JP2016035242A - ベローズポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベローズポンプ装置は、移送流体を一時貯留する流体室41が形成される調整用ポンプケース11内において、流体室41の容量を変化させるために伸縮変形自在に設けられた調整用ベローズ13と、調整用ベローズ13を伸縮変形動作させる調整用エアシリンダ部27と、ポンプヘッド10の吐出通路35から吐出される移送流体の吐出圧力を検出する圧力計と、圧力計による検出値に基づいて、移送流体の吐出圧力の変動を抑制するように調整用エアシリンダ部27を駆動制御する制御部とを備えている。
【選択図】図2
Description
このベローズポンプは、例えば、特許文献1に記載されているように、ポンプヘッドの左右方向(水平方向)の両側にポンプケースを連結して2つの空気室を形成し、各空気室の内部にそれぞれ左右方向に伸縮可能な一対のベローズを設け、各空気室に交互に加圧エアを供給することによって各ベローズを収縮又は伸長させるように構成されている。
この場合、ポンプヘッドの他側部に設けられたポンプケースの内部に、移送流体を一時貯留する流体室が形成されるため、ポンプケースの外部に流体室を形成する場合に比べて、装置全体をコンパクトに構成することができる。
この場合、ポンプヘッドの他側部に取り付けられた調整用ベローズが隔壁として使用され、調整用ベローズを移送用ベローズとは独立して伸縮変形駆動させる調整用駆動部が隔壁駆動部として使用される。これにより、調整用ベローズ及び調整用駆動部を、移送用ベローズ及び移送用駆動部と同様の構成とすることができるため、装置を容易に製作することができる。
[第1実施形態]
(ベローズポンプの全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係るベローズポンプ装置の概略構成図である。本実施形態のベローズポンプ装置は、例えば半導体製造装置において薬液や溶剤等の移送流体を一定量供給するときに用いられる。このベローズポンプ装置は、ベローズポンプ1と、当該ベローズポンプ1に加圧空気(作動流体)を供給するエアコンプレッサ等の空気供給装置2と、前記加圧空気の圧力を調整するレギュレータ3と、2個の切換バルブ4,5と、ベローズポンプ1の駆動を制御する制御部6と、圧力計(圧力検出部)7と、電空レギュレータ8とを備えている。
ポンプケース12の内部には、ポンプヘッド10の一側部(図中の右側部)に移送用ベローズ14が取り付けられている。また、ポンプケース11の内部には、ポンプヘッド10の他側部(図中の左側部)に調整用ベローズ13が取り付けられている。
各ベローズ13,14は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素樹脂により有底筒形状に形成され、その開放端部に一体形成されたフランジ部13a,14aはポンプヘッド10の側面に気密状に押圧固定されている。これにより、各ベローズ13,14の内部には、移送流体が一時貯留される流体室41,42が形成されている。
各ベローズ13,14の底部の外面には、ボルト17及びナット18により作動板19が連結部材20の一端部とともに固定されている。
ポンプヘッド10の一側部には移送用ポンプケース12が取り付けられ、ポンプヘッド10の他側部には調整用ポンプケース11が取り付けられている。
各ポンプケース11,12は、有底円筒状に形成されており、その開口周縁部は、対応するベローズ13(14)のフランジ部13a(14a)に気密状に押圧固定されている。これにより、各ポンプケース11,12の内部には気密状態が保持された吐出側空気室21が形成されている。
各ポンプケース11,12の底壁部11a,12aの下方には、移送流体の吐出側空気室21への漏洩を検知するための漏洩センサ40が取り付けられている。
また、図2右側の吐出側空気室21が形成された移送用ポンプケース12と、図2右側の吸込側空気室26が形成されたピストン体23及びシリンダ体25とにより、移送用ベローズ14を最伸長状態と最収縮状態との間で連続して伸縮変形動作させる移送用エアシリンダ部(移送用駆動部)28が構成されている。
したがって、本実施形態では、調整用ポンプケース11は、移送流体を一時貯留する流体室41が内部に形成される容器とされている。また、調整用ベローズ13は、前記容器内において流体室41の容量を変化させるために伸縮変形自在に設けられた隔壁として機能する。さらに、調整用エアシリンダ部27は、前記隔壁を伸縮変形動作させる隔壁駆動部として機能する。
ポンプヘッド10は、PTFEやPFA等のフッ素樹脂から形成されている。ポンプヘッド10の内部には、移送流体の吸込通路34と吐出通路35とが形成されており、この吸込通路34及び吐出通路35は、ポンプヘッド10の外周面において開口し、当該外周面に設けられた吸込ポート(図示省略)及び吐出ポート38(図1参照)に接続されている。吸込ポートは移送流体の貯留タンク等に接続され、吐出ポート38は吐出配管39(図1参照)を介して移送流体の移送先に接続される。また、吸込通路34及び吐出通路35は、それぞれポンプヘッド10の左右両側面に向けて分岐するとともに、ポンプヘッド10の左右両側面において開口する吸込口36及び吐出口37を有している。各吸込口36及び各吐出口37は、それぞれチェックバルブ15,16を介してベローズ13,14内部の流体室41,42と連通している。
各吸込口36及び各吐出口37には、チェックバルブ15,16が設けられている。
吸込口36に取り付けられたチェックバルブ15(以下、「吸込用チェックバルブ」ともいう)は、バルブケース15aと、このバルブケース15aに収容された弁体15bと、この弁体15bを閉弁方向に付勢する圧縮コイルバネ15cとを有している。バルブケース15aは有底円筒形状に形成されており、その底壁にはベローズ13,14の内部に連通する貫通孔15dが形成されている。弁体15bは、圧縮コイルバネ15cの付勢力により吸込口36を閉鎖(閉弁)し、ベローズ13,14の伸縮変形に伴う移送流体の流れによる背圧が作用すると吸込口36を開放(開弁)するようになっている。
これにより、吸込用チェックバルブ15は、自身が配置されているベローズ13,14が伸長したときに開弁して、吸込通路34からベローズ13,14内部に向かう方向(一方向)への移送流体の吸引を許容し、当該ベローズ13,14が収縮したときに閉弁して、ベローズ13,14内部から吸込通路34に向かう方向(他方向)への移送流体の逆流を阻止する。
次に、本実施形態のベローズポンプ1の動作を図3〜図6を参照して説明する。なお、図3〜図6においては各ベローズ13,14の構成を簡略化して示している。
図3に示すように、移送用ベローズ14が伸長した場合、ポンプヘッド10の図中右側に装着された吸込用チェックバルブ15及び吐出用チェックバルブ16の各弁体15b,16bは、移送用ベローズ14による吸引作用によって各バルブケース15a,16aの図中右側にそれぞれ移動する。これにより吸込用チェックバルブ15が開くとともに、吐出用チェックバルブ16が閉じ、吸込通路34から移送用ベローズ14内の流体室42に移送流体が吸い込まれる。
以上の伸縮動作を繰り返し行うことで、移送用ベローズ14は、移送流体の吸引と排出とを行うことができる。
以上の伸縮動作を繰り返し行うことで、調整用ベローズ13は、移送流体を一時貯留する流体室41の容量を変化させることができる。
図1において、調整用切換バルブ4は、空気供給装置2から調整用エアシリンダ部27の吐出側空気室21及び吸込側空気室26への加圧空気の給排を切り換えるものであり、一対のソレノイド4a,4bを有する三位置の電磁切換弁からなる。各ソレノイド4a,4bは制御部6から指令信号を受けて励磁されるようになっている。
図1に示すように、圧力計7は、吐出配管39の吐出ポート38側の端部に配置され、ポンプヘッド10の吐出通路35(図2参照)から吐出される移送流体の吐出圧力を検出する。圧力計7の検出値は、制御部6に送信される。
電空レギュレータ8は、調整用切換バルブ4と、調整用エアシリンダ部27の吸排気ポート22とを接続する配管途中に設けられている。電空レギュレータ8は、制御部6からの電気信号に基づいて、調整用エアシリンダ部27の吐出側空気室21に供給される加圧空気の圧力を調整するようになっている。
図7は、制御部6の内部構成を示すブロック図である。制御部6は、調整用制御部6aと、移送用制御部6bとを有している。
移送用制御部6bは、移送用検知部31(図2参照)の検知信号に基づいて、移送用切換バルブ5を切り換えて移送用エアシリンダ部28を駆動制御するものである。
調整用制御部6aは、圧力計7(図1参照)の検出値に基づいて、吐出ポート38から吐出される移送流体の圧力変動を抑制するために、調整用切換バルブ4を適宜切り換えるとともに、電空レギュレータ8を介して吐出側空気室21に供給される加圧空気の圧力を調整して調整用エアシリンダ部27を駆動制御するものである。
図8は、制御部6が行うベローズポンプ1の駆動制御の一例を示すタイムチャートである。
まず、移送用制御部6bによる移送用エアシリンダ部28の駆動制御について説明する。図8に示すように、移送用制御部6bは、移送用ベローズ14が最収縮状態にあるとき(t0)、移送用切換バルブ5のソレノイド5bを励磁させる。これにより、移送用ベローズ14は最収縮状態から伸長動作を開始し、ポンプヘッド10の吸込通路34から移送用ベローズ14内の流体室42に移送流体が吸い込まれる。
移送用制御部6bは、以上の制御を連続して繰り返し行う。
移送用ベローズ14が最伸長状態の時点(t1)から収縮し始めると、図8に示すように、移送用ベローズ14による移送流体の吐出圧力は、ゼロ付近から徐々に上昇し、所定時点(t2)で最大圧力値Pとなる。この最大圧力値Pは、一定時間(t4−t2)維持されるため、調整用制御部6aは、圧力計7が最大圧力値Pとなった時点(t2)で、調整用切換バルブ4のソレノイド4bを励磁させ、前記一定時間内に調整用ベローズ13を最収縮状態から最伸長状態まで伸長させる。これにより、ポンプヘッド10の吸込通路34から調整用ベローズ13内の流体室41に移送流体が吸い込まれる。
これにより、調整用ベローズ13が最伸長状態から収縮動作を開始した時点(t4)から、移送用ベローズ14が最収縮状態となる時点(t5)まで、調整用ベローズ13による移送流体の吐出圧力は最大圧力値Pに保持される。
これにより、移送用ベローズ14が最収縮状態から伸長動作を開始した時点(t5)から、移送用ベローズ14が最伸長状態となる時点(t6)まで、調整用ベローズ13による移送流体の吐出圧力は最大圧力値Pに保持される。
これにより、移送用ベローズ14が最伸長状態から収縮動作を開始した時点(t6)から、移送用ベローズ14による移送流体の吐出圧力が最大圧力値Pとなる時点(t7)まで、調整用ベローズ13による移送流体の吐出圧力は最大圧力値Pに保持される。
調整用制御部6aは、以上の制御を連続して繰り返し行う。
また、隔壁として使用される調整用ベローズ13、及び隔壁駆動部として使用される調整用駆動部(調整用エアシリンダ部)27を、それぞれ移送用ベローズ14及び移送用駆動部(移送用エアシリンダ部)28と同様の構成とすることができるため、装置を容易に製作することができる。
また、調整用制御部6aが制御する吐出圧力の一定値は、最大圧力値Pに限定されるものではなく、任意の圧力値に設定することができる。
また、調整用制御部6aは、移送流体の吐出圧力が一定値となるように、調整用エアシリンダ部27の吐出側空気室21に供給される加圧空気の圧力を調整しているが、吐出側空気室21に供給される加圧空気の供給量を調整するようにしても良い。
これに対して、本実施形態のように、ポンプヘッド10に上記チェックバルブ15,16を設けている場合は、調整用ベローズ13内の流体室41に一時貯留される移送流体は、ポンプ外の貯留タンク等から吸込通路34を介して吸い込まれるため、調整用ベローズ13が移送流体を吸引するときに、ポンプヘッド10の吐出通路35から吐出される移送流体の流量が減少するのを防止することができる。
図9は、本発明の第2実施形態に係るベローズポンプ装置における調整用ポンプケース11の断面図である。
本実施形態のベローズポンプ装置では、第1実施形態の調整用ポンプケース11をベローズポンプ1とは別体に構成したものである。本実施形態の調整用ポンプケース(容器)51は、吐出配管39(図1参照)における、ポンプヘッド10の吐出ポート38と、圧力計7の接続位置との間に設けられる。
なお、第2実施形態において説明を省略した点は、第1実施形態と同様である。
図10は、本発明の第3実施形態に係るベローズポンプ装置の概略構成図である。また、図11は、そのベローズポンプ装置におけるベローズポンプ1の断面図である。
本実施形態のベローズポンプ装置は、第1実施形態の変形例であり、ベローズポンプ1の構成が異なる点、及び電空レギュレータ8を備えていない点で第1実施形態と相違する。
ダイヤフラム62の外周部は、支持部材61の一端部と、調整用ポンプケース11の内周に形成された段差部11bとより挟持された状態で気密状に固定されている。本実施形態では、支持部材61の内周面と、ダイヤフラム62の内面と、ポンプヘッド10の図中の左側面とによって、流体室41が形成されている。
また、電動モータ64を他方向に回転させると、伝達部材65を介して連結部材63が図中の右方向へ摺動する。これにより、ダイヤフラム62が収縮変形し、流体室41内の移送流体がポンプヘッド10の吐出通路35に排出される。
また、本実施形態の調整用駆動部は、電動モータ64を使用しているため、第1実施形態のように加圧空気により駆動される調整用エアシリンダ部27を使用する場合に比べて、調整用制御部6aによる調整用駆動部を応答性よく駆動させることができる。その結果、ベローズポンプ装置の吐出側の脈動をさらに効果的に抑制することができる。
なお、第3実施形態において説明を省略した点は、第1実施形態と同様である。
7 圧力計(圧力検出部)
10 ポンプヘッド
11 調整用ポンプケース(容器,ポンプケース)
13 調整用ベローズ(隔壁)
14 移送用ベローズ
15,16 チェックバルブ
27 調整用エアシリンダ部(隔壁駆動部,調整用駆動部)
28 移送用エアシリンダ部(移送用駆動部)
34 吸込通路
35 吐出通路
41 流体室
51 調整用ポンプケース(容器,ポンプケース)
52 吸込通路
53 吐出通路
64 電動モータ(調整用駆動部)
Claims (3)
- 移送流体の吸込通路及び吐出通路が形成されたポンプヘッドと、
前記吸込通路及び吐出通路に対する一方向への移送流体の流れを許容するとともに他方向への移送流体の流れを阻止するチェックバルブと、
前記ポンプヘッドに伸縮変形自在に取り付けられ、伸長により前記吸込通路から内部に移送流体を吸い込み、収縮により内部から前記吐出通路に移送流体を吐出する移送用ベローズと、
前記ベローズを伸縮変形動作させる移送用駆動部と、を備えたベローズポンプ装置であって、
移送流体を一時貯留する流体室が形成される容器内において、前記流体室の容量を変化させるために伸縮変形自在に設けられた隔壁と、
前記隔壁を伸縮変形動作させる隔壁駆動部と、
前記ポンプヘッドの吐出通路から吐出される移送流体の吐出圧力を検出する圧力検出部と、
前記圧力検出部による検出値に基づいて、移送流体の吐出圧力の変動を抑制するように前記隔壁駆動部を駆動制御する制御部と、を備えることを特徴とするベローズポンプ装置。 - 前記移送用ベローズが、前記ポンプヘッドの一側部に伸縮変形自在に取り付けられ、
前記ポンプヘッドの他側部に前記容器として設けられたポンプケースを備える請求項1に記載のベローズポンプ装置。 - 前記ポンプケース内において前記ポンプヘッドの前記他側部に伸縮変形自在に取り付けられ、伸長により前記吸込通路から内部に移送流体を吸い込み、収縮により内部から前記吐出通路に移送流体を吐出することで前記隔壁として機能する調整用ベローズと、
前記調整用ベローズを前記移送用ベローズとは独立して伸縮変形動作させることで前記隔壁駆動部として機能する調整用駆動部と、を備える請求項2に記載のベローズポンプ装置。
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