JP6780959B2 - ベローズポンプ装置 - Google Patents
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Description
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、移送流体の吐出から吸い込みに切り換わるときに発生する衝撃圧力を抑制することができるベローズポンプ装置を提供することを目的とする。
<ベローズポンプ装置の全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るベローズポンプ装置の概略構成図である。本実施形態のベローズポンプ装置は、例えば半導体製造装置において薬液や溶剤等の移送対象(移送流体)を一定量供給するときに用いられる。このベローズポンプ装置は、ベローズポンプ1と、当該ベローズポンプ1に加圧空気(加圧流体)を供給するエアコンプレッサ等の空気供給装置2と、前記加圧空気の空気圧を調整する機械式レギュレータ3、第1電空レギュレータ(流体圧調整部)51、及び第2電空レギュレータ(流体圧調整部)52と、第1電磁弁4及び第2電磁弁5と、制御部6とを備えている。
本実施形態のベローズポンプ1は、ポンプヘッド11と、このポンプヘッド11の左右方向(水平方向)の両側に取り付けられる一対のポンプケース12と、各ポンプケース12の内部において、ポンプヘッド11の左右方向の側面に取り付けられる第1ベローズ13及び第2ベローズ14と、各ベローズ13,14の内部において、ポンプヘッド11の左右方向の側面に取り付けられる合計4個のチェックバルブ15,16と、を備えている。
第1及び第2ベローズ13,14は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素樹脂により有底筒形状に形成され、その開放端部に一体形成されたフランジ部13aおよびフランジ部14aはポンプヘッド11の側面に気密状に押圧固定されている。第1及び第2ベローズ13,14の各周壁は蛇腹形状に形成され、互いに独立して水平方向に伸縮可能に構成されている。
ポンプケース12は、有底円筒状に形成されており、その開口周縁部は、対応するベローズ13(14)のフランジ部13a(14a)に気密状に押圧固定されている。これにより、ポンプケース12の内部には、気密状態が保持された吐出側空気室(流体室)21が形成されている。
各ポンプケース12の底壁部12aの下方には、移送流体の吐出側空気室21への漏洩を検知するための漏洩センサ40が取り付けられている。
また、図2右側の吐出側空気室21が形成されたポンプケース12と、図2右側の吸込側空気室26が形成されたピストン体23及びシリンダ体25とにより、第2ベローズ14を最伸長状態と最収縮状態との間で連続して伸縮動作させる第2エアシリンダ部(第2駆動部)28が構成されている。
第1エアシリンダ部27のシリンダ体25には、一対の近接センサ29A,29Bが取り付けられ、ピストン体23には各近接センサ29A,29Bにより検知される被検知板30が取り付けられている。被検知板30は、ピストン体23とともに往復動することで、近接センサ29A,29Bに交互に近接することにより検知される。
ポンプヘッド11は、PTFEやPFA等のフッ素樹脂から形成されている。ポンプヘッド11の内部には、移送流体の吸込通路34と吐出通路35とが形成されており、この吸込通路34及び吐出通路35は、ポンプヘッド11の外周面において開口し、当該外周面に設けられた吸込ポート及び吐出ポート(いずれも図示省略)に接続されている。
各吸込口36及び各吐出口37には、チェックバルブ15,16が設けられている。
吸込口36に取り付けられたチェックバルブ15(以下、「吸込用チェックバルブ」ともいう)は、バルブケース15aと、このバルブケース15aに収容された弁体15bと、この弁体15bを閉弁方向に付勢する圧縮コイルバネ15cとを有している。
次に、本実施形態のベローズポンプ1の動作を図3及び図4を参照して説明する。なお、図3及び図4においては第1及び第2ベローズ13,14の構成を簡略化して示している。
図3に示すように、第1ベローズ13が収縮し、第2ベローズ14が伸長した場合、ポンプヘッド11の図中左側に装着された吸込用チェックバルブ15及び吐出用チェックバルブ16の各弁体15b,16bは、第1ベローズ13内の移送流体から圧力を受けて各バルブケース15a,16aの図中右側にそれぞれ移動する。これにより吸込用チェックバルブ15が閉じるともに、吐出用チェックバルブ16が開き、第1ベローズ13内の移送流体が吐出通路35からポンプ外へ排出される。
以上の動作を繰り返し行うことで、左右のベローズ13,14は、交互に移送流体の吸引と排出とを行うことができる。
図1において、第1電磁弁4は、第1エアシリンダ部27の吐出側空気室21及び吸込側空気室26のうち、一方の空気室への加圧空気の給排、及び他方の空気室内への加圧空気の給排を切り換えるものである。第1電磁弁4は、例えば、一対のソレノイド4a,4bを有する三位置の電磁切換弁からなる。各ソレノイド4a,4bは制御部6から受けた指令信号に基づいて励磁されるようになっている。
なお、本実施形態の第1及び第2電磁弁4,5は、三位置の電磁切換弁からなるが、中立位置を有しない二位置の電磁切換弁であってもよい。
制御部6は、第1検知部29及び第2検知部31(図2参照)の検知結果に基づいて、各電磁弁4,5を切り換えることで、ベローズポンプ1の第1エアシリンダ部27及び第2エアシリンダ部28の各駆動を制御するものである。
図1及び図2において、第1電空レギュレータ51は、機械式レギュレータ3と第1電磁弁4との間に配置されている。第1電空レギュレータ51は、第1エアシリンダ部27の吸込側空気室26に供給する加圧空気の空気圧である第1空気圧、及び第1エアシリンダ部27の吐出側空気室21に供給する加圧空気の空気圧である第2空気圧を調整する。
図5は、本実施形態の制御部6による移送流体の吐出時と吸い込み時における電空レギュレータ51(52)の制御例を示すグラフである。図5において、制御部6は、ベローズ13(14)が移送流体の吐出時に収縮する収縮期間T2の間、第2空気圧を変化させるように電空レギュレータ51(52)を制御する。具体的には、制御部6は、ベローズ13(14)の収縮開始時点から第1収縮途中時点までの第1収縮時間T21の間、第2空気圧を所定の空気圧Pr1から、当該空気圧Pr1よりも高い空気圧Pr2まで連続的に増加させるように電空レギュレータ51(52)を制御する。
また、ベローズ13(14)の伸長初期(第1伸長時間T11)および伸長終期(第3伸長時間T13)の両空気圧は、同じ圧力(Pa1)に設定されているが、互いに異なる圧力に設定されていてもよい。但し、第1伸長時間T11の空気圧は、移送流体をスムーズに吸い込み始める慣性力を作用させるために、できるだけ低い値にするのが望ましい。また、第3伸長時間T13の空気圧は、移送流体を吸い込む流れを緩やかに止めるために、できるだけ低い圧力にするのが望ましい。このため、第1伸長時間T11および第3伸長時間T13の両空気圧を互いに異なる圧力に設定する場合には、一方の空気圧を現状の空気圧Pa1よりも低くするのが望ましい。この場合、第1伸長時間T11の空気圧を第3伸長時間T13の空気圧Pa1よりも小さくする場合と、第3伸長時間T13の空気圧を第1伸長時間T11の空気圧Pa1よりも小さくする場合とが考えられるが、衝撃圧力の発生を抑制するという観点では後者の方が望ましい。
以上、本実施形態のベローズポンプ装置によれば、制御部6は、ベローズ13(14)の伸長初期に、吸込側空気室26の空気圧が段階的に増加するように電空レギュレータ51(52)を制御する。これにより、ベローズ13(14)の収縮動作による移送流体の吐出から、ベローズ13(14)の伸長動作による移送流体の吸い込みに切り換わったときの圧力変動を抑えることができるため、その切り換わり時に衝撃圧力が発生するのを抑制することができる。
図7は、制御部6による電空レギュレータ51(52)の制御の変形例を実行した場合の吸込側空気室26における空気圧の変化を示すグラフである。
本変形例の制御部6は、ベローズ13(14)の伸長初期(第1伸長時間T11)に、吸込側空気室26の空気圧が連続的に増加するように電空レギュレータ51(52)を制御している。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
Claims (1)
- 密閉された2つの流体室のうち、一方の流体室に加圧流体を供給することでベローズを伸長させて移送流体を吸入し、他方の流体室に加圧流体を供給することで前記ベローズを収縮させて移送流体を吐出するベローズポンプ装置であって、
前記一方の流体室に供給する加圧流体の流体圧を調整する流体圧調整部と、
前記ベローズの伸長初期に、前記一方の流体室の流体圧が2段階で増加するように前記流体圧調整部を制御し、前記ベローズの伸長終期に、前記一方の流体室の流体圧が2段階で減少するように前記流体圧調整部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記伸長初期において1段階目で増加したときの前記一方の流体室の流体圧よりも、前記伸長終期において1段階目に減少したときの前記一方の流体室の流体圧のほうが小さくなるように、前記流体圧調整部を制御する、ベローズポンプ装置。
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