JP2016039747A - 風力発電用発電機 - Google Patents

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Hiroyuki Noda
浩行 野田
夏比古 森
Natsuhiko Mori
夏比古 森
水谷 政敏
Masatoshi Mizutani
政敏 水谷
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Abstract

【課題】発電電力を得るための磁束をつくる永久磁石、及び他励のための給電が不必要で、かつ回転停止後にも回転の再開により確実に発電を開始でき、軽いトルクであっても回転を開始でき、低速回転であっても発電が行える風力発電用発電機を提供する。
【解決手段】出力巻線7が巻かれた出力鉄心6と、主界磁巻線9および副界磁巻線10が巻かれた界磁鉄心8とのいずれか一方がステータ4となり、他方がロータ5となる。前記各界磁巻線9,10に整流手段が接続される。このステータ4とロータ6との相対回転により発電電力を得る自励式の発電機において、発電の初期励磁に必要な程度に、前記出力鉄心6および界磁鉄心8のいずれか一方または両方に磁力を付与する初期励磁手段を設ける。初期励磁手段は、出力鉄心6および界磁鉄心8のいずれかの鉄心を着磁する着磁手段2とし、または初期励磁用磁石とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、小型風力発電機等に好適な永久磁石レスの風力発電用発電機に関する。
回転により発電を行う発電機として、誘導発電機や同期発電機があり、誘導発電機はロータの巻線に励磁を必要としないが、系統連係させかつ高い回転速度で回転させる必要があって小型の発電機には適さない。そのため、小型風力発電機等では、同期発電機が用いられることが多い。
しかし、通常の同期発電機は、界磁の生成に永久磁石を用いるため、永久磁石の成分となるレアメタルが高価で発電機全体が高額になるうえ、始動時にコギングが発生し、コギングトルクによって始動トルクが大きくなる。このため、小型風力発電機等の僅かな自然力で発電させる発電機には適さない。永久磁石の代わりに電磁石を用いる他励式の同期発電機もあるが、電磁石への外部からの給電の構成が必要で、外部電源により構成が複雑となる。
これらの課題を解消し、永久磁石および外部からの給電が不必要な自励式の同期発電機が提案されている(特許文献1)。この発電機は、鉄心の残留磁気を利用して、自己励磁により界磁巻線に流れる電流を増加させて行くことで、発電に必要な磁束を、高価な永久磁石や励磁用の外部電源を必要とせずに作り出している。
この他に、上記課題を解消する発電機として、リラクタンス(磁気抵抗)を利用し、ステータ鉄心に出力巻線および界磁巻線を巻き付け、ロータにはコイルを用いないリラクタンス発電機において、ステータ突極間を磁気的に短絡させるフェライト磁石を設けたものが提案されている(特許文献2)。
特開2006−149148号公報 特開2011−259633号公報
特許文献1の自励式の発電機は、上記のように優れた利点があるが、発電を停止したり、発電機を分解したりすると、発電機鉄心の残留磁気が弱くなる。発電機鉄心の残留磁気が弱いと、初期励磁に必要な磁力が不足し、発電を開始しないか、または発電を開始する回転速度がある程度高いことが必要となる。そのため、風力発電や、流水を利用する発電のように、停止する期間が生じたり低速で発電させることが必要な発電機では、前記自励式の発電機では、発電開始の確実性が不十分となる。
特許文献2の発電機は、回転停止後の回転再開時における発電開始の確実性も得られるが、リラクタンス発電機は実用の実績が少なく、実用化において、今一つ不明な懸念がある。
この発明の目的は、通常の発電電力を得るための磁束をつくる永久磁石、および外部からの他励のための給電が不必要で、かつ回転停止後にも回転の再開により確実に発電を開始でき、また軽いトルクであっても回転を開始でき、低速回転であっても発電が行える風力発電用発電機を提供することである。
この発明の風力発電用発電機は、出力巻線が巻かれた出力鉄心と、主界磁巻線および副界磁巻線が巻かれた界磁鉄心とのいずれか一方がステータとなり、他方がロータとなり、前記各界磁巻線に整流手段が接続され、前記ステータとロータとの相対回転により発電電力を得る自励式であり、前記ロータが風車により回転駆動される風力発電用発電機であり、
発電の初期励磁に必要な程度に、前記出力鉄心および界磁鉄心のいずれか一方または両方に磁力を付与する初期励磁手段を設けたことを特徴とする。
この構成によると、副界磁巻線を用いて励磁を行う自励式であるため、発電用の永久磁石や、外部からの他励のための給電を行う外部電源を必要とせずに発電が行える。発電用の永久磁石を用いないため、コギングトルクが発生せず、小さなトルクでロータを回転させることができる。自励式であるが、初期励磁手段を設けるため、回転の停止後や分解保守の後であっても、また低速回転であっても、確実に発電を開始することができる。
初期励磁用磁石は設けるが、自励式の発電機では、回転するに従って磁束が増大するため、初期励磁に必要な磁力は極小さな磁力で済む。このため、初期励磁手段が後述のような着磁手段であれ、また永久磁石であれ、軽微なもので済む。
このように、軽いトルクであっても回転を開始でき、低速回転であっても発電が行えて、変動の大きい自然力を利用する風力発電において、効率的に発電することができる。
この発明において、前記出力鉄心および界磁鉄心のいずれか一方または両方の鉄心を着磁する着磁手段あっても良い。上記の「着磁」とは、磁化処理の終了後に残留磁気が生じるように磁化することを言う。
上記のように自励式の発電機は、回転するに従って磁束が増大するため、初期励磁に必要な磁力は極小さな磁力で済む。そのため、前記着磁手段は、発電の初期励磁に必要な磁力を発生することが可能な程度に着磁を行えるものであれば足り、他励式の発電機における外部電源に比べて飛躍的に小型のもので済む。
前記着磁手段は、前記出力巻線または前記いずれかの界磁巻線に着磁用電流を通電する構成であっても良い。巻線にある程度以上の大きさの電流を通電することで、鉄心の着磁が行える。着磁手段が巻線に着磁用電流を通電する構成であると、着磁手段が簡単な構成で済む。
前記着磁用電流は直流電流であっても、パルス状の電流であっても良い。直流電流であると、着磁手段がより簡単な構成で済む。パルス状の電流であると、着磁に必要なだけの強い電流を一時的に与えたり、また着磁用電流の大きさを調整することが簡単に行える。
前記巻線に着磁用電流を通電する構成の着磁手段は、2次電池またはコンデンサからなる着磁用電源と、前記着磁用電流を通電する前記出力巻線または界磁巻線と前記着磁用電源との間に介在させたスイッチング手段とでなる構成であっても良い。この構成であると、前記着磁手段が簡単な構成で済む。
この発明において、前記初期励磁手段が、前記界磁鉄心に設けられて発電の初期励磁に必要な磁力を発生する永久磁石からなる初期励磁用磁石であっても良い。
初期励磁手段が永久磁石からなる初期励磁用磁石であると、着磁手段のような回路が不用であり、回路構成が簡単となる。永久磁石からなる初期励磁用磁石は設けるが、自励式の発電機では、前述のように回転するに従って磁束が増大するため、初期励磁に必要な磁力は極小さな磁力で済む。前記初期励磁用磁石は、このような初期励磁に必要な磁力を発生する永久磁石であるため、通常の、つまり常時の発電電力を得るための永久磁石に比べて極弱い磁力を発生する磁石で済む。そのため、高価なレアメタルは不用で、フェライト磁石等の安価な材料で済み、また小さな磁石で済み、コギングトルクも実用上で問題とならない程度となる。
また、リラクタンス発電機と異なり、自励式の発電機の改良であるため、実用化も行い易い。
前記界磁鉄心に前記初期励磁用磁石を設ける場合に、この初期励磁用磁石の発生する磁束の向きは、前記主界磁巻線に流れる励磁電流がつくる磁束の向きと同じであることが好ましい。
このように磁束の向きを揃えることで、初期励磁用磁石が発生する磁力が、回転始動時の初期励磁に効果的に利用される。
この発明の風力発電用発電機は、出力巻線が巻かれた出力鉄心と、主界磁巻線および副界磁巻線が巻かれた界磁鉄心とのいずれか一方がステータとなり、他方がロータとなり、前記各界磁巻線に整流手段が接続され、前記ステータとロータとの相対回転により発電電力を得る自励式であり、前記ロータが風車により回転駆動される風力発電用発電機であり、発電の初期励磁に必要な程度に、前記出力鉄心および界磁鉄心のいずれか一方または両方に磁力を付与する初期励磁手段を設けたため、通常の発電電力を得るための磁束をつくる永久磁石、および外部からの他励のための給電が不必要で、かつ回転停止後にも回転の再開により確実に発電を開始することができる。そのため、通常の発電電力を得るための磁束をつくる永久磁石、および外部からの他励のための給電が不必要で、かつ回転停止後にも回転の再開により確実に発電を開始でき、また軽いトルクであっても回転を開始でき、低速回転であっても発電が行えて、変動の大きい自然力を利用する風力発電において、効率的に発電することができる。
この発明の第1の実施形態にかかる風力発電用発電機の発電機本体の破断正面図と着磁手段の回路図とを組み合わせた説明図である。 同風力発電用発電機の電機本体を直線状に展開して示す説明図である。 同風力発電用発電機の発電機本体の等価回路図である。 この発明の他の実施形態にかかる風力発電機の等価回路図である。 同風力発電用発電機を搭載した風力発電用発電機の破断側面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる風力発電用発電機の発電機本体の破断正面図と外部負荷の回路図とを組み合わせた説明図である。 同他の実施形態における界磁鉄心の斜視図である。 同界磁鉄心の変形例の斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる発電機の発電機本体の破断正面図と一部の回路とを示す説明図である。 同発電機の破断側面図である。 図9,図10の発電機についての磁場解析によるコイル電圧、鎖交磁束の立ち上がり波形を示すグラフである。 同発電機の磁場解析による磁束の状態の説明図である。 同磁場解析による磁束の他の状態の説明図である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。図1は、この風力発電用発電機の発電機本体1の破断正面図、並びに着磁手段2および外部負荷3の電気回路図を組み合わせた説明図である。図2は、同図の発電機本体1を直線状に描いた模式図である。この実施形態は、初期励磁手段を着磁手段2とした例である。
図1おいて、この風力発電用発電機は、発電機本体1が、環状のステータ4と、このステータ4の内側にステータ4の中心周りで回転自在に設置されたロータ5とで構成される。ステータ4は出力鉄心6と出力巻線7とからなる。この実施形態は2極発電機に適用した例であり、出力鉄心6は、円環状のヨーク部6aの円周方向2箇所に、内側へ突出する歯状の磁極部6bが形成されている。各磁極部6bに前記出力巻線7が巻かれている。各磁極部6bの出力巻線7は、図2に示すように、出力鉄心6の隣り合う磁極部6bの内径側を向く磁極面に互いに異なる磁極が現れるように直列に接続されている。出力巻線7の両端が端子7a,7bとなり、これら端子7a,7bに図1のように外部負荷3を接続し、発電機から電流を外部に取り出す。
ロータ5は、界磁鉄心8と、この界磁鉄心8に巻かれた主界磁巻線9および副界磁巻線10とからなる。界磁鉄心8は、中心孔を有する鉄心本体8aの外周に、外径側へ突出する複数の歯状の磁極部8bが円周方向に並んで設けられている。この磁極部8bは、出力鉄心6の一つの磁極部6bに対してそれぞれ3つずつ設けられている。主界磁巻線9は、隣合う2つの磁極部8b,8bに渡って巻かれ、この2つの磁極部8b,8bに渡って巻かれた各主界磁巻線9は、2つ一組となった隣合う磁極組同士の磁極面に異なる磁極が現れるように直列に接続されている。副界磁巻線10は、主界磁巻線9と一つの磁極部8bの分だけ位相をずらせて、主界磁巻線9と同様に、隣合う2つの磁極部8b,8bに渡って巻かれている。この2つの磁極部8b,8bに渡って巻かれた各副界磁巻線10は、2つ一組となった隣合う磁極組同士の磁極面に異なる磁極が現れるように直列に接続されている。主界磁巻線9および副界磁巻線10の各直列接続体の両端の端子を、それぞれ符号9a,9b,10a,10bで図2に示す。
図3に示すように、主界磁巻線9には並列に整流素子11が接続され、主界磁巻線9には整流素子11が流すことができる向きの電流が流れる。副界磁巻線10は主界磁巻線9と直列に接続され、かつ直列に整流素子12が接続され、副界磁巻線10には主界磁巻線9と同じ方向の電流のみが流れる。図中の矢印は電流の流れる方向を示す。
この風力発電用発電機は、このような副界磁巻線10を有する構成の自励型の発電機において、図1に示すように、初期励磁手段となる着磁手段2を設けている。前記出力巻線7に、スイッチング手段13を介して着磁用電源14が外部負荷3と並列に接続され、前記初期励磁手段となる着磁手段2が構成される。前記着磁用電源14とスイッチング手段13とで前記着磁手段2が構成される。スイッチング手段13は、半導体スイッチッング素子または有接点のスイッチが用いられる。着磁用電源14は2次電池またはコンデンサ等の蓄電手段である。外部負荷3が2次電池の場合は、それを着磁用電源として用いても良い。
着磁をするには、所定の大きさの電流を極短時間流せば良い。着磁の程度は、発電の開始のための初期励磁に必要な残留磁気が得られる程度で良く、電圧とスイッチング手段13のオン時間による電流の大きさとで定められる。スイッチング手段13の開閉操作は、開閉制御手段15によって行われる。開閉制御手段15は、例えば、ロータ5の回転を検出する回転検出手段16の検出信号を監視し、ロータ5が静止状態から回転を開始したことが検出されると、スイッチング手段13を着磁に必要な設定時間だけオンさせる。なお、ロータ5の回転の停止時間が短い場合は残留磁気が十分に残っているため、開閉制御手段15は、設定時間以上のロータ5の停止の後に回転を開始した場合のみスイッチング手段13をオンさせるなど、設定条件に従ってスイッチング手段13をオンさせるように制御としても良い。
図1の実施形態では出力巻線7に着磁用電源14を接続したが、図4に示すように、界磁巻線9,10にスイッチング手段13を介して着磁用電源14を接続しても良い。この例の場合も、着磁用電源14は2次電池またはコンデンサである。着磁をするには、所定の大きさの電流を極短時間流せば良い。スイッチング手段13は、図1の実施形態と同様に開閉制御手段15で開閉制御される。
第1の実施形態の動作を説明する。ロータ5が回転し発電を行っている場合の動作を説明する。図3に示すように、主界磁巻線9には並列に整流素子11が接続されているため、主界磁巻線9には整流素子11が流すことができる向きの電流が流れる。そのため、主界磁巻線9に流すことができる電流によって決まる向きの磁束が発生する。また、電磁誘導により、電流がつくる磁束と同方向の磁束の減少を妨げる向きに電流が流れるが、磁束が増えるのを阻止する向きには電流は流れない。そのため、磁束の減少は妨げられるが、磁束の増加は妨げられない。副界磁巻線10には直列に整流素子12が接続され、主界磁巻線9と同じ方向の電流のみが流れる。
出力鉄心6または界磁鉄心8の残留磁気により、主界磁巻線9に電流が流れる。この電流により主界磁巻線9がつくる磁束により副界磁巻線10に鎖交する磁束が変化して、副界磁巻線10に電圧が発生する。この電圧で副界磁巻線10が主界磁巻線9を介して電流を供給し、主界磁巻線9に流れる電流を増加させる。副界磁巻線10に電圧が誘起されずに電流を供給していない時、主界磁巻線9には整流子11を通して還流電流が流れ、主界磁巻線9の磁束を維持する。主界磁巻線9に電流が供給され、主界磁巻線9がつくる磁束が大きくなるので、副界磁巻線10に鎖交する磁束も大きくなり、さらに大きい電流が主界磁巻線9に供給される。このように、主界磁巻線9の電流が次第に増加し、発電に必要な界磁磁束がつくられる。出力鉄心6と界磁鉄心8の相対運動により、出力巻線7の鎖交磁束が変化して電圧が発生する。
上記のように、ロータ5が回転を行っている間に発電を行うが、ロータ5がある程度長い時間を停止していると、出力鉄心6および界磁鉄心8のいずれにも残留磁気がなく、または残留磁気が不十分であって、発電を開始できない。そこで、この実施形態では、ロータ5の停止後の回転の開始時に、着磁手段2のスイッチング手段13をオンにして着磁用電源14から出力巻線7に着磁電流を流し、出力鉄心6を着磁する。磁束は前記のように回転を続けると次第に大きくなるため、着磁の程度は、発電の開始のための初期励磁に必要な残留磁気が得られる程度で良い。そのため、着磁をするには、所定の大きさの電流を極短時間流せば良い。この着磁により、ロータ5の長時間の停止後にも、回転の再開により発電が確実に開始される。
図4の実施形態の場合は、ロータ5の停止後の回転の開始時に、着磁手段2のスイッチング手段13をオンにして着磁用電源14から主界磁巻線8に着磁電流を流し、界磁鉄心8を着磁する。このように界磁鉄心8を着磁した場合も、ロータ5の長時間の停止後にも、発電が開始される。
図5は、図1もしくは図4の実施形態に係る風力発電用発電機、または後述の図6〜図9のいずれかの実施形態に係る風力発電用発電機を搭載した風力発電機の破断側面図である。この風力発電機は、支持台41上にナセル42が水平旋回自在に設けられている。ナセル42のケーシング43内において、軸受44により主軸45が回転自在に支持されている。主軸45のケーシング43外に突出した一端に、旋回翼であるブレード46が取付けてある。主軸45の他端は増速機47に接続され、増速機47の出力軸48が、風力発電用発電機40のロータ軸に結合されている。
前記第1の実施形態および図4の構成の発電機によると、次の利点が得られる。副界磁巻線10を用いて励磁を行う自励式であるため、永久磁石や、外部からの他励のための給電を行う外部電源を必要とせずに発電が行える。永久磁石を用いないため、コギングトルクが発生せず、小さなトルクでロータ5を回転させることができる。自励式であるが、発電の初期励磁に必要な磁力を発生することが可能な程度に、発電機のいずれかの鉄心を着磁する着磁手段2を設けたため、回転の停止後や分解保守の後であっても、また低速回転であっても、確実に発電を開始することができる。前記着磁手段2は必要となるが、この着磁手段2は発電の初期励磁に必要な磁力を発生することが可能な程度に着磁を行えるものであれば足りるため、他励式の発電機における外部電源に比べて飛躍的に小型のもので済む。
このように、軽いトルクであっても回転を開始でき、低速回転であっても発電が行えて、変動の大きい自然力を利用する風力発電において、効率的に発電することができる。
図6および図7は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、図1ないし図3に示す第1の実施形態において、初期励磁手段につき着磁手段2に替えて初期励磁用磁石31を設けた例である。初期励磁用磁石31は、図6に示すように、界磁鉄心8に初期励磁用磁石31を埋め込んだものである。初期励磁用磁石31は、発電の初期励磁に必要な磁力を発生させる永久磁石であり、初期励磁に必要な磁力を確実に発生できるように余裕を考慮した範囲で、出来るだけ小さな物が用いられる。また、初期励磁用磁石31には希土類磁石に比べて安価なフェライト磁石が用いられる。この初期励磁用磁石31は、発生する磁束の向きが、前記主界磁巻線9に流れる励磁電流がつくる磁束の向きと同じとなる向きとされる。初期励磁用磁石31の個数は、この例では出力鉄心6の磁極6aの個数と同じであり、2個とされているが、一つであっても良い。また、出力鉄心6の磁極6aを4極や8極,16極とする場合に、2個であっても、磁極数に応じた個数としても良い。
初期励磁用磁石31は、図7の例のように、界磁鉄心8の突出した磁極部8bの軸方向厚さの全体に渡るもの、換言すれば界磁鉄心8の磁極8bを円周方向に並ぶ2つの分割磁極部8ba,8baに分割してその2つの磁極部8ba,8ba間に介在させたものとしてある。
初期励磁用磁石31は、この他に、図8に示すように、界磁鉄心8の磁極部8bにおける前記出力鉄心6と対向する面8bbに埋め込んだものであっても良い。同図の例では磁極8aの前記対向面8abの中央に埋め込んでいる。
この実施形態に係る風力発電用発電機の動作を説明する。連続回転しているときの動作は第1の実施形態の場合と同様であるため、説明を省略する。この実施形態の場合、上記と同様に、ロータ5が回転を行っている間に発電を行うが、ロータ5がある程度長い時間を停止していると、出力鉄心6および界磁鉄心8のいずれにも残留磁気がなく、または残留磁気が不十分であって、発電を開始できない。そこで、この実施形態では、初期励磁用磁石31を設けており、この初期励磁用磁石31の発生する磁束により、ロータ5の長時間の停止後にも、回転の再開により発電が確実に開始される。
この構成の発電機によると、次の利点が得られる。副界磁巻線10を用いて励磁を行う自励式であるため、発電用の永久磁石や、外部からの他励のための給電を行う外部電源を必要とせずに発電が行える。発電用の永久磁石を用いないため、コギングトルクが発生せず、小さなトルクでロータ5を回転させることができる。自励式であるが、初期励磁用磁石31を前記界磁鉄心8に設けたため、回転の停止後や分解保守の後であっても、また低速回転であっても、確実に発電を開始することができる。
初期励磁用磁石31は設けるが、自励式の発電機では、前述のように回転するに従って磁束が増大するため、初期励磁に必要な磁力は極小さな磁力で済む。初期励磁用磁石31は、この程度の小さな初期励磁に必要な磁力を発生する永久磁石であるため、通常の発電電力を得る永久磁石に比べて極弱い磁力を発生する磁石で済む。そのため、高価なレアメタルは不用で、フェライト磁石等の安価な材料で済み、また小さな磁石で済み、コギングトルクも実用上で問題とならない程度となる。
また、リラクタンス発電機と異なり、自励式の発電機の改良であるため、実用化も行い易い。
なお、上記実施形態では、ステータ4側を出力鉄心6、ロータ5側を界磁鉄心8としたが、これとは逆にステータ4側を界磁鉄心9,10とし、ロータ5側を出力鉄心6としても良い。また上記実施形態では2極発電機としたが、4極、8極、16極など、多極の発電機としても良い。
また、上記各実施形態では、初期励磁手段として着磁手段2または初期励磁用磁石31を設けたが、初期励磁手段として、着磁まではしないが、発電の初期励磁に必要な程度に、前記出力鉄心6および界磁鉄心8のいずれか一方または両方に磁力が発生するように、いずれかの巻線7,8,9に回転初期の定められた時間のみ電流を付与する手段(図示せず)を設けても良い。
なお、上記各実施形態は、風力発電用発電機は、この発明とは異なるが、流水を用いる発電や、他の自然力を用いる発電など、種々のエネルギー源の発電機に利用することができる。
図9は、ステータ4側を界磁鉄心8とし、ロータ5側を出力鉄心6とし、4極発電機とした例を示す。原理は第1の実施形態と同様であるため、対応部分に同一符号を付してその説明を省略する。また、初期励磁手段については図示を省略している。初期励磁手段は、前記着磁手段2であっても、また前記初期励磁用磁石31であっても良い。初期励磁用磁石31を用いる場合、この実施形態ではステータ4側に設ける。
図10に示すように、ロータ5は、シャフト21に取付けられ、シャフト21と共にフレーム22に対して軸受23により回転自在に支持されている。ステータ4はフレーム22に固定されている。ロータ5の出力巻線は、スリップリング24とブラシ25とを介して固定側に取り出されている。
図11〜図13に、図9,図10の構成の発電機について試作および磁場解析を行った結果を示す。
図11は、磁場解析によるコイル電圧、鎖交磁束の立ち上がり波形を示す。同図から、メインコイルの鎖交磁束が徐々に増加していく状態が分かる。なお、同図における「メインコイル」は、実施形態で言う「主界磁巻線9」であり、「サブコイル」は実施形態で言う「副界磁巻線10」である。また、「ロータコイル」は「出力巻線7」である。
図12,図13から、ロータ5の回転による各部の磁束密度の変化が分かる。
1…発電機本体
2…着磁手段(初期励磁手段)
3…外部負荷
4…ステータ
5…ロータ
6…出力鉄心
6a…ヨーク部
6b…磁極部
7…出力巻線
8…界磁鉄心
8a…鉄心本体
8b…磁極部
9…主界磁巻線
10…副界磁巻線
11…整流素子
12…整流素子
13…スイッチング手段
14…着磁用電源
15…開閉制御手段
16…回転検出手段
31…初期励磁用磁石(初期励磁手段)

Claims (6)

  1. 出力巻線が巻かれた出力鉄心と、主界磁巻線および副界磁巻線が巻かれた界磁鉄心とのいずれか一方がステータとなり、他方がロータとなり、前記各界磁巻線に整流手段が接続され、前記ステータとロータとの相対回転により発電電力を得る自励式であり、前記ロータが風車により回転駆動される風力発電用発電機であり、
    発電の初期励磁に必要な程度に、前記出力鉄心および界磁鉄心のいずれか一方または両方に磁力を付与する初期励磁手段を設けたことを特徴とする風力発電用発電機。
  2. 請求項1に記載の風力発電用発電機において、前記初期励磁手段が、発電の初期励磁に必要な磁力を発生することが可能な程度に、前記出力鉄心および界磁鉄心のいずれか一方または両方の鉄心を着磁する着磁手段である風力発電用発電機。
  3. 請求項2に記載の風力発電用発電機において、前記着磁手段は、前記出力巻線または前記いずれかの界磁巻線に着磁用電流を通電する構成である風力発電用発電機。
  4. 請求項3に記載の風力発電用発電機において、前記着磁手段は、2次電池またはコンデンサからなる着磁用電源と、前記着磁用電流を通電する前記出力巻線または界磁巻線と前記着磁用電源との間に介在させたスイッチング手段とでなる風力発電用発電機。
  5. 請求項1に記載の風力発電用発電機において、前記初期励磁手段が、前記界磁鉄心に設けられて発電の初期励磁に必要な磁力を発生する永久磁石からなる初期励磁用磁石である風力発電用発電機。
  6. 請求項5に記載の風力発電用発電機において、前記界磁鉄心に設けた前記初期励磁用磁石の発生する磁束の向きは、前記主界磁巻線に流れる励磁電流がつくる磁束の向きと同じである風力発電用発電機。
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