JP2016036433A - 清掃用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】粒状のゴミの捕集力を長期間にわたり持続可能なハンディタイプの清掃用具を提供すること。
【解決手段】清掃用具10は、柄部10Bと、柄部10Bに連設され、かつ清掃物品20の保持が可能な物品保持部12とを有する。清掃用具10は、粒ゴミ捕集部13を有する。粒ゴミ捕集部13のうち、物品保持部12に清掃物品20が装着された状態において、外方に向けて露出する部位に粘着部位14を設けた。粘着部位14はスチレン系エラストマーを含んで構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、清掃物品が装着されて清掃対象面を払拭するために用いられる清掃用具に関する。
不織布等の繊維シートからなる清掃物品を、清掃用具の装着部に装着し、該清掃物品の構成繊維間にゴミを絡め取る清掃用品が知られている。そのような清掃用品は、様々な種類のゴミのうち、特に髪の毛や綿埃などを首尾よく絡め取ることが可能である。しかし、パン粉、ゴマ、米、砂粒などの比較的小型の粒状のゴミを絡め取ることは容易でない。そこで特許文献1には、清掃用具に装着されて使用される清掃用シートを、基材と、該基材の表面を覆いかつ表面に不織布又は紙が現れる拭き取り層とから構成し、被清掃物に対面する清掃面に位置する拭き取り層の一部を基材に対し除去自在となして、拭き取り層が除去された部分に、基材表面に設けられた粘着層が現れるようにして、該粘着層によって粒状のゴミを除去しようとする試みが提案されている。
特許文献2には、清掃頭部と把持部とを有する清掃物品において、清掃頭部に、集塵部材を保持する保持部と、保持部に保持された集塵部材に対向する覆い部と、覆い部と覆い部との間から集塵部材に連通する開口部とを設けることが記載されている。集塵部材は接着剤層を有しており、清掃頭部でふとんやソファーなどの被清掃物を叩くと、被清掃物の表面から埃やごみが叩き出され、その埃やごみが集塵部材の接着剤層に保持されるようにしている。
特許文献3には、清掃用具の装着部に装着されて使用される清掃用シートが記載されている。この清掃用シートは、清掃用具の装着部に装着されたときに、装着部の底面部に略沿う平坦部と、該平坦部から立ち上がる粘着性の斜面部又は曲面部を有している。この清掃用シートを用いて清掃を行うと、髪の毛や土埃等のゴミの他、比較的大きな固形ゴミは、斜面部の粘着性で捕集される。
特開平11−128156号公報 特開2004−208917号公報 特開2004−208941号公報
特許文献1に記載の技術によれば、確かに粘着層によって粒状のゴミを除去することはできる。しかし粘着層にゴミが蓄積すると、粘着層の粘着力が低下してしまうので、繰り返しの使用には不向きである。特許文献2に記載の技術では、清掃頭部によって叩かれて生じたゴミを間接的に接着剤層で捕集しているだけであり、直接的なゴミの捕集をすることができない。また、特許文献1に記載の技術と同様に、接着剤層にゴミが蓄積すると、接着剤層のゴミ捕集力が低下してしまう。特許文献3に記載の技術では、粘着部が清掃用シートに備えられているので、粘着部にゴミが捕集されて粘着性が低下すると、清掃用シートの清掃面自体はゴミの捕集がまだ可能であっても、清掃用シートを廃棄しなければならないという不都合がある。廃棄せずに清掃を継続した場合には、粘着部に捕集されたゴミが脱落したり、あるいは粘着部に捕集されたゴミが清掃対象面を傷つけたりすることがある。そもそも、清掃用シートの清掃面に粘着部を有する同文献に記載の技術では、粘着部の存在に起因して円滑な清掃を行いにくい。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る清掃用具の提供にあり、具体的には粒状のゴミの捕集力が持続可能な清掃用具を提供することにある。
本発明は、柄部と、該柄部に連設され、かつ清掃物品の保持が可能な物品保持部とを有し、
前記物品保持部に前記清掃物品が装着されて、該清掃物品によって清掃対象面を払拭する清掃用具であって、
前記清掃用具は、粒ゴミ捕集部を有し、該粒ゴミ捕集部のうち、前記物品保持部に前記清掃物品が装着された状態において、外方に向けて露出する部位に粘着部位を設け、
前記粘着部位はスチレン系エラストマーを含んで構成されている、清掃用具を提供するものである。
本発明によれば、粒状のゴミの捕集力を長期間にわたり持続可能な清掃用具が提供される。
図1は、本発明の清掃用具の一実施形態を示す斜視図である。 図2(a)は、図1に示す清掃用具に清掃物品を装着する過程を示す要部斜視図であり、図2(b)は、図2(a)において清掃物品が清掃用具に装着された状態でのb−b線断面図である。 図3(a)及び図3(b)は、清掃物品が装着された状態の清掃用具によって清掃対象面を払拭する状態を示す図である。 図4(a)及び図4(b)は、本発明の清掃用具の別の実施形態の要部を示す図である。 図5(a)及び図5(b)は、図4(a)及び図4(b)に示す清掃用具に清掃物品が装着された状態を示す要部斜視図である。 図6は、本発明の清掃用具の別の実施形態の要部を示す斜視図である。 図7は、本発明の清掃用具の更に別の実施形態の要部を示す斜視図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の清掃用具の一実施形態が示されている。同図に示す清掃用具10は、図2(a)及び図2(b)に示すとおり、清掃物品20が装着されて、該清掃物品20によって清掃対象面を払拭するために用いられるものである。清掃用具10は、ヘッド部10Aと、長い柄部10Bとを有するものであり、該柄部10Bを手で把持した状態で好適に使用される。柄部10Bは、一方向に延びる細長い形状をしており、片手で把持し得る程度の長さ及び太さを有している。柄部10Bは、伸縮自在になっていてもよい。
ヘッド部10Aは、柄部10Bの先端と連結する連結部11を有している。連結部11を介してヘッド部10Aと柄部10Bとは一体性を保っている。ヘッド部10Aは長手方向Xを有している。先に述べた連結部11は、長手方向Xと同方向に延びている。また、柄部10Bの延びる方向は、一般に長手方向Xと同方向であるが、それ以外の場合もある。
ヘッド部10Aは、連結部11の長手方向Xに沿う一端部である先端に連設された物品保持部12を有している。物品保持部12は、清掃物品20の保持が可能なものであり、本実施形態では長手方向Xに延びる細長い板状の形状をしており、第1面12a及びそれと反対側に位置する第2面12bを有している。物品保持部12は、連結部11の先端から分岐しており、連結部11の延びる方向と同方向に延びるように一対設けられている。一対の物品保持部12は互いに略平行に延びている。各物品保持部12の板面は互いに略平行になっており、かつ同一平面上に位置している。各物品保持部12の長さ及び幅は略同一になっている。各物品保持部12の先端121は略同位置に位置している。
清掃用具10は、一対の物品保持部12,12の間に粒ゴミ捕集部13を有している。粒ゴミ捕集部13は、連結部11の先端から該連結部11の延びる方向Xと同方向に延出している。粒ゴミ捕集部13は、連結部11の延びる方向Xの延長線上に位置している。粒ゴミ捕集部13は細長い板状の形状をしている。粒ゴミ捕集部13の板面は、各物品保持部12の板面と互いに略平行になっており、かつ同一平面上に位置している。粒ゴミ捕集部13の長さは、物品保持部12の長さよりも大きく、粒ゴミ捕集部13の先端131は、各物品保持部12の各先端121よりも突出している。
清掃用具10には、図2(a)及び図2(b)に示すとおり、清掃物品20が装着される。清掃物品20は、繊維集合体からなる清掃部24を有している。清掃部24は、繊維が特定の方向に引き揃えられて配列した状態になっているか、又は繊維が不特定の方向に不規則に堆積した状態になっているものである。いずれの状態であっても、繊維集合体は移動の自由度が高くなっており、ゴミを絡め取りやすい状態になっている。繊維集合体は、融着、接着、縫着などの手段によって繊維の集合状態が保持されている。
繊維集合体は、上面20a及び下面20bを有しており、下面20bが清掃対象面との接触面となっている。繊維集合体20の上面20aには清掃物品20を清掃用具10に保持させるための被保持部21が設けられている。被保持部21は、繊維集合体20の上面20aに接触して固定された基材シート21aと、該基材シート21a上に配置された補助シート21bとを有している。基材シート21aは、繊維集合体の上面20aとの対向領域の概ね全域にわたって繊維集合体と接合されている。一方、補助シート21bは、種々の形態とすることができる。例えば短冊状の縦長の補助シート21bを一対用い、該縦長のシートを、長手方向Xに延びる接合部22において基材シート21aと接合することができる。この場合、接合部22は、長手方向Xと直交する幅方向Yに沿って間欠的に多列に設けられている。あるいは補助シート21として一枚のシートを用い、このシートの左右の側部を基材シート21aの側にそれぞれ折り返し、この状態下に前記の接合部22によって両シート21a,21bを接合してもよい。更には、補助シート21として一枚のシートを用い、このシートの左右の側部を基材シート21aの側とは反対側にそれぞれ折り返し、この状態下に前記の接合部22によって両シート21a,21bを接合してもよい。その結果、基材シート21aと補助シート21bとは、両者間に空間を有する筒状の被挿入部23が形成されている。本実施形態においては、基材シート21aと補助シート21bとによって一対の被挿入部23が形成されている。これら一対の被挿入部23,23には、上述した清掃用品10の物品保持部12,12が挿入されるようになっている。被挿入部23はその両端が開口しており、そのどちらの端部からも物品保持部12,12が挿入可能になっている。
清掃物品20の繊維集合体を構成する繊維としては、従来、この種の物品に用いられてきたものと同様のものを用いることができる。例えば各種の合成樹脂からなる繊維やセルロースアセテートなどの繊維を用いることができる。繊維として、長繊維の繊維束(トウ)を用いることが好ましい。その際には公知の開繊装置を用いて繊維を十分に開繊しておくことが好ましい。繊維として特に捲縮繊維を用いると、埃の絡み取り性が一層向上するので好ましい。捲縮繊維としては、二次元又は三次元捲縮したものを用いることができる。繊維の太さは、ゴミを絡め取りやすいように適切に選択すればよく、一般には1dtex以上10dtex以下のものを用いることができる。繊維に、流動パラフィン等のオイル成分を塗工し、微細ダスト等の粒子状物を保持できるようにすることも好ましい。流動パラフィン以外の成分としては、一般に油剤として知られている、シリコーン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンワックス等を用いることもできる。更にこれら成分に吸水性の向上、帯電防止能力の向上等のため、界面活性剤を添加することも有効である。繊維としては、これらの他に、特開2007−111297号公報、特開2007−136156号公報、特開2007−236690号公報、及び特開2008−006260号公報に記載のものを用いることもできる。
清掃物品20を清掃用具10に装着させるには、図2(a)及び図2(b)に示すとおり、清掃物品20の被保持部21に設けられた被挿入部23内に、清掃用具10の物品保持部12を挿入して、清掃用具10に清掃物品20を装着する。装着完了状態においては、清掃用具10における物品保持部12は被保持部21内に挿入されて外部に露出していないが、粒ゴミ捕集部13は被保持部21の補助シート21b上に位置しており、該粒ゴミ捕集部13の上面は外方に向けて露出している。露出した該上面には粘着部位14が形成されている。この露出した粘着部位14は、パン粉、ゴマ、米、砂粒などの比較的小型の粒状のゴミを粘着力によって捕集・除去する部位として機能する。この機能を図3(a)及び図3(b)を参照しながら説明する。
図3(a)には、清掃物品20の下面20bを清掃対象面に対向させて、該清掃対象面に存するゴミ、特に髪の毛や綿埃等の繊維状のゴミを捕集・除去する状態が示されている。清掃物品20を構成する繊維集合体は、その構成繊維の移動の自由度が高くなっているので、清掃物品20の下面20bを清掃対象面に当接させた状態下に、清掃物品20を適宜往復運動させることでゴミが絡め取られる。しかし、パン粉、ゴマ、米、砂粒などの比較的小型の粒状のゴミは、繊維に絡め取られにくいことから、清掃物品20に捕集されづらく、清掃対象面上に残存しやすい。
そこで本実施形態においては、清掃対象面上に残存した粒状のゴミを、図3(b)に示すとおり、清掃物品20の上下面を逆転させて、粘着部位14を有する粒ゴミ捕集部13によって捕集・除去する。詳細には、図3(a)に示す状態から、図3(b)に示すとおり清掃物品20の上下面を逆転させて、粘着部位14を有する粒ゴミ捕集部13を清掃対象面と対向させる。この状態下に、粘着部位14を、清掃対象面に存する粒状のゴミDに押し当てる。粘着部位14が押し当てられた粒状のゴミDは、該粘着部位14の粘着力によって該粘着部位14に捕集され、清掃対象面から除去される。このようにして、本実施形態によれば、繊維状のゴミ及び粒状のゴミの双方を首尾よく清掃対象面から除去することができる。
ところで、粒ゴミ捕集部13の粘着部位14に埃や粒状のゴミDが蓄積してくると、粘着部位14の粘着力が次第に低下していき、粒状のゴミDの捕集能力が低下してくる。この不都合を解消することを目的として、本実施形態においては、粘着部位14をスチレン系エラストマーから構成している。スチレン系エラストマーは、重合単位としてスチレンを含み、ゴム状の弾力性を有する高分子材料である。スチレン系エラストマーは粘着力が高い材料であり、かつゴミが蓄積して粘着力が低下した場合であっても、そのゴミを洗い流すことによって、粘着力が復元する性質を有する。したがって、本実施形態において、粘着部位14の粘着力が低下してきたら、清掃物品20を清掃用具10から取り外し、該清掃用具10を、水で洗浄すればよい。洗浄する際に中性洗剤等を用いてもよい。洗浄に先だって、粘着部位14に付着している大きめの粒をゴミ箱等の中に払い落とすことが好ましい。この洗浄を、粘着部位14の粘着力が低下する度に行えば、清掃用具10を半永久的に使用することができる。洗浄後は、粘着部位14を十分に乾燥させて粘着性が十分に発現させることが好ましい。このように本実施形態の清掃用具10は、繰り返しの使用に耐え得るものなので経済的である。
以上の有利な効果を一層顕著なものとする観点から、粘着部位14を構成するスチレン系エラストマーとして、JIS K6253−3に準拠して測定されたデュロメータAの硬度が20以下、特に15以下であることが好ましい。また、0以上、特に3以上であることが好ましい。具体的には、スチレン系エラストマーの硬度は0以上20以下であることが好ましく、3以上15以下であることが更に好ましい。このような硬度を有するスチレン系エラストマーとしては、SBS、SIS、SEBS及びSEPSなどの繰り返し構造を有するブロック共重合体などが挙げられる(Sはスチレンを表し、Bはブタジエンを表し、Iはイソプレンを表し、Eはエチレンを表し、Pはプロピレンを表す。)。スチレン系エラストマーとして市販品を用いることもできる。そのような市販品としては、例えばアロン化成株式会社製の超低硬度・透明グレードスチレン系熱可塑性エラストマーであるAR−SC−5やAR−SC−15などを用いることができる。以上の各種のスチレン系エラストマーは1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述のデュロメータAの硬度は以下に述べる方法で測定することができる。平らな面に置いた試料の平面に、両手で保持したゴム硬度計の加圧面を真上から一定速度で垂直に押し付け、密着後、1秒以内の値を「硬度」とする。試料の測定位置は試料の端から12mm以上内側、測定箇所の間隔は6mm以上とする。測定に使用する試料の厚みは通常6mm以上とし、幅25mm以上(25mm×25mm以上)のシート状のものが好ましい。試験環境は温度23±2度、湿度50±5%。5ヶ所の中央値あるいは平均値を測定値に採用する。ゴム硬度計(GS709N 形式A)で50を示した場合、ショアA硬度は50(「A50」)である。
粒ゴミ捕集部13の外方露出面に設けられた粘着部位14においては、スチレン系エラストマーは、0.1mm以上の厚みで設けられていることが好ましく、0.3mm以上の厚みで設けられていることが更に好ましい。また、5mm以下の厚みで設けられていることが好ましく、3mm以下の厚みで設けられていることが更に好ましい。例えばスチレン系エラストマーの厚みは、0.1mm以上5mm以下であることが好ましく、0.3mm以上3mm以下であることが更に好ましい。この範囲の厚みでもって粘着部位14を形成することで、必要十分な粘着力を発現させることができる。
粒状のゴミを効率よく捕集・除去する観点から、粘着部位14の面積は10cm以上であることが好ましく、15cm以上であることが更に好ましい。また、75cm以下であることが好ましく、50cm以下であることが更に好ましい。例えば粘着部位14の面積は、10cm以上75cm以下であることが好ましく、15cm以上50cm以下であることが更に好ましい。本実施形態においては、図1等に示すとおり、粘着部位14の形状は粒ゴミ捕集部13の延びる方向Xと同方向に長い略長円形の形状をしているが、粒状のゴミの捕集が可能である限り、他の形状であってもよい。他の形状としては、ドット状や縞状の間欠的な形状や、海島(海部分が粘着部位)形状等が挙げられる。また本実施形態では、一つの粒ゴミ捕集部13に対して一つの粘着部位14が設けられているが、これに代えて、一つの粒ゴミ捕集部13に対して二以上の粘着部位14を設けてもよい。
スチレン系エラストマーからなる粘着部位14を粒ゴミ捕集部13に設けるには、例えば、スチレン系エラストマーのシートを貼り付ければよい。あるいは、粒ゴミ捕集部13と粘着部位14とを2色成形すればよい。あるいは、粒ゴミ捕集部13を成形した後に、粒ゴミ捕集部13をインサート成形して、粒ゴミ捕集部13の表面に粘着部位14を成形してもよい。特に粒ゴミ捕集部13がポリプロピレンから構成されている場合、ポリプロピレンとスチレン系エラストマーとの相溶性が良好なので、2色成形やインサート成形を行いやすいという利点がある。
次に、本発明の清掃用具の別の実施形態を図4ないし図7を参照しながら説明する。これらの実施形態については、図1ないし図3に示す実施形態と異なる点について主として説明し、特に説明しない点については、図1ないし図3に示す実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また図4ないし図7において、図1ないし図3と同じ部材には同じ符号を付してある。
先に説明した図1ないし図3に示す実施形態は、清掃物品20は、片面のみを清掃に供するのに対して、以下に説明する図4ないし図7に示す実施形態では、清掃物品20の両面を清掃に供することができる。
図4(a)及び図4(b)に示す実施形態の清掃用具10は、連結部11の先端から該連結部11の延びる方向Xと同方向に延出する物品保持部12を一つ有する。物品保持部12は、連結部11の延びる方向Xの延長線上に位置している。物品保持部12は、長手方向Xに延びる細長い板状の形状をしており、第1面12a及びそれと反対側に位置する第2面12bを有している。また清掃用具10は、連結部11から該連結部11の延びる方向Xと同方向に延出する粒ゴミ捕集部13を一つ有する。粒ゴミ捕集部13の延出方向は、物品保持部12の延出方向と同方向であり、物品保持部12と粒ゴミ捕集部13とは略平行に延びている。粒ゴミ捕集部13は、物品保持部12と同様に細長い板状の形状をしており、第1面13a及びそれと反対側に位置する第2面13bを有している。粒ゴミ捕集部13の板面は、物品保持部12の板面と略平行になっている。そして物品保持部12の第2面12bと、粒ゴミ捕集部13の第1面13aとは対向している。
把持部11は、その長手方向Xの両端部の間の位置にヒンジ機構15を有している。このヒンジ機構15に、粒ゴミ捕集部13の長手方向の一端部が取り付けられている。それによって、粒ゴミ捕集部13は、物品保持部12に対して接離可能になされている。接離可能とすることで、清掃物品20の装着及び取り外し、また粘着部位14の洗浄を容易に行うことができる。なお、把持部11における先端とヒンジ機構15との間に位置する突起16は、後述する図5(a)及び図5(b)に示す清掃物品20を物品保持部12に固定するための係止用突起である。
図5(a)及び図5(b)には、図4(a)及び図4(b)に示す清掃用具10に清掃物品20を装着した状態が示されている。清掃物品20を清掃用具10に装着させるには、まず図5(a)に示すとおり、粒ゴミ捕集部13を物品保持部12から離間させた状態下に、清掃物品20に設けられた被挿入部(図示せず)内に、清掃用具10の物品保持部12を挿入する。装着が完了したら、粒ゴミ捕集部13を物品保持部12に接近させて、図5(b)に示すとおり、該粒ゴミ捕集部13の第1面13aを清掃物品20と当接させる。図5(b)に示す状態においては、清掃用具10における物品保持部12は被保持部21内に挿入されて外部に露出していないが、粒ゴミ捕集部13は清掃物品20上に位置しており、該粒ゴミ捕集部13の上面である第2面13bは外方に向けて露出している。露出した第2面13bは、スチレン系エラストマーで形成された粘着部位14を有している。
本実施形態においては、図5(b)に示す状態の清掃物品20の下面20bを清掃対象面に対向させて、該清掃対象面に存するゴミを捕集・除去する。次に、清掃物品20の上下面を逆転させて、粘着部位14を有する粒ゴミ捕集部13によって、清掃対象面上に残存した粒状のゴミを捕集・除去する。あるいは別法として、図5(a)に示す状態、つまり粒ゴミ捕集部13が清掃物品20から離間した状態の清掃物品20の上面20aを清掃対象面に対向させて、該清掃対象面に存するゴミを捕集・除去する。次に、粒ゴミ捕集部13を物品保持部12に接近させて、図5(b)に示す状態にする。そして、粘着部位14を有する粒ゴミ捕集部13によって、清掃対象面上に残存した粒状のゴミを捕集・除去する。このように、本実施形態によれば、清掃物品20の上下面20a,20bの双方を清掃に寄与させることができ、清掃物品20の清掃面全域を効率的に利用することができる。
図6に示す実施形態の清掃用具10は、図5に示す実施形態の変形例である。図5に示す実施形態においては、ヒンジ機構15を介して粒ゴミ捕集部13を、物品保持部12に対して接離可能にしたが、本実施形態においては、連結部11と、粒ゴミ捕集部13と、物品保持部12とを、合成樹脂の一体成形品から構成し、粒ゴミ捕集部13の弾性変形によって、粒ゴミ捕集部13を、物品保持部12に対して接離可能になしている。粒ゴミ捕集部13を弾性変形可能とするためには、例えば、使用する合成樹脂としてゴム弾性を有する材料を用いればよい。粒ゴミ捕集部13に外力を加え弾性変形させることで、該粒ゴミ捕集部13は、物品保持部12に対して近接又は離間し、外力を解除することで離間又は近接する。本実施形態によっても、髪の毛や綿埃等の繊維状のゴミ、及びパン粉、ゴマ、米、砂粒などの粒状のゴミの双方を首尾よく捕集・除去することができる。またヒンジ機構がないことにより部品点数の削減と組立費用が削減でき安価に製作できる。
図7に示す実施形態の清掃用具10も、図5に示す実施形態の変形例である。図5に示す実施形態においては、粒ゴミ捕集部13のうち、物品保持部12に清掃物品20が装着された状態において、外方に向けて露出する部位に、粘着部位14を薄層状に設けたが、本実施形態においては、別の形態の粘着部位14を採用している。詳細には、粒ゴミ捕集部13のうち、物品保持部12に清掃物品20が装着された状態において、外方に向けて露出する部位、つまり第2面13bに、粒ゴミ捕集部13の延びる方向Xと同方向に延びる円柱状回動体17を設けている。円柱状回動体17は、その延びる方向Xにおける両端部が、支持体18,18によって支持されている。円柱状回動体17は、その軸線回りに回動可能なように支持体18,18によって支持されている。そして、円柱状回動体17の周面に粘着部位14が設けられている。物品保持部12に保持される清掃物品としては、これまでの実施形態に用いられるものと同様のものを特に制限なく用いることができる。
本実施形態においては、まず、先に述べた図5(b)に示すとおり、清掃物品20の下面20bを清掃対象面に対向させて、該清掃対象面に存するゴミを捕集・除去する。次に、清掃物品20の上下面を逆転させ、更に円柱状回動体17の周面を、清掃対象面に当接させる。この当接状態を維持しつつ、清掃用具10をその幅方向Yに向けて往復運動させて円柱状回動体17を回動させる。これによって、円柱状回動体17の周面に形成された粘着部位14に粒状のゴミを捕集・除去する。あるいは別法として、先に述べた図5(a)に示すとおり、粒ゴミ捕集部13が清掃物品20から離間した状態の清掃物品20の上面20aを清掃対象面に対向させて、該清掃対象面に存するゴミを捕集・除去する。次に、粒ゴミ捕集部13を物品保持部12に接近させて、図5(b)に示す状態にした後、円柱状回動体17の周面を、清掃対象面に当接させる。この当接状態を維持しつつ、円柱状回動体17を回動させることで、その周面に形成された粘着部位14に粒状のゴミを捕集・除去する。
以上の各実施形態の清掃用具10は、硬質表面を払拭するために好適に用いられる。例えばフローリングの全域の払拭や、フローリングの隅の払拭に本発明の清掃用具を用いることができる。柄部10Bを短くして清掃用具10をハンディタイプのものとすれば、家具、家電製品、置物などの払拭に好適に用いることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明してきたが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記の各実施形態は、その構成を互いに置換して別の実施形態とすることができる。具体的には、図6に示す実施形態の清掃用具10において、粘着部位14を、図7に示す実施形態の円柱状回動体17のタイプに変更し、粘着部位14を設けた円柱状回動体17を粒ゴミ捕集部13の上面13bに配置することができる。
10 清掃用具
10A ヘッド部
10B 柄部
11 連結部
12 物品保持部
13 粒ゴミ捕集部
14 粘着部位
15 ヒンジ機構
16 係止用突起
17 円柱状回動体
20 清掃物品
20a 上面
20b 下面
21 被保持部
21a 基材シート
21b 補助シート
22 補助シート
23 被挿入部
24 清掃部

Claims (8)

  1. 柄部と、該柄部に連設され、かつ清掃物品の保持が可能な物品保持部とを有し、
    前記物品保持部に前記清掃物品が装着されて、該清掃物品によって清掃対象面を払拭する清掃用具であって、
    前記清掃用具は、粒ゴミ捕集部を有し、該粒ゴミ捕集部のうち、前記物品保持部に前記清掃物品が装着された状態において、外方に向けて露出する部位に粘着部位を設け、
    前記粘着部位はスチレン系エラストマーを含んで構成されている、清掃用具。
  2. 前記清掃物品が被挿入部を有し、該被挿入部に前記物品保持部が挿入されることで、前記清掃用具に該清掃物品が装着されるようになっている請求項1に記載の清掃用具。
  3. 前記粘着部位を形成するスチレン系エラストマーは、JIS K6253−3に準拠して測定されたデュロメータAの硬度が0以上20以下である請求項1又は2に記載の清掃用具。
  4. 前記粘着部位は、前記清掃物品の上面に配置される請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の清掃用具。
  5. 前記柄部の先端から分岐する一対の前記物品保持部と、
    一対の前記物品保持部の間に位置する前記粒ゴミ捕集部とを有し、
    前記粒ゴミ捕集部のうち、前記物品保持部に前記清掃物品が装着された状態において、外方に向けて露出する部位に前記粘着部位を設けた請求項1ないし4のいずれか一項に記載の清掃用具。
  6. 前記柄部の先端から延出する前記物品保持部と、
    前記柄部の先端から延出し、かつ前記物品保持部と略平行に延びる前記粒ゴミ捕集部とを有し、
    前記粒ゴミ捕集部は、前記物品保持部に対して接離可能になされており、
    前記粒ゴミ捕集部のうち、前記物品保持部に前記清掃物品が装着された状態において、外方に向けて露出する部位に前記粘着部位を設けた請求項1ないし4のいずれか一項に記載の清掃用具。
  7. 前記柄部に、前記粒ゴミ捕集部を前記物品保持部に対して接離可能にするヒンジ機構を設けた請求項6に記載の清掃用具。
  8. 前記粒ゴミ捕集部のうち、前記物品保持部に前記清掃物品が装着された状態において、外方に向けて露出する部位に、該粒ゴミ捕集部の延びる方向と同方向に延びる円柱状回動体を設け、
    前記円柱状回動体を、その軸線回りに回動可能になすとともに、該円柱状回動体の周面に前記粘着部位を設けた請求項6又は7に記載の清掃用具。
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