JP2016040912A - 時間周波数偏移通信システムにおける変調および等化 - Google Patents

時間周波数偏移通信システムにおける変調および等化 Download PDF

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Abstract

【課題】時間周波数偏移通信システムにおける変調および等化の方法およびシステムを提供する。
【解決手段】データフレーム601は、データ要素の行列[D]を定義する。デジタルエンコーダは、行列[D]601を行列[U1]602で乗算し610、行列積[U1][D]の順序の変更を行い611、スペクトル成形行列を形成する行列[U2]604で行列[U1][D]を乗算する614。時間周波数偏移行列の要素は、OTFS(正規直交時間周波数偏移)アナログ変調器によって選択され616、選択された要素は、変調信号生成のために使用され618、時間変異電波信号620を制御する。時間周波数偏移行列の1つの要素列は、時間拡散間隔608中に送信され、この列からの要素は、時間拡散間隔608のN個のタイムスライス612のうちの1つの中で送信される。
【選択図】図6A

Description

(関連出願への相互参照)
本願は、米国特許法§119(e)のもと、米国仮特許出願第61/664,020号
(名称「MODULATION AND EQUALIZATION IN AN OR
THONORMAL TIME−FREQUENCY SHIFTING COMMUN
ICATIONS SYSTEM」、2012年6月25日出願)、米国仮特許出願第6
1/801,398号(名称「MODULATION AND EQUALIZATIO
N IN AN ORTHONORMAL TIME−FREQUENCY SHIFT
ING COMMUNICATIONS SYSTEM」、2013年3月15日出願)
、米国仮特許出願第61/801,366号(名称「MODULATION AND E
QUALIZATION IN AN ORTHONORMAL TIME−FREQU
ENCY SHIFTING COMMUNICATIONS SYSTEM」、201
3年3月15日出願)、米国仮特許出願第61/801,435号(名称「MODULA
TION AND EQUALIZATION IN AN ORTHONORMAL
TIME−FREQUENCY SHIFTING COMMUNICATIONS S
YSTEM」、2013年3月15日出願)、米国仮特許出願第61/801,495号
(名称「MODULATION AND EQUALIZATION IN AN OR
THONORMAL TIME−FREQUENCY SHIFTING COMMUN
ICATIONS SYSTEM」、2013年3月15日出願)、米国仮特許出願第6
1/801,994号(名称「MODULATION AND EQUALIZATIO
N IN AN ORTHONORMAL TIME−FREQUENCY SHIFT
ING COMMUNICATIONS SYSTEM」、2013年3月15日出願)
、および、米国仮特許出願第61/801,968号(名称「MODULATION A
ND EQUALIZATION IN AN ORTHONORMAL TIME−F
REQUENCY SHIFTING COMMUNICATIONS SYSTEM」
、2013年3月15日出願)の優先権の利益を主張し、これによって、その各々の内容
は、その全体がすべての目的のために参照によって援用される。
(分野)
本開示は、概して、通信プロトコルおよび方法に関し、より具体的には、無線および他
の形態の通信に使用される信号の変調および関連処理のための方法に関する。
(背景)
光ファイバ、電子ワイヤ/ケーブル、または無線リンク等の伝送媒体を経由して通信す
るように構成されるデバイス等の現代の電子通信デバイスは全て、信号を変調し、適用可
能な伝送媒体を経由してこれらの信号を送信することによって、動作する。概して、光の
速度またはその付近で進行する、これらの信号は、種々の種類の劣化またはチャネル障害
を受け得る。例えば、変調信号が光ファイバまたはワイヤ/ケーブルの中の分岐点に遭遇
するときはいつでも、光ファイバまたはワイヤ/ケーブル媒体によってエコー信号を潜在
的に生成し得る。エコー信号はまた、無線信号が、建築物の側面および他の構造等の無線
反射表面から跳ね返るときに潜在的に生成し得る。同様に、周波数偏移は、光ファイバま
たはワイヤ/ケーブルが、いくらか異なる信号伝搬性質または異なる周囲温度を伴うファ
イバまたはケーブルの異なる領域を通過するときにも起こり得る。無線信号については、
移動車両へ、またはそこから伝送される信号は、同様に周波数偏移をもたらすドップラ効
果に遭遇し得る。加えて、基礎的機器(すなわち、伝送器および受信器)自体は、必ずし
も完璧に動作するわけではなく、同様に周波数偏移を生じ得る。
これらのエコー効果および周波数偏移は、望ましくなく、そのような偏移が大きくなり
過ぎる場合に、最大達成可能データ速度を効果的に低減させ、および/またはエラー率を
増加させることによって、ネットワーク性能に悪影響を及ぼし得る。そのような性能劣化
は、それぞれ増え続ける量のデータを送受信することを所望する、ますます多くのユーザ
に適応するように努める、無線ネットワークにおいて特に問題である。無線ネットワーク
内で、エコー効果および周波数偏移から生じる悪影響は、少なくとも部分的に、無線通信
能力を有する既存の無線デバイスの特性に起因する。具体的には、これらの携帯用無線デ
バイス(携帯電話、携帯用コンピュータ、および同等物等)は、多くの場合、小型バッテ
リによって電力供給され、そのようなデバイスのユーザは、典型的には、再充電が必要と
される前に、何時間にもわたってそれらを操作することを期待する。これらのユーザ期待
を満たすために、これらのデバイス上の無線伝送器は、非常に少量の電力を使用して無線
信号を出力しなければならず、背景雑音にわたって無線電波信号を区別することを困難に
する。
付加的な問題は、これらのデバイスの多くが自動車等の移動車両上で搬送されることで
ある。これらのデバイスによって伝送される低出力無線信号が、様々な予測不可能なドッ
プラ偏移、および多くの場合、建築物または他の構造からの様々な電波反射によって引き
起こされる、予測不可能な多経路効果等、種々の歪曲も受け得るため、これは、付加的な
複雑な事態を引き起こす。
また、種々の無線チャネルの雑音背景は、雑音生成電子デバイスが急増するにつれて、
さらに高くなる。他の無線デバイスの急増もまた、背景雑音を増大させる。
(概要)
本明細書で開示される広帯域通信のためのシステムおよび方法は、ドップラ偏移、多経
路反射、および背景雑音の問題への向上した抵抗を維持しながら、比較的少量の電力を使
用して動作することが可能である。無線通信との関連での実施例を本願の全体を通して使
用するが、本明細書で開示される方法は、別様に記述されない限り、有線通信システムに
同等に適用可能であることを目的としている。
一側面では、本開示は、信号伝送システムにおいて使用可能な変調信号を提供する方法
を説明する。この側面の方法は、複数のデータ要素を含むデータフレームを、複数の変換
データ要素を有する変換データ行列に変換するステップであって、複数の変換データ要素
のうちの要素は、複数のデータ要素のうちの複数の要素に基づく、ステップを含む。この
方法はさらに、変換データ行列の変換データ要素に従って変調信号を生成するステップを
含む。
別の側面では、本開示は、信号伝送システムにおいて使用可能な変調信号を提供する方
法を説明する。この側面の方法は、複数のデータ要素を含むデータフレームを、複数の変
換データ要素を有する変換データ行列に変換するステップであって、複数の変換データ要
素のそれぞれは、複数のデータ要素のそれぞれに基づく、ステップと、変換データ行列の
変換データ要素に従って変調信号を生成するステップとを含む。
本開示の別の側面は、通信システムで使用するための信号伝送器に関する。信号伝送器
は、入力ポートと、出力ポートと、プロセッサと、プロセッサによって実行可能なプログ
ラムコードを含むメモリとを含む。プログラムコードは、入力ポートにおいて、複数のデ
ータ要素を含むデータフレームを受信するためのコードを含む。プログラムコードはさら
に、データフレームを、複数の変換データ要素を有する変換データ行列に変換するための
コードであって、複数の変換データ要素のうちの要素は、複数のデータ要素のうちの複数
の要素に基づく、コードを含む。加えて、プログラムコードは、変換データ行列の変換デ
ータ要素に従って変調信号を生成するため、および変調信号を出力ポートに提供するため
のコードを含む。
その上さらなる側面では、本開示は、入力ポートと、出力ポートと、プロセッサと、プ
ロセッサによって実行可能なプログラムコードを含むメモリとを含む、信号伝送器に関す
る。プログラムコードは、入力ポートにおいて、複数のデータ要素を含むデータフレーム
を受信するためのコードを含む。プログラムコードはさらに、データフレームを、複数の
変換データ要素を有する変換データ行列に変換するためのコードであって、複数の変換デ
ータ要素のそれぞれは、複数のデータ要素のそれぞれに基づく、コードを含む。また、プ
ログラムコード内に、変換データ行列の変換データ要素に従って変調信号を生成するため
のコードも含まれる。
付加的な側面では、本開示は、信号伝送器の中のプロセッサによって実行するためのプ
ログラム命令を含む、非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。プログラム
命令は、プロセッサに、信号伝送器の入力ポートにおいて、複数のデータ要素を含むデー
タフレームを受信させるための命令を含む。プログラム命令はさらに、プロセッサに、デ
ータフレームを、複数の変換データ要素を有する変換データ行列に変換させ、複数の変換
データ要素のうちの要素は、複数のデータ要素のうちの複数の要素に基づく。加えて、プ
ログラム命令は、プロセッサに変換データ行列の変換データ要素に従って変調信号を生成
させる。
その上さらなる側面では、本開示は、信号伝送器の中のプロセッサによって実行するた
めのプログラム命令を含む、非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。プロ
グラム命令は、プロセッサに、信号伝送器の入力ポートにおいて、複数のデータ要素を含
むデータフレームを受信させるための命令を含む。命令はまた、プロセッサに、データフ
レームを、複数の変換データ要素を有する変換データ行列に変換させ、複数の変換データ
要素のそれぞれは、複数のデータ要素のそれぞれに基づく。加えて、プログラム命令は、
プロセッサに変換データ行列の変換データ要素に従って変調信号を生成させる。
別の側面では、本開示は、信号伝送システムにおいて使用可能な変調信号を提供する方
法を説明する。この側面の方法は、少なくともN個の要素の第1の次元および少なくとも
N個の要素の第2の次元を有する、元のデータフレームを確立するステップであって、N
は、1より大きい、ステップと、変換データ行列を提供するよう、時間周波数変換に従っ
て元のデータフレームを変換するステップと、変換データ行列の要素に従って変調信号を
生成するステップとを含む。
別の側面では、本開示は、通信システム内で伝送するためのデータを変調するための方
法を説明する。この側面の方法は、次元NxNの時間周波数偏移行列を確立するステップ
であって、Nは、1より大きい、ステップと、中間データフレームを提供するように、時
間周波数偏移行列をデータフレームと組み合わせるステップと、中間データフレームの要
素の順序を変えることによって変換データ行列を提供するステップと、変換データ行列の
要素に従って変調信号を生成するステップとを含む。
別の側面では、本開示は、データ変調の方法を説明する。この側面の方法は、N個の要
素の第1の次元およびN個の要素の第2の次元を有する、元のデータフレームの中へ一式
のデータ要素を配列するステップであって、Nは、1より大きい、ステップと、少なくと
もN個の要素を有する中間データ行列を形成するよう、時間周波数偏移行列に従って元
のデータフレームを変換するステップと、中間データ行列の要素の少なくとも一部分の順
序を変えることによって変換データ行列を提供するステップと、変換データ行列の要素に
基づいて変調信号を生成するステップとを含む。
別の側面では、本開示は、データを受信する方法を説明する。この側面の方法は、一式
のデータ要素から成る伝送データフレームに対応する、データ信号を受信するステップと
、データ信号に基づいて、少なくともN個の要素の第1の次元および少なくともN個の要
素の第2の次元を有する、受信データフレームを構築するステップであって、Nは、1よ
り大きい、ステップと、未置換データフレームを形成するよう、受信データフレームの要
素の少なくとも一部分の順序を逆に変えるステップと、伝送データフレームの再構築バー
ジョンに対応する回復データフレームを形成するよう、第1の逆変換行列に従って、未置
換データフレームを逆変換するステップとを含む。
別の側面では、本開示は、データ伝送の方法を説明する。この側面の方法は、N個の要
素の第1の次元および少なくともN個の要素の第2の次元を有する、元のデータフレーム
の中へ一式のデータ要素を配列するステップであって、Nは、1より大きい、ステップと
、少なくともN個の変換要素を有する第1の変換データ行列を形成するように、変換行
列に従って元のデータフレームを変換するステップであって、変換データ要素のそれぞれ
は、元のデータフレームの複数のデータ要素に基づき、第1の変換データ行列の第1の次
元は、周波数偏移軸に対応し、第2の次元は、時間偏移軸に対応する、ステップとを含む
。この側面の方法はさらに、時間偏移軸に関して要素の少なくとも一部分を偏移させるよ
う、第1の変換データ行列の要素の少なくとも一部分の順序を変えることによって置換デ
ータ行列を形成するステップと、伝送フレームを形成するように、周波数偏移符号化行列
を使用して置換データ行列を変換するステップと、伝送フレームの要素に従って変調信号
を生成するステップとを含む。
別の側面では、本開示は、データを受信する方法を説明する。この側面の方法は、1つ
以上の搬送波形上で、元のデータフレームの複数のデータ要素を表す信号を受信するステ
ップであって、データ要素のそれぞれは、既知の一式の波形の周期的時間偏移および周期
的周波数偏移バージョンによって表され、信号に基づいて、少なくともN個の要素の第1
の次元および少なくともN個の要素の第2の次元を有する、受信データフレームを生成す
るステップであって、Nは、1より大きく、第1の次元は、周波数偏移軸に対応し、第2
の次元は、時間偏移軸に対応する、ステップとを含む。この側面の方法はさらに、未変換
行列を生じるよう、復号行列を使用して、受信データフレームの要素に関する逆変換動作
を行うステップと、未変換行列に基づいて、元のデータフレームの推定値を備える回復デ
ータフレームを生成するステップとを含む。
別の側面では、本開示は、時間、周波数、および/またはスペクトル形状(波形)の広
い範囲にわたってデータ記号を拡散することを伴う、新しい信号変調技法を説明する。ス
ペクトル成形が採用されるときに「正規直交時間周波数偏移およびスペクトル成形(「O
TFSSS」)」、またはより一般的には「OTFS」と称される、そのような方法は、
従来技術の方法で使用されるデータフレームより概して実質的に大きい「塊」またはフレ
ームであるものの中でデータを送信することによって動作する。つまり、従来技術の方法
が、特定の時間間隔にわたって通信リンクを経由して「N」個の記号のユニットまたはフ
レームを符号化して送信し得る一方で、OTFSは、N個の記号のフレームが(多くの
場合、比較的長い時間間隔にわたって)伝送されることを考慮する。OTFS変調を用い
ると、伝送される各データ記号または要素は、時間、周波数、および/またはスペクトル
形状空間の中で、新規の様式で広範囲に拡散される。接続の受信端において、各データ記
号は、実質的にN個の受信記号のフレーム全体に基づいて分解される。
別の側面では、NxN(N)のコンボリューション単位行列(データフレーム)を使
用して、時間、周波数、および潜在的にスペクトル形状にわたって入力データを拡散する
ことを前提とする無線通信方法が本明細書で開示される。一般に、データ記号のN個全
てが、N個の特定の拡散時間間隔(それぞれN個のタイムスライスから成る)にわたって
受信されるか、またはいかなるそのような記号も受信されないかのいずれか一方である。
伝送プロセス中に、各NxNデータフレーム行列は、典型的には、第1のNxN時間周波
数偏移行列で乗算され、順序を変えられ、次いで、第2のNxNスペクトル成形行列で乗
算され、それによって、結果として生じるNxN行列全体(TFSSSデータ行列と称さ
れ得る)にわたって各データ記号を混合するであろう。次いで、TFSSSデータ行列か
らの列が、タイムスライスにつき1つの要素の基準で、選択され、変調され、伝送される
。受信器において、複製TFSSS行列が再構築されてデコンボリューションを受け、入
力データの再構築をもたらす。
本明細書で説明されるシステムおよび方法の実施形態は、時間、スペクトル、波形、お
よび/またはスペクトル形状にわたってデータを拡散するために、新規の時間周波数偏移
およびスペクトル成形コードを使用してもよい。そのような実施形態では、時間偏移技法
、周波数偏移技法、および随意にスペクトル成形技法が、ドップラ偏移、多経路効果、お
よび背景雑音によって引き起こされる問題に対して通常は抵抗性がある様式で、データを
高速で伝送するために併せて使用されてもよい。

信号伝送プロセス中に、OTFS伝送器は、周波数の周期的に変化する範囲にわたって、および一連の拡散時間間隔にわたって、各データ要素または記号を細分して伝送してもよい。多くの場合、これは、他の通信システムの中で伝送データフレームに利用されるものよりもいくらか長い期間にわたって、各データ要素または記号が伝送されることを要求するであろう。これらの潜在的により長い伝送期間にもかかわらず、OTFSシステムは、本明細書で議論されるコンボリューションおよびデコンボリューションスキームを前提としている複雑な多重化方法を使用することによって、優れたデータ速度を達成することが可能である。そのような方法の使用を通して、比較的大量の情報が、各伝送信号内に含まれてもよい。具体的には、本明細書で開示されるコンボリューションおよびデコンボリューションスキームを使用して各データフレーム中に伝送される、比較的多数(すなわち、N)のデータ記号または要素は、別様にN個の時間拡散間隔にわたる単一のデータ要素または記号の分割に起因し得る、データ速度の減少にもかかわらず、比較的高いデータ速度が獲得されることを可能にする。また、各データ記号が、典型的には、複数の信号にわたって細分されて送信されるため、本明細書で説明される信号処理スキームは、複数の伝送信号のうちの1つ以上の損失の場合でさえも、データ記号が回復させられることを可能にするために採用されてもよい。加えて、そのようなスキームは、ドップラ偏移および多経路効果等の共通無線通信リンク障害による損失を補償するために採用されてもよい。
例えば、従来技術では、第1の伝送器からの1つの無線信号によって引き起こされるド
ップラ効果が偶然に、第1または第2の伝送器からの別の信号と同一の周波数にかかる(
多経路効果については、受信器に対して恣意的な角度で物体に衝突する、移動する第1ま
たは第2の伝送器からの信号が、同様に受信器に到達する第1または第2の伝送器のドッ
プラ歪曲反射またはエコー信号を生成することができる)場合、これは、混乱、曖昧性、
およびデータ損失をもたらし得る。対照的に、周波数を周期的に偏移させ、複数の時間間
隔にわたってデータの要素を送信することによって、ドップラ「衝突」の衝撃は、実質的
に最小限化され、多くても、特定のデータ記号または要素を伝送するために使用される複
数の信号のうちの1つのみの損失をもたらす、簡潔な過渡効果が生じるであろう。周期的
に偏移する周波数が、多経路効果を補償するさらに別の方法を提供するため、多経路効果
等の他の通信リンク障害の効果も最小限化することができる。
データ要素または記号が、周期的に偏移する周波数の時間範囲にわたって分割され得る
、少なくとも2つの方法、したがって、OTFS方法の2つの基本的形態が存在する。O
TFS方法の第1の形態では、単一の記号からのデータが、複数のタイムスライスにわた
って畳み込み積分されて分割され、最終的にタイムスライスごとの基準で一連のタイムス
ライスとして伝送される。この伝送スキームが使用されるとき、周期的に偏移する周波数
は、複数の時間拡散間隔にわたって達成される。したがって、OTFS方法のこの第1の
形態については、データ伝送の基本単位は、タイムスライス基準で動作する。
OTFS方法の第2の形態では、データは、最終的に特徴的な周波数を伴う一連の波形
として伝送され、各波形は、概してN個のタイムスライスから成る拡散時間間隔にわたっ
て持続する。この伝送スキームが使用されるとき、周期的に偏移する周波数は、複数の時
間拡散間隔にわたって達成される。したがって、OTFS方法のこの第2の形態について
は、データ伝送の基本単位は、N個のタイムスライスから成る比較的長い拡散時間間隔に
わたって動作する。特に指定がない限り、本開示の残りの部分内の議論は、データ伝送の
基本単位がタイムスライス基準で動作する、OTFS方法の第1の形態に焦点を合わせる
であろう。
OTFS方法の第1の形態を再度考慮すると、一実施形態では、OTFS方法のこの形
態は、N個の記号または要素を有するNxNデータフレーム行列の形成、および第1の
NxN時間周波数偏移行列によるこのデータフレームの乗算を考慮する。この乗算の結果
は、随意に、順序を変えられ、置換に続いて、随意に、第2のNxNスペクトル成形行列
で乗算される。結果として、データのフレームの中のN個のデータ要素は、ここでは「
時間周波数偏移」データ行列または「TFS」データ行列と呼ばれる、結果として生じる
NxN行列積の全体を通して、本質的に混合または分配される。随意的なスペクトル成形
が使用される場合、結果として生じるNxN行列積は、「時間周波数偏移およびスペクト
ル成形」データ行列または「TFSSS」データ行列と称されてもよい。したがって、例
えば、データのNxNフレームの行1列1の中の単一の記号または要素は、最後には、結
果として生じるNxN TFSまたはTFSSSデータ行列の全ての行および列にわたっ
て分配されてもよい(以下では、TFSという用語は、TFSまたはTFSSSデータ行
列のいずれか一方を含意し得る)。
次いで、このTFSデータ行列の内容(すなわち、個々の要素)が、選択され、変調さ
れ、伝送されてもよい。通常、このTFSデータ行列からの一度のN個の要素(多くの場
合、TFSデータ行列からの列)が、1つの拡散時間間隔にわたって送信されるように選
択され、したがって、多くの場合、TFSデータ行列の内容全体を伝送するために、N個
の拡散時間間隔を必要とする。順に、この拡散時間間隔は、通常、少なくともN個のタイ
ムスライスから成る。各タイムスライス中に、N個の要素の最新の選択からの(例えば、
TFSデータ行列の選択された列からの)1つの要素が、選択され、変調され、伝送され
る。
受信端では、プロセスは、概して逆に動作する。TFSデータ行列の個々の要素は、種
々のタイムスライスおよび種々の時間拡散間隔にわたって受信され、受信器が元のTFS
データ行列の複製(通信リンク障害効果により、完璧な複製ではない場合がある)を組み
立て直すことを可能にする。第1のNxN時間周波数偏移行列、随意的な置換プロセス、
第2のNxNスペクトル成形行列、およびTFSデータ行列の異なる要素を選択するため
に使用される選択プロセス、ならびに障害効果を克服するための種々の雑音低減または補
償技法のその知識を使用して、次いで、受信器は、N個の記号または要素の元のNxN
データフレーム行列を再構築するであろう。元のデータフレームからの各データ記号また
は要素が、多くの場合、TFSデータ行列の全体を通して拡散されるため、多くの場合、
TFS行列のほとんどまたは全体は、元のデータ記号または要素について解くために再構
築される必要があろう。しかしながら、雑音低減または補償技法を使用することによって
、多くの場合、伝送中の軽微なデータ損失を補償することができる。
いくつかの実施形態では、周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形を利用する、先進的信号変調スキームが、広範囲の状況でチャネル障害を補正するために利用されてもよい。例えば、一側面では、OTFS方法は、エコー反射および周波数オフセットの悪影響を効果的に補償する様式で変調される信号を使用する、複数のデータ記号の転送を考慮してもよい。この方法は、概して、1つ以上のNxN記号行列の中へこの複数のデータ記号を分配するステップと、伝送器内で発生する信号変調を制御するために、これらの1つ以上のNxN記号行列を使用するステップとを含むであろう。具体的には、伝送プロセス中に、N個の波形に加重するために、NxN記号行列内の各データ記号が使用される。これらN個の波形は、符号化行列Uに従って判定される、N個の周期的時間偏移波形およびN個の周期的周波数偏移波形の全ての置換のNサイズのセットから選択される。正味の結果は、各データ記号について、N個の記号加重された周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形を生じる。概して、この符号化行列Uは、対応する逆復号行列Uを有する、NxNユニタリ行列であるように選択される。この制約の発動は、符号化行列Uが、概して復号することができる結果を生じることを意味する。
この実施例を続けると、NxN記号行列の中の各データ記号について、伝送器は、対応
するN個の記号加重された周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形を合計し、NxN
記号行列全体がそのように符号化される時間までに、N個の総和記号加重された周期的
時間偏移および周期的周波数偏移波形を生じてもよい。次いで、伝送器は、N個の時間ブ
ロックまたは周波数ブロックの任意の組み合わせにわたって、N個の複合波形として構築
される、これらのN個の総和記号加重された周期的時間偏移および周期的周波数偏移波
形を伝送するであろう。
この伝送を受信して復号するために、伝送されたN個の総和記号加重された周期的時
間偏移および周期的周波数偏移波形は、後に、対応する復号行列Uによって制御される
受信器によって受信される。次いで、受信器は、種々のNxN記号行列の中の元の記号を
再構築するために、この復号行列Uを使用するであろう。
この伝送および受信のプロセスは、通常、信号伝送器のコンボリューションおよび変調
部分を制御する、マイクロプロセッサ装備、デジタル信号プロセッサ装備、または他の電
子回路等の種々の電子デバイスによって行われるであろう。同様に、受信および復調のプ
ロセスもまた、概して、信号受信器の復調、累積、およびデコンボリューション部分を制
御する、マイクロプロセッサ装備、デジタル信号プロセッサ装備、または他の電子回路に
依存するであろう。しかしながら、本明細書で開示される例示的な技法およびシステムは
、多くの場合、少なくとも1つの無線伝送器および受信器から成る無線通信システムの文
脈内で議論されるであろうが、これらの実施例は、限定的であることを目的としていない
ことを理解されたい。代替実施形態では、伝送器および受信器は、光学/光ファイバ伝送
器および受信器、電子ワイヤまたはケーブル伝送器および受信器、または他の種類の伝送
器および受信器であってもよい。原則として、音響信号および同等物等のより特殊な信号
伝送媒体もまた、本方法と関連して利用されてもよい。
以前に議論されたように、種々の波形を伝送するために使用される媒体(例えば、光学
、電気信号、または無線信号)にかかわらず、これらの波形は、種々のエコー反射および
周波数偏移等の種々の信号障害によって歪曲されるか、または損なわれ得る。結果として
、受信器は、多くの場合、元の信号の歪曲形態を受信するであろう。ここで、OTFS方
法の実施形態は、周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形が、そのような歪曲を検出
して補正するために特に有用であるという洞察を利用する。
通信信号が有限速度で(多くの場合、光の速度またはその付近で)それぞれの通信媒体
を通って伝搬するため、および伝送器から受信器までの距離が、通常、伝送器とエコーが
生成される場所との間の距離、およびエコーが生成される場所と受信器との間の距離とは
実質的に異なるため、エコー反射の正味の効果は、最初に伝送された波形およびその時間
偏移バージョンの両方が受信器において受信され、それによって、歪曲した複合信号をも
たらすことである。しかしながら、周期的時間偏移波形を利用するOTFS方法の実施形
態が、この歪曲に対抗するために採用されてもよい。具体的には、受信器における時間デ
コンボリューションデバイスは、これらの波形の周期的時変パターンを分析し、繰り返し
パターンを判定し、エコー歪曲信号を種々の信号の種々の時間偏移バージョンに分解する
のに役立つために、これらの繰り返しパターンを使用するように動作してもよい。時間デ
コンボリューションデバイスはまた、時間遅延エコー信号が最初に伝送された信号と一致
することを可能にするために、どれだけの時間オフセット(または複数の時間オフセット
)が必要とされるかを判定することもできる。本明細書では時間デコンボリューションパ
ラメータと称され得る、この時間オフセット値は、伝送器および受信器に対するエコー場
所の相対位置として、有用な情報を与えることができるとともに、また、本システムが伝
送器と受信器との間で起こる信号障害のうちのいくつかを特徴付けるのに役立つこともで
きる。これは、より良好な性能のために、通信システムが自動的にそれ自体を最適化する
のに役立つことができる。
エコー反射に加えて、1つ以上の周波数偏移をもたらし得る、他の信号歪曲が起こり得
る。例えば、無線移動伝送器が、静止受信器に向かって、またはそこから離れて移動する
ときに、ドップラ偏移またはドップラ効果が起こり得る。無線移動伝送器が静止受信器に
向かって移動している場合、それが伝送する無線波形は、より高い周波数にオフセットさ
れ、受信器がより低い周波数で変調される信号を期待している場合に混乱を引き起こし得
る。無線移動伝送器が受信器と垂直に移動し、また、無線移動伝送器の経路の中にエコー
源(建築物等)がある場合に、さらに混乱する結果が生じ得る。ドップラ効果により、エ
コー源は、元の信号の青方偏移(より高い周波数)バージョンを受信し、元の信号のこの
青方偏移(より高い周波数)バージョンを受信器に反射する。結果として、受信器は、元
のより低い周波数で、最初に伝送された「直接」無線波形、およびまた、元の無線波形の
時間遅延したより高い周波数のバージョンの両方を受信し、かなり混乱を引き起こすであ
ろう。
周期的時間偏移波形および周期的周波数偏移波形の使用は、この種類の問題に対処する
のに役立ち得ることが分かっている。具体的には、受信した信号のどの部分が歪曲されて
いるか、およびそのような歪曲の程度を受信器が判定することを可能にし得る、重要なパ
ターン合致情報を周期変動がもたらすことが分かっている。一実施形態では、これらの周
期的に変化する信号は、受信器が、受信した信号の2次元(例えば、時間および周波数)
デコンボリューションを行うことを可能にする。例えば、受信器の周波数デコンボリュー
ション部分は、波形の周期的周波数変化パターンを分析し、本質的に周波数パターン合致
を行い、歪曲信号を種々の信号の種々の周波数偏移バージョンに分解することができる。
同時に、受信器のこの部分はまた、周波数歪曲信号を最初に伝送された信号と一致させる
ために、どれだけの周波数オフセットが必要とされるかを判定することもできる。本明細
書では「周波数デコンボリューションパラメータ」と称される、この周波数オフセット値
は、受信器に対する伝送器の速度に関する有用な情報を与えることができる。これは、伝
送器と受信器との間に起こる周波数偏移信号障害のうちのいくつかの特性化を促進し得る。
前述のように、受信器の時間デコンボリューション部分は、波形の周期的時変パターン
を分析し、時間パターン合致を再度行い、エコー歪曲信号を元の信号の種々の時間偏移バ
ージョンに分解することができる。受信器の時間デコンボリューション部分はまた、時間
遅延信号を元の信号または直接信号と一致させるために、どれだけの時間オフセットが必
要とされるかを判定することもできる。再度、「時間デコンボリューションパラメータ」
と呼ばれる、この時間オフセット値はまた、エコー場所の相対位置に関する有用な情報を
与えることもでき、また、本システムが伝送器と受信器との間に起こる信号障害のうちの
いくつかを特徴付けるのに役立つこともできる。
時間および周波数デコンボリューションの両方の正味の効果は、相互に対して異なる距
離および速度で潜在的に存在する、伝送器、受信器、およびエコー源に適用されるとき、
受信器が、損なわれたエコーおよび周波数偏移通信信号を適正に解釈することを可能にす
ることである。
さらに、たとえ受信器において、適切な時間および周波数オフセットまたはデコンボリ
ューションパラメータを適用することによって、最初に伝送された信号の歪曲されていな
い形態から受信されるエネルギーが、望ましくない信号対雑音比を有するように低くても
、代わりに信号に寄与するように、信号の時間および/または周波数偏移バージョンから
のエネルギー(別様に雑音に寄与するであろう)を代わりに利用することができる。
前述のように、時間および周波数デコンボリューションパラメータはまた、伝送器およ
び受信器に対するエコー場所の相対位置および速度、ならびに伝送器と受信器との間の種
々の速度に関する有用な情報を提供することもできる。これらは順に、本システムが伝送
器と受信器との間に起こる信号障害のうちのいくつかを特徴付けるのに役立つとともに、
自動システム最適化方法を支援することができる。
したがって、いくつかの実施形態では、OTFSシステムはまた、エコー反射および周波数オフセットのうちの1つまたは組み合わせのいずれか一方により、エコー反射および周波数オフセットによる複数の信号が、伝送器によって以前に送信されたN個の総和記号加重された周期的時間偏移および周波数偏移波形の時間および/または周波数偏移バージョンを表す、時間および/または周波数の畳み込み積分した信号を受信器に受信させる、改良型通信信号受信器のための方法を提供してもよい。ここで、改良型受信器はさらに、種々のエコー反射および周波数オフセットを補正するように、損なわれた信号の時間および/または周波数デコンボリューションを行うであろう。この改良型受信器方法は、時間および周波数の畳み込みを解いた結果(すなわち、より高い品質およびより低い信号対雑音比を伴う信号)、ならびに自動通信チャネル最適化に加えて他の目的にも有用である、種々の時間および周波数デコンボリューションパラメータをもたらすであろう。これらの他の目的は、チャネル測深(すなわち、種々の通信システム信号障害をより良好に特徴付ける)、種々の信号障害に従って変調方法を適応的に選択すること、およびレーダシステムにおける改良さえも含むことができる。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
信号伝送システムにおいて使用可能な変調信号を提供する方法であって、前記方法は、
複数のデータ要素を含むデータフレームを、複数の変換データ要素を有する変換データ行列に変換することであって、前記複数の変換データ要素のうちの要素は、前記複数のデータ要素のうちの複数の要素に基づく、ことと、
前記変換データ行列の前記変換データ要素に従って前記変調信号を生成することと
を含む、方法。
(項目2)
前記変換することは、時間および周波数の両方に関して前記複数のデータ要素のうちの要素を変換することを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記データフレームは、N個のデータ要素の第1の次元およびN個のデータ要素の第2の次元を有し、Nは、1より大きい、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記変換データ行列は、N個の変換データ要素の第1の次元およびN個の変換データ要素の第2の次元を有する、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記生成することは、列ごとに前記変換データ行列の前記変換データ要素を選択することを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
信号伝送システムにおいて使用可能な変調信号を提供する方法であって、前記方法は、
複数のデータ要素を含むデータフレームを、複数の変換データ要素を有する変換データ行列に変換することであって、前記複数の変換データ要素のそれぞれは、前記複数のデータ要素のそれぞれに基づく、ことと、
前記変換データ行列の前記変換データ要素に従って前記変調信号を生成することと
を含む、方法。
(項目7)
前記複数の変換データ要素のそれぞれは、前記複数のデータ要素のそれぞれに対応する加重寄与を含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記変換することは、時間および周波数の両方に関して前記複数のデータ要素のそれぞれを変換することを含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記データフレームは、N個のデータ要素の第1の次元およびN個のデータ要素の第2の次元を有し、Nは、1より大きい、項目6に記載の方法。
(項目10)
前記変換データ行列は、N個の変換データ要素の第1の次元およびN個の変換データ要素の第2の次元を有する、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記生成することは、列ごとに前記変換データ行列の前記変換データ要素を選択することを含む、項目6に記載の方法。
(項目12)
通信システムにおける使用のための信号伝送器であって、前記信号伝送器は、
入力ポートと、
出力ポートと、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能なプログラムコードを含むメモリと
を備え、前記プログラムコードは、
前記入力ポートにおいて、複数のデータ要素を含むデータフレームを受信するためのコードと、
前記データフレームを、複数の変換データ要素を有する変換データ行列に変換するためのコードであって、前記複数の変換データ要素のうちの要素は、前記複数のデータ要素のうちの複数の要素に基づく、コードと、
前記変換データ行列の前記変換データ要素に従って変調信号を生成するため、および前記変調信号を前記出力ポートに提供するためのコードと
を含む、
信号伝送器。
(項目13)
前記プログラムコードは、時間および周波数の両方に関して前記複数のデータ要素のうちの要素を変換するためのコードをさらに含む、項目12に記載の信号伝送器。
(項目14)
前記データフレームは、N個のデータ要素の第1の次元およびN個のデータ要素の第2の次元を有し、Nは、1より大きい、項目12に記載の信号伝送器。
(項目15)
前記変換データ行列は、N個の変換データ要素の第1の次元およびN個の変換データ要素の第2の次元を有する、項目12に記載の信号伝送器。
(項目16)
前記プログラムコードは、列ごとに前記変換データ行列の前記変換データ要素を選択するためのコードをさらに含む、項目12に記載の信号伝送器。
(項目17)
通信システムにおける使用のめの信号伝送器であって、前記信号伝送器は、
入力ポートと、
出力ポートと、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能なプログラムコードを含むメモリと
を備え、前記プログラムコードは、
前記入力ポートにおいて、複数のデータ要素を含むデータフレームを受信するためのコードと、
前記データフレームを、複数の変換データ要素を有する変換データ行列に変換するためのコードであって、前記複数の変換データ要素のそれぞれは、前記複数のデータ要素のそれぞれに基づく、コードと、
前記変換データ行列の前記変換データ要素に従って変調信号を生成するためのコードと
を含む、
信号伝送器。
(項目18)
前記複数の変換データ要素のそれぞれは、前記複数のデータ要素のそれぞれに対応する加重寄与を含む、項目17に記載の信号伝送器。
(項目19)
前記プログラムコードは、時間および周波数の両方に関して前記複数のデータ要素のそれぞれを変換するためのコードを含む、項目17に記載の信号伝送器。
(項目20)
前記データフレームは、N個のデータ要素の第1の次元およびN個のデータ要素の第2の次元を有し、Nは、1より大きい、項目17に記載の信号伝送器。
(項目21)
前記変換データ行列は、N個の変換データ要素の第1の次元およびN個の変換データ要素の第2の次元を有する、項目20に記載の信号伝送器。
(項目22)
前記プログラムコードは、列ごとに前記変換データ行列の前記変換データ要素を選択するためのコードを含む、項目17に記載の信号伝送器。
(項目23)
信号伝送器におけるプロセッサによる実行のためのプログラム命令を含む、非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記プログラム命令は、前記プロセッサに、
前記信号伝送器の入力ポートにおいて、複数のデータ要素を含むデータフレームを受信することと、
前記データフレームを、複数の変換データ要素を有する変換データ行列に変換することであって、前記複数の変換データ要素のうちの要素が、前記複数のデータ要素のうちの複数の要素に基づく、ことと、
前記変換データ行列の前記変換データ要素に従って変調信号を生成することと
を行わせるための命令を備える、
非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目24)
前記プログラム命令は、時間および周波数の両方に関して前記複数のデータ要素のうちの要素を変換するための命令をさらに含む、項目22に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目25)
前記データフレームは、N個のデータ要素の第1の次元およびN個のデータ要素の第2の次元を有し、Nは、1より大きい、項目23に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目26)
前記変換データ行列は、N個の変換データ要素の第1の次元およびN個の変換データ要素の第2の次元を有する、項目23に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目27)
前記プログラム命令は、前記プロセッサに列ごとに前記変換データ行列のデータ要素を変換させるための命令をさらに含む、項目23に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目28)
信号伝送器におけるプロセッサによる実行のためのプログラム命令を含む、非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記プログラム命令は、前記プロセッサに、
前記信号伝送器の入力ポートにおいて、複数のデータ要素を含むデータフレームを受信することと、
前記データフレームを、複数の変換データ要素を有する変換データ行列に変換することであって、前記複数の変換データ要素のそれぞれが、前記複数のデータ要素のそれぞれに基づく、ことと、
前記変換データ行列の前記変換データ要素に従って変調信号を生成することと
を行わせるための命令を備える、
非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目29)
前記複数の変換データ要素のそれぞれは、前記複数のデータ要素のそれぞれに対応する加重寄与を含む、項目28に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目30)
前記プログラム命令は、前記プロセッサに時間および周波数の両方に関して前記複数のデータ要素のそれぞれを変換させるための命令をさらに含む、項目28に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目31)
前記データフレームは、N個のデータ要素の第1の次元およびN個のデータ要素の第2の次元を有し、Nは、1より大きい、項目28に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目32)
前記変換データ行列は、N個の変換データ要素の第1の次元およびN個の変換データ要素の第2の次元を有する、項目31に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目33)
前記プログラム命令は、前記プロセッサに列ごとに前記変換データ行列の前記変換データ要素を選択させるための命令をさらに含む、項目28に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目34)
前記変調信号に従って搬送波信号を変調するための伝送器回路をさらに含む、項目12に記載の信号伝送器。
本発明の種々の実施形態の性質および目的のより良い理解のために、添付図面と併せて解釈される、以下の発明を実施するための形態を参照されたい。
図1は、時間/周波数選択性フェージングを呈し得る、無線通信システムの実施例を図示する。 図2は、図1の無線通信システムにおける通信をモデル化するために使用することができる、例示的な数学モデルを示す。 図3Aは、OTFS通信システムの構成要素の例示的なブロック図を示す。 図3Bは、図3Aのシステム内の伝送デバイスのOTFS送受信器がデータフレームを伝送し得る、プロセスを図示する。 図3Cは、図3Aのシステム内の受信デバイスのOTFS送受信器が伝送データフレームを受信し得る、プロセスを図示する。 図4Aは、例示的なOTFS送受信器の構成要素を図示する。 図4Bは、それに従ってOTFS送受信器がTFSデータ行列を利用して情報を伝送、受信、および再構築し得る、例示的なプロセスを図示する。 図5は、例示的なOTFS方法と、時間/周波数フェージングを呈する例示的な通信チャネルを経由した時分割多重アクセス方法との間の予測ビットエラー率の比較を図示する。 図6Aは、無線リンクを経由してデータを伝送するためにOTFS方法が使用され得る、1つの様式の概観を示す。 図6Bは、図6Aの方法を行うための例示的なOTFS伝送器の構成要素を図示する。 図6Cは、例示的なOTFSデータ伝送方法を表す流れ図である。 図7Aは、無線リンクを経由してデータを受信するためにOTFS方法が使用され得る、1つの様式の概観を示す。 図7Bは、図7Aの方法を行うための例示的なOTFS受信器の構成要素を図示する。 図7Cは、例示的なOTFSデータ復調方法を表す流れ図である。 図8は、OTFS方法の第2の形態に従ってデータを畳み込み積分し、かつ畳み込みを解くために使用される、例示的な一式の基本構成ブロックを示す。 図9は、伝送データのグループ間のガード時間を含む、例示的な伝送フレームを示す。 図10は、OTFS方法の第2の形態に従ってデータを畳み込み積分し、かつデータを伝送するために使用される、周期的コンボリューション方法の略図を示す。 図11は、図9の伝送フレームに起因する受信フレームの例示的な構造を示す。 図12は、OTFS方法の第2の形態に従って受信データの畳み込みを解くために使用される、周期的デコンボリューション方法の略図を示す。 図13は、第1の代替的なOTFS伝送スキームに一致する伝送器によって行われる動作を図示する。 図14は、第1の代替的なOTFS伝送スキームに一致する受信器によって行われる動作を図示する。 図15は、第2の代替的なOTFS伝送スキームに一致する伝送器によって行われる動作を図示する。 図16は、第2の代替的なOTFS伝送スキームに一致する受信器によって行われる動作を図示する。 図17は、時分割多重伝送基底を表す恒等行列の形態でユニタリ行列[U1]を図示する。 図18は、周波数分割多重伝送基底を表すDFT行列の形態でユニタリ行列[U1]を図示する。 図19は、符号分割多重伝送基底を表すアダマール行列の形態でユニタリ行列[U1]を図示する。 図20は、時間および周波数の両方で拡散されたLxNxN記号を備えるデータのフレームを構成する、一連のL−OTFS NxN行列を図示する。 図21Aは、OTFS伝送器モジュールの一実施形態のより詳細な略図を示す。 図21Bは、図21AのOTFS伝送器内で生成されたTFS行列を描写する。 図21Cは、図21Aの伝送器の動作に関連する時系列を描写する。 図22は、OTFS変調スキームで使用することができる、例示的な置換演算を図示する。 図23は、OTFS変調スキームで使用することができる、別の例示的な置換演算を図示する。 図24は、OTFS変調スキームで使用することができる、第1の例示的な時間および周波数タイリングアプローチを図示する。 図25は、OTFS変調スキームで使用することができる、第2の例示的な時間および周波数タイリングアプローチを図示する。 図25は、OTFS変調スキームで使用することができる、第3の例示的な時間および周波数タイリングスキームを図示する。 図27は、種々の種類のエコー反射を補償するよう、受信した信号の時間デコンボリューションが行われることを可能にするために、周期的時間偏移波形の伝送を図示する。 図28は、エコー反射および周波数偏移の両方を補償するよう、受信した信号の時間および周波数デコンボリューションの両方が行われることを可能にするために、周期的時間偏移波形および周期的周波数偏移波形の両方の伝送を図示する。 図29は、単一の記号行列内で関連付けられる一連のN個の連続時間ブロックとして、または代替として、異なる記号行列からの一連の時間インターリーブしたブロックとしてのいずれか一方で、種々の複合波形ブロックの伝送を図示する。 図30は、1つ以上のより広い周波数範囲にわたって、より短い持続時間ブロックとして、または1つ以上のより狭い周波数範囲にわたって、より長い持続時間ブロックとしてのいずれか一方で、種々の複合波形ブロックの伝送を図示する。 図31は、等化器を使用してエコー反射および周波数偏移の効果を数学的に補償するように構成される、受信器処理セクションの高レベル表現を示す。 図32Aは、エコー反射および周波数偏移が、伝送された信号を曖昧にし、または損ない、または歪曲させ得る、通信チャネルの実施例を示す。 図32Bは、歪曲を補正するために使用され得る、適応線形等化器の実施例を示す。 図32Cは、歪曲を補正するために使用され得る、適応決定フィードバック等化器の実施例を示す。 図33は、チャネルを通した伝搬中に信号が遭遇し得る、種々のエコー(時間偏移)および周波数偏移を図示する、時間周波数グラフを示す。 図34は、適応決定フィードバック等化器のフィードフォワード(FF)部分によって生成されるタップ値の時間周波数マップを例証的に表す。 図35は、適応決定フィードバック等化器のフィードバック(FB)部分によって生成されるタップ値の時間周波数マップを例証的に表す。 図36Aおよび36Bは、少なくとも部分的に期待待ち時間に基づいて、インターリービングスキームに一致する種々の異なる時間ブロックを伝送することの有用性を実証する。 図37は、本開示による、全二重OTFS送受信器の実施例を図示する。 図38は、本開示による、反復信号分離を提供するOTFS受信器の実施例を図示する。 図39A、39B、39C、および39Dは、一対の変換行列またはフレームを使用するOTFS符号化が、どのようにしてN個のデータ記号dijを基底フレームFijのN個の異なる基底行列Bijの中へ拡散することができるかを図示する。 図39A、39B、39C、および39Dは、一対の変換行列またはフレームを使用するOTFS符号化が、どのようにしてN個のデータ記号dijを基底フレームFijのN個の異なる基底行列Bijの中へ拡散することができるかを図示する。 図39A、39B、39C、および39Dは、一対の変換行列またはフレームを使用するOTFS符号化が、どのようにしてN個のデータ記号dijを基底フレームFijのN個の異なる基底行列Bijの中へ拡散することができるかを図示する。 図39A、39B、39C、および39Dは、一対の変換行列またはフレームを使用するOTFS符号化が、どのようにしてN個のデータ記号dijを基底フレームFijのN個の異なる基底行列Bijの中へ拡散することができるかを図示する。 図40は、多重アンテナOTFSシステムにおける信号分離を促進するために採用され得る、時間・周波数・空間決定フィードバック等化器のブロック図である。 図41は、時間・周波数・空間決定フィードフォワードFIRフィルタのブロック図である。 図42は、時間・周波数・空間決定フィードバックFIRフィルタのブロック図である。 図43は、例示的な無線通信システムで利用することができる、従来の送受信器の高レベル表現を提供する。 図44Aおよび44Bは、拡散カーネルを利用するように構成される第1および第2のOTFS送受信器の実施形態のブロック図表現を提供する。 図45は、OTFS送受信器によって行われる動作を表す流れ図である。 図46は、2次元時間周波数行列を伝送された波形に転換するように配置される、直交マップとしての変調器の機能を図示する。 図47および48は、直交マップに従った、復調器による2次元時間周波数行列への受信した波形の変換を図示する。 図47および48は、直交マップに従った、復調器による2次元時間周波数行列への受信した波形の変換を図示する。 図49は、最小二乗平均(LMS)等化手順を行うように構成される2次元決定フィードバック等化器の例示的な実装を図示する。 図50は、セルサイトおよび関連セルサービスエリアから成るセルラー通信システムのコンテキスト内のOTFSメッシュネットワークを示す。 図51は、一式の有線ネットワークゲートウェイの周囲に組織化されたOTFSメッシュネットワークを示す。 図52は、複数のメッシュ要素を含む、単一チャネル無線メッシュネットワークから成るOTFSメッシュネットワークシステムを示す。 図53は、2次元チャネルインパルスの説明図を提供する。 図54A−54Cは、2次元チャネル歪曲後の入力および出力ストリームを描写する。

本明細書で説明される信号変調技法の1つの独特な側面は、時間、周波数、およびスペクトル形状の比較的広い範囲にわたって単一の記号のデータを拡散するという概念である。対照的に、従来技術の通信システムは、所与のデータ記号を、そのようなデータ記号と一意的に関連付けられる特定の時間拡散間隔またはタイムスライスに割り当てることを前提としている。以下で議論されるように、開示されたOTFS方法は、少なくとも部分的に、多くの場合、種々の利点が、他の記号と共有される複数の時間拡散間隔にわたって単一の記号のデータを拡散することから生じ得るという認識に基づく。従来技術と対照的に、OTFS方法は、複数のタイムスロット、複数の周波数またはスペクトル領域(拡散スペクトラム)、および複数のスペクトル形状の両方にわたって、単一のデータ記号を畳み込み積分することを伴ってもよい。以下で説明されるように、データコンボリューションへのこのアプローチは、損なわれた通信リンクを経由して優れた性能をもたらす。
システム概観
図1は、時間/周波数選択性フェージングを呈し得る無線通信システム100の実施例を図示する。システム100は、伝送器110(例えば、携帯電話の中継塔)と、受信器120(例えば、携帯電話)とを含む。図1で図示されるシナリオは、受信器100に着信する前に伝送器100から伝送される信号が通って進行する、複数の経路(多経路)を含む。第1の経路130は、木132を通って反射し、第2の経路140は、建築物142から反射し、第3の経路150は、第2の建築物152から反射する。第4の経路160は、移動する車162から反射する。経路130、140、150、および160のそれぞれが異なる距離を進行し、異なるレベルおよび異なる周波数で減衰またはフェードされるため、従来的に構成されるとき、受信器120は、多経路信号の相殺的干渉により、通話をドロップするか、または低スループットに少なくとも悩まされ得る。
ここで図43を参照すると、図1の無線通信システム100で利用することができる従
来の送受信器4300の高レベル表現が提供される。送受信器4300は、例えば、時分
割多重アクセス(TDMA)、符号分割多重アクセス(CDMA)、または直交周波数分
割多重アクセス(OFDM)システム用の確立されたプロトコルに従って動作することが
できる。TDMA、CDMA、およびOFDMシステム等の従来の無線通信システムでは
、伝送器4304と受信器4308との間の多経路通信チャネル4310は、1次元モデ
ルによって表される。これらのシステムでは、チャネル歪曲は、通信チャネルのインパル
ス応答の1次元表現を使用して特徴付けられる。送受信器4300は、受信器4308に
よって生成される1次元出力データストリーム4330から、この推定チャネル歪曲を少
なくとも部分的に除去するように構成される、1次元等化器4320を含んでもよい。
残念ながら、1次元チャネルモデルの使用は、いくつかの基礎的問題を提示する。第1
に、既存の通信システムで採用される1次元チャネルモデルは、静止しておらず、つまり
、通信チャネルの記号歪曲影響が記号によって変化する。加えて、チャネルが1次元のみ
でモデル化されるとき、「チャネルフェージング」により、ある受信した信号は、他の信
号よりもエネルギーが有意に低いであろう可能性が高い。最終的に、1次元チャネル状態
情報(CSI)は、ランダムに見え、その大部分は、特定の点で得られるチャネル測定値
の間で補間することによって推定され、したがって、情報を本質的に不正確にする。これ
らの問題は、多重アンテナ(MIMO)通信システムにおいて悪化するのみである。以下
で議論されるように、本明細書で説明されるOTFS方法の実施形態は、1次元チャネル
モデルの使用から生じる基礎的問題を実質的に克服するために使用することができる。
方程式(1)によって以下で示されるように、一側面では、OTFS方法は、無線チャ
ネルが時間およびドップラ偏移の組み合わせの加重重畳として表されてもよい。
既存のチャネルモデルと関連付けられるパラメータと対照的に、方程式(1)の時間周
波数加重(τ,)は、2次元であり、無線チャネルを完全に特徴付けると考えられる。時
間周波数加重(τ,)は、無線チャネルに存在する多様性分岐の本質的に全てを表すこと
を目的としている。これは、1次元モデルを前提としたシステムで共通するフェージング
に対して、OTFSシステムおよび概して2次元チャネルモデルに基づく他の通信システ
ムによって経験されるフェージング効果を実質的に最小限化すると考えられる。最終的に
、従来の通信システムで採用される非静止1次元チャネルモデルと対照的に、方程式(1
)の時間周波数加重(τ,)は、実質的に静止しており、つまり、加重は、OTFSシス
テムの例示的実施形態の時間的尺度に対して非常にゆっくりと変化する。
OTFS通信システムの実施形態における方程式(1)の2次元チャネルモデルの使用
は、いくつかの利点を得る。例えば、方程式(1)のチャネルモデルの使用は、チャネル
多経路遅延およびドップラ偏移の両方が同時に正確にプロファイル作成されることを可能
にする。このモデルおよび本明細書で説明されるOTFS変調技法の使用はまた、全ての
記号がチャネル内に存在する多様性分岐の実質的に全てを経験するため、チャネルエコー
の理路整然とした組立およびフェージング現象の最小限化を促進する。2次元チャネルモ
デルが本質的に静止していると考慮して、全ての記号は、実質的に同一の2次元パターン
に従って確定的に歪曲される(不鮮明にされる)。継続的な2次元での通信チャネルのこ
の安定した正確な特性化はさらに、どのようにして各ビットがチャネルを横断して送達さ
れるかを「カスタマイズすること」によって、OTFSシステムがデータ歪曲を最小限化
することを可能にする。最終的に、2次元チャネルモデルの使用は、複数のソースの間の
相互緩衝を分断して排除することによって、効果的な信号分離を可能にする。
ここで、時間/周波数選択性フェージングをモデル化するために使用することができる、数学モデル200の実施例を図示する、図2に注意を向ける。モデル200の伝送側は、前置等化器210と、伝送器/変調構成要素220と、チャネルモデル230と、加算器250を介して伝送された信号と組み合わせられる付加雑音240とを含む。モデル200の受信側は、受信器/復調器260と、後置等化器270とを含む。
前置等化器210は、受信器/復調器260および/または後置等化器270によって
行われる測定によって判定されるように、モデルの受信側からチャネルを経由して受信さ
れるフィードバックに基づいて、チャネルモデルhにおいて変化するチャネル条件を補
うために使用することができる、歪曲前伝達関数hをモデル化するために使用される。
伝送器/変調器220は、チャネル230を経由してデータを伝送するために、本明細書
で説明される変調スキームを使用する。
受信器/復調器260は、チャネル230を経由して受信される信号を復調する。受信
した信号は、チャネル伝達関数hによって判定されるように、時間/周波数選択性フェ
ージングによって歪曲されており、付加雑音240を含む。受信器/復調器260および
後置等化器270は、チャネル条件による時間/周波数選択性フェージングおよび付加雑
音によって引き起こされる歪曲を低減させるために、本明細書で議論される方法を利用す
る。数学モデル200は、元のデータDに作用する3つの伝達関数の数学的組み合わせを
行うことによって、等化データDeqの性質を判定するために使用することができる。3
つの伝達関数は、伝送器伝達関数h、チャネル伝達関数h、および等化器伝達関数h
を含む。
本明細書で説明されるOTFS方法およびシステムの実施形態は、部分的に、本明細書
で説明される様式で、時間、スペクトル、および/またはスペクトル形状にわたって所与
の記号に対するデータを拡散することにより、干渉、具体的には、ドップラ効果および多
経路効果、ならびに一般的な背景雑音効果によって引き起こされる干渉に対して実質的に
抵抗性がある変調信号を生じるという認識に基づく。また、OTFS方法は、既存の通信
システム(例えば、OFDMシステム)によって必要とされるほど精密ではない、受信器
と伝送器との間の周波数同期を必要とすると考えられる。
本質的に、OTFS方法は、従来技術の方法よりも概して長い期間にわたって記号群に対するデータを送信させる方法で、時間、周波数、およびいくつかの実施形態ではスペクトル形状の両方にわたってN個の記号群(本明細書では「フレーム」と呼ばれる)に対するデータを畳み込み積分する。OTFS方法の使用はまた、従来技術の方法よりも概して長い期間にわたって所与の記号群に対するデータを累積させる。しかしながら、ある実施形態では、本方法によって可能にされる他の伝送効率を活用することによる、そのようなより長い伝送期間の使用にもかかわらず、OTFS方法は、それでもなお、有利なデータ速度が達成されることを可能にしてもよい。例えば、一実施形態では、記号群が、同一の拡散スペクトルコードを使用して伝送されてもよい。これは(各記号がコードと一意的に関連付けられないであろうため)別様に混乱および曖昧性をもたらし得るが、OTFS方法の使用は、例えば、一連の時間および周波数期間にわたって異なる(しかし以前に定義された)拡散スペクトルコンボリューション方法を使用して、記号が送信されることを可能にしてもよい。結果として、記号に対応するデータの全てが最終的に受信器内で累積されるとき、記号のフレームまたはグループ全体が、従来技術の技法によって考慮されない様式で再構築されてもよい。一般に、開示されたアプローチと関連付けられる1つのトレードオフは、データの多重記号フレーム全体が正しく受信されるであろうか、またはフレームのうちのいずれも正しく受信されないであろうかのいずれか一方であり、つまり、通信チャンネル内に過剰に多くの干渉がある場合には、畳み込みを解いて複数の記号を取り出すことに成功する能力がないことがある。しかしながら、議論されるように、OTFSの種々の側面が、別様にこの明白なトレードオフに起因するであろう、性能の任意の劣化を軽減し得る。
図3Aは、例示的なOTFS通信システム300の構成要素のブロック図である。示さ
れるように、システム300は、伝送デバイス310と、受信デバイス330とを含む。
伝送デバイス310および受信デバイス330は、それぞれ、第1および第2のOTFS
送受信器315−1および315−2を含む。OTFS送受信器315−1および315
−2は、本明細書で説明される様式で、通信チャネル320を介して、一方向性または双
方向性のいずれか一方で通信する。本明細書で説明される例示的実施形態では、システム
300は、無線通信システムを備えてもよいが、他の実施形態では、通信チャネルは、例
えば、光ファイバまたは同軸ケーブル内の通信チャネル等の有線通信チャネルを備えても
よい。上記で説明されたように、通信チャネル320は、複数の経路を含み、時間/周波
数選択性フェージングによって特徴付けられてもよい。
図4は、例示的なOTFS送受信器400の構成要素を図示する。OTFS送受信器4
00は、図3の通信システム300で図示される例示的なOTFS送受信器315の一方
または両方として使用することができる。OTFS送受信器400は、前置等化器410
と、OTFSエンコーダ420と、OTFS変調器430とを含む、伝送器モジュール4
05を含む。OTFS送受信器400はまた、後置等化器480と、OTFSデコーダ4
70と、OTFS復調器460とを含む、受信器モジュール455も含む。OTFS送受
信器の構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその組み合わせで実装されても
よい。ハードウェア実装については、処理ユニットは、1つ以上の特定用途向け集積回路
(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSP
D)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ
(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ
、上記で説明される機能を果たすように設計されている他の電子ユニット、および/また
はその組み合わせ内で実装されてもよい。送受信器400の種々の構成要素を考慮して、
開示されたOTFS方法を説明する。
一側面では、OTFS通信の方法は、通信チャネル320を通して伝送デバイス310
から受信デバイス330へ少なくとも1つのデータのフレーム([D])を伝送すること
を伴い、そのようなデータのフレームは、最大でN個のデータ要素の行列を備え、Nは
1より大きい。本方法は、各データ要素の値が、伝送されるときに複数の無線波形にわた
って拡散され、各波形が特徴的な周波数を有し、各波形がデータフレーム[D]からの複
数の該データ要素から畳み込み積分された結果を搬送するように、OTFS送受信器31
5−1内で、データフレームのデータ要素を畳み込み積分するステップを含む。さらに、
伝送プロセス中に、各データ要素の値が、複数の時間にわたって送信される複数の周期的
周波数偏移波形として伝送されるように、複数の時間にわたって、この複数の無線波形の
周波数を周期的に偏移させる。受信デバイス330では、OTFS送受信器315−2は
、これらの無線波形を受信して畳み込みを解き、それによって、該少なくとも1つのデー
タのフレーム[D]の複製を再構築する。例示的実施形態では、コンボリューションプロ
セスは、これらの無線波形の実質的に全てが伝送および受信されるまで、恣意的なデータ
のフレーム([D])の恣意的なデータ要素が完全精度で再構築されるように保証できな
いようなものである。
図5は、TDMAシステムおよびOTFSシステムのシミュレーションによって予測さ
れるビットエラー率(BER)の比較を図示する。両方のシステムは、16QAM配置を
利用する。シミュレーションは、100Hzのドップラ拡散および3マイクロ秒の遅延拡
散をモデル化した。グラフから分かるように、OTFSシステムは、同一の信号対雑音比
(SNR)について、TDMAシステムよりもはるかに低いBERを提供する。
ここで、例えば、OTFS送受信器400として実装され得る、OTFS送受信器45
00によって行われる動作を表す流れ図である、図45に注意を向ける。OTFS送受信
器4500は、変調器4510を含む伝送器と、復調器4520および2次元等化器45
30を含む受信器とを含む。動作時に、OTFS送受信器4500の伝送器は、以降では
TF行列と称され得る、記号のN×N行列の形態で2次元記号ストリームを受信する。
図46で図示されるように、一実施形態では、変調器4510は、2次元TF行列を以
下の伝送波形に変換するように配置される、直交マップとして機能する。
図47を参照すると、復調器4520は、出力ストリームを生成するために、直交マッ
プに従って、受信波形を2次元TF行列に変換する。
一実施形態では、OTFS送受信器4500は、例えば、遅延分解能(すなわち、デジ
タル時間「チック」またはクロック増分)、ドップラ分解能、処理利得係数(ブロックサ
イズ)、および正規直交基底関数を含む、いくつかの可変パラメータによって特徴付けら
れてもよい。これらの可変パラメータのそれぞれは、以下のように表され得る。
遅延分解能(デジタル時間チック):
ドップラ分解能:
処理利得係数(ブロックサイズ):
Nx1の正規直交基底(スペクトル形状):
図45によって図示されるように、動作中、変調器4510は、TF行列x∈CN×N
を取り込み、それをパルス波形に変換する。一実施形態では、パルス波形は、ハイゼンベ
ルグ表示およびスペクトル形状に関して定義される、パルス列を備える。
式中、b、b…bは、図48で図示され、ハイゼンベルグ関係に従って、
である。
ハイゼンベルグ表示は、
であることを規定し、式中、LおよびMは、それぞれ、周期的時間および周波数偏移
を表し、以下のように表され得る。
復調器4520は、受信波形を取り込み、それをウィグナー変換およびスペクトル形状
に関して定義されるTF行列y∈CN×Nに変換する。
MおよびD(ストーン・フォン・ノイマン定理)の主要性質は、以下である。
図49で図示されるように、等化器4530は、以下であるように、最小二乗平均(L
MS)等化手順を行うように構成される、2次元決定フィードバック等化器として実装さ
れてもよい。
行列の定式化
本説明の全体を通して、行列の用語の使用は、OTFS送受信器315−1またはOTFS送受信器315−2のいずれか一方によって実行されるであろう種々の動作の簡潔な説明であるものとして理解されるべきである。したがって、特定の行列の係数を取得するために使用される一連のステップは、概して、伝送器または受信器電子回路(例えば、図4Aで図示される伝送器405および受信器455の種々の構成要素)のための一式の命令に対応する。例えば、一式の係数は、拡散スペクトル動作を行うように伝送器405または受信器455に指示してもよく、異なる一式の係数は、スペクトル成形変調または復調動作を行うように伝送器405または受信器455に指示してもよく、別の一式の係数は、種々の時間拡散または時間累積機能を果たすように伝送器に指示してもよい。ここで、これらの複雑な一連の無線信号を伝送および受信するために使用される一連の命令を記述する簡便な方法として、標準行列数学が使用される。
したがって、議論が行列の積について話すとき、乗算によって形成される行列の中の各
データ要素は、純粋な数字としてよりもむしろ、伝送器または受信器電子回路(例えば、
図4Aで図示される伝送器405または受信器455)によって実行される種々の多段階
動作に関して理解することができる。したがって、例えば、別のスキャンシステム、置換
スキーム、またはデータ命令を有し得る行列によって乗算される、QAMまたは位相偏移
キーイング命令等のトーンまたはスペクトル形状拡散命令を有し得る、別の行列によって
乗算される擬似乱数のような、拡散スペクトルを有し得る1つの行列から形成される行列
要素は、これら3つの手段に従って変調される電波信号を伝送するように伝送器405に
指図するもの、またはこれら3つの手段に従って変調される電波信号を受信および復調/
復号するように受信器455に指図するものとして理解されるべきである。
行列の用語にすると、時間、スペクトル、およびトーンまたはスペクトル形状の両方に
わたって、記号群に対するデータを畳み込み積分するOTFS方法は、N個の情報要素
(記号)を伴うデータフレームをN個の要素を伴う別の新しい行列に変換するものと見
なすことができ、それによって、新しい変換行列(ここではTFSデータ行列と呼ばれる
)の中の各要素は、元のデータフレームの全ての要素についての情報を搬送する。換言す
ると、新しい変換TFSデータ行列は、概して、元のデータフレーム行列[D]の各要素
からの加重寄与を搬送するであろう。このTFSデータ行列の要素は順に、連続的な時間
間隔にわたって伝送および受信される。
前述のように、OTFS方法の実施形態では、コンボリューションおよびデコンボリューションの基本単位(コンボリューション単位)は、N個の記号またはデータ要素の行列から成る。各時間間隔にわたって、異なる波形が各データ要素に使用されてもよい。対照的に、従来技術の方法は、概して、各データ要素に同一の波形を使用する。一貫性を保つために、N個のデータの単位を、概して、本明細書では「データフレーム」と称する。Nは、1より大きい任意の値であってもよく、いくつかの実施形態では、64から256に及ぶであろう。
OTFS方法と従来の変調スキームとの間の1つの区別は、従来技術の通信プロトコル
用のコンボリューション、伝送、受信、およびデコンボリューションの基本単位が、1つ
の拡散間隔時間にわたってn個の記号に対するデータを送信する拡散コードに作用される
、n個の記号または要素「d」のデータフレームとして特徴付けられ得ることを観察する
ことによって、理解され得る。
対照的に、OTFS方法の実施形態は、概して、コンボリューション、伝送、受信、お
よびデコンボリューションの異なる基本単位を使用する。具体的には、そのようなOTF
Sの実施形態は、典型的には、議論されるように、複数の拡散間隔時間にわたってこれら
個の要素に対するデータを送信する、N個の要素または記号「d」から成る、より
大きいデータフレーム[DNxN]を使用するであろう(多くの場合、複数はNである)
。データフレーム[DNxN]は、以下のように表され得る。
一般に、本明細書ではデータのフレームという言及は、行列の中の少なくともいくつか
の要素がゼロまたはヌル要素であり得る、上記で示されるもの等のNxNまたはN行列
という言及であると見なされてもよい。いくつかの実施形態では、データのフレームは、
非正方形、またはN≠Mである、N×Mであり得る。
信号伝送
以前に議論されたように、OTFS方法は、各個別拡散時間間隔が少なくともN個のタ
イムスライスから成る、複数の拡散時間間隔(通常は少なくともN個の拡散間隔または時
間)にわたって、通信リンクを横断してこのN個の記号群を拡散するであろう。同期お
よび識別目的で潜在的なオーバーヘッドにより、いくつかの実施形態では、このオーバー
ヘッドのための余地を提供するように、余分なタイムスライスおよび/または余分拡散時
間間隔が割り付けられ得ることに留意されたい。提示を明確にするために、このオーバー
ヘッドは、概して、無視されるが、本開示は、そのようなオーバーヘッドが存在する方法
を包含することも目的としていることを理解されたい。
したがって、OTFS方法の例示的実施形態では、データは、通常は100MHzを上
回り、多くの場合は1GHz以上を上回る周波数を伴う無線電波信号を通常は経由して、
複雑な一連の波形として伝送されるであろう。次いで、これらの無線周波数は、通常、各
拡散時間間隔が、多くの場合、少なくともN個のタイムスライスから成る、少なくともN
個の拡散時間間隔にわたって受信される。いったん受信されると、元のデータフレームは
、畳み込みを解かれ(すなわち、値を求められ)、元の記号群の最も可能性が高い係数が
再構築されるであろう。元のデータフレームの畳み込みを解くか、または値を求めること
に成功するために、受信器は、通常、伝送器によって使用される、時間、スペクトル、お
よびトーンまたはスペクトル形状拡散アルゴリズムの予備知識を有するであろうことが明
白なはずである。
ここで、伝送デバイス310のOTFS送受信器315−1が、ここでは(N×N)ま
たは(N)行列[D]として表される、データのデータフレーム(またはコンボリュー
ション単位)を伝送し得る、プロセス340を図示する、図3Bに注意を向ける。このプ
ロセスは、以下のように標準的な行列の乗算を使用して説明され得る。
1:第1のNxN行列[U1]および[D]の行列積を構築する(多くの場合、[U
*[D]またはより単純に[U][D]のいずれか一方として書かれ、ここでは、「*
」および単純な近接関連(例えば、[U][D])の両方は、行列の乗算を表すことを
目的としている)(段階342)。
2:随意に、新しいNxN行列を作成するために、置換演算Pによって[U][D]の
順序を変える(段階344)。一般に、任意の可逆的な置換演算が使用されてもよい。P
は、一致演算であってもよく、または代替として、元のNxN[U][D]行列の列を
変換[U][D]’行列の直交要素に本質的に変換する置換演算であってもよい。
3:置換を完了すると、随意に、(例えば、スペクトル成形のための)第2のNxN[U
]行列で置換結果を乗算し、
[P([U][D])][U]を形成する(段階348)。
4:以下で議論される方法に従って、この信号を伝送する(段階350)。
一実施形態では、置換演算Pは、随意に、以下の形態であってもよい。
式中、[a]は、元の行列(ここでは[U][D])であり、[b]は、新しい行列(
ここではP([U][D])である。
簡単にするために、この置換演算の結果は、P([U][D])として書かれてもよ
い。
図22は、使用され得る別の置換を図示する。この場合、置換は、以下の関係によって
求められる。
さらに別の置換演算が、図23で図示されている。図23では、例証目的で、第2の[
a]行列が、元の[a]行列の隣に配置されている。対角線が、第1および第2の[a]
行列に重複して描かれている。置換[b]行列は、各対角線を左(またはさらに別の置換
では右)に1列平行移動させることによって形成され、平行移動させられた入力のうちの
1つ以上は、1つ以上の入力が第2の[a]行列から第1の[a]行列の中の同一の位置
まで移動させられるように、第2の[a]行列の中に入る。
ここで、[U]および[U]は、両方とも、使用されている場合、広帯域雑音、狭帯域干渉、インパルス雑音、ドップラ偏移、クロストーク等の(多くの場合は無線)通信リンク上のある障害を軽減するように通常は選択される、ユニタリNxN行列であり得る。こうするために、比較的自明な恒等行列[I]、または係数のほとんどが行列の中央対角線に沿って単純に配置されている行列であるように、[U]および[U]を単純に選択するよりもむしろ、[U]および[U]は、通常、比較的効率的かつ一様に、スペクトルおよびトーンまたはスペクトル形状空間にわたって、コンボリューション単位[D]の所望の拡散またはコンボリューションを達成するよう、概して行列の全体を通して、ゼロではない係数を伴って選択されるであろう。通常、行列係数はまた、直交性を維持するように、またはそれぞれの行列の異なる行で具現化される異なる符号化スキームを区別する能力を提供するように、ならびに電波信号が多経路効果を受けるときに起こり得る自己相関効果を最小限化するように、選択されるであろう。
[U]が疑似ランダム系列に対応する行を有し得る具体的な場合を参照して、行列の
中の各連続行が、それの上方の疑似ランダム系列の周期的回転バージョンである、置換ス
キームを採用することが有用であり得る。したがって、NxN行列全体が、長さNの単一
の疑似ランダム系列の連続的な周期的回転バージョンから成ってもよい。
図17−19は、種々の形態の変調を表すために、異なる種類のユニタリ行列[U]を使用することができる様式を例証的に表す。例えば、図17は、時分割多重伝送基底を表す恒等行列1710の形態でユニタリ行列[U1]、つまり、各列および各行が単一の「1」および複数の「0」値から成る、基底ベクトルの行列を図示する。恒等行列1710がデータ行列[D]と組み合わせられるとき、結果は、時系列1700のうちの1つに対応する異なるタイムスロットの中で伝送されている、[D]の各列に対応する(すなわち、[D]の列は、伝送の時分割多重列の中で伝送される)。
図18は、周波数分割多重伝送基底を表すDFT基底ベクトル行列1810の形態で単
一行列[U]を図示する。DFT基底ベクトル行列1810は、回転移相器またはトー
ン基底ベクトルを表す、N個の列入力から成る。DFT基底ベクトル行列1810がデー
タ行列[D]で乗算されるとき、結果として生じる行列の列は、一式の時系列1800に
よって表されるように、それぞれ異なる周波数オフセットまたはトーンを有する回転移相
器を表す。これは、異なる周波数オフセットまたはトーンで伝送されている[D]の各列
に対応する。
図19は、符号分割多重伝送基底を表すアダマール行列1910の形態でユニタリ行列[U]を図示する。アダマール行列1910は、一式の準ランダムプラスおよびマイナス基底ベクトルから成る。アダマール行列1910がデータ行列[D]で乗算されるとき、結果として生じる行列の列は、一式の時系列1900によって表されるように、異なる準ランダム符号分割多重信号を表す。これは、異なる準ランダムコードを使用して伝送されている[D]の各列に対応する。
原則として、[U]および[U]は、両方が使用されている場合、多種多様の異なるユニタリ行列であってもよい。例えば、[U]は、離散フーリエ変換(DFT)行列であってもよく、[U]は、アダマール行列であってもよい。代替として、[U]は、DFT行列であってもよく、[U]は、チャープ行列であってもよい。代替として、[U]は、DFT行列であってもよく、[U]もまた、DFT行列であってもよい等である。したがって、OTFS方法のある側面を説明する目的で、[U]および[U]のある具体的実施例および実施形態が挙げられるが、これらの具体的実施例および実施形態は、限定的であることを目的としていない。
チャープ行列[V]は、Ψがチャープ率である場合、[V]=diag(Ψ,Ψ,…
Ψ)、Ψ=ejψ、周波数=ejωであり、ωがスペクトルの初期中心周波数である、
行列として信号処理において一般的に定義されることに留意されたい。
代替として、以下の形態の要素で満たされる、異なるチャープ行列が使用されてもよい
式中、jは、行列の行であり、kは、行列の列であり、Nは、行列のサイズである。
(議論される)[U]または[U]または[U]に使用され得る、他の一般的に使用されている正規直交行列は、離散フーリエ行列、多項式指数行列、高調波振動行列、以前に議論されたアダマール行列、ウォルシュ行列、ハール行列、ペーリー行列、ウィリアムソン行列、M系列行列、ルジャンドル行列、ヤコビ行列、ハウスホルダ行列、回転行列、および置換行列を含む。これらの行列の逆行列も使用されてもよい。
議論されるように、いくつかの実施形態では、[U]は、時間周波数偏移行列であるものとして理解することができ、[U]は、スペクトル成形行列であるものとして理解することができる。読みやすさを保つために、したがって、[U]は、多くの場合、第1の時間周波数偏移行列と称され、したがって、[U]は、多くの場合、第2のスペクトル成形行列と称されるであろう。しかしながら、この表記法の使用もまた、限定的であることを目的としていない。第2の行列[U2]による随意的な置換または乗算が行われない実施形態では、[U1]行列は、それを通して、結果として生じる変換データ行列の要素が異なる時間に(例えば、列ごとに、または任意の他の順序付けられた基準で)伝送される、フレームワークを提供することによって、時間偏移を促進する。
いくつかのより具体的な実施形態を参照すると、いくつかの実施形態では、[U]は
、ルジャンドル記号に対応する行、または行列の中の各連続行が、それの上方の行の中の
ルジャンドル記号の周期的偏移バージョンであり得る、拡散系列を有してもよい。これら
のルジャンドル記号はまた、随時、代替案では基底ベクトルと称され、かつ随時、スペク
トル拡散コードと称されるであろう。
いくつかの実施形態では、[U]は、離散フーリエ変換(DFT)行列または逆離散
フーリエ変換行列(IDFT)であるように選択されてもよい。このDFTおよびIDF
T行列は、NxN(P[U][D])行列等の一連の実数または複素数を取り込み、さ
らにP([U][D])を無線伝送に好適な一連のスペクトル形状に変調するために使
用することができる。
DFTおよびIDFT行列[U]の個々の行は、随時、代替案ではフーリエベクトル
と称されるであろう。一般に、フーリエベクトルは、以下の種類の複雑な正弦波形(トー
ンまたはスペクトル形状)を生成し得る。
式中、NxN DFT行列については、Xは、DFT行列の行k、列Nの中のフーリエベ
クトルの係数であり、jは、列番号である。このフーリエベクトルの積は、トーンまたは
スペクトル形状であると見なすことができる。
所与のデータフレーム[D]を伝送するために、ある特定の[U]および[U]を
使用することができるが、複数のデータフレーム[D]が同時に伝送されているとき、選
択される特定の[U]および[U]は、データフレーム[D]の間で変化し得、実際
に、通信セッションを経由して多くのデータフレーム[D]を伝送している間に、ある通
信リンク障害を回避するように動的に最適化されてもよい。
このコンボリューションおよび変調のプロセスは、通常、無線電波伝送器のコンボリュ
ーションおよび変調部分を制御する、マイクロプロセッサ装備、デジタル信号プロセッサ
装備、または他の電子回路等の電子デバイスによって行われるであろう。同様に、受信お
よび復調のプロセスもまた、概して、無線電波受信器の復調、累積、およびデコンボリュ
ーション部分を制御する、マイクロプロセッサ装備、デジタル信号プロセッサ装備、また
は他の電子回路に依存するであろう。
したがって、行列の乗算を再度使用し、これらが全てNxN行列であることを再度思い
出すと、[U]が随意的である、[P([U][D])][U]は、伝送器が、複
数の時間拡散間隔、タイムスライス、周波数、およびスペクトル形状にわたって分配する
であろう、TFSデータ行列を表す。再度、種々の行列演算および随意的な置換ステップ
の結果として、変調および伝送後の元のNxNデータ行列[D]からの単一の要素または
記号は、異なる時間拡散間隔、タイムスライス、周波数、およびスペクトル形状の全体を
通して分配され、次いで、受信器によって組み立て直され、記号の元の単一のデータ要素
に戻って畳み込みを解かれるであろうことに留意されたい。
図6Aは、通信チャネル320等の無線リンクを経由してデータを伝送するための例示
的なOTFS方法600を例証的に表す。図6Bは、図6Aの方法を行うための例示的な
OTFS伝送器650の構成要素を図示する。方法600は、例えば、図4のOTFS送
受信器400の構成要素によって、または図6BのOTFS伝送器650の構成要素によ
って行うことができる。
図6の実施例では、伝送を目的とするペイロードは、N個の記号またはデータ要素を
含有するNxN行列[D]から成る、入力データフレーム601を備える。図6Aに示さ
れるように、それぞれがNxN個のデータ要素の行列[D]を定義する、一連のデータフ
レーム601が提供される。各行列[D]は、OTFS伝送器650の中のデジタルデー
タソース660によって提供することができる。行列[D]の要素は、例えば、16QA
M量子化器の16点配置等の配置行列の中の点から選択される、複素数値であり得る。こ
のデータを符号化するために、OTFSデジタルエンコーダ665は、NxN行列[U
]602を選択し、いくつかの実施形態では、NxN行列[U]604を選択するであ
ろう(段階606)。以前に議論されたように、いくつかの実施形態では、行列[U
602は、ルジャンドル記号またはアダマール行列から成る行列であってもよい。この行
列[U]602は、多くの場合、基礎的データ行列[D]601の中の記号または要素
を時間または周波数偏移させるように設計されるであろう。
行列[U]604は、DFTまたはIDFT行列であってもよく、多くの場合、信号
をスペクトル的に成形するように設計されている。例えば、いくつかの実施形態では、行
列[U]604は、直交振幅変調(QAM)または位相偏移キーイング、あるいは他の
スキームによって等、OFDM様式で経時的に信号を変換するようにOTFS変調器43
0の伝送器回路に指図する係数を含有してもよい。
通常、行列[D]601は、段階610でデジタルエンコーダ665によって行列[U
]602で乗算される行列となり、次いで、この演算[U][D]の行列積は、随意
に、P([U][D])を形成するデジタルエンコーダ665によって順序を変えられ
るであろう(段階611)。スペクトル成形行列が利用される実施形態では、デジタルエ
ンコーダ665は、本明細書ではOFTS伝送行列とも称され得る、NxN TFSデー
タ行列を形成する行列[U]604で行列[U][D]を乗算する(段階614)。
次いで、TFS行列の種々の要素が、OTFSアナログ変調器670によって選択され
、通常、時間基準において単一の要素上で、一度にN個の要素の列である(段階616)
。次いで、選択された要素は、アンテナ680を介して伝送される変調信号を生成するた
めに使用される(段階618)。より具体的には、一実施形態では、各個別TFS行列要
素の特定の実数および虚数成分が、各タイムスライス中に時間変異電波信号620を制御
するために使用される。したがって、TFS行列の1つのN要素列が、通常、各時間拡散
間隔608中に送信され、この列からの各要素は、時間拡散間隔608のN個のタイムス
ライス612のうちの1つの中で送信される。オーバーヘッド効果を無視して、概して、
N個の単一時間拡散間隔622にわたって、完全なNxN TFS行列を伝送することが
できる。
ここで、OTFS伝送器650によって、または例えば、(以下で議論される)図21
のOTFS伝送器2100によって、実装されることが可能である、例示的なOTFSデ
ータ伝送方法690を表す流れ図である、図6Cに注意を向ける。示されるように、本方
法は、少なくとも2次元の時間周波数変換行列を確立するステップを含む(段階692)
。次いで、時間周波数変換行列は、データ行列と組み合わせられる(段階694)。方法
690はさらに、時間周波数変換行列およびデータ行列の組み合わせに基づいて、変換行
列を提供するステップを含む(段階696)。次いで、変換データ行列の要素に従って、
変調信号が生成される(段階698)。
ここで、図6Aおよび6Cの伝送方法600を実装するためにOTFS伝送器650(
図6B)の機能を果たすことが可能なOTFS伝送器モジュール2100のブロック図表
現である、図21Aに注意を向ける。図21および図6Bを参照すると、伝送器2100
は、デジタルエンコーダ665内に含むために構成されるデジタルプロセッサ2102と
、アナログ変調器構成要素670内に含むために構成される変調器2104とを含む。マ
イクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、または他の類似デバイスであり得る、デジ
タルプロセッサ2102は、入力としてデータ行列[D]2101を受け入れ、入力とし
て[U]行列2102および[U]行列2104を生成してもよいか、または受け入
れてもよいかのいずれか一方である。プロセッサ2102と関連付けられるメモリ内に記
憶された行列生成ルーチン2105は、プロセッサ2102によって実行されるとき、概
して、一式の複素数値要素から成るであろう、TFS行列2108(図21B)を生成す
るであろう。いったん生成されると、スキャン/選択ルーチン2106は、プロセッサ2
102によって実行されるとき、多くの場合、最初に、TFS行列からN個の要素の1列
を選択し、次いで、この列を下方にスキャンし、一度に個々の要素を選択することによっ
て、TFS行列2108の行列から個々の要素を選択するであろう。概して、1つの新し
い要素が、タイムスライス2112(図21C)ごとに選択されるであろう。
したがって、連続タイムスライスごとに、TFS行列2108からの1つの要素が、変
調器2104を制御するために使用されるであろう。OTFS方法の一実施形態では、変
調器2104は、要素をその実数および虚数成分に分離するためのモジュール2132お
よび2134と、結果として生じた実数および虚数成分を細分化するためのモジュール2
142および2144と、後にフィルタリング動作を行うためのフィルタリングモジュー
ル2152および2154とを含む。次いで、フィルタにかけられた結果は、正弦および
余弦発生器2162および2164の動作を制御するために使用され、その出力は、アナ
ログ電波波形2120を生成するためにRF搬送波を使用してアップコンバートされる。
次いで、この波形は、受信器へ進み、そこで、図7を参照して以下で説明されるように、
復調されて畳み込みを解かれる。したがって、このスキームでは(再度、オーバーヘッド
効果を無視して)、TFS行列の第1の列からの要素t1,1を、第1のタイムスライス
の中で送信することができ、TFS行列の第1の列からのN番目の要素を、第1の時間拡
散間隔2124の最後のタイムスライスの中で送信することができる。TFS行列の第2
の列からの次の要素t1,2を、第2の時間拡散間隔2128の第1のタイムスライスの
中で送信することができる等である。したがって、変調器2104は、各時間拡散間隔中
に複合波形を伝送し、波形の値は、拡散間隔の各タイムスライス中にTFS行列2108
の異なる要素によって判定される。
代替実施形態では、最終的なNxN伝送行列のN本の対角線がN個の時間間隔にわたっ
て伝送されるように、単一の時間拡散間隔につき1本の対角線で、TFSデータ行列の対
角線が一連の単一時間拡散間隔にわたって伝送されてもよい。他の実施形態では、TFS
伝送行列[[U][D]][U]の個々の要素が通信リンクを横断して伝送される順
番は、伝送行列または伝送ベクトルによって判定される。
いくつかの実施形態では、この基本モデルにとって、いくらかのオーバーヘッドがあり
得る。したがって、例えば、いくらかの時間の水増し(付加的なタイムスライスまたは付
加的な時間拡散間隔)を用いて、畳み込み積分されない様式で伝送することができる、チ
ェックサムまたは他の検証/ハンドシェイキングデータは、必要に応じてTFSデータ行
列のある部分の再伝送を要求するために、時間拡散間隔ごとに、N個の時間拡散間隔ごと
に、またはさらにタイムスライス間隔ごとに、受信器によって伝送器に返送することがで
きる。
図9は、ガード時間950によって分離された複数の伝送ブロック920から成る、例
示的な伝送フレーム900を例証的に表す。各伝送ブロック920は、図9に示されるよ
うな列、または行等の[D]行列の一部分、あるいは[D]行列のサブブロックに対応す
る、データを含む。ガード時間950は、伝送された信号においてドップラ偏移を分解す
る時間を受信器に提供することができる。ドップラ偏移は、受信時間の遅延または前進を
引き起こし、OTFS受信器455は、他のユーザからの干渉を伴わずにデータを捕捉す
るために、伝送ブロック920−1、920−2、920−3、920−4、および92
0−5の間の空間を使用することができる。ガード時間950は、OTFS方法の第1ま
たは第2の形態のいずれか一方とともに使用することができる。ガード時間950は、伝
送がフレーム900を伝送するために使用されるコードとは異なるコード(例えば、アダ
マールコード)を使用する限り、領域中の他の伝送器によって利用することができる。
ここで、それぞれ次元NxNである一連のL個のOTFS行列2010を図示する、図
20に注意を向ける。L個のOFTS行列2010は、集合的に、時間および周波数の両
方において拡散されるLxNxN個の記号を含む、データのフレームを備える。行列20
10−1から2010−Lは、連続して伝送され、行列2010の間にガード時間(T
)を含む。所与の行列2010のN列2020は、典型的には、各列2020の伝送の間
に挿入されたガード時間を伴って、列ごとに伝送される。したがって、L個のフレーム2
010が、N×[L×(N×T+Tg)]より長い時間で伝送され、Tは、上記で説明さ
れるガード時間を含む、記号の1列を伝送する時間である。
以前に議論されたように、いくつかの実施形態では、第1のNxN時間拡散行列[U
]は、周期的偏移ルジャンドル記号のN行、または長さNの擬似乱数から構築されてもよ
い。つまり、NxN拡散行列全体が、同一のルジャンドル記号の種々の周期的置換の全て
で満たされる。いくつかの実施形態では、[U]行列のこのバージョンは、スペクトル
拡散目的で使用することができ、例えば、経時的に急速に、つまり、ルジャンドル記号が
作用している行列の要素の情報信号ビットレートよりはるかに速いチップレートで、それ
が影響を及ぼす任意の行列の要素を急速に変調するように伝送器に指示してもよい。
いくつかの実施形態では、第2のNxNスペクトル成形行列[U]は、離散フーリエ
変換(DFT)または逆離散フーリエ変換(IDFT)行列であり得る。これらのDFT
およびIDFT行列は、DFT行列係数が作用する任意の行列の要素をスペクトル的に偏
移させるように伝送器に指示することができる。多くの異なる変調スキームが使用されて
もよいが、いくつかの実施形態では、この変調は、直交周波数分割多重(OFDM)型変
調であるように選択されてもよく、その場合、直交振幅変調または位相偏移キーイング等
の変調スキームが使用されてもよく、これは順に、随意に、多くの近接して離間した直交
副搬送波にわたって分割されてもよい。
多くの場合、どの係数を第1のNxN時間周波数偏移行列[U]に使用するか、およ
びどのような係数を第2のNxNスペクトル成形行列[U]に使用するかという実際の
選択は、通信チャネル320に存在する条件に依存し得る。例えば、通信チャネル320
が、広帯域雑音、狭帯域干渉、インパルス雑音、ドップラ偏移、クロストーク等の特定の
種類の障害を受ける場合には、いくつかの第1のNxN時間周波数偏移行列およびいくつ
かの第2のNxNスペクトル成形行列が、これらの障害をより良好に克服することができ
るであろう。OTFS方法のいくつかの実施形態では、伝送器および受信器は、これらの
チャネル障害を測定しようとし、そのような障害によって引き起こされるデータ損失を最
小限化するために、代替的な種類の第1のNxN時間周波数偏移行列[U]および第2
のNxNスペクトル成形行列を各[U]に提案してもよい。
行列の乗算[[U][D]][U]によって表される上記のデータ伝送プロセスの種々の修正もまた、本開示の範囲内であり、図13および15を参照して以下で説明される。例えば、図13は、第1の代替的なOTFS伝送スキームを示す。図13の実施形態では、データ行列[D]は、IDFT行列であり得る、第3のユニタリ行列[U]1306によって、さらに畳み込み積分されてもよい。1つの実装では、[U1]は、DFT行列であってもよく、行列[U]1308は、DFT行列および基底の積であってもよい。このスキームでは、データをスキャンして伝送するプロセスは、以前に説明された置換演算Pによって表される。したがって、基本伝送プロセスは、[U]*[P([U][D])]*[U]として表すことができる。ここで、行列[D]は、参照数字1300によって識別され、行列積([U][D])は、参照数字1302によって識別される。行列積([U][D])の置換バージョン、すなわち、P([U][D])は、参照数字1304によって識別され、最終的な行列積[U][P([U][D])][U]は、参照数字1310によって識別される。種々の実施形態では、行列[U]1306は、DFT行列、IDFT行列、または自明な恒等行列を備えてもよい(その場合、この第1の代替的なスキームは、行列[U]が採用されないスキームと本質的に同等となる)。
ここで、第2の代替的なOTFS伝送スキームを図示する、図15に注意を向ける。示
されるように、元のデータ行列[D]は、参照数字1500によって識別され、行列積[
][D]は、参照数字1502によって識別され、置換行列P([U][D])は
、参照数字1504によって識別され、行列[U]は、参照数字1506によって識別
される。図15の表現では、置換演算Pの効果のうちの少なくともある効果が、矢印15
07および矢印1507’の異なる方向によって表される。一実施形態では、[U]は
、アダマール行列、つまり、相互に直交する行、および+1または−1係数のいずれか一
方から成る正方形の行列であってもよい。この行列は、H*H=nIであり、I
NxN恒等行列であり、HがHの転置であるという性質を有する。図15の代替的なO
TFS伝送スキームに一致して、伝送された信号に対応する行列は、[P([U][D
])]*[U]として表されてもよく、参照数字1508によって識別される。
信号受信およびデータ再構築
ここで、受信デバイス330のOTFS送受信器315−2が伝送データフレームを受
信するように動作し得る、プロセス360を図示する、図3Cに注意を向ける。OTFS
送受信器315−2内で、伝送中に行われるプロセスは、本質的に逆に行われる。ここで
、TFSデータ行列([P([U][D])][U])’(’の注釈は複製行列を示
す)の時間および周波数拡散複製が、複数の時間拡散間隔、タイムスライス、周波数、お
よびスペクトル形状にわたって累積され、次いで、以下の動作を行うことによって[D]
の値を求めるように畳み込みを解かれる。
1:([P([U][D])][U])’を受信する(段階362)
2:1が伝送に使用された場合、[U2]行列のエルミート行列[U ]による第1の
左乗算を行い、したがって、P([U][D])を生成する(段階364)。
3:置換が伝送中に使用された場合、(P([U][D])P−1によってこの複製の
順序を逆に変え、したがって、[U][D]を生成する(段階368)。
4.[U]行列のエルミート行列[U ]による第2の右乗算を行い、したがって、
[D]を再作成する(段階370)。
チャネルの中の雑音および他の障害の結果として、情報行列および他の雑音低減方法の
使用が、通信リンクの中の種々の障害によるデータ損失または歪曲を補償するために採用
されてもよい。実際に、OTFS方法の実施形態によって考慮されるように、広い範囲の
時間、周波数、およびスペクトル形状にわたってデータフレーム[D]の元の要素を拡散
することの1つの利点は、多くの伝送時間、周波数、およびスペクトル形状のうちのいく
つかと関連付けられる情報の伝送中の損失を補償することが単純になることであると容易
に理解され得る。
種々のデコンボリューション方法がOTFS方法の実施形態で使用されてもよいが、一般に、ユニタリ行列[U]の任意のエルミート行列[U]について、以下の関係が適用されるため、エルミート行列の使用が特に好適であり得る。[U][U]=[I]、式中、[I]は、恒等行列である。
通信リンクは、当然ながら、無限速度でデータを伝送することが可能ではない。したが
って、OTFS方法の一実施形態では、第1のNxN時間周波数偏移行列([U])、
第2のNxNスペクトル成形行列([U](1が使用されるとき))、およびデータフ
レームの要素、ならびに通信リンクの制約(例えば、利用可能な帯域幅、電力、時間量等
)は、均衡して(かつオーバーヘッドを無視して)1つの時間拡散間隔で通信リンクを経
由して、NxN TFSデータ行列の少なくともN個の要素を伝送することができるよう
に選択される。より具体的には(再度、オーバーヘッドを無視して)NxN TFSデー
タ行列の1つの要素は、概して、各時間拡散間隔の各タイムスライス中に伝送されるであ
ろう。
このデータを伝達する速度を考慮すると、次いで、典型的には、TFSデータ行列全体
が、N個の時間拡散間隔にわたって伝達されてもよく、この仮定は、概して、本議論に使
用されるであろう。しかしながら、第1のNxN時間周波数偏移行列、第2のNxNスペ
クトル成形行列、およびデータフレームの要素、ならびに通信リンクの制約の間の他の均
衡を保つ考慮事項を考慮すると、TFSデータ行列全体は、N個より少ない時間拡散間隔
、またはN個より多くのN時間拡散間隔でも伝達されてもよいことが明白なはずである。
上記で議論されるように、TFSデータ行列のコンテンツは、TFSデータ行列から異
なる要素を選択し、複数の拡散時間間隔にわたって、タイムスライスにつき1つの要素の
基準で、通信リンクを経由してそれらを送信することによって、伝送されてもよい。原則
として、TFSデータ行列の異なる要素を選択するというこのプロセスは、単一の時間拡
散間隔ごとにTFSデータ行列の連続行を送信すること、連続時間拡散間隔ごとにTFS
データ行列の連続列を送信すること、連続時間拡散間隔ごとにTFSデータ行列の連続対
角線を送信すること等、通信リンク能力の観点から、干渉を最小限化すること、および曖
昧性を低減させること等の種々の異なる方法によって達成することができるが、いくつか
のスキームは、多くの場合、他のスキームより良好である。したがって、多くの場合、[
]および[U]行列、ならびに置換スキームPは、通信リンクにおける種々の障害
に応答して、伝送効率を最適化するように選択されてもよい。
図4Bに示されるように、したがって、それに従ってOTFS送受信器がTFSデータ
行列を利用して情報を伝送、受信、および再構築し得る、例示的なプロセス404は、概
して、以下のように特徴付けられてもよい。
1:各単一時間拡散間隔について、TFSデータ行列のN個の異なる要素を選択する(多
くの場合、TFS行列の連続列が選択されるであろう)(段階482)。
2:所与の時間拡散間隔の中の異なるタイムスライスにわたって、TFSデータ行列のN
個の異なる要素から1つの要素(タイムスライスごとに異なる要素)を選択し、この要素
を変調し、各異なる要素が各自のタイムスライスを占有するように、この要素を伝送する
(段階484)。
3:所与の時間拡散間隔で異なる該タイムスライスにわたって、伝送TFSデータ行列の
これらのN個の異なる複製要素を受信する(段階486)。
4:TFSデータ行列のこれらのN個の異なる要素を復調する(段階488)。
5.受信器においてTFSデータ行列の複製を組み立て直すために、最大で合計N回、段
階482、484、486、および488を繰り返す(段階490)。
この方法は、第1のNxN拡散コード行列[U]、第2のNxNスペクトル成形行列
[U]、置換スキームP、ならびに種々の期間にわたって伝送するTFS行列から要素
を選択するために使用される特定のスキームの受信器による知識を仮定する。一実施形態
では、受信器は、累積TFSデータ行列を取り込み、標準線形代数方法を使用して、元の
NxNデータフレームの値を求める。元のデータフレーム[D]からの各元のデータ記号
が、TFSデータ行列全体にわたって本質的に分配されているため、完全なTFSデータ
行列が受信器によって受信されるまで、データ[D]からの恣意的な要素または記号を再
構築することが可能ではない場合があることが理解され得る。
ここで、通信チャネル320等の無線リンクを経由してOTFS変調データを復調するための例示的な方法700を例証的に表す、図7Aに注意が向けられる。図7Bは、図7Aの方法を行うための例示的なOTFS受信器の構成要素を図示する。方法700は、図4AのOTFS送受信器400のOTFS受信器モジュール455によって、または図7BのOTFS受信器750によって行うことができる。OTFS伝送器405が、多くの場合、デジタル部分で行列の計算を行い、次いで、アナログ部分で結果をアナログ信号に変換することが可能である、ハイブリッドアナログ/デジタルデバイスであるように、同様に、OTFS受信器750は、典型的には、OTFS受信器750のアナログ受信器770において電波信号を受信して復調し、次いで、多くの場合、デジタルOTFS受信器780のデジタル部分でこれらの信号を復号するか、または畳み込みを解くことが可能であろう。
図7Aに示されるように、伝送された電波信号620のチャネル障害バージョンに対応する、受信した信号720は、例えば、OTFS受信器750のアンテナ760によって受信されてもよい。受信した信号720は、概して、通信チャネル320によって生じた信号アーチファクト、障害、または歪曲により、伝送された信号620の正確なコピーを備えないであろう。したがって、TFS行列の元の要素の正確なコピーではなく複製が、タイムスライス612ごとにOTFSアナログ受信器770によって受信および復調される722。例示的実施形態では、TFS行列の1列が、全拡散時間間隔608中に段階722で復調される。結果として、OTFS復調器460は、N個の単一時間拡散間隔にわたって、これらの要素を累積し、最終的に、元のTFS行列の複製を作成するために必要な要素を累積するであろう(段階724)。
段階724中に累積されるTFS行列を復号するか、または畳み込みを解くために、デ
ジタルOTFSデータ受信器780は、段階726中に、[U]行列のエルミート行列
、すなわち、データ段階704で確立される[U ]でTFS行列を左乗算する。次に
、デジタルOTFSデータ受信器780は、段階728で、この左乗算の結果の逆置換(
−1)を行う。次いで、デジタルOTFSデータ受信器780は、段階730で、元の
NxN時間周波数偏移行列[U]のエルミート、すなわち、段階702で確立される[
]で段階728の結果を右乗算することによって、元のデータ行列[D]の複製7
32を再構築するためにTFS行列の畳み込みを解く。再構築された信号が、概して、種
々の通信リンク障害による、いくらかの雑音および歪曲を有するであろうため、情報行列
等の種々の標準的な雑音低減および統計平均技法が、再構築プロセス(図示せず)を支援
するために使用されてもよい。各元のデータ行列[D]の各複製フレーム732が、デジ
タルデータ記憶装置782内に記憶されてもよい(段階740)。
ここで、OTFS送受信器400のOTFS受信器モジュール455によって、または
例えば、図7BのOTFS受信器750によって実装されることが可能な例示的なOTF
Sデータ復調方法790を表す流れ図である、図7Cに注意が向けられる。図7Cに示さ
れるように、本方法は、少なくとも2次元の時間周波数逆変換行列を確立するステップを
含む(段階792)。本方法はさらに、逆変換行列のエルミートである時間周波数変換行
列を使用して形成される、変調信号を受信するステップを含む(段階794)。次いで、
変調信号は、変換データ行列を形成するように復調される(段階796)。本方法はさら
に、変換データ行列および逆変換行列を組み合わせることによってデータ行列を生成する
ステップを含む(段階798)。
ここで、図15の代替的なOTFS伝送スキームに対応する代替的なOTFS信号受信
スキームを図示する、図16に注意が向けられる。示されるように、データ[D]を符号
化して変調するために使用される行列[U]および[U]のエルミート行列を形成す
ること、ならびに複数の時間間隔にわたってデータをスキャンして伝送するために使用さ
れる元の置換演算Pを取り消す逆置換演算P−1によって、受信したデータの行列[r]
1600が復調され、畳み込みが解かれる(復号される)。図16の説明図では、逆置換
−1([r][U ])は、参照数字1604によって識別され、再構築されたデー
タ行列[D]([U ]*P−1([r]*[U ])から作成される)は、参照数
字1606によって識別される。
ここで、代替的なOTFS伝送スキームを図示する、図15に注意が向けられる。示さ
れるように、元のデータ行列[D]は、参照数字1500によって識別され、行列積[U
][D]は、参照数字1502によって識別され、置換行列P([U][D])は、
参照数字1504によって識別され、行列[U]は、参照数字1506によって識別さ
れる。図15の表現では、置換演算Pの効果のうちの少なくともある効果が、矢印150
7および矢印1507’の異なる方向によって表される。一実施形態では、[U]は、
アダマール行列、つまり、相互に直交する行、および+1または−1係数のいずれか一方
から成る正方形の行列であってもよい。この行列は、H*H=nIであり、IがN
xN恒等行列であり、HがHの転置であるという性質を有する。図15の代替的なOT
FS伝送スキームに一致して、伝送された信号に対応する行列は、[P([U][D]
)]*[U]として表されてもよく、参照数字1508によって識別される。
上記のデータ再構築プロセスの種々の修正もまた、本開示の範囲内であり、図14およ
び16を参照して以下で説明される。ここで図14を参照すると、図13の第1の代替的
なOTFS伝送スキームに一致して伝送される信号の受信および再構築のためのスキーム
が図示されている。ここで、種々の通信リンク障害効果の後に、伝送器が受信して累積し
たデータは、[r]行列1400として表される。データ[D]を符号化して変調するた
めに最初に使用される元の[U]、[U]、および[U]行列のエルミート行列を
形成すること、ならびに複数の時間間隔にわたってデータをスキャンして伝送するために
使用される元の置換演算Pを取り消す逆置換演算P−1によって、[r]行列1400が
復調され、畳み込みが解かれる(復号される)。ここで、[U ]は、IDFT行列で
あってもよく、[U ]は、DFT行列であってもよく、[U ]1402は、DF
T行列×基底であってもよい。示されるように、P−1([U ][r][U ])
は、参照数字1404によって識別され、再構築されたデータ行列[D]は、参照数字1
406によって識別される。
ここで図11を参照すると、受信データまたはブロック群1120の間にガード時間1
150を含む、例示的な受信フレーム1100が図示されている。受信フレーム1100
は、図9で図示される特性と同等の特性を有するフレームの伝送に応答して受信される、
フレームに対応する。図11に示されるように、各受信ブロック1120は、図11に示
されるような列、または行等の[D]行列の一部分、あるいは[D]行列のサブブロック
を備える、情報を含む。[D]行列全体は、N個のブロック1120およびN−1個のガ
ード時間1150を含む、時間T1130で受信される。ガード時間1150は、受信
した信号においてドップラ偏移を分解する時間を受信器に提供する。ドップラ偏移は、受
信時間の遅延または前進を引き起こし、OTFS受信器455は、他のユーザからの干渉
を伴わずにデータを捕捉するために、受信ブロック1120−1、1120−2、112
0−3、1120−4、および1120−5の間のガード時間1120を使用することが
できる。
OTFS方法の第2の形態
ここで、OTFS方法の第2の形態の側面を説明する際に参照されるであろう、図8、
10、および12に注意が向けられる。前述のように、図6および7を参照して説明され
た第1のOTFS方法では、タイムスライスごとの基準でデータが伝送される。対照的に
、OTFS方法の第2の形態は、それぞれが、概して、N個のタイムスライスの期間にわ
たって存続する、一連の波形として伝送されることを考慮する。より具体的には、OTF
S方法の第2の形態の実施形態では、N個の要素を含むデータの入力フレーム[D]内
の各データ要素は、持続時間のN個のタイムスライスの基本波形から導出される独特の波
形を割り当てられる。1つの実装では、この独自性は、各データ要素に基本波形の時間お
よび周波数周期偏移の特定の組み合わせを割り当てることによって得られる。
OTFS方法の第2の形態の一実施形態に一致して、データの入力フレーム[D]の中
の各要素は、その対応する独特の波形で乗算され、それによって、一連のN個の加重さ
れた独特の波形を生成する。1つの拡散時間間隔(概して、N個のタイムスライスから成
る)にわたって、データのフレーム[D]の中の各データ要素に対応する、N個全ての
加重された独特の波形が、同時に組み合わせられて伝送される。さらに、本実施形態では
、N個のタイムスライスの長さ(または持続時間)の異なる独特の基本波形が、各連続時
間拡散間隔に使用される。一式のN個の独特の基本波形(すなわち、N個の時間拡散間隔
のそれぞれに1つ)が、正規直交基底を形成する。理解され得るように、OTFS要素の
第2の形態の実施形態は、[D]の少なくとも一部がN個の時間拡散間隔のそれぞれの中
で伝送されることを考慮する。
OTFS方法のこの第2の形態に従って変調および伝送される波形を受信するために、
受信した信号は(N個のタイムスライスの各拡散間隔にわたって)、その特定の時間拡散
間隔にわたって伝送プロセス中に各データ要素に以前に割り当てられた一式のN個全て
の波形と相関する。この相関を行うと、受信器は、N個のデータ要素のうちのそれぞれ
1つに対する独特の相関スコアを生成するであろう(受信器は、伝送器によって、対応す
る一式のN個のデータ要素にそれぞれ割り当てられた、一式のN個の波形の知識を有
するか、または提供されるであろう)。このプロセスは、概して、N個の時間拡散間隔に
わたって繰り返されるであろう。したがって、元のデータ行列[D]は、各データ要素に
ついて、N個の時間拡散間隔にわたって相関スコアを合計することによって、受信器によ
って再構築することができる。相関スコアのこの総和は、典型的には、データのフレーム
[D]のN個のデータ要素を生じるであろう。
ここで図8を参照すると、OTFS方法の第2の形態に従ってデータを畳み込み積分し
、かつ畳み込みを解くために使用される、例示的な一式のベクトルが示されている。具体
的には、図8は、基底ベクトル802、データベクトル800、フーリエベクトル804
、および伝送ベクトル806を描写する。図8の実施形態では、データベクトル800は
、NxN[D]行列のN個の要素(多くの場合、1つの行、列、または対角線)を含んで
もよく、基底ベクトル802は、NxN[U]行列のN個の要素(多くの場合、1つの
行、列、または対角線)を含んでもよく、フーリエベクトル804は、多くの場合、DF
TまたはIDFT行列を備え得る、NxN[U]行列のN個の要素(多くの場合、1つ
の行、列、または対角線)を含んでもよい。伝送フレーム808は、それぞれが、複数(
N個等)のタイムスライスを含有する伝送ベクトル806によって定義される、N個の単
一時間拡散間隔T810から成る。図8の実施形態では、伝送ベクトル806は、各伝
送間隔の各タイムスライス中に伝送するためにOTFS伝送行列の要素を選択する際に伝
送器によって使用される情報を提供する。
図8では、線812は、各フーリエベクトル波形804が1つの拡散時間間隔T81
0にわたって現れることを示すことを目的としている。これは、OTFS方法の第2の形
態(各波形が複数(例えば、N個)のタイムスライスから成る時間拡散間隔にわたって存
在する)とOTFS方法の第1の形態(無線信号が本質的にタイムスライスごとの基準で
伝送される)との間の無線電波信号変調の差異を表すことが観察される。
図10は、OTFS方法の第2の形態に従ってデータを畳み込み積分し、かつデータを
伝送するために使用され得る、周期的コンボリューション方法の側面を図示する。以前に
議論されたように、具体的には、[U]が、長さNの周期的置換ルジャンドル数から成
る場合において、データを畳み込み積分し、データをスキャンするプロセスは、代替とし
て、基礎的データの周期的コンボリューションであるものとして理解することができる。
ここで、d、d、dN−1は、[D]行列のデータベクトル1000成分の要素また
は記号であるものとして理解することができ、b係数は、[U]行列の基底ベクトル
1002成分を表すものとして理解することができ、X係数は、[U]行列のフーリエ
ベクトル1004成分を表すものとして理解することができる。b係数およびX係数の
組み合わせは、伝送ブロックT1010を形成するように合計される。図10の説明図
では、それぞれのそのような組み合わせは、[b*X]として表され、k番目のフー
リエベクトルとのm番目の基底ベクトルの要素に関する乗算を含む。
図39A、39B、39C、および39Dは、それに従って、データ行列のN個のデ
ータ記号dijが、一対の変換行列を使用して基底フレームFijのN個の異なる基底
行列Bijの中へ拡散される、例示的なOTFS符号化スキームを図示する。図39Aを
参照すると、基底行列は、N長のN個の基底ベクトルb−bN−1を含む。[U1]が
DFTまたはIDFT行列を使用して実装されるとき、主要対角線に沿って各DFTベク
トル(列)のN個の成分を配置することによって形成される対角行列で基底ベクトルb
−bN−1のそれぞれを乗算することによって、[U1]および[U2]による[D]行
列の乗算を複製することができる。これらの乗算の結果は、N個の基底行列である。図
39Aに示されるように、次いで、各データ要素dijは、N個の基底行列のうちの1
つで乗算され、結果として生じるN個の行列dij*Bijは、OTFSデータ行列を
生じるように合計される。これは、例えば、図10の周期的コンボリューションによって
図示される。したがって、各データ要素dijは、OTFSデータ行列の各要素にわたっ
て拡散される。
図39Bは、lおよびkが1以上である、N−l列およびN−k行を含む、不完全な基
底行列を図示する。結果として生じる乗算は、NxN OTFS行列全体にわたってデー
タ要素dijの一部分のみを拡散する。図39Cは、MがNより大きい、長さMのN個の
ベクトルを有する基底フレームを図示する。結果として生じる基底フレームは、NxM要
素を含む。図39Dは、lおよびkが1以上である、N−l列およびM−k行を含む、不
完全な基底フレームを図示する。結果は、全てよりも少ないデータ要素dijが、N
の基底フレームの全てにわたって拡散されることである。
図12は、OTFS方法の第2の形態に従って受信データの畳み込みを解くために使用
され得る、周期的デコンボリューション方法の略図を示す。図12では、R1202は
、OTFS受信器455によって受信および復調される、累積信号730の一部分を表す
。再度、以前に議論されたように、具体的には、[U1]が、長さNの周期的置換ルジャ
ンドル数から成る場合において、次いで、データの畳み込みを解き、データを再構築する
行列ベースの数学プロセスは、代替として、図10で以前に畳み込み積分された伝送デー
タの周期的デコンボリューションであるものとして理解することができる。ここで、再構
築成分1200〜d、〜d、〜dN−1は、[D]行列のデータベクトル1000成
分の再構築要素(記号)であるものとして理解することができ、b係数1002は、再
度、[U1]行列の同一の基底ベクトル1002成分を表すものとして理解することがで
き、X係数1004は、再度、[U2]行列のフーリエベクトル1004成分を表すもの
として理解することができる。加えて、[b*X]’は、k番目のフーリエベクトル
とのm番目の基底ベクトルのミラー共役の要素に関する乗算を表すものとして理解するこ
とができる。
この代替的なスキームまたは実施形態では、OTFS方法は、複数の時間拡散間隔にわ
たって、複数の時間スペクトルトーンまたはスペクトル形状拡散コードを作成するステッ
プを含み、各単一時間拡散間隔は、少なくとも1つのクロック間隔から成り、各時間スペ
クトルトーンまたはスペクトル形状拡散コードは、第1の時間周波数偏移、第2のスペク
トル成形、および時間拡散コードの関数、またはスキャンおよび伝送スキームを含む、通
信リンクを経由して少なくとも1つのデータのフレーム([D])を伝送する方法である
ものとして理解することができる。
複数のユーザ
例示的実施形態では、単一の受信器によって受信されるように、データが複数の伝送器(ここでは通常、複数伝送器事例と称される)を使用して複数のユーザから送信されることを可能にするために、OTFS変調技法が採用されてもよい。例えば、複数のユーザ「a」、「b」、「c」、および「d」がそれぞれ、N個の要素を含むデータのフレームを送信することを所望すると仮定されたい。マルチユーザOTFS伝送スキームの実施形態に一致して、複数のユーザによって共有される概念的なNxN OTFS伝送行列が、以下で説明される様式で作成されてもよい。具体的には、各所与のユーザが、データのN個の要素を、そのようなユーザと関連付けられるNxNデータフレームの1列の中へ詰めるが、他の列を空のままにする(ゼロに設定された係数)。したがって、ユーザ「a」と関連付けられ、かつユーザ「a」によって伝送されるNxNデータフレーム[D]は、以下のように表され得る。
同様に、したがって、ユーザ「b」と関連付けられ、かつユーザ「b」によって伝送さ
れるNxNデータフレーム[D]は、以下のように表され得る。
そして、ユーザ「n」が、NxNデータフレーム[D]を送信する。
したがって、それぞれ、ユーザ「a」、「b」..「n」によるデータフレーム[D
]、[D]…[D]の伝送は、概念的なNxN OTFS伝送行列の伝送をもたらし
、ユーザのそれぞれが、そのような概念的な伝送行列の列のうちの1つと関連付けられて
いる。このようにして、各独立ユーザ「a」、「b」..「n」は、概念的なNxN O
TFS伝送行列内のその指定スロット(すなわち、列)中に、そのN個のデータ要素を伝
送し、そうでなければ、情報を伝送しない。これは、概念的なNxN OTFS伝送行列
が、単一の伝送器のみによって送信される完全なデータフレームを表すかのように、デー
タフレーム[D]、[D]…[D]に対応する信号が受信器で受信されることを可
能にする。いったん受信器でそのように受信されると、受信データフレーム[D]、[
]…[D]は、概念的なNxN OTFS伝送行列を効果的に複製し、次いで、こ
れは、上記で議論される様式で畳み込みを解かれてもよい。
図24は、先行実施例に一致して、複数のユーザが概念的なOTFS伝送行列の指定列
の中でデータを伝送し得る様式を図示する、時間/周波数平面2400を描写する。示さ
れるように、時間/周波数平面2400は、第1のユーザによる、概念的なOTFS伝送
行列の第1の列の中のデータの伝送を表す、第1のタイルT2410−1を含む。図2
4の実施形態では、第1のタイルT2410−1は、OTFSチャネルの帯域幅(BW
)全体を包含し、Tが、概念的なOTFS伝送行列内の入力の全てを伝送するために必
要とされる合計時間を表す、T/Nの持続時間にわたって延在する。同様に、時間/周
波数平面2400は、第2のユーザによる、第2のT/N間隔中の概念的なOTFS行
列の第2の列の中のデータの伝送を表す、第2のタイルT2410−2を含む。このよ
うにして、N人のユーザのそれぞれは、NxN概念的OTFS伝送行列内に含まれる、そ
れぞれのN個の要素を伝送するように、T/Nの時間間隔を提供される。
図25は、先行実施例に一致して、複数のユーザが概念的なOTFS伝送行列の指定列
の中でデータを伝送し得る別の様式を図示する、代替的な時間/周波数平面2400を描
写する。示されるように、時間/周波数平面2500は、第1のユーザによる、概念的な
OTFS伝送行列の第1の行または第1の一式の行の中のデータの伝送を表す、第1のタ
イルT2510−1を含む。図25の実施形態では、第1のタイルT2510−1は
、第1の行の数に対応するOTFSチャネルの帯域幅(BW)全体の第1の部分を包含し
、伝送は、Tが、概念的なOTFS伝送行列内の入力の全てを伝送するために必要とさ
れる合計時間を表す、持続時間T全体にわたって延在する。同様に、時間/周波数平面
2500は、帯域幅の第2の部分を包含し、また、T時間間隔全体中に伝送する、第2
のユーザによる、概念的なOTFS行列の第2の行または複数の行の中のデータの伝送を
表す、第2のタイルT2510−2を含む。このようにして、ユーザのそれぞれは、N
xN概念的OTFS伝送行列内に含まれる、それぞれのN個の要素(またはN個の要素の
整数の倍数)を伝送するように、Tの時間間隔全体にわたって帯域幅の一部分を提供さ
れる。
図26は、先行実施例に一致して、複数のユーザが概念的なOTFS伝送行列の指定列/行部分の中でデータを伝送し得る別の様式を図示する、さらに別の時間/周波数平面2600を描写する。示されるように、時間/周波数平面2600は、第1のユーザによる、概念的なOTFS伝送行列の1つ以上の第1の列および1つ以上の第1の行の中のデータの伝送を表す、第1のタイルT2610−1を含む。図26の実施形態では、第1のタイル2610−1は、第1のタイルT2610−1の中の行数に比例するOTFSチャネルの帯域幅(BW)全体のうちの一部を包含し、伝送は、Tが、概念的なOTFS伝送行列内の入力の全てを伝送するために必要とされる合計時間を表し、n≦Nが、第1のタイル2610−1が含む行数を表す、nT/Nの持続時間にわたって延在する。同様に、時間/周波数平面2600は、第2のユーザによる、m≦Nが、第2のタイルT2610−2の中の行数を表す、第2のmT/N間隔中の概念的なOTFS行列の1つ以上の第2の列および1つ以上の第2の行の中のデータの伝送を表す、第2のタイル2610−2を含む。このようにして、ユーザのそれぞれは、NxN概念的OTFS伝送行列内に含まれる、それぞれの要素を伝送するように、T/Nの整数の倍数の時間間隔を提供される。
図24−26のタイルのサイズは、対応するユーザに提供されるデータの量に比例的に
対応する。したがって、より高いデータ速度要求を伴うユーザには、[D]行列のより大
きい部分、したがって、より大きいタイルを与えることができる。加えて、伝送器により
近いユーザには、[D]行列のより大きい部分を与えることができる一方で、より遠く離
れているユーザは、近いユーザへの効率的な伝送を利用し、さらに遠いユーザに伝送して
失われるデータを最小限化するように、より小さい部分を提供されてもよい。
異なる伝送器(または単純に複数の伝送器)を使用している複数のユーザは、同一のプ
ロトコルを使用して、同一の通信リンクを経由して通信してもよい。ここで、各ユーザま
たは伝送器は、例えば、それぞれのデータを送信または受信するように、Nサイズのデ
ータのフレームの中の少数のデータ要素のみを選択してもよい。一実施例では、ユーザは
、単純に、それらの目的でデータのフレームの1列を選択し、ゼロで他の列を設定しても
よい。次いで、ユーザのデバイスは、TFSデータ行列を計算し、それらを通常通り送受
信するであろう。
以前に議論されたように、OTFSアプローチの1つの利点は、ドップラ偏移および周
波数偏移に対する抵抗の増加である。例えば、多くの場合、OTFSアプローチによって
考慮される時間、周波数、およびスペクトル成形の大部分は、損なわれた通信リンクを経
由して機能するOTFS装備デバイスの優れた能力により、そのような偏移のいかなる悪
影響も大きく軽減するであろう。他の場合において、損なわれたローカルデバイスをさら
に正確に識別することができるため、基地局または他の伝送デバイスは、補正信号を損な
われたデバイスに送信することができるか、または代替として、損なわれたデバイスを動
作停止させることができるかのいずれか一方である。
チャネル障害に対する抵抗の向上
以前に議論されたように、OTFS方法の1つの利点は、通信チャネル障害に対する抵
抗の増加である。障害に対するこの抵抗は、異常伝送器、具体的には、異常伝送器によっ
て占有されるTFSデータ行列の要素に隣接しているTFSデータ行列の要素上のドップ
ラ偏移または周波数偏移に悩まされる伝送器の影響を最小限化するように、第1のNxN
時間周波数偏移行列および第2のNxNスペクトル成形行列をさらに選択することによっ
て、向上させることができる。代替として、受信器は、問題を分析し、代替的な一式の第
1のNxN時間周波数偏移行列および/または該第2のNxNスペクトル成形行列が問題
を軽減するであろうかどうかを判定し、対応する変更が対応する伝送器に行われることを
提案または命令してもよい。
記号ベースの電力およびエネルギー考慮
OTFS方法はまた、従来の変調技法を使用して行われることが可能であるよりも精緻
なトレードオフが、伝送距離、伝送器電力、および情報データ速度の間で行われることも
可能にする。部分的に、各記号が、概して、従来の技法が採用される場合に対して、より
多数の間隔にわたって拡散されるため、この増加した融通性が生じる。例えば、従来の時
分割多重通信システムでは、記号が1つだけの時間間隔にわたって伝送されているため、
伝送される記号あたりの電力が極めて高くなければならない。従来の拡散スペクトル通信
システムでは、記号は、本質的にN個の間隔にわたって伝送されており、間隔あたりの電
力は、それに対応してより少ない。OTFS方法がN個の異なるモダリティ(例えば、
波形、時間)にわたって情報のビットまたは記号を伝送するため、モダリティあたりの電
力は、はるかに少ない。とりわけ、これは、一般に、特定の時間間隔にわたって特定の波
形のみに影響を及ぼすであろう、インパルス雑音の効果が、より少ないであろうことを意
味する。それはまた、OTFS方法によって可能にされる、増加した数の信号伝送モダリ
ティ(波形、時間)により、手近の特定の通信リンク障害状況に最も良好に対応するよう
に信号を最適化するために利用可能である、より多くの自由度があることも意味する。
OTFS等化の概観
ここで、OTFS通信システム内のドップラおよび周波数偏移を補償するための種々の
技法を説明する際に参照されるであろう、図27−36に注意を向ける。ここで図27を
参照すると、受信器2706が、本明細書で説明される様式で、受信した信号の時間デコ
ンボリューションを通して、種々の種類のエコー反射または他のチャネル歪曲を補償する
、例示的なプロセスが示されている。図27では、無線伝送器2700は、上記の説明に
従った方法を使用して、複数の方向に複雑な周期的時間偏移および周期的周波数偏移無線
波形2702を伝送する。無線伝送器2700は、例えば、図4のOTFS伝送器405
を使用して実現することができる。これらの信号2704のうちのいくつかは、受信器2
706へ直接進む。受信器2706は、例えば、図4のOTFS受信器455であり得る
。他の信号2708は、建築物2707等の無線反射体によって反射されてもよい。これ
らの「エコー」反射2710は、より長い距離を進んで受信器2706に到達し、したが
って、最後には時間遅延させられる。結果として、受信器2706は、元の信号2704
およびエコー波形2710の両方の総和である、歪曲信号2712を受信する。
伝送された信号2702の一部分が周期的時間偏移波形であるため、図4の後置等化器
480等の受信器における時間デコンボリューションデバイス2714は、波形の周期的
時変パターンを分析し、適切な補償を達成する。図27の実施形態では、この分析は、一
種のパターン合致または同等物、および種々の時間偏移バージョンへの受信した歪曲信号
の分解を含んでもよい。これらの時間偏移バージョンは、例えば、直接信号2704に対
応する第1の時間偏移バージョン2716、および反射信号2710に対応する第2の時
間偏移バージョン2718を含んでもよい。時間デコンボリューションデバイス2714
はまた、時間遅延エコー信号2718、2710を元の信号または直接信号2716、2
704と合致させるために必要な時間オフセット2720を判定してもよい。ここでは時
間デコンボリューションパラメータと呼ばれる、この時間オフセット値2720は、伝送
器2700および受信器2706に対するエコー場所の相対位置に関する有用な情報を提
供してもよい。このパラメータは、本システムが伝送器と受信器との間に起こる信号障害
のうちのいくつかを特徴付けるのに役立ってもよい。
図28は、エコー反射および周波数偏移の両方、本実施例ではドップラ効果周波数偏移を補償するように、受信器2806(OTFS受信器455等)が受信した信号の時間および周波数補償の両方を達成するのに役立つために、周期的時間偏移波形および周期的周波数偏移波形の両方を伝送することがどのように有用であり得るかという実施例を示す。図28では、OTFS伝送器405等の移動する無線伝送器2800が、再度、複数の方向に複雑な周期的時間偏移および周期的周波数偏移無線波形2802を伝送している。提示を単純化するために、伝送器2800が、受信器に向かって移動することも受信器から離れる方に移動することもしておらず、したがって、受信器2806に対するドップラ周波数偏移がないように、受信器2806と垂直に移動していると仮定される。さらに、伝送器2800が建築物2807等の無線反射体に向かって移動しており、したがって、元の無線波形2802がドップラ効果によって修正され、それによって、反射体2807に対して、(青方偏移された)より高い周波数に向かって波形2802の周波数を偏移させるであろうと仮定される。
したがって、受信器2806に影響を及ぼす直接信号2804は、本実施例では、周波
数偏移させられないであろう。しかしながら、無線反射体、ここでは再度、建築物280
7から跳ね返る、ドップラ偏移無線信号2808は、高周波数偏移形態で反響するであろ
う。これらの高周波数偏移「エコー」反射2810はまた、依然として、より長い距離を
移動して受信器2806に到達し、したがって、最後には同様に時間遅延させられる必要
がある。結果として、受信器2806は、時間および周波数偏移エコー波形2810との
直接信号2804の総和により歪曲させられる、信号2812を受信する。
しかしながら、上記で説明されたように、本明細書で説明されるOTFS技法は、周期
的時間偏移および周波数偏移波形の伝送を利用してもよい。したがって、受信器2806
内の時間および周波数デコンボリューションデバイス2814(代替として、図4のOT
FS復調器460およびOTFS後置等化器480等の時間および周波数適応等化器)は
、そのような波形を種々の時間偏移および周波数偏移バージョンに戻して分解するために
、波形の周期的時変および周波数変化パターンを評価してもよい。そのようなバージョン
の間に、直接信号2804に対応する第1のバージョン2816、および周波数偏移エコ
ー波形2810に対応する第2のバージョン2818が含まれる。一実施形態では、この
評価および分解は、パターン合致または関連技法を使用して達成されてもよい。同時に、
時間および周波数デコンボリューションデバイス2814はまた、上記で参照された時間
デコンボリューションパラメータ、および本明細書では周波数デコンボリューションパラ
メータとも称され得る、周波数オフセット値2822を判定してもよい。これらのパラメ
ータは、伝送器2800および受信器2806に対するエコー場所の相対位置に関する有
用な情報を提供してもよく、また、伝送器と受信器との間で起こる信号障害のうちの特定
のものの特性化を可能にしてもよい。
時間および周波数デコンボリューションの両方の正味の効果は、相互に対して異なる距
離および速度で潜在的に存在する伝送器、受信器、およびエコー源に適用されるとき、受
信器が損なわれた信号を適正に解釈することを可能にすることである。ここで、たとえ一
次信号において受信されるエネルギーが低すぎて適正な解釈を可能にすることができなく
ても、信号バージョンへの適切な時間および周波数オフセットまたはデコンボリューショ
ンパラメータの適用時に、信号の時間および/または周波数偏移バージョンからのエネル
ギーを一次信号に追加することができ、それによって、受信器において、より雑音が少な
く、より確実な信号をもたらす。加えて、時間および周波数デコンボリューションパラメ
ータは、伝送器および受信器に対するエコー場所の相体位置および速度、ならびに伝送器
と受信器との間の種々の速度に関する有用な情報を含有することができ、また、本システ
ムが伝送器と受信器との間で起こる信号障害のうちのいくつかを特徴付けるのに役立つこ
ともできる。
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるOTFSシステムはまた
、エコー反射および周波数オフセットのうちの1つまたは組み合わせのいずれか一方によ
り、そのような反射およびオフセットと関連付けられる複数の信号が、N個の総和記号
加重された周期的時間偏移および周波数偏移波形の時間および/または周波数偏移バージ
ョンを表す、時間および/または周波数畳み込み複合信号を受信器に受信させる、改良型
受信器を提供する方法を提供してもよい。ここで、改良型受信器はさらに、そのようなエ
コー反射ならびに結果として生じる時間および/または周波数オフセットを補正するよう
に、時間および/または周波数畳み込み信号の時間および/または周波数畳み込みを解く
であろう。これは、時間および周波数の両方の畳み込みを解いた結果(すなわち、典型的
には、はるかに高い品質および低い信号対雑音比の信号)、ならびに議論されるように、
いくつかの目的で有用である種々の時間および周波数デコンボリューションパラメータを
もたらすであろう。
しかしながら、他の用途のさらに詳細な議論に進む前に、最初に、種々の波形について
さらに詳細に議論することが有用である。
本明細書で説明されるOTFSシステムおよび方法の実施形態は、概して、複数のデータ記号を1つ以上のNxN記号行列の中へ分配し、伝送器の信号変調を制御するためにこれらの1つ以上のNxN記号行列を使用することによって生成される波形を利用する。ここで、各NxN記号行列については、伝送器は、符号化行列Uに従って判定される、N個の周期的時間偏移波形およびN個の周期的周波数偏移波形の全ての置換のNサイズのセットから選択される、N個の波形に加重するために各データ記号を使用し、したがって、各データ記号に対するN個の記号加重された周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形を生成してもよい。この符号化行列Uは、対応する逆復号行列Uを有するNxNユニタリ行列であるように選択される。本方法はさらに、NxN記号行列の中の各データ記号について、N個の記号加重された周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形を合計し、N個の総和記号加重された周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形を生成するであろう。伝送器は、N個の時間ブロックまたは周波数ブロックの任意の組み合わせにわたって、N個の複合波形として構築される、これらのN個の総和記号加重された周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形を伝送するであろう。
上記で議論されるように、通信リンクを介して少なくとも1つのデータのフレーム[D
](最大N個のデータ記号または要素の行列から成る)を伝送および受信するために、
種々の波形を使用することができる。ここで、各データ記号は、基本波形から導出される
独特の波形を割り当てられてもよい(対応する波形が指定される)。
例えば、データ行列[D]のデータ記号は、この基本波形の時間および周波数周期偏移
のデータ記号特有の組み合わせとともに、各データ記号を長さNのタイムスライスの基本
波形から導出される独特の波形(対応する波形)に割り当てることによって、一連の周期
的に変化する時間および周波数偏移にわたって拡散されてもよい(本明細書で説明される
実施形態では、一式のN個のタイムスライスは、時間ブロックとも称される、この波形を
伝送するために必要とされる時間に対応する)。
一実施形態では、データのフレーム[D]の中の各記号は、その対応する波形で乗算さ
れ、一連のN個の加重された独特の波形を生成する。1つの拡散時間間隔(または時間
ブロック間隔)にわたって、データのフレーム[D]の中の各データ記号に対応する、N
個全ての加重された独特の波形は、同時に組み合わせられて伝送される。さらに、1つ
の時間ブロック(N個のタイムスライス)の長さ(または持続時間)の異なる独特の基本
波形が、各連続時間拡散間隔(連続時間ブロック)に使用されてもよい。したがって、1
つの時間ブロックに対応する、異なる独特の基本波形が、各連続時間拡散間隔に使用され
てもよく、この一式のN個の独特の波形は、概して、正規直交基底を形成する。本質的に
、[D]の各記号は、N個全ての時間ブロックにわたって、または代替として、時間ブロ
ックおよび周波数ブロック(例えば、割り当てられた周波数範囲)のいくつかの組み合わ
せにわたってのいずれかで、(部分的に)何度も繰り返して伝送される。
各時間ブロックにわたってデータを受信するために、受信した信号は、その特定の時間
ブロックに対して伝送器によって各データ記号に以前に割り当てられた、対応する一式の
個全ての波形と相関する。この相関を行うと、受信器は、N個のデータ記号のうち
のそれぞれ1つに対する独特の相関スコアを生成してもよい。このプロセスは、N個全て
のブロックが受信されるまで、時間ブロックおよび周波数ブロックの何らかの組み合わせ
にわたって繰り返されるであろう。したがって、元のデータ行列[D]は、各データ記号
について、N個の時間ブロックまたは周波数ブロックにわたって相関スコアを合計するこ
とによって、受信器によって再構築することができ、相関スコアのこの総和は、データの
フレーム[D]のN個のデータ記号を再現するであろう。
いくつかの実施形態では、これらN個の時間ブロックのうちのいくつかが、非連続的に
伝送されてもよく、または代替として、これらN個の時間ブロックのうちのいくつかが、
完全に異なる周波数範囲へ周波数偏移させられ、伝送時間を加速するために、元の一式の
N個の時間ブロックから、他の時間ブロックと並行して伝送されてもよいことに留意され
たい。これは、後に図29を参照してさらに詳細に議論される。
焦点が基礎的な周期的時間偏移および周期的偏移波形に向けられることを可能にするた
めに、上記で説明されるOTFS方法の一実施形態の詳細な側面が、いくらか一般化され
、また、簡略化形態で議論されてもよい。例えば、N個の周期的時間偏移波形およびN個
の周期的周波数偏移波形の全ての置換のNセットから選択する動作は、少なくとも部分
的に、随意的な置換演算P、ならびに上記で議論される他のステップに対応してもよい。
加えて、N個の周期的時間偏移波形およびN個の周期的周波数偏移波形の全ての置換のN
セットは、例えば、離散フーリエ変換(DFT)行列または逆離散フーリエ変換行列(
IDFT)によって少なくとも部分的に表されると理解されてもよい。このDFTおよび
IDFT行列は、例えば、一連の実数または複素数を取り込み、それらを一連の異なる波
形に変調するために、伝送器によって使用することができる。
ここで特定の実施例を考慮すると、DFT行列(例えば、図18のDFT行列)の個々
の行はそれぞれ、一式のN個の周期的時間偏移および周波数偏移波形を含む、フーリエベ
クトルを生成するために使用されてもよい。一般に、フーリエベクトルは、以下の種類の
複雑な正弦波形を生成してもよい。
式中、NxN DFT行列[X]については、X は、DFT行列の行k列jの中の
フーリエベクトルの係数であり、Nは、列数である。このフーリエベクトルの積は、OT
FSシステムで使用するために好適な種々の時間偏移および周波数偏移波形が生成され得
る、様式の一実施例を表すと見なされてもよい。
例えば、前述のように、図10は、伝送器がデータを符号化して伝送するために使用す
ることができる、周期的コンボリューション方法の一実施例の略図を示す。図10では、
種々の[b*X]成分の合計はまた、「複合波形」と称することもできる。結果とし
て、図10に一致する実施形態では、記号の完全[D]行列が、最終的に、N個の複合波
形として伝送されるであろう。
以前に議論されたように、図12はまた、受信データを復号するために使用されること
が可能な周期的デコンボリューション方法の略図を提供すると理解されてもよい。より具
体的には、特に、[U]が、長さNの周期的置換ルジャンドル数から成る場合において
、データの畳み込みを解き、データを再構築するプロセスは、代替として、図10を参照
して説明されるように、伝送器によって以前に畳み込み積分(符号化)された伝送データ
の周期的デコンボリューション(周期的復号)であるものとして理解することができる。
図12の実施形態では、〜d、〜d、〜dN−1要素は、(伝送データベクトル10
00に対応する)[D]行列のデータベクトル1200成分の再構築記号(記号)を表し
、b係数は、再度、[U]行列の基底ベクトル1002成分を表し、X 係数は、
[U]行列のフーリエベクトル1004成分を表すものとして理解することができる。
ここで、(R)1202は、受信器によって受信および復調される、累積信号1010
の一部分である。
図24−26を参照して上記で説明されるように、複数のユーザが同一のデータ行列[
D]の中の複数の時間/周波数オフセットブロックにわたってデータを伝送するために提
供するように、データ行列[D]の行(周波数オフセット)および列(時間オフセット)
を比例させるための異なるタイリングスキームを利用することができる。これらのタイリ
ングスキームは、運動および反射信号の種類、ならびに伝送器および受信器が経験してい
る、結果として生じる時間および周波数オフセットに応じて、異なって利用することがで
きる。ここで、図29−30を参照して、異なる時間/周波数ブロックを利用するための
いくつかの例示的な方法を説明する。
ここで図29を参照すると、一連のN個の連続時間ブロックとして(すなわち、間にい
かなる他のブロックもない)伝送することができる、種々の伝送波形ブロック2900が
示されている。これらの連続時間ブロックは、隣接列2902(すなわち、種々の波形ブ
ロックの間に最小限の時間間隙を伴うか、または時間間隙が全くない)であり得るか、ま
たは低密度隣接列2904(すなわち、いくつかの実施形態では、同期化、ハンドシェイ
キング、他のユーザの伝送器を聞くこと、チャネル査定、および他の目的で使用され得る
、種々の波形ブロックの間に時間間隙を伴う)であり得るかのいずれか一方である。代替
として、種々の波形時間ブロックは、列2910に示されるように、隣接または低密度イ
ンターリーブ様式で、1つ以上の異なる記号行列2906、2908からのブロック(場
合によっては異なる伝送器に由来し得る)と時間インターリーブされて伝送することがで
きる。
さらに別の代替案として、種々の波形時間ブロックのうちのいくつかは、完全に異なる
周波数帯域または範囲2912、2914、2916に転置された周波数であってもよい
。ここで、複数の波形時間ブロックを異なる周波数ブロックと同時に伝送することができ
るため、これは、伝送時間を加速することができる。時間/周波数オフセットタイル29
18および2920に示されるように、そのような複数の周波数帯域伝送はまた、隣接、
低密度隣接、隣接インターリーブ、または低密度隣接インターリーブ様式で行うこともで
きる。ここで、2922および2928は、第1の周波数範囲2912での1つの時間ブ
ロックを表し、2924および2930は、周波数範囲2912での次の時間ブロックを
表す。ここで、種々の周波数範囲2912、2914、および2916は、簡潔に説明さ
れるように、異なる周波数搬送波に従って信号を変調することによって形成することがで
きる。したがって、例えば、周波数範囲または帯域2912は、1GHz周波数搬送波を
変調することによって伝送され得る、周波数範囲または帯域2914は、1.3GHz周
波数搬送波を変調することによって伝送され得る、帯域2915は、1.6GHz周波数
搬送波を変調することによって伝送され得る等である。
言い方を変えれば、それら自体が、以前に議論されたN個の総和記号加重された周期
的時間偏移および周期的周波数偏移波形から導出される、N個の複合波形は、少なくとも
N個の時間ブロックにわたって伝送されてもよい。これらN個の時間ブロックは、時間的
に連続して(例えば、2902、2904)伝送されてもよいか、または代替として、第
2の異なるNxN記号行列からのN個の時間ブロックと時間インターリーブされて伝送さ
れてもよいかのいずれか一方である。
図30は、1つ以上のより広い周波数範囲にわたって、より短い持続時間ブロックとし
て、または1つ以上のより狭い周波数範囲にわたって、より長い持続時間ブロックとして
のいずれか一方で、伝送器によって伝送される種々の複合波形ブロックを伝送できること
を示す。つまり、図30は、OTFS方法の実施形態の使用を通して利用可能にされる、
周波数帯域幅と時間との間の例示的なトレードオフを示す。時間/周波数タイル2940
では、各周波数範囲2912、2914、および2916に対する利用可能な帯域幅が、
比較的大きい一方で、2942では、各周波数範囲2932、2934、および2936
に対する利用可能な帯域幅は、大幅に小さい。ここで、OTFSスキームは、時間ブロッ
クにつきより多くの時間を許容することによって、より狭い周波数範囲を補償することが
できる。したがって、時間/周波数タイル2940では、高い帯域幅が利用可能であると
、時間ブロック2922および2924が、より短くあり得る一方で、時間/周波数タイ
ル2942では、より低い帯域幅が利用可能であると、複合波形を伝送するための時間ブ
ロック2926は、より長い。
次いで、図29および30の両方について、1つだけの基本搬送波周波数がある場合に
は、N個全てのブロックが、N個の時間ブロックとして時間的に連続して伝送される。利
用可能なN未満の複数の基本搬送波周波数がある場合には、N個の時間ブロックおよびN
個の周波数ブロックの何らかの組み合わせとして、N個全てのブロックを伝送することが
できる。利用可能なN個以上の基本周波数がある場合には、1つの時間ブロックの持続時
間にわたって、N個の周波数ブロックとして、N個全てのブロックを伝送することができ
る。
ここで、例示的な事前等化スキームを説明する際に参照されるであろう、図21に注意
が向けられる。以前に説明されたように、伝送器2100は、各時間ブロックが一式のN
個のタイムスライスを包含する、一連のN個の連続波形時間ブロックを伝送するように構
成される。全連続タイムスライス中に、変調回路2104を制御するために、OTFS行
列2108からの1つの要素を使用することができる。また、以前に議論されたように、
変調スキームは、要素が、その実数および虚数成分に分離され、細分化され、フィルタに
かけられ、次いで、正弦および余弦発生器の動作を制御するために使用され、複合アナロ
グ波形2120を生成するであろう、スキームであってもよい。元のNxNデータ記号行
列[D]全体が伝送される時間までに、正味の効果は、N個の複合波形として構造化され
る、N総和記号加重された周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形の形態でデータ
を伝送することである。
いくつかの実施形態では、伝送器2100はさらに、典型的には、アナログ変調回路2
102に提供する前に[D]行列を処理することを伴う、図4の前置等化器410によっ
て行われる、事前等化動作を実装してもよい。この事前等化動作が行われるとき、伝送器
2100は、事前等化OTFS信号2130を出力し、そうでなければ、伝送器は、単純
にOTFS信号2120を出力する。事前等化動作は、例えば、伝送器2100と通信し
ている受信器が、OTFS信号2120が特定のエコー反射および/または周波数偏移を
受けていることを検出するときに、行われてもよい。そのようなエコー反射および/また
は周波数偏移をそのように検出すると、受信器は、そのような反射および偏移に関連する
補正情報を伝送器に伝送してもよい。次いで、前置等化器410は、これらのエコー反射
および/または周波数偏移を補償するよう、後に伝送された事前等化OTFS信号を成形
してもよい。したがって、例えば、受信器がエコー遅延を検出する場合、前置等化器41
0は、エコー除去防止波形を伴う信号を送信してもよい。同様に、受信器が周波数偏移を
検出する場合、前置等化器410は、補整逆周波数偏移を伝送された事前等化信号213
0に導入することができる。
図31は、エコー反射および周波数偏移の効果を補償するように動作する、受信器処理
セクション3110を図示する。図31を参照すると、受信器処理セクション3110は
、周期的デコンボリューション処理ブロック3106と、等化器3102とを含む。等化
器3102は、一連の数学演算を行い、エコー反射および周波数偏移が基礎的信号を歪曲
させた程度に関連する情報も与えることができる、等化パラメータ3108を出力する。
等化器3102Aは、例えば、適応等化器であり得る。
図31では、伝送以来、複合伝送波形が、図27および28で以前に示されたように、
種々のエコー反射および/または周波数偏移によって歪曲させられていると仮定される。
これは、簡単にするために、単純エコー反射遅延歪曲を通して表される、歪曲波形310
0を生成する。図31では、等化器3102は、歪曲波形3100を分析することによっ
て、そのような歪曲を低減させるか、または実質的に排除し、元の複合波形がN個の周期
的時間偏移波形およびN個の周期的周波数偏移波形で構成されたという知識で支援されて
、どのような種類の時間オフセットおよび周波数オフセットが、畳み込みを解かれた波形
3104として図31で表される、元の波形の近接表現に戻して歪曲波形3100の畳み
込みを最も良好に解くであろうかを判定するように構成される。等化器3102によって
行われる等化動作は、代替として、周期的デコンボリューションデバイス3106によっ
て実行されてもよい。
一実施形態では、等化器3102は、歪曲波形を等化するプロセス中に一式の等化パラ
メータ3108を生成する。例えば、元の波形が、時間toffsetまで、かつ元の波
形およびtoffsetエコー波形が受信器に到達する時間まで、単一のエコー反射オフ
セットのみによって歪曲させられた、単純な場合において、結果として生じる歪曲信号3
100は、例えば、約90%の元の波形および10%のtoffsetエコー波形であっ
てもよく、次いで、等化パラメータ3108は、90%の元の信号および10%のエコー
信号の両方の混合、ならびにtoffset値を出力することができる。典型的には、当
然ながら、実際の歪曲信号3100は、いくつかの種々の時間および周波数オフセット成
分から成ることができ、ここで再度、この歪曲を取り除くことに加えて、等化器3102
はまた、信号3100の種々の成分の種々の時間オフセット、周波数オフセット、および
割合混合を伝送器および/または受信器に報告することもできる。
図29および30で以前に議論されたように、N個の時間ブロックの中の種々の複合波
形を種々の方法で伝送することができる。時間連続伝送、すなわち、(多くの場合、随意
に、ハンドシェイキングまたは他の制御信号に使用され得る、時間間隙によって)第2の
時間ブロック、次いで、第3の時間ブロックが後に続く、第1のブロックに加えて、複合
波形の種々のブロックを他のスキームによって伝送することができる。
いくつかの実施形態では、例えば、複数の伝送器、また、潜在的に複数の受信器もあり得る、ネットワークシステムでは、1つより多くの符号化方法を使用して、種々の伝送器からデータを伝送することが有用であり得る。ここで、例えば、第1の一式のN個の時間ブロックは、第1のユニタリ行列[U]を使用して、第1の伝送器から、第1のNxN記号行列が起源であるデータ記号を伝送してもよい。第2の一式のN個の時間ブロックは、第2のユニタリ行列[U]を使用して、第2の伝送器から、第2のNxN記号行列が起源であるデータ記号を伝送してもよい。実施形態に応じて、[U]および[U]は、同一であり得るか、または異なり得る。第1の伝送器が起源である信号が、異なる障害(例えば、異なるエコー反射、異なる周波数偏移)に遭遇し得るため、周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形のいくつかのスキームは、他のスキームより良好に動作してもよい。したがって、これらの波形、ならびにユニタリ行列[U]および[U]は、これらの特定のエコー反射、周波数オフセット、ならびに第1の伝送器、第2の伝送器、および/または受信器のシステムおよび環境の他の信号障害の特性に基づいて選択されてもよい。
実施例として、図31に従って等化を実装するように構成される受信器は、それが導出する等化パラメータ3108に基づいて、そのような受信器によって経験される現在の環境および条件を考慮して、優れた動作を提供することを目的としている、代替的な一式の周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形を提案することを選択してもよい。この場合、受信器は、この提案(またはコマンド)を対応する伝送器に伝送することができる。この種類の「ハンドシェイキング」は、所望される任意の種類の信号伝送および符号化スキームを使用して行うことができる。したがって、複数伝送器および受信器環境で、各伝送器は、その意図された受信器が、その間の通信チャネルを経由した伝送器と受信器との間の通信に特有の障害を最も良好に克服することができるように、その信号を最適化しようとしてもよい。
場合によっては、大量のデータを伝送する前に、または所望に応じていつでも、所与の
伝送器および受信器が、種々のエコー反射、周波数偏移、および伝送器および受信器のシ
ステムおよび環境の他の障害をより直接的に試験することを選択してもよい。これは、例
えば、伝送器に試験信号を送信させることによって行うことができ、複数のデータ記号は
、受信器に知られている試験記号であるように選択される(例えば、受信器が、これらの
特定の試験記号の記録を記憶している場合がある)。この場合、受信器が、いかなる障害
もない場合に、どのような種類の信号を受信するべきかを正確に認識するであろうため、
等化器3102は、概して、受信器にそのような認識が欠けている場合に対して、受信器
によって使用するためのさらに正確な時間および周波数等化パラメータ3108を提供す
ることができるであろう。したがって、この場合、等化パラメータは、エコー反射、周波
数オフセット、ならびに適用可能な伝送器および受信器のシステムおよび環境の他の信号
障害の特性に関する、さらに正確な情報を提供する。このより正確な情報は、適用可能な
伝送器が、本状況により好適な通信スキームの使用に(例えば、U行列に)移行すること
を提案または命令するために、受信器によって使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、伝送器が無線伝送器であり、受信器が無線受信器であり、周
波数オフセットがドップラ効果によって引き起こされるとき、伝送器および受信器の環境
内の少なくとも1つの物体の場所および速度を判定するために、デコンボリューションパ
ラメータ、すなわち、エコー反射および周波数オフセットの特性のより正確な判定を使用
することができる。
OTFS等化技法の実施例
本節は、上記で議論される一般的なOTFS等化アプローチおよび装置に一致して実装
されることが可能である、いくつかの例示的なOTFS等化技法の説明を含む。しかしな
がら、そのような例示的な技法を説明する前に、これらのOTFS等化技法の議論のため
の適切な文脈を提供するために、OTFS変調信号の伝送および受信の側面の概要が挙げ
られる。
ここで、OTFS信号伝送および受信のそのような概要を参照して、記号を種々のNx
N行列[D]の種々の要素の中へ再パッケージ化または分配することによって、マイクロ
プロセッサ制御伝送器が、伝送のために一連の異なる記号「d」(例えば、d、d
…)をパッケージ化する場合を考慮されたい。1つの実装では、そのような分配は、
例えば、[D]行列のNxN個全ての記号が満たされるまで、dを[D]行列の第1の
行および第1の列に(例えば、d=d)、dを[D]行列の第1の行、第2の
列に(例えば、d=d0,1)等、割り当てることを含んでもよい。ここで、伝送器が
伝送する「d」記号を使い果たした場合、残りの[D]行列要素を、0またはヌル入力を
示す他の値に設定することができる。
これらの波形が特徴的な正弦形状を有することを示すように、ここでは「トーン」と呼
ばれるであろう、データを伝送するための主要基底として使用される、種々の主要波形を
、NxN逆離散フーリエ変換(IDFT)行列[W]によって表すことができ、式中、[
W]の中の各要素wについて、
であり、または代替として、
または
である。したがって、[D]の中の個々のデータ要素dは、行列乗算演算[W]*[D]
によって、種々の基本トーンwの組み合わせとして変換されて分配され、ここでは、[A
]=[W]*[D]である、NxN行列[A]によって表される、データ行列のトーン変
換および分配形態を生成する。
N個の周期的時間偏移波形およびN個の周期的周波数偏移波形を生成するために、次い
で、トーン変換および分配データ行列[A]はさらに、それ自体がモジュラー算術または
「クロック」算術によって順序を変えられ、それによって、
である、[B]の各要素bを含む、NxN行列[B]を作成する。これは、代替として、
[B]=Permute([A])=P(IDFT*[D])として表すことができる。
したがって、クロック算術は、周期的時間および周波数偏移のパターンを制御する。
次いで、以前に説明されたユニタリ行列[U]を、[B]に作用するために使用することができ、[T]=[U]*[B]である、NxN伝送行列[T]を生成し、したがって、符号化行列[U]に従って判定される、N個の周期的時間偏移波形およびN個の周期的周波数偏移波形の全ての置換のNサイズのセットを生成する。
代替的に言うと、NxN伝送行列[T]=[U]*P(IDFT*[D])である。
次いで、典型的には、列ごとの基準で、Nの各個別列が、周波数搬送波をさらに変調す
るために使用される(例えば、約1GHzの周波数の範囲内で伝送される場合、搬送波は
1GHzで設定されるであろう)。この場合、NxN行列[T]の各N要素列は、各デー
タ記号に対してN個の記号加重された周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形を生成
する。次いで、効果的に、伝送器は、データの時間ブロックにわたって、例えば、複合波
形として、一度に[T]の1列からN個の記号加重された周期的時間偏移および周期的周
波数偏移波形の合計を伝送している。代替として、伝送器は、代わりに、[T]の異なる
列に異なる周波数搬送波を使用し、したがって、例えば、1つの周波数搬送波を経由して
[T]の1列を伝送し、同時に、異なる周波数搬送波を経由して[T]の異なる列を伝送
し、したがって、同時により多くのデータを伝送することができるが、当然ながら、そう
するためにより多くの帯域幅を使用する。同時に[T]の1つより多くの列を伝送するた
めに異なる周波数搬送波を使用する、この代替的な方法は、各周波数搬送波が各自の周波
数ブロックと見なされる、周波数ブロックと称されるであろう。
したがって、NxN行列[T]がN個の列を有するため、伝送器は、図29および30
で以前に示されたように、N個の時間ブロックまたは周波数ブロックの任意の組み合わせ
にわたって、N個の複合波形として構造化される、N個の総和記号加重された周期的時
間偏移および周期的周波数偏移波形を伝送するであろう。
受信器側で、伝送プロセスは、本質的に逆転される。ここで、例えば、マイクロプロセ
ッサ制御受信器が、当然ながら、その特定の用途のために所望に応じて、種々の時間ブロ
ックまたは周波数ブロックにわたって、種々の列[T]を受信する(例えば、N個の記号
加重された周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形としても知られている、N個の複
合波形を受信する)であろう。十分な帯域幅が利用可能であり、時間が最重要である場合
において、伝送器は、複数の周波数搬送波を経由して複数の周波数ブロックとしてデータ
を伝送してもよい。一方で、利用可能な帯域幅がより制限され、および/または時間(待
ち時間)があまり重要ではない場合には、代わりに、複数の時間ブロックにわたって、伝
送器が伝送し、受信器が受信するであろう。
動作中に、受信器は、効果的に1つ以上の周波数搬送波に同調し、特定の用途のために
設定された時間および周波数ブロックの数にわたって、最終的に、NxN受信行列[R]
として、元のNxN伝送行列[T]からデータまたは係数を受信してもよい。一般的な場
合において、[R]は、[T]に類似するであろうが、伝送器と受信器との間の種々の障
害の存在により、同一ではない場合がある。
次いで、マイクロプロセッサ制御受信器は、元の伝送プロセスを逆に模倣する、一連の
ステップとして伝送プロセスを逆転させる。NxN受信行列[R]は、最初に、逆復号行
列[U]によって復号され、[B]=([U]*[R])である、ここでは[B
]と呼ばれる、元の置換行列[B]の近似バージョンを生成する。
次いで、受信器は、NxN[B]行列の要素に逆モジュラー数学または逆クロック算
術演算を行うことによって、周期的時間偏移および周期的周波数偏移波形(またはトーン
)からデータを取り消すように逆クロック演算を行い、NxN[B]行列の各要素b
について、
を生成する。これは、以降で[A]と称され得る、データ行列[A]のトーン変換およ
び分配形態の逆周期的時間偏移および逆周期的周波数偏移バージョンを生成する。代替的
に言うと、[A]=Inverse Permute([B])または[A]=P
−1([U]*[R])である。
次いで、受信器はさらに、元の逆フーリエ変換行列(IDFT)のNxN離散フーリエ
変換行列DFTを使用して[A]行列を分析することによって、[A]行列からの元の
データ記号dの少なくとも近似値を抽出する。
ここで、各受信記号dについて、dは、[D]=DFT*A、または代替とし
て、[D]=DFT*P−1([U]*[R])である、NxN受信データ行列[D
]の要素である。
したがって、元のN個の総和記号加重された周期的時間偏移および周期的周波数偏移
波形は、後に、対応する復号行列U([U]としても表される)によって制御される
、受信器によって受信される。受信器のプロセッサは、1つ以上の最初に伝送されたNx
N記号行列[D]の中の種々の伝送記号「d」(またはこれらの伝送記号の少なくとも近
似値)を再構築するために、この復号行列[U]を使用する。
ここで種々の例示的なOTFS等化技法の議論を参照すると、エコー反射および周波数
偏移の信号障害効果によって引き起こされる歪曲を補正するために使用されることが可能
である、少なくともいくつかの一般的アプローチが存在する。1つのアプローチは、周期
的時間偏移および周期的周波数偏移波形または「トーン」が予測可能な時間周波数パター
ンを形成するという事実を活用する。このスキームでは、受信器のフロントエンドに位置
するデコンボリューションデバイスは、これらのパターン、ならびにこれらのパターンの
エコー反射および周波数偏移バージョンを認識し、パターン認識プロセスによって適切な
デコンボリューションを行うように率直に構成されてもよい。代替として、歪曲は、種々
のエコー反射および周波数偏移効果を本質的に判定し、これらの効果について解くように
設計されている、受信器のプロセッサによって実行される、ソフトウェアルーチンを使用
して、数学的に補正されてもよい。第3の代替案として、いったんいずれか一方のプロセ
スによって、受信器が通信媒体の特定の時間および周波数歪曲の時間および周波数等化パ
ラメータを判定すると、受信器は、例えば、図4の前置等化器410等の前置等化器を使
用することによって、これらの効果を本質的に事前補償または事前符号化するように伝送
器に指示するコマンドを伝送器に伝送してもよい。つまり、例えば、受信器がエコーを検
出する場合、このエコーを相殺する様式等で伝送するように、伝送器に指示することがで
きる。
図32Aは、チャネルHのエコー反射および周波数偏移(例えば、運動によって引き
起こされるドップラ偏移)が、曖昧になり得るか、または付加雑音3202によって歪曲
させられ得る、例示的なシステムを図示する。時間および周波数歪曲は、データアレイに
作用する2次元フィルタHとしてモデル化することができる。フィルタHは、例えば
、時間遅延およびドップラ偏移を伴う複数のエコーの存在を表す。これらの歪曲を低減さ
せるために、信号は、信号3200がチャネルを経由して受信器に伝送される前に、例え
ば、前置等化器3208を使用して事前等化し、後に、D行列が3206で回復させら
れた後に、後置等化器3206を使用して事後等化することができる。この等化プロセス
は、例えば、デジタル処理技法を使用することによって行われてもよい。理想的には元の
D行列を完全に再現するであろう、受信したD行列の等化形態は、以降でDeqと称され
てもよい。
図32Bは、そのような歪曲を補正するために後置等化器3206を実装するように使
用され得る、適応線形等化器3240の実施例を示す。等化器3102としても使用され
得る、適応線形等化器3240は、以下の関数に従って動作してもよい。
2次元等化の数学的基盤
本質的に2次元である、OTFS変調と関連付けられる例示的な等化機構が、以下で議
論される。これは、例えば、OFDMおよびTDMA等の従来の変調スキームにおけるそ
の1次元対応物とは対照的である。
OTFS伝送器に提供される入力記号ストリームが、特定の有限配置
(例えば、QPSKまたは高次QAMのいずれか一方)の中の値を伴うデジタル関数
であると仮定されたい。この伝送器は、この入力ストリームをアナログ信号ΦTx,Pa
ssに変調し、次いで、これが伝送される。伝送中に、ΦTx,Passは、多経路チャ
ネル歪曲を受ける。歪曲通過帯域信号ΦTx,Passは、OTFS受信器に着信し、本
明細書では出力ストリームと称され得る、デジタル関数
に戻して復調される。OTFS変調の局所性の性質は、多経路チャネル歪曲の正味の効果
が、2次元チャネルインパルス応答で周期的2次元コンボリューションによって求められ
ることを示唆する。図53および54を参照されたい。
ここで図53を参照すると、2次元チャネルインパルスの説明図が提供されている。時
間軸に沿った塗りつぶしが、時間遅延を引き起こす多経路反射を表す一方で、周波数軸に
沿った塗りつぶしは、ドップラ偏移を引き起こす多経路反射体を表す。図54A−54C
では、入力および出力ストリームが、2次元チャネル歪曲後に描写されている。具体的に
は、図54Aは、2次元チャネルインパルスを表し、図54Bは、入力ストリームの一部
分を表し、図54Bは、チャネルおよび付加雑音を伴うコンボリューション後の同一部分
を描写する。
以下では、適切な等化機構を説明する。この目的を達成するために、0、1、..、N−1によってデジタル時間軸の要素を列挙すること、および以下の関数列として、それぞれ、入力ストリームXおよび出力ストリームYを考慮することが便利であろう。
式中、全てのk=0、..、N−1およびi∈Rについて、X(k)(i)=X(k,
i)およびY(k)(i)=Y(k,i)である。
さらに、説明の目的で、時間指数kが両方向で無限であり、つまり、
であり、デジタル時間方向が線形であり、デジタル周波数方向が周期的であると仮定され
るであろう。これらの慣例の下で、出力ストリームと入力ストリームとの間の関係は、以
下の方程式(1.1)によって表すことができる。
式中、
は、チャネルインパルスタップである。典型的には、
および
である。数n=R−L+1は、本明細書ではチャネルのメモリ長と称され得る。(
4.1)の中の演算*は、環R上の1次元周期的コンボリューションを表す。
は、白色ガウス雑音を表す、平均0および共分散行列N・Idを伴う複素ガウスN次元
ベクトルである。
ここで図32Cを参照すると、等化器3102(図31)として利用されることが可能
である、例示的な適応決定フィードバック等化器3250の実施例が示されている。適応
決定フィードバック等化器3250は、フォワードフィードバックプロセス3210にお
いて主要信号に加えてエコーおよび周波数偏移信号を偏移させるとともに、次いで、33
12の中の任意の残留エコーおよび周波数偏移信号をさらに除去するように、フィードバ
ック信号消去方法も使用する。次いで、本方法は、結果として生じる信号を離散値に効果
的に四捨五入する。
適応決定フィードバック等化器3250は、いくつかの実施形態では、以下の関数に従
って動作してもよい。
式中、
である。
ロックされた搬送波周波数を用いた決定フィードバック最小二乗平均推定量(DF−L
MS)
ここで、搬送波周波数が伝送器と受信器との間でロックされる、つまり、WTx=W
であるという条件下で、方程式(1.1)で表される関係に適合された例示的な決定フ
ィードバックLMS等化器を説明する。後に、ゼロではない相違、すなわち、ΔW≠0の
存在の条件下での等化器の適合を説明する。一側面では、等化器は、以下のようなフォワ
ードフィルタおよびフィードバックフィルタを組み込む。
式中、典型的には、
は、
を満たす。実際に、両方のフィルタは、デジタル時間軸上の現在の点を指定する付加的な
パラメータ
に依存し、したがって、フィルタタップの完全な表記法は、F(l)およびB(l)
である。しかしながら、提示のために、この付加的な指数は、概して、省略され、必要な
ときのみ含まれるであろう。ソフト推定量が、以下のように定義される。
式中、X(k+l)は、量子化X(k)=Q(X(k))として定義される、過去
のデータベクトルX(k+l),l=L,..,−1の過去のハード推定であり、つま
り、
である。
初期フォワードおよびフィードバックフィルタタップの計算
一側面では、チャネルインパルス応答に関して表される、決定フィードバック等化器のフォワードおよびフィードバックフィルタタップを判定するために、閉鎖式が使用されてもよい。この場合、フォワードフィルタタップが、フィードバックに関係なく計算され、次いで、フィードバックフィルタタップが判定される。
フォワードフィルタタップの計算
最初に、k=0を固定し、フォワードフィルタタップのみに依存する、ベクトルX(0
)の以下のソフト推定量をXに示させる。
以下では、全ての
について、
であると仮定される。後に、この条件は、Xの選択にさらに適合される、k≧0につい
ては
であり、k<0についてはX(k)=0である、条件に置換されてもよい。Err=Er
r(0)によって、ソフトエラー項を表す。
費用関数を考慮し、
入力ストリームXおよび付加白色ガウス雑音
の確率分布にわたって期待値が求められる。最適なフィルタFoptは、以下のように定
義される。
したがって、以下の連立一次方程式を満たす。
勾配∇F(l)Uの式は、(1.6)の平均化バージョンであり、つまり、以下である
最初に、項
、次いで、項
を計算する。式
を作成すると、以下を得る。
l≠0であるときに
、および
であると観察し、したがって、以下のように結論付ける。
次に、項
を計算する。
Y(l’)*Y(l)の式を作成すると、以下を得る。
を表す。(1.13)の両側の期待値を求めると、R(l,l’)の以下の明示式を得る
R(l,l’)の計算では、(1.13)の中の特定の項の平均に以下の条件を使用する
(1.9)、(1.10)、(1.11)、および(1.12)を組み合わせて、最適
なフィルタFoptが以下の連立一次方程式を満たすと結論付ける。
最終的に、連立一次方程式(1.15)は、以下のようなN個のn=R−L=1
連立スカラー方程式に要約することができる。(1.15)の両側にDFTを適用して、
以下を得る。
式中、
は、対応する関数のDFTを表し、・は、DFTが点別乗算とコンボリューションを交換
し、複素共役と
を交換することを想定すると、
の中の関数の点別乗算を表す。ここで、環Rの各要素上の両側を評価することによって
、(1.16)の中の各関数値方程式がn個のスカラー値方程式に分離することを観察
されたい。明示的に、Rの中の要素を0、1、2、..、N−1によって番号付けする
場合、全てのi=0,..,N−1について、以下のスカラー値連立方程式で終わる。
より具体的な行列形態(1.17)は、全てのi=0,..,N−1について、以下のよ
うに見える。
過去の干渉の(フィードバック)減算に適合される場合である、k<0について入力スト
リームがX(k)=0を満たす場合を考慮することによって、議論を結論付ける。このシ
ナリオでは、最適なフォワードフィルタFoptは、「行列係数」R(l,l’)が以下
の形態を成す、形態(1.15)の連立一次方程式を満たす。
フィードバックフィルタタップの計算
最適なフィードバックフィルタタップBopt(l),l=L,..,−1を、以下
の式に従って、フォワードおよびチャネルタップから計算することができる。
式(1.20)の正当化は、以下のように進む。ある特定のl=L,..,−1に
対する入力ベクトルX(l)を固定する。各項Y(l+l’)からその干渉C(l’
)*X(l)を差し引いて、「干渉がない」数列
l=L,.,Rを得る。ここで、フォワードフィルタFoptを数列
に適用して、正当化を結論付ける、以下によって求められるX(0)の推定量を得る。
最適な初期フォワードおよびフィードバックフィルタタップの計算
代替的な側面では、決定フィードバック等化器の最適なフォワードおよびフィードバッ
クフィルタの閉鎖式が、チャネルインパルス応答に関して表されてもよい。この点に関し
て、全ての
について、
であると仮定する、確率設定で計算を行う。Xによって、ベクトルX(0)の以下のソ
フト推定量を表す。
Err=Err(0)によって、ソフトエラー項を表す。
費用関数を考慮し、
入力ストリームXおよび付加白色ガウス雑音
の確率分布にわたって期待値が求められる。最適なフィルタFopt、Boptは、以下
のように定義される。
したがって、以下の連立一次方程式を満たす。
勾配は、以下によって求められる。
最初に、第1の連立一次方程式
を明示的に書く。項
を拡張して、以下を得る。
直接計算は、以下を明らかにし、
式中、
である。
したがって、第1の連立方程式は、以下となる。
次に、連立一次方程式
を明示的に書く。項
を拡張して、以下を得る。
直接計算は、以下を明らかにする。
したがって、第2の連立方程式は、以下となる。
方程式(1.26)を使用して、最適なフィードバックフィルタタップは、チャネルタ
ップおよび最適なフォワードフィルタタップに関して、以下のように表されてもよい。
(1.25)の中で(1.27)の右側を置換することは、以下の連立一次方程式の解
を求めることによって、最適なフォワードフィルタタップが判定されることを可能にする
式中、
である。
最終的な注釈として、R(l,l’)=R(l,l’)−R(l,l’)を表し、
以下の形態で連立一次方程式(1.28)を書く。
連立一次方程式(1.29)は、以下のようなN個のn=R−L=1連立スカラ
ー方程式に要約することができる。(1.15)の両側にDFTを適用して、以下を得る
式中、
は、対応する関数のDFTを表し、・は、DFTが点別乗算とコンボリューションを交換
し、複素共役と
を交換するため、
の中の関数の点別乗算を表す。ここで、環Rの各要素上の両側を評価することによって
、(1.30)の中の各関数値方程式がn個のスカラー値方程式に分離することが観察
される。明示的に、0、1、2、..、N−1としてRの中の要素を番号付けすること
により、全てのi=0,..,N−1について、以下のスカラー値連立方程式をもたらす
より具体的な行列形態(1.31)は、全てのi=0,..,N−1について、以下のよ
うに見える。
チャネル獲得
ここで、OTFS変調スキームの例示的なチャネル獲得構成要素を説明する。この目的
を達成するために、0、1、2、..、N−1によって、Rの要素を番号付けする。チ
ャネル獲得のために、長方形片[0,R−2L]×[0,N]が時間周波数平面に専
念する。この一片における入力ストリームXの値は、以下であるように特定される。
このストリームの補数は、概して、データに専念するであろう。
勾配補正
前述のように、決定フィードバック等化器のフォワードおよびフィードバックタップは
、指数kに依存し、kが変動するとゆっくり変化する。本明細書では、適切な二次費用関
数に関する勾配補正に基づいて、例示的な追跡機構を続けて説明する。Err(k)によ
って、kステップでソフトエラー項を表す。
式中、理論的には、このエラーは、真のデータベクトルX(k)(真の決定)に関して求
められるべきであるが、例示的実施形態では、エラーは、方程式(1.4)で特定される
ようにハード推定量X(k)(ハード決定)に関して求められる。引数をフォワードお
よびフィードバックフィルタタップとして取り、以下の費用関数Uを定義する。
式中、
は、
についての標準エルミート内積
と関連付けられるノルムである。実際、費用関数は指数kに依存するが、簡潔にするため
に、表記からこの指数を省略することに留意されたい。次に、
についてのユークリッド内積
に関して、勾配
および
を計算する(実ベクトル空間と見なされる)。勾配の式は、以下である。

式中、
は、全ての
について
によって求められる、コンボリューション代数
についてのスター演算を表す。換言すると、関数のスター演算は、複素共役が後に続く、
の内側の座標を反転させることによって得られる。スター演算は、DFTによって複
素共役に関係付けられ、つまり、全ての
について
であることに留意する。
kステップでのタップの補正は、(逆)勾配方向にわずかな増分を追加することによっ
て得られ、つまり、適切に選択された正の実数μ≪1について、以下である。
わずかなパラメータμの最適な値μoptは、以下によって求められる。
パラメータμの中の二次式
の形式的展開は、以下を明らかにし、
式中、Hess(∇,∇)は、以下を表し、
および
は、以下を表す。
を表す場合には、放物線の最小値の標準式は、μoptが以下によって求められることを
示唆する。
図33は、チャネルを通した伝搬中に信号が遭遇し得る、種々のエコー(時間偏移)お
よび周波数偏移の説明図を提供する、時間周波数グラフを示し、つまり、図33は、チャ
ネルのインパルス応答を図示する。チャネルにいかなるエコー(時間偏移)または周波数
偏移も欠けていた場合、代わりに、チャネルによって変換されるような元の信号を表す、
信号スパイク3400が、定義された時間および周波数で単一のスパイクとして現れるで
あろう。しかしながら、種々のエコーおよび周波数偏移により、代わりに、元の信号は、
スパイク3400によって図示される様式で、時間3302および周波数3304の両方
にわたって拡散される。したがって、受信器3204においてさらに処理する前、または
後に受信器が処理をD段階3206に運んだ後のいずれか一方で、これらの効果を補償
するか、または別様に対処することが所望される。代替として、元の信号は、関連プロセ
スを使用して、伝送に先立って事前等化されてもよい3208。
図34は、図33に示されるチャネルインパルス応答によって導入される時間および周
波数歪曲を補正するときに、図32Cの適応決定フィードバック等化器のフィードフォワ
ード(FF)部分によって生成されるタップ値の時間周波数マップを例証的に表す。等化
器のFF部分3210は、もう一度主要信号(非反射および非偏移信号)と一致するよう
にエコーまたは周波数偏移信号を偏移させるために稼働し、したがって、エコーまたは周
波数偏移信号の強度を減少させながら、受信した信号の強度を増進する。
図35は、図33に示されるチャネルインパルス応答によって導入される時間および周
波数歪曲を補正するときに、図32Cの適応決定フィードバック等化器のフィードバック
(FB)部分3212によって生成されるタップ値の時間周波数マップを例証的に表す。
等化器のフィードフォワード(FF)部分3210がエコーおよび周波数偏移信号を実質
的に相殺した後、依然として、いくつかの残留エコーおよび周波数信号が残っているであ
ろう。フィードバック(FB)部分3212は、本質的に、本システムのこの部分のため
の適応キャンセラのように作用して、これらのトレース残存エコー信号を打ち消すように
作用する。
次いで、適応決定フィードバック等化器3214の量子化器部分は、例えば、伝送後の
記号「1」が、「0.999」よりもむしろ「1」として受信端でもう一度現れるように
、結果として生じる信号を最近傍量子化値に「四捨五入」するように作用する。
以前に議論されたように、ステップ802Bに特に好適である、等化方法の代替的な数
学的議論は、その内容が参照することにより本明細書に組み込まれる、仮出願第61/6
15,884号で説明されている。
データインターリービング
ここで、OTFSシステム内のインターリービングの使用についてさらに詳述する際に
参照されるであろう、図36Aおよび36Bに注意を向ける。具体的には、図36Aおよ
び36Bは、N個全てのブロックを伝送するために必要とされる時間が、異なるデータ行
列Dの間で変化し得る、インターリーブスキームで種々の異なる時間ブロックを伝送する
ことが有用であり得ることを示し、インターリービングスキームは、種々の最適化スキー
ムに従って、待ち時間、つまり、N個全てのブロックを伝送するために必要とされる時間
を考慮すること等である。待ち時間のグループを適正に選択することによって、1人のユ
ーザまたは別のユーザへの遅延を防止することができる。例えば、図36Aは、5人のユ
ーザa、b、c、d、およびeに対する伝送時間を描写する、第1の待ち時間の時系列3
600を示す。配置3605は、それぞれ4という待ち時間を伴うユーザaおよびbを備
える第1のグループと、それぞれ6という待ち時間を伴うユーザc、d、およびeを備え
る第2のグループとを含む、2つのグループを示す階層図を示す。これは、ユーザaおよ
びbが、4つのタイムスロットごとにデータを伝送または受信するであろう一方で、ユー
ザc、d、およびeは、6つのタイムスロットごとにデータを伝送または受信するであろ
うことを意味する。時間トラック3610が、各ユーザに対する伝送/受信の結果として
生じる順番を示す一方で、待ち時間指標3615、3620、3625、3630、およ
び3635は、それぞれ、ユーザa、b、c、d、およびeに対する結果として生じる待
ち時間間隔を示す。
図36Bは、4人のユーザa、b、c、およびdに対する伝送時間を示す、第2の待ち
時間の時系列3650を示す。配置3655は、2という待ち時間を伴うユーザaを備え
る第1のグループと、4という待ち時間を伴うユーザbを備える第2のグループと、8と
いう待ち時間を伴うユーザcおよびdを備える第3のグループとを含む、3つのグループ
を描写する階層図を示す。これは、ユーザaが、2つのタイムスロットごとにデータを伝
送または受信し、ユーザbが、4つのタイムスロットごとにデータを伝送または受信する
であろう一方で、ユーザcおよびdは、8つのタイムスロットごとにデータを伝送または
受信するであろうことを意味する。時間トラック3660が、各ユーザに対する伝送/受
信の結果として生じる順番を示す一方で、待ち時間指標3665、3670、3675、
および3680は、それぞれ、ユーザa、b、c、およびdに対する結果として生じる待
ち時間間隔を示す。ユーザがどのような種類のサービスを求めているかに応じて、異なる
待ち時間を異なるユーザに対して選択することができる。例えば、音声接続が、2という
待ち時間を提供されてもよい一方で、ファイルまたはビデオダウンロードは、8という待
ち時間を提供され得る。待ち時間は、他の理由で選択されてもよい。
全二重送受信器
図37は、データが同一の周波数帯域内で同時に伝送および受信されることを可能にすることが可能である、全二重OTFS送受信器3700の実施例を示す。OTFS送受信器3700は、時間および周波数領域内でエコー消去を実装する、エコー消去モジュール3705を伴って構成される。これは、伝送された信号の2次元反射の推定、つまり、周波数偏移および時間偏移の推定を可能にする。示されるように、第1のOTFSエンコーダ3710−1は、第1の行列[U1]を用いたOTFS符号化、置換演算、基底行列[U2]の第2の行列乗算、および結果として生じる変換データ行列の要素の正弦/余弦伝送を行う。変換データ行列は、1次元データストリームの中で一度に1列伝送され、RFアップコンバータ3715−1を用いてRF周波数にアップコンバートされ、電力増幅器3720−1を用いて電力増幅され、サーキュレータ3722を介してアンテナ3740に渡される。
図37の実施形態では、アンテナはまた、別の伝送器から第2のデータストリームも受
信する。しかしながら、第2のデータストリームはまた、OTFS伝送器3700によっ
て伝送される第1の信号の反射も含む。サーキュレータ3722は、エコーキャンセラ3
705によって生成される反射信号の推定値を差し引く、減算器3724に受信した第2
の信号を送る。第2のOTFSエンコーダ3710−2、第2のRFアップコンバータ3
715−2、およびエコーキャンセラ電力増幅器3720−2は、受信した第2の信号か
ら差し引かれる、推定エコーを生成する。
RFダウンコンバータ3725は、第2の受信した信号を復調し、復調された受信した
第2のデータストリームDを第1のOTFSデコーダ3730−1および第2のOTF
Sデコーダ3730−2に渡す。第1のOTFSデコーダ3730−2は、第1のデータ
ストリームを伝送するために使用された基底t行列を使用して、受信した第2の信号を復
号する。第2のOTFSデコーダ3730−2は、他方の伝送器が第2のデータストリー
ムを符号化するために使用した基底r行列を使用して、エコーが消去されたデータストリ
ームを復号する。第1のOTFSデコーダ3730−1の出力は、反射エコーチャネルの
2次元推定値を調整するために、残留エラー信号としてエコーキャンセラ3705にフィ
ードバックされる。第2のOTFSデコーダ3730−2の出力は、他方の伝送器からの
第2のデータストリームの推定値である。周波数および時間の両方においてエコーチャネ
ルの推定値を得る能力は、OTFS技法の有意な利点であり、従来技術の方法を使用して
可能であると考えられない様式で、共通周波数帯域にわたって全二重通信を促進する。
反復信号分離
図38は、本開示による、反復信号分離を提供するOTFS受信器3800の実施例を
示す。OTFS受信器3800は、第1の基底行列を使用する第1の伝送器から第1のデ
ータ行列Dを受信する。OTFS受信器3800はまた、第1の基底行列とは異なる第
2の基底行列を使用して第2のデータストリームDが符号化された同一の周波数帯域内
で、第2の伝送器から第2のデータストリームDも受信する。第1のOTFSデコーダ
3810−1が、1次元データストリームYを生成するように第1のデータ行列D
復号する一方で、第2のOTFSデコーダは、第2の1次元データストリームYを形成
するように第2のデータ行列Dを復号する。
OTFS受信器3800は、第1および第2のフィードフォワード等化器3820−1
および3820−2と、第1および第2のフィードバック等化器3835−1および38
35−2と、第1および第2のスライサ3825−1および3825−2とを備える、一
対のフィードフォワードおよびフィードバック等化器を含む。第1および第2の減算器3
830−1および3830−2は、2次元時間/周波数偏移チャネルモデルを最適化する
ために、フィードフォワード等化器3820およびフィードバック等化器3835のうち
のそれぞれによって使用される、第1および第2の残留エラー信号3840−1および3
840−2を計算する。
一対のクロストークキャンセラ3845−1および3845−2もまた、減算器381
5−1および3815−2で各信号を差し引くために、第1の受信データ信号および第2
の受信データ信号の推定値を最適化するために、それぞれ、残留エラー信号3840−1
および3840−2を使用する。このようにして、一方のデータ信号から他方のデータ信
号へのクロストークが最小限化される。図37の全二重OTFS送受信器3700と同様
に、OTFS受信器3800は、2次元時間/周波数チャネルをモデル化することができ
、従来の1次元(すなわち、時間のみ)チャネルモデリングアプローチを採用する受信器
と比べて有意な進歩を表すと考えられる。
ここで、多重アンテナOTFSシステムにおける信号分離を促進するために採用され得る、時間・周波数・空間決定フィードバック等化器4000のブロック図である、図40に注意を向ける。図40に示されるように、一式のM個の時間周波数平面4004によって表される、受信した信号の情報(R)が、等化器4000の入力ポート4010で受信される。M個の時間周波数平面4004のそれぞれは、OTFS受信器と関連付けられるM個のアンテナインスタンスのうちの1つによる、N個の伝送アンテナインスタンス(M>N)から収集される情報を表す。同一場所に位置する場合もあり、位置しない場合もある、N個の伝送アンテナインスタンスは、概して、M個の受信アンテナインスタンスと関連付けられるOTFS受信器から遠隔にあるOTFS伝送器と関連付けられるであろう。N個の伝送アンテナインスタンスおよびM個の受信アンテナインスタンスのそれぞれは、例えば、他のアンテナインスタンスと同一の場所に位置するか、または同一の場所に位置しないかのいずれかである、単一の物理的アンテナを備えてもよい。代替として、N個の伝送アンテナインスタンスおよびM個の受信アンテナインスタンスのうちの1つ以上は、偏波技法を通して得られるアンテナインスタンスに対応してもよい。
図40の実施形態では、時間・周波数・空間決定フィードバック等化器4000は、時
間・周波数・空間フィードフォワードFIRフィルタ4020と、時間・周波数・空間フ
ィードバックFIRフィルタ4030とを含む。等化器4000は、再度、Nが、等化器
4000と関連付けられるOTFS受信器のM個のアンテナインスタンスに情報を伝送す
るアンテナインスタンスの数に対応する、一式のN個の時間周波数平面(M>N)内で少
なくとも概念的に配列される、等化データストリームを生成する。
ここで図41を参照すると、時間・周波数・空間フィードフォワードFIRフィルタ4020を実装するために利用され得る、時間・周波数・空間決定フィードフォワードFIRフィルタ4100のブロック図が提供されている。示されるように、フィルタ4100は、対応する一式のM本の受信アンテナによって提供される、一式のM個の時間周波数平面4104上で搬送される、受信した信号の情報(R)を処理する。フィルタ4100は、再度、Nが、等化器4000と関連付けられるOTFS受信器のM個のアンテナインスタンスに情報を伝送するアンテナインスタンスの数に対応する、一式のN個の時間周波数平面4150(M>N)内で少なくとも概念的に配列される、フィルタにかけられたデータストリームを生成する。
図42を参照すると、時間・周波数・空間フィードバックFIRフィルタ4030を実
装するために利用され得る、時間・周波数・空間決定フィードバックFIRフィルタ42
00のブロック図が提供されている。示されるように、フィルタ4200は、例えば、対
応する一式のM本の受信アンテナによって提供される一式のM個の時間周波数平面に対応
し得る、一式のM個の時間周波数平面4204上で搬送される、受信した信号の情報(R
)を処理する。フィルタ4200は、一式のN個の時間周波数平面4250(M>N)内
で少なくとも概念的に配列される、フィルタにかけられたデータストリームを生成する。
時間・周波数・空間決定フィードバック等化器4000は、利用可能な帯域幅の利用を
実質的に最大限化する様式で、OTFS通信システム内の信号の分離を有利に可能にする
。そのような信号分離は、OTFS通信システム内のいくつかのコンテキストで有利であ
る。これらは、複数の共同設置または非共同設置アンテナによって供給される受信器にお
いて、伝送器の一式の共同設置または非共同設置アンテナによって伝送される信号の分離
を含む。加えて、時間・周波数・空間決定フィードバック等化器4000は、近隣伝送ア
ンテナからの伝送に応答して、遠隔伝送器から受信される信号エネルギーから、受信アン
テナによって受信されるエコーの分離を可能にする。本明細書で説明される2次元チャネ
ルモデリング技法が、エコーチャネルおよび遠隔伝送器と関連付けられるチャネルの両方
の正確な静止表現を可能にするため、このエコー消去は、伝送または受信信号エネルギー
が同一の周波数帯域内にあるときでさえも起こり得る。また、以下で議論されるように、
開示された時間・周波数・空間決定フィードバック等化器の信号分離能力は、近隣OTF
S送受信器が、相互と透過的な様式で、同一の周波数帯域内で他のそのような送受信器と
の全二重通信に従事し得る、メッシュ構成でのOTFS送受信器の展開を可能にする。
再度、図40を参照すると、例示的なOTFSシステムの動作は、伝送器と関連付けら
れる各アンテナインスタンスからの送信されている2次元情報アレイを表す時間周波数平
面の伝送として特徴付けられてもよい。それぞれのそのようなアンテナインスタンスは、
同一場所に位置しようと同一場所に位置していなかろうと、それぞれ他方から独立してい
る2次元情報平面を同時に伝送してもよい。これらの情報平面のそれぞれの中の情報は、
同一の基底関数を使用して、時間および周波数において偏移させられてもよい。N個の伝
送アンテナインスタンスのそれぞれからM個の受信アンテナインスタンスのそれぞれへの
伝送中に、各伝送平面内の情報は、N個の伝送アンテナインスタンスのうちの1つをM個
の受信アンテナインスタンスのそれぞれに結び付ける、異なる2次元チャネルによる異な
る影響を受ける。
OTFS受信器と関連付けられるM個のアンテナインスタンスのそれぞれにおいて、収
集されている受信した信号のエネルギーの2次元アレイ内の各入力は、典型的には、その
ような信号エネルギーを伝送することに関与する、N個の伝送アンテナインスタンスのそ
れぞれからの寄与を含むであろう。つまり、M個の受信アンテナインスタンスのそれぞれ
は、N個の伝送アンテナインスタンスのそれぞれによって別々に送信される情報の2次元
時間周波数平面の混合物を収集する。したがって、等化器4000によって解決される問
題は、N個のOTFS伝送アンテナインスタンスとM個のOTFS受信アンテナインスタ
ンスとの間の種々の通信チャネルを表す、NxM「連結行列」の反転として、いくらか単
純化して特徴付けられてもよい。
一実施形態では、N個の伝送アンテナインスタンスのそれぞれは、時間周波数平面内のその位置により、他のN−1個のアンテナインスタンスによって伝送されるパイロット信号と区別され得る、パイロット信号を送信する。これらのパイロット信号は、OTFS受信器が、各チャネル、および各アンテナインスタンス間の連結を別々に測定することを可能にする。この情報を使用して、受信器は、収束をより急速に達成することができるように、等化器4000内に存在するフィルタを本質的に初期化する。一実施形態では、受信した信号のエネルギーを異なる時間・周波数・空間平面に分離するために使用される、逆チャネルまたはフィルタを精緻化するために、適応プロセスが利用される。したがって、各伝送および受信アンテナインスタンス間の連結チャネルが測定されてもよく、測定されたチャネルの表現が反転させられてもよく、その逆チャネル表現は、受信した信号のエネルギーを情報の別個の明確に異なる時間周波数平面に分離するために使用されてもよい。
上述のように、OFDMベースのシステム等の既知の従来型通信システムと関連付けら
れる、チャネルモデルは、本質的に1次元である。したがって、これらのモデルは、チャ
ネルの2次元(すなわち、時間ベースおよび周波数ベースの)特性の全てを正確に考慮す
ることができず、1つだけのそのような特性の推定値を提供することに限定される。また
、そのような1次元チャネルモデルは、現代の通信システムの時間的尺度に対して急速に
変化し、したがって、適用可能なチャネル表現の反転は、たとえ可能であるとしても、非
常に困難になる。
本明細書で説明される静止2次元時間周波数チャネルモデルはまた、OFTSシステム
が効果的に交差偏波消去を実装することも可能にする。OFTS送受信器と関連付けられ
る伝送アンテナインスタンスが水平偏波伝送のために構成され、OFTS送受信器の近隣
受信アンテナが垂直偏波エネルギーを受容するように構成される、場合を考慮されたい。
残念ながら、伝送または受信アンテナのいずれか一方に近接する反射体は、そのうちのい
くらかが、垂直偏波反射として受信アンテナに指向され得る、伝送アンテナからの伝送さ
れた水平偏波エネルギーのうちのいくらかを反射して交差偏波させてもよい。別様に受信
アンテナに意図されるエネルギーから、この交差偏波反射を分断して打ち消すために、本
明細書で開示される種類の2次元チャネルモデルが必要とされると考えられる。
同様に、同一のチャネル上で実行される全二重通信は、近隣受信器への伝送器の影響を
実質的に除去するために十分にロバストなエコー消去を必要とする。再度、そのようなエ
コー消去は、特に反射体を移動させる場合において、表現が適切に反転させられることを
可能にするために、少なくともエコーチャネルの正確な2次元表現を必要とすると考えら
れる。
拡散カーネルを使用するOTFS送受信器
上記で議論されるように、OTFS方法の実施形態は、2次元入力データ行列を拡散す
ることによって2次元行列を生成することを伴ってもよい。加えて、時間/周波数タイリ
ングが、チャネルを横断する2次元行列のトランスポートで利用されてもよい。このアプ
ローチでは、各行列の列が、時間の関数としてタイル表示されてもよく、つまり、各列の
要素は、随意に後続の列の間に間置された時間間隙を伴って、全利用可能伝送帯域幅を利
用する短い記号タイムスライスを占有する。代替として、行列の列が、周波数の関数とし
てタイル表示およびトランスポートされてもよく、つまり、列の各要素は、随意に後続の
列の間に間置された時間間隙を伴って、より長い期間にわたって周波数ビンを占有する。
他の実施形態では、拡散カーネルが、入力データ行列の拡散を達成するために使用され
てもよい。この場合、2次元拡散は、例えば、拡散カーネルを用いた2次元周期的コンボ
リューション、2次元FFTを使用して実装されるコンボリューション、拡散カーネルの
2次元DFTとの乗算を通して達成されてもよく、その後に2次元逆フーリエ変換が続く
。多種多様の拡散カーネルが利用されてもよいが、選択されたカーネルの2次元DFTに
は、逆拡散プロセス中にゼロによる分割を回避するように、いかなるゼロも欠くべきであ
る。また、拡散はまた、コンボリューション、変換、および置換の代替的な方法を使用し
て達成されてもよい。各演算が可逆的である限り、マスキング(すなわち、要素×要素の
乗算)も利用されてもよい。
ここで、拡散カーネルを利用するように構成される第1のOTFS送受信器4400お
よび第2のOTFS送受信器4450の実施形態のブロック図表現を提供する、図44A
および44Bに注意が向けられる。拡散カーネルを使用するOTFS通信の原理を説明す
る際に、図44Aの第1のOTFS送受信器4400が参照されるであろう。第2のOT
FS送受信器4450は、原則として第1のOTFS送受信器4400に実質的に類似す
るが、より効率的な信号処理を可能にすると考えられるアーキテクチャによって特徴付け
られる。
図44Aに示されるように、第1のOTFS送受信器4400の伝送器4404は、2次元拡散ブロック4408と、FFTブロック4410と、第1および第2の時間周波数タイリング要素4412、4414とを含む。第1および第2の時間周波数タイリング要素4412、4414は、2次元拡散入力データの時間周波数タイリングを達成するように構成され、例えば、1つ以上のフィルタバンクを使用して実装されてもよい。2次元拡散ブロック4408およびFFTブロック4410は、例えば、幅広いユニタリ行列群から選択される拡散カーネルを使用して、一連の演算を行うことによって、2次元入力データの拡散を協調的に達成する。一実施形態では、この一連の演算は、拡散カーネルを用いた2次元周期的コンボリューション、2次元FFTを使用して実装されるコンボリューション、拡散カーネルの2次元離散フーリエ変換を使用する乗算、および2次元逆フーリエ変換を含む。これは、情報指数に対応する(時間偏移を生じる)量だけ列方向に沿って「上方に」カーネル行列を周期的偏移させ、周波数が情報指数によって設定される対角トーンで乗算させる。次いで、全ての結果として生じる変換行列は、その各要素が変換カーネル(基底行列)を使用して搬送される、2次元拡散行列を生成するためにともに合計される。
第1のOTFS送受信器4400の受信器4420は、時間周波数タイリング要素44
12および4414によって行われるタイリング演算の逆を達成するように構成される、
第1および第2の逆時間周波数タイリング要素4424、4426を含む。2次元IFF
Tブロック4428および逆拡散ブロック4430は、2次元拡散ブロック4408およ
びFFTブロック4410によって行われる拡散演算の逆を行うように構成される。次い
で、受信データは、時間・周波数・空間決定フィードフォワード/フィードバック分析器
ブロック4438によって等化されることに先立って、FFTブロック4434を使用し
て変換される。次いで、等化データは、IFFTブロック4440を使用して変換される
ここで図44Bを参照すると、第2のOTFS送受信器4450の伝送器4454は、
FFTブロック4458、およびフーリエマスクによって対処される乗算器4460から
成る、2次元拡散配列を含む。伝送器4454内で、各情報要素は、適用可能な情報要素
指数に対応する水平(行)および垂直(列)方向の両方(入力2次元情報アレイの中の行
および列位置)で、カーネル行列の周期的偏移として表される。図44Bの実装では、拡
散カーネルは、その2次元DFTが完全にゼロではない要素から成る(したがって、特異
点を形成することなく、結果として生じる行列が反転させられることを可能にする)よう
に選択される。結果として生じる行列は、行のDFT変換を通過して2次元拡散情報要素
を表す。次いで、全ての結果として生じる変換行列は、結果として生じる2次元拡散情報
行列を生成するために、ともに合計される。
図44Bに示されるように、時間周波数タイリング要素4462、4464、および4
466の配列は、乗算器4460によって出力される2次元拡散入力データの時間周波数
タイリングを達成するように構成される。時間周波数タイリング要素4464および44
66は、例えば、1つ以上のフィルタバンクを使用して実装されてもよい。
第2のOTFS送受信器4450の受信器4470は、時間周波数タイリング要素44
62、4464、および4466によって行われるタイリング演算の逆を達成するように
構成される、逆時間周波数タイリング要素4474、4476、4478の直列配列を含
む。乗算器4480は、逆時間周波数タイリング要素4474、4476、および447
8によって生成される出力を逆マスクで乗算するように構成される。次に、IFFTブロ
ック4482は、乗算器4480の出力を変換し、結果を時間・周波数・空間決定フィー
ドフォワード/フィードバック分析器ブロック4488に提供する。次いで、等化データ
は、IFFTブロック4492によって変換される。
メッシュネットワーキング
ここで、OTFS通信システムのメッシュネットワーク実装を例証的に表す、図50−
52に注意を向ける。図50−52で描写されるOTFSメッシュネットワークは、その
ような通信チャネルが近隣OTFSメッシュノードによって利用されるか否かにかかわら
ず、OTFSメッシュノードが同一の通信チャネル上の他のそのようなノードとの全二重
通信に従事することを可能にするために、本明細書に説明される時間・周波数・空間等化
およびエコー消去技法を有利に活用する。
図50を参照すると、セルサイト5004および関連セルサービスエリア5008から
成るセルラー通信システムのコンテキスト内のOTFSメッシュネットワーク5000が
示されている。図50から理解され得るように、有意な間隙がサービスエリア5008の
間に存在し得る。
メッシュネットワーク5000は、概して、サービスエリア5008の範囲外にある、
高需要領域内の固定またはモバイルデバイスに無線通信サービスエリアを提供するように
動作する、複数のOTFS無線メッシュノード5020を備える。上記で議論される理由
で、各OTFS無線メッシュノード5020は、同一周波数帯域にわたって、他のそのよ
うなメッシュノード5020との全二重無線通信のために構成されてもよい。同一周波数
帯域にわたる、この全二重無線通信は、無線通信リンク5030によって図50で表され
る。図50の実施形態では、無線メッシュリンク5030のそれぞれは、同一の周波数範
囲にわたって動作する。
ここで図51を参照すると、一式の有線ネットワークゲートウェイ5110の周囲に組
織化されたOTFSメッシュネットワーク5100が示されている。メッシュネットワー
ク5100は、ノード5120のそれぞれに近接する領域内の固定またはモバイルデバイ
スに無線通信を提供するように動作する、複数のOTFS無線メッシュノード5120を
備える。各OTFS無線メッシュノード5120は、同一周波数帯域にわたって、他のそ
のようなメッシュノード5120との全二重無線通信のために構成されてもよい。同一周
波数帯域にわたる、この全二重無線通信は、無線メッシュリンク5130によって図51
で表される。図51の実施形態では、無線メッシュノード5120は、ノード5120が
、相互を発見するように、およびリンク5130を経由した各有線ネットワークゲートウ
ェイ5110への全ての可能性として考えられる経路を判定するように構成されるという
意味で、自己組織化している。したがって、無線メッシュリンク5130を経由して両方
向へ、メッシュノード5120および有線ネットワークゲートウェイ5110の間でパケ
ット化情報を送るために、ネットワークルーティング技法が採用されてもよい。
図52は、複数のメッシュ要素を含む、単一チャネル無線メッシュネットワーク520
4から成るOTFSメッシュネットワークシステム5200を示す。一実施形態では、メ
ッシュネットワーク5204のメッシュ要素のうちのある要素は、好ましくは、OTFS
無線メッシュルータ5210と、それぞれのサービスエリア5254内のエンドユーザデ
バイス5250に供給するトラフィック集約デバイス5220(例えば、LTEノードま
たはWi−Fiアクセスポイント)とを含む。各OTFS無線メッシュルータ5210は
、同一周波数帯域にわたって、他のそのようなメッシュノード5210との全二重無線通
信のために構成されてもよい。図52の実施形態では、無線メッシュノード5210は、
ノード5210が、相互を発見するように、およびOTFS無線リンク5230を経由し
た各有線ネットワークゲートウェイ5240への全ての可能性として考えられる経路を判
定するように構成されるという意味で、自己組織化している。したがって、無線メッシュ
リンク5130を経由して両方向へ、有線ネットワークゲートウェイ5110を介して、
メッシュノード5120および有線ネットワーク5244の間でパケット化情報を送るた
めに、ネットワークルーティング技法が採用されてもよい。示されるように、有線ネット
ワーク5244は、それを通して、メッシュネットワーク5204とモバイルネットワー
クオペレータのコアネットワーク5260との間で情報パケットが送られる、広域ネット
ワークへの導管を提供してもよい。
一実施形態では、単一の2点間リンクにわたって同一の周波数帯域を使用して、情報の
ストリームの同時並行伝送をサポートするために近隣メッシュノード5120を使用する
ことによって、メッシュ空間利得が達成されてもよい。このアプローチは、分散伝送源を
効果的に作成するために近隣ノード5120を使用することによって信号伝送利得を向上
させ、それによって、空間信号分離を通して利得を達成してもよい。
本明細書で説明されるシステムおよび方法のいくつかの実施形態は、上記および/また
は関連出願で説明されるもの等の方法と関連付けられる1つ以上のプロセスまたは関数を
実装するように構成される、コンピュータソフトウェアおよび/またはハードウェア/ソ
フトウェアの組み合わせを含んでもよい。これらの実施形態は、ソフトウェアおよび/ま
たは ハードウェア・ソフトウェアの組み合わせで機能性を実装する、モジュールの形態
であってもよい。実施形態はまた、本明細書で説明されるような機能性に関係する動作等
の種々のコンピュータ実装動作を行うためにその上にコンピュータコードを有する、コン
ピュータ読み取り可能な媒体を伴うコンピュータ記憶製品の形態を成してもよい。媒体お
よびコンピュータコードは、請求されたシステムおよび方法の目的で特別に設計および構
築されてもよく、またはそれらは、コンピュータソフトウェアの当業者に周知かつ利用可
能な種類であってもよく、またはそれらは、両方の組み合わせであってもよい。
本開示の精神および範囲内のコンピュータ読み取り可能な媒体の実施例は、ハードディ
スク等の磁気媒体、CD−ROM、DVD、およびホログラフィックデバイス等の光学媒
体、磁気光学媒体、およびプログラマブルマイクロコントローラ、特定用途向け集積回路
(「ASIC」)、プログラマブル論理デバイス(「PLD」)、ならびにROMおよび
RAMデバイス等のプログラムコードを記憶して実行するように特別に構成されるハード
ウェアデバイスを含むが、それらに限定されない。コンピュータコードの実施例は、コン
パイラによって生成されるもの等の機械コード、およびインタープリタを使用してコンピ
ュータによって実行される高レベルコードを含有するファイルを含んでもよい。コンピュ
ータコードは、有用な結果を提供するように1つまたは複数の特定のプロセスを実行する
、1つ以上のモジュールから成ってもよく、モジュールは、当技術分野で公知である手段
を介して相互と通信してもよい。例えば、本明細書で説明されるシステムのいくつかの実
施形態は、アセンブリ言語、Java(登録商標)、C、C#、C++、または当技術分
野で公知であるような他のプログラミング言語およびソフトウェア開発ツールを使用して
実装されてもよい。説明されたシステムの他の実施形態は、機械実行可能ソフトウェア命
令の代わりに、またはそれと組み合わせて、配線回路で実装されてもよい。
先述の説明は、説明の目的で、請求されたシステムおよび方法の徹底的な理解を提供す
るために特定の用語体系を使用した。しかしながら、本明細書で説明されるシステムおよ
び方法を実践するために、具体的詳細が必要とされないことが当業者に明白となるであろ
う。したがって、説明されたシステムおよび方法の具体的実施形態の先述の説明は、例証
および説明の目的で提示される。それらは、包括的となること、または請求項を開示され
る精密な形態に限定することを目的としておらず、明白に、上記の教示を考慮して、多く
の修正および変形例が可能である。実施形態は、説明されたシステムおよび方法の原理、
ならびにそれらの実用的な適用を最も良好に説明するために、選択して説明され、それに
よって、当業者が、説明されたシステムおよび方法、ならびに考慮される特定の使用に適
するような種々の修正を伴う種々の実施形態を最も良好に利用することを可能にする。以
下の請求項およびそれらの同等物は、本明細書で説明されるシステムおよび方法の範囲を
定義することが意図される。

Claims (1)

  1. 明細書に記載された発明。
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