JP2016034333A - 霧化溶剤吐出装置 - Google Patents

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喜久男 逢坂
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Kensuke Yamamoto
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Abstract

【課題】従来は、貯槽をハウジングに装着する際に溶剤が貯槽から不必要かつ不用意に漏洩することがある点、また、貯槽下端部で供給口周囲の液面高さが(該供給口高さより)低下しても該供給口を溶剤が表面張力によって塞いでしまい、貯槽内に空気が流入せず、該貯槽内から溶剤が安定的に供給されない点、を改善する。【解決手段】霧化溶剤吐出装置1は、タンク3の小径端部に供給孔3aを形成して、この小径端部の内部に該供給孔3aに向けて付勢するばね3b(付勢部材)とこのばね3bの該供給孔3a側の端部に設けた弁体3cとを有する一方、本体2のタンク3を装着する有底無天状の挿入部2Cに流出孔2dを形成し、さらに、該挿入部2Cの底部中央に、供給孔3aに挿入されて弁体3cをばね3bの付勢力に抗してタンク3内へ押し込んで開状態とする弁押軸2Dと、該供給孔3aの内周縁部に部分的に接触する導出部2Eと、を設ける構成とした。【選択図】図2

Description

本発明は、貯槽をハウジングに装着する際に、溶剤が貯槽から不必要かつ不用意に漏洩したり、貯槽下端部で供給口周囲の液面高さが低下しても該供給口を溶剤が塞いで、該貯槽内から溶剤が安定的に供給されないといった不具合を改善した霧化溶剤吐出装置に関する。
フィトンチッドと称される化学物質は、植物が傷つけられた際に該植物や樹木から発散・放出されるもので、微生物の活動を抑制する作用をもつ他、殺菌力を有している。昨今では、疑似的な癒しや安らぎの森林浴効果を得るために、自然界成分の分析のうえ得た人工的フィトンチッド溶剤の希釈液を例えば噴霧するようになってきている。
例えば、特許文献1には、消臭剤水溶液を超音波発振にてミストに霧化し、超音波発振による霧化ミストを乗せた空気流を下方に向けて配置された超微粒子選択プレートに当て、3ミクロンを超える粗粒子ミストを自重にて落下させて空気流から除去することで、霧化ミストから3ミクロン以下の超微粒子ミストを選択して空気流と共に消臭すべき雰囲気中に吹き込むようにした消臭方法が示されている。
また、特許文献1には、上方部分に空気吹出口を有するハウジングと、ハウジング内に収納され、消臭剤水溶液を貯留し、下端に消臭剤水溶液の供給口を有する密閉構造の貯槽と、ハウジング内下方に収納され、貯槽の供給口が所定液面高さに配置されて貯槽から消臭剤水溶液が所定液面まで自然供給され、供給された消臭剤水溶液を超音波発振によって霧化する霧化槽と、ハウジング内の空気吹出口の背後に設けられ、空気吹出口に向けて空気を送給するファンと、ハウジング内に上下方向に延びて設けられ、霧化槽の主要液面と空気吹出口とに連通し、周壁が上方に向けて横断面積を減少させるように傾斜されて霧化槽の液面から飛散する飛沫を当てて自重にて落下させる一方、霧化槽から霧化飛散するミストをファンの空気流にて吸引させて実質的に凝集させることなく、1ミクロン以下の極超微粒子ミストを空気流に乗せるガイド槽と、超音波発振器及びファンを作動させる制御装置とを備えた消臭装置が示されている。
上記特許文献1の装置では、貯槽が密閉構造で供給口を備えた貯槽から溶剤(消臭水溶液)を霧化槽に供給する際、供給口が単なる孔である一方、ハウジング側では前記孔に挿入される軸が設けられた構成であったため、次の不具合が生じていた。
すなわち、特許文献1の装置は、貯槽をハウジングに装着する際に、該貯槽を開封(供給口を露出させるためにキャップを外すなど)する際には、供給口を上方に向けて行うが、この後、供給口を下方に向けて、ハウジングに対して装着するので、供給口を上方に向けた状態から下方に向ける際の該供給口の軌道中、及びハウジングの軸が供給口に挿入されるまでの間、溶剤が貯槽から不必要かつ不用意に漏洩することがあった。
また、特許文献1の装置において、貯槽を上記のように溶剤が漏洩することなく上手くハウジングに装着できたとしても、それは使用者の操作上の技術であって構造上の不具合を否定できず、さらに、貯槽をハウジングに装着した後においても次の不具合があった。
さらに、特許文献1の装置では、貯槽の供給口にハウジング側の軸が挿入されることで該貯槽をハウジングに装着する構成とされていたので、該貯槽をハウジングに装着しても、つまり供給口に軸が挿入されて、貯槽下端部で供給口周囲の液面高さが(該供給口高さより)低下しても該供給口を溶剤が表面張力により塞いで、貯槽内に空気が流入せず、よって該貯槽内から溶剤が供給されないことがあった。
前記該貯槽内から溶剤が常に供給されないのではなく、例えば装置自体が振動したり、供給口周囲の液面が傾いた状態で低下することで、供給口の孔面の一部だけが液面と離間して空気が貯槽に流入する隙間が生じれば、流入した空気分(体積)だけ、溶剤が供給されるが、換言すれば、そのようなタイミングが生じない限り、貯槽から溶剤が安定して供給されないということになる。この不具合は、装置が小型化されるなどにより貯槽及び供給口の孔径が小さいほど顕著となる。
特許第3067089号公報
本発明が解決しようとする問題は、従来の特許文献1の装置は、貯槽をハウジングに装着する際に、溶剤が貯槽から不必要かつ不用意に漏洩することがある点、また、貯槽下端部で供給口周囲の液面高さが(該供給口高さより)低下しても該供給口を溶剤が表面張力によって塞いでしまい、貯槽内に空気が流入せず、よって該貯槽内から溶剤が安定的に供給されない点、である。
上記課題を解決するため、本発明は、溶剤を収納したタンクと、このタンクから供給される溶剤を貯留する貯留部と、この貯留部に設けられ、該貯留部に貯留した溶剤を超音波発振により霧化する発振部と、この発振部で霧化された溶剤を内部で浮遊させて所定粒径の霧化溶剤を排出口から流出させる霧化槽と、この霧化槽の排出口から流出した所定粒径の霧化溶剤を外部に送り出す送出部と、全体を制御する制御部と、を備えた霧化溶剤吐出装置において、前記タンクは、上下一方の端部が他方に対して小径とされると共に小径端部に供給孔が形成され、かつ該小径端部の内部に該供給孔に向けて付勢する付勢部材とこの付勢部材の該供給孔側の端部に設けた弁体とを有し、一方、本体の前記タンクを装着する部位は、該タンクの小径端部が挿入される有底無天状の挿入部と、この挿入部の内周壁の一部に貯留部へ溶剤を送るための流出孔と、が形成され、さらに、前記挿入部の底部中央に、前記供給孔に挿入されて前記弁体を前記付勢部材の付勢力に抗して前記タンク内へ押し込んで開状態とする弁押軸と、該供給孔の内周縁部に部分的に接触する導出部と、が設けられる構成としたことを主要な特徴とした。
本発明は、タンクには付勢部材と弁体とを設けているので、供給孔を上に向けた状態から、本体の挿入部に小径端部を挿入すべく、供給孔を下に向ける軌道、及びタンクを挿入部に装着するまでの間において、弁体が供給孔を閉状態とするので、タンクから溶剤が流出することがない。
また、本発明は、挿入部における溶剤の液面が(溶剤が貯留部へ供給され、霧化されて消費されることで)タンクの供給孔の位置よりも液面高さが低くなれば、導出部により供給孔内径縁部の表面張力を打破して溶剤が導出されると同時に空気がタンク内に流入して、このタンクに流入した空気分だけ新に溶剤が(挿入部の液面高さが供給孔位置程度になるまで)供給されるから、安定して溶剤を供給し続けることができる。
本発明の霧化溶剤吐出装置の外観構成を示す分解斜視図である。 本発明の霧化溶剤吐出装置の図1のA−A線概略断面図である。 本発明の霧化溶剤吐出装置のタンクの小径端部の構造を示す分解斜視図である。 本発明の霧化溶剤吐出装置の本体を示す斜視図である。 本発明の霧化溶剤吐出装置の本体における、(a)は平面図、(b)は断面図、である。 本発明の霧化溶剤吐出装置の概略回路ブロック図である。 本発明の霧化溶剤吐出装置における制御部による動作フローチャートである。 霧化溶剤吐出装置の発振部において運転時間とオペアンプ入力電圧との関係のグラフであり、実線は本発明によるフィードバック信号線を設けた場合、破線はフィードバック信号線を設けていない場合、を示す。
本発明は、貯槽をハウジングに装着する際に、溶剤が貯槽から不必要かつ不用意に漏洩したり、該供給口を溶剤が塞いで、貯槽内に空気が流入せず、よって該貯槽内から溶剤が安定的に供給されない点を、タンクの小径端部に供給孔を形成して、この小径端部の内部に自然長で該供給孔に向けて付勢する付勢部材とこの付勢部材の該供給孔側の端部に設けた弁体とを有することとし、一方、本体のタンクを装着する有底無天状の挿入部に貯留部へ溶剤を送るための流出孔を形成し、さらに、該挿入部の底部中央に、供給孔に挿入されて弁体を付勢部材の付勢力に抗してタンク内へ押し込んで開状態とする弁押軸と、該供給孔の内周縁部に部分的に接触する導出部と、を突設する形態で実施することで、改善を図った。
ここで、本発明による課題が解決できる原理について説明する。まず、タンクに関しては、通常、供給孔の径が小さければ、タンク内の内圧がかからない(タンク内に空気が流入しない)限り、該供給孔の開口面が水平の場合は表面張力によって溶剤が流出することがない。
例えば、タンクをゆっくりと傾けると、供給孔の開口面に表面張力が生じず、供給孔の液面と内周縁部とが接していない部位からタンク内に空気が流入し、タンク内に流入した分だけ溶剤がタンクから漏洩する。
つまり、本願で課題としたうち「貯槽をハウジングに装着する際に、溶剤が貯槽から不必要かつ不用意に漏洩することがある」(部材名は特許文献1のまま)点は、上記原理、つまり、タンク(特許文献1では貯槽)を上下反転したときに、タンク内の溶剤の液面に対し、供給孔が相対的に内周縁部全周に接触しない状態が生じることによって生じる。
そこで、本発明では、タンクの小径端部に自然長で該供給孔に向けて付勢する付勢部材を内装し、この付勢部材の供給孔側の端部に供給孔を閉状態としておくための弁体を設けることで、付勢部材に抗して弁体をタンク内に押し込まない限りは、表面張力が生じようが打破されようが、物理的に供給孔が閉状態とされたままであるので、上記課題は解消できることとなる。
さらに、本願で課題としたうち「貯槽下端部で供給口周囲の液面高さが低下しても該供給口を溶剤が塞いで、貯槽内に空気が流入せず、よって該貯槽内から溶剤が安定的に供給されない」(部材名は特許文献1のまま)点は、本発明においては、まず、上記のとおり、タンクの供給孔を弁体が閉状態としているので、そのままではタンク内の溶剤は供給されない。
そこで、本発明では、本体の挿入部の底部中央、すなわちタンクを装着すべく挿入部に挿入したときに該タンクの供給孔に対応する位置に、弁押軸を設けている。この弁押軸により、弁体をタンク内に押し込み、これにより供給孔は開状態となる。
ところが、弁押軸だけで供給孔を開状態としても、挿入部の溶剤の液面が該供給孔の内周縁部に部分的に接触するよう、つまり溶剤の表面張力を打破するよう、波打たない限り、供給孔の内周縁部全周に溶剤が接触している状態なので表面張力が保たれてタンク内の溶剤が流出しない。すなわち、この現象が、本願の課題で言う、挿入部の液面が供給孔位置まで低下しても溶剤を安定して供給することのできない要因となっていた。
上記に関しては、本発明は、弁押軸の近傍に、供給孔の内周縁部に部分的に接触する導出部を設けることで、挿入部の溶剤の液面が供給孔の位置まで低下すれば、溶剤液面上に現れる導出部が表面張力を打破することとなり、このとき、弁押軸と導出部との隙間からタンク内に空気が流入し、空気が流入した分だけ内圧がかかりタンク内から溶剤が流出することとなる。よって、本発明であれば、溶剤液面が波うたなくても、溶剤を安定して供給することができる。
さらに、本発明は、上記構成において、挿入部の底部に、流出孔の付近を低位とする斜面を形成することで、タンク内から挿入部へ流出した溶剤が該挿入部の死角で留まらせることなく速やかに流出孔へ送ることができる。
また、本発明は、上記構成において、弁押軸の軸断面が十字状とすることで、導出部との隙間が確保され、タンク内の溶剤の挿入部へ向けた速やかな流出と、タンク内への空気流入を確実にすることができる。
さらに、本発明は、上記構成において、導出部に流出孔側を下方とする斜面を形成することで、表面張力を打破し、供給孔の内周縁部(開口)付近から流出する溶剤に方向性のある流れを作ることができ、表面張力が打破された以降、この流れに続いて安定的に溶剤を流出させることができる。
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。本発明における霧化溶剤吐出装置1は、例えばハードウェア構成としては図1及び図5に示す構成とされている。なお、本実施例における霧化溶剤吐出装置1は、フィトンチッド溶剤を霧化吐出するに最適な構成とされている。2は、後述する制御部や、各部を設けた本体である。以下、このフィトンチッド溶剤を霧化した状態をミストと言う。
3は、本例では特にフィトンチッド溶剤を収納したタンクである。このタンク3は、ボトルのキャップを外してこのキャップ側を下方に向けて本体2に接続するようになっている。4は、本体2内部に設けられた供給路2Aを介してタンク2から供給された溶剤をミストにするために貯留する貯留部である。
この貯留部4は、具体的には、本体2の上面においてタンク3を接続する部位と所定間隔を存して隣接した箇所に形成された窪みである。そして、上記供給路2Aは、本体2内部においてタンク3からこの貯留部4までを接続している。貯留部4は、該貯留部4から霧化されて溶剤が消費される毎にタンク3から一定量だけ溶剤が供給されるようになっている。
本例の霧化溶剤吐出装置1は、前提としてポンプなどによって溶剤を供給する構成ではなくタンク3から貯留部4へ該タンク3からの溶剤の自重滴下による流動で順次供給される。したがって、本発明の霧化溶剤吐出装置1は、水平に配置されることにより、前述のとおり、該貯留部4から霧化されて溶剤が消費される毎にタンク3から一定量だけ溶剤が供給される。
供給路2Aは、図4及び図5に詳細に示すように、本体2の一方側面部(図2においては紙面手前)側にタンク3から該本体2の外形中央部位まで直線状に形成されたタンク側流路2aと、他方側面部(図2においては紙面奥)側に本体2の外形中央部位から貯留部4へ形成された直線状の貯留部側流路2bと、該本体2の側面方向(図2の紙面手前−奥方向)に該タンク側流路2aと貯留部流路2bとを接続する直線状の接続路2cとからなる。
このようにタンク3側から貯留部4側に至る供給路2Aを直線でなる略S(又はZ)字の鉤状に屈曲させて形成することで、例えばタンク側流路2aが下側になるように転倒しても貯留部側流路2bに残存する溶剤はタンク3側には流れにくく、例えば貯留部側流路2bが下側になるように転倒してもタンク側流路2aに残存する溶剤は貯留部4側には流れにくく、よって、転倒により供給路2Aと、タンク3側又は貯留部4側とにある溶剤が直ちに一度に一方行へ流れることを防止することができる。
さらに、本例では、接続部2cの途中部位に、止水部2Bを設けている。止水部2Bは筐体2Ba内に例えばステンレス製のボール2Bb(図2及び図4では不図示)が挿入された構成となっている。
筐体2Baは、対向する壁面に、タンク3側からの分断された接続路2cと、貯留部4側への分断された接続路2cと、が各々連通接続する孔2Bc,2Bc(図5参照)が形成され、また、内底面には、孔2Bc,2Bcが形成された壁面間の中央へ下方に傾斜した斜面で形成され、(本体2が水平ならば)ボール2Bbを壁面間中央に定置させる谷部2Bdが形成されている。
このようにすることで、本例においては、タンク側流路2aが下側、又は貯留部側流路2bが下側、のどちらに転倒しても、その転倒に先立って傾斜した下方側にボール2Bbが移動して該下方側に位置することとなる孔2Bcを塞ぐので、上記鉤状の供給路2Aの効果と相俟って、より確実に転倒や傾斜による過剰な溶剤の流動による不要部位への溶剤の漏洩を抑制することができる。
続いて、タンク3から貯留部4へ溶剤を供給するための構造について説明する。概略的には、上記の通り、溶剤はタンク3を装着した本体2の供給路2Aを介して貯留部4へ供給されるが、本発明の霧化溶剤吐出装置1は、次の構造を採用することで溶剤を安定かつ確実に貯留部4へ供給することができる。
すなわち、本発明は、図3に示すように、タンク3が、上下一方の端部が他方に対して小径とされ、小径端部に供給孔3aが形成されている。本例では、この小径端部の外周にキャップ(不図示)が設けられ、本体2に装着時にこのキャップを小径端部の外周から外し、キャップを外すと、小径端部の端面に形成された供給孔3aが露出する。
タンク3の小径端部の内部には、自然長で該供給孔に向けて付勢する付勢部材としての例えば弦巻状のばね3bと、このばね3bの該供給孔3a側の端部に設けた弁体3cとを有している。
一方、本体2のタンク3を装着する部位は、図4及び図5に示すように、該タンク3の小径端部が挿入される有底無天状の挿入部2Cと、この挿入部2Cの内周壁の一部に貯留部4へ溶剤を送るために供給路2A(タンク側流路2a)と接続した流出孔2dと、が形成されている。
さらに、本例では挿入部2Cの底部に流出孔2dの付近を低位とする斜面2eが形成されており、この底部中央には供給孔3aに挿入されて弁体3cをばね3bの付勢力に抗してタンク3内へ押し込んで開状態とする弁押軸2Dと、該供給孔3aの内周縁部に部分的に接触する導出部2Eと、が互いに若干の隙間を存して突設されている。
また、本例では、弁押軸2Dは例えば軸断面が十字状とされ、一方、導出部2Eは、流出孔2d側を下方とする斜面2Eaが形成され、かつ頂面に水平部2Ebが形成された断面視台形状とされている。
続いて、本発明の霧化溶剤吐出装置1におけるタンク3から挿入部2Cに溶剤が供給される状況について説明する。タンク3は、小径端部に自然長で供給孔3aに向けて付勢するばね3bを内装し、このばね3bの供給孔3a側の端部に該供給孔3aを閉状態としておくための弁体3cを設けている。
こうすることで、タンク3はばね3bに抗して弁体3cをタンク3内に押し込まない限りは供給孔3aが閉状態とされたままとなるので、使用前で小径端部を上方にしてキャップを外した状態から、本体2の挿入部2Cへ挿入すべく該タンク3を小径端部(供給孔3a)を下方に向ける途中で、溶剤がタンク3から流出することが防止される。
また、挿入部2Cの底部中央に、弁押軸2D及び導出部2Eを設けることで、挿入部2Cに挿入したタンク3を、弁押軸2Dによってタンク3の弁体3cを該タンク3内に押し込み、これにより供給孔3aを開状態することができる。
弁押軸2Dが弁体3Cを所定位置まで押し込んだとき(タンク3を挿入部2Cにしっかりと挿入して装着が完了すると)、今、挿入部2Cには溶剤が満たされていない状況では、導出部2C(の水平部2Ed)が該供給孔3aの内周縁部に(内周縁部の全周ではなく)部分的に接触する。
このとき、タンク3の供給孔3aの内周部位における溶剤の表面張力が打破されて溶剤がタンク3から流出すると同時に、弁押軸2Dと導出部2Eとの隙間からタンク3内に空気が流入し、空気が流入した分だけ内圧がかかりタンク3内から溶剤がさらに流出する。
タンク3から流出した溶剤は、斜面2Eaを伝わって挿入部2Cの底部、本例では挿入部2Cの底部の斜面2eを流れて、流出孔2dから供給路2Aにおけるタンク側流路2a、接続路2c、貯留部側流路2b、を経て貯留部4へ流れ、貯留部4に所定量の溶剤が満たされ、最終的に挿入部2Cでも供給孔3aの位置まで液面高さが上昇すると、該供給孔3aに空気が流入する余地がなくなるので、タンク3からの溶剤の供給が停止する。
また、貯留部4において、発振部5で溶剤を霧化し、ここで溶剤が消費されると、挿入部2Cではしだいに溶剤液面が低下して、導出部2Eの水平部2Edつまり供給孔3aが液面上に露出する。このとき、上記同様、導出部2Eが供給孔3aの内周縁部における表面張力を打破すると同時に弁押軸2Dと導出部2Eとによりタンク3内に空気を送り、これにより溶剤がタンク3から流出(供給)される。
5は、貯留部4の窪みの底部に設けられ、該貯留部4に貯留された溶剤を超音波発振により霧化する発振部である。この発振部5は、振動子を例えば約2.5MHzで振動させることで、フィトンチッド溶剤を1μm以下の粒径でミスト化する。
6は、貯留部4の上方を覆い、発振部5で霧化された溶剤を内部で浮遊させて所定粒径のミストを排出口から流出させる霧化槽である。霧化槽6は、有天筒状とされたカバー6Aによって外内部を区画することで形成されている。
カバー6Aは、側周面に後述送出ファン7からの風を導く送風路6aが上下方向に形成されており、天面において、送風路6aが設けられた側から直径方向に対向する方向にミスト送風路6bが、該天面に取り付けられる吹出キャップ6Bの裏面側と共に形成されている。
ミスト送風路6bは、吹出キャップ6Bの裏面に流路を形成する壁面6Baと、カバー6Aの天井部に形成された突部6Aaとで形成される隙間により形成される。カバー6Aの突部6Aaには、その流路中に、送風路6a側から順に、他溶剤充填凹部6Ab、空気流入孔6Ac、整流凸部6Ad、ミスト排出孔6Aeが形成されている。
他溶剤充填凹部6Abは、カバー6A内に連通しておらず、ここに例えばアロマ溶剤を充填することができるようになっている。空気流入孔6Acは、カバー6A内へ突出した円筒部の側周面の一部が切欠かれ、この切欠かれた部位から送風路6aの空気が該カバー6A内へ流入するようになっている。
整流凸部6Adは、平面視で二等辺三角形状とされた柱体とされ、二等辺で挟まれた辺部の中点部位が空気流入孔6Acの周縁に近設されており、この二等辺で挟まれた辺部に送風路6aからの空気が一部衝突してカバー6A内に該空気流入孔6Acを介して流入するようになっている。
ミスト排出部6Aeは、カバー6A内に充満し、浮遊する一定粒径のミストが、順次、空気流入孔6Acから流入した空気と共に、排出されるよう形成されている。このミスト排出部6Aeから排出されたミストは、上記整流凸部6Adの両側を通過した送風路6aからの空気によりミスト送風路6b外、すなわち外部へ排出される。
7は、本体2内に設けられ、送風路6aに向けて吸気した外気を加速させて送るための送風ファンである。この送風ファン7は、本体2内への配置上、シロッコファンが採用されている。
8は、タンク3の全体と、霧化槽6の一部を露出した状態で覆うフードである。このフード8を設けることで、全体がすっきりした外観となると共に、本体2上面の露出した部材を埃等から保護する役目を担っている。
続いて、霧化溶剤吐出装置1の電気系統の構成について説明する。制御部10は、本体2の内部において、基板10Aに設けられている。この制御部10に、以下の各電子素子及び回路並びに信号線が設けられている。なお、電源アダプタAは、制御部10の電源接続部20に接続されている。
貯留部4における供給路2Aの溶剤が排出される部位より下側で、発振部5である振動子が位置する部位より上方には、本例では静電容量がしきい値以下である場合に溶剤が無いとして検知する液検知センサ11が設けられている。また、貯留部4の底部には霧化槽6の内部を照明してミスト発生状況を演出するための照明12(色の異なる照明12A,12B)が設けられている。
なお、本例における液検知手法については、上記の静電容量の変化を検知する手法に限らず、例えば液面(高さ)検知のフロートスイッチ、液面低下による出力電圧の変動を検知して振動子のオン・オフ制御するリミッタ回路、液体の有無を検知する超音波センサでもよいが、静電容量の変化を検知する手法であれば、最も誤動作が少なく、また、しきい値設定により適正なフィトンチッド溶剤であるか否かまで判別することもできるというメリットがある。
本例ではタンク3と霧化槽6を水平方向に並べて見る本体2の側面部位には、操作部13及び表示部14が設けられている。操作部13には、運転スイッチ13a、タイマ運転及びエコ運転を切り替える運転切替スイッチ13b、照明12のオン・オフ及び色を切り替える照明切替スイッチ13c、ミストの発生量を切り替えるミスト量切替スイッチ13dが設けられている。
表示部14には、運転表示14a、給液表示14b、3時間タイマ表示14c、エコ運転表示14d、ミスト量の、弱運転表示14e、中運転表示14f、強運転表示14g、が設けられている。
制御部10は、図6の回路ブロック図に示すように構成されている。電源は電源接続部20を介して、V1及びV2が供給される。マイクロコンピュー34には、液検知センサ11が接続された液検知回路35及び液検知センサのオン・オフ信号回路36、ミスト発生量切替スイッチ13dを構成する霧化量電圧設定回路37(弱設定VR38、中設定VR39、強設定VR40)が接続されている。
さらに、マイクロコンピュータ34には、発振部5の発振電圧供給回路41、送風ファンの運転回路42、発振部5の振動子駆動電圧信号線43及び運転回路44が接続されている。
運転回路44は、トランジスタQ1、チョークコイル45、ダイオード46、抵抗47、コンデンサ48、フィードバック信号線49、オペアンプ50、により構成されており、オペアンプ50に振動子駆動電圧信号線43とフィードバック信号線49とが接続されている。マイクロコンピュータ34と運転回路44とは、霧化設定電圧測定端子(−)51、霧化電圧設定測定端子(+)52を介して接続されている。
すなわち、本例では、振動子駆動電圧信号線43を、オペアンプ50の+入力に接続し、トランジスタQ1のエミッタに接続されたチョークコイル45のエミッタとグランド間の電圧をオペアンプ50の−入力に接続して、チョークコイル45のエミッタとグランド間の電圧が一定になるようにフィードバックさせている。
さらに、マイクロコンピュータ34には、照明12Aの運転信号線53、照明12Bの運転信号線54がそれぞれ接続されている。
また、マイクロコンピュータ34と、上述の液検知回路35とは液検知回路信号線55により、上述の液検知センサのオン・オフ信号回路36とは液検知回路のチェック信号線56により、接続されている。
さらに、マイクロコンピュータ34と、霧化量電圧設定回路37の、弱設定VR38とは弱設定信号線57により、中設定VR39とは中設定信号線58により、強設定VR40とは強設定信号線59により、各々接続されている。
また、マイクロコンピュータ34と、発振電圧供給回路41及び送風ファンの運転回路42並びに送風ファン7とは送風ファンの運転信号線60により接続されている。
その他、操作部13の、運転スイッチ13a、運転切替スイッチ13b、照明切替スイッチ13c、ミスト発生量切替スイッチ13d、及び、表示部14の、運転表示14a、給液表示14b、3時間タイマ表示14c、エコ運転表示14d、弱運転表示14e、中運転表示14f、強運転表示14g、は、それぞれ信号線61〜72によりマイクロコンピュータ34と接続されている。
上記構成において、マイクロコンピュータ34のROM(リード・オンリー・メモリ)には正常性確認部Pが蓄積されている。正常性確認部Pは、マイクロコンピュータ34における制御プログラムである。すなわち、本例の霧化溶剤吐出装置1には、正常性確認部Pにより機器全体を動作する制御部10を備えていることとなる。以下、霧化溶剤吐出装置1における全体動作について図7を参照して説明する。
制御部10の電源接続部20に電源が接続され、AC100Vが印可されると、上記各電子素子及び電気回路が動作を開始する準備がなされ、マイクロコンピュータ34は、全体制御用のプログラムを実行する。
このとき、マイクロコンピュータ34は、霧化溶剤吐出装置1に上記のように電源接続がなされた際に、最初に、正常性確認部Pが実行される。正常性確認部Pは、図7に示す手順で正常性を確認する。
マイクロコンピュータ34は、霧化溶剤吐出装置1が電源接続され、マイクロコンピュータ34における正常性確認部Pが実行されると(#1でYes)、マイクロコンピュータ34は、操作部13の各操作スイッチのショート(短絡)故障が無いかを確認する(#2)。
#2で、操作部13の各操作スイッチのいずれかに異常があれば(#2でYes)、マイクロコンピュータ34は正常性確認部Pにしたがって照明12Aを点滅させ(#3)、処理は#2へ戻る。このようにしておけば、操作部13の部位において短絡故障により作動しないことが把握できる。
#3の後、この状態を放置している場合は#2から#3をループして照明12Aが点滅し続け、このとき、何らかの要因で一時的なものであって正常に戻った場合、あるいは操作部13の異常が無い場合(#2でNo)は、処理は#4へ進む。
#4では、貯留部4に溶剤が有るかを液検知センサ11からの信号に基づいて確認する。溶剤が無い場合(#4でNo)、マイクロコンピュータ34は、正常性確認部Pにしたがって給液表示14bを点滅させる(#5)。
#4において、本例は、例えば液検知センサ11による液有り又は液無しの判断に関しては、発振部5(振動子)と液検知センサ11間の静電容量が3.6pF以下となった場合は液無しと、静電容量が3.6pFより高く34.6pF以下となった場合は液無しではないが少ないと、静電容量が252pF以上の場合は液有りと、各々判断する。
マイクロコンピュータ34は、液検知回路35に対してオン信号を送り、液検知センサ11と液検知回路35と通電し、液検知センサ11が液有りの信号を返すと、液検知回路信号線55はLowとなり、液有りと判断する(#4でYes)。一方、液検知センサ11が液無しの信号を返すと、液検知回路信号線55はHiとなり、マイクロコンピュータ34は液無しと判断し、給液表示14bを点滅させる(#4でNo)。
ちなみに、給液表示14bが点滅した(#5)後、すなわちマイクロコンピュータ34が液無しと判断しているとき、処理は#2に戻って#5までループし、溶剤の入ったタンク3をセットし、タンク3から溶剤が貯留部4に送られて所定量を満たす(静電容量が少なくとも3.6pFより高くなる)まで給液表示14bを点滅させ、液検知センサ11が液有りと判断したとき(#4でYes)、給液表示14bを消灯させる。
次に、マイクロコンピュータ34は、正常性確認部Pにしたがって液検知センサ11及び液検知回路35の正常性の確認を行う。#6に処理が進む場合は、#4で液有りを判断している場合であるが、#6では、マイクロコンピュータ34は、液検知センサのオン・オフ信号回路36からオフ信号を出力実行して、液検知センサ11と液検知回路35とを電気的に切り離し、疑似的に液無しが判断される状況とする。
マイクロコンピュータ34は、#6で液検知センサのオン・オフ信号回路36からオフ信号を出力し、液検知回路35は液検知回路信号線55がHiとなることを確認する。このとき、#4で液有りの際に液検知回路信号線55がLowとなり、#6において液検知回路信号線55がHiとなれば、正常と判断し(#7でYes)、処理は#11へ進む。
一方、#7で、液無し状態を検知できない、すなわち液検知回路信号線55がHiとならない場合は、確認すべく、マイクロコンピュータ34は、液検知センサのオン・オフ信号回路36からオフ信号を出力実行し(#8)、#6〜#9を5回繰り返したか否かを確認し(#9)、5回に満たない場合(#9でNo)は、#6へ戻って#9まで繰り返し、5回確認した(#9でYes)後、液検知センサ11・液検知回路35いずれか又は両方の故障として、照明12A、照明12Bを点滅させる(#10)。
マイクロコンピュータ34は、#10で照明12A、照明12Bが点滅している間、処理は#2まで戻り、#10までの処理を繰り返し、照明12A、照明12Bを点滅させ続ける。このように、液検知センサ11を含めて液検知回路35についての正常性を複数回確認することで、故障や誤動作又は正常であることの判断の信頼性が向上し、故障や誤判定を抑制することができる。
一方、上記#7で、マイクロコンピュータ34は、正常性確認部Pにより液検知センサ11及び液検知回路35が正常であることを確認すると(#7でYes)、該正常性確認部Pにより液検知センサのオン・オフ信号回路36からオン信号を出力し、常時監視状態としつつ(#11)、処理は#12へ進む。なお、該正常性確認部Pにより液検知センサのオン・オフ信号回路36からオフ信号を出力するのは、#6における故障のチェックのときだけである。
こうして各部のチェックを済ませて運転スイッチ13aが押されるまで待機状態となり(#12でNo)、運転スイッチ13aが押されると(#12でYes)、この場合、溶剤有無(液検知)の正常である状況なので、マイクロコンピュータ34は、正常性確認部Pにしたがい、運転表示14aと照明12Aを点灯させる。
続いて、マイクロコンピュータ34は、正常性確認部Pにしたがい、霧化電圧中設定信号線58、発振電圧供給回路41及び送風ファンの運転回路42から送風ファンの運転信号線60を介して信号が出力され、霧化電圧中設定信号線58からは霧化量電圧設定回路37の中設定VR39で設定された電圧が、発振電圧供給回路41を経て、振動子駆動電圧信号線43からオペアンプ50の+入力に印可される。
オペアンプ50の+入力に印可された霧化量電圧設定回路37の中設定VR39の電圧により、運転回路44のトランジスタQ1を例えば約2.5MHzで振動、すなわち発振部5を振動させ、同時にマイクロコンピュータ34は、中運転表示14fを点灯させる(#13)。
タンク3から供給されて貯留部4で貯留された溶剤は、上記発振部5の発振(振動)により霧化され、霧化槽6に充満する。一方、発振電圧供給回路41及び送風ファンの運転回路42から運転信号線60を介して信号が出力されているので、上記発振部5の発振と共に、送風ファン7が駆動され、取り込まれた外気が、カバー6Aの送風路6aにより空気流入口6Acを介して該カバー6A内に送られる。
カバー6A内に送られた外気は、該カバー6A内で充満するミストと共に、順次、ミスト排出孔6Aeから送出され、ミスト送風路6bに送られる外気と合流して吹き出しキャップ6Bから排出される。
なお、#13において、霧化溶剤吐出装置1は、運転スイッチ13aが操作された以降、一定時間経過するまでは、後述の操作部13の各操作スイッチにしたがって作動し、操作部13の操作スイッチに応じた表示部14の表示がなされる。
例えば、運転開始時の霧化量は上記のとおり、中設定とされているが、好みにより、例えばミスト発生量切替スイッチ13aを操作して強設定にすると、マイクロコンピュータ34は、強設定信号線59より霧化量電圧設定回路37へ信号が出力され、強設定VR40で設定された電圧が、発振電圧供給回路41を経て、振動子駆動電圧信号線43からオペアンプ50の+に入力されて、運転回路44により発振部5が当該設定に応じて振動して中設定より多くのミストが発生する。
同様に、ミスト発生量切替スイッチ13aを操作すると、一回押す毎に、順に中→強→弱→中…のように切り替えられ、このとき、表示部14の表示も中運転表示14f→強運転表示14g→弱運転表示14e→中運転表示14f…の順に操作に対応して表示も切り替わって点灯、消灯する。
また、運転中、運転回路44において、トランジスタQ1は、動作継続に伴いトランジスタQ1自身の温度が上昇して電流増幅率(hfe)が上昇し、かつトランジスタQ1の温度上昇に伴ってチョークコイル45の電流も増加する。この結果、オペアンプ50の入力電圧が一定であっても発振部5の振幅が増大して、図8の破線で示すように、チョークコイル45に発生している電圧量がしだいに増加し、霧化量の設定は一定ながら霧化量が増加する。
そこで、本例では、チョークコイル45に発生した電圧をダイオード46、抵抗47、コンデンサ48を介してオペアンプ50の−入力にフィードバックさせ、チョークコイル45の電圧が振動子駆動電圧信号線43から供給される電圧とほぼ同じとなるように制御するようにしている。こうすることで、図8の実線に示すように時間が経過してもほぼ一定となり、霧化量が増加変動することを抑制することができる。
運転を継続すると、例えば本例では30分継続すると、マイクロコンピュータ34は、正常性確認部Pにしたがって、運転を一定時間(30分)継続したか否かを判断し(#14)、一定時間継続した場合(#14でYes)、送風ファンの運転信号線60を介して発振電圧供給回路41と送風ファンの運転回路42の動作を停止させ、発振部5と送風ファン7を停止させ(#15)、処理は溶剤の有無の検知(#4)へ戻る。
#15から#4へ戻って液検知と共に、液検知センサ11及び液検知回路35の誤動作確認、すなわち正常性の確認を一定時間毎に繰り返すことで、溶剤の有無だけでなく、液検知センサ11及び液検知回路35の誤動作や異常を確認でき、異常や誤動作があれば、そのまま使用が続けられることなく、報知されるので、空焚きに起因する大きなトラブルになることを防止することができる。
なお、運転スイッチ13aが操作され、その後、#14〜#4の処理を繰り返す間、#14の処理の度に、運転スイッチ13bが操作されて運転が停止されたか否かを判断するようにしており(#16)、運転が停止された場合(#16でYes)、運転を停止し(#17)、処理は#2へ戻る。
運転切替スイッチ13bが操作されなければ(#17でNo)、後述、タイマ設定時間が経過したか否かを判断し(#18)、タイマ設定時間が経過した場合(#18でYes)、運転を停止し(#19)、処理は#2へ戻る。一方、タイマ設定時間が経過していない場合(#18でNo)、処理は#20へ進む。ただし、タイマ時間が設定されていなくても、本例では、運転が8時間継続すると(#18でYes)、運転は停止される。
運転スイッチ13bが操作された後、運転切替スイッチ13bが操作されなければ、上記のとおり8時間継続すると運転が停止されるが、運転切替スイッチ13bが操作されると本例では3時間タイマが作動する。このとき、表示部14の3時間タイマ表示14cが点灯する。タイマ設定時間が経過すると(#18でYes)、運転が停止されると共に、3時間タイマ表示14cが消灯する。
#14,#16,#18でいずれもNoの場合は、処理は#20に進み、#4と同様の処理である液有り又は液無しを検知するようにしている。#20で液有りの場合(#20でYes)、処理は#14に戻り、#14,#16,#18,#20を繰り返す。つまり、#14〜#20を繰り返すことで一定時間毎に常時液量を確認していることになる。
一方、#20で液無しの場合(#20でNo)、給液表示14bを点滅させて(#21)、運転を停止し(#22)、処理は#2へ戻り、待機状態となる。
運転停止時は、全ての表示が消灯するが、電源が接続された状態で溶剤が不足しているなど各部に異常がある場合は、給液表示14bなどその異常部位に対応する表示が点滅する(#3,#5,#10,#21)。
また、運転切替スイッチ13bは、運転初期の無操作状態(8時間タイマ)から順に一回押す毎に3時間タイマ→エコモード運転→8時間タイマ…の順に切り替えることができる。エコモード運転は、通常運転を5分行い、次の5分は停止、すなわち発振部5と送風ファン7を停止させ、これを繰り返すというものである。エコモード運転時は、表示部14のエコ運転表示14dが点灯する。
なお、運転が切り替えられても、溶剤が無いことが検知された場合(#20でNo)や、液検知回路35及び液検知センサ11に異常が生じた場合、運転を停止し、異常部位の表示部14の点滅させる。
ちなみに、操作部13の照明切替スイッチ13cは、まず運転初期(照明切替スイッチ13cを無操作)には照明12Aが点灯し、一回操作すると、照明12Aが消灯して照明12Bが点灯し、もう一回操作すると、照明12Bが消灯して照明12Aと共に全消灯する。これにより、霧化槽6におけるミストと照明による演出効果が期待できる。
本発明は、フィトンチッド溶剤を霧化吐出する装置に限らず、小径端部を有したタンク(ボトル)から、このタンクの小径端部を下方に向けて本体に装着して溶剤を流出させる装置、例えば芳香装置や加湿器等に用いて有用である。
1 霧化溶剤吐出装置
2 本体
2d 流出孔
2e 斜面
2C 挿入部
2D 弁押軸
2E 導出部
2Ea 斜面
2Eb 水平部
3 タンク
3a 供給孔
3b ばね
3c 弁体
4 貯留部
5 発振部
6 霧化槽
7 送風ファン
10 制御部
11 液検知センサ
12 照明
13 操作部
14 表示部
34 マイクロコンピュータ
35 液検知回路
P 正常性確認部

Claims (4)

  1. 溶剤を収納したタンクと、このタンクから供給される溶剤を貯留する貯留部と、この貯留部に設けられ、該貯留部に貯留した溶剤を超音波発振により霧化する発振部と、この発振部で霧化された溶剤を内部で浮遊させて所定粒径の霧化溶剤を排出口から流出させる霧化槽と、この霧化槽の排出口から流出した所定粒径の霧化溶剤を外部に送り出す送出部と、全体を制御する制御部と、を備えた霧化溶剤吐出装置において、前記タンクは、上下一方の端部が他方に対して小径とされると共に小径端部に供給孔が形成され、かつ該小径端部の内部に該供給孔に向けて付勢する付勢部材とこの付勢部材の該供給孔側の端部に設けた弁体とを有し、一方、本体の前記タンクを装着する部位は、該タンクの小径端部が挿入される有底無天状の挿入部と、この挿入部の内周壁の一部に貯留部へ溶剤を送るための流出孔と、が形成され、さらに、前記挿入部の底部中央に、前記供給孔に挿入されて前記弁体を前記付勢部材の付勢力に抗して前記タンク内へ押し込んで開状態とする弁押軸と、該供給孔の内周縁部に部分的に接触する導出部と、が設けられていることを特徴とする霧化溶剤吐出装置。
  2. 挿入部の底部に、流出孔の付近を低位とする斜面が形成されていることを特徴とする請求項1記載の霧化溶剤吐出装置。
  3. 弁押軸は、軸断面が十字状とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の霧化溶剤吐出装置。
  4. 導出部は、流出孔側を下方とする斜面が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の霧化溶剤吐出装置。
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