WO2014073118A1

WO2014073118A1 - 清掃体保持具、及び、清掃具

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Publication number: WO2014073118A1
Application number: PCT/JP2012/079723
Authority: WO
Inventors: 山田　菊夫
Original assignee: Yamada Kikuo
Priority date: 2012-11-09
Filing date: 2012-11-09
Publication date: 2014-05-15

Abstract

　筒状の基材シートの外周面に清掃部を形成し基材シート内側の空間の一部に挿入部を形成している清掃体における基材シートの形状を筒状に保つことのできる清掃体保持具、およびその清掃体保持具を用いた清掃具を得る。　一端側に清掃体（１３）を着脱可能に保持し、他端側に手で把持可能な把持部（４０）を備えた清掃体保持具（１）である。清掃体保持具（１）は、筒状の清掃体（１３）の内面に設けられた１又は複数の挿入部（１７）に挿入される保持部（７）を一端側に有し、更に中間部から一端側に延出するアーム（８）を有し、アーム（８）は、弾性を有し、且つ、その全域に亘って保持部（７）と間隙を有する。

Description

清掃体保持具、及び、清掃具

　本発明は、清掃体保持具、及び、これを用いた清掃具に関する。

　タンス等の家具、パソコンや照明器具等の電気製品、建物内部の壁、敷居、鴨居等に付着した塵や埃等を除去するための清掃具として、従来からハタキが知られている。しかし、ハタキは被清掃物の清掃面に付着した塵や埃を叩き出すにすぎず、塵や埃を絡め取るには十分でない。
　特許文献１には、多数の繊維からなる繊維束等を備えた清掃用物品を用いて被清掃物の埃等を拭い取ることが提案されている。具体的には、この清掃用物品は、基材シートの清掃面側および左右両側に刷毛部を備えるものであり、また、刷毛部は、不織布の短冊片と繊維束により形成されている。さらに、この清掃用物品は、基材シートと保持シートとを接合して接合線を形成して基材シートと保持シートとの間に保持空間を形成している。この清掃用物品は、刷毛部を清掃部とする清掃体として用いられるものであり、清掃時には、清掃用物品たる清掃体の内部に形成された保持空間に保持具を挿入されて清掃具に組み込まれた状態にて使用される。
　特許文献１の清掃用物品では、基材シートのうち保持空間を形成する部分の外面側に対して繊維束を直に接合させており、基材シートの外面側に清掃部を形成した状態が形成される。そして、清掃時には、基材シートの外面側の清掃部で被清掃面に付着した塵や埃が絡め取られることになる。このような清掃用物品たる清掃体を用いて、より凹凸のある複雑な領域や隙間領域などを有する被清掃面に対して十分に塵や埃を絡め取ることを可能とする清掃具を得るには、清掃部における繊維束を構成する繊維の長さを全体的に長くし、さらに、繊維束を構成する繊維の密度を全体的に高め、繊維束を嵩高にすることが考えられる。
　しかしながら、特許文献１の清掃用物品において、繊維束を構成する繊維の長さを長くする場合には、繊維の先端側の部分のみが清掃時の塵や埃の絡め取りに使用されることとなり、繊維の基端側の部分である繊維束と基材シートとの接合部をなす部分が、清掃時に被清掃面に接触しにくくなって、塵や埃の絡め取りに使用されにくくなり、繊維束を構成する繊維全体を効果的に塵や埃の絡め取りに使用することができなくなるという問題が生じる。しかも、清掃用物品に用いられる繊維束を構成する繊維の長さを全体的に長くし、繊維の密度を全体的に高めることは、製造コストの上昇を招く。さらに、繊維の長さを長くすると、清掃用物品を持ち運ぶ際に長い繊維の先端に絡まりが生じやすくなる虞もある。
　そこで、筒状の基材シートの外周面上に清掃部を形成し、基材シート内側の空間の一部に挿入部を形成している清掃体を用い、清掃体保持具の所定部分を挿入部に挿入してなるもの清掃具となすことが考えられる。この清掃具に用いられる清掃体は、筒状の基材シートの外周面側に清掃部を形成されているため、筒状の基材シートの外周面側の所定部分を被清掃面に押し当てた際に、基材シートが被清掃面の形状に応じて変形するとともに基材シートの清掃部が被清掃面により密に接触するようになる。このため、この清掃具に用いられる清掃体は、清掃部に長い繊維で構成された繊維束を用いずとも、凹凸のある複雑な領域や隙間領域などを有する被清掃面に対して清掃部を十分にフィットさせた状態を形成しやすい。したがって、この清掃具に用いられる清掃体によれば、清掃部全体を効率的に使用しつつ塵や埃を十分に絡め取ることができる。
　このような清掃具を反復継続して使用するには、使用時に筒状の基材シートの外周面を被清掃面に押し当てて、被清掃面の形状に応じて基材シートを変形させて清掃部を被清掃面にフィットさせたとしても、基材シートの形状をできるだけ筒状の状態に保てることが重要である。

特開２００２−３６９７８３号公報

　本発明は、筒状の基材シートの外周面に清掃部を形成し基材シート内側の空間の一部に挿入部を形成している清掃体における基材シートの形状を筒状に保つことのできる清掃体保持具、およびその清掃体保持具を用いた清掃具を提供することを目的とする。

　本発明は、（１）一端側に清掃体を着脱可能に保持し、他端側に手で把持可能な把持部を備えた清掃体保持具であって、
　筒状の清掃体の内面に設けられた１又は複数の挿入部に挿入される保持部を一端側に有し、
　更に中間部から一端側に延出するアームを有し、
　アームは、弾性を有し、且つ、その全域に亘って保持部と間隙を有する、ことを特徴とする清掃体保持具、
（２）アームは、保持部の挿入方向に対して斜めに立ち上がって伸びている、ことを特徴とする上記（１）に記載の清掃体保持具、
（３）アームは、清掃体保持具の平面視上、保持部の挿入方向に対して順方向にのびている、上記（１）または（２）に記載の清掃体保持具、
（４）アームは、清掃体保持具の保持部を挿入部に挿入したときにアームの少なくとも一部が基材シートの内周面に接するように構成されている、上記（１）から（３）のいずれかに記載の清掃体保持具、
（５）アームは、アーチ状に形成されている、上記（１）から（４）のいずれかに記載の清掃体保持具、
（６）アームの伸延端には、延長片が延設されている、上記（１）から（５）のいずれかに記載の清掃体保持具、
（７）筒状の基材シートの外周面上に清掃部を形成するとともに基材シートの内周面上に挿入部を形成している清掃体と、上記（１）から（６）のいずれかに記載の清掃体保持具と、を備えてなり、
　清掃体における挿入部に対して清掃体保持具の保持部が挿入され、且つ、基材シートの内部空間内且つ挿入部の外側に清掃体保持具のアームが挿入されている、ことを特徴とする清掃具、
（８）清掃体の清掃部は、多数の繊維を結束してなる繊維結束体を基材シートの外周面上に接合して形成されている、上記（７）に記載の清掃具、を要旨とする。

　本発明によれば、筒状の基材シートの外周面に清掃部を形成し基材シート内側の空間の一部に挿入部を形成している清掃体における基材シートの形状を筒状に保つことができ凹凸面についても良好に清掃することができる清掃体保持具、およびその清掃体保持具を用いた清掃具を得ることができる。

図１Ａは、清掃体保持具の実施例の１つを模式的に示す概略模式平面図である。図１Ｂは、清掃体保持具の実施例の１つを模式的に示す概略模式側面図である。図２Ａは、清掃体保持具が延長片を備えて構成されている場合の実施例の１つを模式的に示す概略模式平面図である。図２Ｂは、清掃体保持具が延長片を備えて構成されている場合の実施例の１つを模式的に示す概略模式側面図である。図３Ａは、図２Ａに示す清掃体保持具で清掃体を保持した清掃具の実施例の１つを模式的に示す概略模式平面図である。図３Ｂは、図３Ａ中の矢印Ｖ方向を視線方向として図３Ａに示す清掃具を見た場合の清掃具の状態を模式的に示す概略模式図である。図４Ａは、清掃体保持具が１つの保持部を設けている場合の一実施例を模式的に示す概略模式平面図である。図４Ｂは、清掃体保持具が３つの保持部を設けている場合の一実施例を模式的に示す概略模式平面図である。図５Ａは、清掃体の実施例の１つとして清掃体が基材シートの外周面上に繊維結束体を設けた構成を備える場合の一例を模式的に示す概略模式平面図である。図５Ｂは、図５Ａに示す清掃体を、基材シートの一方の端面側から他方の端面側に向かって矢印Ｅ方向に沿った方向にみた場合の清掃体の状態を示す概略模式図である。図５Ｃは、図５ＢのＡ−Ａ線断面の状態を模式的に示す、概略模式断面図である。図６は、繊維結束体を調製するために用いられる長繊維束ね体を説明するための概略模式平面図である。図７Ａは、清掃体が基材シートの外周面上に繊維結束体を設けた構成を備える場合の他の一実施例を示す概略模式平面図である。図７Ｂは、清掃体が基材シートの外周面上に繊維結束体を設けた構成を備える場合の他の一実施例を示す概略模式平面図である。図８Ａは、清掃体の他の実施例の１つを模式的に示す概略模式平面図である。図８Ｂは、図８Ａに示す清掃体を、基材シートの一方の端面側から他方の端面側に向かって矢印Ｅ方向に沿った方向にみた場合の清掃体の状態を示す概略模式図である。図８Ｃは、図８ＢのＢ−Ｂ線断面の状態を模式的に示す、概略模式断面図である。図９は、図８Ａに示す清掃体を調製する方法の一実施例を説明するための概略説明図である。図１０Ａは、図５Ａに示す清掃体の挿入部と図２Ａに示す清掃体保持具とを組み合わせて構成される清掃具を調製する方法を説明するための概略説明図である。図１０Ｂは、図５Ａに示す清掃体の挿入部と、図２Ａに示す清掃体保持具とで構成される清掃具を模式的に示す概略模式平面図である。図１１Ａは、清掃具を被清掃面に接触させた状態を模式的に示す概略模式図である。図１１Ｂは、清掃具を被清掃面に押し付けた状態を模式的に示す概略模式図である。図１２Ａは、図３ＡのＩ−Ｉ線断面の状態を模式的に示す概略断面模式図である。図１２Ｂは、清掃具を被清掃面に押し付けた場合における、清掃具の状態を、図３ＡのＩ−Ｉ線断面に対応する断面にて模式的に示す概略断面模式図である。清掃体保持具の実施例の１つにおいて固定爪を形成した例を模式的に示す概略模式平面図である。

（清掃体保持具１）
　清掃体保持具１は、一端側にて清掃体を着脱可能に保持可能に構成されるものであり、他端側に手で把持可能な把持部４０を備えており、更に保持部７とアーム８とを備えている。保持部７は、筒状の清掃体の内面に設けられた１又は複数の挿入部１７に挿入されて清掃体１３を着脱自在に保持する部分である。なお、一方端、他方端は、清掃体保持具１における挿入方向の一方端、他方端を示す。
（柄３）
　図１Ａ，図１Ｂに示す例では、清掃体保持具１は、柄３を備えて構成されている。柄３には、手で把持可能な把持部４０が備えられている。把持部４０は清掃体保持具１の一方端側に設けられている。把持部４０は、手で把持可能な構造を有していれば特に限定されず、例えば、図１の例に示すように、柄３の所定位置に、グリップ４が取り付けられてそのグリップ４を把持部４０となしてよい。この例では、柄３の一方端側にグリップ４が取り付けられていることで、把持部は清掃体保持具１の一方端側に設けられた構成が実現されている。なお、清掃体保持具１において、グリップ４が設けられている場合、グリップ４の形状は特に限定されるものではない。なお、柄３の形状は特に限定されるものではない。例えば、柄３の端部のうち後述する保持部７に近いほうの端部を幅広にしてなる形状となして形成されていてもよい。
（保持部７）
　清掃体保持具１において、保持部７は、清掃体１３を着脱可能に保持するほうの端となる一方端側に設けられており、すなわち、把持部４０を設けられたほうの端とは逆端側となる清掃体保持具１の他方端側に設けられている。図１に示す例では、保持部７は、柄３の一方端であってグリップ４を設けられたほうの端部とは逆端側に設けられる。なお、保持部７は、柄３に対して直接的に連続して設けられてよいほか、ジョイント部材（図示せず）を介して間接的に柄３に対して連続するように設けられていてもよい。
　保持部７は、図１の例では、後述する清掃体１３における挿入部１７の保持部挿入空間１９内に挿入される部分である。すなわち、保持部７は、後述する筒状の基材シート１４の外周面上に清掃部２０を形成するとともに基材シート１４の内周面上に挿入部１７を形成した清掃体１３における１又は複数の挿入部１７に対して挿入可能に形成されている。
（保持部７の形状や数）
　保持部７の具体的形状は、清掃体１３の挿入部１７の形状に応じて適宜選択可能であり、棒状、板状、など適宜選択可能である。また、清掃体保持具１に設けられる保持部７の数についても、清掃体１３の挿入部１７の形状に応じて適宜選択可能であり、図４Ａの例に示すように１つでもよいし、２以上であってもよい。したがって、清掃体保持具１は、図４Ｂに示すように３つの保持部７を備えて構成されてよい。なお、図１の例では、清掃体保持具１は、２本の保持部７（７ａ、７ｂ）を備えて保持部７を形成した構成を備えている。なお、図１に示す例では、保持部７は、その基端から所定方向に延びるように形成されている。そして、図１の例では、保持部７の延びる方向は、清掃体保持具１の保持部７を清掃体１３の挿入部１７に挿入する方向、すなわち挿入方向（矢印Ｅ）に一致している。
（アーム８）
　清掃体保持具１には、中間部から一端側に延出するアーム８が設けられている。なお、中間部とは、清掃体１３を着脱可能に保持する一端と、把持可能な把持部４０を備えた他端との間の部分を示す。
　また、アーム８は、その全域に亘って保持部７と間隙を有している。アーム８が、保持部７に対して間隙を有していると、清掃体保持具１の保持部７を清掃体３の挿入部１７によりスムーズに挿入することが容易となる。
　アーム８は、保持部７の挿入方向に対して斜めに立ち上がってのびていることが好ましい。図１Ｂに示す例では、清掃体保持具１の中間部の所定位置を基端９として保持部７の挿入方向（矢印Ｅ方向）に対して立ち上がって延びている。このとき、清掃体保持具１の平面視上、アーム８は、保持部７の挿入方向Ｅに対して順方向にのびている。このとき、図１Ｂの例ではアーム８は、清掃体保持具１の平面視上、保持部７ののびる方向に対して順方向にのびていることとなる。なお、図１Ｂにおいてアーム８の基端９位置での立ち上がり方向は、矢印Ｕで示す。
　アーム８は、図１Ｂの例に示すように基端９の部分で保持部７の挿入方向に対して立ち上がっていればよい。したがって、アーム８の基端から先端に向かう途中の所定位置で、湾曲及び／又は屈曲していてもよい。例えば、アーム８は、その中央から先端に向かって下り傾斜した形状に形成されていてもよい。アーム８がその基端９の部分で保持部７の挿入方向に対してから斜めに立ち上がっている場合、清掃時に基材シート１４が押しつぶされた際にアーム８全体を撓ませて変形させることが容易となり、アーム８全体を基材シート１４の形状回復に寄与させることができる。
　アーム８は、図１Ｂなどに示すように、基端９で保持部７の挿入方向Ｅに対して立ち上がっているが、立ち上がり高さ（図１Ｂ中、符号Ｈ）は、清掃体保持具１を取り付けようとする清掃体１３の構造に応じて適宜選択可能である。また、図１Ａ中、符号Ｗで示すアーム８の幅は、適宜選択可能である。
　さらに、アーム８においては、図１Ａに示すように、清掃体保持具１の平面視上、アーム８の伸延端１０、すなわちアーム８の先端が、アーム８の基端９と保持部７の先端３７との間に位置していることが好ましい。アーム８の伸延端１０がこのような位置にあることで、清掃時に基材シート１４が押しつぶされた際にアーム８が変形した際に、アーム８の伸延端１０が基材シート１４の筒内空間である内部空間３１の外側に出てしまって容易に基材シート１４の端面２９よりも外側にアーム８が突き出てしまうことが抑制される。
　また、アーム８の伸延端１０は、アーム８の基端９よりも保持部７の先端３７寄りに位置していることが好ましい。なお、アーム８の基端９よりも保持部７の先端３７寄りに位置するとは、清掃体保持具１の平面視上、アーム８の基端９と保持部７の先端３７との中間位置を中央基準位置として、その中央基準位置よりも保持部７の先端３７側に位置していることを示す。
　アーム８は、基端９が保持部７の挿入方向に対して斜めに立ち上がっていればよく、立ち上がり角度を特に限定されるものではない。アーム８は、斜めに立ち上がっていることで、清掃体保持具１を用いた清掃具１２による清掃時に被清掃面に対して清掃具１２を押し付けた場合にアーム８の弾性的な変形をスムーズに生じさせることができ、清掃体保持具１を用いた清掃具１２による清掃時に清掃体１３の基材シート１４を変形させて被清掃面に清掃部２０をフィットさせることが容易となる。
　アーム８は、保持部７に対して凸状に滑らかに湾曲した形状に形成されていることが好ましく、具体的形状に、アーチ状に形成されていることが好ましい。アーム８がアーチ状であると、アーム８に形成される湾曲面を基材シート１４に接触させることができることとなり、アーム８と基材シート１４との接触を滑らかにすることができ、清掃体保持具１を用いた清掃具１２による清掃時において清掃体１３に応力を負荷された場合にあっても基材シート１４を滑らかに変形させることができる。また、アーム８がアーチ状に形成されていると、清掃体１３の基材シート１４の外径よりも小さな内径を有する筒状物を被清掃物としてその被清掃物の内周面を被清掃面とするような場合にあっても、清掃具１２を被清掃物の筒内に挿入させる場合に、清掃体１３を被清掃物に滑らかに滑り込ませることが容易となる。
　アーム８は、ばね弾性を有する。ここで弾性とは、清掃体保持具を手で持って、アーム８を平らな場所に押しつけた場合に、アーム８が変形し、押し付けた力を取り去ると、元の形状に戻るような弾性を意味する。
　アーム８は、その材質を特に限定されるものではないが、十分なばね弾性を保持させやすい点で、樹脂材料から形成されるものであることが好ましい。アーム８を形成するために使用できる樹脂材料としては、具体的には、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、あるいはその他のプラスチックなどから適宜選択することができる。
　アーム８がばね弾性を有していると、清掃体保持具１で清掃体１３を保持した清掃具１２を用いて清掃を実施するにあたって被清掃面に清掃具１２を押し付けた際、図１２Ａ，図１２Ｂに示すように、アーム８が弾性的に変形して清掃体１３の嵩が下がるとともに清掃体１３の清掃部２０が被清掃面にフィットしやすくなる。ここに、図１２Ａは、清掃具１２を被清掃面に押し付ける前の清掃具１２の状態を模式的に示す概略断面模式図であり、図１２Ｂは、押し付け時における清掃具１２の状態を模式的に示す概略断面模式図である。清掃具１２を被清掃面に押し付けた時、アーム８が弾性的に変形していることから、被清掃面に対する清掃具１２の押し付けを解除した後には、アーム８の形状が回復するとともに清掃体１３の嵩が回復する。こうして、清掃体保持具１に設けられたアーム８がばね弾性を有することで、清掃体１３の嵩を効果的に維持することの可能な清掃体１３を得ることができる。
（延長片１１）
　アーム８には、図２Ａ、図２Ｂに示すように、その伸延端１０（先端）に、延長片１１が延設されていることが好ましい。このとき、延長片１１は、外延長片、内延長片のどちらであってもよいが、清掃体１３を構成する基材シート１４の筒内空間３１が潰れてややしぼんだ状態にあったとしても清掃体保持具１を清掃体１３の挿入部１７に挿入しやすい点では、外延長片であることが好ましい。ここに、外延長片は、図２に示すような保持部７の挿入方向Ｅに対して順方向にアーム８の伸延端１０を延長して延設形成されるものを示す。また、内延長片は、保持部７の挿入方向Ｅとは逆方向にアーム８の伸延端１０を延長して延設形成されているものを示す（図示せず）。
　延長片１１は、保持部７の挿入方向Ｅに沿って伸びるように形成されていればその形状を特に限定されるものではないが、延長片１１の基端から延出端３８側に向かうにともなって保持部７の挿入方向Ｅに対してやや反りあがるように形成されていることが好ましい（図示せず）。延長部１１の延出端３８は、保持部７の先端３７よりもアーム８の基端９側に位置していることが好ましい。延長片１１の延出端３８が保持部７よりも矢印Ｅ方向に突出した位置にあると、挿入部１７に保持部７を挿入する際に、保持部７よりも先に延長片１１が挿入部１７にぶつかってしまい保持部７を挿入部１７に挿入しにくくなる虞がある。
　ところで、清掃体保持具１を用いて清掃体１３を保持するにあたり、保持部７を清掃体１３の挿入部１７に挿入した際、図１２Ａに示すように、アーム８は基材シート１４の内部空間３１内且つ挿入部１７の外側に挿入されており、アーム８の伸延端１０はシート片１８などといった挿入部１７を形成する部材に向かい合う。ここで、清掃体保持具１がアーム８の伸延端１０に上記したような延長片１１を延設していると、保持部７を清掃体１３の挿入部１７に挿入した際、延長片１１は挿入部１７の外側に位置しつつ挿入部１７を形成する部材に向かい合うこととなり、挿入部１７を形成する部材を保持部７と延長片１１とで挟みこんでクリップ構造を形成することができるようになり、清掃具１２から清掃具体保持具１が脱離する虞を効果的に防止することができるようになる。
（固定爪３５）
　清掃体保持具１には、図１３に示すように保持部７に固定爪３５が形成されていてもよい。固定爪３５は、清掃体保持具１の平面視上、保持部７の外周縁に、保持部７の挿入方向に対して交差する方向に、保持部７から突出するように形成されている。清掃体保持具１が固定爪３５を備えていると、保持部７を清掃体１３の挿入部１７に挿入した際、挿入部１７の内面に固定爪３５が引っかかり、清掃体保持具１から清掃体１３が脱離する虞が低減される。
（清掃体保持具１の製造）
　清掃体保持具１は、その製造方法を特に限定されるものではなく、例えば、保持部７、アーム８、それら以外の部分を別体で調製して、組み合わせて調製されてよいし、一体的成形して調製されてもよい。
（清掃体保持具１の使用）
　清掃体保持具１は、すなわち清掃具１２を構成する部材として使用される。例えば図３Ａ、図３Ｂに示すように、清掃体保持具１を用い、清掃体１３における挿入部１７に対して清掃体保持具１の保持部７を挿入して清掃具１２が調製される。このとき、清掃体１３には、筒状の基材シート１４の外周面上に清掃部２０を形成するとともに基材シート１４の内周面上に挿入部１７を形成したものが用いられる。なお、図３には、清掃体保持具１が延長片１１を備えている場合にあって、清掃体保持具１で清掃体１３を保持した清掃具１２の一実施例が示されている。このことは、図４、図１０、図１１、図１２、図１３について、同様である。
　次に、清掃体保持具１を用いた清掃具１２について説明する。
（清掃具１２）
　清掃具１２は、図３Ａ、図３Ｂに示すように、清掃体１３と清掃体保持具１を備えてなる。
（清掃体１３の第１実施形態）
　清掃体１３の第１実施形態について、図３を用いて説明する。
　清掃体１３（１３ａ）は、図３に示すように、筒状の基材シート１４を備え、筒状の基材シート１４の外周面上に清掃部２０を形成しており、基材シート１４内側の空間の一部に保持具挿入空間１９を形成してなる挿入部１７を備えている。
（基材シート１４）
　基材シート１４は、柔軟に変形可能な薄肉のシート原材１５から形成されている。基材シート１４は、外観上、少なくとも一方の端面２９側の開口した筒状に形成された筒状体をなす。なお、図３に示す基材シート１４は、両方の端面２９側の開口した筒状体をなしている。また、基材シート１４は、その筒状体の筒軸方向（図３の例では長手方向）を法線として筒状体の縦断面を見た場合に、その断面形状を特に限定されるものではないが、図３の例では、縦断面円形状をなして形成されている。
　基材シート１４の内周面上には、挿入部１７が形成されており、基材シート１４の筒内空間３１内にあって挿入部１７の外側に余空間部３６が形成されている。余空間部３６は、挿入部１７を構成する挿入空間１９よりも大きい。
（基材シート１４の材質）
　基材シート１４を構成する筒状体は、シート原材１５の材質でもあり、後述のシート原材１５として使用可能な材質であれば特に限定されるものではない。
（基材シート１４の調製）
　基材シート１４は、例えばシート原材１５を丸めることなどによりシート原材１５を適宜筒状にして筒状体とするとともに、所定位置でシート原材１５同士を接合して接合部１６を形成することで調製される。
（シート原材１５）
　シート原材１５は、基材シート１４の筒状構造を形成可能であれば特に限定されず、紙、織布、合成樹脂シート、不織布などのシート材が好適に用いられる。また、清掃体１３が後述するような基材シート１４の外周面上に繊維結束体２１を接合した構成を備えている場合には、更に基材シート１４の外周面上に繊維結束体２１を接合した状態を形成可能であるという条件を満たすシート材がシート原材１５として選択される。繊維結束体２１を接合した状態を良好に形成することが容易である点のほか、軽量性、強度、耐久性、接着性の観点からは、シート材のなかでも、不織布が特に好適に用いられる。
　シート原材１５として使用可能な不織布としては、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布等を用いることができるが、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布が好ましい。不織布を構成する繊維としては、天然繊維、合成繊維、複合繊維のいずれでも良い。不織布は、坪量２０~１００ｇ／ｍ^２程度のものが好ましい。
（接合部１６）
　接合部１６の形成方法としては、接着剤を用いた接合方法を用いることができる。この方法では、接合部１６は、接着剤をシート原材１５の所定位置に塗布して形成される接着剤部２７を介してシート原材１５同士を接合した構造部分として形成される。
　上記した接着剤による接合方法は接合部１６の形成方法の一例であり、その他にも、接合部１６の形成方法として、ヒートシールを用いた接合方法、超音波シールによる接合方法などを挙げることができる。ヒートシールを用いた接合方法は、シート原材１５同士を接合しようとする対象部分を加熱し、その被加熱部分にてシート原材１５同士を融着するという方法であり、従前より公然知られたヒートシール機を用いて実現可能である。超音波シールによる接合方法は、シート原材１５同士を互いに接合しようとする対象部分に対して微細な超音波振動と圧力を加えることによってその対象部分を瞬時に溶融し、シート原材１５同士を対象部分で接合する方法であり、従前より公然知られた超音波シール機を用いて実現可能である。
（挿入部１７）
　清掃体１３には、基材シート１４に挿入部１７が形成される。挿入部１７は、清掃体保持具１の保持部７を挿入可能な保持具挿入空間１９を開口形成してなる構成を備える。図３の例においては、基材シート１４の内周面の所定位置にシート片１８を向かい合わせて配置し、シート片１８の所定部分を基材シート１４に接合してシート片接合部３０を形成することで、保持具挿入空間１９が開口形成され、挿入部１７が形成される。保持具挿入空間１９は、筒状の基材シート１４の筒軸方向に沿ってのびるとともに少なくとも筒軸方向一方端側を開口させており、その開口から筒状の基材シート１４の軸線方向に沿って清掃体保持具１の保持部７を挿入可能に構成されている。なお、筒軸方向は、清掃体保持具１を挿入される方向（矢印Ｅ方向）に沿った方向となっている。
（シート片１８）
　シート片１８は、図３に示すような短冊状に形成されるものに限定されず、基材シート１４の形状や挿入部１７の形状などに応じて適宜選択可能である。また、シート片１８の材質は、基材シート１４に接合可能なものであれば特に限定されず、具体的に不織布など、基材シート１４を構成するシート原材１５として使用可能な材質を挙げることができる。
（清掃部２０の構成）
　清掃部２０は、基材シート１４の外周面側の所定部分として特定される部分であって、清掃具１２を用いた清掃時に塵や埃の絡め取りに使用される部分である。清掃部２０の構成は、塵や埃を絡め取り可能に構成される部分であれば特に限定されるものではない。すなわち、基材シート１４の外周面そのものが塵や埃の絡め取り機能を発揮できるものであれば、基材シート１４の外周面で清掃部２０が構成されてよい。例えば、基材シート１４が不織布で構成され、図３の清掃体１３ａに示すように基材シート１４の外周面が全体に露出している場合、不織布を構成する短繊維で塵や埃を絡め取ることが可能であることから、基材シート１４の外周面で清掃部２０を構成しうることとなる。
（清掃体１３の第２実施形態）
　上記清掃体１３の第１実施形態では、図３の清掃体１３ａに例示するように、基材シート１４の外周面で清掃部２０を形成した形態であったが、清掃体１３はこのような清掃部２０を形成してなる形態に限定されない。
　清掃体１３は、図５の清掃体１３ｂ１に示すように繊維結束体２１を基材シート１４の外周面上に接合してなる構造部分で清掃部２０を構成しているものであってもよい。このような実施形態を第２実施形態とよぶ。清掃体１３の第２実施形態では、基材シート１４の外周面上に接合された繊維結束体２１で清掃部２０が構成される。なお、この場合、塵や埃は、繊維結束体２１を構成する繊維２２で絡め取られる。なお、清掃体１３の第２実施形態について、清掃部２０を除く他の構成については、清掃体１３の第１実施形態と同様でよい。
（繊維結束体２１）
　図５に示すように、繊維結束体２１は、多数の繊維２２を束ねてシート状に形成されており、このような繊維結束体２１としてはこれを構成する各繊維２２がばらけない程度に纏められて繊維接合部２３を形成したものを用いることができる。この繊維結束体２３には、繊維接合部２３のほかに、必要に応じて部分的に融着、接着等により繊維同士が相互に更に接合されている部分が形成されていても良い。
　繊維結束体２１は、図６に示すように、多数の長繊維２４を、シート状に並置して束ねて得られる長繊維束ね体２５を、間隔をおいて（適宜間隔ごとに）長繊維２４の流れ方向と交差する方向（例えば、長繊維２４の長手方向と直交する方向）に接合して長繊維接合部２６を形成した後、隣り合う長繊維接合部２３と長繊維接合部２３の間の所定部（例えば、中間部）を切断する等の方法で具体的に得ることができる。このとき、切断された長繊維２４は、繊維結束体２１を構成する繊維２２をなし、長繊維接合部２３は、繊維結束体２１を構成する繊維接合部２３をなす。また、長繊維接合部２３と長繊維接合部２３の中間部で切断された場合、繊維結束体２１においては、繊維接合部２３は、繊維２２の流れ方向中央位置に形成される。
　繊維結束体２１を構成する繊維２２としては、例えば綿、毛等の天然繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル等の合成繊維、芯鞘型繊維、海島型繊維、サイドバイサイド型繊維等の複合繊維等が用いられるが、繊維２２相互を部分的に熱融着して結合する場合には、芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレンからなる芯鞘型複合繊維が、鞘を構成するポリエチレンの優れた熱融着性と、芯を構成するポリプロピレンの腰の強さとを併せ持つため好ましい。繊維結束体２１を構成する繊維２２は０．０１ｍｍ~０．３ｍｍ径程度の太さのものが使用されることが適度に埃を絡め取ることができて好ましい。また、繊維結束体２１は、繊維の材質、太さ、色等が同一のもののみで構成されていても、これらの異なる２種類以上の繊維で構成されていても良い。このとき、１つの繊維結束体２１において、全体的に、複数種類の繊維が混ざった状態が形成されていてもよいし、所定の種類の繊維で構成された部分とその種類とは異なる種類の繊維で構成された部分とが領域的に分かれた状態が形成されていてもよい。例えば、１つの繊維結束体２１において、青色の繊維と黄色の繊維とが全体に混ざった状態が形成されていてもよいし、青色の繊維で構成された部分と黄色の繊維で構成された部分とが領域的に分かれて形成されていてもよい。繊維結束体において、領域的に色の異なる繊維で構成された複数の部分が形成されている場合、まだら模様などの模様を形成した繊維結束体２１を得ることができ、意匠性を向上させることができる。
　繊維結束体２１は、基材シート１４の外周面上に、１つ設けられている場合に限定されず、複数個設けられてよい。
（繊維結束体２１の組み合わせ）
　基材シート１４に複数の繊維結束体２１が設けられている場合、複数の繊維結束体２１として、互いに同じ材質の繊維で構成されたものが用いられてもよいし、複数の繊維結束体２１の一部に、異なる材質の繊維で構成されたものが用いられてもよく、更には、複数の繊維結束体２が互いに異なる材質の繊維で構成されていてもよい。また、複数の繊維結束体２１としては、性質の異なる繊維からなるものが組み合わせて用いられてもよい。例えば、基材シート１４の外周面上に、吸水性を有する繊維で構成される繊維結束体２１と、帯電性を有する繊維で構成される繊維結束体２１とが設けられてもよい。この場合、被清掃面に付着した液状の汚れを、吸水性を有する繊維で構成される繊維結束体２１で拭いとらせることができ、さらに、被清掃面に付着した細かな埃を、帯電性を有する繊維で構成される繊維結束体２１で静電気的に吸い付けてふき取らせることができるようになり、清掃能力により優れた清掃体１３を調製することが可能となる。
　複数の繊維結束体２１として、互いに同じ色種で構成されたものが用いられてもよいし、異なる色種で構成されたものが用いられてもよい。例えば、白色の繊維結束体２と、青色の繊維結束体２１が、基材シート１４外面側に交互に配置されてよい。また、繊維結束体２１の色種について繊維結束体２１の全てが互いに異なっていてもよい。例えば、基材シート１４外面側に繊維結束体２１が４つ配置されている場合に、赤色、青色、白色、黄色を呈するものが用いられてもよい。このような場合、意匠性に一層優れた清掃体１３を効率的に得ることができる。
　また、基材シート１４に繊維結束体２１が複数設けられる場合、細い繊維からなる繊維結束体２１と、これより太い繊維からなる繊維結束体２１を組み合わせて用いると、腰の強い太い繊維が埃を掻き出し、掻き出された埃を細い繊維が取り込むように機能するため、より細かな埃から或る程度大きな埃までも十分に絡め取ることができて効果的な清掃を行うことができる。ここに、細い繊維としては、０．０１ｍｍ~０．０５ｍｍ径のものが好ましい。また太い繊維としては、上記細い繊維よりも太ければ良いが、０．０６ｍｍ~０．３ｍｍ径の太さのものが好ましい。
　また、繊維結束体２１は、図５の例に示すような繊維結束体２１を構成する繊維２２の流れ方向が筒状の基材シート１４の軸線方向に沿った方向となるように配置される場合に限定されない。図７Ａに示すように、繊維結束体２１を構成する繊維２２の流れ方向が筒状の基材シート１４の軸線方向に直交する方向になるように、繊維結束体２１が配置されていてもよい。また、図７Ｂに示すように、繊維結束体２１を構成する繊維２２の流れ方向が筒状の基材シート１４の軸線方向を斜めに横切る方向になるように、繊維結束体２１が配置されていてもよい。
（結束体接合部２８）
　清掃体１３においては、繊維結束体２１と基材シート１４とが互いに接合された部分として結束体接合部２８が形成されている。結束体接合部２８は、繊維結束体２１と基材シート１４とを互いに接合した構成であれば特に限定されるものではないが、繊維結束体２１を構成する繊維２２の流れ方向（長手方向）と交差する方向に形成されることが、繊維整合部２３の位置で繊維結束体２１を基材シート１４に接合させることが容易となる点で好ましい。この場合、繊維結束体２１を広範囲に基材シート１４に接合してしまう虞をより効果的に抑制することができる。
（結束体接合部２８の形成）
　結束体接合部２８は、繊維結束体２１と基材シート１４との少なくとも一方の所定位置に接着剤を塗布して形成された接着剤部を介して、繊維結束体２１と基材シート１４とを接着することで形成される部分として具体的に形成することができる。なお、ここに示す結束体接合部２８の形成方法は、一例であってこれに限定されるものではない。例えば、結束体接合部２８の形成方法は、熱融着にて繊維結束体２１と基材シート１４の両者を直接接着する方法など、接合部１６の形成方法に適用可能な方法を用いられてよい。
（清掃体１３の第３実施形態）
　上記清掃体１３の第１，２実施形態では、図３の清掃体１３ａ、図５の清掃体１３ｂ１に例示するように、挿入部１７が、シート片１８を基材シート１４の内周面に接合させて形成されたが、清掃体１３はこのような挿入部１７を形成してなる形態に限定されない。
　清掃体１３においては、図８の清掃体１３ｂ２に例示される形態が採用されてもよい。この形態を、清掃体１３の第３実施形態とよぶ。すなわち、清掃体１３は、第３実施形態の例を示す図８の清掃体１３ｂ２のように、基材シート１４同士の接合状態の形成によって、向かい合う基材シート１４の間で空間が形成されて保持部挿入空間１９をなし、そうして挿入部１７が形成されていてもよい。なお、清掃体１３の第３実施形態について、挿入部１７を除く他の構成については、清掃体１３の第１実施形態や第２実施形態と同様でよい。なお、図８では、基材シート１４の外周面上に繊維結束体２１を設けて清掃部２０が形成された場合を例として清掃体１３が例示されている。
　図８の清掃体１３ｂ２は、図９に示すように、シート原材１５の中央よりも側端縁側の所定部分で定められる側方部２６のうち２つの側方部２６ａ，２６ｂを選択してこれらの側方部２６ａ，２６ｂを内側に向けつつシート原材１５を矢印Ｐ１，Ｐ２方向に丸めて一方面３２ａを内面とし他方面３２ｂを外面とする筒状体となすとともに、側方部２６ａ，２６ｂを筒状体の内側に入り込ませ、さらに側方部２６ａ，２６ｂをそれぞれ筒状体の内面（シート原材１５の一方面３２ａ）側に向かい合わせるように互いに逆向きに丸めて側方部２６ａ，２６ｂそれぞれに囲まれた２つの空間部分を形成する。そして、側方部２６ａ，２６ｂを他方面３２ｂ側の所定部分にて互いに突き合わせて互いに接合するとともに、側方部２６ａ，２６ｂの自由端部分をそれぞれ筒状体の内面に接合して、接合部１６を形成する。このとき、シート原材１５は、そのシート原材１５の他方面３２ｂのうち側方部２６を除く部分を外側に向けて基材シート１４をなすとともに、基材シート１４の所定位置での基材シート１４同士の接合状態が形成されて接合部１６形成され、さらに上記した２つの空間部分が保持部挿入空間１９，１９をなし、挿入部１７が形成される。また、このとき筒状の基材シート１４の筒内空間３１にあって挿入部１７の外側に余空間部３６が形成される。なお、接合部１６の形成については、例えば、図９に示すように、予め接合部１６の形成されることを予定される箇所に接着剤を塗布して接着剤部２７を形成することで実現可能である。このことは、図８の清掃体１３ｂ２のみならず、清掃体１３の全ての実施形態についての接合部１６の形成に関しても同様である。
（清掃具１２の組み立て）
　清掃具１２は、図１０Ａ，図１０Ｂに示すように、清掃体１３の挿入部１７を構成する保持部挿入空間１９に、上記した清掃体保持具１の保持部７を挿入することで、清掃体１３を清掃体保持具１で保持することで組み立てられる。なお、清掃体保持具１を清掃体１３に挿入する方向は、図１０Ａ中において、矢印Ｅで示す方向となっており、基材シート１４の筒軸方向に沿った方向となっている。
　清掃具１２においては、清掃体１３を構成する基材シート１４の内周面に対してアーム８が接触していてもよいし、図１２Ａに示すように清掃体１３の内周面からアーム８が離れていてもよい。これは、アーム８の立ち上がり高さＨと基材シート１４の内部空間の大きさに応じて適宜設定可能である。この場合、アーム８の立ち上がり上端となる頂上３９が基材シート１４の内周面に対して接触する。また、その場合、アーム８は、清掃体保持具１の保持部７を挿入部１７に挿入したときにアーム８の少なくとも一部が基材シート１４の内周面に接するように構成されていることとなる。また、清掃具１２においては、アーム８の伸延端１０は筒内空間３１内にあるように構成される。アーム８が延長片１１を形成している場合には、延長片１１の先端までも筒内空間３１内にある。
（清掃具１２の使用）
　清掃具１２によれば、図１１Ａに示すように、被清掃面３４に清掃部２０を当接させつつ被清掃面３４の面方向に沿って移動させることで清掃部２０にて被清掃面３４に付着した塵や埃を絡めとらせることができる。なお、図１１では、清掃部２０が繊維結束体２１で構成されている場合について示されており、この場合には、繊維結束体２１が被清掃面３４に付着した塵や埃を絡めとる。また、清掃具１２によれば、図１１Ｂに示すように繊維結束体を被清掃面４０に押し付けることで、清掃体１の筒内空間３１が押し付け方向（矢印Ｎ方向）に押し潰されるとともに被清掃面３４の面に沿った方向に広がり、繊維結束体２１と被清掃面３４との接触面積を広げることができる。また、このとき、清掃具１２において清掃体１３の筒内空間３１の余空間部３６に配置されている清掃体保持具１のアーム８は押しつぶされるとともに、アーム８のばね弾性によりアーム８と基材シート１４との接触部分が被清掃面３４に向かう方向に付勢され、基材シート１４の外面側にある清掃部２０と被清掃面３４との接触がより密になり、具体的に図１１Ｂの例では、繊維結束体２１と被清掃面３４との接触がより密になる。こうしたことから、清掃体保持具１で清掃体１を保持してなる清掃具１２によれば、被清掃面３４となる領域が広い領域である場合にあっても、十分に清掃を行うことができるとともに、清掃部２０と被清掃面３４との接触をより密接にすることができ、清掃部２０にて被清掃面３４の塵や埃をより効果的に絡め取ることが可能となる。そして、清掃具１２が被清掃面３４から離されたときには、清掃体１３の筒内空間３１に配置される清掃体保持具１のアーム８の復元力により、筒内空間３１は押し潰された状態から膨らんだ状態に回復しうる。したがって、清掃具１２によれば、清掃後に清掃体１３の基材シート１４の形状に潰れを生じた状態が維持されたままとなる虞が抑制され、基材シート１４の形状をできるだけ筒状の状態に保つことができるようになる。

　本発明は、タンス等の家具、パソコンや照明器具等の電気製品、建物内部の壁、敷居、鴨居等に付着した塵や埃等を除去するための清掃具を得るために有益である。

　１　　清掃体保持具
　３　　柄
　４　　グリップ
　７　　保持部
　８　　アーム
　９　　アームの基端
　１０　アームの伸延端（アームの先端）
　１１　延長片
　１２　清掃具
　１３、１３ａ、１３ｂ１、１３ｂ２　清掃体
　１４　基材シート
　１５　シート原材
　１６　接合部
　１７　挿入部
　１８　シート片
　１９　保持部挿入空間
　２０　清掃部
　２１　繊維結束体
　２２　繊維
　２３　繊維接合部
　２４　長繊維
　２５　長繊維束ね体
　２６　長繊維接合部
　２６、２６ａ、２６ｂ　側方部
　２７　接着剤部
　２８　結束体接合部
　２９　基材シートの端面
　３０　シート片接合部
　３１　基材シートの筒内空間
　３２ａ　シート原材の一方面
　３２ｂ　シート原材の他方面
　３４　被清掃面
　３５　固定爪
　３６　余空間部
　３７　保持部の先端
　３８　延長片の延出端
　３９　頂上
　４０　把持部

Claims

　一端側に清掃体を着脱可能に保持し、他端側に手で把持可能な把持部を備えた清掃体保持具であって、
　筒状の清掃体の内面に設けられた１又は複数の挿入部に挿入される保持部を一端側に有し、
　更に中間部から一端側に延出するアームを有し、
　アームは、弾性を有し、且つ、その全域に亘って保持部と間隙を有する、ことを特徴とする清掃体保持具。
　アームは、保持部の挿入方向に対して斜めに立ち上がって伸びている、ことを特徴とする請求項１に記載の清掃体保持具。
　アームは、清掃体保持具の平面視上、保持部の挿入方向に対して順方向にのびている、請求項１または２に記載の清掃体保持具。
　アームは、清掃体保持具の保持部を挿入部に挿入したときにアームの少なくとも一部が基材シートの内周面に接するように構成されている、請求項１から３のいずれかに記載の清掃体保持具。
　アームは、アーチ状に形成されている、請求項１から４のいずれかに記載の清掃体保持具。
　アームの伸延端には、延長片が延設されている、請求項１から５のいずれかに記載の清掃体保持具。
　筒状の基材シートの外周面上に清掃部を形成するとともに基材シートの内周面上に挿入部を形成している清掃体と、請求項１から６のいずれかに記載の清掃体保持具と、を備えてなり、
　清掃体における挿入部に対して清掃体保持具の保持部が挿入され、且つ、基材シートの内部空間内且つ挿入部の外側に清掃体保持具のアームが挿入されている、ことを特徴とする清掃具。
　清掃体の清掃部は、多数の繊維を結束してなる繊維結束体を基材シートの外周面上に接合して形成されている、請求項７に記載の清掃具。