JP2016040189A - 水上停留所用乗降装置 - Google Patents

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綾華 広瀬
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【課題】車椅子でも安全な乗船、下船が可能な船舶の水上停留所用乗降装置を安価に提供する。【解決手段】本発明に係る水上停留所用乗降装置1は、水上停留所の岸壁31に沿って設置され、岸壁31側の上部には乗り入れ口3が設けられ、海側の下部には乗船口5が設けられたフレーム体7と、フレーム体7に昇降可能に設けられたかご体9と、かご体9を駆動する駆動装置と、かご体9の運転を制御する運転制御装置11とを備え、運転制御装置11は、潮位の情報を入力してかご体9の停止位置を演算するかご体位置演算手段13と、かご体位置演算手段13の演算結果に基づいて駆動装置を制御する駆動装置制御手段15とを備えたことを特徴とするものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、岸壁に設けられる水上停留所に設置されて、乗客を岸壁側から船側へ運ぶための水上停留所用乗降装置に関する。
水上タクシー、水上バス等の小型水上交通を利用する場合は、桟橋を利用して乗船、下船する。
従来より、小さな桟橋での小型船舶用停留所として、ポンツーンや階段付き岸壁などが知られている。
しかし、ポンツーンは浮遊桟橋であり、固定されていないため、不安定であり、特に車椅子で渡るには乗船者の不安が大きい。
また、階段付き岸壁は、岸壁に固定されているため岸壁側自体は不安定ではないが、船舶と乗船位置との間に架設スロープは船舶の揺れに伴って揺れるため、やなり不安定な状態となる。また、階段付き岸壁は、潮位により浸水する部分が生じ、浸水部分が滑りやすくなるため危険でもある。
このため、例えば特許文献1には、接岸後に小型船舶そのものを海水面上に昇降させて係留することで、潮の干満に関係なくかつ波の影響も受けることなく乗船、下船を可能とする技術が開示されている。
また、特許文献2には、昇降変位する船舶の乗降甲板に応じてスロープを昇降できる乗下船用タラップ装置が開示されている。
特開平1−237288号公報 特開2014−88678号公報
大型のフェリーであれば、波による船の揺れが穏やかであるし、潮の干満によって生じる桟橋と船との高低差の影響も小さいので、スロープや特許文献2に開示されたような可動スロープ等の汎用技術の利用で、乗客や荷物の移動に問題はない。
しかし、小型の船舶の場合、波による船の揺れ以上に、潮の干満による桟橋と船との高低差の影響が大きいため、上記の汎用技術では船舶と桟橋間を安定して渡すことが難しい。
また、スロープや可動スロープを、大型船舶が接岸できる桟橋で干潮のときに小型船舶に対して用いると、スロープの傾斜が急になり過ぎて、車椅子での通行には不向きな状態になる虞もある。
この点、特許文献1に開示された技術であれば、安定した乗船が可能になると思われるが、小型船舶そのものを接岸後に海水面上に昇降させるという大掛かりな重機械装置となるため、小型水上交通における桟橋に設置する装置としては、費用対効果および設置スペースとの関係で、とても採用できるものではない。
ところで、鉄道では、いわゆるバリアフリー化がかなり進んでいて、車椅子での利用が一般的になっている。
小型水上交通においてもバリアフリー化が進められているが、車椅子での利用については、例えば出発地点にある大きな桟橋では乗船が可能でも、航路の途中に下船のために設けられる小さな桟橋においてが車椅子に対応できていなければ乗船お断りの案内が表示されている状況にある。
このような状況において、上記の特許文献1,2の技術では十分な対応ができないのが現状である。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、車椅子でも安全な乗船、下船が可能で、かつ安価に設置が可能な水上停留所用乗降装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る水上停留所用乗降装置は、水上停留所の岸壁に上下に沿って設置され、岸壁側の上部には乗り入れ口が設けられ、海側の下部には乗船口が設けられたフレーム体と、該フレーム体に昇降可能に設けられたかご体と、該かご体を駆動する駆動装置と、前記かご体の運転を制御する運転制御装置とを備え、該運転制御装置は、潮位の情報を入力して前記かご体の停止位置を演算するかご体位置演算手段と、該かご体位置演算手段の演算結果に基づいて前記駆動装置を制御する駆動装置制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
(2)本発明に係る水上停留所用乗降装置は、水上停留所の岸壁に上下に沿って設置され、岸壁側の上部には乗り入れ口が設けられ、海側の下部には乗船口が設けられたフレーム体と、該フレーム体に昇降可能に設けられたかご体と、該かご体を駆動する駆動装置と、前記かご体の運転を制御する運転制御装置とを備え、該運転制御装置は、潮位の情報と船舶の情報を入力して前記かご体の停止位置を演算するかご体位置演算手段と、該かご体位置演算手段の演算結果に基づいて前記駆動装置を制御する駆動装置制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、潮位を計測する潮位センサを有し、前記かご体位置演算手段は前記潮位センサの情報を入力することを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記フレーム体は、上部の岸壁側に扉体を有し、下部の海側には扉体を有していないことを特徴とするものである。
本発明に係る水上停留所用乗降装置は、水上停留所の岸壁に沿って設置され、岸壁側の上部には乗り入れ口が設けられ、海側の下部には乗船口が設けられたフレーム体と、該フレーム体に昇降可能に設けられたかご体と、該かご体を駆動する駆動装置と、前記かご体の運転を制御する運転制御装置とを備え、該運転制御装置は、潮位の情報を入力して前記かご体の停止位置を演算するかご体位置演算手段と、該かご体位置演算手段の演算結果に基づいて前記駆動装置を制御する駆動装置制御手段とを備えたことにより、車椅子でも安全な乗船、下船が可能な船舶の水上停留所用乗降装置を安価に提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る水上停留所用乗降装置の説明図であり、干潮時の状態を示している(その1)。 本発明の一実施の形態に係る水上停留所用乗降装置の説明図であり、干潮時の状態を示している(その2)。 本発明の一実施の形態に係る水上停留所用乗降装置の説明図であり、満潮時の状態を示している 本発明の一実施の形態に係る水上停留所用乗降装置の全体形状の説明するための図である。 本発明の他の実施の形態に係る水上停留所用乗降装置の説明図である。
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態に係る水上停留所用乗降装置1は、岸壁31に沿って上下方向に設置され、岸壁31側の上部には乗り入れ口3が設けられ、海側の下部には乗船口5が設けられたフレーム体7と、フレーム体7に昇降可能に設けられたかご体9と、かご体9を駆動する駆動装置と、かご体9の運転を制御する運転制御装置11とを備えている。
以下、各構成を詳細に説明する。
<フレーム体>
フレーム体7は、矩形の枠状に形成され(図4参照)、岸壁31に沿って設置されている。そして、フレーム体7の上部の岸壁31側には乗り入れ口3が、下部の海側には乗船口5がそれぞれ設けられている。また、フレーム体7の上部は岸壁31よりも上方に延出しており、この部分に乗り入れ口3が配置されている。
フレーム体7の上部の乗り入れ口3には扉体7aが設けられ、かご体9が下部の乗船口5側に移動している際に、人が誤って転落するのを防止している。
他方、フレーム体7の下部の海側、すなわち乗船口5側には扉体7aを設けておらず、開放されている。これは、潮位によって乗船口5の高さ位置が変化することへの対応方法の1つである。扉体を設ける場合は、開口高さの高い扉体としたり、あるいは乗船口5の高さ位置に応じて扉体の高さ位置を変える機能を付加したりすればよい。
<かご体>
かご体9は、フレーム体7内に昇降可能に設けられており、後述するかご体9を駆動する駆動装置によって、乗り入れ口3側と乗船口5側との間を昇降する。
かご体9には、乗り入れ口3側と乗船口5側の両面に自動開閉扉(図示せず)を有している。潮位が変化しても、運転制御装置11により、かご体9は必ず海水面21より上で停止するため、自動開閉扉の開閉、および乗船に支障をきたすことがない。
<駆動装置>
駆動装置は、かご体9を駆動するものであり、駆動装置制御手段15によって制御される。駆動装置は、フレーム体7の上部外郭に設けられており、その形式は特に限定しないが、例えば、油圧式あるいはワイヤによる巻き取り式等がある。
<運転制御装置>
運転制御装置11は、潮位の情報を入力してかご体9の停止位置を演算するかご体位置演算手段13と、かご体位置演算手段13の演算結果に基づいて駆動装置を制御する駆動装置制御手段15とを備えている。なお、図4において、運転制御装置11は図示していない。
《かご体位置演算手段》
かご体位置演算手段13は、上述のように、潮位の情報を入力してかご体9の停止位置を演算するが、この潮位の情報は、例えば図1に示すようにフレーム体7に取り付けられた、潮位を計測する潮位センサ17で測定する。
かご体9の停止位置は、潮位センサ17で測定した潮位と停泊する船舶19(水上バス、水上タクシー)の大きさとによって定まる。この例では、停泊する船舶19が予め決まっているため、海水面21から船舶19の乗船位置までの距離は既知である。従って、かご体9の停止位置は、かご体9の床面9aの位置と海水面21の位置(平均の海水面位置)を潮位センサ17によって計測することで決定することができる。この決定する位置とは、かご体9の床面9aと船舶19との間に渡したスロープ23上を、スムースに車椅子で渡れる位置のことであり、スロープ23がほぼ水平となる位置である。
かご体位置演算手段13によるかご体9の停止位置の演算は、所定時間間隔で行ってもよいし、乗船者29がかご体9に乗り入れた際に行うようにしてもよい。乗船者29がかご体9に乗り入れた際に行う場合、例えば乗船者29がかご体9内に設けられた行き先ボタンの操作をしたときに行うようにすればよい。
潮位センサ17の種類としては、超音波を使った水位計、静電容量式の水位計、フロート式の水位計などが挙げられる。また、潮位センサ17の設置箇所は、1箇所でもよいし、複数箇所であってもよい。
《駆動装置制御手段》
駆動装置制御手段15は、かご体位置演算手段13の演算結果に基づいて駆動装置を制御し、かご体9を所定の位置に移動して停止させる。
以上のように構成された本実施の形態1に係る水上停留所用乗降装置1の動作を説明する。
干潮時における水上停留所の状態を、図1および図2に示す。乗船者29は、フレーム体7上部に停止したかご体9へ、乗り入れ口3より乗り入る(図1)。かご体9に乗った乗船者29は、図示しない行き先ボタンを押すことで、かご体9が下降する。このとき、かご体9の停止位置は、かご体位置演算手段13によって演算されており、駆動装置制御手段15はかご体9を所定の位置、すなわちかご体9の床面9aと船舶19との間に架設するスロープ23が水平になるような位置にかご体9を停止させる。
かご体9が所定の位置に停止すると、かご体9の自動扉が開放する。自動扉が開放すると、船舶19側のクルーがかご体9の床面9aと船舶19との間にスロープ23を架け渡す。このとき、船舶19とかご体9の水平距離は常に所定の距離であり、またスロープ23も水平であるため、乗船者29は安定して、安全に船舶19へ乗り込むことができる(図2参照)。
図1、図2は干潮時の乗船についての説明であったが、満潮時には、図3に示すように潮位が上昇し、船舶19の岸壁31に対する相対位置が上昇する。この場合、かご体9が下降した際に停止する位置は、図2に示した位置よりも上方の位置となる。
このように、干潮時でも満潮時でも架け渡すスロープ23をほぼ水平に保つことができ、車椅子での乗船を安全に行うことができる。
以上のように、本実施の形態1においては、運転制御装置11が、潮位の情報を入力してかご体9の停止位置を演算するかご体位置演算手段13と、かご体位置演算手段13の演算結果に基づいて駆動装置を制御する駆動装置制御手段15とを備えたことにより、潮位が変化した場合でもかご体9を船舶19の乗船位置と同位置に停止させることが可能となり、かご体9の床面9aと船舶19との間に渡すスロープ23をほぼ水平にすることができ、車椅子でも不安を感じることなくスロープ23渡って乗船することができる。
なお、実施の形態1では、潮位の情報を得る方法として潮位センサ17を用いる例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、外部の情報元から潮位データを受信してこれを潮位情報として用いるようにしてもよい。
また、スロープ23についても、上記の説明では船舶19側からクルーが手動でスロープ23を渡すようにしたものであるが、水上停留所用乗降装置1から自動的に架け渡すようにしてもよい。
[実施の形態2]
実施の形態1では、水上停留所に停泊する船舶19の種類が決まっているため、かご体9が停止する位置を、潮位の情報のみに基づいてかご体位置演算手段13が演算するものであった。
しかし、船舶19の種類が変わる場合には、船舶19の情報も加味してかご体9の停止位置を演算する必要がある。
そこで、本実施の形態2の水上停留所用乗降装置25では、船舶情報受信手段27をさらに備え、かご体位置演算手段13は、潮位センサ17による潮位の情報と、船舶情報受信手段27からの船舶19の情報を入力してかご体9の停止位置を演算するようにしたものである。
船舶情報受信手段27は、船舶19を運航している運航会社等から発信される停泊する船舶19の情報を受信する。
かご体位置演算手段13には、予め船舶19の種類と海水面位置から乗船口5の位置との関係が入力されており、それ故、かご体位置演算手段13は潮位の情報と船舶19の種類の情報が入力されることで、かご体9の適切な停止位置を演算することができる。
本実施の形態2によれば、海水面位置からの乗船口5の高さの異なる複数種類の船舶19が停泊する場合においても、かご体9と船舶19との間に架け渡すスロープ23をほぼ水平に保つことができ、車椅子での乗船を安全に行うことができる。
上記の説明では、潮位センサ17をフレーム体7の最下部に取り付けた例を示しているが(図1参照)、潮位センサ17の取付位置はこれに限定されるものではなく、フレーム体7の最下部が潮位の変化によって海水中に没するような条件の場合は、フレーム体7における最下部よりも上方の水没しない位置とすればよい。
また、潮位センサ17は、かご体9の下部に取り付けてもよく、この場合には潮位センサ17が海水中に没することがなく好ましい。
また、上記の説明では水上停留所が設けられる岸壁の例として矢板式岸壁を例に挙げているが、本発明が対象としている岸壁はこれに限定されるものではなく、重力式岸壁や桟橋式岸壁などの他の形式のものも含む。
1 水上停留所乗降装置(実施の形態1)
3 乗り入れ口
5 乗船口
7 フレーム体
7a 扉体
9 かご体
9a 床面
11 運転制御装置
13 かご体位置演算手段
15 駆動装置制御手段
17 潮位センサ
19 船舶
21 海水面
23 スロープ
25 水上停留所乗降装置(実施の形態2)
27 船舶情報受信手段
29 乗船者
31 岸壁

Claims (4)

  1. 水上停留所の岸壁に上下に沿って設置され、岸壁側の上部には乗り入れ口が設けられ、海側の下部には乗船口が設けられたフレーム体と、該フレーム体に昇降可能に設けられたかご体と、該かご体を駆動する駆動装置と、前記かご体の運転を制御する運転制御装置とを備え、該運転制御装置は、潮位の情報を入力して前記かご体の停止位置を演算するかご体位置演算手段と、該かご体位置演算手段の演算結果に基づいて前記駆動装置を制御する駆動装置制御手段とを備えたことを特徴とする水上停留所用乗降装置。
  2. 水上停留所の岸壁に上下に沿って設置され、岸壁側の上部には乗り入れ口が設けられ、海側の下部には乗船口が設けられたフレーム体と、該フレーム体に昇降可能に設けられたかご体と、該かご体を駆動する駆動装置と、前記かご体の運転を制御する運転制御装置とを備え、該運転制御装置は、潮位の情報と船舶の情報を入力して前記かご体の停止位置を演算するかご体位置演算手段と、該かご体位置演算手段の演算結果に基づいて前記駆動装置を制御する駆動装置制御手段とを備えたことを特徴とする水上停留所用乗降装置。
  3. 潮位を計測する潮位センサを有し、前記かご体位置演算手段は前記潮位センサの情報を入力することを特徴とする請求項1又は2に記載の水上停留所用乗降装置。
  4. 前記フレーム体は、上部の岸壁側に扉体を有し、下部の海側には扉体を有していないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水上停留所用乗降装置。
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