JP2013202594A - 金属イオン吸着剤及びそれを用いた金属イオン除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】バイオマス由来の材料を用いた金属イオン吸着能力の高い金属イオン吸収剤、及びそれを用いて金属イオンを除去する方法を提供すること。
【解決手段】カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム及びナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含むバガス炭からなる金属イオン吸着剤、及び金属イオンを含有する溶液に、前記金属イオン吸着剤を接触させて金属イオンを吸着させる金属イオンの除去方法。
【選択図】図2
【解決手段】カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム及びナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含むバガス炭からなる金属イオン吸着剤、及び金属イオンを含有する溶液に、前記金属イオン吸着剤を接触させて金属イオンを吸着させる金属イオンの除去方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、金属イオン吸着剤及びそれを用いた金属イオン除去方法に関する。
産業排水、特に工場排水中に含まれる重金属イオンの除去には、主に中和凝集沈殿法が採用されることが多い。この方法は、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等の安価な中和剤を使用するが、重金属を含む汚泥が大量に生成し、環境保全の立場から問題が生じている。
一方、水道水中に含まれるトリハロメタン、残留塩素等を除去するために活性炭が広く利用されている。しかしながら、活性炭は重金属イオンを吸着する能力が低く、それだけで水道水中に溶解している重金属イオンを除去することは困難である。
そこで、活性炭と、水中でイオン交換機能があり、水中の重金属イオンを吸着する機能があることが知られているゼオライトとを組み合わせて重金属イオン吸着剤として使用することが提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
特許文献1には、アルミノケイ酸塩系無機イオン交換体と活性炭とを併用した吸着剤を充填した浄水器が記載されており、特許文献2には、ゼオライトを活性炭の表面にバインダーを用いて付着させた重金属イオン吸着剤が記載されている。これらの吸着剤は、2つの材料を必要とするため、吸着剤単位重さ当たりの重金属イオンの吸着量が減り、使用する吸着剤の量が多くなるという問題があった。さらに、特許文献2の吸着剤は、活性炭表面にゼオライトを被覆するために、水ガラス等のバインダーを使用する必要があるのに加え、吸着剤の製造工程に被覆工程が追加されるため、製造コストが高くなる。
また、天然生物由来の資源(バイオマス)から製造される重金属イオン吸着剤として、針葉樹樹皮粉末が知られている(非特許文献1)。しかし、樹皮の重金属吸着能力は樹種により差異があり、また、価数の大きい金属イオンは吸着され易く、1価の金属イオンは吸着されにくいという傾向があった。
針葉樹樹皮による重金属の吸着、関 一人ら、J. Hokkaido For. Prod, Res. Inst. Vol.6 No.5 1992,p.10-16
本発明の主な目的は、バイオマス由来の材料を用いた金属イオン吸着能力の高い金属イオン吸収剤を提供することであり、さらには、この吸着剤を用いて金属イオンを除去する方法を提供することである。
本発明者らは、上記のような事情を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、サトウキビから糖汁を搾った後に残るバガスを炭化して得られたバガス炭が、銅、亜鉛、コバルト又はセシウムイオンに対して高い吸着能力を有していることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成するに至った。
本発明は、下記の金属イオン吸着剤及びそれを用いた金属イオン除去方法を提供するものである。
項1.バガス炭からなる金属イオン吸着剤。
項2.前記バガス炭が、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム及びナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含むとともに、ハニカム構造を有している、項1に記載の金属イオン吸着剤。
項3.金属イオンを含有する溶液に、項1又は2に記載の金属イオン吸着剤を接触させて金属イオンを吸着させる、金属イオンの除去方法。
項4.前記金属イオンが、周期表における第1族から第16族に属する金属から選択される少なくとも1種のイオンである、項3に記載の金属イオンの除去方法。
項5.前記金属イオンが、ランタノイド及びアクチノイドからなる群から選択される少なくとも1種のイオンである、項4に記載の金属イオンの除去方法。
項6.前記金属イオンが、銅、亜鉛、コバルト及びセシウムからなる群から選択される少なくとも1種のイオンである、項4に記載の金属イオンの除去方法。
項1.バガス炭からなる金属イオン吸着剤。
項2.前記バガス炭が、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム及びナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含むとともに、ハニカム構造を有している、項1に記載の金属イオン吸着剤。
項3.金属イオンを含有する溶液に、項1又は2に記載の金属イオン吸着剤を接触させて金属イオンを吸着させる、金属イオンの除去方法。
項4.前記金属イオンが、周期表における第1族から第16族に属する金属から選択される少なくとも1種のイオンである、項3に記載の金属イオンの除去方法。
項5.前記金属イオンが、ランタノイド及びアクチノイドからなる群から選択される少なくとも1種のイオンである、項4に記載の金属イオンの除去方法。
項6.前記金属イオンが、銅、亜鉛、コバルト及びセシウムからなる群から選択される少なくとも1種のイオンである、項4に記載の金属イオンの除去方法。
本発明の金属イオン吸着剤は、バガス炭で構成されているため、金属イオンの種類及び価数によらず、様々な金属イオンを吸着することができる。よって、本発明の金属イオン除去方法によれば、複数の金属イオンを含む混合液から、価数の異なる多様な金属イオンを除去することができる。さらに、本発明では、バガスを炭化しただけのバガス炭を、表面改質(賦活)等の工程を経ることなく金属イオン吸着剤として使用することができるので、従来の活性炭及びゼオライトを併用する方法に比べて、低コストで金属イオンを除去することができる。
本発明は、バガス炭からなる金属イオン吸着剤である。本発明の金属イオン吸着剤は、バガス炭で構成されているため、様々な金属イオンを吸着することができる。
バガス炭は、サトウキビから糖汁を搾った搾りかす(バガス)を炭化して得られるものである。バガス炭は、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム及びナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含んでいる。バガス炭にカリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム及びナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属が含まれるのは、バガスの原料であるサトウキビがその栽培環境から吸収した金属成分が、バガスを炭化した後のバガス炭にも保持されているからである。そして、バガス炭に含まれるカリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム及びナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属が、水溶液中の金属イオンと交換できる能力を有していることから、バガス炭からなる金属イオン吸着剤は、金属イオン吸着剤として作用することができる。また、バガス炭は、規則的なハニカム構造を有しており(下記の実施例参照)、その比表面積は、200〜600m2/g程度である。このように、バガス炭は、ハニカム構造を有しているため、吸着に対して多点で相互作用することができ、これにより金属イオン吸着力がさらに強化される。
本発明の金属イオン吸着剤であるバガス炭は、原料となるバガスを炭化することにより製造することができる、炭化は、例えば、無酸素条件、500〜600℃の温度条件で乾留することにより行われる。従来の活性炭を製造するためには、通常、木粉、やし殻等の原料を炭化する炭化工程、比表面積を大きくする賦活工程、及び賦活方法によっては洗浄工程が必要であるのに対して、バガス炭は、炭化工程を経ただけで比表面積が200〜600m2/g程度のものが得られ、さらに賦活工程等を行わなくても金属イオン吸着能力が高い。よって、本発明の金属イオン吸着剤は、安価なバイオマスであるバガスから、少ない工程で収率よく得られる、経済的に優れた金属イオン吸着剤である。
本発明の除去方法では、処理対象は、金属イオンを含む溶液であれば特に制限はなく、例えば、水道水、河川水、工場排水等を処理することができる。
除去対象となる金属イオンとして、周期表における第1族から第16族に属する金属から選択される少なくとも1種のイオンが挙げられる。金属イオンとして、ランタノイド及びアクチノイドからなる群から選択される少なくとも1種のイオンを含むことが望ましい。あるいは、金属イオンとして、銅、亜鉛、コバルト及びセシウムからなる群から選択される少なくとも1種のイオンを含むことが望ましい。
本発明の金属イオンの除去方法によれば、金属イオンを含有する溶液に、上記の金属イオン吸着剤を接触させることにより、金属イオンの種類及び価数によらず、多様な金属イオンを吸着して除去することができる。溶液中の金属イオンを除去するためには、金属イオン1μmol/L〜1mol/L、好ましくは10μmol/L〜10mmol/Lに、金属イオン吸着剤1gを接触させればよい。
本発明の金属イオンの除去方法として、具体的には、本発明の金属イオン吸着剤をカラム等の充填塔又は充填器に充填し、そこに河川水等を通水することにより種々の金属イオンを除去することができる。あるいは、処理する水に直接金属イオン吸着剤を添加し、その後、膜分離等の固液分離操作を行ってもよい。
本発明の金属イオンの除去方法では、バガスを炭化しただけのバガス炭を、賦活等の工程を経ることなく金属イオン吸着剤として使用することができるので、従来の活性炭及びゼオライトを併用する方法に比べて、低コストで金属イオンを除去することができる。
以下に本発明の実施例を示すことにより、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
製造例1(バガス炭の製造)
図1に示すような、スクリューコンベア型の炭化部の外側にジャケット部を設けた加熱方式をとる炭化装置を用い、ホッパー内に充填したサトウキビ残渣のバガスを、ロータリーバルブを介して乾燥重量で1時間当り1kgを連続的に炭化部へ供給した。炭化部に供給されたバガスは、滞留時間30分でバガス炭として排出された。バガスから蒸発した揮発性有機化合物並びに熱分解性ガスは、炭化部の排気端より直接ジャケットへ供給され、ジャケットに設備されたバーナーで燃焼し、炭化温度が550℃になるようにコントロールしている。製造されたバガス炭のBET比表面積は379m2/gであった。また、得られたバガス炭について、蛍光X線法により元素分析を行った。その結果を以下に示す。
図1に示すような、スクリューコンベア型の炭化部の外側にジャケット部を設けた加熱方式をとる炭化装置を用い、ホッパー内に充填したサトウキビ残渣のバガスを、ロータリーバルブを介して乾燥重量で1時間当り1kgを連続的に炭化部へ供給した。炭化部に供給されたバガスは、滞留時間30分でバガス炭として排出された。バガスから蒸発した揮発性有機化合物並びに熱分解性ガスは、炭化部の排気端より直接ジャケットへ供給され、ジャケットに設備されたバーナーで燃焼し、炭化温度が550℃になるようにコントロールしている。製造されたバガス炭のBET比表面積は379m2/gであった。また、得られたバガス炭について、蛍光X線法により元素分析を行った。その結果を以下に示す。
表1から、バガス炭には、アルカリ金属であるカリウム(K)、アルカリ土類金属であるカルシウム(Ca)及びマグネシウム(Mg)並びに土壌の構成成分であるケイ素(Si)、鉄(Fe)及びアルミニウム(Al)が含まれていることがわかる。このうちのSiがハニカム構造を構成している。
さらに、バガス炭に含まれるK及びMgについて、以下のように溶脱試験を行った。
1N塩酸50mLにバガス炭0.50gを加えて、30℃の恒温槽で24時間攪拌した。バガス炭を遠心沈降及び濾過により除去し、濾液のカリウムイオン濃度をICP発光分光分析装置における発光強度により測定したところ、44mg/Lであった。また、上記と同様の操作を行い、濾液のマグネシウムイオン濃度をICP発光分光分析装置における発光強度により測定したところ、16mg/Lであった。この結果からも、バガス炭の中にアルカリ金属及びアルカリ土類金属が含まれていることがわかる。
また、走査型電子顕微鏡(SEM)によりバガス炭の断面の構造を観察した画像を図2に示す。図2から、バガス炭は規則的なハニカム構造を有していることがわかる。
以下の実施例1〜4及び比較例1において、金属イオン濃度は、以下のようにして測定した。銅、亜鉛、及びコバルトイオンの濃度は、ICP発光分光分析装置における発光強度によりイオン濃度を測定した。セシウムイオンの濃度は、ICP質量分析装置におけるイオン強度によりイオン濃度を測定した。
実施例1(バガス炭による銅イオンの吸着試験)
硝酸銅(II)三水和物53.1mgを220mLの蒸留水に溶解して銅イオン水溶液を得た。得られた銅イオン水溶液の銅イオン濃度は67mg/Lであり、水溶液のpHは5.4であった。この銅イオン水溶液50mLにバガス炭0.50gを加え、30℃の恒温槽で24時間攪拌した。バガス炭を遠心沈降及び濾過により除去し、濾液の銅イオン濃度を測定したところ、15mg/Lに低下していた。
硝酸銅(II)三水和物53.1mgを220mLの蒸留水に溶解して銅イオン水溶液を得た。得られた銅イオン水溶液の銅イオン濃度は67mg/Lであり、水溶液のpHは5.4であった。この銅イオン水溶液50mLにバガス炭0.50gを加え、30℃の恒温槽で24時間攪拌した。バガス炭を遠心沈降及び濾過により除去し、濾液の銅イオン濃度を測定したところ、15mg/Lに低下していた。
実施例2(バガス炭による亜鉛イオンの吸着試験)
硝酸亜鉛(II)六水和物60.5mgを203mLの蒸留水に溶解した後、pH3の硝酸水溶液を0.50g加えて亜鉛イオン水溶液を得た。得られた亜鉛イオン水溶液の亜鉛イオン濃度は68mg/Lであり、水溶液のpHは5.4であった。この亜鉛イオン水溶液50mLにバガス炭0.50gを加え、30℃の恒温槽で24時間攪拌した。バガス炭を遠心沈降及び濾過により除去し、濾液の亜鉛イオン濃度を測定したところ、26mg/Lに低下していた。
硝酸亜鉛(II)六水和物60.5mgを203mLの蒸留水に溶解した後、pH3の硝酸水溶液を0.50g加えて亜鉛イオン水溶液を得た。得られた亜鉛イオン水溶液の亜鉛イオン濃度は68mg/Lであり、水溶液のpHは5.4であった。この亜鉛イオン水溶液50mLにバガス炭0.50gを加え、30℃の恒温槽で24時間攪拌した。バガス炭を遠心沈降及び濾過により除去し、濾液の亜鉛イオン濃度を測定したところ、26mg/Lに低下していた。
実施例3(バガス炭によるコバルトイオンの吸着試験)
硝酸コバルト(II)六水和物60.9mgを209mLの蒸留水に溶解した後、pH3の硝酸水溶液を1.50g加えてコバルトイオン水溶液を得た。得られたコバルトイオン水溶液のコバルトイオン濃度は59mg/Lであり、水溶液のpHは5.3であった。このコバルトイオン水溶液50mLにバガス炭0.50gを加え、30℃の恒温槽で24時間攪拌した。バガス炭を遠心沈降及び濾過により除去し、濾液のコバルトイオン濃度を測定したところ、27mg/Lに低下していた。
硝酸コバルト(II)六水和物60.9mgを209mLの蒸留水に溶解した後、pH3の硝酸水溶液を1.50g加えてコバルトイオン水溶液を得た。得られたコバルトイオン水溶液のコバルトイオン濃度は59mg/Lであり、水溶液のpHは5.3であった。このコバルトイオン水溶液50mLにバガス炭0.50gを加え、30℃の恒温槽で24時間攪拌した。バガス炭を遠心沈降及び濾過により除去し、濾液のコバルトイオン濃度を測定したところ、27mg/Lに低下していた。
実施例4(バガス炭によるセシウムイオンの吸着試験)
塩化セシウム0.14gを1Lの蒸留水に溶解してセシウムイオン水溶液を得た。得られたセシウムイオン水溶液のセシウムイオン濃度は120mg/Lであり、水溶液のpHは6.7であった。このセシウムイオン水溶液100mLにバガス炭1.0gを加え、30℃の恒温槽で24時間攪拌した。バガス炭を遠心沈降及び濾過により除去し、濾液のセシウムイオン濃度を測定したところ、68mg/Lに低下していた。
塩化セシウム0.14gを1Lの蒸留水に溶解してセシウムイオン水溶液を得た。得られたセシウムイオン水溶液のセシウムイオン濃度は120mg/Lであり、水溶液のpHは6.7であった。このセシウムイオン水溶液100mLにバガス炭1.0gを加え、30℃の恒温槽で24時間攪拌した。バガス炭を遠心沈降及び濾過により除去し、濾液のセシウムイオン濃度を測定したところ、68mg/Lに低下していた。
比較例1(活性炭によるセシウムイオンの吸着試験)
塩化セシウム0.14gを1Lの蒸留水に溶解してセシウムイオン水溶液を得た。得られたセシウムイオン水溶液のセシウムイオン濃度は120mg/Lであり、水溶液のpHは6.7であった。このセシウムイオン水溶液100mLに活性炭(商品名:太閤S、二村化学工業(株)製)1.0gを加え、30℃の恒温槽で24時間攪拌した。活性炭を遠心沈降及び濾過により除去し、濾液のセシウムイオン濃度を測定したところ、120mg/Lであり、濃度に変化はなかった。
塩化セシウム0.14gを1Lの蒸留水に溶解してセシウムイオン水溶液を得た。得られたセシウムイオン水溶液のセシウムイオン濃度は120mg/Lであり、水溶液のpHは6.7であった。このセシウムイオン水溶液100mLに活性炭(商品名:太閤S、二村化学工業(株)製)1.0gを加え、30℃の恒温槽で24時間攪拌した。活性炭を遠心沈降及び濾過により除去し、濾液のセシウムイオン濃度を測定したところ、120mg/Lであり、濃度に変化はなかった。
これらの結果を表2に示す。なお、活性炭の銅、亜鉛及びコバルトイオンの吸着率として、前述の非特許文献1の第1表及び第2表に記載されている値を記載した。
表2から、バガス炭は、価数の異なる金属イオンに対して吸着能力を有することがわかる。また、バガス炭は、試験したすべての金属イオンに対して、活性炭よりも吸着能力が高い。特に、バガス炭は、活性炭が全く吸着しないセシウムイオンを吸着することができる。よって、バガス炭からなる金属イオン吸着剤は、金属の種類を選ぶことなく多様な金属イオンを吸着することができる。
Claims (6)
- バガス炭からなる金属イオン吸着剤。
- 前記バガス炭が、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム及びナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含むとともに、ハニカム構造を有している、請求項1に記載の金属イオン吸着剤。
- 金属イオンを含有する溶液に、請求項1又は2に記載の金属イオン吸着剤を接触させて金属イオンを吸着させる、金属イオンの除去方法。
- 前記金属イオンが、周期表における第1族から第16族に属する金属から選択される少なくとも1種のイオンである、請求項3に記載の金属イオンの除去方法。
- 前記金属イオンが、ランタノイド及びアクチノイドからなる群から選択される少なくとも1種のイオンである、請求項4に記載の金属イオンの除去方法。
- 前記金属イオンが、銅、亜鉛、コバルト及びセシウムからなる群から選択される少なくとも1種のイオンである、請求項4に記載の金属イオンの除去方法。
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