JP2016038076A - 接続構造及びシール部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】接続対象体に形成された孔部においてパイプ状部材をシール部材を介して接続する際に、パイプ状部材とシール部材との嵌合接続性が円滑になされ、且つ、シール部材と共にパイプ状部材を接続対象体から容易に抜脱することができる接続構造とこれに用いるシール部材とを提供する。【解決手段】接続対象体1に対して、接続対象体1に形成された貫通孔12においてパイプ状部材2を弾性体からなる筒状のシール部材3を介して嵌合接続する接続構造であって、シール部材3は、複数の突状外周シール部31と、複数のリップ状内周シール部32とを有し、内周シール部32と外周シール部31とは、筒状本体部30の軸L方向に沿って位相差をもって形成され、パイプ状部材2と貫通孔12とのシール部材3を介した嵌合接続状態では、内周シール部32は、軸L向に沿って弾性的に傾倒した状態とされる。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、接続対象体としてのケースの壁体に形成された貫通孔において、パイプ状部材としての配管を当該ケースに気密的或は液密的に接続する接続構造及びこれに用いられるシール部材に関する。
自動車用インバータには、インバータケース内に冷却用の空気や水を流入させるための配管が、当該ケースの壁体に形成された貫通孔にゴム等の弾性体からなる筒状のシール部材を介して接続される。このような配管の接続構造においては、シール部材が配管の外周面と前記貫通孔の孔壁との間に双方に弾性変形を伴い密着的に介在され、配管の外周面と貫通孔の孔壁との間が1個のシール部材によってシールされる。即ち、このシール部材によるシールは、径方向に重なる2箇所でなされることで特徴付けられ、シール部材の内外両面には、配管の外周面及び孔壁のそれぞれに弾接する2種のシール部が形成されている。特許文献1には、インバータケースに配管を接続するものではないが、土中に埋設する管同士を径方向に重なる2箇所でシールをするジョイントガスケットによって接続する構造が開示されている。また、特許文献2には、これもインバータケースに配管を接続するものではないが、管が挿通される仕切りの貫通孔と管との間を径方向に重なる2箇所でシールをするブッシュによって、仕切りに管を接続する構造が開示されている。
実開昭48−94011号公報 特開2000−329491号公報
前記のようなインバータケースと配管との接続は、シール部材を配管に外嵌させた上で、シール部材をインバータケースの貫通孔に内嵌させることによってなされる。シール部材と配管との嵌合部は、両者に公差があってもシール性を確保するため、また、配管に対するシール部材の嵌合時の嵌合荷重を低減するため、シール部材の内周部に形成される内周シール部は、弾性変形可能なリップ形状に形成される。この内周シール部は、シール部材を配管に嵌合する際、嵌合方向とは反対の方向に倒れ、この状態でシール部材を前記貫通孔に内嵌させると、この倒れた状態に維持される。そして、メンテナンス等のためにインバータケースから配管を抜脱しようとすると、リップ形状の内周シール部が前記嵌合方向とは反対の方向に倒れた状態とされているから、これが抜脱方向には抵抗となって、シール部材と共に配管を抜脱することができる。一方、シール部材の外周部には前記貫通孔の孔壁に密着的に介在する外周シール部が形成され、貫通孔に内嵌された状態では外周シール部が弾性圧縮された状態とされる。そのため、配管を抜脱する際、外周シール部の圧縮反力が径方向に突っ張るように作用し、これが前記内周シール部が抜脱時に反転(倒れた状態から逆の方向への反転)しようとする力に相乗して、実質的に配管と貫通孔との間に介在するシール部材の締め代が増大する。これによって、前記抜脱が難しくなり、場合によっては、シール部材を破壊しないと抜脱ができなくなる事態も生じる。
ところで、前記各特許文献1,2に開示されたシール部材(ジョイントガスケット、ブッシュ)も、いずれも筒状で、内外両面にシール部を有している。特許文献1に開示されたジョイントガスケットは、筒状のガスケット主体の内外両面にリップを有しているが、これらリップの形成態様は、埋設管を他方の埋設管から離脱しようとする際に、ジョイントガスケットと共に容易に離脱し得ることを示唆するものではない。また、特許文献2に開示されたブッシュは、筒状の本体の内外両面にシール部を有しているが、本体の両端には貫通孔の前端側縁部及び後端側縁部にそれぞれ係止する逆戻り防止部及び突き抜け防止部を備えている。そのため、管を仕切りから抜脱しようとすると、これら防止部の存在によってブッシュは仕切り側に残り、ブッシュと共に管を仕切りから抜脱することは不可と考えられる。
本発明は、上記実情に鑑みなされたもので、接続対象体に形成された孔部においてパイプ状部材をシール部材を介して接続する際に、パイプ状部材とシール部材との嵌合接続性が円滑になされ、且つ、シール部材と共にパイプ状部材を接続対象体から容易に抜脱することができる接続構造とこれに用いるシール部材とを提供することを目的としている。
本発明に係る接続構造は、接続対象体に対して、該接続対象体に形成された孔部においてパイプ状部材を弾性体からなる筒状のシール部材を介して嵌合接続する接続構造であって、前記シール部材は、筒状本体部と、該筒状本体部における前記孔部に内嵌される外周部に前記孔部の孔壁との間に密着的に介在するよう形成された複数の突状外周シール部と、前記筒状本体部における前記パイプ状部材に外嵌される内周部に当該パイプ状部材の外周面との間に密着的に介在するよう形成された複数のリップ状内周シール部とを有し、前記内周シール部と外周シール部とは、前記筒状本体部の軸方向に沿って位相差をもって形成され、前記パイプ状部材と前記孔部との前記シール部材を介した嵌合接続状態では、前記内周シール部は、前記軸方向に沿って弾性的に傾倒した状態とされることを特徴とする。
本発明によれば、パイプ状部材と前記孔部との前記シール部材を介した嵌合接続状態では、シール部材の外周部に形成された突状外周シール部が、接続対象体の孔部の孔壁に密着するから、シール部材と孔部との間がシールされる。また、この嵌合接続状態では、シール部材の内周部に形成されたリップ状内周シール部が、パイプ状部材の外周面に密着するから、シール部材とパイプ状部材との間がシールされる。これによって、パイプ状部材は、接続対象体に対して、気密的或は液密的な嵌合接続状態に維持される。さらに、この嵌合接続状態では、前記内周シール部は、前記軸方向に沿って弾性的に傾倒した状態とされるから、パイプ状部材とシール部材との嵌合接続が容易になされる。そして、外周シール部と内周シール部とは、前記筒状本体部の軸方向に沿って位相差をもって形成されているから、嵌合接続過程では、内周シール部による弾性反力と、外周シール部の弾性反力との径方向における重なりが少なく、重なりによる締め代の増大化が抑えられ嵌合接続が容易になされる。この嵌合接続状態においては、リップ状内周シール部の傾倒により、内周シール部による弾性反力と、外周シール部の弾性反力との径方向における重なりが増える。これによって、孔部の孔壁とパイプ状部材の外周面との間でのシール部材が適正な締め代をもって加圧状態とされ、嵌合接続状態が安定化され、パイプ状部材と接続対象体との密封性が維持される。そして、パイプ状部材の接続対象体からの軸方向に沿った抜脱の際には、内周シール部と外周シール部とが軸方向に位相差をもって形成されていることにより、内周シール部が前記傾倒状態から反対側に傾倒し易く、前記シール部材が当該パイプ状部材と一体とされた状態で前記孔部から離脱し易くなる。これによって、シール部材の交換等のメンテナンスが容易になされる。
本発明の接続構造において、前記位相差は、内周シール部と外周シール部とが径方向に重ならないような位相差とされているものとしても良い。
これによれば、前記嵌合接続状態における、内周シール部による弾性反力と、外周シール部の弾性反力との径方向の相乗がほぼなしとなるから、前記シール部材のパイプ状部材に対する嵌合がよりし易くなり、また、パイプ状部材の接続対象体からの軸方向に沿った抜脱において、前記シール部材が当該パイプ状部材と一体とされた状態での前記孔部からの離脱がより確実にされる。
本発明の接続構造において、前記内周シール部と、当該内周シール部に対して前記シール部材の前記パイプ状部材に対する嵌合方向に隣接する外周シール部との位相差が、当該内周シール部に対して当該嵌合方向とは逆方向に隣接する外周シール部との位相差より大とされているものとしても良い。
これによれば、シール部材をパイプ状部材に嵌合させる際は、リップ状内周シール部が嵌合方向とは反対側に傾倒し、この嵌合が円滑になされる。そして、接続対象体に対するパイプ状部材のシール部材を介した嵌合接続状態から、パイプ状部材を抜脱する際は、
前記位相差の大小関係により、リップ状内周シール部と外周シール部との重なりが少なくなり、リップ状内周シール部が抜脱方向に沿って反転し易く、パイプ状部材のシール部材を伴った抜脱がより可能となる。
本発明の接続構造において、前記内周シール部は、断面が山形のリップ形状をなし、当該山形形状の頂部の高さ寸法が基部の前記軸方向に沿った幅寸法より大であるものとしても良い。
これによれば、前記パイプ状部材とシール部材との嵌合の際、内周シール部の軸方向に沿った弾性的傾倒がより確実になされる。
本発明の接続構造において、前記シール部材の前記パイプ状部材に対する嵌合方向の前記筒状本体部の端部には、金属製リングが外嵌されているものとしても良い。
これによれば、パイプ状部材とシール部材との嵌合一体化がより安定的になされる。
本発明の接続構造において、前記シール部材の前記パイプ状部材に対する嵌合方向とは逆方向の前記筒状本体部の端部には、別のパイプ状部材を接続するための接続部が連接されているものとしても良い。
これによれば、接続対象体に対して、2本のパイプ状部材を、シール部材を介して直列的に接続することができる。
本発明の接続構造において、前記シール部材の前記パイプ状部材に対する嵌合方向とは逆方向の前記筒状本体部の端部には、内径側に延びるフランジ部が一体に形成されているものとしても良い。
これによれば、フランジ部によって、パイプ状部材とシール部材との嵌合位置の相対的な位置決めが適正になされる。
本発明に係るシール部材は、前記いずれかの接続構造に用いられるシール部材であって、前記筒状本体部と、外周シール部と、内周シール部材とが一体とされたゴムによる成型体からなることを特徴とする。
これによれば、前記接続対象体に対するパイプ状部材の接続が的確になされ、また、接続対象体からの当該シール部材を伴ったパイプ状部材の抜脱も容易になされる。
本発明の接続構造およびシール部材によれば、接続対象体に形成された孔部においてパイプ状部材をシール部材を介して接続する際に、パイプ状部材とシール部材との嵌合接続性が円滑になされ、且つ、シール部材と共にパイプ状部材を接続対象体から容易に抜脱することができる。
本発明に係る接続構造とこれに用いられるシール部材の第一の実施形態を示す要部の概略的断面図である。 (a)(b)(c)は、同実施形態におけるパイプ状部材の接続対象体に対する接続過程及び抜脱過程を示す図であり、(a)はシール部材をパイプ状部材に嵌合する状態を、(b)はシール部材とパイプ状部材とを接続対象体に嵌合接続した状態を、(c)は接続対象体からパイプ状部材をシール部材と共に抜脱した状態を、それぞれ模式的に示す断面図である。 本発明に係る接続構造とこれに用いられるシール部材の第二の実施形態を示す図1と同様図である。 本発明に係る接続構造とこれに用いられるシール部材の第三の実施形態を示す図1と同様図である。 本発明に係る接続構造とこれに用いられるシール部材の第四の実施形態を示す図1と同様図である。 本発明に係る接続構造とこれに用いられるシール部材の第五の実施形態を示す図1と同様図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、自動車用インバータケース(接続対象体)1に、配管(パイプ状部材)2を、当該インバータケース1を構成する壁体11に内外に連通するよう形成された貫通孔(孔部)12において、弾性体からなる筒状のシール部材3を介して嵌合接続する接続構造を示している。本実施形態の配管2は、インバータケース1に対して外部より嵌合接続されるもので、貫通孔12に挿入される配管本体20と、接続状態でインバータケース1における壁体11の外側に近接するよう位置付けられる鍔部21とを備える。シール部材3は、筒状本体部30と、筒状本体部30の外周部30aに形成された複数(図例では3個)の突状外周シール部31と、筒状本体部30の内周部30bに形成された複数(図例では3個)のリップ状内周シール部32とを有する。筒状本体部30はインバータケース1の貫通孔12に内嵌され、外周シール部31は、この内嵌状態で筒状本体部30の外周部30aと貫通孔12の孔壁12aとの間に密着的に介在するよう形成される。また、筒状本体部30は配管2(配管本体20)に外嵌され、内周シール部32は、この外嵌状態で筒状本体部30の内周部30bと配管本体20の外周面20aとの間に密着的に介在するよう形成される。シール部材3は、筒状本体部30と、外周シール部31と、内周シール部32とが、ゴムによる一体の成型体からなる。内周シール部32は、断面が山形のリップ形状をなし、当該山形形状の頂部の高さ寸法hが基部の軸L方向に沿った幅寸法dより大とされ、図例では、3個の内周シール部32の断面形状は全て同じとされている。また、外周シール部31は、突状に形成され、断面が内周シール部32より頂部の高さが低いなだらかな山形形状とされている。
内周シール部32と外周シール部31とは、筒状本体部30(貫通孔12)の軸L方向に沿って位相差をもって形成されている。この位相差は、内周シール部32と当該内周シール部32に対してシール部材3のパイプ状部2材に対する嵌合方向(矢印a方向)に隣接する外周シール部31との位相差Lo1と、当該内周シール部32に対して嵌合方向(矢印a方向)とは逆方向に隣接する外周シール部31との位相差Lo2とを含む。そして、位相差Lo1は位相差Lo2より大とされており、さらに本実施形態では、内周シール部32と外周シール部31とが径方向において一部が重なるような関係となるように位相差Lo1及び位相差Lo2が設定されている。
前記のように構成されるシール部材3を用いて、インバータケース1に対して配管2を接続する要領について、図2(a)(b)(c)をも参照して説明する。(a)は、シール部材3を配管2に対して矢印a方向に沿って嵌合する状態を示している。この嵌合過程で、内周シール部32は前記軸L方向に沿って、矢印a方向とは反対方向に弾性的に傾倒し、弾性変形を伴い筒状本体部30の外周部30bと配管本体20の外周面20aとの間に密着的に介在された状態とされる。この配管2とシール部材3との嵌合状態では、内周シール部32は、軸L方向に沿って弾性的に傾倒した状態とされるから、配管2とシール部材3との嵌合接続が容易になされる。特に、内周シール部32は、断面が山形のリップ形状をなし、前記高さ寸法hが前記幅寸法dより大とされているから、この傾倒が容易になされる。また、内周シール部32の弾性的傾倒により、遠心方向に復元弾力が作用し、筒状本体部30が弾性的に若干径大化する。
図2(b)は、このようにシール部材3を外嵌した状態の配管2を、インバータケース1に嵌合接続した状態を示している。即ち、配管2は、その配管本体20を、シール部材3を外嵌した状態でインバータケース1の外側から鍔部21が壁体11の外側に近接するよう貫通孔12に挿入することによりインバータケース1に嵌合接続される。この挿入の際、シール部材3の外周シール部31は、軸L方向に沿って傾倒せず、径方向に弾性的に圧縮され、筒状本体部30の外周部30aと貫通孔12の孔壁12aとの間に密着的に介在された状態とされる。このような配管2のインバータケース1に対する嵌合接続構造においては、インバータケース1の貫通孔12と、配管2との間にシール部材3が介在される。しかも、外側シール部31及び内側シール32が、それぞれ、筒状本体部30の外周部30aと配管本体20の外周面20aとの間、及び、筒状本体部30の内周部30bと貫通孔12の孔壁12aとの間に密着的に介在される。これによって、配管2はインバータケース1に対して、気密的或は液密的に接続される。そして、外周シール部31と内周シール部32とは、筒状本体部30の軸L方向に沿って前記大小関係をなす位相差Lo1,Lo2をもって形成されているから、嵌合接続過程では、内周シール部32による弾性反力と、外周シール部31の弾性反力との径方向における重なりが少なく、重なりによる締め代の増大化が抑えられ嵌合接続が容易になされる。因みに、位相差Lo1が位相差Lo2より小さいと、嵌合接続過程で内周シール部32が傾倒した際に、内周シール部32による弾性反力と、外周シール部31の弾性反力との径方向における重なりが大きくなり、重なりにより締め代が増大し嵌合接続がし難くなる。また、この重なりによる締め代が大きくなることにより、後記する配管2のインバータケース1からの抜脱が難しくなる。この嵌合接続が完了した状態においては、リップ状内周シール部32の一層の傾倒により、内周シール部32による弾性反力と、外周シール部31の弾性反力との径方向における重なりが嵌合接続過程より増える。これによって、貫通孔12の孔壁12aと配管2の外周面との間でのシール部材3が適正な締め代をもった加圧状態とされ、嵌合接続状態が安定化され、配管2とインバータケース1との密封性が維持される。
図2(c)は、インバータケース1から配管2を軸L方向に沿って抜脱した状態を示している。配管2のインバータケース1からの軸L方向に沿った抜脱の際には、内周シール部32と外周シール部31とが軸L方向に位相差Lo1,Lo2をもって形成されていることにより、即ち、内周シール部32と外周シール部31との重なり部分が少ないことにより、内周シール部32が前記傾倒状態から反対側に傾倒する。この場合、内周シール部32の反対側への傾倒に伴う配管本体20の外周面20aに対する軸L方向に沿った圧接抵抗が、外周シール部31の孔壁12aに対する軸L方向に沿った圧接抵抗より大きくなる。そのため、シール部材3がインバータケース1に残ることなく、配管2と一体とされた状態で貫通孔12から離脱される。これによって、シール部材3の交換等のメンテナンスに有利となる。
図3は、本発明に係る接続構造とこれに用いられるシール部材の第二の実施形態を示す。本実施形態のシール部材3は、位相差Lo1,Lo2が、内周シール部32と外周シール部31とが径方向に重ならないような位相差とされている点で第一の実施形態のシール部材3と異なる。即ち、外周シール部31及び内周シール部32は、いずれも断面形状が山形形状をなすが、外周シール部31(内周シール部32)とこれに軸L方向に隣接する内周シール部32(外周シール部31)との軸L方向に沿った基部間に間隔S1(S2)が設けられている。このように、内周シール部32と外周シール部31とが、前記間隔S1,S2をもって、径方向に重ならないようになされていることによって、前記嵌合接続状態における、内周シール部32による弾性反力と、外周シール部31の弾性反力との径方向の重なりがより少なくなる。これによって、シール部材3の配管2に対する嵌合がより容易になされ、また、配管2のインバータケース1からの軸L方向に沿った抜脱において、シール部材3が配管2と一体とされた状態での貫通孔12からの離脱がより確実にされる。
その他の構成は、図1に示す例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その作用・効果等の説明を割愛する。
図4は、本発明に係る接続構造とこれに用いられるシール部材の第三の実施形態を示す。本実施形態のシール部材3は、当該シール部材3の配管2に対する嵌合方向(矢印a方向)とは逆方向の筒状本体部30の端部に、内径側に延びるフランジ部33が一体に形成されている点で、第一の実施形態のシール部材3と異なる。このフランジ部33も、筒状本体部30と一体のゴムの成型体からなる。なお、図例では、配管2が図1〜3に示すような鍔部21を備えていないが、本実施形態でも、配管2が同様の鍔部21を備えていても良い。本実施形態においては、シール部材3を配管2に外嵌させる際に、フランジ部33によって、配管2とシール部材3との相対位置が規制される。したがって、この規制される位置を配管2とシール部材3との所期の(設計上の)相対位置としておけば、配管2とシール部材3との嵌合位置の相対的な位置決めが適正になされる。
その他の構成は、図1に示す例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、ここでもその作用・効果等の説明を割愛する。
図5は、本発明に係る接続構造とこれに用いられるシール部材の第四の実施形態を示す。本実施形態のシール部材3は、配管2に対する嵌合方向(矢印a方向)の筒状本体部30の端部には、金属製リング4が外嵌されている点で、第一の実施形態のシール部材3と異なる。さらに、筒状本体部30は、内周部30bに、前記と同様の2個のリップ状内周シール部32と、金属製リング4より矢印a方向の近傍に位置する1個の内周シール部32aとを有している。内周シール部32aは、最小内径が配管本体20の外径よりやや小さく、他の2個の内周シール部32より頂部の高さが低いなだらかな山形形状とされている。本実施形態のシール部材3も、前記各例と同様に、配管2の配管本体20に対して矢印a方向に沿って嵌合される。この場合、矢印a方向の筒状本体部30の端部には、金属製リング4が外嵌されているので、金属製リング4が外嵌されている部分の筒状本体部30の弾性的径大化が抑えられ、配管2とシール部材3との嵌合一体化がより安定的になされる。そして、内周シール部32aの最小内径が配管本体20の外径よりやや小とされているから、金属製リング4による前記弾性的径大化の抑制作用があっても、前記嵌合が抵抗少なくなされる。
その他の構成は、図1に示す例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、ここでもその作用・効果等の説明を割愛する。
図6は、本発明に係る接続構造とこれに用いられるシール部材の第五の実施形態を示す。本実施形態のシール部材3は、配管2に対する嵌合方向(矢印a方向)とは逆方向の筒状本体部30の端部に、別の配管(パイプ状部材)5を接続するための接続部34が連接されている点で第一の実施形態のシール部材3と異なる。接続部34は、筒状本体部30と同軸で、当該筒状本体部30より小径の筒状体35と、筒状体35と筒状本体部30とを繋ぐテーパ形状の繋ぎ部36とを備えている。筒状体35の内周部には、2個のリップ状シール部37が形成されている。本実施形態のシール部材3も、全体が、ゴムによる一体の成型体からなる。
本実施形態のシール部材3は、配管2と配管5とを、気密的或は液密的に接続すると共に、配管2をインバータケース1に対してその壁体11の貫通孔12において気密的或は液密的に嵌合接続させるものである。即ち、配管5は、インバータケース1内に設置されるもので、筒状体35に内嵌される。この内嵌状態では、筒状体35の内周部に形成されたリップ状シール部37が弾性的に傾倒し、配管5の外周面5aとの間に密着的に介在して、接続部34に気密的或は液密的に内嵌接続される。また、配管2は、前記各例と同様に、筒状本体部30を介して、インバータケース1に対し気密的或は液密的に嵌合接続される。配管5は、設計上貫通孔12(配管2)の軸Lに対して同軸に配設されるが、設計公差等により軸心ずれが生じることがある。しかし、繋ぎ部36が弾性のあるゴムからなるから、これによって軸心ずれが吸収され、前記嵌合接続が支障なくなされる。このような嵌合接続状態によって、インバータケース1の内外に配設される配管2,5間を通じ、冷却媒体を気密的或は液密的に流通させることができる。
なお、本実施形態において、図示を省略するが、筒状体35には、配管5との嵌合強度を高めるために、締結リングを外装するようにしても良い。また、筒状体35は、配管5に外嵌されるものとしたが、配管5に内嵌されるものであっても良い。この場合は、筒状体35の外周部に配管5の内周面との間に密着的に介在するシール部が形成される。さらに、配管5は配管2より小径としているが、同径或は配管5が配管2より大径であっても良い。これに伴い、筒状体35と筒状本体部30の径の大小関係も異なり、繋ぎ部36も直状或は逆テーパ形状とされる。その他の構成は、図1に示す例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、ここでもその作用・効果等の説明を割愛する。
なお、前記実施形態の接続構造では、いずれもインバータケース1に適用した例について述べたが、孔部を有する接続対象体にパイプ状部材を前記孔部において筒状のシール部材を介して接続する場合であれば、他の接続対象体にも本発明の接続構造が同様に適用可能である。また、外周シール部31及び内周シール部32の個数やその形成態様は図例に限定されるものではない。さらに、図3に示す例(第二の実施形態)を図4〜図6に示す例(第三〜第五の実施形態)に適用することはもとより可能である。
1 インバータケース(接続対象体)
12 貫通孔(孔部)
12a 孔壁
2 配管(パイプ状部材)
3 シール部材
30 筒状本体部
30a 筒状本体部の外周部
30b 筒状本体部の内周部
31 外周シール部
32 内周シール部
33 フランジ部
34 接続部
4 金属製リング
5 配管(別のパイプ状部材)
L 軸
Lo1,Lo2 位相差
h 内周シール部の頂部の高さ寸法
d 内周シール部の基部の幅寸法

Claims (8)

  1. 接続対象体に対して、該接続対象体に形成された孔部においてパイプ状部材を弾性体からなる筒状のシール部材を介して嵌合接続する接続構造であって、
    前記シール部材は、筒状本体部と、該筒状本体部における前記孔部に内嵌される外周部に前記孔部の孔壁との間に密着的に介在するよう形成された複数の突状外周シール部と、前記筒状本体部における前記パイプ状部材に外嵌される内周部に当該パイプ状部材の外周面との間に密着的に介在するよう形成された複数のリップ状内周シール部とを有し、
    前記内周シール部と外周シール部とは、前記筒状本体部の軸方向に沿って位相差をもって形成され、
    前記パイプ状部材と前記孔部との前記シール部材を介した嵌合接続状態では、前記内周シール部は、前記軸方向に沿って弾性的に傾倒した状態とされることを特徴とする接続構造。
  2. 請求項1に記載の接続構造において、
    前記位相差は、内周シール部と外周シール部とが径方向に重ならないような位相差とされていることを特徴とする接続構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の接続構造において、
    前記内周シール部と、当該内周シール部に対して前記シール部材の前記パイプ状部材に対する嵌合方向に隣接する外周シール部との位相差が、当該内周シール部に対して当該嵌合方向とは逆方向に隣接する外周シール部との位相差より大とされていることを特徴とする接続構造。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の接続構造において、
    前記内周シール部は、断面が山形のリップ形状をなし、当該山形形状の頂部の高さ寸法が基部の前記軸方向に沿った幅寸法より大であることを特徴とする接続構造。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の接続構造において、
    前記シール部材の前記パイプ状部材に対する嵌合方向の前記筒状本体部の端部には、金属製リングが外嵌されていることを特徴とする接続構造。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の接続構造において、
    前記シール部材の前記パイプ状部材に対する嵌合方向とは逆方向の前記筒状本体部の端部には、別のパイプ状部材を接続するための接続部が連接されていることを特徴とする接続構造。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の接続構造において、
    前記シール部材の前記パイプ状部材に対する嵌合方向とは逆方向の前記筒状本体部の端部には、内径側に延びるフランジ部が一体に形成されていることを特徴とする接続構造。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載した接続構造に用いられるシール部材であって、
    前記筒状本体部と、外周シール部と、内周シール部材とが一体とされたゴムによる成型体からなることを特徴とするシール部材。
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