JP2016037355A - 印刷装置 - Google Patents

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Shigehiro Oki
成弘 隠岐
太賀之 田中
Takayuki Tanaka
太賀之 田中
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Abstract

【課題】長尺状の媒体を搬送するに際し、搬送される長尺状の媒体の状態に応じた適切な処理を実施することにより、ユーザービリティを向上させることができる印刷装置を提供する。【解決手段】印刷装置10は、ホッパー61から搬送方向下流に搬送された用紙に印刷を施す印刷ヘッド33と、ロール紙ユニット20から送り出されたロール紙P2をホッパー61に案内する挿入部15と、挿入部15内を通過するロール紙P2を検知するロール紙検知センサーSE3とを備える。印刷装置10の制御装置は、所定の取得タイミングで、ロール紙P2の後端が挿入部15を通過しているか否かを、ロール紙検知センサーSE3による検知結果に基づいて判定し、この判定結果に応じた処理を取得タイミングから開始する。【選択図】図3

Description

本発明は、単票紙などの単票状の媒体への印刷、及びロール紙などの長尺状の媒体への印刷が可能な印刷装置に関する。
特許文献1には、単票状の媒体の一例である単票紙の搬送経路と、長尺状の媒体の一例であるロール紙の搬送経路とが共通化されている印刷装置の一例が記載されている。こうした印刷装置を構成する自動給送装置には、複数枚の単票紙を積層状態で保持可能なホッパー(セット部の一例)と、ホッパー上の最上位の単票紙を搬送方向下流に給送する給送ローラーとが設けられている。また、給送ローラーよりも搬送方向下流には、搬送ローラー対が設けられている。そして、給送ローラーが1回転するまでの間に、用紙の先端が搬送ローラー対に達し、同用紙が、同搬送ローラー対を構成する一対の搬送ローラーによって挟持(ニップ)される。その後においては、一対の搬送ローラーの回転によって単票紙が搬送方向下流に搬送される。
また、上記自動給送装置には、ロール紙を保持するロール紙ユニット(保持装置の一例)を着脱自在な状態で取り付けることができる。そして、自動給送装置に取り付けられたロール紙ユニットから送り出されたロール紙をホッパーにセットした状態で給送ローラーが回転されると、給送ローラーによるロール紙の搬送方向下流への給送が開始される。
こうした印刷装置にあっては、印刷の準備として用紙の頭出しを行うパネル給紙を行うようになっている。このように用紙の頭出しが完了した後で、当該用紙の排出がユーザーによって要求されることがある。このとき、上記の印刷装置では、用紙を搬送方向下流に排出させる第1の排出処理、及び、用紙を搬送方向上流に戻す第2の排出処理の何れか一方をユーザーが選択することが可能となっている。
特開2001−97582号公報
ところで、上記のように、単票紙及びロール紙の双方への印刷が可能な印刷装置にあっては、更なる利便性の向上が求められている。
本発明の目的は、長尺状の媒体を搬送するに際し、搬送される長尺状の媒体の状態に応じた適切な処理を実施することにより、ユーザービリティを向上させることができる印刷装置を提供することにある。
上記目的を達成する印刷装置は、セット部への単票状の媒体のセット時には同単票状の媒体に印刷を行い、前記セット部への長尺状の媒体のセット時には同長尺状の媒体に印刷を行う印刷装置であって、前記セット部から搬送方向下流に搬送された媒体に印刷を施す印刷ヘッドと、長尺状の媒体を保持する保持装置から送り出された長尺状の媒体を前記セット部に案内する案内部と、前記案内部内を通過する媒体を検知する長尺媒体検知センサーと、装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、所定の取得タイミングで、長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過しているか否かを、前記長尺媒体検知センサーによる検知結果に基づいて判定する後端判定部と、前記後端判定部による判定結果に応じた処理を、前記取得タイミングから開始する制御部と、を有する。
上記構成によれば、所定の取得タイミングで、長尺状の媒体の後端が案内部を既に通過しているか否かが判定される。そして、長尺状の媒体の後端が案内部を未だ通過していない場合と、長尺状の媒体の後端が案内部を既に通過している場合とで、実施される処理の内容が変更される。したがって、長尺状の媒体を搬送するに際し、搬送される長尺状の媒体の状態に応じた適切な処理を実施することにより、ユーザービリティを向上させることができるようになる。
上記印刷装置において、前記取得タイミングは、印刷データに基づいた印刷の指示が入力されるタイミングである印刷開始指示タイミングを含み、前記制御装置は、前記印刷データを解析し、印刷に必要な媒体の長さである媒体必要長を算出する必要長算出部と、前記後端判定部によって長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過していると判定されているときに、長尺状の媒体において印刷が可能な領域の長さである媒体残量を算出する残量算出部と、を有し、前記後端判定部は、前記印刷開始指示タイミングで、前記保持装置から送り出される長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過しているか否かを判定し、前記制御部は、前記印刷の指示が入力された状況下で、前記残量算出部によって算出されている前記媒体残量が、前記必要長算出部によって算出されている前記媒体必要長以上であるときには、前記印刷データに基づいた印刷処理を実施し、前記媒体残量が前記媒体必要長未満であるときには、前記媒体残量が少ない旨を報知装置に報知させる報知処理を実施する。
上記構成によれば、印刷データに基づいた印刷の指示が入力されたタイミングで、長尺状の媒体の後端が案内部を既に通過しているか否かが判定される。そして、長尺状の媒体の後端が案内部を既に通過している場合、印刷に必要な媒体の長さである媒体必要長と、同長尺状の媒体において印刷が可能な領域の長さである媒体残量とが算出される。媒体残量が媒体必要長以上であるときには、同長尺状の媒体に対し、印刷データに基づいた印刷を完了させることが可能であるため、同印刷データに基づいた印刷が開始される。一方、媒体残量が媒体必要長未満であるときには、同長尺状の媒体に対し、印刷データに基づいた印刷を完了させることが不能であるため、媒体残量が少ない旨が報知装置によって報知される。すなわち、印刷の指示が入力されたときには、媒体残量と媒体必要長との関係に応じた適切な処理を実施することができるようになる。
上記印刷装置において、前記制御部は、前記報知処理の実施に基づいた報知を前記報知装置が行っている状況下で、印刷の中止を指示する旨が入力されたときには、前記印刷データに基づいた印刷処理を実施することなく、同長尺状の媒体を搬送方向下流に排出させる処理を実施する。
上記構成によれば、媒体残量が少ない旨が報知装置によって報知されている状況下で、印刷の中止を指示する旨がユーザーによって入力されたときには、長尺状の媒体に対する印刷が行われることなく、長尺状の媒体が搬送方向下流に排出される。すなわち、媒体に印刷を施すための印刷材の不要な消費を抑制することが可能となる。
上記印刷装置において、前記制御部は、前記報知処理の実施に基づいた報知を前記報知装置が行っている状況下で、印刷の実施を指示する旨が入力されたときには、前記印刷データに基づいた印刷処理を開始し、長尺状の媒体の後端まで印刷が行われると同印刷処理を中止し、その後、長尺状の媒体を搬送方向下流に排出させる処理を実施する。
上記構成によれば、媒体残量が少ない旨が報知装置によって報知されている状況下で、印刷の実施を指示する旨がユーザーによって入力されたときには、長尺状の媒体に対する印刷が開始されるものの、同長尺状の媒体の後端まで印刷が行われると、印刷処理が中止され、長尺状の媒体が搬送方向下流に排出される。すなわち、残量の少ない長尺状の媒体に対し、可能な限り印刷を施すことが可能となる。
上記印刷装置は、前記印刷ヘッドよりも搬送方向上流に配置され、一対の搬送ローラーを有する搬送ローラー対と、前記印刷ヘッドよりも搬送方向下流に配置され、一対の排出ローラーを有する排出ローラー対と、を備え、長尺状の媒体への印刷時に選択可能な印刷モードとして、長尺状の媒体を、前記一対の搬送ローラーによって挟持させる一方で、前記一対の排出ローラーによって挟持させない状態で、同長尺状の媒体への印刷を開始させる第1の印刷モードと、長尺状の媒体を、前記一対の搬送ローラーによって挟持させるとともに、前記一対の排出ローラーによって挟持させた状態で、同長尺状の媒体への印刷を開始させる第2の印刷モードと、が用意されており、前記残量算出部は、印刷モードが前記第1の印刷モードである状況下で前記印刷の指示が入力されたときには、長尺状の媒体が、前記一対の搬送ローラーによって挟持され、前記一対の排出ローラーによって挟持されていない状態での前記媒体残量を算出し、印刷モードが前記第2の印刷モードである状況下で前記印刷の指示が入力されたときには、長尺状の媒体が、前記一対の搬送ローラーによって挟持され、前記一対の排出ローラーによって挟持されている状態での前記媒体残量を算出し、前記制御部は、印刷モードが前記第2の印刷モードである状況下で前記印刷の指示が入力された場合において、前記必要長算出部によって算出されている前記媒体必要長が前記残量算出部によって算出されている前記媒体残量よりも大きいときには、印刷モードを前記第2の印刷モードから前記第1の印刷モードに切り替えたと仮定し、この仮定の下での前記媒体残量を仮定媒体残量として算出し、同算出した前記仮定媒体残量が前記媒体必要長以上であるときには、印刷モードを前記第2の印刷モードから前記第1の印刷モードに切り替えれば、前記印刷データに基づいた印刷を長尺状の媒体で完了させることが可能な旨を前記報知装置に報知させる他の報知処理を実施し、前記他の報知処理の実施に基づいた報知を前記報知装置が行っている状況下で、前記第1の印刷モードでの印刷を許可する旨の指令が入力されたときには、前記印刷モードを前記第1の印刷モードに切り替え、前記搬送ローラー対及び前記排出ローラー対によって長尺状の媒体を搬送方向上流に戻し、前記一対の排出ローラーによる長尺状の媒体の挟持を解消させた状態で同長尺状の媒体に対して前記印刷データに基づいた印刷を開始させる。
長尺状の媒体は、保持装置で、ロール状に巻かれた状態で保持されていることがある。この場合、保持装置から送り出された長尺状の媒体はカールしており、印刷時に同長尺状の媒体が印刷ヘッドに接触することがある。そこで、上記構成では、長尺状の媒体への印刷時に選択可能な印刷モードとして、第1の印刷モードに加え、第2の印刷モードが用意されている。そして、第2の印刷モードでの印刷を開始する際には、長尺状の媒体を、一対の搬送ローラーによって挟持させるとともに一対の排出ローラーによって挟持させ、この状態で長尺状の媒体への印刷が開始される。
なお、長尺状の媒体における媒体残量を算出するに際し、第1の印刷モードでの印刷を開始するときには、長尺状の媒体が、一対の搬送ローラーに挟持されている一方で、一対の排出ローラーに挟持されていない状態で、同長尺状の媒体における媒体残量が算出される。その一方で、第2の印刷モードでの印刷を開始するときには、長尺状の媒体が、一対の搬送ローラーに挟持されているとともに、一対の排出ローラーにも挟持されている状態で、同長尺状の媒体における媒体残量が算出される。そのため、第2の印刷モードが選択されているときの媒体残量は、第1の印刷モードが選択されているときの媒体残量よりも小さくなる。
そこで、上記構成では、第2の印刷モードが選択されている状況下で印刷の指示が入力された場合において、媒体残量(以下、「初期媒体残量」ともいう。)が媒体必要長未満であるときには、印刷モードを第2の印刷モードから第1の印刷モードに切り替えたという仮定の下で、長尺状の媒体における媒体残量が、仮定媒体残量として算出される。このように算出された仮定媒体残量は、上記初期媒体残量よりも大きくなる。そして、仮定媒体残量が媒体必要長以上であるときには、他の報知処理が実施され、印刷モードを第2の印刷モードから第1の印刷モードに切り替えれば、印刷データに基づいた印刷を長尺状の媒体で完了させることが可能な旨が報知される。
このような報知が報知装置によってなされている状況下で、印刷モードを切り替えての印刷を許可する旨がユーザーによって入力されたときには、第1の印刷モードに基づいた印刷が開始される。したがって、長尺状の媒体を無駄にすることなく、印刷を行うことが可能となる。
上記印刷装置において、前記取得タイミングは、長尺状の媒体を搬送方向上流に戻すバックフィード処理の開始タイミングである逆流開始タイミングを含み、前記後端判定部は、前記逆流開始タイミングで、前記保持装置から送り出された長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過しているか否かを判定し、前記制御部は、前記後端判定部によって前記逆流開始タイミングでは長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過していないと判定されたときには、前記バックフィード処理を実施する。
長尺状の媒体の後端が案内部よりも搬送方向下流に位置する状況下で同長尺状の媒体が搬送方向上流に戻されると、同長尺状の媒体の後端が案内部と干渉し、媒体が折れ曲がったり、媒体が破損したりする、いわゆるジャム状態に陥る可能性がある。そこで、上記構成では、逆流開始タイミングで長尺状の媒体の後端が案内部を既に通過しているか否かを判定し、同長尺状の媒体の後端が案内部を未だ通過していないときには、バックフィード処理が実施され、長尺状の媒体が搬送方向上流に戻される。したがって、バックフィード処理の実施に伴う上記ジャム状態の発生を抑制することができるようになる。
上記印刷装置において、前記逆流開始タイミングは、印刷対象となる媒体を長尺状の媒体から単票状の媒体への切り替えの指示が入力されたタイミングと、印刷終了後において長尺状の媒体の先端部分の切断が完了した旨が入力されたタイミングと、のうち少なくとも1つを含む。
長尺状の媒体への印刷が可能な印刷装置にあっては、印刷対象の媒体を長尺状の媒体から単票状の媒体に切り替える場合、バックフィード処理の実施により長尺状の媒体の先端を搬送方向上流に戻し、印刷装置から長尺状の媒体を取り除いた上で、単票状の媒体をセット部にセットすることがある。
また、こうした印刷装置では、長尺状の媒体への印刷が完了し、同媒体が搬送方向下流に排出されると、同長尺状の媒体において印刷済みとなった部分(以下、「印刷済み部分」ともいう。)が、ユーザーによって切断される。そして、印刷済み部分を長尺状の媒体から切断したユーザーによって、長尺状の媒体の先端を搬送方向上流に戻す旨の指示が入力されると、バックフィード処理が実施され、長尺状の媒体が搬送方向上流に戻されることがある。
そこで、上記印刷装置における逆流開始タイミングとしては、長尺状の媒体への印刷の終了が決定したタイミングと、印刷終了後において長尺状の媒体の先端部分の切断が完了した旨が入力されたタイミングと、のうち少なくとも1つを挙げることができる。
上記印刷装置は、前記印刷ヘッドよりも搬送方向上流に配置され、一対の搬送ローラーを有する搬送ローラー対と、前記セット部にセットされている媒体を前記搬送ローラー対に向けて給送すべく回転する給送ローラーと、を備え、前記給送ローラーの外周面は、同給送ローラーの回転軸線を中心とする周方向に沿う接触面と、同接触面の周方向における一端と他端とを直線的に繋ぐ非接触面と、を有し、搬送経路上の媒体に前記非接触面が対向する前記給送ローラーの状態を初期状態とし、媒体を搬送方向下流に搬送する際における前記各ローラーの回転方向を正転方向とし、同正転方向の反対方向を逆転方向とした場合、前記初期状態の前記給送ローラーを前記正転方向に1回転させると、媒体の先端が前記搬送ローラー対よりも搬送方向下流に位置し、同媒体が前記一対の搬送ローラーによって挟持されるようになっており、前記制御部は、前記セット部にセットされている長尺状の媒体を給送するときには、前記初期状態の前記給送ローラー及び前記一対の搬送ローラーの前記正転方向への回転を開始させ、前記給送ローラーの1回転が終了すると、同給送ローラーを前記初期状態で保持させ、この状態で前記一対の搬送ローラーを前記逆転方向に回転させることにより同一対の搬送ローラーによる媒体の挟持を解消させる媒体給送処理を実施するようになっており、前記逆流開始タイミングは、前記媒体給送処理の実施時において前記一対の搬送ローラーの前記逆転方向への回転を開始させるタイミングを含む。
長尺状の媒体の給送時に、媒体給送処理が実施される。この媒体給送処理では、給送ローラーの1回転の終了後、一対の搬送ローラーによる長尺状の媒体の挟持が解消されるようにバックフィード処理が実行される。そこで、上記構成では、このバックフィード処理の開始に先立って、長尺状の媒体の後端が案内部を既に通過しているか否かを判定し、同長尺状の媒体の後端が案内部を未だ通過していないときには、バックフィード処理が実施され、長尺状の媒体が搬送方向上流に戻される。したがって、媒体給送処理の実施時では、上記ジャム状態が発生しにくくなる。
上記印刷装置において、前記制御装置は、前記バックフィード処理での長尺状の媒体の搬送方向上流側への逆流量を算出する逆流量算出部を有し、前記制御部は、前記後端判定部によって前記逆流開始タイミングでは長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過していると判定されている状況下で、前記逆流量算出部による算出結果に基づき、長尺状の媒体を前記搬送方向上流に戻しても同長尺状の媒体の後端が前記案内部に達しないと予測されるときには、前記バックフィード処理を実施する。
上記構成によれば、逆流開始タイミングで長尺状の媒体の後端が案内部を既に通過している場合、バックフィード処理の実施によって長尺状の媒体を搬送方向上流に戻したとしても同媒体の後端が案内部に達しないと予測されるときには、バックフィード処理が実施される。すなわち、バックフィード処理を実施しても上記のジャム状態が発生しにくいときには、長尺状の媒体の後端が案内部を通過していたとしても、バックフィード処理が実施される。したがって、バックフィード処理の実施に伴う上記ジャム状態の発生を抑制することができるようになる。
上記印刷装置において、前記制御部は、前記後端判定部によって前記逆流開始タイミングでは長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過していると判定されている状況下で、前記逆流量算出部による算出結果に基づき、長尺状の媒体を前記搬送方向上流に戻すと同長尺状の媒体の後端が前記案内部に達すると予測されるときには、前記バックフィード処理を開始するものの、長尺状の媒体の後端が前記案内部に達する前に同バックフィード処理を終了する。
上記構成によれば、逆流開始タイミングで長尺状の媒体の後端が案内部を既に通過している場合、バックフィード処理の実施に伴って長尺状の媒体を搬送方向上流に戻すと同媒体の後端が案内部に達すると予測されるときには、同媒体の後端が案内部に達しない範囲内で、同媒体が搬送方向上流に戻される。したがって、長尺状の媒体を搬送方向上流に戻す際における上記ジャム状態の発生を抑制することができるようになる。
上記印刷装置は、前記給送ローラーの駆動源である給送モーターと、前記給送モーターの出力軸の一方向への回転を前記給送ローラーに伝達する一方で、前記給送モーターの出力軸の他方向への回転を前記給送ローラーに伝達しないワンウェイクラッチと、を備え、前記給送ローラーは、前記給送モーターの出力軸の一方向への回転が前記ワンウェイクラッチを通じて伝達されると、前記正転方向に回転するようになっており、前記制御部は、前記後端判定部によって前記逆流開始タイミングでは長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過していると判定されている状況下で、搬送方向における前記搬送ローラー対と前記給送ローラーとの間に同長尺状の媒体の後端が位置しているときには、前記媒体給送処理の実施時での前記一対の搬送ローラーの前記逆転方向への回転を禁止し、長尺状の媒体を搬送方向下流に排出させる処理を実施する。
上記構成では、給送モーターと給送ローラーとの間の動力伝達経路にはワンウェイクラッチが設けられており、給送モーターの駆動に基づいた給送ローラーの逆転方向への回転がなされない。そのため、一対の搬送ローラーを逆転方向に回転させることにより、一対の搬送ローラーによる長尺状の媒体の挟持が解消されると、同長尺状の媒体を搬送方向における上流にも下流にも搬送することができなくなるおそれがある。この場合、長尺状の媒体を印刷装置から取り出すことが困難になる。
そこで、上記構成によれば、媒体給送処理の実施時において、長尺状の媒体の後端が搬送方向における給送ローラーと搬送ローラー対との間に位置する場合には、一対の搬送ローラーの逆転方向への回転が禁止され、同長尺状の媒体が搬送方向下流に排出される。そのため、長尺状の媒体を印刷装置から取り出すことが不能となる事象の発生を抑制することができるようになる。
印刷装置の第1の実施形態を示す斜視図。 印刷装置の第1の実施形態を示す斜視図。 同印刷装置の内部構成を示す断面図。 (a)は支持台の概略構成を示す断面図、(b)は支持台の一部の概略構成を示す平面図。 搬送ローラー対、排出ローラー対及びそれらの周辺部材の概略構成を示す模式図。 自動給送装置の構成を示す斜視図。 図3における一部を拡大した図。 ロール紙が搬送される様子を示す断面図。 ロール紙が搬送される様子を示す断面図。 ロール紙が搬送される様子を示す断面図。 メンテナンスユニットと、メンテナンスユニットへの動力伝達経路との概略を示す模式図。 搬送モーターからの動力伝達経路の切り替え態様を説明する模式図。 第2の印刷モードでの印刷開始前の状態を示す断面図。 印刷装置の電気的構成を示すブロック図。 印刷装置の制御装置の機能構成を示すブロック図。 第1の印刷モードでの印刷開始時におけるロール紙の態様を示す模式図。 第2の印刷モードでの印刷開始時におけるロール紙の態様を示す模式図。 第1の報知処理で表示画面に表示される画像を示す模式図。 第2の報知処理で表示画面に表示される画像を示す模式図。 媒体残量と仮定媒体残量との大きさを比較する模式図。 第1の実施形態の印刷装置において、用紙への印刷時に制御装置が実行する処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態の印刷装置において、第1の給送処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態の印刷装置において、第2の給送処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態の印刷装置において、印刷準備処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態の印刷装置において、印刷処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態の印刷装置において、排出処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態の印刷装置において、印刷対象となる用紙をロール紙から単票紙に切り替える旨の指示が入力された際に実行される処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態の印刷装置において、ロール紙の後端検知処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態の印刷装置において、キャリッジロックルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態の印刷装置において、ロック解除ルーチンを説明するフローチャート。 第2の実施形態の印刷装置において、用紙への印刷時に制御装置が実行する処理ルーチンの一部を説明するフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、印刷装置をインクジェット式プリンターに具体化した第1の実施形態を図1〜図30に従って説明する。本実施形態の印刷装置は、単票状の媒体の一例である単票紙に加え、長尺状の媒体の一例であるロール紙に対しても印刷することのできる装置である。なお、図3においては、左方が「前方」であり、右方が「後方」である。また、図3における上下方向のことを、単に「上下方向」ということもある。
図1及び図2に示すように、印刷装置10は、直方体状をなす筐体11と、この筐体11の後面に着脱自在に取り付けられているロール紙ユニット20とを備えている。このロール紙ユニット20が、ロール紙P2を保持する「保持装置」の一例に相当する。ロール紙ユニット20には、ユニットケース21と、ユニットケース21内に収容されているロール紙P2を支持する支持軸22とが設けられている。そして、図1に示す矢印方向に支持軸22を回転させることによりロール紙P2がユニットケース21外に送り出される。なお、ロール紙ユニット20から筐体11内に送り出されたロール紙P2は、上方に凸となるようにカールしている。
筐体11の前部には、前後方向及び上下方向の双方とほぼ直交する方向である走査方向に延びる軸線を中心に回動する前面パネル12が設けられている。この前面パネル12の下部が、回動可能な状態で筐体11に支持されている。図1に示すように筐体11の前部を閉塞する前面パネル12の状態を「閉じ状態」といい、図2に示すように筐体11の前部を開放した前面パネル12の状態を「開き状態」という。そして、前面パネル12が開き状態である場合、前面パネル12が、筐体11内から前方に排出された単票紙P1やロール紙P2などの用紙Pが載置されるスタッカー(排出トレイ)として機能する。
また、筐体11の上部には、走査方向に延びる軸線を中心に回動する上面パネル13が設けられている。この上面パネル13の後部が、回動可能な状態で筐体11に支持されている。図1に示すように筐体11の上部を閉塞する上面パネル13の状態を「閉じ状態」といい、図2に示すように筐体11の上部を開放した上面パネル13の状態を「開き状態」という。そして、上面パネル13が開き状態である場合、上面パネル13が、印刷前の単票紙P1を保持する給送トレイとして機能する。
また、図2に示すように、筐体11の上部には、ユーザーインターフェースである操作装置14が設けられている。この操作装置14は、上面パネル13を開き状態にしたときに露出する。こうした操作装置14には、表示画面141と、操作ボタンなどで構成される被操作部142とが設けられている。この表示画面141は、回動可能な状態で筐体11の上部に取り付けられている。そして、ユーザーによって被操作部142が操作されることにより、印刷装置10が駆動する。
なお、本実施形態の印刷装置10にあっては、印刷されたロール紙P2の先端部分であるロール紙P2の印刷済み部分を、ユーザーがはさみなどの切断手段によってロール紙P2から切断するようになっている。そして、印刷済み部分がロール紙P2から切断され、その後、ユーザーによる被操作部142の操作によって、ロール紙P2を搬送方向上流に戻すための指示が制御装置に入力されると、バックフィード処理が実施され、ロール紙P2が筐体11内に戻される。
図3に示すように、筐体11内には、用紙Pを搬送経路に沿って搬送する搬送ユニット50と、搬送途中の用紙Pを支持する支持台40と、支持台40に支持されている用紙Pに対して印刷を施す印刷ユニット30とが設けられている。また、筐体11内には、後述する印刷ヘッド33を含むインク供給系をメンテナンスするメンテナンスユニットもまた設けられている。
まず、図3及び図4を参照し、印刷ユニット30について説明する。
図3及び図4に示すように、印刷ユニット30は、紙面直交方向でもある上記走査方向に延びるガイド部材31と、走査方向に移動可能な状態でガイド部材31に支持されているキャリッジ32と、キャリッジ32に搭載されている印刷ヘッド33とを備えている。印刷ヘッド33は、液体の一例であるインクを噴射するノズルを有している。そして、キャリッジ32を走査方向に移動させつつ印刷ヘッド33からインクを噴射させることにより、用紙Pに対して印刷を施すことができる。なお、キャリッジ32の下面において印刷ヘッド33よりも後側、すなわち印刷ヘッド33よりも搬送方向上流には、用紙Pの端部(前端、後端、側端を含む。)を検知する紙幅センサーSE1が設けられている。
次に、図4を参照し、支持台40について説明する。
図4(a),(b)に示すように、支持台40は、支持台ケース41と、支持台ケース41内に収納されているインク吸収材48とを備えている。また、支持台ケース41において印刷ヘッド33と対向する面(図中上面)である支持面42には、支持台ケース41の内外を連通させる2つの開口43A,43Bが設けられている。これら各開口43A,43Bは、走査方向でもある支持台ケース41の幅方向に延びている。そして、開口43A,43Bのうち、後方でもある搬送方向上流(図4(a)では右側)に位置する上流開口43Aは、印刷ヘッド33の搬送方向上流端(図4(a)では右端)と搬送方向で重なっている。一方、前方でもある搬送方向下流側(図4(a)では左側)に位置する下流開口43Bは、印刷ヘッド33の搬送方向下流端(図4(a)では左端)と搬送方向で重なっている。すなわち、本実施形態の印刷装置10にあっては、用紙Pに対する縁なし印刷が可能となっている。そして、縁なし印刷時に印刷ヘッド33から噴射されたインクのうち、用紙Pに付着しないインクはインク吸収材48に吸収される。
また、図4(b)に示すように、上流開口43Aよりも搬送方向上流に位置する支持面42には、搬送方向に延びる複数の上流リブ44が走査方向に並んだ状態で設けられている。また、上流開口43Aと下流開口43Bとの間に位置する支持面42には、搬送方向に延びる複数の中間リブ45が走査方向に並んだ状態で設けられている。また、下流開口43Bよりも搬送方向下流に位置する支持面42には、搬送方向に延びる複数の下流リブ46が走査方向に並んだ状態で設けられている。そして、支持台40では、上流リブ44、中間リブ45及び下流リブ46によって用紙Pが支持される。
次に、図3及び図5〜図7を参照し、搬送ユニット50について説明する。
図3に示すように、搬送ユニット50は、自動給送装置60と、自動給送装置60よりも搬送方向下流(図中左側)に位置する搬送ローラー対51と、搬送ローラー対51よりも搬送方向下流に位置する排出ローラー対52とを備えている。搬送ローラー対51は、支持台40及び紙幅センサーSE1よりも搬送方向上流(図中右側)に配置されている一方、排出ローラー対52は、支持台40よりも搬送方向下流に配置されている。
図3及び図5に示すように、こうした各ローラー対51,52は、搬送モーター53からの動力に基づき回転する駆動ローラー511,521と、駆動ローラー511,521の回転に伴って従動回転する従動ローラー512,522とを有している。すなわち、本実施形態の印刷装置10では、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512が「搬送ローラー」に相当し、排出ローラー対52を構成する一対のローラー521,522が「排出ローラー」に相当する。そして、ローラー対51,52を構成する駆動ローラー511,521と従動ローラー512,522とにより用紙Pを挟持(ニップ)させた状態で搬送モーター53からの動力によって駆動ローラー511,521が回転されると、ローラー対51,52によって用紙Pが搬送される。
なお、これら各ローラー511,512,521,522は、搬送モーター53の駆動態様に基づき正逆両方向に回転可能である。そして、用紙Pを搬送方向下流に搬送する際の各ローラー511,512,521,522の回転方向を「正転方向」といい、用紙Pを搬送方向上流に戻す際の各ローラー511,512,521,522の回転方向を「逆転方向」ということもある。また、各ローラー511,512,521,522を正転方向に回転させるための搬送モーター53の駆動を「正転駆動」といい、各ローラー511,512,521,522を逆転方向に回転させるための搬送モーター53の駆動を「逆転駆動」ということもある。
図5に示すように、搬送ローラー対51にあっては、上側に位置する従動ローラー512の回転軸(軸心)は、下側に位置する駆動ローラー511の回転軸(軸心)よりもやや搬送方向下流(図中左側)に位置している。また、駆動ローラー511と従動ローラー512との接触点は、支持台40よりも上方に位置している。これにより、搬送ローラー対51からは、前斜め下方に位置する支持台40の上流リブ44に向けて用紙Pが突出する。そのため、搬送ローラー対51によって送り出された用紙Pが上流リブ44に接触すると、用紙Pの搬送方向は、上流リブ44、中間リブ45及び下流リブ46が並ぶ方向である前方に変更される。なお、搬送ローラー対51の駆動ローラー511の直径は、「4mm」である。
図3及び図6に示すように、自動給送装置60は、用紙Pがセットされるセット部の一例であるホッパー61を備えている。このホッパー61の走査方向における両端には外方に突出する支軸62が設けられており、ホッパー61は、支軸62を中心に傾動可能となっている。具体的には、ホッパー61は、支軸62を軸心とし、その下部が上下方向に変位するように傾動するようになっている。
図3に示すように、このホッパー61は、用紙の搬送経路における最上流に位置している。そのため、ホッパー61には、開き状態の上面パネル13にセットされた単票紙P1の載置が可能であるとともに、ロール紙ユニット20から送り出されたロール紙P2のセットが可能である。
なお、自動給送装置60には、ホッパー61にセットされている用紙Pを検知するセット検知センサーSE2が設けられている。このセット検知センサーSE2は、ホッパー61の下部の上方に配置されている。そのため、用紙Pの先端がホッパー61の下部に達していない場合、セット検知センサーSE2は、用紙Pを検知することができない。そして、セット検知センサーSE2によって用紙Pが検知されている場合、ホッパー61にセットされている用紙Pを、後述する給送ローラー64の回転によって搬送方向下流に給送することが可能となっている。
ここで、図3及び図7に示すように、印刷装置10の筐体11内においてホッパー61よりも上斜め後方には、ロール紙ユニット20から送り出されたロール紙P2をホッパー61上に導くための案内部の一例である挿入部15が設けられている。この挿入部15は、筐体11の後面11aに開口する挿入口16と、ロール紙P2をホッパー61に導くための導入口17とを有している。すなわち、挿入口16を通じて挿入部15内に挿入されたロール紙P2は、導入口17を通じてホッパー61上に向けて送り出され、その後、ホッパー61上にセットされる。
なお、挿入部15内には、挿入口16及び導入口17を通じて外部と連通する挿入室18が形成されている。すなわち、ロール紙P2は、挿入口16を通じて挿入室18内に進入し、導入口17を通じて挿入室18外に導出される。そして、挿入部15には、ロール紙P2の挿入室18内の通過を検知する長尺媒体検知センサーの一例であるロール紙検知センサーSE3が設けられている。
図3及び図6に示すように、ホッパー61の下部よりもやや前斜め上方には、ホッパー61の幅方向とほぼ一致する走査方向に延びる回転軸63と、回転軸63に固定されている給送ローラー64とが設けられている。この給送ローラー64の外郭形状は、略「D」字状をなしている。すなわち、給送ローラー64の外周面は、回転軸63を中心とする周方向に沿うとともにホッパー61上の用紙Pに接触可能な接触面641と、接触面641の周方向における一端と他端とを直線的に繋ぐとともにホッパー61上の用紙Pに接触不能な非接触面642とを有している。この接触面641の周方向における長さは、給送ローラー64から搬送ローラー対51までの用紙の搬送経路の長さよりも長い。なお、給送ローラー64の直径は、「22mm」である。
また、給送ローラー64に対向する位置には、給送ローラー64とともに用紙Pを搬送方向下流に送り出すリタードローラー65が設けられている。このリタードローラー65は、トルクリミッターなどのトルク制限機構によって一定の回転負荷が付与されているとともに、ばねなどの付勢部材によって給送ローラー64側に付勢されている。また、リタードローラー65の外周面は、給送ローラー64の接触面641とは接触可能である一方で、非接触面642とは接触不能である。そして、リタードローラー65の外周面が給送ローラー64の接触面641に接触している状態で給送ローラー64が回転されると、リタードローラー65は、給送ローラー64の回転に連動して従動回転する。すなわち、給送ローラー64とリタードローラー65とにより用紙Pを挟持(ニップ)した状態でローラー64,65が回転すると、用紙Pが搬送方向下流に位置する搬送ローラー対51に向けて給送される。なお、用紙Pを搬送方向下流に給送するためのローラー64,65の回転方向を「正転方向」といい、ローラー64,65の正転方向とは反対方向を「逆転方向」というものとする。
リタードローラー65の回転軸は、給送ローラー64の回転軸よりもやや搬送方向上流(図3ではやや右側)に位置している。そのため、給送ローラー64とリタードローラー65とにより用紙Pを挟持(ニップ)した状態でローラー64,65が正転方向に回転すると、用紙Pは、図3における左斜め下方に給送される。
ちなみに、搬送方向における給送ローラー64と搬送ローラー対51との間には、用紙の搬送経路上における用紙Pの有無を検知する用紙端部検知センサーSE4が設けられている。
また、用紙の搬送経路には、当該搬送経路に沿った用紙Pの搬送を下方からガイドする媒体ガイド部材の一例であるガイド形成部材66が設けられている。このガイド形成部材66は、給送ローラー64とリタードローラー65とによって用紙Pを挟持する点であるニップ点よりも搬送方向下流に位置する媒体案内面67を有している。この媒体案内面67は、搬送方向における給送ローラー64から搬送ローラー対51への用紙Pの給送をガイドする面である。こうした媒体案内面67は、搬送方向下流ほど下方に位置するように形成された斜状部位671と、この斜状部位671の搬送方向下流端に接続されているフラット部位672とを有している。このフラット部位672は、印刷装置10が設置されている設置面とほぼ平行な面となっている。
また、媒体案内面67の上方には、媒体ガイド板68が設けられている。こうした媒体ガイド板68などにより、搬送方向における給送ローラー64とリタードローラー65との間での用紙Pの浮き上がりが抑制される。
また、図6に示すように、自動給送装置60は、筐体11内における走査方向一端の領域に配置される給送モーター70と、給送モーター70からの動力を回転軸63に伝達するための動力伝達機構71とを備えている。この動力伝達機構71には、給送モーター70の出力軸に固定されているピニオン72と、ピニオン72と歯合する第1の二段歯車73と、第1の二段歯車73と歯合する第2の二段歯車74と、第2の二段歯車74と歯合するワンウェイクラッチ75とが設けられている。
各二段歯車73,74は、大径部731,741と小径部732,742とを有しており、小径部732,742は大径部731,741と同軸配置されている。そして、第1の二段歯車73の大径部731がピニオン72と歯合しているとともに、第1の二段歯車73の小径部732が第2の二段歯車74の大径部741と歯合している。また、第2の二段歯車74の大径部741にはワンウェイクラッチ75の駆動側の部材が歯合している。そして、このワンウェイクラッチ75の従動側の部材が、回転軸63に連結されている。
給送ローラー64及び回転軸63を正転方向に回転させるための給送モーター70の駆動を「正転駆動」とし、給送ローラー64及び回転軸63を逆転方向に回転させるための給送モーター70の駆動を「逆転駆動」というものとする。この場合、ワンウェイクラッチ75は、給送モーター70が正転駆動しているときには給送モーター70からの動力を回転軸63に伝達する。これにより、回転軸63及び給送ローラー64が正転方向に回転する。一方、ワンウェイクラッチ75は、給送モーター70が逆転駆動しているときには給送モーター70からの動力を回転軸63に伝達しない。これにより、給送モーター70が逆転駆動しても、回転軸63及び給送ローラー64が逆転方向に回転しない。
また、ワンウェイクラッチ75の近傍には、所定角度範囲内で回動可能なトリガーレバー76が設けられている。このトリガーレバー76は、回転軸63、すなわち給送ローラー64の回転と連動して回動する。こうしたトリガーレバー76の先端が、ワンウェイクラッチ75の外周上の1箇所と係止可能となっている。そして、給送ローラー64が1回転する度にトリガーレバー76がワンウェイクラッチ75と係止することにより、給送ローラー64は、所定の初期状態で停止する。給送ローラー64の初期状態とは、給送ローラー64の外周面における非接触面642がリタードローラー65の外周面と対向し、搬送経路上の用紙Pと給送ローラー64とが接触しない状態(例えば、図3に示す状態)のことである。
なお、給送ローラー64は、ワンウェイクラッチ75とは独立してフリーで逆転方向に回転することができるようになっている。ただし、給送モーター70からの動力がワンウェイクラッチ75に伝達されていない状態で、逆転方向に回転させる方向への外力が給送ローラー64に加わった場合、ワンウェイクラッチ75を構成する給送モーター70側の部材、すなわち上記駆動側の部材が回転しにくいため、ワンウェイクラッチ75が一種のトルク制限機構として作用する。すなわち、ワンウェイクラッチ75によって給送ローラー64が逆転方向に回転しにくくなっている。しかし、給送モーター70を逆転駆動させ、同給送モーターからの動力を動力伝達機構71に伝達させると、ワンウェイクラッチ75を構成する給送モーター70側の部材が逆転方向に回転するため、ワンウェイクラッチ75から回転軸63に付与される負荷が低減される。その結果、逆転方向に回転させるための外力が給送ローラー64に付与されているときには、給送モーター70が駆動していない場合と比較して、給送ローラー64が逆転方向に回転しやすくなる。
筐体11内での走査方向における両端側の領域のうち、上記の動力伝達機構71が配置されている領域を一端側の領域とした場合、走査方向の他端側の領域には、回転軸63の回転をホッパー61に伝達するためのカム機構77が設けられている。このカム機構77は、回転軸63に設けられているカム78と、ホッパー61に設けられているカムフォロア79とを備えている。このカムフォロア79は、カム78と係合可能に構成されている。そして、カム78がカムフォロア79に係合している場合、ホッパー61は、その下部が下方に位置する状態で待機している。しかし、回転軸63の正転方向への回転によってカム78とカムフォロア79との係合が解消されると、ホッパー61の背面側に配置されている付勢部材からの付勢力によって、ホッパー61は、その下部が上方に移動するように傾動する。その後、回転軸63の正転方向への更なる回転によってカム78がカムフォロア79に係合されると、上記付勢部材からの付勢力に抗して回転軸63の正転方向への回転に連動し、ホッパー61は、その下部が下方に移動するように傾動する。
次に、図7〜図10を参照して、搬送ユニット50の動作について説明する。なお、ここでは、ロール紙P2を搬送する様子について説明する。
図7に示すように、ホッパー61上にロール紙P2がセットされると、セット検知センサーSE2によって、ホッパー61にロール紙P2がセットされたことが検知される。そして、この状態で給送モーター70の正転駆動が開始されると、給送モーター70からの動力が動力伝達機構71を通じて回転軸63に伝達され、回転軸63及び給送ローラー64が正転方向に回転し始める。すると、トリガーレバー76が回動し、トリガーレバー76とワンウェイクラッチ75との係止が解消される。
また、図8に示すように、回転軸63が正転方向に回転しているときには、カム機構77が駆動する。そして、カム機構77において、カム78とカムフォロア79との係合が解消されると、ホッパー61は、その下部が上方に移動するように傾動する。また、このようにホッパー61が傾動したときにおいては、ホッパー61が給送ローラー64の接触面641に接触可能となっている。そのため、ホッパー61によって、ロール紙P2の先端が給送ローラー64の接触面641に押し付けられる。
そして、給送ローラー64の正転方向への回転によって、ロール紙P2が搬送方向下流に送り出され、図9に示すように、このロール紙P2が給送ローラー64とリタードローラー65とにより挟持されるようになる。すると、給送ローラー64とリタードローラー65との正転方向への回転によって、ロール紙P2が搬送方向下流に位置する搬送ローラー対51に向けて給送される。なお、ロール紙P2の先端が搬送ローラー対51に到達する前に、用紙端部検知センサーSE4によってロール紙P2が検知される。
給送ローラー64及びリタードローラー65の正転方向への回転によってロール紙P2が給送されている場合、搬送モーター53の駆動によって、搬送ローラー対51及び排出ローラー対52を構成する各ローラー511,512,521,522が、給送ローラー64の正転方向への回転に連動して回転している。そして、ロール紙P2の先端が搬送ローラー対51の位置に達すると、搬送ローラー対51を構成する各ローラー511,512によってロール紙P2が挟持され、このロール紙P2が、各ローラー511,512の正転方向への回転によって支持台40に向けて搬送される。
その後、図10に示すように、給送ローラー64の正転方向への1回転が完了されると、トリガーレバー76がワンウェイクラッチ75に係止され、給送モーター70の駆動が停止される。そして、給送ローラー64は、初期状態で保持される。この状態では、給送ローラー64とリタードローラー65とによるロール紙P2の挟持が解消されている。
次に、図11及び図12を参照して、上記のメンテナンスユニット90について説明する。
図11に示すように、メンテナンスユニット90は、筐体11内のホームポジション領域HPに配置されている。支持台40に対向する領域を、支持台40に支持されている用紙Pに対して印刷ヘッド33によってインクを付着させることのできる印刷領域PPとした場合、ホームポジション領域HPは、走査方向において印刷領域PPよりも外側(図中右側)に位置する領域である。
メンテナンスユニット90は、印刷ヘッド33のノズルを保護するためのキャップ91と、キャリッジ32の走査方向への移動を禁止させるためのロック部材92と、キャップ91及びロック部材92の双方を上下動させるための昇降機構93とを備えている。キャップ91及びロック部材92は、上下方向への移動、すなわち昇降が可能に構成されている。そして、下方に位置する退避位置から上方に位置するキャッピング位置にキャップ91が上昇されると、キャップ91が印刷ヘッド33に接触し、印刷ヘッド33のノズルがキャップ91によって保護されるようになる。また、下方に位置する退避位置から上方に位置するロック位置にロック部材92が移動されると、キャリッジ32に設けられているロック穴321内にロック部材92の先端が進入する。これにより、キャリッジ32の走査方向への移動が禁止される。
昇降機構93は、搬送モーター53から動力が伝達されることにより駆動する。搬送モーター53から昇降機構93への動力伝達経路には、伝達経路切替機構94が設けられている。この伝達経路切替機構94は、例えば、走査方向においてキャップ91及びロック部材92よりも支持台40から離れた位置(図中右側)に配置されている。
伝達経路切替機構94は、キャリッジモーター34の駆動に基づいて走査方向に移動するキャリッジ32によって、搬送モーター53からの動力の伝達経路を切り替える機構である。すなわち、伝達経路切替機構94を構成する切替レバーにキャリッジ32を接触させることにより、動力の伝達経路が切り替えられる。
例えば、図11及び図12に示すように、伝達経路切替機構94によって選択可能な経路として、昇降機構93に動力を伝達するための第1の経路と、昇降機構93以外の他の機構95に動力を伝達するための第2の経路と、何れの機構93,95にも動力を伝達させないための第3の経路とが予め用意されている。そして、伝達経路切替機構94によって第1の経路が選択されている場合、搬送モーター53からの動力が昇降機構93に伝達される一方で、他の機構95には伝達されない。なお、用紙Pの搬送を行う際には、伝達経路切替機構94によって第3の経路が選択される。
ただし、伝達経路切替機構94によって何れの経路が選択されている場合であっても、搬送モーター53からの動力は、搬送ローラー対51及び排出ローラー対52の双方に伝達される。例えば、伝達経路切替機構94によって第1の経路が選択され、搬送モーター53からの動力によって昇降機構93を駆動させているときでも、搬送ローラー対51及び排出ローラー対52を構成する各ローラー511,512,521,522が回転するようになっている。
ここで、本実施形態の印刷装置10におけるロール紙P2への印刷に関しては、第1の印刷モードと、第2の印刷モードとが用意されている。第1の印刷モードは、ロール紙P2の先端が排出ローラー対52まで達しておらず、排出ローラー対52を構成する一対のローラー521,522によってロール紙P2が挟持されていない状態で印刷を開始するモードである。一方、第2の印刷モードは、図13に示すように、ロール紙P2の先端が排出ローラー対52まで達しており、一対のローラー521,522によってロール紙P2が挟持されている状態で印刷を開始するモードである。
第1の印刷モードで印刷を行うか、第2の印刷モードで印刷を行うかについては、ユーザーによって選択することができる。そして、第2の印刷モードでの印刷では、ロール紙P2の先端部分を印刷に使用できず、ロール紙P2を余分に消費してしまうものの、第1の印刷モードによる印刷時と比較して印刷時におけるロール紙P2と印刷ヘッド33との接触が生じにくくなる。
次に、図14を参照して、本実施形態の印刷装置10の制御装置について説明する。
図14に示すように、制御装置100には、上記の各種のセンサーSE1〜SE4に加え、キャリッジ32用のリニアエンコーダーSE5と、搬送モーター53用のロータリーエンコーダーSE6と、給送モーター70用のロータリーエンコーダーSE7とが電気的に接続されている。リニアエンコーダーSE5は、キャリッジ32の移動速度、移動量及び移動方向を検出する。ロータリーエンコーダーSE6,SE7は、対象となるモーターの出力軸の回転速度、回転量及び回転方向を検出する。なお、ロータリーエンコーダーSE6は、円盤状をなすスケールと、発光部及び受光部を含む検出系とを有している。そして、ロータリーエンコーダーSE6のスケールの直径は、「22mm」であり、給送ローラー64の直径と等しい。
また、制御装置100には、情報の送受信が可能な状態で操作装置14が接続されている。さらに、制御装置100には、パーソナルコンピューターやモバイル端末などの外部装置と専用のインターフェースを通じて通信可能となっている。そして、制御装置100は、ユーザーによる操作装置14の被操作部142の操作に基づいた指令や外部装置から受信した指令及び印刷データPDに基づいて印刷装置10を制御する。
図14に示すように、制御装置100は、コンピューター110、ヘッド駆動回路121及びモーター駆動回路122,123,124を備えている。ヘッド駆動回路121は、コンピューター110(詳しくは、後述するASIC112)によって生成されたヘッド制御データが入力されると、このヘッド制御データに応じて印刷ヘッド33のノズルからインクを噴射させる。また、モーター駆動回路122はキャリッジモーター34用の回路であり、モーター駆動回路123は搬送モーター53用の回路であり、モーター駆動回路124は給送モーター70用の回路である。
コンピューター110は、CPU111、ASIC112(Application Specific IC(特定用途向けIC))、不揮発性メモリー113及びRAM114を有している。不揮発性メモリー113には、CPU111によって実行される各種のプログラム及び必要な設定データなどが記憶されている。RAM114には、CPU111が実行するプログラムや各種の演算結果などのデータが一時的に記憶される。
CPU111は、不揮発性メモリー113から読み出したプログラムを実行し、印刷装置10での用紙の搬送制御を含む印刷制御を実施する。CPU111は、印刷制御の中で、各モーター駆動回路122〜124を介してキャリッジモーター34、搬送モーター53及び給送モーター70の駆動を制御する。このとき、CPU111は、エンコーダーSE5〜SE7によって検出される情報に基づき、モーター34,53,70の駆動を制御する。また、CPU111は、被操作部142からの入力情報に基づく各種の処理を実施したり、表示駆動回路を介して表示画面141にメニュー画面や設定画面などを表示させる表示制御を実施したりする。
ASIC112は、印刷データPDに含まれる画像データに基づいて印刷ヘッド33からインクを噴射させるために必要なヘッド制御データを生成し、このヘッド制御データをヘッド駆動回路121に出力する。
次に、図15〜図20を参照して、制御装置100の機能構成について説明する。
図15に示すように、制御装置100は、ソフトウェア及びハードウェアのうち少なくとも一方によって構成される機能部として、後端判定部210、残量算出部220、必要長算出部230、逆流量算出部260及び制御部240を備えている。
後端判定部210は、所定の取得タイミングで、ロール紙P2の後端が挿入部15を通過しているか否かを、ロール紙検知センサーSE3による検知結果に基づいて判定する。詳しくは、後端判定部210は、ロール紙検知センサーSE3によってロール紙P2が検知できていないときに、ロール紙P2の後端が既に挿入部15を通過していると判定する。そして、後端判定部210は、ロール紙P2の後端が挿入部15を通過しているか否かに関する判定情報を残量算出部220及び制御部240に出力する。
なお、上記の取得タイミングは、印刷データPDと共に印刷指示が入力されるタイミングである印刷開始指示タイミングと、ロール紙P2を搬送方向上流に戻すバックフィード処理の開始タイミングである逆流開始タイミングとを含んでいる。こうした逆流開始タイミングとしては、以下に示すタイミングを挙げることができる。
(タイミング1)印刷対象となる用紙をロール紙P2から単票紙P1に切り替える旨の指示が入力されたタイミング。
すなわち、当該指示が入力されると、ロール紙P2を搬送方向上流に戻すバックフィード処理が実施され、筐体11内からロール紙P2を取り除くことが可能となる。そして、筐体11内から取り除かれたロール紙P2は、ユーザーによってロール紙ユニット20に戻される。
(タイミング2)印刷終了後においてロール紙P2の印刷済み部分の切断が完了した旨が入力されたタイミング。
(タイミング3)ロール紙P2を搬送方向下流に給送する第1の給送処理を終了させるに際し、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512によるロール紙P2の挟持を解消させるべく一対のローラー511,512の逆転方向への回転を開始させるタイミング。なお、このタイミングを含む第1の給送処理については詳述するものとする。
残量算出部220は、ロール紙P2の後端が挿入部15を既に通過している旨の情報が後端判定部210から入力されたときに、ロール紙P2において印刷が可能な領域の長さである媒体残量Yとして算出する。すなわち、媒体残量Yは、印刷の開始予定位置から、ロール紙の後端P2Eまでのロール紙P2の長さである。そして、残量算出部220は、算出した媒体残量Yに関する情報を制御部240に出力する。
なお、媒体残量Yは、選択されている印刷モード(すなわち、第1の印刷モードであるか、第2の印刷モードであるか)に応じて算出される。例えば、図16に示すように、第1の印刷モードが選択されており、排出ローラー対52を構成する一対のローラー521,522によってロール紙P2が挟持されていない場合、印刷の開始予定位置は、ロール紙P2の先端、若しくは先端よりもやや搬送方向上流側の部位である。一方、図17に示すように、第2の印刷モードが選択されており、排出ローラー対52を構成する一対のローラー521,522によってロール紙P2が挟持されている場合、印刷の開始予定位置は、印刷ヘッド33の搬送方向下流端よりもやや搬送方向上流側の部位である。そのため、図16及び図17に示すように、第2の印刷モードが選択されているときの媒体残量Yは、第1の印刷モードが選択されているときの媒体残量Yよりも小さくなる。
図15に示すように、必要長算出部230は、入力された印刷データPDを解析し、印刷に必要な用紙の長さである媒体必要長Zを算出する。ここでいう「印刷に必要な用紙の長さ」とは、搬送方向においる長さのことである。そして、必要長算出部230は、算出した媒体必要長Zに関する情報を制御部240に出力する。
逆流量算出部260は、バックフィード処理の開始に先立って、今回のバックフィード処理によってロール紙P2を搬送方向上流に戻す量である逆流量Bを算出する。そして、逆流量算出部260は、算出した逆流量Bに関する情報を制御部240に出力する。
制御部240は、表示制御部241、入力処理部242及び印刷制御部250を有している。
表示制御部241は、表示画面141の表示態様を制御する。また、表示制御部241には、印刷制御部250から入力された情報に基づき、ユーザーに報知すべき内容の画像を形成し、同画像を表示画面141に表示させる。この点で、本実施形態の印刷装置10では、表示画面141により、「報知装置」の一例が構成される。
ここで、印刷制御部250から入力される上記の情報としては、選択されている印刷モード(すなわち、第1の印刷モードであるか第2の印刷モードであるか)、及び、ロール紙P2の残量が不足しているか否かなどが含まれている。すなわち、残量算出部220によって算出された媒体残量Yが、必要長算出部230によって算出された媒体必要長Z以上であるときには、ロール紙P2の残量が不足していないと判断することができる一方、媒体残量Yが媒体必要長Z未満であるときには、ロール紙P2の残量が不足していると判断することができる。そして、ロール紙P2の残量が不足していると判断された場合、その旨が表示画面141によって報知されるようになっている。
例えば、第1の印刷モードが選択されている状況下でロール紙P2の残量が不足していると判断されている場合、表示制御部241は、図18に示す画像を表示画面141に表示させる第1の報知処理(報知処理の一例)を実施する。この場合、表示制御部241は、印刷の中止、又は印刷の強制実行の選択をユーザーに促す。そして、ユーザーによる被操作部142の操作によって選択された指示を特定する情報が入力処理部242に入力される。
また、第2の印刷モードが選択されている状況下でロール紙P2の残量が不足していると判断されている場合、表示制御部241は、図19に示す画像を表示画面141に表示させる第2の報知処理(他の報知処理の一例)を実施することがある。このように第2の報知処理を実施する場合、表示制御部241は、印刷の中止、印刷の強制実行、又は印刷モードを切り替えての印刷の実行の選択をユーザーに促している。そして、ユーザーによる被操作部142の操作によって選択された指示を特定する情報が入力処理部242に入力される。
なお、第2の印刷モードが選択されている場合、第1の印刷モードが選択されている場合と比較して、媒体残量Yが小さくなる(図16及び図17参照)。言い換えると、印刷モードを第2の印刷モードから第1の印刷モードに変更し、媒体残量を再計算させた場合、図20に示すように、その再計算結果である仮定媒体残量YAは、第2の印刷モードが選択されている状況下で算出された媒体残量Yよりも大きくなる。そして、このように算出した仮定媒体残量YAが媒体必要長Z以上になることがある。この場合、印刷モードを第2の印刷モードから第1の印刷モードに切り替えれば、印刷データPDに基づいた印刷をロール紙P2で完了させることが可能となる。そこで、第2の印刷モードが選択されている状況下でロール紙P2の残量が不足していると判断されている場合、印刷モードを切り替えての印刷の実行の選択が可能となる。
ただし、上記のように仮定媒体残量YAを算出したとしても、この仮定媒体残量YAが媒体必要長Z未満となり、ロール紙P2の残量が不足していると判断されることがある。この場合、第2の印刷モードが選択されている状況下であっても、表示制御部241は、図18に示す画像を表示画面141に表示させる第1の報知処理を実施する。
図15に示すように、入力処理部242には、ユーザーによる被操作部142の操作に応じた情報が入力される。すなわち、入力処理部242には、図18又は図19に示す画像が表示画面141に表示されている場合、ユーザーに選択された指示を特定する情報が入力される。そして、例えばユーザーに選択された指示が、印刷モードを切り替えての印刷の実行である場合、入力処理部242は、印刷モードの変更を指示する旨の情報と、入力されている印刷データPDに基づいた印刷の指示とを印刷制御部250に出力する。また、例えばユーザーに選択された指示が、印刷の強制実行である場合、入力処理部242は、印刷の開始の指示と、ロール紙の後端P2Eへの印刷が完了した時点で印刷を中止し、ロール紙P2を搬送方向下流に排出させる旨の指示を印刷制御部250に出力する。また、例えばユーザーに選択された指示が、印刷の中止である場合、入力処理部242は、印刷の中止と、ロール紙P2の搬送方向下流への排出との指示を印刷制御部250に出力する。
印刷制御部250は、印刷判断部251、仮残量算出部252、ヘッド制御部253、搬送制御部254及びキャリッジロック制御部255を有している。
印刷判断部251は、残量算出部220から入力された媒体残量Yと、必要長算出部230から入力された媒体必要長Zとを比較し、印刷データPDに基づいた印刷が可能であるか否かを判断する。すなわち、印刷判断部251は、媒体残量Yが媒体必要長Z以上であるときには、印刷データPDに基づいた印刷が可能であると判断し、印刷の開始を指示する旨の信号をヘッド制御部253及び搬送制御部254に出力する。一方、印刷判断部251は、媒体残量Yが媒体必要長Z未満であるときには、印刷データPDに基づいた印刷が不能であると判断する。そして、選択されている印刷モードが第1の印刷モードである場合、印刷判断部251は、選択されている印刷モード(この場合、第1の印刷モード)を特定する情報、及び、ロール紙P2の残量が不足している旨の情報を表示制御部241に出力する。
その一方で、選択されている印刷モードが第2の印刷モードである場合、印刷判断部251は、上記の仮定媒体残量YAの算出を仮残量算出部252に指示する。仮残量算出部252から算出結果(すなわち、仮定媒体残量YA)が入力されると、印刷判断部251は、仮定媒体残量YAと媒体必要長Zとを比較する。そして、印刷判断部251は、仮定媒体残量YAが媒体必要長Z以上であるときには、選択されている印刷モード(この場合、第2の印刷モード)を特定する情報、及び、ロール紙P2の残量が不足している旨の情報に加え、印刷モードを第1の印刷モードに変更すれば印刷が可能である旨の情報を表示制御部241に出力する。一方、印刷判断部251は、仮定媒体残量YAが媒体必要長Z未満であるときには、選択されている印刷モード(この場合、第2の印刷モード)を特定する情報、及び、ロール紙P2の残量が不足している旨の情報を表示制御部241に出力する。
ヘッド制御部253は、印刷データPDの画像処理を行い、ヘッド制御データを生成する。そして、ヘッド制御部253は、印刷の開始の指示が入力されると、生成したヘッド制御データに基づき、キャリッジ32の走査方向への移動、すなわちキャリッジモーター34の駆動制御と、印刷ヘッド33からのインクの噴射制御とを実施する。
搬送制御部254は、自動給送装置60、搬送ローラー対51及び排出ローラー対52を制御する。すなわち、搬送制御部254は、印刷の開始の指示が入力されると、ヘッド制御部253と協同して印刷制御を実施する。
ここで、詳しくは後述するが、印刷開始の前準備として、ロール紙P2が搬送方向下流に給送する第1の給送処理が実施される。この第1の給送処理には、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512を逆転方向に回転させるバックフィード処理が含まれている。こうしたバックフィード処理の開始直前のタイミングが、逆流開始タイミング(上記のタイミング1)に相当する。そして、このバックフィード処理の開始直前で、ロール紙P2の後端が挿入部15を既に通過していると後端判定部210によって判定されている場合、搬送制御部254は、ロール紙P2の搬送方向上流に戻す量を減らしたり、バックフィード処理を実施しなかったりすることもある。
キャリッジロック制御部255は、ロック部材92によってキャリッジ32の走査方向への移動を禁止させたり、キャリッジ32の走査方向への移動禁止を解除させたりする際におけるキャリッジモーター34及び搬送モーター53の駆動を制御する。すなわち、図12に示すように、昇降機構93を駆動させるべく搬送モーター53が駆動されると、搬送ローラー対51及び排出ローラー対52を構成する各ローラー511,512,521,522が回転する。このとき、一対のローラーによってロール紙P2が挟持されていると、ローラーの回転によってロール紙P2の先端の搬送方向における位置が変わってしまう。そのため、キャリッジロック制御部255は、ロック部材92やキャップ91を昇降させるべく搬送モーター53を駆動させたとしても、ロール紙P2の先端の搬送方向における位置が、ロック部材92やキャップ91の昇降開始前の位置に戻るように調整処理を実施するようになっている。
次に、図21を参照し、用紙Pに印刷を施すために制御装置100が実行する処理ルーチンについて説明する。
図21に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御装置100は、印刷対象となる用紙がロール紙P2であるか単票紙P1であるかを判別する処理を実施する(ステップS1−1)。この判別処理では、セット検知センサーSE2及びロール紙検知センサーSE3の双方によって用紙が検知されているときには、印刷対象となる用紙がロール紙P2であると判別される。一方、セット検知センサーSE2によって用紙が検知されている一方、ロール紙検知センサーSE3によって用紙が検知されていないときに、印刷対象となる用紙が単票紙P1であると判別される。
そして、制御装置100は、印刷対象となる用紙がロール紙P2であるか否かを判定する(ステップS1−2)。印刷対象となる用紙が単票紙P1である場合(ステップS1−2:NO)、制御装置100は、単票状の媒体用の給送処理の一例である通常時給送処理を実施する(ステップS1−3)。すなわち、制御装置100は、給送モーター70及び搬送モーター53を正転駆動させ、初期状態の給送ローラー64及び搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512の正転方向への回転を開始させる。そして、制御装置100は、給送ローラー64の1回転が終了すると、給送モーター70及び搬送モーター53の駆動を停止させ、給送ローラー64を初期状態で保持させる。こうして通常時給送処理が終了すると、制御装置100は、その処理を後述するステップS1−9に移行する。
一方、印刷対象となる用紙がロール紙P2である場合(ステップS1−2:YES)、制御装置100は、媒体給送処理の一例である第1の給送処理を実施する(ステップS1−4)。すなわち、制御装置100は、給送モーター70及び搬送モーター53を正転駆動させ、初期状態の給送ローラー64及び搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512の正転方向への回転を開始させる。そして、制御装置100は、給送ローラー64の1回転が終了すると、給送モーター70及び搬送モーター53の駆動を停止させ、給送ローラー64を初期状態で保持させる。この状態で、制御装置100は、搬送モーター53を逆転駆動させることにより、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512を逆転方向に回転させる。これにより、同一対のローラー511,512によるロール紙P2の挟持が解消される。なお、第1の給送処理の詳細については、図22を用いて後述する。
そして、第1の給送処理が終了すると、制御装置100は、印刷指示が入力されているか否かを判定する(ステップS1−5)。印刷指示が未だ入力されていない場合(ステップS1−5:NO)、制御装置100は、印刷指示が入力されるまでステップS1−5の判定処理を繰り返し実行する。
一方、印刷指示が既に入力されている場合(ステップS1−5:YES)、制御装置100は、図23を用いて後述する第2の給送処理を実施する(ステップS1−6)。そして、第2の給送処理が終了すると、制御装置100は、印刷モードとして、第2の印刷モードが選択されているか否かを判定する(ステップS1−7)。
第1の印刷モードが選択されている場合(ステップS1−7:NO)、制御装置100は、その処理を後述するステップS1−9に移行する。一方、第2の印刷モードが選択されている場合(ステップS1−7:YES)、制御装置100は、擦れ回避用の頭出し処理を実施する(ステップS1−8)。すなわち、制御装置100は、搬送モーター53の正転駆動を開始させることにより、搬送ローラー対51及び排出ローラー対52を構成する各ローラー511,512,521,522を正転方向に回転させる。この状態で、制御装置100は、搬送モーター53用のロータリーエンコーダーSE6によって検出される搬送モーター53の出力軸の回転量に基づき、ロール紙P2の先端の搬送方向における位置を予測する。そして、制御装置100は、ロール紙P2の先端が排出ローラー対52よりも搬送方向下流に位置するようになったと判断すると、搬送モーター53の駆動を停止させ、頭出し処理を終了する。その後、制御装置100は、その処理を後述するステップS1−10に移行する。
ステップS1−9において、制御装置100は、通常時の頭出し処理を実施する。すなわち、制御装置100は、用紙の先端を搬送方向下流に移動させるときには搬送モーター53を正転駆動させる一方、用紙の先端を搬送方向上流に戻すときには搬送モーター53を逆転駆動させる。そして、頭出し処理が終了すると、制御装置100は、その処理を次のステップS1−10に移行する。
ステップS1−10において、制御装置100は、図24を用いて後述する印刷準備処理を実施する。そして、印刷準備処理が終了すると、制御装置100は、図25を用いて後述する印刷処理を実施する(ステップS1−11)。続いて、印刷処理が終了すると、制御装置100は、図26を用いて後述する排出処理を実施し(ステップS1−12)、同処理の終了後に、本処理ルーチンを終了する。
次に、図22を参照し、上記ステップS1−4の第1の給送処理(第1の給送処理ルーチン)について説明する。
図22に示すように、第1の給送処理ルーチンにおいて、制御装置100は、給送モーター70の正転駆動を開始させ(ステップS2−1)、搬送モーター53の正転駆動を開始させる(ステップS2−2)。続いて、制御装置100は、用紙端部検知センサーSE4によってロール紙P2が検知されたか否かを判定する(ステップS2−3)。ロール紙P2が未だ検知されていない場合(ステップS2−3:NO)、制御装置100は、用紙端部検知センサーSE4によってロール紙P2が検知されるまでステップS2−3の判定処理を繰り返し実行する。
一方、ロール紙P2が既に検知されている場合(ステップS2−3:YES)、制御装置100は、給送モーター70及び搬送モーター53の正転駆動を停止させる(ステップS2−4)。そして、制御装置100は、キャリッジモーター34を駆動させ、ロール紙P2の幅方向における中央となる位置にキャリッジ32、すなわち紙幅センサーSE1を配置させる(ステップS2−5)。続いて、キャリッジ32の位置調整が完了すると、制御装置100は、給送モーター70の正転駆動を開始させ(ステップS2−6)、搬送モーター53の正転駆動を開始させる(ステップS2−7)。
なお、本実施形態の印刷装置10では、給送モーター70及び搬送モーター53の駆動を停止させた状態で、キャリッジ32を走査方向に移動させるようにしている。しかし、これに限らず、給送モーター70及び搬送モーター53の正転駆動を継続した状態でキャリッジ32を走査方向に移動させるようにしてもよい。
そして、給送モーター70及び搬送モーター53の双方が正転駆動している状態で、制御装置100は、給送ローラー64が初期状態に戻ったか否か、すなわち給送ローラー64とリタードローラー65とによるロール紙P2の挟持が解消されているか否かを判定する(ステップS2−8)。給送ローラー64が未だ初期状態に戻っていない場合(ステップS2−8:NO)、制御装置100は、給送ローラー64が初期状態に戻るまでステップS2−8の判定処理を繰り返し実行する。
一方、給送ローラー64が既に初期状態に戻っている場合(ステップS2−8:YES)、制御装置100は、給送モーター70及び搬送モーター53の正転駆動を停止させる(ステップS2−9)。そして、制御装置100は、取得タイミングの一例である逆流開始タイミングであるため、ロール紙P2の後端検知処理を実施する(ステップS2−10)。すなわち、制御装置100は、ロール紙検知センサーSE3によってロール紙P2が検知できているときにはロール紙の後端P2Eが挿入部15を未だ通過していないと判断することができる。一方、制御装置100は、ロール紙検知センサーSE3によってロール紙P2が検知できていないときには、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過していると判断することができる。
この後端検知処理が終了すると、制御装置100は、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過しているか否かを判定する(ステップS2−11)。後端P2Eが挿入部15を未だ通過していない場合(ステップS2−11:NO)、制御装置100は、その処理を後述するステップS2−14に移行する。
一方、後端P2Eが挿入部15を既に通過している場合(ステップS2−11:YES)、制御装置100は、図28を用いて後述する逆送判定処理を実施する(ステップS2−12)。すなわち、後述するステップS2−14では、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512によるロール紙P2の挟持を解消させるべく、一対のローラー511,512を逆転方向に回転させてロール紙P2を搬送方向上流に戻すバックフィード処理が実施される。そこで、このステップS2−12では、ステップS2−14での搬送モーター53の駆動予定量を取得し、この駆動予定量が多いほど、ステップS2−14でのロール紙P2の逆流量Bが大きくなると予測される。そして、算出した逆流量Bに基づき、ステップS2−14でのバックフィード処理によってロール紙P2を搬送方向上流に戻した場合にその後端P2Eが、挿入部15に達するか否かが判定される。例えば、把握しているロール紙の後端P2Eの搬送方向における位置と挿入部15との間の間隔と逆流量Bとを比較し、逆流量Bが間隔以上であるときには、後端P2Eが、挿入部15に達する可能性ありと判定することができる。
こうした逆送判定処理が終了すると、制御装置100は、ロール紙P2の逆送、すなわちバックフィードを許可するか否かを判定する(ステップS2−13)。すなわち、ステップS2−14のバックフィード処理を実施してもロール紙の後端P2Eが挿入部15に達しないと予測されるときには、ロール紙P2のバックフィードが許可される。一方、ステップS2−14のバックフィード処理を実施するとロール紙の後端P2Eが挿入部15に達すると予測されるときには、ロール紙P2のバックフィードが許可されない。
そして、ロール紙P2のバックフィードが許可されない場合(ステップS2−13:NO)、制御装置100は、ステップS2−14のニップ解消処理(バックフィード処理の一例)を実施することなく、第1の給送処理ルーチンを終了する。一方、ロール紙P2のバックフィードが許可されている場合(ステップS2−13:YES)、制御装置100は、その処理を後述するステップS2−14に移行する。
ステップS2−14において、制御装置100は、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512によるロール紙P2の挟持を解消させるニップ解消処理を実施する。すなわち、制御装置100は、搬送モーター53を逆転駆動させる。このとき、制御装置100は、ニップ解消処理の開始直前におけるロール紙P2の先端の搬送方向における位置を把握しているため、搬送モーター53用のロータリーエンコーダーSE6によって検出される搬送モーター53の出力軸の回転量に基づき、ロール紙P2の先端の搬送方向における位置を予測することができる。そして、制御装置100は、ロール紙P2の先端が搬送ローラー対51よりも搬送方向上流に位置するようになったと判断すると、搬送モーター53の逆転駆動を停止させ、ニップ解消処理を終了する。その後、制御装置100は、第1の給送処理ルーチンを終了する。
次に、図23を参照し、上記ステップS1−6の第2の給送処理(第2の給送処理ルーチン)について説明する。
図23に示すように、第2の給送処理ルーチンにおいて、制御装置100は、給送モーター70の正転駆動を開始させ(ステップS3−1)、搬送モーター53の正転駆動を開始させる(ステップS3−2)。続いて、制御装置100は、キャリッジ32に搭載されている紙幅センサーSE1によってロール紙P2の先端が検知されたか否かを判定する(ステップS3−3)。ロール紙P2が未だ検知されていない場合(ステップS3−3:NO)、制御装置100は、紙幅センサーSE1によってロール紙P2の先端が検知されるまでステップS3−3の判定処理を繰り返し実行する。
一方、ロール紙P2が既に検知されている場合(ステップS3−3:YES)、制御装置100は、給送モーター70及び搬送モーター53の駆動を停止させる(ステップS3−4)。続いて、制御装置100は、キャリッジモーター34を駆動させることにより、キャリッジ32をロール紙P2の搬送経路外まで退避移動させる(ステップS3−5)。そして、キャリッジ32の退避移動が終了すると、制御装置100は、給送モーター70の正転駆動を開始させ(ステップS3−6)、搬送モーター53の正転駆動を開始させる(ステップS3−7)。
続いて、制御装置100は、給送モーター70用のロータリーエンコーダーSE7による検出結果に基づき、給送ローラー64が初期状態になったか否かを判定する(ステップS3−8)。給送ローラー64が未だ初期状態になっていない場合(ステップS3−8:NO)、制御装置100は、給送ローラー64が初期状態になるまでステップS3−8の判定処理を繰り返し実行する。すなわち、制御装置100は、給送モーター70及び搬送モーター53の正転駆動を継続させる。
一方、給送ローラー64が初期状態になった場合(ステップS3−8:YES)、制御装置100は、給送モーター70及び搬送モーター53の駆動を停止させ、給送ローラー64の初期状態を保持させる(ステップS3−9)。その後、制御装置100は、第2の給送処理ルーチンを終了する。
次に、図24を参照し、上記ステップS1−10の印刷準備処理(印刷準備処理ルーチン)について説明する。
図24に示すように、印刷準備処理ルーチンにおいて、制御装置100は、取得タイミングの一例である印刷開始タイミングであるため、上記ステップS2−10と同様のロール紙P2の後端検知処理を実施する(ステップS4−1)。そして、制御装置100は、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過しているか否かを判定する(ステップS4−2)。後端P2Eが挿入部15を未だ通過していない場合(ステップS4−2:NO)、制御装置100は、その処理を後述するステップS4−6に移行する。
一方、後端P2Eが挿入部15を既に通過している場合(ステップS4−2:YES)、制御装置100は、媒体残量Yを算出し(ステップS4−3)、媒体必要長Zを算出する(ステップS4−4)。そして、制御装置100は、算出した媒体残量Yが媒体必要長Z未満であるか否かを判定する(ステップS4−5)。媒体残量Yが媒体必要長Z以上である場合(ステップS4−5:NO)、制御装置100は、その処理を後述するステップS4−6に移行する。
ステップS4−6において、制御装置100は、指示係数αに「1」をセットする。このように指示係数αに「1」をセットした場合、制御装置100は、ユーザーによって選択されている印刷モード(第1の印刷モード又は第2の印刷モード)に基づいた印刷を行い、この印刷終了後にロール紙P2を搬送方向下流に排出させることを決定する。その後、制御装置100は、印刷準備処理ルーチンを終了する。
一方、媒体残量Yが媒体必要長Z未満である場合(ステップS4−5:YES)、制御装置100は、選択されている印刷モードが第2の印刷モードであるか否かを判定する(ステップS4−7)。第1の印刷モードが選択されている場合(ステップS4−7:NO)、制御装置100は、図18に示す画像を表示画面141に表示させる第1の報知処理を実施する(ステップS4−8)。そして、制御装置100は、第1の報知処理の実施に基づいた表示(報知)を表示画面141が行っている状況下で、印刷中止の指示が入力されたか否かを判定する(ステップS4−9)。印刷中止の指示が入力された場合(ステップS4−9:YES)、制御装置100は、指示係数αに「4」をセットし(ステップS4−10)、印刷準備処理ルーチンを終了する。このように指示係数αに「4」をセットした場合、制御装置100は、印刷を行うことなく、ロール紙P2を搬送方向下流に排出させることを決定する。
一方、第1の報知処理の実施に基づいた表示(報知)を表示画面141が行っている状況下で、印刷の強制実行を指示する旨が入力された場合(ステップS4−9:NO)、制御装置100は、指示係数αに「3」をセットする(ステップS4−11)。このように指示係数αに「3」をセットした場合、制御装置100は、ユーザーによって選択されている印刷モード(第1の印刷モード又は第2の印刷モード)に基づいた印刷を可能な限り行い、ロール紙の後端P2Eへの印刷が完了した時点で印刷を中止させ、ロール紙P2を搬送方向下流に排出させることを決定する。その後、制御装置100は、印刷準備処理ルーチンを終了する。
その一方で、ステップS4−7において、第2の印刷モードが選択されている場合(YES)、制御装置100は、仮定媒体残量YAを算出する(ステップS4−12)。そして、制御装置100は、算出した仮定媒体残量YAが媒体必要長Z以上であるか否かを判定する(ステップS4−13)。仮定媒体残量YAが媒体必要長Z未満である場合(ステップS4−13:NO)、制御装置100は、第2の印刷モードが選択されているにも拘わらず、その処理を前述したステップS4−8に移行し、第1の報知処理を実施する。
一方、仮定媒体残量YAが媒体必要長Z以上である場合(ステップS4−13:YES)、制御装置100は、図19に示す画像を表示画面141に表示させる第2の報知処理を実施する(ステップS4−14)。そして、制御装置100は、第2の報知処理の実施に基づいた表示(報知)を表示画面141が行っている状況下で、印刷中止の指示が入力されたか否かを判定する(ステップS4−15)。印刷中止の指示が入力された場合(ステップS4−15:YES)、制御装置100は、指示係数αに「4」をセットし(ステップS4−10)、印刷準備処理ルーチンを終了する。一方、印刷中止の指示とは異なる他の指示が入力された場合(ステップS4−15:NO)、制御装置100は、その処理を次のステップS4−16に移行する。
ステップS4−16において、制御装置100は、第2の報知処理の実施に基づいた表示(報知)を表示画面141が行っている状況下で、印刷モードを第2の印刷モードから第1の印刷モードに変更しての印刷実行の指示が入力されたか否かを判定する。印刷モードを変更しての印刷実行の指示が入力されている場合(ステップS4−16:YES)、制御装置100は、指示係数αに「2」をセットし(ステップS4−17)、印刷準備処理ルーチンを終了する。このように指示係数αに「2」をセットした場合、制御装置100は、印刷モードを第1の印刷モードに変更して印刷を行い、この印刷終了後にロール紙P2を搬送方向下流に排出させることを決定する。
一方、印刷モードを変更しないでの印刷の強制実行の指示が入力されている場合(ステップS4−16:NO)、制御装置100は、指示係数αに「3」をセットし(ステップS4−11)、印刷準備処理ルーチンを終了する。
次に、図25を参照し、上記ステップS1−11の印刷処理(印刷処理ルーチン)について説明する。
図25に示すように、印刷処理ルーチンにおいて、制御装置100は、上記印刷準備処理で設定された指示係数αが「4」であるか否かを判定する(ステップS5−1)。すなわち、このステップS5−1では、印刷中止が指示されているか否かが判定される。そして、指示係数αが「4」である場合(ステップS5−1:YES)、制御装置100は、印刷データPDに基づいた印刷を行うことなく、印刷処理ルーチンを終了する。一方、指示係数αが「4」ではない場合(ステップS5−1:NO)、制御装置100は、指示係数αが「1」であるか否かを判定する(ステップS5−2)。
指示係数αが「1」である場合(ステップS5−2:YES)、制御装置100は、印刷データPDに基づいた印刷を開始する(ステップS5−3)。そして、制御装置100は、印刷データPDに基づいた印刷が完了したか否かを判定する(ステップS5−4)。印刷が未だ完了していない場合(ステップS5−4:NO)、制御装置100は、印刷が完了するまでステップS5−4の判定処理を繰り返し実行する。一方、印刷が完了している場合(ステップS5−4:YES)、制御装置100は、印刷処理ルーチンを終了する。
その一方で、ステップS5−2において、指示係数αが「1」ではない場合(NO)、制御装置100は、指示係数αが「3」であるか否かを判定する(ステップS5−5)。指示係数αが「2」である場合(ステップS5−5:NO)、制御装置100は、上記ステップS1−9と同様に、通常時の頭出し処理を実施する(ステップS5−6)。すなわち、制御装置100は、搬送モーター53を逆転駆動させ、搬送ローラー対51及び排出ローラー対52を構成する各ローラー511,512,521,522を逆転方向に回転させることにより、ロール紙P2の先端を搬送方向上流に戻す。そして、ロール紙P2の先端を所望する位置まで戻すと、制御装置100は、搬送モーター53の駆動を停止させ、頭出し処理を終了する。これにより、制御装置100は、第1の印刷モードに応じた印刷処理の実施が可能となる。その後、制御装置100は、その処理を前述したステップS5−3に移行し、印刷データPDに基づいた印刷を開始させる。
一方、指示係数αが「3」である場合(ステップS5−5:YES)、制御装置100は、印刷データPDに基づいた印刷を開始する(ステップS5−7)。そして、制御装置100は、ロール紙の後端P2Eへの印刷が完了したか否かを判定する(ステップS5−8)。例えば、このステップS5−8では、キャリッジ32に搭載されている紙幅センサーSE1によって後端P2Eが検知されてからの搬送モーター53の駆動量に基づき、後端P2Eへの印刷が完了したか否かを判断することができる。
後端P2Eへの印刷が未だ完了していない場合(ステップS5−8:NO)、制御装置100は、後端P2Eへの印刷が完了するまでステップS5−8の判定処理を繰り返し実行する。一方、後端P2Eへの印刷が完了した場合(ステップS5−8:YES)、制御装置100は、印刷データPDに基づいた印刷を中止し(ステップS5−9)、印刷処理ルーチンを終了する。
次に、図26を参照し、上記ステップS1−12の排出処理(排出処理ルーチン)について説明する。
図26に示すように、排出処理ルーチンにおいて、制御装置100は、印刷対象となる用紙がロール紙P2であるか否かを判定する(ステップS6−1)。印刷対象となる用紙が単票紙P1である場合(ステップS6−1:NO)、制御装置100は、その処理を後述するステップS6−8に移行する。一方、印刷対象となる用紙がロール紙P2である場合(ステップS6−1:YES)、制御装置100は、上記の印刷準備処理で設定された指示係数αが「1」であるか否かを判定する(ステップS6−2)。指示係数αが「1」ではない場合(ステップS6−2:NO)、制御装置100は、その処理を後述するステップS6−8に移行する。
一方、指示係数αが「1」である場合(ステップS6−2:YES)、制御装置100は、ロール紙P2の排出処理を実施する(ステップS6−3)。この排出処理は、ロール紙P2において印刷の施された印刷済み部分を、ユーザーによってロール紙P2から切断させるべく、ロール紙P2を搬送方向下流に排出させる処理である。こうした排出処理では、搬送モーター53が正転駆動され、搬送ローラー対51及び排出ローラー対52を構成する各ローラー511,512,521,522が正転方向に回転される。そして、印刷済み部分が筐体11の外部に位置するようになると、搬送モーター53の駆動が停止される。
この排出処理が終了すると、制御装置100は、ロール紙における印刷済み部分のロール紙P2からの切り離しが完了した旨の信号が入力されたか否かを判定する(ステップS6−4)。この信号は、ユーザーが被操作部142を操作することにより、操作装置14から制御装置100に入力される。ロール紙P2の切断が完了した旨の信号が未だ入力されていない場合(ステップS6−4:NO)、制御装置100は、当該信号が入力されるまでステップS6−4の判定処理を繰り返し実行する。
一方、ロール紙P2の切断が完了した旨の信号が入力された場合(ステップS6−4:YES)、制御装置100は、上記ステップS1−10と同様のロール紙P2の後端検知処理を実施する(ステップS6−5)。後述するステップS6−7の後方排出処理は、ロール紙P2を搬送方向上流に戻すバックフィード処理の一例である。すなわち、ステップS6−4の判定処理が肯定になったタイミングは、取得タイミングの一例である逆流開始タイミング(上記のタイミング2)であるため、このタイミングで後端検知処理が実施される。
そして、この後端検知処理が終了すると、制御装置100は、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過しているか否かを判定する(ステップS6−6)。後端P2Eが挿入部15を既に通過している場合(ステップS6−6:YES)、制御装置100は、その処理を後述するステップS6−8に移行する。
一方、後端P2Eが挿入部15を通過していない場合(ステップS6−6:NO)、制御装置100は、後方排出処理を実施する(ステップS6−7)。すなわち、制御装置100は、搬送モーター53を逆転駆動させ、搬送ローラー対51及び排出ローラー対52を構成する各ローラー511,512,521,522を逆転方向に回転させることにより、ロール紙P2を搬送方向上流に戻す。そして、制御装置100は、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512によるロール紙P2の挟持が解消されると、搬送モーター53の駆動を停止させて後方排出処理を終了する。こうして後方排出処理を終了すると、制御装置100は、排出処理ルーチンを終了する。
ステップS6−8において、制御装置100は、ロール紙P2を搬送方向下流に排出する前方排出処理を実施する。すなわち、制御装置100は、搬送モーター53を正転駆動させ、搬送ローラー対51及び排出ローラー対52を構成する各ローラー511,512,521,522を正転方向に回転させることにより、ロール紙P2を搬送方向下流に排出する。そして、制御装置100は、ロール紙の後端P2Eが排出ローラー対52よりも搬送方向下流に位置するようになり、一対のローラー521,522によるロール紙P2の挟持が解消されると、搬送モーター53の駆動を停止させる。このように前方排出処理が終了すると、制御装置100は、排出処理ルーチンを終了する。
次に、図27を参照し、印刷対象となる用紙をロール紙P2から単票紙P1に切り替える旨の指示が入力された際に制御装置100が実行する処理ルーチンについて説明する。
図27に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御装置100は、上記ステップS1−10と同様のロール紙P2の後端検知処理を実施する(ステップS7−1)。後述するステップS7−3の後方排出処理は、ロール紙P2を搬送方向上流に戻すバックフィード処理の一例である。すなわち、本処理ルーチンの開始されるタイミングは、取得タイミングの一例である逆流開始タイミング(上記のタイミング1)であるため、このタイミングで後端検知処理が実施される。
そして、この後端検知処理が終了すると、制御装置100は、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過しているか否かを判定する(ステップS7−2)。後端P2Eが挿入部15を通過していない場合(ステップS7−2:NO)、制御装置100は、上記ステップS6−7と同様の後方排出処理を実施する(ステップS7−3)。そして、後方排出処理が終了すると、制御装置100は、本処理ルーチンを終了する。
一方、後端P2Eが既に通過している場合(ステップS7−2:YES)、制御装置100は、上記ステップS6−8と同様の前方排出処理を実施する(ステップS7−4)。そして、前方排出処理が終了すると、制御装置100は、本処理ルーチンを終了する。
次に、図28を参照し、上記ステップS2−12の逆送判定処理(逆送判定処理ルーチン)について説明する。
図28に示すように、逆送判定処理ルーチンにおいて、制御装置100は、ロール紙P2をバックフィードさせるに際し、予定されているロール紙P2の逆流量Bを算出する(ステップS8−1)。続いて、制御装置100は、算出した逆流量Bに基づき、今回のバックフィード処理の実施によってロール紙P2を搬送方向上流に戻したときに同ロール紙の後端P2Eが挿入部15に達するか否かを判定する(ステップS8−2)。後端P2Eが挿入部15に達しないと判定される場合(ステップS8−2:NO)、制御装置100は、ロール紙P2の逆送、すなわちバックフィードを許可し(ステップS8−3)、逆送判定処理ルーチンを終了する。一方、後端P2Eが挿入部15に達すると判定される場合(ステップS8−2:YES)、制御装置100は、ロール紙P2の逆送、すなわちバックフィードを禁止し(ステップS8−4)、逆送判定処理ルーチンを終了する。
次に、図29を参照し、キャリッジ32の走査方向への移動を禁止させるために制御装置100が実行するキャリッジロックルーチンについて説明する。
図29に示すように、キャリッジロックルーチンにおいて、制御装置100は、搬送モーター53からの動力伝達経路を図12に示す第1の経路とするための選択処理を実施する(ステップS9−1)。そして、この選択処理が終了すると、制御装置100は、キャリッジ32がメンテナンスユニット90の直上に位置するように同キャリッジ32の位置を調整する(ステップS9−2)。
ここで、上述したように、キャップ91及びロック部材92を上方に移動させることにより、キャリッジ32の走査方向への移動が禁止されるようになる。このときのキャップ91及びロック部材92の移動量は、予め決定されている。言い換えると、このときの搬送モーター53の駆動態様及び駆動量も予め決まっている。そこで、キャリッジ32の走査方向への移動を禁止させるために必要な搬送モーター53の駆動量を「第1の駆動量」とし、搬送モーター53の駆動方向をロック方向としたとする。この場合、搬送モーター53をロック方向とは反対方向に第1の駆動量だけ駆動させることにより、キャリッジ32の走査方向への移動を禁止させるために必要な搬送モーター53の駆動に基づく用紙Pの先端の変位を相殺することができる。
そこで、本実施形態の印刷装置10において、制御装置100は、後述するキャリッジロック処理時における用紙Pの先端の移動を相殺するためのロック時相殺処理を実施する(ステップS9−3)。そして、このロック時相殺処理が終了すると、制御装置100は、キャリッジ32の走査方向への移動を禁止させるためのキャリッジロック処理が実施される(ステップS9−4)。その後、制御装置100は、キャリッジロックルーチンを終了する。
これにより、キャリッジロックルーチンの実行によってキャリッジ32の走査方向への移動が禁止されるようになっても、このルーチンの実行前後での用紙Pの先端の搬送方向における位置は変わっていない。
次に、図30を参照し、キャリッジ32の走査方向への移動禁止を解除させるために制御装置100が実行するロック解除ルーチンについて説明する。
上述したように、キャップ91及びロック部材92を下方に移動させることにより、キャリッジ32の走査方向への移動禁止を解除することができる。このときのキャップ91及びロック部材92の移動量は、予め決定されている。言い換えると、このときの搬送モーター53の駆動態様及び駆動量も予め決まっている。そこで、キャリッジ32の走査方向への移動禁止を解除させるために必要な搬送モーター53の駆動量を「第2の駆動量」とし、搬送モーター53の駆動方向を解除方向としたとする。この場合、搬送モーター53を解除方向とは反対方向に第2の駆動量だけ駆動させることにより、キャリッジ32の走査方向への移動禁止を解除させるために必要な搬送モーター53の駆動に基づく用紙Pの先端の変位を相殺することができる。
そこで、図30に示すように、ロック解除ルーチンにおいて、制御装置100は、後述するキャリッジロック解除処理時における用紙Pの先端の移動を相殺するためのロック解除時相殺処理を実施する(ステップS10−1)。そして、このロック解除時相殺処理が終了すると、制御装置100は、キャリッジ32の走査方向への移動禁止を解除させるためのキャリッジロック解除処理が実施される(ステップS10−2)。その後、制御装置100は、ロック解除ルーチンを終了する。
これにより、ロック解除ルーチンの実行によってキャリッジ32の走査方向への移動禁止が解除されても、このルーチンの実行前後での用紙Pの先端の搬送方向における位置は変わっていない。
次に、本実施形態の印刷装置10の作用について説明する。
ロール紙P2がホッパー61にセットされた状態で、印刷データPDと共に印刷指示が入力されると、第1の給送処理が開始される。すると、給送モーター70及び搬送モーター53が正転駆動し始めることにより、給送ローラー64が正転方向に回転し始めるとともに、ホッパー61の下部が上方に移動する。すると、ロール紙P2の先端が給送ローラー64の接触面641に接触し、ロール紙P2が搬送方向下流に送り出される。そして、このロール紙P2は、給送ローラー64とリタードローラー65とにより挟持され、これら各ローラー64,65の正転方向への回転によって搬送方向下流に給送される。
こうしたロール紙P2の先端は、給送ローラー64の1回転が完了する前に搬送ローラー対51に達し、ロール紙P2が、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512によって挟持される。この状態でローラー511,512が正転方向に回転するため、ロール紙P2は、引き続いて搬送方向下流に給送される。
そして、給送ローラー64の1回転が終了すると、給送モーター70及び搬送モーター53の駆動が停止される。これにより、給送ローラー64が初期状態で保持され、給送ローラー64とリタードローラー65とによるロール紙P2の挟持が解消される。その一方で、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512によるロール紙P2の挟持は未だ維持されている。そのため、一対のローラー511,512によるロール紙P2の挟持を解消させるべく、一対のローラー511,512を逆転方向に回転させるニップ解消処理が実施される。
本実施形態の印刷装置10にあっては、ニップ解消処理の開始に先立って、後端検知処理が実施される。すなわち、給送モーター70及び搬送モーター53の駆動が停止された逆流開始タイミングで、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を通過しているか否かが判定される。そして、後端P2Eが挿入部15を通過していない場合、ニップ解消処理が実施される。すなわち、搬送モーター53が逆転駆動され、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512が逆転方向に回転され、ロール紙P2の先端が搬送方向上流に移動する。そして、一対のローラー511,512によるロール紙P2の挟持が解消されると、搬送モーター53の駆動が停止され、ニップ解消処理、すなわち第1の給送処理が終了される。
一方、上記の逆流開始タイミングでロール紙の後端P2Eが挿入部15を通過している状態でニップ解消処理を実施させた場合、以下に示す課題が発生するおそれがある。すなわち、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512の逆転方向への回転によってロール紙P2が搬送方向上流に戻される過程で、ロール紙の後端P2Eが、挿入部15の導入口17を通じて挿入室18内に進入しようとすることがある。しかし、導入口17の開口面積は非常に狭く、後端P2Eが導入口17に引っかかり、後端P2Eを含むロール紙P2の後端部分が折れ曲がったり、破れたりするジャム状態になるおそれがある。
そこで、ニップ解消処理でのロール紙P2の搬送方向上流への戻る量である逆流量Bが算出され、この逆流量Bに基づき、ニップ解消処理の実施によってロール紙P2を搬送方向上流に戻したときに同ロール紙の後端P2Eが挿入部15に達するか否かが判定される。そして、後端P2Eが挿入部15に達しないと判定されたときには、ニップ解消処理が実施され、第1の給送処理が終了される。その一方で、後端P2Eが挿入部15に達すると予測されたときには、ニップ解消処理が実施されることなく、第1の給送処理が終了される。すなわち、この場合の第1の給送処理の終了時点では、ロール紙P2は、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512によって挟持されたままとなっている。
そして、第1の給送処理の終了後に第2の給送処理が開始される。第1の給送処理の終了時点では、ロール紙P2が、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512によって挟持されていないことがある。そのため、搬送モーター53だけではなく給送モーター70もまた正転駆動される。この第2の給送処理は、給送ローラー64が1回転すると終了される。
そして、第2の給送処理が完了されると、選択されている印刷モード(第1の印刷モード又は第2の印刷モード)に応じた頭出し処理が実施される。この頭出し処理の終了時点が、取得タイミングの一例である印刷開始タイミングである。こうした頭出し処理の終了時点で、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を通過していない場合、印刷データPDに基づいた印刷が開始される。
一方、頭出し処理の終了時点で、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を通過している場合、媒体残量Yと媒体必要長Zとが算出される。そして、媒体残量Yが媒体必要長Z以上である場合には、印刷データPDに基づいた印刷が開始される。
しかし、第2の印刷モードが選択されている状況下で媒体残量Yが媒体必要長Z未満である場合、仮定媒体残量YAが算出され、この仮定媒体残量YAが媒体必要長Z以上であるときには、第2の報知処理が実施される。これにより、操作装置14の表示画面141には、図19に示す画像が表示される。そして、印刷の中止が選択されたときには、印刷を行うことなく、ロール紙P2が搬送方向下流に排出される。また、印刷の強制実行が選択されたときには、ロール紙の後端P2Eまで印刷が行われると、同印刷が中止され、ロール紙P2が搬送方向下流に排出される。また、印刷モードを第1の印刷モードに変更しての印刷が選択されたときには、通常の頭出し処理が実施される。この頭出し処理の終了時点では、ロール紙P2は、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512によって挟持され、排出ローラー対52を構成する一対のローラー521,522によって挟持されていない状態になる。そして、こうしたロール紙P2に対し、印刷データPDに基づいた印刷が実施される。そして、この印刷が完了すると、ロール紙P2が搬送方向下流に排出される。
その一方で、第2の印刷モードが選択されている状況下で仮定媒体残量YAが媒体必要長Z未満である場合、及び、第1の印刷モードが選択されている状況下で媒体残量Yが媒体必要長Z未満である場合、第1の報知処理が実施される。これにより、操作装置14の表示画面141には、図18に示す画像が表示される。そして、印刷の中止が選択されたときには、印刷を行うことなく、ロール紙P2が搬送方向下流に排出される。また、印刷の強制実行が選択されたときには、ロール紙の後端P2Eまで印刷が行われると、同印刷が中止され、ロール紙P2が搬送方向下流に排出される。
なお、印刷データPDに基づいた印刷の終了後において、印刷済み部分がロール紙P2から切断されたことが検知されると、ロール紙P2を搬送方向上流に戻すバックフィード処理が実施される。本実施形態の印刷装置10では、こうしたバックフィード処理の開始に先立って、後端検知処理が実施される。すなわち、搬送モーター53の逆転駆動が開始される直前の逆流開始タイミングで、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を通過しているか否かが判定される。そして、後端P2Eが挿入部15を通過していない場合、バックフィード処理が実施される。すなわち、搬送モーター53が逆転駆動され、搬送ローラー対51及び排出ローラー対52を構成する各ローラー511,512,521,522が逆転方向に回転され、ロール紙P2の先端が搬送方向上流に移動する。そして、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512によるロール紙P2の挟持が解消されると、搬送モーター53の駆動が停止され、バックフィード処理が終了される。
一方、上記の逆流開始タイミングで、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を通過している場合、バックフィード処理の実施が禁止され、同バックフィード処理の代わりに前方排出処理が実施される。すなわち、搬送モーター53が正転駆動され、搬送ローラー対51及び排出ローラー対52を構成する各ローラー511,512,521,522が正転方向に回転され、ロール紙P2が搬送方向下流に排出される。そして、排出ローラー対52を構成する一対のローラー521,522によるロール紙P2の挟持が解消されると、搬送モーター53の駆動が停止され、前方排出処理が終了される。
以上、上記構成及び作用によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の印刷装置10では、所定の取得タイミングで、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過しているか否かが判定される。そして、判定結果に応じた処理が、取得タイミングから開始される。すなわち、後端P2Eが挿入部15を未だ通過していない場合と、後端P2Eが挿入部15を既に通過している場合とで、実施される処理の内容が変更される。したがって、ロール紙P2を搬送するに際し、搬送されるロール紙P2の状態に応じた適切な処理を実施することにより、ユーザービリティを向上させることができる。
(2)例えば、印刷データPDに基づいた印刷の指示が入力されたタイミングである印刷開始タイミングで、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過しているか否かが判定される。そして、後端P2Eが挿入部15を既に通過している場合、媒体必要長Zと媒体残量Yとを算出し、媒体残量Yが媒体必要長Z以上であるときには、印刷データPDに基づいた画像のロール紙P2への印刷を完了させることが可能であるため、同印刷データPDに基づいた印刷が開始される。すなわち、ロール紙の後端P2Eが既に筐体11内に位置しており、ロール紙P2の残量が少ない場合であっても、同ロール紙P2に対し、印刷データPDに基づいた印刷を完了させることができる場合には、印刷処理が実施される。したがって、ロール紙P2を無駄にすることなく、印刷データPDに基づいた印刷を行わせることができる。
一方、媒体残量Yが媒体必要長Z未満であるときには、ロール紙P2に対し、印刷データPDに基づいた画像の印刷を完了させることが不能であるため、媒体残量が少ない旨が表示画面141によって報知される(第1の報知処理)。すなわち、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過している状況下で印刷の指示が入力されたときには、媒体残量Yが媒体必要長Z以上であるか、媒体残量Yが媒体必要長Z未満であるかによって、処理を適切に切り替えて実施させることができる。
(3)本実施形態の印刷装置10には、ユーザーによって選択可能な印刷モードとして、第1の印刷モードと第2の印刷モードとが用意されている。そして、第1の印刷モードが選択されている状況下で、媒体残量Yが媒体必要長Z以上であるときには、印刷データPDに基づいた印刷が実施され、同印刷が完了されると、ロール紙P2が搬送方向下流に排出される。一方、第1の印刷モードが選択されている状況下で、媒体残量Yが媒体必要長Z未満であるときには、第1の報知処理が実施される。このように第1の報知処理に基づいた画像が表示画面141に表示されているときに、ユーザーからの指示が入力されると、指示内容に応じた処理が実施される。
すなわち、印刷の中止を指示する旨がユーザーによって入力されたときには、ロール紙P2に対する印刷が行われることなく、同ロール紙P2が搬送方向下流に排出される。したがって、用紙Pに印刷を施すためのインク(印刷材の一例)の不要な消費を抑制することができる。
一方、印刷の強制実施を指示する旨がユーザーによって入力されることもある。このように印刷の強制実施がユーザーによって指示されたときには、ロール紙P2への印刷を開始させる。そして、こうした印刷は、ロール紙の後端P2Eへの印刷が完了すると中止され、同ロール紙P2が搬送方向下流に排出される。この場合、残量の少ないロール紙P2に対し、可能な限り印刷を施すことができる。
(4)また、第2の印刷モードが選択されている状況下で、媒体残量Yが媒体必要長Z以上であるときには、印刷データPDに基づいた印刷が実施され、同印刷が完了されると、ロール紙P2が搬送方向下流に排出される。一方、第2の印刷モードが選択されている状況下で、媒体残量Yが媒体必要長Z未満であるときには、仮定媒体残量YAが算出され、この仮定媒体残量YAと媒体必要長Zとが比較される。この仮定媒体残量YAは媒体残量Yよりも大きいため、仮定媒体残量YAが媒体必要長Z以上となることがある。そして、仮定媒体残量YAが媒体必要長Z以上となる場合、第2の報知処理が実施される。このように第2の報知処理に基づいた画像が表示画面141に表示されているときに、ユーザーからの指示が入力されると、指示内容に応じた処理が実施される。
すなわち、印刷の中止を指示する旨がユーザーによって入力されたときには、ロール紙P2に対する印刷が行われることなく、同ロール紙P2が搬送方向下流に排出される。したがって、用紙Pに印刷を施すためのインクの不要な消費を抑制することができる。
また、印刷の強制実施を指示する旨がユーザーによって入力されることもある。このように印刷の強制実施がユーザーによって指示されたときには、ロール紙P2への印刷を開始させる。そして、こうした印刷は、ロール紙の後端P2Eへの印刷が完了すると中止され、同ロール紙P2が搬送方向下流に排出される。この場合、残量の少ないロール紙P2に対し、可能な限り印刷を施すことができる。
また、印刷モードを第2の印刷モードから第1の印刷モードに切り替えての印刷が指示されることもある。この場合、ロール紙P2の先端が搬送方向上流に戻され、排出ローラー対52を構成する一対のローラー521,522によるロール紙P2の挟持を解消させた状態で、印刷データPDに基づいた印刷が開始される。そして、この印刷が完了されると、ロール紙P2が搬送方向下流に排出される。したがって、ロール紙P2を無駄にすることなく、印刷データPDに基づいた印刷を行うことができる。
(5)本実施形態の印刷装置10では、ロール紙P2を搬送方向上流に戻すバックフィード処理が実施されることがある。仮に、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過している状況下でバックフィード処理が実施されたとすると、後端P2Eを挿入部15の導入口17内に導けず、ロール紙P2が折れ曲がったり、破れたりするいわゆるジャム状態が発生するおそれがある。そのため、本実施形態の印刷装置10では、バックフィード処理の開始直前の逆送開始タイミングで、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過しているか否かが判定される。そして、後端P2Eが挿入部15を通過していない場合、ロール紙P2を搬送方向上流に戻しても上記ジャム状態が発生しないため、バックフィード処理が実施される。したがって、ロール紙P2の折れ曲がりや破損を招くことなく、ロール紙P2を搬送方向上流に適切に戻すことができる。
(6)逆流開始タイミングは、上記の3つのタイミング(タイミング1、タイミング2、タイミング3)を含んでいる。そして、印刷対象となる用紙をロール紙P2から単票紙P1に切り替えるタイミング(タイミング1)と、印刷済み部分がロール紙P2から切り離され、同ロール紙P2を筐体11内に戻す指示が入力されるタイミング(タイミング2)とでは、後端P2Eが挿入部15を既に通過している場合、バックフィード処理の一例である後方排出処理の実施が禁止される。そして、後方排出処理の代わりに前方排出処理が実施され、ロール紙P2が筐体11の前面パネル12上に排出される。したがって、ロール紙P2の折れ曲がりや破損を招くことなく、ロール紙P2を筐体11から取り出すことができる。
(7)また、第1の給送処理でニップ解消処理を開始させるタイミング(タイミング3)では、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過しているときに、逆流量Bが算出される。そして、この逆流量Bに基づき、バックフィード処理の一例であるニップ解消処理を実施したとすると後端P2Eが挿入部15に達するか否かが判定される。後端P2Eが挿入部15に達しないと判定されたときには、ニップ解消処理を実施しても後端P2Eが挿入部15に達せず、上記のジャム状態が発生しにくいと判断することができる。そのため、ニップ解消処理が実施される。したがって、ニップ解消処理の実施に伴うジャム状態の発生を抑制することができる。
一方、この逆流量Bに基づき、ニップ解消処理を実施したとすると後端P2Eが挿入部15に達すると判定されたときには、ニップ解消処理の実施が禁止される。そして、搬送ローラー対51を構成する一対のローラー511,512によってロール紙P2が挟持されたままで第2の給送処理が開始されることとなる。したがって、無理にニップ解消処理が実施されないため、筐体11内でのロール紙P2の折れ曲がりや破損の発生を抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、印刷装置10の第2の実施形態を図31に従って説明する。なお、第2の実施形態では、印刷データPDに基づいた印刷を行う際に制御装置100が実行する処理ルーチンの内容の一部が第1の実施形態と相違している。そこで、以降の記載では、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図31を参照し、用紙への印刷時に制御装置100が実行する処理ルーチンについて説明する。なお、この処理ルーチンは、印刷指示が入力された場合、又は、給送指示が入力された場合に実行されるルーチンである。
図31に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御装置100は、給送モーター70及び搬送モーター53の駆動を停止させ(ステップS2−9)、ロール紙P2の後端検知処理を実施する(ステップS2−10)。そして、制御装置100は、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を通過していない場合(ステップS2−11:NO)、第1のバックフィード処理であるニップ解消処理を実施し(ステップS2−14)、その処理を前述したステップS1−5に移行する。
一方、制御装置100は、ロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過している場合(ステップS2−11:YES)、逆送判定処理を実施する(ステップS2−12)。すなわち、制御装置100は、ロール紙P2の逆流量Bを算出し(ステップS8−1)、この逆流量Bに基づき、第1のバックフィード処理を実施したとするとロール紙の後端P2Eが挿入部15に達するか否かを判定する(ステップS8−2)。そして、後端P2Eが挿入部15に達しない場合(ステップS8−2:NO)、制御装置100は、その処理を前述したステップS2−14に移行し、第1のバックフィード処理を実施する。一方、後端P2Eが挿入部15に達する場合(ステップS8−2:YES)、制御装置100は、後端P2Eが、搬送方向における給送ローラー64と搬送ローラー対51との間に位置しているか否かを判定する(ステップS8−6)。
ここで、本実施形態の印刷装置10の自動給送装置60では、給送モーター70から給送ローラー64への動力伝達経路にワンウェイクラッチ75が配置されている。そして、給送モーター70が逆転駆動されても、この動力が給送ローラー64に伝達されることは、ワンウェイクラッチ75によって禁止される。すなわち、給送モーター70の逆転駆動によって給送ローラー64を逆転方向に回転させることができない。その結果、搬送方向における給送ローラー64と搬送ローラー対51との間に後端P2Eが位置するような非常に短いロール紙P2に対し、バックフィード処理を実施させると、用紙の搬送経路からロール紙P2を取り出せなくなるおそれがある。そのため、こうした非常に短いロール紙P2が筐体11内にあるときには、バックフィード処理を禁止し、同ロール紙P2を搬送方向下流に排出させることが好ましい。
そこで、後端P2Eが、搬送方向における給送ローラー64と搬送ローラー対51との間に位置している場合(ステップS8−6:YES)、制御装置100は、印刷データPDに基づいた印刷を禁止し(ステップS1−15)、上記ステップS6−8と同様の前方排出処理を実施し(ステップS1−16)、本処理ルーチンを終了する。
一方、後端P2Eが、給送ローラー64よりも搬送方向上流に位置する場合(ステップS8−6:NO)、制御装置100は、第1のバックフィード処理の実施時よりもロール紙P2の逆流量を少なくする第2のバックフィード処理を実施する(ステップS2−1441)。すなわち、制御装置100は、搬送モーター53が逆転駆動を駆動させ、搬送モーター53の駆動量に基づきロール紙の後端P2Eの搬送方向における位置を算出する。そして、制御装置100は、後端P2Eが挿入部15に達する前に搬送モーター53の駆動を停止させ、第2のバックフィード処理を終了する。その後、制御装置100は、その処理を前述したステップS1−5に移行する。
以上、上記構成及び作用によれば、上記第1の実施形態における効果(1)〜(7)と同等の効果に加え、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(8)本実施形態の印刷装置10では、逆流開始タイミングでロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過している場合、第1のバックフィード処理を実施したとすると後端P2Eが挿入部15に達すると予測されるときには、後端P2Eが挿入部15に達しない範囲内でロール紙P2を搬送方向上流に戻す第2のバックフィード処理が実施される。こうした第2のバックフィード処理を実施させることにより、ロール紙P2を搬送方向上流に戻す際にあっても、ロール紙P2の折れ曲がりや破損の発生を抑制することができる。
(9)また、ロール紙の後端P2Eが、搬送方向における給送ローラー64と搬送ローラー対51との間に位置する場合にあっては、バックフィード処理の実施が禁止され、前方排出処理が実施される。その結果、筐体11からロール紙P2が取り出すことが不能となる事象の発生を抑制することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1の実施形態では、逆流開始タイミングでロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過している場合、バックフィード処理を実施したとすると後端P2Eが挿入部15に達すると予測されるときにはバックフィード処理を実施させないようにしている。しかし、これに限らず、逆流開始タイミングでロール紙の後端P2Eが挿入部15を既に通過している場合、バックフィード処理を実施したとすると後端P2Eが挿入部15に達しないと予測されるときでもバックフィード処理を実施させないようにしてもよい。
・印刷装置は、ロール紙の印刷済み部分をロール紙P2から切り離す切断手段(例えば、カッター)を備えた装置であってもよい。この場合、切断手段によって印刷済み部分がロール紙P2から切り離されると、バックフィード処理が開始されることとなる。この場合、切断手段による印刷済み部分のロール紙P2からの切り離しが完了した時点が、逆流開始タイミングとなる。
・第2の印刷モードが選択されている状況下で、媒体残量Yが媒体必要長Z未満であるときには、仮定媒体残量YAの算出などを行うことなく、第1の報知処理を実施させるようにしてもよい。
・媒体残量Yが媒体必要長Z未満であるときには、報知処理を行うことなく、印刷を中止し、ロール紙P2を搬送方向下流に排出させるようにしてもよい。
・印刷装置による報知は、表示画面141を用いた表示以外の他の方法での報知、例えばスピーカーを用いた音声による報知であってもよい。この場合、スピーカーにより、「報知装置」の一例が構成される。また、印刷データPDを印刷装置10に送信する外部装置に、報知を実施させるようにしてもよい。この場合、外部装置が、「報知装置」としても機能することとなる。
・印刷装置は、単票紙P1だけではなくロール紙P2への印刷が可能な装置であれば、ラインヘッド方式やラテラルスキャン方式などの他の方式のプリンターであってもよい。また、印刷装置は、ラインプリンターやページプリンターであってもよい。
・印刷装置を構成する印刷ユニットは、インクジェット方式以外の他の方式の印刷ユニットであってもよい。こうした印刷ユニットとしては、例えば、どっとインパクト方式の印刷ユニットを挙げることができる。
・単票状の媒体としては、紙以外の他の媒体(フィルムなど)であってもよい。
・長尺状の媒体としては、紙以外の他の媒体(長い布など)であってもよい。
10…印刷装置、141…報知装置の一例である表示画面、15…案内部の一例である挿入部、20…保持装置の一例であるロール紙ユニット、22…支持軸、33…印刷ヘッド、40…支持台、51…搬送ローラー対、511…搬送ローラーとしての駆動ローラー、512…搬送ローラーとしての従動ローラー、52…排出ローラー対、521…排出ローラーとしての駆動ローラー、522…排出ローラーとしての従動ローラー、53…搬送モーター、61…セット部の一例であるホッパー、64…給送ローラー、641…接触面、642…非接触面、65…リタードローラー、66…ガイド形成部材、70…給送モーター、75…ワンウェイクラッチ、100…制御装置、210…後端判定部、220…残量算出部、230…必要長算出部、240…制御部、260…逆流量算出部、P…用紙、P1…単票状の媒体の一例である単票紙、P2…長尺状の媒体の一例であるロール紙、P2E…ロール紙の後端、PD…印刷データ、B…逆流量、SE2…セット検知センサー、SE3…長尺媒体検知センサーの一例であるロール紙検知センサー、Y…媒体残量、YA…仮定媒体残量、Z…媒体必要長。

Claims (11)

  1. セット部への単票状の媒体のセット時には同単票状の媒体に印刷を行い、前記セット部への長尺状の媒体のセット時には同長尺状の媒体に印刷を行う印刷装置であって、
    前記セット部から搬送方向下流に搬送された媒体に印刷を施す印刷ヘッドと、
    長尺状の媒体を保持する保持装置から送り出された長尺状の媒体を前記セット部に案内する案内部と、
    前記案内部内を通過する媒体を検知する長尺媒体検知センサーと、
    装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    所定の取得タイミングで、長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過しているか否かを、前記長尺媒体検知センサーによる検知結果に基づいて判定する後端判定部と、
    前記後端判定部による判定結果に応じた処理を、前記取得タイミングから開始する制御部と、を有する
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記取得タイミングは、印刷データに基づいた印刷の指示が入力されるタイミングである印刷開始指示タイミングを含み、
    前記制御装置は、
    前記印刷データを解析し、印刷に必要な媒体の長さである媒体必要長を算出する必要長算出部と、
    前記後端判定部によって長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過していると判定されているときに、長尺状の媒体において印刷が可能な領域の長さである媒体残量を算出する残量算出部と、を有し、
    前記後端判定部は、前記印刷開始指示タイミングで、前記保持装置から送り出される長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過しているか否かを判定し、
    前記制御部は、
    前記印刷の指示が入力された状況下で、
    前記残量算出部によって算出されている前記媒体残量が、前記必要長算出部によって算出されている前記媒体必要長以上であるときには、前記印刷データに基づいた印刷処理を実施し、
    前記媒体残量が前記媒体必要長未満であるときには、前記媒体残量が少ない旨を報知装置に報知させる報知処理を実施する
    請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記制御部は、
    前記報知処理の実施に基づいた報知を前記報知装置が行っている状況下で、印刷の中止を指示する旨が入力されたときには、
    前記印刷データに基づいた印刷処理を実施することなく、同長尺状の媒体を搬送方向下流に排出させる処理を実施する
    請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記制御部は、
    前記報知処理の実施に基づいた報知を前記報知装置が行っている状況下で、印刷の実施を指示する旨が入力されたときには、
    前記印刷データに基づいた印刷処理を開始し、長尺状の媒体の後端まで印刷が行われると同印刷処理を中止し、その後、長尺状の媒体を搬送方向下流に排出させる処理を実施する
    請求項2又は請求項3に記載の印刷装置。
  5. 前記印刷ヘッドよりも搬送方向上流に配置され、一対の搬送ローラーを有する搬送ローラー対と、
    前記印刷ヘッドよりも搬送方向下流に配置され、一対の排出ローラーを有する排出ローラー対と、を備え、
    長尺状の媒体への印刷時に選択可能な印刷モードとして、
    長尺状の媒体を、前記一対の搬送ローラーによって挟持させる一方で、前記一対の排出ローラーによって挟持させない状態で、同長尺状の媒体への印刷を開始させる第1の印刷モードと、
    長尺状の媒体を、前記一対の搬送ローラーによって挟持させるとともに、前記一対の排出ローラーによって挟持させた状態で、同長尺状の媒体への印刷を開始させる第2の印刷モードと、が用意されており、
    前記残量算出部は、
    印刷モードが前記第1の印刷モードである状況下で前記印刷の指示が入力されたときには、長尺状の媒体が、前記一対の搬送ローラーによって挟持され、前記一対の排出ローラーによって挟持されていない状態での前記媒体残量を算出し、
    印刷モードが前記第2の印刷モードである状況下で前記印刷の指示が入力されたときには、長尺状の媒体が、前記一対の搬送ローラーによって挟持され、前記一対の排出ローラーによって挟持されている状態での前記媒体残量を算出し、
    前記制御部は、
    印刷モードが前記第2の印刷モードである状況下で前記印刷の指示が入力された場合において、前記必要長算出部によって算出されている前記媒体必要長が前記残量算出部によって算出されている前記媒体残量よりも大きいときには、印刷モードを前記第2の印刷モードから前記第1の印刷モードに切り替えたと仮定し、この仮定の下での前記媒体残量を仮定媒体残量として算出し、
    同算出した前記仮定媒体残量が前記媒体必要長以上であるときには、印刷モードを前記第2の印刷モードから前記第1の印刷モードに切り替えれば、前記印刷データに基づいた印刷を長尺状の媒体で完了させることが可能な旨を前記報知装置に報知させる他の報知処理を実施し、
    前記他の報知処理の実施に基づいた報知を前記報知装置が行っている状況下で、前記第1の印刷モードでの印刷を許可する旨の指令が入力されたときには、前記印刷モードを前記第1の印刷モードに切り替え、前記搬送ローラー対及び前記排出ローラー対によって長尺状の媒体を搬送方向上流に戻し、前記一対の排出ローラーによる長尺状の媒体の挟持を解消させた状態で同長尺状の媒体に対して前記印刷データに基づいた印刷を開始させる
    請求項2〜請求項4のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  6. 前記取得タイミングは、長尺状の媒体を搬送方向上流に戻すバックフィード処理の開始タイミングである逆流開始タイミングを含み、
    前記後端判定部は、前記逆流開始タイミングで、前記保持装置から送り出された長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過しているか否かを判定し、
    前記制御部は、
    前記後端判定部によって前記逆流開始タイミングでは長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過していないと判定されたときには、前記バックフィード処理を実施する
    請求項1に記載の印刷装置。
  7. 前記逆流開始タイミングは、
    印刷対象となる媒体を長尺状の媒体から単票状の媒体への切り替えの指示が入力されたタイミングと、
    印刷終了後において長尺状の媒体の先端部分の切断が完了した旨が入力されたタイミングと、のうち少なくとも1つを含む
    請求項6に記載の印刷装置。
  8. 前記印刷ヘッドよりも搬送方向上流に配置され、一対の搬送ローラーを有する搬送ローラー対と、
    前記セット部にセットされている媒体を前記搬送ローラー対に向けて給送すべく回転する給送ローラーと、を備え、
    前記給送ローラーの外周面は、同給送ローラーの回転軸線を中心とする周方向に沿う接触面と、同接触面の周方向における一端と他端とを直線的に繋ぐ非接触面と、を有し、
    搬送経路上の媒体に前記非接触面が対向する前記給送ローラーの状態を初期状態とし、媒体を搬送方向下流に搬送する際における前記各ローラーの回転方向を正転方向とし、同正転方向の反対方向を逆転方向とした場合、
    前記初期状態の前記給送ローラーを前記正転方向に1回転させると、媒体の先端が前記搬送ローラー対よりも搬送方向下流に位置し、同媒体が前記一対の搬送ローラーによって挟持されるようになっており、
    前記制御部は、
    前記セット部にセットされている長尺状の媒体を給送するときには、
    前記初期状態の前記給送ローラー及び前記一対の搬送ローラーの前記正転方向への回転を開始させ、前記給送ローラーの1回転が終了すると、同給送ローラーを前記初期状態で保持させ、この状態で前記一対の搬送ローラーを前記逆転方向に回転させることにより同一対の搬送ローラーによる媒体の挟持を解消させる媒体給送処理を実施するようになっており、
    前記逆流開始タイミングは、前記媒体給送処理の実施時において前記一対の搬送ローラーの前記逆転方向への回転を開始させるタイミングを含む
    請求項6に記載の印刷装置。
  9. 前記制御装置は、前記バックフィード処理での長尺状の媒体の搬送方向上流側への逆流量を算出する逆流量算出部を有し、
    前記制御部は、
    前記後端判定部によって前記逆流開始タイミングでは長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過していると判定されている状況下で、前記逆流量算出部による算出結果に基づき、長尺状の媒体を前記搬送方向上流に戻しても同長尺状の媒体の後端が前記案内部に達しないと予測されるときには、
    前記バックフィード処理を実施する
    請求項6〜請求項8のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  10. 前記制御部は、
    前記後端判定部によって前記逆流開始タイミングでは長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過していると判定されている状況下で、前記逆流量算出部による算出結果に基づき、長尺状の媒体を前記搬送方向上流に戻すと同長尺状の媒体の後端が前記案内部に達すると予測されるときには、
    前記バックフィード処理を開始するものの、長尺状の媒体の後端が前記案内部に達する前に同バックフィード処理を終了する
    請求項9に記載の印刷装置。
  11. 前記給送ローラーの駆動源である給送モーターと、
    前記給送モーターの出力軸の一方向への回転を前記給送ローラーに伝達する一方で、前記給送モーターの出力軸の他方向への回転を前記給送ローラーに伝達しないワンウェイクラッチと、を備え、
    前記給送ローラーは、前記給送モーターの出力軸の一方向への回転が前記ワンウェイクラッチを通じて伝達されると、前記正転方向に回転するようになっており、
    前記制御部は、
    前記後端判定部によって前記逆流開始タイミングでは長尺状の媒体の後端が前記案内部を通過していると判定されている状況下で、搬送方向における前記搬送ローラー対と前記給送ローラーとの間に同長尺状の媒体の後端が位置しているときには、
    前記媒体給送処理の実施時での前記一対の搬送ローラーの前記逆転方向への回転を禁止し、長尺状の媒体を搬送方向下流に排出させる処理を実施する
    請求項8に記載の印刷装置。
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