JP2016037965A - タービンブレードのミッドスパンシュラウド組立体 - Google Patents

タービンブレードのミッドスパンシュラウド組立体 Download PDF

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Abstract

【課題】 フラッタが軽減されたミッドスパンシュラウド組立体を提供する。
【解決手段】 ミッドスパンシュラウド組立体100は、スパーポケット122及びファスナ孔114を定める正圧側及び負圧側シュラウド本体104、106と、正圧側及び負圧側シュラウド本体104、106のスパーポケット122、126内に延びる第1及び第2の端部126、128とを有するスパー112とを含む。スパー112は、タービンブレード28のボアホール56を貫通して延び、ファスナ118は、正圧側シュラウド本体104のファスナ孔114、タービンブレード28のファスナ開口部58、及び負圧側シュラウド本体106のファスナ孔116を貫通して延び、正圧側及び負圧側シュラウド本体104、106を翼形部40に対して保持するクランプ力を与える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一般的にタービンブレードに関する。より詳細には、本発明は、タービンブレードのミッドスパンシュラウド組立体に関する。
タービンバケット又はタービンローターブレードとしても知られている回転タービンブレードは、ターボ機械のシャフトを回転させることによって高温燃焼ガス又は蒸気といった流動流体からのエネルギを機械的エネルギに変換する。ターボ機械は種々の作動モードに移行するので、タービンブレードは機械的応力及び熱的応力を受ける。
機械的応力は、定常状態の力と一緒に変動力によって引き起こされる場合がある。より具体的には、タービンブレードは、ノズルとしても知られている、タービンブレードの隣接する列の間に配置される固定ベーンの下流で不均一な流体流によって回転する際に変動力を受ける場合がある。ターボ機械に関する基本的な設計検討事項は、タービンブレードの固有周波数での共振、並びに強制応答及び/又は空力弾性不安定性で引き起こされる動的応力を回避又は最小にすることである。
例えば、回転タービンディスク上の各タービンブレードは、固定ベーンからの不均一流で回転する際に動的外力を受ける。タービンブレードは、不均一流の領域で回転する際に、例えば、応力、変位等の動的応答を提示する場合がある。加えて、タービンブレード付きディスクは振動状態になることができ、エネルギ蓄積が最大になる。このことは、応力又は変位が最大レベルであるブレード又はディスク領域によって例証され、ブレード又はディスクの励振力に対する抵抗力は最小である。このような状態は、共振状態として知られている。
解析又は経験的テストが、ターボ機械の作動時にタービンブレード及び/又はローターディスクが共振状態に遭遇する可能性があることを示す場合、共振に遭遇する可能性を最小にするのを助長するステップを採用することができる。例えば、シュラウドのセットは、タービンブレードの各々のスパンに沿って形成することができる。各シュラウドセットは、一般的に、円周方向に延びる一対のシュラウド、タービンブレードの負圧側面から突出した1つのシュラウド、及び同じタービンブレードの正圧側面から突出した1つのシュラウドを含む。シュラウドは、各タービンブレードのブレード根元部分及びブレード先端部分の中間に配置されるので、ミッドスパンシュラウドと呼ばれ場合が多い。しかしながら、ミッドスパンシュラウドは、スパンの物理的中間点だけでなく、タービンブレードスパンに沿って任意の位置に配置することができる。
一般的に、ミッドスパンシュラウドは、タービンブレードの固有周波数での共振、及び/又は変動力又は「フラッタ」によって引き起こされる動的応力を回避又は最小にするのに有効である。しかしながら、一般に、ミッドスパンシュラウドは、タービンブレードの部品として鋳造され、最終タービンブレードを製作するために追加の機械加工又は他の仕上げ工程を必要とする場合がある。このことは、タービンブレードの設計段階でのみ費用効果がある。加えて、ミッドスパンシュラウドの鋳造品は、既存のタービンブレードデザインに組み込むことができない。
タービンブレードにミッドスパンシュラウドを形成する別の方法は、タービンブレードに形成されたボアホールに支持部材を圧入する段階と、各シュラウドを支持部材に結合する段階とを含む。しかしながら、この方法は、タービンブレード上に望ましくない応力をもたらす可能性、及び/又はターボ機械の作動時にタービンブレードと圧入された支持部材との間の熱膨張の差によって、支持部材がボアボールから外れる可能性がある。従って、新規の又は既存のタービンブレードに結合して、フラッタを軽減するために周波数及びモード形を変更するようになった、及び/又はブラケット振動特性を変更するようになった、非鋳造又は非一体式のミッドスパンシュラウド組立体は有用であろう。
本発明の態様及び利点は、以下の説明において部分的に記載され、又は、本説明から明らかになることができ、或いは、本発明を実施することによって理解することができる。
米国特許第8,684,692号明細書
本発明の1つの実施形態は、タービンブレードの翼形部のためのミッドスパンシュラウド組立体である。ミッドスパンシュラウド組立体は、スパーポケット及びファスナ孔を定める正圧側シュラウド本体と、スパーポケット及びファスナ孔を定める負圧側シュラウド本体とを含む。ミッドスパンシュラウド組立体は、正圧側シュラウド本体のスパーポケット内に延びる第1の端部と、負圧側シュラウド本体のスパーポケット内に延びる第2の端部とを有するスパーをさらに含む。スパーは、タービンブレードのボアホールを貫通して延びるように形成される。ファスナは、正圧側シュラウド本体のファスナ孔、タービンブレードのファスナ開口部、及び負圧側シュラウド本体のファスナ孔を貫通して延びるように形成され、クランプ力を与えて、タービンブレードの正圧側壁に対して正圧側シュラウド本体を、タービンブレードの負圧側壁に対して負圧側シュラウド本体を保持する。
本発明の別の実施形態は、タービンブレードである。タービンブレードは、正圧側壁、負圧側壁、ボアホール、及びファスナ開口部を有する翼形部を含む。ボアホール及びファスナ開口部は、正圧側及び負圧側壁を貫通して延びる。タービンブレードは、ミッドスパンシュラウド組立体をさらに備える。ミッドスパンシュラウド組立体は、正圧側壁に沿うように形成された嵌合側面部を有する正圧側シュラウド本体を含む。正圧側シュラウド本体は、スパーポケット及びファスナ孔を定める。また、ミッドスパンシュラウド組立体は、負圧側壁に沿うように形成された嵌合側面部を有する負圧側シュラウド本体を含む。負圧側シュラウド本体は、スパーポケット及びファスナ孔を定める。スパーはボアホールを貫通して延びる。スパーは、正圧側シュラウド本体のスパーポケット内に置かれる第1の端部と、負圧側シュラウド本体のスパーポケット内に置かれる第2の端部とを含む。ファスナは、正圧側シュラウド本体のファスナ孔、ファスナ開口部、及び負圧側シュラウド本体のファスナ孔を貫通して延びる。ファスナは、クランプ力を与えて、正圧側シュラウド本体及び負圧側シュラウド本体を対応する正圧側壁及び前記負圧側壁に対して保持する。
本発明の別の実施形態は、ガスタービンである。ガスタービンは、圧縮機、圧縮セクション、及び燃焼セクションを含む。タービンセクションは、ローターシャフトに結合された複数のタービンブレードを含む。タービンブレードの各々は、正圧側壁、負圧側壁、ボアホール、及びファスナ開口部を有する翼形部を含み、ボアホール及びファスナ開口部の各々は、正圧側及び負圧側壁を貫通して延びる。タービンブレードの各々は、タービンブレードに結合されたミッドスパンシュラウド組立体を含む。ミッドスパンシュラウド組立体は、正圧側壁に沿うように形成された嵌合側面部を有する正圧側シュラウド本体を含む。正圧側シュラウド本体は、スパーポケット及びファスナ孔を定める。また、ミッドスパンシュラウド組立体は、負圧側壁に沿うように形成された嵌合側面部を有する負圧側シュラウド本体を含む。負圧側シュラウド本体は、スパーポケット及びファスナ孔を定める。ミッドスパンシュラウド組立体は、ボアホールを貫通して延びるスパーを更に含み、第1の端部及び第2の端部を含む。第1の端部は、正圧側シュラウド本体のスパーポケット内に延び、第2の端部は、負圧側シュラウド本体のスパーポケット内に延びる。ファスナは、正圧側シュラウド本体のファスナ孔、ファスナ開口部、及び負圧側シュラウド本体のファスナ孔を貫通して延びる。ファスナは、正圧側シュラウド本体及び負圧側シュラウド本体を対応する正圧側壁及び負圧側壁に対して保持するクランプ力を与える。
当業者であれば、本明細書を精査するとこのような実施形態の特徴及び態様、並びにその他がより理解されるであろう。
添付図の参照を含む本明細書の残りの部分において、当業者に対してなしたその最良の形態を含む本発明の完全且つ有効な開示をより詳細に説明する。
本発明の少なくとも1つの実施形態を組み込むことができる場合、例示的なガスタービンの概略図。 本発明の少なくとも1つの実施形態による、例示的なタービンブレードの斜視図。 本発明の少なくとも1つの実施形態による、例示的なタービンブレードの一部の分解斜視図。 本発明の1つの実施形態による、例示的なタービンブレードの一部の断面平面図。 本発明の1つの実施形態による、例示的なタービンブレードの一部の断面平面図。
ここで、その1つ又はそれ以上の実施例が添付図面に例示されている本発明の実施形態について詳細に説明する。詳細な説明では、図面中の特徴部を示すために参照符号及び文字表示を使用している。本発明の同様の又は類似した要素を示すために、図面及び説明において同様の又は類似した表示を使用している。本明細書で使用される用語「第1」、「第2」、及び「第3」は、ある構成要素を別の構成要素と区別するために同義的に用いることができ、個々の構成要素の位置又は重要性を意味することを意図したものではない。用語「上流」及び「下流」は、流体通路における流体流れに対する相対的方向を指す。例えば、「上流」は、流体がそこから流れる方向を指し、「下流」は流体がそこに向けて流れ込む方向を指す。用語「半径方向」は、特定の構成要素の軸方向中心線に実質的に垂直な相対方向を指し、用語「軸方向」は、特定の構成要素の軸方向中心線に実質的に平行な及び/又は同軸上に整列する相対方向を指す。
各実施例は、本発明の限定ではなく、例証として提供される。実際に、本発明の範囲又は技術的思想から逸脱することなく、種々の修正形態及び変形形態を本発明において実施できることは、当業者であれば理解されるであろう。例えば、1つの実施形態の一部として例示され又は説明される特徴は、別の実施形態と共に使用してさらに別の実施形態を得ることができる。従って、本発明は、そのような修正及び変形を特許請求の範囲及びその均等物の技術的範囲内に属するものとして保護することを意図している。本明細書では産業用又は地上設置型のガスタービンが図示され説明されたが、本明細書で図示され説明される本発明は、請求項において特に指定のない限り、産業用又は地上設置型のガスタービンに限定されない。例えば、本明細書で説明する本発明は、限定されるものではないが、蒸気タービン、航空機ガスタービン、又は船舶ガスタービンを含む任意のタイプのターボ機械で使用することができる。
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の種々の実施形態を組み込むことができる、例示的なガスタービン10のターボ機械の概略図を示す。図示のように、ガスタービン10は、一般的に、入口セクション12、該入口セクション12の下流に配置された圧縮機セクション14、該圧縮機セクション14の下流に配置された燃焼器セクション16内の複数の燃焼器(図示せず)、該燃焼器セクション16の下流に配置されたタービンセクション18、及び該タービンセクション18の下流に配置された排気セクション20を含む。加えて、ガスタービン10は、圧縮機セクション14とタービンセクション18との間に連結する1又はそれ以上のシャフト22を含むことができる。
タービンセクション18は、一般的に、複数のローターディスク26(そのうちの1つが示されている)を有するローターシャフト24と、半径方向外向きに延び、各ローターディスク26に相互結合する複数の回転可能なタービンブレード28とを含むことができる。さらに、各ローターディスク26は、タービンセクション18を通って延びるローターシャフト24の一部に結合することができる。タービンセクション18は、ローターシャフト24及びタービンブレード28を円周方向に取り囲む外側ケーシング30をさらに含み、それによってタービンセクション18を通る高温ガス経路32を少なくとも部分的に定める。
作動時、空気等の作動流体は、入口セクション12を通って圧縮機セクション14に流入し、空気は徐々に圧縮され、燃焼セクション16の燃焼器に加圧空気が供給される。加圧空気は、燃料と混合して各燃焼器内で燃焼し、高温燃焼ガス34が発生する。高温燃焼ガス34は、高温ガス経路32を通って燃焼器セクション16からタービンセクション18に流れ、エネルギ(動力学的及び/又は熱的)が高温ガス34からタービンブレード28に伝達され、ローターシャフト24を回転させる。機械的な回転エネルギは、圧縮機セクション14に動力を供給する及び/又は発電する等の種々の目的に使用することができる。タービンセクション18から流出する高温燃焼ガス34は、ガスタービン10から排気セクション20を通って排出することができる。
図2は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、例示的なタービンブレード28の斜視図である。図2に示すように、タービンブレード28は、一般的に、取付け部分36、プラットフォーム部分38、及びプラットフォーム部分38から実質的に半径方向外向きに延びる翼形部40を含む。プラットフォーム部分38は、一般的に、タービンセクション18(図1)の高温ガス経路32を通って流れる高温燃焼ガス34に対する半径方向内側境界として機能する。図2に示すように、取付け部分36は、プラットフォーム部分38から実質的に半径方向内向きに延びることができ、ローターブレード28をローターディスク26(図1)に相互結合又は固定するように形成されたダブテールのような根元構造を含むことができる。図2に示すように、翼形部40は、プラットフォーム部分38から実質的に半径方向外向きに、スパン方向で翼形部40とプラットフォーム部分38との間の交差点に定めることができる翼形部40の根元42から翼形部40の先端部分44まで延びる。先端部分44は、根元42の半径方向で反対側に配置される。従って、先端部分44は、一般的に、ローターブレード28の半径方向の最も外側の部分を定めることができる。
図3は、本発明の1つの実施形態による、タービンブレード28の翼形部40の一部の分解図を提示する。図2及び3に示すように、翼形部40は、高温ガス34の流れに向かう又はその中に向けられる前縁46と、前縁46の下流の後縁48とをさらに含む。図2に示すように、前縁46及び後縁は、根元42と先端部分44との間でスパン方向に延びる。
図3に示すように、翼形部40は、反対側の一対の側壁50を含む。特定の実施形態において、翼形部40は、第1の又は正圧側壁52及び反対側の第2の又は負圧側壁54を含む。正圧側壁52及び負圧側壁54は、翼形部40の前縁46と後縁48との間の翼弦方向に延びる。図2に示すように、正圧側壁52及び負圧側壁54は、根元42と先端部分44との間でスパン方向に半径方向に延びる。図3に示すように、正圧側壁52は、一般的に、翼形部40の空気力学的な略凹形面を含む。対照的に、負圧側壁54は、一般的に、翼形部40の空気力学的な略凸形面を定めることができる。
特定の実施形態において、図2及び3に示すように、ミッドスパンシュラウド組立体100は、翼形部40に結合される。図3は、翼形部40から取り外したミッドスパンシュラウド組立体100を示す。ミッドスパンシュラウド組立体100は、翼形部40のスパンに沿って任意の位置に配置することができ、特許請求の範囲及び/又は明細書で規定されない限り、翼形部40のスパンの物理的中間点に限定されない。ミッドスパンシュラウド組立体100は、隣接するタービンブレード28との間で、所定のタービンブレード28の所望のスパン比率及び/又は所望の翼弦比率で、ローターシャフト24及び/又はローターディスク26の周りの全360度にわたる接触点をもたらす。この接触部は、翼形部40の振動特性(固有周波数及びモード形)を変える。
図3に示すように、ミッドスパンシュラウド組立体100は、一般的に、一対のシュラウド本体102を含む。1つの実施形態において、第1の又は正圧側シュラウド本体104は、翼形部40の正圧側壁52に関連し、第2の又は負圧側シュラウド本体106は、翼形部40の負圧側壁54に関連する。
図3に示すように、正圧側シュラウド本体104は、正圧側壁52から外向きに延びるか又は突出する。正圧側シュラウド本体104は、正圧側壁52に沿って前縁46と後縁48の間で少なくとも部分的に延びる。1つの実施形態において、正圧側シュラウド本体104は、前縁及び後縁46、48の中間で、正圧側壁52に沿って延びる。特定の実施形態において、正圧側シュラウド本体104は、正圧側壁52の一部に実質的に沿うように形成された内側又は嵌合部分あるいは表面を含む。翼形部40と接触する内側嵌合部分108は、翼形部40と内側嵌合部分108との間の明確な接触を可能にするために、クラウン形状又は明確な隆起領域を有することができる。これは、翼形部40が鋳造され、部品間で100%再現可能ではない場合に望ましい。
図3に示すように、負圧側シュラウド本体106は、負圧側壁54から外向きに延びるか又は突出する。負圧側シュラウド本体106は、前縁44と後縁48との間で少なくとも部分的に負圧側壁54に沿って延びる。1つの実施形態において、負圧側シュラウド本体106は、前縁及び後縁46、48の実質的に中間で、負圧側壁54に沿って延びる。1つの実施形態において、図3に示すように、負圧側シュラウド本体106は、負圧側壁の一部に実質的に沿うように形成された内側又は嵌合部分あるいは表面110を含む。翼形部40と接触する内側嵌合部分又は表面110は、翼形部40と内側嵌合部分110との間に明確な接触を可能にするために、クラウン形状又は明確な隆起領域を有することができる。この場合も同様に、これは、翼形部40が鋳造され、部品間で100%再現可能ではない場合に望ましい。
1つの実施形態において、図3に示すように、ミッドスパンシュラウド組立体100は、翼形部40に定められたボアホール56を通って延びる少なくとも1つのスパー112を含む。ボアホール56は、翼形部40の正圧側及び負圧側壁52、54を貫通して延びる。ボアホール56は、翼形部40のスパンに沿って根元42及び先端部分46の中間に配置されるか又は定められる。特定の実施形態において、翼形部40は、複数のボアホール56を含み、ミッドスパンシュラウド組立体100は、各々が対応するボアホール56と整列する複数のスパー112を含む。図示のように、スパー112は、概して円筒形の断面形状を有することができる。しかしながら、他の実施形態において、スパー112は、概して非円筒形の断面形状を有することができる。
1つの実施形態において、図3に示すように、正圧側シュラウド本体104は、少なくとも1つのファスナ孔114を定め、負圧側シュラウド本体106は、少なくとも1つのファスナ孔116を定め、翼形部40は、少なくとも1つのファスナ開口部58を定める。図示のように、ファスナ開口部58は、正圧側シュラウド本体104のファスナ孔114、及び負圧側シュラウド本体106のファスナ孔116と整列する。
特定の実施形態において、図3に示すように、ミッドスパンシュラウド組立体100は、ファスナ孔114、116及びファスナ開口部58を貫通して延びる少なくとも1つのファスナ118を含む。ファスナ118は、クランプ力又は内向き力を与えて、タービンブレード28の正圧側壁52に対して正圧側シュラウド本体104を、タービンブレード28の負圧側壁54に対して負圧側シュラウド本体106を保持するようになっている。1つの実施形態において、ミッドスパンシュラウド組立体100は、複数のファスナ孔114、116及びファスナ開口部58、並びに複数の対応するファスナ118を含む。
ファスナ118は、ボルト、ピン、リベット等の任意の適切なファスナを含むことができる。図3に示すように、ファスナ118は、ファスナ118の第1の端部に配置されたヘッド部分120を含むことができる。ファスナ118の第2の端部は、ネジを形成すること、及び/又は外向きに広がってファスナ118を所定位置にロックするように形成することができる。追加的に又は代替的に、ファスナ118は、ナット119及び/又は溶接等の他の適切な手段によって所定位置に溶接又は保持することができる。
図4は、本発明の1つの実施形態による、スパー112においてミッドスパンシュラウド組立体100を通して切断した翼形部40の一部の断面平面図である。図4に示すように、第1のスパーポケット122は、正圧側シュラウド本体104によって及び/又はこの内部に定められ、第2のスパーポケット124は、負圧側シュラウド本体106によって及び/又はこの内部に定められる。スパーポケット122、124は、一般的に、ミッドスパンシュラウド組立体100がタービンブレード28上に装着又は取り付けられる場合に、ボアホール56に整列する。特定の実施形態において、正圧側及び負圧側シュラウド本体104、106の各々は、複数のスパーポケット122、124を各々定めることができる。
図4に示すように、スパー112は、ボアホール56を貫通してスパーポケット122、124の各々の中に延びる。1つの実施形態において、スパー122の第1の端部126は、正圧側シュラウド本体104のスパーポケット122の中に非固定状態で置かれる及び/又はその中に延びる。1つの実施形態において、スパー122の第2の端部128は、負圧側シュラウド本体106のスパーポケット124の中に非固定状態で置かれる及び/又はその中に延びる。1つの実施形態において、スパー122の中間部分130は、翼形部40のボアホール56の中に非固定状態で置かれるか又はその中に延びる。
図5は、本発明の1つの実施形態による、ミッドスパンシュラウド組立体100を含む翼形部40の一部の断面平面図を提示する。図5に示すように、スパーポケット122、124のうちの少なくとも一方は、スパー112のそれぞれの端部に定められた相補的連結特徴部と連結するように形成された連結特徴部を定める。例えば、1つの実施形態において、正圧側シュラウド本体104のスパーポケット122は、スパーポケット122の内面134の周りに少なくとも部分的に延びる連結特徴部132を定める。連結特徴部132は、内面134から外向きに延びるスロット、溝、又は他の表面窪みとして及び/又はリブ、壁、又は他の突起部として形成することができる。
追加的に又は代替的に、負圧側シュラウド本体106のスパーポケット124は、スパーポケット122の内面138の周りに少なくとも部分的に延びる連結特徴部136を定める。連結特徴部136は、内面138から外向きに延びるスロット、溝、又は他の表面窪みとして及び/又はリブ、壁、又は他の突起部として形成することができる。
図5に示すように、スパー112の少なくとも一方の端部は、対応するスパーポケット122、124の連結特徴部132、134に相補的な連結特徴部140を含むことができる。例えば、連結特徴部140は、対応する連結特徴部132、134と連結するように形成されたばねフィンガ142、144又は他の特徴部を含むことができる。連結特徴部140は、ミッドスパンシュラウド組立体100、特に正圧側及び負圧側シュラウド本体104、106を、設置時及び/又は作動時に所定位置に保持するために使用することができる。
本明細書で説明して図示するように、本発明は、既存のタービンブレードミッドスパンシュラウド技術よりも優れた種々の技術的利点をもたらす。例えば、このミッドスパンシュラウド組立体100は、隣接するタービンブレード28との間で、所定のタービンブレード28の所望のスパン比率及び/又は所望の翼弦比率で、ローターシャフト24及び/又はローターディスク26の周りの全360度にわたる接触点をもたらす。この接触部は、翼形部40の振動特性(固有周波数及びモード形)を変える。
本明細書のミッドスパンシュラウド組立体100は、1つ又は複数のファスナ及びスパーを用いて取り付けられて、正圧側及び負圧側シュラウド本体104、106を翼形部40に保持するようになっている。ファスナ118は、正圧側及び負圧側シュラウド本体104、106を翼形部40に対して、及び相互にクランプすると同時に、タービンブレード28の回転時に正圧側及び負圧側シュラウド本体104、106の半径方向/剪断荷重を伝達するか受け取る。
加えて、ボアホール56及びファスナ開口部58は、翼形部40内にボアホール56及びファスナ開口部58を有することに起因する応力集中作用を最小にするように、相互に関して保護作用をもたらすように配置することができる。例えば、ボアホール56をファスナ開口部58の上側に重ねることで、翼形部40の内部の良好な応力状態をもたらすことができる。加えて、非円形(理想的には楕円形)ボアホール56及び/又はファスナ開口部58を有することで、翼形部40上の応力をさらに低減することができる。加えて、スパー112は、正圧側及び負圧側シュラウド本体104、106の遠心荷重を翼形部40に伝達することができるので、ファスナ118の曲げが低減する。追加的に又は代替的に、本明細書に提示されるミッドスパンシュラウド組立体100は、新規のOEM部品に組み込むことができる、及び/又は既存のタービンブレードデザインに適合するように構成することができる
本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、また、あらゆる当業者が、あらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる組み込み方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
10 ガスタービン
12 入口セクション
14 圧縮機セクション
16 燃焼器セクション
18 タービンセクション
20 排気セクション
22 シャフト
24 ローターシャフト
26 ローターディスク
28 ローターブレード
30 外側ケーシング
32 高温ガス経路
34 高温ガス
36 取付け部分
38 プラットフォーム部分
40 翼形部
42 根元部分
44 先端部分
46 前縁
48 後縁
50 側壁
52 正圧側壁
54 負圧側壁
56 ボアホール
58 ファスナ開口部
100 ミッドスパンシュラウド組立体
102 シュラウド本体
104 正圧側シュラウド本体
106 負圧側シュラウド本体
108 内側/嵌合部分
110 内側/嵌合部分
112 スパー
114 ファスナ孔
116 ファスナ孔
118 ファスナ
120 ヘッド部分
122 スパーポケット
124 スパーポケット
126 第1の端部
128 第2の端部
130 中間部分
132 連結特徴部
134 内面
136 連結特徴部
138 内面
140 連結特徴部
142 ばねフィンガ
144 ばねフィンガ

Claims (15)

  1. タービンブレード(28)のためのミッドスパンシュラウド組立体(100)であって、
    スパーポケット(122)及びファスナ孔(114)を定める正圧側シュラウド本体(104)と、
    スパーポケット(124)及びファスナ孔(116)を定める負圧側シュラウド本体(106)と、
    前記正圧側シュラウド本体(104)の前記スパーポケット(122)内に延びる第1の端部(126)と、前記負圧側シュラウド本体(106)の前記スパーポケット(124)内に延びる第2の端部(128)とを有し、前記タービンブレード(28)のボアホール(56)を貫通して延びるように形成されたスパー(112)と、
    前記正圧側シュラウド本体(104)の前記ファスナ孔(114)、前記タービンブレード(28)のファスナ開口部(58)、及び前記負圧側シュラウド本体(106)の前記ファスナ孔(116)を貫通して延びるように形成され、クランプ力を与えて、前記タービンブレード(28)の正圧側壁(52)に対して前記正圧側シュラウド本体(104)を、前記タービンブレード(28)の負圧側壁(54)に対して前記負圧側シュラウド本体(106)を保持するファスナ(118)と、
    を備えるミッドスパンシュラウド組立体(100)。
  2. 前記正圧側シュラウド本体(104)の前記スパーポケット(122)内に定められた連結特徴部(132)をさらに含む、請求項1に記載のミッドスパンシュラウド組立体(100)。
  3. 前記負圧側シュラウド本体(106)の前記スパーポケット(124)内に定められた連結特徴部(132)をさらに含む、請求項1〜請求項2のいずれかに記載のミッドスパンシュラウド組立体(100)。
  4. 前記スパー(112)の前記第1及び第2の端部部分(126、128)のうちの少なくとも一方は、前記スパー(112)の軸方向中心線に関して半径方向外向きに延びる連結特徴部(136、140)を含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のミッドスパンシュラウド組立体(100)。
  5. 前記スパー(112)の前記第1の端部(126)は、前記正圧側シュラウド本体(104)の前記スパーポケット(122)内に非固定状態で置かれる、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のミッドスパンシュラウド組立体100。
  6. 前記スパー(112)の前記第2の端部(128)は、前記負圧側シュラウド本体(106)の前記スパーポケット(124)内に非固定状態で置かれる、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のミッドスパンシュラウド組立体(100)。
  7. 前記正圧側シュラウド本体(104)は、前記タービンブレード(28)の前記正圧側壁(52)に沿うように形成された嵌合側面部(108)を含む、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のミッドスパンシュラウド組立体(100)。
  8. 前記負圧側シュラウド本体(106)は、前記タービンブレード(28)の前記負圧側壁(54)に沿うように形成された嵌合側面部(110)を含む、請求項1〜請求項7のいずれかに記載のミッドスパンシュラウド組立体(100)。
  9. 前記スパー(112)の少なくとも一部は、非円筒形である、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のミッドスパンシュラウド組立体(100)。
  10. 正圧側壁(52)、負圧側壁(54)、ボアホール(56)、及びファスナ開口部(58)を有し、前記ボアホール56及び前記ファスナ開口部(58)が前記正圧側及び負圧側壁(52、54)を貫通して延びる、翼形部(40)と、
    ミッドスパンシュラウド組立体(100)と、
    を備えるタービンブレード(28)であって、前記ミッドスパンシュラウド組立体(100)は、
    前記正圧側壁(52)に沿うように形成された嵌合側面部(108)を有し、スパーポケット(122)及びファスナ孔(114)を定める正圧側シュラウド本体(104)と、
    前記負圧側壁(54)に沿うように形成された嵌合側面部(110)を有し、スパーポケット(124)及びファスナ孔(116)を定める負圧側シュラウド本体(106)と、
    前記ボアホール(56)を貫通して延び、前記正圧側シュラウド本体(104)の前記スパーポケット(122)内に置かれる第1の端部(126)と、前記負圧側シュラウド本体(106)の前記スパーポケット(124)内に置かれる第2の端部(128)とを含むスパー(112)と、
    前記正圧側シュラウド本体(104)の前記ファスナ孔(114)、前記ファスナ開口部(58)、及び前記負圧側シュラウド本体(106)の前記ファスナ孔(116)を貫通して延び、クランプ力を与えて、前記正圧側シュラウド本体(104)及び前記負圧側シュラウド本体(106)を対応する前記正圧側壁(52)及び前記負圧側壁(54)に対して保持するファスナ(118)と、
    を備えるタービンブレード(28)。
  11. 前記正圧側シュラウド本体(104)の前記スパーポケット(122)内に定められた連結特徴部(132)をさらに含む、請求項10に記載のタービンブレード(28)。
  12. 前記負圧側シュラウド本体(106)の前記スパーポケット(124)内に定められた連結特徴部(136)をさらに含む、請求項10〜請求項11のいずれかに記載のタービンブレード(28)。
  13. 前記スパー(112)の前記第1及び第2の端部部分(126、128)のうちの少なくとも一方は、前記スパー(112)の軸方向中心線に関して半径方向外向きに延びる連結特徴部(140)を含む、請求項10〜請求項12のいずれかに記載のタービンブレード(28)。
  14. 前記スパー(112)の前記第1の端部(126)は、前記正圧側シュラウド本体(104)の前記スパーポケット(122)内に非固定状態で置かれる、請求項10に記載のタービンブレード(28)。
  15. 前記スパー(112)の前記第2の端部部分(128)は、前記負圧側シュラウド本体(106)の前記スパーポケット(124)内に非固定状態で置かれる、請求項10に記載のタービンブレード28。
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