JP2016039060A - 燃料電池を用いた電源システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池を用いた電源システムにおいて、燃料切れによって燃料電池システムが停止した場合でも燃料補給後にスムーズに電力供給を再開すること。【解決するための手段】少なくとも、燃料カートリッジ、蓄電池、蓄電池の電圧監視機構、及び、起動時の電力に前記蓄電池に蓄えられた電力を用いる燃料電池システムとを有し、燃料電池の出力が蓄電池に接続されるとともに、電圧監視機構を介して蓄電池と外部負荷が接続されている独立電源システムであって、燃料電池システムと電圧監視機構はそれぞれ独立して動作しており、電圧監視機構は蓄電池の電圧を監視し、予め設定された値を下回った場合に、蓄電池と外部負荷との接続を切り離す機能を有していることを特徴とする電源システム【選択図】なし
Description
本発明は、燃料カートリッジを用いる燃料電池と蓄電池とからなる電源システムに関する。
燃料電池は燃料と酸化剤の電気化学的反応から電気エネルギーを取り出す発電機の一種であり、エネルギー効率の高さなどから、様々な用途に用いられている。燃料電池を負荷に対して直接接続して使用することは可能であるが、負荷変動への対応や、燃料電池の起動・停止の補機電源として、蓄電池を接続することがより望ましい。これまでに、燃料電池と蓄電池とを組み合わせ、蓄電池に冷却機構を設けることで長寿命化を図ること(例えば、特許文献1を参照)や、急激な負荷変動に対して電源側の劣化を防ぐために負荷への入力電圧を制御するシステムを設けること(例えば、特許文献2を参照)などが提案されている。上記のような燃料電池と蓄電池を組み合わせた電源システムは、燃料電池が停止していても負荷への電力供給が可能であるという利点がある。また、蓄電池の過充電や過放電を抑制するための機構を備えた燃料電池システムが提案されているが、多くの検出器や切替機構を要し複雑なシステム構成となってしまう(例えば特許文献3を参照)。
燃料電池が停止する原因の一つに、燃料カートリッジ内の燃料切れによるものが挙げられるが、通常であれば停止した際にすぐに燃料カートリッジを交換すると燃料電池の起動を再開でき、外部負荷への電力供給には支障をきたさない。しかしながら、遠隔地での独立電源として用いる場合など、燃料切れの検知や、燃料カートリッジの交換を速やかに行えない場合には、外部負荷によって蓄電池の電力が消費されてしまう。そのような状態になると、燃料電池が必要とする起動電力が確保できないため、燃料カートリッジを交換するだけでは電源供給を再開できず、充電したバッテリーなど他の給電手段を必要とし、多くの労力とコストを要するという問題があった。また、特許文献3に記載されたような起動時に電力を必要としない小型の燃料電池であれば、復帰のための労力とコストは低減できるものの、外部負荷として使用できる電力が小さいという問題があった。
本発明者らは鋭意検討の結果、蓄電池の電圧を監視する機構を設け、予め設定した値以下になった際に、負荷への電力供給を停止させることによって、燃料電池の再起動に必要な電力を確保し、燃料補給後のスムーズな再起動が実現でき、機能的な独立電源となることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、
(1)少なくとも、燃料カートリッジ、蓄電池、該蓄電池の電圧監視機構、及び、起動時の電力に該蓄電池に蓄えられた電力を用いる燃料電池システムとを有し、該燃料電池システムの出力が該蓄電池に接続されるとともに、該電圧監視機構を介して該蓄電池と外部負荷が接続されている独立電源システムであって、該燃料電池システムと該電圧監視機構はそれぞれ独立して動作し、該電圧監視機構は該蓄電池の電圧を監視し、予め設定された値を下回った場合に、該蓄電池と該外部負荷との接続を切り離す機能を有していることを特徴とする電源システム、
(2)前記電圧監視機構における前記蓄電池の電圧監視の設定値が、前記燃料電池システムの起動に必要な電圧よりも大きいことを特徴とする(1)に記載の電源システム、
である。
(1)少なくとも、燃料カートリッジ、蓄電池、該蓄電池の電圧監視機構、及び、起動時の電力に該蓄電池に蓄えられた電力を用いる燃料電池システムとを有し、該燃料電池システムの出力が該蓄電池に接続されるとともに、該電圧監視機構を介して該蓄電池と外部負荷が接続されている独立電源システムであって、該燃料電池システムと該電圧監視機構はそれぞれ独立して動作し、該電圧監視機構は該蓄電池の電圧を監視し、予め設定された値を下回った場合に、該蓄電池と該外部負荷との接続を切り離す機能を有していることを特徴とする電源システム、
(2)前記電圧監視機構における前記蓄電池の電圧監視の設定値が、前記燃料電池システムの起動に必要な電圧よりも大きいことを特徴とする(1)に記載の電源システム、
である。
本発明により、燃料切れが生じたとしても、燃料を補給するだけでスムーズに電力供給を再開できる独立電源システムを提供することができる。
本発明の電源システムは、 少なくとも、燃料カートリッジ、蓄電池、蓄電池の電圧監視機構、及び、起動時の電力に前記蓄電池に蓄えられた電力を用いる燃料電池システムとを必須の構成要素とする。燃料カートリッジは燃料を収容でき燃料電池に供給できる機構を持つものであればよい。利便性、安全性の面からは、カートリッジ側に封止機構を有し、燃料電池と接続した際にだけ、燃料が供給できる機構になっていることが好ましい。蓄電池は、鉛蓄電池、ニッカド蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池など任意の蓄電池を用いることができる。中でも、耐久性と安全性の面からは鉛蓄電池が好ましい。燃料電池は公知の任意のものが使用できるが、利便性の面から固体高分子形燃料電池であることが好ましい。燃料としては、水素などのガスや、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ギ酸などの液体を用いることができる。水素は、水電解などで得られるものを用いることもできるし、メタンやブタン、天然ガスの水蒸気改質で得られる水素や、メタノールやエタノールなどの改質で得られる水素を用いることができる。液体としては、効率と利便性の面からメタノールが好ましい。必要に応じて、燃料とする液体は水などで希釈してもよい。燃料電池システムは、少なくとも、燃料電池の発電セル又はスタックからなる発電機構、制御機構、燃料や酸化剤の供給機構を備えており、起動時に蓄電池に蓄えられた電力を用いて制御機構や供給機構を作動させ発電を行う。様々な環境下で安定に発電を行うためには、制御機構や供給機構の動作電源を確保するために、燃料電池の出力が10〜2000Wの範囲であることが好ましく、冷却機構の簡素化など簡潔なシステム構成とするためには10〜500Wの範囲であることがさらに好ましい。
蓄電池の電圧監視機構は、少なくとも蓄電池電圧の測定機構と、蓄電池と外部負荷との接続を切り離す機構とを有し、蓄電池電圧が予め設定された値を下回った場合に、蓄電池と外部負荷との接続を切り離す機構が動作するものである。これによって、蓄電池から外部負荷への電力供給が停止し、蓄電池の電力消費を抑制することができる。なお、燃料電池システムと蓄電池の間には、蓄電池からの逆流を防ぐ機構があることが好ましく、ダイオードなどの整流機構を設けてもよい。電圧監視における設定値は、バッテリーの劣化を抑制する観点から設定することもできるが、燃料電池システムの起動に必要な電源よりも大きくなるように設定することが好ましい。そのようにすることで、燃料切れによって燃料電池が停止してしまった場合でも、蓄電池の余分な電力消費を抑制し、燃料カートリッジの交換による燃料補給を行うことで直ちに燃料電池システムを再起動し、電力供給を再開することが可能にできる。電圧監視機構は上記の機能を有する機器を組み合わせて用いることもできるが、バッテリープロテクターやチャージコントローラーなど上記の機能を有する既存の機器を用いてもよい。
本発明の電源システムが電力を供給する負荷の使用電力は、0.1W〜2000Wの範囲であることが好ましく、0.1〜100Wであることがさらに好ましく、0.1〜50Wであることがなお好ましい。負荷の使用電力が燃料電池の発電電力を上回っていても、蓄電池に蓄えられた電力によって一時的な電力供給は可能である。しかしながら、負荷の使用電力が大きいと、燃料消費が増加して燃料カートリッジの交換頻度が高くなったり、燃料電池の経時劣化によって使用期間が短くなったりするため好ましくない。
本発明の実施形態の例として、電源システムの構成フローを図1に示す。
燃料電池システムは、接続された燃料カートリッジから燃料を供給される。燃料電池システムは起動時の電力として、蓄電池に蓄えられた電力を用いる。燃料電池システムの出力は蓄電池に接続し、電圧監視機構を介して蓄電池と外部負荷が接続されている。燃料電池システムと電圧監視機構はそれぞれ独立して動作し、電圧監視機構は蓄電池の電圧を監視し、予め設定された値を下回った場合に、蓄電池と外部負荷との接続を切り離す機能を有している。
図1の構成を有する電源システムを実際に構築し、運転した。燃料電池システム起動時の電圧は12Vであった。1000時間の運転により燃料カートリッジ内の燃料が消費されてなくなり、燃料電池は運転を停止した。電圧監視機構により、蓄電池が予め設定された電圧値11Vを下回ると、蓄電池と外部負荷との接続は切り離された。
燃料カートリッジを、燃料が充填された燃料カートリッジと交換した後に電源システムを再起動したところ、スムーズに再起動ができた。
燃料電池システムは、接続された燃料カートリッジから燃料を供給される。燃料電池システムは起動時の電力として、蓄電池に蓄えられた電力を用いる。燃料電池システムの出力は蓄電池に接続し、電圧監視機構を介して蓄電池と外部負荷が接続されている。燃料電池システムと電圧監視機構はそれぞれ独立して動作し、電圧監視機構は蓄電池の電圧を監視し、予め設定された値を下回った場合に、蓄電池と外部負荷との接続を切り離す機能を有している。
図1の構成を有する電源システムを実際に構築し、運転した。燃料電池システム起動時の電圧は12Vであった。1000時間の運転により燃料カートリッジ内の燃料が消費されてなくなり、燃料電池は運転を停止した。電圧監視機構により、蓄電池が予め設定された電圧値11Vを下回ると、蓄電池と外部負荷との接続は切り離された。
燃料カートリッジを、燃料が充填された燃料カートリッジと交換した後に電源システムを再起動したところ、スムーズに再起動ができた。
比較例として、電圧監視機構を、蓄電池の電圧を監視する機能のみを有するものに交換して実施例と同様に試験を行った。1000時間の運転により燃料カートリッジ内の燃料が消費されてなくなり、燃料電池は運転を停止した。その後、負荷が蓄電池に接続されていたため、蓄電池からの電力供給が継続し、蓄電池が完全に放電した。燃料カートリッジを、燃料が充填された燃料カートリッジと交換したが、電源システムは再起動できなかった。そのため、12Vの電圧を示す新たな蓄電池に交換したところ、電源システムが再起動した。
本発明の電源システムは、長期間安定に電力を供給する独立電源として用いることができ、燃料切れなどで燃料電池が動作できなくなった場合も、燃料カートリッジを交換するだけで速やかに再起動することができるという利便性を備えており、特に野外での観測や計測機器の電源として有用である。
Claims (2)
- 少なくとも、燃料カートリッジ、蓄電池、該蓄電池の電圧監視機構、及び、起動時の電力に該蓄電池に蓄えられた電力を用いる燃料電池システムとを有し、該燃料電池システムの出力が該蓄電池に接続されるとともに、該電圧監視機構を介して該蓄電池と外部負荷が接続されている独立電源システムであって、該燃料電池システムと該電圧監視機構はそれぞれ独立して動作し、該電圧監視機構は該蓄電池の電圧を監視し、予め設定された値を下回った場合に、該蓄電池と該外部負荷との接続を切り離す機能を有していることを特徴とする電源システム。
- 前記電圧監視機構における前記蓄電池の電圧監視の設定値が、前記燃料電池システムの起動に必要な電圧よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014162341A JP2016039060A (ja) | 2014-08-08 | 2014-08-08 | 燃料電池を用いた電源システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014162341A JP2016039060A (ja) | 2014-08-08 | 2014-08-08 | 燃料電池を用いた電源システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016039060A true JP2016039060A (ja) | 2016-03-22 |
Family
ID=55529974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014162341A Pending JP2016039060A (ja) | 2014-08-08 | 2014-08-08 | 燃料電池を用いた電源システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016039060A (ja) |
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2014
- 2014-08-08 JP JP2014162341A patent/JP2016039060A/ja active Pending
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