JP2016034626A - ヨウ素吸着材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着法による通水時に担体に添着された銀及び吸着されたヨウ化銀が脱離し流出するのを防止することができるヨウ素吸着材及びその製造方法を提供する。【解決手段】担体の表面に湿式又は乾式により、銀化合物又は銀化合物溶液を添加し銀添着担体を得、ゾルゲル法により前記銀添着担体の表面をチタン化合物で被覆し、チタン化合物被膜を形成し、前記チタン化合物被膜を焼成し、二酸化チタン被覆層を形成することで得られるヨウ素吸着材。【選択図】なし

Description

本発明は、ヨウ素吸着材及びその製造方法に関する。
近年、貴金属を初め各種資源の回収、リサイクルが盛んに行われている。中でもヨウ素化合物は、各種合成原料、医薬用中間体、各種触媒、還元剤を初め、栄養剤、防食剤、消毒剤、導電性高分子、太陽電池など幅広く利用されているが、地球上では希少元素に分類されるため、資源の有効利用の観点から、その回収技術開発が盛んに行われている。
回収技術としては、ブローアウト法、イオン交換法、活性炭・澱粉吸着法、銅・銀法など、各種方法が提案され、利用されている(特許文献1、及び特許文献2)。
上記の回収方法は、主に油田かん水や廃液等からのヨウ素の回収を目的としている。
一方で近年、海水は、多様な希少元素が溶解していることから、海水からのヨウ素の回収が注目されている。海水は膨大な量であり、多様な不純物、妨害イオンを含んでいるため、その回収方法は選択的に回収可能なイオン交換法、吸着法が利用されている。吸着法では、活性炭やゼオライト等の担体に銀を添着させた銀添着担体がヨウ素吸着材として利用されている。ヨウ素吸着材を充填した吸着塔にヨウ素含有水溶液を通水させることで、該ヨウ素吸着材にヨウ素を吸着させる。
特開2005−187306号公報 特開2010−184835号公報
しかしながら、上述のヨウ素吸着材では、活性炭やゼオライト等の担体と銀が強固に結合せず、また、生成したヨウ化銀は非常に脆い。そのため、通水時のヨウ素含有水溶液の粘性が高く剪断力が大きいこと、及びヨウ素含有水溶液のpHが原因で、担体に添着された銀及び吸着されたヨウ化銀が脱離するという問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、吸着法による通水時に担体に添着された銀及び吸着されたヨウ化銀が脱離し流出するのを防止することができるヨウ素吸着材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、銀添着担体の表面に二酸化チタンの被覆層を形成させたヨウ素吸着材が、添着された銀、及び吸着されたヨウ化銀の脱離を防止できることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供する。
[1]銀添着担体の表面に二酸化チタンの被覆層を形成させたヨウ素吸着材。
[2]前記銀添着担体の担体が、活性炭、及びゼオライトのいずれかである上記[1]に記載のヨウ素吸着材。
[3]前記銀添着担体中の銀の含有量が、該銀添着担体の総質量に対して、0.1質量%〜50質量%である上記[1]又は[2]に記載のヨウ素吸着材。
[4]チタンアルコキシド又は塩化チタンを用いてゾルゲル法により前記銀添着担体の表面に二酸化チタンの被覆層を形成した上記[1]〜[3]のいずれかに記載のヨウ素吸着材。
[5]担体の表面に湿式又は乾式により、銀化合物又は銀化合物溶液を添加し銀添着担体を得る工程(1)と、ゾルゲル法により前記銀添着担体の表面をチタン化合物で被覆し、チタン化合物被膜を形成する工程(2)と、前記チタン化合物被膜を焼成し、二酸化チタン被覆層を形成する工程(3)を含むヨウ素吸着材の製造方法。
本発明によれば、担体に添着された銀及び吸着されたヨウ化銀が該担体から脱離することなく、効率よくヨウ素を回収できるヨウ素吸着材及びその製造方法を提供することができる。
まず、本発明のヨウ素吸着材について説明し、次いでその製造方法について説明する。
[ヨウ素吸着材]
本発明のヨウ素吸着材は、母体を構成する担体と、該担体に添着された銀、及びそれらを被覆するチタン化合物を含む。
該担体としては、公知の活性炭及びゼオライトが好ましい。
活性炭の原料としては、ヤシ殻、木質、石炭、石油系ピッチ等が挙げられる。中でも、比表面積、強度のバランスがとれたヤシ殻活性炭が好ましい。
これらの原料を炭化、賦活して活性炭とするが、その賦活方法は特に限定されず、公知の方法が利用できる。例えば、ガス賦活法や薬品賦活法などが挙げられる。
また、賦活された活性炭のBET比表面積は、強度と吸着性能のバランスから、好ましくは100〜2500m/gであり、より好ましくは500〜2200m/gであり、更に好ましくは1000〜2000m/gである。BET比表面積は、気体吸着法により測定することができる。
また、活性炭の形状としては、球状、繊維状、棒状等が挙げられる。本発明においては、比表面積を大きくする観点から、球状の活性炭を用いることが好ましい。
上記活性炭の平均粒径は、カラム内での処理速度、処理効率の観点から、好ましくは0.075〜5mmであり、より好ましくは0.1〜3mmであり、更に好ましくは0.2〜1mmである。
なお、上記活性炭の平均粒径は、JIS K1474:2013「粒度分布」に従い、測定した値を意味する。
ゼオライトとしては、モルデナイトのような天然ゼオライト、A型、X型、Y型などの人工ゼオライト等が挙げられる。中でも、比表面積、強度のバランスの観点から、A型、X型ゼオライトが好ましい。
ゼオライトの強度と吸着性能のバランスから、該ゼオライトのBET比表面積は、好ましくは100〜1000m/gであり、より好ましくは200〜800m/gであり、更に好ましくは300〜600m/gである。
また、ゼオライトの平均粒径は、カラム内での処理速度、処理効率の観点から、好ましくは0.075〜5mmであり、より好ましくは0.2〜3mmであり、更に好ましくは0.3〜1.5mmである。
なお、ゼオライトの平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から100個の粒子の長径を測定し、その平均値として求めた。
本発明で用いる担体は上記の中から、2種類以上混合して用いることができる。
担体に添着する銀は、硝酸銀、硫酸銀、酢酸銀などの水溶性銀化合物に由来するものが好ましい。担体表面に銀を均一に添着させるために、銀化合物を水系溶媒に溶解させて用いることから、銀化合物としては、水系溶媒に対する溶解性の高い硝酸銀が好ましい。
銀添着担体の銀は担体表面全体に添着していても良いし、担体の一部に添着していても良い。
銀添着担体中の銀の含有量は、該銀添着担体の総質量に対して、好ましくは0.1〜50質量%である。担体が活性炭の場合には、より好ましくは1〜30質量%であり、更に好ましくは1〜10質量%である。また、該担体がゼオライトの場合には、より好ましくは10〜40質量%であり、更に好ましくは20〜30質量%である。0.1質量%以上とすることで、ヨウ素の吸着量を増やすことができる。50質量%以下とすることで、余分なイオンの混入を抑え、また、担体のマクロ孔及びミクロ孔が埋まることによる比表面積の低下を防ぐことができ、ヨウ素吸着量を増やすことができる。
銀添着担体の表面を被覆する二酸化チタンは、チタン化合物を焼成して形成されたものが好ましい。チタン化合物は、ゾルゲル法に用いられる公知のチタン化合物を用いることができる。具体的には、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンテトラエトキシドなどのチタンアルコキシド、及び塩化チタン等が挙げられる。反応性、汎用性、コストの観点から、チタンテトラエトキシド、塩化チタンが好ましい。これらは、2種以上混合して用いることができる。
二酸化チタンは銀添着担体の表面全体を被覆していても良いし、一部を被覆していても良い。また、銀添着担体に対する二酸化チタンの被覆量は、好ましくは0.1〜20質量%であり、より好ましくは0.5〜10質量%であり、更に好ましくは1〜5質量%である。二酸化チタンの被覆量が0.1質量%以上であれば、担体に添着された銀及び吸着されたヨウ化銀の脱離を防ぐことができる。また、20質量%以下であれば、ヨウ素吸着量の低下を抑えることができる。
[ヨウ素吸着材の製造方法]
本発明のヨウ素吸着材の製造方法は、担体の表面に湿式又は乾式により、銀化合物又は銀化合物溶液を添加し銀添着担体を得る工程(1)と、ゾルゲル法により前記銀添着担体の表面をチタン化合物で被覆し、チタン化合物被膜を形成する工程(2)と、前記チタン化合物被膜を焼成し、二酸化チタン被覆層を形成する工程(3)を含む。
以下、本発明のヨウ素吸着材の製造方法について詳細に説明する。
担体の表面に湿式又は乾式により、銀化合物又は銀化合物溶液を添加し銀添着担体を得る工程(工程(1))
本工程においては、まず、担体及び銀化合物又は銀化合物溶液を準備する。該担体及び銀化合物としては、それぞれ上記[ヨウ素吸着材]の項で説明したものを用いることができる。
銀化合物溶液は、銀化合物を水系溶媒に溶解させ、調製する。ここで、水系溶媒とは、水を主成分とする溶媒であり、水、又は水と水溶性有機溶媒との混合溶媒をいう。水としては、イオン交換水、蒸留水などが挙げられ、水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸エチル等が挙げられる。担体表面に銀を均一に添着させるために、水と水溶性有機溶媒の混合液とすることが好ましく、水系溶媒に含まれる水の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。
また、銀化合物の溶液の固形分濃度は、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは1〜25質量%であり、更に好ましくは5〜15質量%である。
次に、担体の表面に銀化合物又は銀化合物溶液を添加させ、銀添着担体を得る。
該担体の表面に銀を添着する方法としては、公知の湿式又は乾式による添着方法を採用することができる。具体的には、担体の表面に、銀化合物溶液を吹き付ける方法や、水、又は有機溶媒に分散させた担体に、銀化合物又は銀化合物溶液を添加する方法が挙げられる。
得られた銀添着物を水系の洗浄液で洗浄し、必要に応じて乾燥することで、銀添着担体を得ることができる。
ゾルゲル法により前記銀添着担体の表面をチタン化合物で被覆し、チタン化合物被膜を形成する工程(工程(2))
次に、前記銀添着担体の表面をチタン化合物で被覆する。
チタン化合物としては、ゾルゲル法に用いられる公知のチタン化合物を用いることができる。具体的には、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンテトラエトキシドなどのチタンアルコキシド、及び塩化チタン等が挙げられる。反応性、汎用性、コストの観点から、チタンテトラエトキシド、塩化チタンが好ましい。これらは、2種以上混合して用いることができる。
銀添着担体表面のチタン化合物による被覆は、公知のゾルゲル法により行う。水又は有機溶媒に分散させた銀添着担体に対して、チタン化合物の溶液を添加し、チタン化合物を加水分解、重縮合させることにより、銀添着担体の表面にチタン化合物微粒子を付着させる。
チタン化合物を被覆させた銀添着担体の平均粒径は、10〜1000nmとすることが好ましい。当該担体の平均粒径を10nm以上とすることで、担体に添着された銀及び吸着されたヨウ化銀の脱離抑制効果を大きくすることができる。また、ゾルゲル法により銀添着担体表面にチタン化合物を被覆させるため、当該担体の平均粒径が1000nm以下であれば、容易に作ることができる。
なお、チタン化合物を被覆させた銀添着担体の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から100個の粒子の長径を測定し、その平均値として求めた。
ゾルゲル法で用いる水又は有機溶媒は、公知のものを用いることができ、水としては、イオン交換水、蒸留水などが挙げられ、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。ゾルゲル反応をより促進させるために、水、メタノール、エタノールを用いることが好ましい。これらは、2種以上混合して用いることができる。
また、ゾルゲル反応を促進させる観点から、溶液に含まれる水の割合は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。
また、ゾルゲル反応を行う際には、必要に応じて公知の促進剤を用いることができる。具体的には、塩酸、硝酸等の無機酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機酸、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の無機塩基、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の有機塩基、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズオキシド等の有機金属等が挙げられる。
反応終了後、水系の洗浄液で洗浄した後、乾燥処理を行う。また、必要に応じて分級処理を行う。乾燥処理は、原料、溶媒に応じて変わるが、通常は室温(25℃)〜80℃の範囲で、1時間以上48時間以下で行う。
前記チタン化合物被膜を焼成し、二酸化チタン被覆層を形成する工程(工程(3))
次に、銀添着担体の表面に形成されたチタン化合物被膜を焼成する。
焼成温度は、好ましくは200℃以上吸着材の耐熱温度以下であり、より好ましくは220℃〜400℃であり、更に好ましくは250℃〜300℃である。200℃以上とすることで、反応副生物を除去することができ、また、反応が進行することで、銀添着担体表面に形成された二酸化チタン被覆層が強固となる。特に、チタン化合物として塩化チタンを用いた場合には、残留塩化物を塩化水素として除去するために、200℃以上で焼成することが好ましい。また、吸着材の耐熱温度以下とすることにより、担体表面に添着した銀が凝集し、該担体表面から剥離することを防止することができる。
また、焼成温度が比較的低温であるため、銀添着担体表面に形成された二酸化チタン被覆層の二酸化チタンの結晶構造は、アモルファス構造を含むが、一部にルチル型、アナターゼ型等の結晶構造が含まれていてもよい。
本発明の銀添着担体表面に形成された二酸化チタン被覆層の二酸化チタンの結晶・非晶構造としては、特に制限はないが、生産性の観点から、アモルファス構造を含むことが好ましい。
次に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各種評価は次のようにして実施した。
[二酸化チタン被覆層の形成確認]
SEM(走査型電子顕微鏡)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、日立走査電子顕微鏡 S‐3400N(商品名))を用いて、実施例1〜4で製造したヨウ素吸着材の表面写真を撮影した。また、ヨウ素吸着材の表面及び断面をエネルギー分散型X線分光器(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、日立走査電子顕微鏡 S‐3400N(商品名))を用いてEDX(エネルギー分散型X線分光法)により、元素分析を行い、銀添着担体の表面が二酸化チタンで被覆されていることを確認した。結果を第1表に示す。
[ヨウ素吸着試験]
あらかじめヨウ素カリウム392.4ppm(ヨウ素300ppm)と、妨害イオンとして600ppmの塩化ナトリウムとの混合試験液を調整した。試験管にヨウ素吸着材100mg、及び上記で調製した試験液50mlを混合し、卓上小型振とう機を用いて60rpmで1時間振とうした。その後、穴径0.45μmのメンブレンフィルターで固液分離を行い、液中のヨウ素イオン濃度をイオンクロマトグラフィー(日本ダイオネクス株式会社製、Dionex ICS−90)により測定した。結果を第1表に示す。
[吸着物脱離確認]
上記のヨウ素吸着試験後の比較例1以外のヨウ素吸着材を目視、及びSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察した。ヨウ化銀及び銀の脱離が見受けられなかったものは○、見受けられたものは×とした。なお、結果を第1表に示す。
[ヨウ素吸着材の崩壊確認]
上記のヨウ素吸着試験後のヨウ素吸着材を目視により観察し、ヨウ素吸着材の崩壊の有無を確認した。結果を第1表に示す。
[カラム試験]
上記のヨウ素吸着試験後のヨウ素吸着材を10mlのプラスチック製カラムに5ml充填し、塩化ナトリウム50ppmを含有する試験液を通水速度1ml/分で7日間通水した。銀及びヨウ化銀の脱離が見受けられなかった場合を○、見受けられた場合を×とした。なお、結果を第1表に示す。
(実施例1)
[銀添着担体の製造]
担体として棒状活性炭(和光純薬工業株式会社製、棒状活性炭、平均粒径0.8mm、BET比表面積1000〜2000m/g)5gを蒸留水25mlの入ったビーカーに分散させた。その後、該ビーカーに5質量%硝酸銀水溶液20mlをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間攪拌を行った。得られた銀添着物を蒸留水で洗浄し、80℃で24時間乾燥させ、銀添着量9.91質量%の銀添着担体を得た。
[ヨウ素吸着材の製造]
銀添着担体1gをメタノール27ml、蒸留水3mlの混合液の入ったビーカーに分散させた。その後、該ビーカーにチタン化合物として、チタンテトラブトキシド(和光純薬工業株式会社製)0.16gと8質量%塩酸水溶液0.26gをゆっくりと滴下し、25℃で24時間攪拌させた。その後、蒸留水で洗浄し、銀添着担体の表面をチタン化合物で被覆し、チタン化合物被膜を形成した。チタン化合物被膜で覆われた銀添着担体を80℃で24時間乾燥させ、更に、300℃で1時間焼成することで、該銀添着担体の表面が二酸化チタンで被覆された(銀添着担体に対する被覆量1.26質量%)ヨウ素吸着材を得た。
得られたヨウ素吸着材を用いて、上記の各種評価を行った。
(実施例2)
担体として粒状活性炭(和光純薬工業株式会社製、粒状活性炭、平均粒径0.21〜1mm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてヨウ素吸着材を得て、上記の各種評価を行った。
(実施例3)
担体として粒状活性炭(和光純薬工業株式会社製、粒状活性炭、平均粒径0.21〜1mm)を用い、チタン化合物として16質量%塩化チタン水溶液(和光純薬工業株式会社製、)1gを用いた以外は、実施例1と同様にしてヨウ素吸着材(銀添着担体に対する二酸化チタンの被覆量が1.79質量%)を得て、上記の各種評価を行った。
(実施例4)
担体として合成ゼオライト(和光純薬工業株式会社製、合成ゼオライトF−9、球状、平均粒径0.50〜1.18mm)を用い、8質量%塩酸水溶液を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてヨウ素吸着材を得て、上記の各種評価を行った。
(比較例1)
粒状活性炭(和光純薬工業株式会社製、粒状活性炭、平均粒径0.21〜1mm)を用いて、上述の各種評価を行った。
(比較例2)
[銀添着担体の製造]
担体として棒状活性炭(和光純薬工業株式会社製、棒状活性炭、平均粒径0.8mm、BET比表面積1000〜2000m/g)5gを蒸留水25mlの入ったビーカーに分散させた。その後、該ビーカーに5質量%硝酸銀水溶液20mlをゆっくりと滴下し、滴下終了後1時間攪拌を行った。得られた銀添着物を蒸留水で洗浄し、80℃で24時間乾燥させ、銀添着担体を得た。
得られた銀添着担体を用いて、上述の各種評価を行った。
(比較例3)
[銀添着担体の製造]
担体として合成ゼオライト(和光純薬工業株式会社製、合成ゼオライトF−9、球状、平均粒径0.50〜1.18mm)5gを蒸留水25mlの入ったビーカーに分散させた。その後、該ビーカーに5質量%硝酸銀水溶液20mlをゆっくりと滴下していき、滴下終了後1時間攪拌を行った。得られた銀添着物を蒸留水で洗浄し、80℃で24時間乾燥させ、銀添着担体を得た。
得られた銀添着担体を用いて、上述の各種評価を行った。
Figure 2016034626
(結果のまとめ)
表1から明らかなように、二酸化チタンで被覆された銀添着担体(実施例1〜4)は、二酸化チタンで被覆されていない銀添着担体(比較例2及び3)と比較して、担体からの銀、及びヨウ化銀の脱離が見受けられず、改善された。未修飾の活性炭(比較例1)は、ヨウ素吸着能が大幅に低い。また、二酸化チタンで被覆されていない銀添着担体(比較例2及び3)では、担体が活性炭、ゼオライトいずれでも、添着した銀、及び生成したヨウ化銀が脱離することが確認された。
本発明のヨウ素吸着材及びその製造方法は、吸着材に添着された銀及び吸着されたヨウ化物が吸着材から脱離することなく、効率よくヨウ素を回収できるため、海水中からのヨウ素回収、油田かん水、工業排水中からのヨウ素回収、核施設から流出する放射性ヨウ素、及び排ガスからの気体ヨウ素回収に用いることができる。

Claims (5)

  1. 銀添着担体の表面に二酸化チタンの被覆層を形成させたヨウ素吸着材。
  2. 前記銀添着担体の担体が、活性炭、及びゼオライトのいずれかである請求項1に記載のヨウ素吸着材。
  3. 前記銀添着担体中の銀の含有量が、該銀添着担体の総質量に対して、0.1質量%〜50質量%である請求項1又は2に記載のヨウ素吸着材。
  4. チタンアルコキシド又は塩化チタンを用いてゾルゲル法により前記銀添着担体の表面に二酸化チタンの被覆層を形成した請求項1〜3のいずれか一項に記載のヨウ素吸着材。
  5. 担体の表面に湿式又は乾式により、銀化合物又は銀化合物溶液を添加し銀添着担体を得る工程(1)と、
    ゾルゲル法により前記銀添着担体の表面をチタン化合物で被覆し、チタン化合物被膜を形成する工程(2)と、
    前記チタン化合物被膜を焼成し、二酸化チタン被覆層を形成する工程(3)を含むヨウ素吸着材の製造方法。
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