%)で各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過を行い、クリーニング液1〜8を調製した。
下記表3に示した各配合割合(質量%)で各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過を行い、クリーニング液1〜8を調製した。
<記録評価>
記録評価には、熱エネルギーの作用によりインクを吐出する記録ヘッドが搭載されたインクジェット記録装置PIXUS Pro9000(キヤノン製)を用いた。クリーニング動作を行わない条件で、19cm×26cmのベタパターンをインク1〜18を用いてそれぞれ60分間連続してA4用紙に記録した。
この時、記録ヘッドの温度が連続記録により約60度まで上昇していることを確認した。記録後、記録ヘッドが25℃まで冷却されるまで放置した。次にノズルチェックパターンを記録して、得られたノズルチェックパターンの状態及び記録ヘッドの吐出口面の凝集物の付着を確認した。
記録評価には、熱エネルギーの作用によりインクを吐出する記録ヘッドが搭載されたインクジェット記録装置PIXUS Pro9000(キヤノン製)を用いた。クリーニング動作を行わない条件で、19cm×26cmのベタパターンをインク1〜18を用いてそれぞれ60分間連続してA4用紙に記録した。
この時、記録ヘッドの温度が連続記録により約60度まで上昇していることを確認した。記録後、記録ヘッドが25℃まで冷却されるまで放置した。次にノズルチェックパターンを記録して、得られたノズルチェックパターンの状態及び記録ヘッドの吐出口面の凝集物の付着を確認した。
<実施例1〜45のクリーニング評価>
次に上記記録評価に用いた記録ヘッドを、図5に記載のクリーニング装置に装着した。
溶媒除去に用いる多孔質吸収体の材料としては、平均気孔径が1μm、空隙率が70%の親水性ポリウレタンを用いた。また、クリーニング液付与に用いる多孔質吸収体にはクリーニング液を十分に吸収させた、平均気孔径が1μm、空隙率が70%の親水性ポリウレタンを用いた。
記録ヘッドの吐出口面の溶媒除去、次いで吐出口面に対してクリーニング液付与、次いでワイピングの順序でクリーニング動作を行った。その後ノズルチェックパターンを記録して、得られたノズルチェックパターンの状態及び記録ヘッドの吐出口面の凝集物の付着の程度を、下記の評価基準に従って評価した。評価結果を表4〜表6に示す。
AA:ノズルチェックパターンに乱れがなく、吐出口面に凝集物の付着がほとんど見られない。
A:ノズルチェックパターンに乱れがないが、吐出口面に凝集物の付着が若干見られる。
B:ノズルチェックパターンに若干乱れが確認され、吐出口面に凝集物の付着が見られる。
C:ノズルチェックパターンに不吐出や乱れが確認され、吐出口面に凝集物の付着が見られる。
次に上記記録評価に用いた記録ヘッドを、図5に記載のクリーニング装置に装着した。
溶媒除去に用いる多孔質吸収体の材料としては、平均気孔径が1μm、空隙率が70%の親水性ポリウレタンを用いた。また、クリーニング液付与に用いる多孔質吸収体にはクリーニング液を十分に吸収させた、平均気孔径が1μm、空隙率が70%の親水性ポリウレタンを用いた。
記録ヘッドの吐出口面の溶媒除去、次いで吐出口面に対してクリーニング液付与、次いでワイピングの順序でクリーニング動作を行った。その後ノズルチェックパターンを記録して、得られたノズルチェックパターンの状態及び記録ヘッドの吐出口面の凝集物の付着の程度を、下記の評価基準に従って評価した。評価結果を表4〜表6に示す。
AA:ノズルチェックパターンに乱れがなく、吐出口面に凝集物の付着がほとんど見られない。
A:ノズルチェックパターンに乱れがないが、吐出口面に凝集物の付着が若干見られる。
B:ノズルチェックパターンに若干乱れが確認され、吐出口面に凝集物の付着が見られる。
C:ノズルチェックパターンに不吐出や乱れが確認され、吐出口面に凝集物の付着が見られる。
<比較例1〜18のクリーニング評価>
上記記録評価に用いた記録ヘッドを、実施例のクリーニング評価で使用したクリーニング装置に装着し、記録ヘッドの吐出口面の溶媒除去及び吐出口面に対してクリーニング液付与は行わず、ワイピングのみのクリーニング動作を行った。実施例と同じ評価基準に従って評価した。評価結果を表7に示す。
上記記録評価に用いた記録ヘッドを、実施例のクリーニング評価で使用したクリーニング装置に装着し、記録ヘッドの吐出口面の溶媒除去及び吐出口面に対してクリーニング液付与は行わず、ワイピングのみのクリーニング動作を行った。実施例と同じ評価基準に従って評価した。評価結果を表7に示す。
<比較例19〜63のクリーニング評価>
上記記録評価に用いた記録ヘッドを、実施例のクリーニング評価で使用したクリーニング装置に装着し、記録ヘッドの吐出口面の溶媒除去は行わず、吐出口面に対してクリーニング液付与、次いでワイピングの順序でクリーニング動作を行った。実施例と同じ評価基準に従って評価した。評価結果を表8〜表10に示す。
上記記録評価に用いた記録ヘッドを、実施例のクリーニング評価で使用したクリーニング装置に装着し、記録ヘッドの吐出口面の溶媒除去は行わず、吐出口面に対してクリーニング液付与、次いでワイピングの順序でクリーニング動作を行った。実施例と同じ評価基準に従って評価した。評価結果を表8〜表10に示す。
上記の結果から明らかなように、本発明によれば、従来のワイピングでは十分に拭き取ることができなかった吐出口面の顔料分散体を含有するインクを効果的に除去することができ、長期間にわたって吐出安定性を維持することが可能となる。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1 記録ヘッド
2 溶媒除去機構(溶媒除去部)
3 溶媒除去機構(溶媒除去部)
4 クリーニング液付与機構(クリーニング液付与部)
5 ワイピング機構(ワイピング部)
14 吐出口面
21 多孔質吸収体
22 溶媒除去吸収体支持体
31 多孔質吸収体
32 クリーニング液付与吸収体支持体
41A ワイパー
41B ワイパー
42 ワイパーホルダ
200 CPU(制御部)
2 溶媒除去機構(溶媒除去部)
3 溶媒除去機構(溶媒除去部)
4 クリーニング液付与機構(クリーニング液付与部)
5 ワイピング機構(ワイピング部)
14 吐出口面
21 多孔質吸収体
22 溶媒除去吸収体支持体
31 多孔質吸収体
32 クリーニング液付与吸収体支持体
41A ワイパー
41B ワイパー
42 ワイパーホルダ
200 CPU(制御部)
Claims (11)
- 液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する記録ヘッドと、
前記吐出口面上を移動するワイパーを用いて、前記吐出口面をワイピングするワイピング部と、
前記吐出口面に付着した液体の溶媒成分を除去する溶媒除去部と、
前記吐出口面にクリーニング液を付与するクリーニング液付与部と、
前記溶媒除去部を用いて、前記吐出口面に付着した前記液体の溶媒成分を除去し、前記クリーニング液付与部を用いて、前記クリーニング液を前記溶媒成分が除去された前記吐出口面に付与し、前記ワイピング部を用いて、前記クリーニング液が付与された前記吐出口面をワイピングすることを順に行う制御部と、を備える液体吐出記録装置。 - 前記液体は、顔料および樹脂粒子の少なくとも一方を含有する、請求項1に記載の液体吐出記録装置。
- 前記液体は少なくとも樹脂粒子を含有し、且つ、当該樹脂粒子を構成する樹脂の最低造膜温度は60度以下である、請求項1に記載の液体吐出記録装置。
- 前記クリーニング液は、1,2−アルカンジオール、グリコールモノアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
- 前記溶媒除去部は、前記溶媒成分を吸収する吸収部材を前記吐出口面に押圧することで、前記溶媒成分を除去する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体吐出記録装置。
- 前記吸収部材は、管状部を含み、当該管状部で発生する毛管力によって前記溶媒成分を吸収する、請求項5に記載の液体吐出記録装置。
- 前記吸収部材は、多孔質吸収体である、請求項5または6に記載の液体吐出記録装置。
- 液体を吐出する吐出口が形成された吐出口面を有する記録ヘッドを備える液体吐出記録装置が、
前記吐出口面に付着した前記液体の溶媒成分を除去し、
前記クリーニング液を前記吐出口面に付与し、
前記吐出口面をワイピングする、ことを順に行うクリーニング方法。 - 前記液体は、顔料および樹脂粒子の少なくともいずれかを含有する、請求項8に記載のクリーニング方法。
- 前記液体は少なくとも樹脂粒子を含有し、且つ、当該樹脂粒子を構成する樹脂の最低造膜温度は60度以下である、請求項8に記載のクリーニング方法。
- 前記クリーニング液は、1,2−アルカンジオール、グリコールモノアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する、請求項8ないし10のいずれか1項に記載のクリーニング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014171536A JP2016043656A (ja) | 2014-08-26 | 2014-08-26 | 液体吐出記録装置およびクリーニング方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014171536A JP2016043656A (ja) | 2014-08-26 | 2014-08-26 | 液体吐出記録装置およびクリーニング方法 |
Publications (1)
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JP2014171536A Pending JP2016043656A (ja) | 2014-08-26 | 2014-08-26 | 液体吐出記録装置およびクリーニング方法 |
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JP (1) | JP2016043656A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020104458A (ja) * | 2018-12-28 | 2020-07-09 | 株式会社リコー | 印刷装置 |
-
2014
- 2014-08-26 JP JP2014171536A patent/JP2016043656A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
JP2020104458A (ja) * | 2018-12-28 | 2020-07-09 | 株式会社リコー | 印刷装置 |
JP7260844B2 (ja) | 2018-12-28 | 2023-04-19 | 株式会社リコー | 印刷方法 |
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