JP2016039550A - 電気音響変換器 - Google Patents

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宗一 瀧川
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Abstract

【課題】サイドローブの発生を抑える。【解決手段】振動板に設けられたコイル100は、音響信号が供給されると、音響信号に応じて前後方向に振動する。コイル100が位置するエアギャップ70においては、上側の幅が下側より広いため、上側の磁束密度が下側の磁束密度より小さくなる。エアギャップ70の上部では、磁束密度が大きい下側と比較するとコイル100に作用する力が小さくなるため、振動板の上側の変位は下側より小さくなり、振動板の上側で発生する音の音圧は、下側で発生する音の音圧より小さくなる。振動板の上側と下側とで発生する音の音圧に差があると、差がない場合と比較して指向特性が異なるものとなる。【選択図】図6

Description

本発明は、電気音響変換器に関する。
振動板の表面に導電体パターンを配置し、この導電体パターンが磁気ギャップに位置する電気音響変換器として、例えば特許文献1に開示された電気音響変換器がある。この電気音響変換器においては、磁気ギャップ内にある導電体パターンにオーディオ信号を流すと、磁気ギャップの磁界と導電体パターンに流れる電流によって生じる磁束変化とによって駆動力が発生し、振動板が変位する。振動板は、オーディオ信号に応じて変位し、その変位方向が逐次変わることによって振動となり、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音波が振動板から発生する。
特開2002−78079号公報
特許文献1の電気音響変換器においては、導電体パターンが位置する磁気ギャップの幅は、導電体パターンの長手方向に沿って一定である。このため、導電体パターンに作用する磁界の強さは一様となり、導電体パターンの長手方向においては、中央部と端部とで作用する駆動力に差が生じず、振動板の振幅に差が生じないこととなる。従って、このような構造のスピーカでは、指向特性において本来不要なサイドローブの発生が抑制できない。このため、当該スピーカのメインローブの方向を定めて、所定の領域へ音を放音しようとしても、当該方向以外へもサイドローブにより発生した音が放音されることとなり、この所定の領域外でも不要な音が聞こえたり、ハウリングの発生や明瞭度の低下を引き起こしたりすることとなる。
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、指向特性におけるサイドローブの発生を抑える技術を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、一対の縦割り筒状面が並列に形成されるとともに、隣接する前記縦割り筒状面どうしの間で谷部を形成した振動体と、前記谷部の深さ方向に沿う振動と該振動に対応する電気信号との変換を行う変換部と、前記振動体を前記谷部の深さ方向に振動可能に支持する支持部とを有し、前記振動体の前記谷部の延伸方向の少なくとも一端側の振動を小さくする電気音響変換器を提供する。
本発明においては、前記変換部は、前記谷部の延伸方向に沿ったエアギャップを有する磁気回路と、前記振動体に設けられ、前記エアギャップ内に位置して前記電気信号が流れるコイルと、を有し、前記エアギャップの一端側と他端側とで磁束密度が異なる構成としてもよい。
また、本発明においては、前記変換部は、前記振動体の前記谷部の延伸方向の中央よりずれた位置に配置される構成としてもよい。
また、本発明においては、前記振動体の前記谷部の延伸方向の一端の振動を他端の振動より抑制する振動抑制部材を有する構成としてもよい。
また、本発明においては、前記変換部は、エアギャップを有する磁気回路と、前記振動体に設けられ、前記エアギャップ内に位置して前記電気信号が流れるコイルと、を有し、前記コイルは、前記谷部の延伸方向の端部側と中央側とで単位面積あたりの導体の密度が異なる構成としてもよい。
また、本発明においては、前記変換部は、エアギャップを有する磁気回路と、前記振動体に設けられ、前記エアギャップ内に位置して前記電気信号が流れるコイルと、を有し、前記コイルは、前記谷部の延伸方向の一端側が前記エアギャップ内に位置し、他端側が前記エアギャップ外に位置する構成としてもよい。
また、本発明においては、前記変換部は、前記谷部の延伸方向に沿って配置される複数のボイスコイルモータであり、前記谷部の延伸方向の一端側から他端側に向かうにつれて前記複数のボイスコイルモータを流れる電気信号の振幅が異なる構成としてもよい。
本発明によれば、サイドローブの発生を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係るスピーカ1の外観図。 スピーカ1の正面図。 図2のA−A線断面図。 図3のB−B線断面図。 振動板20Aの外観図。 コイル100と磁気回路の模式図。 スピーカ1の配置例を示した図。 スピーカ1の変形例を示した図。 変形例に係るスピーカ1Fを示した図。 振動板20Cの外観図。 第2実施形態に係るスピーカ1Aの断面図。 図11のC−C線断面図。 コイル100と第2実施形態の磁気回路の模式図。 第3実施形態に係るスピーカ1Bの断面図。 コイル101と第3実施形態の磁気回路の模式図。 第3実施形態の変形例の断面図。 第3実施形態の変形例の断面図。 第4実施形態に係るスピーカ1Cの断面図。 第5実施形態に係るスピーカ1Dの断面図。 第6実施形態に係るスピーカ1Eの断面図。 第6実施形態の変形例に係る振動板20Aを示した図。 第7実施形態に係る振動板20Eを示した図。 第7実施形態の変形例に係る振動板20Gを示した図。 第7実施形態の変形例に係る振動板20Jを示した図。 第7実施形態の変形例に係る振動板20Kを示した図。 第7実施形態の変形例に係る振動板20Lを示した図。 第8実施形態に係るスピーカ1Hの分解斜視図。 スピーカ1Hの組立状態を示した斜視図。 スピーカ1Hの上面図。
[第1実施形態]
[構造]
図1は、本発明の一実施形態に係るスピーカ1(電気音響変換器)の外観図、図2は、スピーカ1の正面図、図3は、図2のA−A線断面図である。また、図4は、図3のB−B線断面図である。図においては、直交するX軸、Y軸およびZ軸で方向を示しており、スピーカ1を正面から見たときの左右方向をX軸の方向、前後方向をY軸の方向、高さ(上下)方向をZ軸の方向としている。以下の説明においては、説明の便宜上、X軸の正方向側を右側、X軸の負方向側を左側、Y軸の正方向側を前側、Y軸の負方向側を後側、Z軸の正方向側を上側、Z軸の負方向側を下側と称する場合がある。なお、図中の各部材の寸法は、各部材の形状や位置関係を容易に理解できるように実際の寸法とは異ならせてある。
スピーカ1は、大別すると、筐体、磁気回路、磁気回路を支持する支持部材及び振動体で構成されている。筐体は、天板10A、底板10B、側板10C、側板10D、側板10Eで構成されている。天板10A、底板10B、側板10C、側板10D及び側板10Eは、例えば、木材を矩形に加工した板である。なお、各板の材質は木材に限定されるものではなく、合成樹脂などであってもよい。
磁気回路は、磁石30、ヨーク40A〜40C及びスペーサ50A、50Bで構成される。磁石30は、棒型で断面が矩形の磁石である。磁石30は、図4に示したように、支持部材60によって長手方向がZ軸方向に沿うように配置され、上側から見ると、N極が前側となり、S極が後側となる。
支持部材60は、例えば合成樹脂の角棒である。支持部材60は、長手方向の一端が側板10Eに固定され、他端に磁石30が固定されている。なお、本実施形態においては、支持部材60は、一端が側板10Eの中央部分に固定されている。支持部材60は、磁石30を支持する部材である。
ヨーク40A、ヨーク40B及びヨーク40Cは、本実施形態においては、矩形の鉄の板である。ヨーク40A、ヨーク40B及びヨーク40Cは、磁石30の磁力線の経路を制御する部材である。ヨーク40A、40Bは、長手方向がZ軸方向に沿うように配置されている。ヨーク40Aは、磁石30のN極に接するように配置され、ヨーク40Bは、磁石30のS極に接するように配置されている。ヨーク40Cは、ヨーク40A、40Bの右側に間隔を空けて配置されており、ヨーク40Cとヨーク40A、40Bとの間には、上側においてスペーサ50Aが挟まれ、下側においては、スペーサ50Cが挟まれている。これにより、ヨーク40Cは、スペーサ50A、50Bを介して前側でヨーク40Aに繋がり、スペーサ50A、50Bを介して後側でヨーク40Bと繋がる。
スペーサ50Aとスペーサ50Bは、本実施形態においては矩形の合成樹脂の板である。スペーサ50Aとスペーサ50Bは、ヨーク40Cとヨーク40A、40Bとの間のエアギャップ70の幅を設定する部材である。各スペーサは、磁力線を通す材料で形成され、図4に示したように、スペーサ50Aの左右方向の長さは、スペーサ50Bの左右方向の長さより長いため、ヨーク40A及びヨーク40Bと、ヨーク40Cとの間にあり、振動体20の谷部の延伸方向に沿ったエアギャップ70は、下側から上側に向かうにつれて広くなっている。つまり、エアギャップ70は、エアギャップ70の長手方向の一端と他端とで幅が異なる構成となっている。
このように、磁石30、ヨーク40A〜40C及びスペーサ50A、50Bを配置することにより、スピーカ1の筐体内に磁気回路が形成される。なお、磁気回路における磁力線の向きは、ヨーク40Aとヨーク40Cとの間では、ヨーク40Aからヨーク40Cへ向かう方向となり、ヨーク40Bとヨーク40Cとの間では、ヨーク40Cからヨーク40Bへ向かう方向となっている。
振動体20は、振動板20Aと振動板20Bで構成される。振動板20Aと振動板20Bは、矩形で可撓性を有する合成樹脂のフィルムである。振動板20Aは、前後方向の両端が側板10Eに固定されており、図3に示したように、上側から見たときに中央部分がエアギャップ70内に位置するように撓められている。つまり、振動板20Aは、上側から見ると、固定されている部分から中央部分に向かうに従って側板10Eから漸次離間するように湾曲している。これにより、振動板20Aは、筒状の部材を中心軸の方向に割って得られる縦割り筒状の形状となる。以下、縦割り筒状の形状の面を縦割り筒状面という。また、振動板20Bは、前後方向の両端が側板10Cに固定されており、図3に示したように、上側から見たときに中央部分がエアギャップ70内に位置するように撓められ、縦割り筒状の形状となっている。更に、振動板20Aと振動板20Bにおいてエアギャップ70内に位置する部分は互いに接合されており、各ヨークに対しては非接触となっている。振動板20Aと振動板20Bとが接合されることにより、振動体20は、縦割り筒状面が並列した形状となる。そして、振動板20Aと振動板20Bとの間には、縦割り筒状面の上下方向に沿って、直線状に谷部が形成される。振動板20A及び振動板20BのA−A線断面の形状は、図3に示すように、上側から見て振動板20Aと振動板20Bの共通の接線に対して左右方向に線対称に形成することが好ましいが、本発明においては、必ずしも線対称でなくてもよい。
なお、振動板20Aと振動板20Bは、矩形のフィルムを撓める構成に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂からなるフィルムを真空成形することにより、縦割り筒状の形状に成形したものであってもよい。また、振動体20の材質は、合成樹脂に限定されるものではなく、他には、紙、金属等の材料を用いることができる。また、縦割り筒状面は、必ずしも単一円弧面でなくてもよく、複数の曲率を連続させたもの、上側から見た断面が放物線形状やスプライン曲線など曲率が一定ないし連続的に変化するもの、角筒状面としたもの、階段状に複数の段差部を有する形状としたものなどを採用することができる。
図5は、振動板20Aの外観図である。同図に示すように、振動板20Aにおいて振動板20Bに接合される部分(筐体内に配置されたときの前後方向の中央部分)には、コイル100が配置されている。なお、コイル100を形成する導線は、断面が円形の導線に限定されるものではなく、帯状の導線であってもよい。コイル100は、長手方向が、振動板20Aの上下方向に沿うように配置されており、コイルの導線の一端にはリード線101Aが接続され、他端にはリード線101Bが接続されている。なお、コイル100は、振動板20Aではなく振動板20Bに設けられていてもよい。このコイル100と上述の磁気回路は、振動体20の振動と、振動に対応する電気信号である音響信号との変換を行う変換部として機能する。
[動作]
次に、スピーカ1(電気音響変換器)の動作を以下に説明する。リード線101A、101Bに音響信号が供給されると、コイル100に音響信号が流れ、振動板20A、20Bが振動する。ここで、振動板20A、20Bが振動する仕組みについて、図6を用いて説明する。同図は、コイル100と、磁気回路を構成する磁石30、ヨーク40A〜40Cとを模式的に示した図である。なお、図面が煩雑になるのを防ぐため、図6においては、スペーサ50A、50Bの図示は省略している。
コイル100と磁気回路は、上下方向の長さが振動板20A、20Bの長さと略同じとなっている。図6に示した矢印の方向へ電流が流れると、コイル100は、Y軸の正方向側(前側)に変位し、図6に示した方向と逆の方向へ電流が流れると、コイル100は、Y軸の負方向側(後側)に変位する。コイル100が変位すると、コイル100と共に振動板20A、20Bが変位する。振動板20A、20Bは、音響信号に応じてY軸の正方向又は負方向、即ち、谷部の深さ方向へ変位し、その変位方向が逐次変わることによって振動となり、その振動状態(振動数、振幅、位相)に応じた音波が振動板20A、20Bから発生する。
本実施形態においては、ヨーク40A、40Bとヨーク40Cとの間のエアギャップ70の幅は、図4、6に示したように、下側から上側に向かうにつれて広くなっており、エアギャップ70の幅の広い部分は、幅の狭い部分より磁束密度が小さくなっている。そして、コイル100の上部は、エアギャップ70において下側より磁束密度が小さい領域に位置するため、コイル100の上部に作用する力は、下側に作用する力より小さくなる。
即ち、磁気回路とコイル100とで構成される変換部においては、振動体20に作用する力とコイル100に流れる音響信号との変換効率が振動体20の谷部の延伸方向の一端側と他端側とで異なり、一端側の変換効率が他端側より小さくなっている。振動板20A、20Bにおいて、上側と下側とで作用する力の大きさが異なると、上側の振動振幅と下側の振動振幅とが異なり、上側の振動振幅が下側の振動振幅より小さくなる。つまり、振動体20の振動は、振動体20の谷部の延伸方向において振幅の大きな部分と小さな部分とがあることになる。そして、振動振幅が小さくなる上側では、下側と比較すると、発生する音の音圧が小さくなる。
このように、振動板20A、20Bで発生する音の音圧が上下方向の場所に応じて異なると、発生する音の音圧が上下方向で一様である場合とは指向特性が異なるものとなる。例えば、図7に示したように、天板10A側を上にしたスピーカ1と天板10A側を下側にしたスピーカ1とを上下に並べた場合、天板10Aに近い側では発生する音の音圧が小さく、底板10B側では発生する音の音圧が大きくなる。つまり、2つ積み重ねたスピーカ1の上下方向の中央部分の音圧より、上下方向の端部の音圧が小さくなるため、2つのスピーカ1から発生する音においては、サイドローブを小さくすることができる。なお、図7においても、図面が煩雑になるのを防ぐため、磁気回路の図示を省略している。
図7においては、振動板20A、20Bの組を上下に2つ並べるために、スピーカ1を上下に重ねた構成となっているが、振動板20A、20Bの組を上下に2つ並べる構成は、この構成に限定されるものではない。例えば、図8に示したように、一つの筐体の中に振動板20A、20B、コイル100及び磁気回路の組を2つ配置するようにしてもよい。なお、図8においても、図面が煩雑になるのを防ぐため、磁気回路の図示を省略している。図8に示した構成においては、下側にある振動板20A、20Bの組に対しても、磁石30、ヨーク40A〜40C及びスペーサ50A、50Bで構成された磁気回路が設けられている。下側にある振動板20A、20Bの組に対して設けられた磁気回路においては、エアギャップ70の幅は、底板10B側の幅が広く、天板10A側の幅が狭くなっている。この構成においても、上下方向の両端部分で発生する音の音圧が中央部分で発生する音の音圧より低くなり、サイドローブを小さくすることができる。
なお、本発明においては、振動体の形状は、上述の形状に限定されるものではない。図9は、変形例に係るスピーカ1Fを図2のA−A線と同じ部分で切断したときの断面図である。スピーカ1Fは、振動体20に替えて振動体22を有する。振動体22は、振動板20Cと振動板20Dとで構成されている。図10は、スピーカ1Fが備える振動板20Cを示した図である。図9、10に示したように、スピーカ1Fにおいては、振動板の形状が上述の実施形態と異なる。
振動板20Cは、前側の端部が側板10Eの前側の端部に固定され、後側の端部がエアギャップ70内に位置するように、撓められて振動可能に支持されている。コイル100は、振動板20Cに配置されているが、振動板20Cではなく振動板20Dに設けられていてもよい。
振動板20Dの前端は、側板10Cの前部に固定されている。また、振動板20C、20Dは、後側となる部分が互いに接合され、コイル100がエアギャップ70内に位置する。この構成においては、磁気回路とコイル100との位置関係は、上述の実施形態と同じく図6に示した状態となるため、コイル100に音響信号を供給すると、磁気回路とコイル100とで構成される変換部においては、振動体に作用する力とコイル100に流れる音響信号との変換効率が振動体20の谷部の延伸方向の一端側と他端側とで異なり、一端側の変換効率が他端側より小さいため、振動板20C、20Dは、上側の振幅が下側の振幅より小さくなる。そして、振幅が小さくなる上側では、下側と比較すると、発生する音の音圧が小さくなる。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係るスピーカ1Aについて説明する。スピーカ1Aは、第1実施形態と比較すると、磁気回路の構成が第1実施形態と異なる。筐体及び振動板20A、20Bについては、第1実施形態と同じ構成である。このため、第1実施形態と同じ構成については、説明を省略し、以下、第1実施形態との相違点について説明する。
図11は、スピーカ1Aを図2のA−A線と同じ部分で切断したときの断面図、図12は、図11のC−C線断面図である。支持部材60Aは、例えば合成樹脂の角棒であり、長手方向の一端が側板10Cに固定され、他端に磁石30Aが固定されている。支持部材60Aは、磁石30Aを支持する部材である。なお、本実施形態においては、支持部材60Aは、側板10Cの中央部分に固定されている。
磁石30Aは、棒型で断面が矩形な磁石である。磁石30Aは、図12に示したように、支持部材60Aによって支持され、S極が前側となり、N極が後側となる。ヨーク40D及びヨーク40Eは、矩形の鉄の板である。ヨーク40Dは、磁石30AのS極に接するように配置され、ヨーク40Eは、磁石30AのN極に接するように配置されている。ここで、磁石30A、ヨーク40D及びヨーク40Eは、正面側から見ると傾斜して配置されており、ヨーク40A、40Bの組と、ヨーク40D、40Eの組との間のエアギャップ70は、上側の幅が下側の幅より広くなっている。
図13は、コイル100と、本実施形態に係る磁気回路を構成する部材を模式的に示した図である。コイル100と磁気回路は、上下方向の長さが振動板20A、20Bの長さと略同じとなっている。コイル100に音響信号が供給されると、コイル100は、音響信号の電流の変化に応じて変位する。そして、コイル100と共に振動板20A、20Bが振動し、振動板20A、20Bから音波が発生する。本実施形態においても、エアギャップ70の幅は、図12、13に示したように下側から上側に向かうにつれて広くなっている。つまり、本実施形態でも、振動体20の谷部の延伸方向に沿ったエアギャップ70は、エアギャップ70の長手方向の一端と他端とで幅が異なる構成となっており、エアギャップ70の幅の広い部分は、幅の狭い部分より磁束密度が小さくなっている。これにより、磁気回路とコイル100とで構成される変換部においては、振動体20に作用する力とコイル100に流れる音響信号との変換効率が振動体20の谷部の延伸方向の一端側と他端側とで異なり、一端側の変換効率が他端側より小さく、振動板20A、20Bの上側の振幅と下側の振幅とが異なるため、振動体20の谷部の延伸方向において振幅の大きな部分と小さな部分とがあることになる。そして、振動体20において振幅が小さくなる上側では、下側と比較すると、発生する音の音圧が小さくなる。
本実施形態に係るスピーカ1Aを、図7と同様に配置すれば、第1実施形態と同様にサイドローブを小さくすることができる。また、本実施形態においても、図8に示した構成と同様に振動板20A、20B、コイル100及び磁気回路の組を2つ筐体内に配置すれば、上下方向の両端部分で発生する音の音圧を中央部分で発生する音の音圧より低くすることができ、サイドローブを小さくすることができる。
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係るスピーカ1Bについて説明する。スピーカ1Bは、第2実施形態と比較すると、磁気回路の構成が異なる。筐体と振動板20A、20Bについては、第2実施形態と同じ構成である。このため、第2実施形態と同じ構成については、説明を省略し、以下、第2実施形態との相違点について説明する。
図14は、スピーカ1Bを図11のC−C線と同じ部分で切断したときの断面図であり、図15は、は、本実施形態に係る磁気回路の模式図である。スピーカ1Bは、磁石31、31A、ヨーク41A、41B、41D、41E、支持部材60、60A、コイル101を有しており、磁石とヨークの形状及び配置が第2実施形態と異なる。具体的には、振動板20A、20Bの上下方向の長さと、磁石31、31Aの上下方向の長さとの関係は、図14に示したように、磁石の長さが振動板の長さより短い構成となっている。また、ヨーク41A、41B、41D、41Eの上下方向の長さは、第1及び第2実施形態の態様とは異なり、振動板20A、20Bの上下方向の長さより短い構成となっている。要するに、第1、第2実施形態では、コイル100と磁気回路の上下方向の長さが振動板の長さと略同じであるのに対し、本実施形態では、コイル101と磁気回路の上下方向の長さが振動板より短く、振動板20A、20Bの上下方向の一部分を駆動する構成となっている。つまり、振動体20の谷部の延伸方向の中央からずれた位置において、振動体20の振動と、振動に対応する電気信号との変換を行う構成となっている。
支持部材60、60Aの上下方向の位置は、図14に示したように中央から外れた位置で、本実施形態では中央より上の位置となっている。なお、支持部材60、60Aの上下方向の位置は、中央より下であってもよい。磁石31は、支持部材60に固定され、磁石31Aは、支持部材60Aに固定されるため、磁石31、31Aの位置は、本実施形態では中央より上の位置となる。
ヨーク41A、41Bは、磁石31に接し、ヨーク41D、41Eは、磁石31Aに接している。なお、本実施形態においては、ヨーク41D、41Eは、図15に示したように傾斜されずに配置されている。このため、ヨーク41Aとヨーク41Dとの間及びヨーク41Bとヨーク41Eとの間のエアギャップ70の幅は、上側と下側とで同じ幅となっている。
コイル101は、図15に示したように、上下方向の長さが第2実施形態より短くなっている。この構成においては、振動板20A、20Bの中央より上側の一部が駆動されるため、振動板20A、20Bにおいて、コイル101がある上側の振幅は、コイル101がない下側の振幅より大きくなる。つまり、振動体20の谷部の延伸方向において振幅の大きな部分と小さな部分とがあることになる。
振動板20A、20Bの中央から外れた一部が駆動されることにより、振動板20A、20Bの上側と下側とで振幅に差が生じると、振幅が小さくなる下側では、発生する音の音圧が上側より小さくなる。そして、スピーカ1Bを上下に2つ並べれば、上側と下側とで発生する音の音圧が中央部分で発生する音の音圧より低くなり、サイドローブを小さくすることができる。
また、本実施形態においても、振動板20A、20B、コイル及び磁気回路の組を2つ筐体内に配置し、上に位置する振動板の組に係る磁気回路を振動板の上下方向の中央より下側に配置し、下に位置する振動板の組に係る磁気回路を振動板の上下方向の中央より上側に配置すれば、上下方向の両端部分で発生する音の音圧が中央部分で発生する音の音圧より低くなり、サイドローブを小さくすることができる。
なお、本実施形態のように磁気回路を構成する磁石31、31A及びコイル101を振動板の上下方向の中央から外れた上側又は下側に配置する構成にあっては、ヨーク41B、41Eに替えて第1実施形態のヨーク40B、40Eを採用し、図16に示したようにヨーク40B、40Eを傾斜させずに配置してもよい。また、ヨーク41A、41Dに替えて第1実施形態のヨーク40A、40Dを採用し、図16に示したヨーク40B、40Eと同じく傾斜させずに配置してもよい。この構成においては、上下方向において磁石31、31Aがある位置が、振動板20A、20Bの上下方向の中央の位置よりずれており、振動体20の谷部の延伸方向の中央からずれた位置において、振動体20の振動と、振動に対応する電気信号との変換を行う構成となっている。
また、第3実施形態のように磁石31及びコイル101を振動板の上下方向の中央から外れた上側又は下側に配置する構成にあっては、ヨーク41D、41E及び磁石31Aに替えて、第1実施形態のヨーク40Cより短いヨーク41Cを採用し、図17に示したように、支持部材60Aでヨーク41Cを支持してヨーク41Cをヨーク41A、41B及び磁石31に対向させる構成であってもよい。この構成においては、上下方向において磁石31、ヨーク41A、41B及びヨーク41Cがある位置が、振動板20A、20Bの上下方向の中央の位置よりずれており、振動体20の谷部の延伸方向の中央からずれた位置において、振動体20の振動と、振動に対応する電気信号との変換を行う構成となっている。
また、図17の態様を変形し、磁石31の前側に第1実施形態のヨーク40Aを配置し、磁石31の後側に第1実施形態のヨーク40Bを配置する構成とし、配置したヨーク40A、40Bの上下方向の長さを振動板20A、20Bの上下方向の長さと同等としてもよい。この構成においては、上下方向において磁石31及びコイル101がある位置が、振動板20A、20Bの上下方向の中央の位置よりずれており、振動体20は、振動体20の谷部の延伸方向の中央からずれた位置において、振動体20の振動と、振動に対応する電気信号との変換を行う構成となっている。
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態に係るスピーカ1Cについて説明する。スピーカ1Cは、第2実施形態と比較すると、磁気回路の構成が異なる。筐体と振動板20A、20Bについては、第2実施形態と同じ構成である。このため、第2実施形態と同じ構成については、説明を省略し、以下、第2実施形態との相違点について説明する。
図18は、スピーカ1Cを図11のC−C線と同じ部分で切断したときの断面図である。スピーカ1Cは、第2実施形態と同じく、磁石30、30A、支持部材60、60Aを有している。また、スピーカ1Cは、ヨーク42A、ヨーク42B、ヨーク42D、ヨーク42Eを有している。
本実施形態のヨーク42B、42Eは、板状であるが、図18に示したように、上側の左右方向の幅が下側の左右方向の幅より狭い台形の形状となっている。なお、図18には図示されていないが、ヨーク42A、42Dも、それぞれヨーク42B、42Eと同じ形状となっている。ヨーク42Aは、磁石30のN極に接するように配置され、ヨーク42Bは、磁石30のS極に接するように配置されている。また、ヨーク42Dは、磁石30AのS極に接するように配置され、ヨーク42Eは、磁石30AのN極に接するように配置されている。磁石30Aは、図18に示したように正面側から見ると傾斜されずに配置されている。
本実施形態においては、ヨーク42Aの右側端面とヨーク42Dの左側端面との間のエアギャップ70の幅と、ヨーク42Bの右側端面とヨーク42Eの左側端面との間のエアギャップ70の幅は、上側から下側まで同じ幅となっている。一方、各ヨークは、下側の左右方向の幅が上側より広くなっている。この構成の場合、磁気回路においてヨークの幅が狭い上側では、ヨークの幅が広い下側よりエアギャップ70における磁束密度が大きくなる。そして、コイル100の下側は、エアギャップ70において上側より磁束密度が小さい領域に位置するため、コイル100の下側に作用する力は、上側に作用する力より小さくなる。即ち、磁気回路とコイル100とで構成される変換部においては、振動体20に作用する力とコイル100に流れる音響信号との変換効率が振動体20の谷部の延伸方向の一端側と他端側とで異なり、一端側の変換効率が他端側より小さくなっている。
このため、コイル100の上側の振幅が下側の振幅より大きくなり、振動体20の谷部の延伸方向において振幅の大きな部分と小さな部分とがあることになる。振動板20A、20Bの振幅が小さくなる下側では、上側と比較すると、発生する音の音圧が小さくなる。
スピーカ1Cを上下に2つ並べれば、上下に並べたスピーカ1Cの上側と下側とで発生する音の音圧を、中央部分で発生する音の音圧より低くすることができ、サイドローブを小さくすることができる。また、本実施形態においても、振動板20A、20B、コイル100及び磁気回路の組を2つ筐体内に配置すれば、上下方向の両端部分で発生する音の音圧が中央部分で発生する音の音圧より低くすることができ、サイドローブを小さくすることができる。
[第5実施形態]
次に本発明の第5実施形態に係るスピーカ1Dについて説明する。スピーカ1Dは、第2実施形態と比較すると、磁気回路の構成が異なる。筐体と振動板20A、20Bについては、第2実施形態と同じ構成である。このため、第2実施形態と同じ構成については、説明を省略し、以下、第2実施形態との相違点について説明する。
図19は、スピーカ1Dを図11のC−C線と同じ部分で切断したときの断面図である。スピーカ1Dは、第2実施形態と同じく、ヨーク40A、40B、40D、40E、支持部材60、60Bを有している。また、スピーカ1Dは、磁石32、32Aを有している。
本実施形態の磁石32、32Aは、図19に示したように、前側から見ると上側の幅が下側の幅より広い台形の形状となっている。また、第2実施形態と比較すると、ヨーク40A、40B、40D、40Eは、上下方向に対して傾斜されずに配置されている。このため、ヨーク40Aの右側端面とヨーク40Dの左側端面との間のエアギャップ70の幅は上側から下側まで一定であり、ヨーク40Bの右側端面とヨーク40Eの左側端面との間のエアギャップ70の幅も、上側から下側まで一定であり、かつ両方の幅は同じとなっている。
一方、本実施形態においては、磁石32、32Aは、上側の左右方向の幅が下側より広くなっている。この構成の場合、磁気回路において磁石の左右方向の幅が広い上側部分では、幅が狭い下側部分よりエアギャップ70における磁束密度が大きくなる。そして、コイル100の下側は、エアギャップ70において上側より磁束密度が小さい領域に位置するため、コイル100の下側に作用する力は、上側に作用する力より小さくなる。即ち、磁気回路とコイル100とで構成される変換部においては、振動体20に作用する力とコイル100に流れる音響信号との変換効率が振動体20の谷部の延伸方向の一端側と他端側とで異なり、一端側の変換効率が他端側より小さくなっている。このため、コイル100の上側の振幅が下側の振幅より大きくなり、振動体20の谷部の延伸方向において振幅の大きな部分と小さな部分とがあることになる。そして、振動板20A、20Bにおいて振幅が小さくなる下側では、上側と比較すると、発生する音の音圧が小さくなる。
スピーカ1Dを上下に2つ並べれば、上下に並べたスピーカ1Dの上側と下側とで発生する音の音圧を中央部分で発生する音の音圧より低くすることができ、サイドローブを小さくすることができる。また、本実施形態においても、振動板20A、20B、コイル100及び磁気回路の組を2つ筐体内に配置すれば、上下方向の両端部分で発生する音の音圧を中央部分で発生する音の音圧より低くすることができ、サイドローブを小さくすることができる。
なお、上述した第2〜第5実施形態においては、振動板20A、20Bに替えて振動板20C、20Dを採用するようにしてもよい。
[第6実施形態]
次に本発明の第6実施形態に係るスピーカ1Eについて説明する。スピーカ1Eは、上述した第2実施形態と比較すると、振動板20A、20Bの上下方向の一端側の振幅を他端側より小さくするための構成に特徴がある。本実施形態においては、筐体と振動板20A、20Bについては、第2実施形態と同じ構成である。このため、第2実施形態と同じ構成については、説明を省略し、以下、第2実施形態との相違点について説明する。
図20は、スピーカ1Eを図11のC−C線と同じ部分で切断したときの断面図である。スピーカ1Eは、磁石30A、ヨーク40B、40Eが正面側から見て傾斜されずに配置されている点が第2実施形態と異なる。なお、図20には図示されていないが、ヨーク40A及びヨーク40Dも、正面側から見て傾斜されずに配置されている。このため、本実施形態においては、ヨーク40Aの右側端面とヨーク40Dの左側端面との間のエアギャップ70の幅は上側から下側まで一定であり、ヨーク40Bの右側端面とヨーク40Eの左側端面との間のエアギャップ70の幅も上側から下側まで一定であり、かつ両方の幅は同じとなっている。
スピーカ1Eにおいては、エアギャップ70の上側に振動抑制部材80が配置されている。振動抑制部材80は、振動体20の谷部の延伸方向の一端の振動を他端の振動より抑制する部材である。振動抑制部材80は、スペーサ50Aと同じ形状の板状の部材であり、ヨーク40A、40Bの右側端面と、ヨーク40D、40Eの左側端面とに固着されている。更に、振動抑制部材80の下面側には、振動板20A、20Bの上端が固定されている。このような構成により、エアギャップ70内に位置する振動板20A、20Bの上端が、振動板20A、20Bの下端に比べて、変位しないように作用する。
本実施形態においては、エアギャップ70の幅は、上側から下側まで同じ幅であるため、コイル100に作用する力は、振動板20A、20Bの上側と下側とで同じとなる。しかしながら、振動板20A、20Bの上端は、振動抑制部材80に固定されているため、コイル100に音響信号が供給されても、振動板20A、20Bの上端は振動しないこととなり、振動体20の谷部の延伸方向において振幅の大きな部分と小さな部分とがあることになる。
このため、コイル100の上側の振幅と下側の振幅とが異なり、上側から下側に向かうにつれて振幅が大きくなる。そして、振幅が大きくなる下側では、上側と比較すると、発生する音の音圧が大きくなる。
スピーカ1Eを上下に2つ並べ、振動抑制部材80がある側が上側と下側に位置するように配置すれば、上下に並べたスピーカ1Eの上側と下側とで発生する音の音圧が中央部分で発生する音の音圧より低くなり、サイドローブを小さくすることができる。
また、本実施形態においても、振動板20A、20B、コイル100、振動抑制部材80及び磁気回路の組を2つ筐体内に配置すれば、上下方向の両端部分で発生する音の音圧を中央部分で発生する音の音圧より低くすることができ、サイドローブを小さくすることができる。
なお、本実施形態においては、振動板20A、20Bに替えて振動板20C、20Dを採用するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、振動抑制部材80に、振動板20A、20Bが固定されているが、振動抑制部材80に替えて、振動抑制部材81を採用してもよい、振動抑制部材81は、振動板20A、20Bとの間に摩擦が生じるように、振動板20A、20Bに接触させる構成であり、振動体20の谷部の延伸方向の一端の振動を他端の振動より小さくする部材である。この構成においても、振動板20A、20Bの上端の振動が抑制され、振動板20A、20Bの上端と下端とでは振幅が異なることとなる。
また、図21は、本実施形態の変形例に係る振動板20Aを示した図である。図21に示したように振動板20Aに振動抑制部材82を付加してもよい。振動抑制部材82は、本実施形態においては、板状の部材であり、振動板20Aにおいてコイル100より上側に固定されている。振動抑制部材82も、振動体20の谷部の延伸方向の一端の振動を他端の振動より小さくする部材である。振動抑制部材82は、振動板20Aに質量を付加する部材である。振動板20Aは、振動抑制部材82が付加されることによって上側の方が重くなり、コイル100に音響信号を供給すると、上側の振動が抑制され、上側の方が下側より振幅が小さくなる。なお、振動板20Aの上側と下側とで重さを異ならせる構成は、振動抑制部材82を付加する構成に限定されるものではなく、例えば、振動板20Aの板厚を、下側から上側に向かうにつれて厚くなるようにしてもよい。
[第7実施形態]
次に本発明の第7実施形態に係るスピーカ1Gについて説明する。スピーカ1Gは、磁気回路及び振動板の構成が第1実施形態の変形例である図9、10の構成と異なる。他の構成は第1実施形態の変形例と同じである。このため、第1実施形態の変形例と同じ構成については説明を省略し、以下、第1実施形態の変形例との相違点について説明する。
図22は、本実施形態に係る振動板20Eを示した図である。振動板20Eは、第1実施形態の変形例の振動板20Cと比較すると、複数のコイルとスリット21を有する点と、これらの複数のコイルが振動板20Eの後側の端部において上下方向の全体に渡って配置されない点で異なる。本実施形態では、振動板20Eは、複数のコイルの一例として、コイル100Aとコイル100Bの2つを有する。コイル100Aの上下方向の長さは、スリット21から振動板20Eの上側端部までの長さより短く、コイル100Bの上下方向の長さは、スリット21から振動板20Eの下側端部までの長さより短い。
コイル100A、100Bは、筐体内に配置されたときに振動板20Eの後側の端部となる位置に、スリット21を挟んで上下に配置されるが、振動板20Eにおいては、上下方向の両端部側にはコイル100A、100Bが配置されない領域がある。即ち、コイル100A、100Bは、上下方向において、振動板の端部側ではなく中央側、即ちスリット21側に寄せて偏って配置される。スリット21は、コイル100A、100Bが位置する辺側から前側に向かって所定の長さで設けられている。
また、本実施形態においては、第1実施形態の変形例の振動板20Dに替えて振動板20Fが筐体内に配置される。振動板20Fの構成は、コイル100A、100Bが設けられていない点が振動板20Eと異なり、スリット21を有している点は、振動板20Eと同じである。振動板20E、20Fは、スリット21がある側同士が互いに接合され、振動板20Eのスリット21の位置と、振動板20Fのスリット21の位置は、上下方向で同じ位置となる。
コイル100A、100Bは、上下方向の長さが第1実施形態のコイル100より短くなっている。コイル100Aは、振動板20Eにおいて、スリット21より上に位置し、コイル100Bは、振動板20Eにおいて、スリット21より下に位置している。
次に本実施形態に係る磁気回路について説明する。本実施形態においては、スペーサ50Bに替えてスペーサ51Bを有する。スペーサ51Bは、左右方向の長さがスペーサ50Aと同じとなっているため、エアギャップ70は、上側から下側まで同じ幅となる。
コイル100A、100Bに音響信号を供給する際には、図22においてコイル100Aに流れる電流の方向が時計回りの場合にはコイル100Bにも時計回りの方向に電流を流し、コイル100Aに流れる電流の方向が反時計回りの場合にはコイル100Bにも反時計回りの方向に電流を流す。
本実施形態においては、コイル100Aと100Bが振動板20Eの上下方向の中央からずれた位置にあるため、振動体の振動と、振動に対応する電気信号である音響信号との変換が、振動体の谷部の延伸方向の中央よりずれた位置で行われることとなる。
本実施形態においては、エアギャップ70の幅は、上側から下側まで同じ幅となっているため、エアギャップ70内でコイル100A、100Bに作用する力は、大きさが同じとなる。しかしながら、振動板20E、20Fにおいては、上下方向の中央部分にスリット21があり、コイル100A、100Bがスリット21側に寄せて配置されているため、コイル100A、100Bにモーメントが掛かり、上下方向の端部と比較すると中央側が相対的に強く駆動され、中央部分の振幅が端部の振幅より大きくなる。つまり、振動体は、谷部の延伸方向において振幅の大きな部分と小さな部分とがあることになる。そして、振幅が小さくなる上端側や下端側では中央部分と比較すると、発生する音の音圧が小さくなるため、サイドローブが小さくなる。
なお、振動板20E、20Fは、本実施形態では、中央部分に一つのスリット21を有する構成となっているが、スリット21の数は一つに限定されるものではなく、振動板に3つ以上のコイルを配置する場合には、2つ以上のスリットを形成しても良い。即ち、スリットは、複数のコイルの上下方向の間の位置に形成されれば良い。図23は、第7実施形態の変形例に係る振動板20Gを示した図である。振動板20Gは、振動板20Eに替えて筐体内に配置される振動板であり、図23に示すように、上下方向に1列に並んだ3つのコイル100C、100D、100Eと、これら3つのコイル100C、100D、100Eのそれぞれの間に設けられる2つのスリット21とを有する。なお、図23においては、図面が煩雑になるのを防ぐため、各コイルが有するリード線の図示を省略している。
上下方向に並んだコイル100C、100D、100Eのうち中央のコイル100Dは、上側のコイル100C及び下側のコイル100Eより巻数が多くなっている。また、コイル100C、100Eは、巻数が同じになっている。つまり、振動体においては、単位面積あたりの導体の密度が上下方向の位置によって異なる構成となっており、磁気回路とコイルとで構成される変換部においては、振動体に作用する力とコイルに流れる音響信号との変換効率が振動体の谷部の延伸方向の一端側と他端側とで異なり、一端側の変換効率が他端側より小さくなっている。従って、コイル100C〜100Eに同じ音響信号が供給されると、コイル100Dの部分に作用する力がコイル100C、100Eの部分に作用する力より大きくなる。
また、本変形例においては、振動板20Fに替えて振動板20Hが筐体内に配置される。振動板20Hの構成は、コイル100C〜100Eが設けられていない点が振動板20Gと異なり、2つのスリット21を有している点は、振動板20Gと同じである。振動板20G、20Hは、スリット21がある側同士が互いに接合され、振動板20Gのスリット21の位置と、振動板20Hのスリット21の位置は、上下方向で同じ位置となる。
コイル100Dとコイル100C、100Eとの間には、それぞれスリット21があるため、コイル100Cがある部分と、コイル100Dがある部分と、コイル100Eがある部分は、それぞれ個別に動きやすくなる。そして、コイル100C〜100Eに対して、同じ方向に電流が流れるように音響信号を供給した場合、コイル100Dに作用する力がコイル100C、100Eに作用する力より大きくなるため、振動体は、谷部の延伸方向において振幅の大きな部分と小さな部分とがあることになり、コイル100Dの部分は、コイル100C、100Dの部分と比較すると発生する音の音圧が大きくなる。
よって、振動板20G、20Hにおいては、天板10Aに近い側と底板10Bに近いでは発生する音の音圧が小さく、中央部分では発生する音の音圧が大きくなる。つまり、上下方向の中央部分の音圧より、上下方向の端部の音圧が小さくなるため、サイドローブを小さくすることができる。
また、エアギャップ70の幅が上下方向で等間隔の構成においては、振動板の構成を以下のようにしてもよい。
図24は、第7実施形態の変形例に係る振動板20Jを示した図である。本変形例においては、振動板20E、20Fに替えて振動板20J、20Dを使用し、振動板20J、20Dは、後側となる部分が互いに接合される。図24に示したように振動板20Jは、上下方向の長さが振動板20Jより短いコイル100Fを有している。コイル100Fは、上下方向で見ると、振動板20Jの中央から外れた位置に配置され、中央より上側に配置されている。これにより、振動体の振動と、振動に対応する電気信号である音響信号との変換が、振動体の谷部の延伸方向の中央よりずれた位置で行われることとなる。
コイル100Fへ音響信号を供給すると、コイル100Fと共に振動板20Jが変位する。この構成においては、振動板20Jの中央より上側の一部が駆動されるため、振動体は、谷部の延伸方向において振幅の大きな部分と小さな部分とがあることになり、振動板20J、20Dは、コイル100Fがある上側の振幅が下側の振幅より大きくなる。
よって、振動板20Jにおいては、下側では発生する音の音圧が小さくなり、上側では発生する音の音圧が大きくなる。振動板20Jを使用した2つのスピーカを上下に並べて配置すれば、上下方向の中央部分の音圧より、上下方向の端部の音圧を小さくすることができ、2つのスピーカから発生する音においては、サイドローブを小さくすることができる。
また、図25は、第7実施形態の別の変形例に係る振動板20Kを示した図である。本変形例においては、振動板20E、20Fに替えて振動板20K、20Dを使用し、振動板20K、20Dは、後側となる部分が互いに接合される。
図25に示したように振動板20Kは、コイル100Gを有している。コイル100Gは、単位面積あたりの導体の密度が上下方向の位置によって異なるように構成されており、その密度は、上側から下側に向かうにつれて疎になっている。
コイル100Gへ音響信号を供給すると、コイル100Gと共に振動板20Kが変位する。ここで、図25に示したように、コイル100Gにおいては、上下方向で見ると、位置によって導線の単位面積あたりの密度が異なり、巻数は、その密度は下側より上側のほうが大きいため、磁気回路とコイルとで構成される変換部においては、振動体に作用する力とコイルに流れる音響信号との変換効率が振動体の谷部の延伸方向の一端側と他端側とで異なり、一端側の変換効率が他端側より小さくなっている。コイル100Gに作用する力は、上側の方が下側より大きくなり、振動体は、谷部の延伸方向において振幅の大きな部分と小さな部分とがあることになる。これにより、振動板20K、20Dにおいては、下側では発生する音の音圧が小さく、上側では発生する音の音圧が大きくなる。振動板20Kを使用した2つのスピーカを、上下に並べて配置すれば、2つのスピーカから発生する音においては、サイドローブを小さくすることができる。
また、図26は、第7実施形態の別の変形例に係る振動板20Lを示した図である。本変形例においては、振動板20L、20Dを使用し、振動板20L、20Dは、筐体内に配置したときに後側となる部分が互いに接合される。
図26に示したように振動板20Lは、コイル100Hを有している。コイル100Hは、前後方向のコイルの幅が上側から下側に向かうにつれて広くなるように構成される。
コイル100Hは、ヨーク40Cに対向するが、コイル100Hにおいて前後方向の幅がヨーク40Cの前後方向の幅より狭いA部分、即ち、振動体の谷部の延伸方向の一端側の部分は、エアギャップ70の内側に位置する。一方、コイル100Hにおいて前後方向の幅がヨーク40Cの前後方向の幅より広いB部分、即ち、振動体の谷部の延伸方向の他端側の部分は、ヨーク40Cの前側端面より前側と、後側端面より後側に位置に位置することとなり、エアギャップ70の外にコイル100Hが位置する。
そして、コイル100Hへ音響信号を供給すると、コイル100Hと共に振動板20Lが変位する。ここで、A部分はエアギャップ70内に位置し、B部分はエアギャップ70より外に位置するため、磁気回路とコイルとで構成される変換部においては、振動体に作用する力とコイルに流れる音響信号との変換効率が振動体の谷部の延伸方向の一端側と他端側とで異なり、一端側の変換効率が他端側より小さくなっている。コイル100Hにおいては、A部分に作用する力のほうがB部分に作用する力より大きくなり、振動体は、谷部の延伸方向において振幅の大きな部分と小さな部分とがある。
これにより、振動板20L、20Dから発生する音の音圧は、作用する力が大きい上側のほうが下側より大きくなる。よって、振動板20Lを使用した2つのスピーカを上下に並べて配置すれば、2つのスピーカから発生する音においては、サイドローブを小さくすることができる。
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態に係るスピーカ1Hについて、図27−図29を用いて説明する。この実施形態のスピーカ(電気音響機器)は、振動体1001と、この振動体1001を往復駆動するアクチュエータ(変換部)1002と、これら振動体1001及びアクチュエータ1002を支持するための支持枠1003と、振動体1001を支持枠1003に往復移動自在に支持するエッジ部1004とを備えている。なお、以下の説明においては、説明の便宜上、図27において、エッジ部1004が設けられている側を上、アクチュエータ1002が設けられている側を下とするように上下方向を設定し、後述するように矩形状に形成されている支持枠1003の長辺方向を縦方向、短辺方向を横方向とする。また、上方を向く面を表面、下方を向く面を裏面とし、さらに、図示したように、縦方向をx方向、横方向をy方向、上下方向をz方向と称する場合もあるものとする。
振動体1001は、一対の縦割り筒状面1005が並列に形成されるとともに、隣接する縦割り筒状面1005の一方の側部どうしの間で谷部1006を形成した表面形状とされている。図示例の振動体1001は、縦割り筒状面1005に沿って湾曲形成された一対の湾曲板1011と、これら湾曲板1011を連結する連結板1012とにより構成されており、両湾曲板1011の谷部1006を形成している側部どうしが接合された状態とされている。連結板1012は、一対の湾曲板1011の両端に、その谷部1006全体を塞ぐように設けられている。
一対の湾曲板1011は、その凸となる方向を同じ表面側に向けて並列に配置されるとともに、隣接する側部どうしが、yz平面の断面で見たときの接線方向を共通にした状態で接合されている。両湾曲板1011の接合部1013は、両湾曲板1011の一側部を接着するなどにより、縦方向に例えば帯板状に形成される。そして、この接合部1013に沿って、両湾曲板1011の間に、縦割り筒状面1005の縦方向に沿う直線状に谷部1006が形成されている。
アクチュエータ1002は、例えばボイスコイルモータが用いられ、ボイスコイル1020と、支持枠1003に固定された磁石機構1021とにより構成される。
ボイスコイル1020は、円筒状のボビン1020aの回りにコイル1020bが巻回されたものであり、ボイスコイル1020の上端と接合部1013の下縁とが接着剤等を介して固着されている。図27及び図28に示す例では、湾曲板1011の接合部1013の縦方向の中央から外れた位置にアクチュエータ1002が設けられているため、ボイスコイル1020は、振動体1001の縦方向の中央よりずれた位置において、振動体1001に接続される。これにより、振動体の谷部の延伸方向の中央よりずれた位置で、振動体の振動と、電気信号である音響信号との変換が行われることとなる。ボイスコイル1020の外周部は、ダンパー1022を介して支持枠1003に支持されており、ボイスコイル1020は、ボイスコイル1020の軸方向に沿って往復移動自在である。ダンパー1022は一般的なダイナミックスピーカに用いられる材料のものを適用することができる。
磁石機構1021は、環状の磁石1023と、この磁石1023の一方の極に固定されたリング状のアウターヨーク1024と、他方の極に固定されたインナーヨーク1025とを備えており、インナーヨーク1025の中心のポール部1025aの先端部がアウターヨーク1024内に配置されることにより、これらアウターヨーク1024とインナーヨーク1025との間に、環状に磁気ギャップ1026が形成され、この磁気ギャップ1026内にボイスコイル1020の端部が挿入状態に配置されている。
支持枠1003は、矩形の枠状のフランジ部1030と、フランジ部1030の下方に延びる複数のアーム部1031とを備え、アーム部1031の下端に環状フレーム部1032を備えている。そして、フランジ部1030内の空間に、谷部1006がフランジ部1030の長辺方向と平行となるように振動体1001が配置され、振動体1001の周縁部及び連結板1012の上端部がエッジ部1004を介してフランジ部1030の上面に支持されている。したがって、エッジ部1004は、振動体1001の外周部に対応して矩形の枠状に形成される。本発明において、振動体1001を谷部1006の深さ方向(z方向)に振動可能に支持する支持部1035は、この実施形態では、支持枠1003とエッジ部1004によって構成されている。
アクチュエータ1002のボイスコイル1020に音響信号を供給すると、ボイスコイル1020の軸方向)にボイスコイル1020が振動する。そして、このボイスコイル1020に接続されている振動体1001が、谷部1006の深さ方向に沿って振動し、その縦割り筒状面1005から振動による再生音が放射される。
ボイスコイル1020が振動体1001に接続されている部分は、振動体1001の谷部の延伸方向の中央からずれた位置となっているため、振動体1001においては、ボイスコイル1020が接続されている部分から離れた部分の振幅がボイスコイル1020が接続されている部分の振幅より小さくなり、振動体は、谷部の延伸方向において振幅の大きな部分と小さな部分とがあることになる。そして、振幅が小さくなる部分では、振幅が大きくなる部分と比較すると、発生する音の音圧が小さくなる。
図27に示したスピーカ1Hを、縦方向に2つ並べ、2つ並べた中央側にスピーカ1Hの変換部が位置するように配置すると、2つ並べた中央側では発生する音の音圧が大きく、両端側では発生する音の音圧が小さくなるため、2つのスピーカ1Hから発生する音においては、サイドローブを小さくすることができる。
ところで、上述したスピーカ1Hでは、アクチュエータ1002が一つであるが、アクチュエータの数は、2つ以上の複数であってもよい。
例えば、アクチュエータ1002が2つの場合には、2つのアクチュエータ1002のボイスコイル1020は、振動体1001の縦方向の一端側と他端側に接続される。そして、増幅回路により、一方のアクチュエータ1002に供給する音響信号を、他方のアクチュエータ1002に供給する音響信号より大きくする。この構成により、振動体1001においては、一方のアクチュエータ1002のボイスコイル1020に接続されている部分は、他方のアクチュエータ1002のボイスコイル1020に接続されている部分より振幅が大きくなる。そして、振幅が大きくなる部分では、発生する音の音圧は、他方のアクチュエータ1002のボイスコイル1020に接続されている部分より大きくなる。そして、振動体1001で発生する音の音圧が縦方向で異なると、発生する音の音圧が縦方向で一様である場合とは指向特性が異なるものとなる。
なお、一方のアクチュエータ1002の振幅を他方のアクチュエータ1002の振幅より大きくする構成は、増幅回路を使用する上述の構成に限定されるものではない。
例えば、一方のアクチュエータ1002のコイル1020bの巻回量を、他方のアクチュエータ1002のコイル1020bの巻回量より多くする。この場合、変換部である2つのアクチュエータにおいては、振動体に作用する力とアクチュエータ1002に流れる音響信号との変換効率が振動体の谷部の延伸方向の一端側と他端側とで異なり、一端側の変換効率が他端側より小さくなっている。この構成により、同じ大きさの音響信号を一方のアクチュエータ1002と他方のアクチュエータ1002に供給しても、振動体1001においては、一方のアクチュエータ1002のボイスコイル1020に接続されている部分は、他方のアクチュエータ1002のボイスコイル1020に接続されている部分より振幅が大きくなり、増幅回路を使用する構成と同様に、振動体1001で発生する音の音圧が縦方向で異なり、発生する音の音圧が縦方向で一様である場合とは指向特性が異なるものとなる。
また、アクチュエータ1002を3つ以上設ける構成にあっては、複数のアクチュエータ1002は、振動体1001の縦方向に並べられ、各アクチュエータ1002のボイスコイル1020は、振動体1001に接続される。そして、アクチュエータ1002に供給する音響信号を増幅回路で大きくし、振動体1001の一端側から他端側に向かうにつれて、アクチュエータ1002に供給する音響信号を大きくしてもよい。
また、アクチュエータ1002を3つ以上設ける構成にあっては、同じ大きさの音響信号を各アクチュエータ1002に供給し、振動体1001の一端側から他端側に向かうにつれてコイル1020bの巻回量を多くし、アクチュエータ毎にボイスコイル1020における単位面積あたりの導体の密度が異なるようにしてもよい。この構成においても、変換部である3つ以上のアクチュエータにおいては、振動体に作用する力とアクチュエータ1002に流れる音響信号との変換効率が振動体の谷部の延伸方向の一端側と他端側とで異なり、一端側の変換効率が他端側より小さくなっている。
[変形例]
なお、上述した各実施形態及び各変形例は、一つ又は複数を適宜組み合わせて実施してもよい。
上述した実施形態は、いずれも音を放音するスピーカであるが、上述した実施形態や変形例の構成は、電気音響変換器であるマイクロホンに適用することも可能である。本発明をスピーカに適用する場合は、コイルやボイスコイルモータ等の変換部が、音声信号に基づく電気信号を振動体の振動に変換するが、本発明をマイクロホンに適用する場合も、変換部としてコイルやボイスコイルモータ等を用いることができる。その場合の変換部は、音波を受けて振動する振動体の振動を電気信号に変換する。そして、本発明を適用したマイクロホンは、縦割り筒状面が振動面であり、その振動体の全体が振動することにより、音を収音する。
1、1A〜1H…スピーカ、20…振動体、20A〜20H、20L…振動板、21…スリット、30、30A、31、31A、32、32A…磁石、40A〜40E…ヨーク、41A、41B、41C、41D、41E、42A、42B、42D、42E…ヨーク、50A、50B…スペーサ、60、60A…支持部材、70…エアギャップ、80〜82…振動抑制部材、100、100A〜100H…コイル、1001…振動体、1002…アクチュエータ(変換部)、1003…支持枠、1004…エッジ部、1005…縦割り筒状面、1006…谷部、1011…湾曲板、1012…連結板、1013…接合部、1015…補強板、1016…接合部、1020…ボイスコイル、1020a…ボビン、1020b…コイル、1021…磁石機構、1022…ダンパー、1023…磁石、1024…アウターヨーク、1025…インナーヨーク、1025a…ポール部、1026…磁気ギャップ、1030…フランジ部、1031…アーム部、1032…環状フレーム部、1035…支持部。

Claims (7)

  1. 一対の縦割り筒状面が並列に形成されるとともに、隣接する前記縦割り筒状面どうしの間で谷部を形成した振動体と、
    前記谷部の深さ方向に沿う振動と該振動に対応する電気信号との変換を行う変換部と、
    前記振動体を前記谷部の深さ方向に振動可能に支持する支持部と
    を有し、
    前記振動体の前記谷部の延伸方向の少なくとも一端側の振動を小さくする
    電気音響変換器。
  2. 前記変換部は、前記谷部の延伸方向に沿ったエアギャップを有する磁気回路と、前記振動体に設けられ、前記エアギャップ内に位置して前記電気信号が流れるコイルと、を有し、
    前記エアギャップの一端側と他端側とで磁束密度が異なる
    請求項1に記載の電気音響変換器。
  3. 前記変換部は、前記振動体の前記谷部の延伸方向の中央よりずれた位置に配置される
    請求項1に記載の電気音響変換器。
  4. 前記振動体の前記谷部の延伸方向の一端の振動を他端の振動より抑制する振動抑制部材
    を有する請求項1に記載の電気音響変換器。
  5. 前記変換部は、エアギャップを有する磁気回路と、前記振動体に設けられ、前記エアギャップ内に位置して前記電気信号が流れるコイルと、を有し、
    前記コイルは、前記谷部の延伸方向の端部側と中央側とで単位面積あたりの導体の密度が異なる
    請求項1に記載の電気音響変換器。
  6. 前記変換部は、エアギャップを有する磁気回路と、前記振動体に設けられ、前記エアギャップ内に位置して前記電気信号が流れるコイルと、を有し、
    前記コイルは、前記谷部の延伸方向の一端側が前記エアギャップ内に位置し、他端側が前記エアギャップ外に位置する
    請求項1に記載の電気音響変換器。
  7. 前記変換部は、前記谷部の延伸方向に沿って配置される複数のボイスコイルモータであり、
    前記谷部の延伸方向の一端側から他端側に向かうにつれて前記複数のボイスコイルモータを流れる電気信号の振幅が異なる
    請求項1に記載の電気音響変換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109469762A (zh) * 2018-12-10 2019-03-15 辰星仪表(成都)有限公司 一种电气转换器

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