JP2016033627A - 光伝送路及び光通信システム - Google Patents

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宮本  裕
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Abstract

【課題】コア間のクロストークの抑制と、モード間群遅延時間差(DMD)の抑制とを同時に実現可能とする光伝送路を提供する。【解決手段】複数のコアを有する光ファイバを備え、複数のコアは、複数の伝搬モードを伝搬するように設定された6個のコアを含み、6個のコアは光ファイバの断面視で6回の回転対称になる位置に配され、且つ、2種類以上の異なる屈折率分布を有するコアからなり、光ファイバに設けられた接続点において、光ファイバの断片101の断面における6個のコア201〜206の配置は、光ファイバの断片102の断面における6個のコア301〜306の配置を前記光ファイバの軸線Aを中心として、相対的に60?回転させたものであり、接続点において、断片101の6個のコア201〜206のうちの少なくとも1つのコアのDMDが、前記1つのコアが接続される断片102のコアのDMDと逆符号である。【選択図】図2

Description

本発明は、空間分割多重化方式による光伝送路及び光通信システムに関し、さらに詳しくは、複数のコアを有し、且つ各々のコアが複数の伝搬モードを伝搬可能に設定された光伝送路において、コア間のクロストーク及び伝搬モード間の群遅延時間差を低減した光伝送路及びこの光伝送路を用いた光通信システムに関する。
近年の光ファイバ通信の普及に伴うブロードバンドサービスの急速な発展と共に、通信容量は年々増え続けている。従来、通信容量の急増に対応する光通信システムの大容量化は、伝送路を構成する光ファイバの構造を変えずに、光通信システムを構成する光ファイバ以外の装置の大容量化を行うことで実現されてきた。このような大容量光通信システムの光ファイバは概ね、光信号の通路となる1個のコアを有している。光ファイバ以外の装置の大容量化等により、既に1Tb/sの容量の光信号を長距離に渡って伝送可能な光通信システムが実用化されている。ところが、通信容量の需要はますます増大し、光通信システムのさらなる大容量化が求められていた。
光通信システムのさらなる大容量化に向けて、例えば1本の光ファイバに複数の単一モードのコアを設けたマルチコア光ファイバ等を含む、新しい空間的な構造を有する光ファイバを用いた空間分割多重化方式による光通信技術が検討されている。コアを複数化することで、1本の光ファイバで伝送できる容量はコアの数分だけ増大する。このような空間分割多重化方式による光通信の実現には、コア間のクロストークの低減が必要である。
コア間のクロストークを低減可能な光伝送路として、例えば断面内に多数のコアが所定の間隔をあけて配設された光ファイバからなる光伝送路が知られている。例えば非特許文献1には、19個の単一モードのコアを有するマルチコア光ファイバを用いることで305Tb/s(伝送距離:10km)の伝送容量を実現する光通信システムが開示されている。また、例えば非特許文献2には、12個の単一モードのコアを有するマルチコア光ファイバを用いることで、1Pb/s(伝送距離:50km)の伝送容量を実現する光通信システムが開示されている。
光通信システムの大容量化を実現する別の手法として、1個のコアにおいて複数の伝搬モードを伝送可能に設定されたモード分割多重化方式による光通信技術が注目されている。複数の伝搬モードを用いることで、1本の光ファイバで伝送できる容量はモードの数分だけ増大する。このようなモード分割多重化方式による光通信では、複数の伝搬モードを伝搬可能に設定されたマルチモード光ファイバが使用される。このマルチモード光ファイバには、制御が容易な低次且つ少数の伝搬モードのみを選択的に伝搬する数モード光ファイバやフューモード光ファイバが含まれる。このように、複数の伝搬モードを利用した光通信では、伝搬モード毎にマルチモード光ファイバ内を伝搬する速度が異なるため、伝搬モード間で群遅延時間差が生じる。伝搬モード間の群遅延時間差(DMD:differential mode delay)(以下、DMDと記載する場合がある)が大きくなる程、受信信号の復調時に大規模な信号処理が必要になるため、光伝送路におけるDMDの低減が重要である。
上記に対し、例えば非特許文献3には、LP01とLP11(LP11aとLP11bに縮退)の3つのモードを伝搬可能であり、且つ断面中央部が低屈折率とされた屈折率分布を有するクラッド構造(以下、くぼみクラッド構造という)を備えた全長10kmの3モード光ファイバを用いた光伝送路及びこの光伝送路を用いた光通信システムが開示されている。
また、例えば非特許文献4には、グレーデッドインデックス型の屈折率分布を有する3モード光ファイバを用いることでDMDを低減し、伝送距離を50kmとした光伝送路及び光通信システムが開示されている。
さらに、例えば非特許文献5には、LP01、LP11(LP11aとLP11bに縮退)、LP21(LP21aとLP21bに縮退)、LP02の6つの伝搬モードを利用した光伝送路が開示されている。この光伝送路では、光ファイバのコアの屈折率分布をDMDが小さいグレーデッドインデックス型の屈折率分布とし、DMDの異なる4種類の光ファイバを相互に接続することで構成された全長59kmの光伝送路のDMDが低減されている。
その他に、例えば非特許文献6には、コアが空孔とされているフォトニックバンドギャップ光ファイバによって、前記6つの伝搬モードの伝送が可能であることが開示されている。
光伝送路におけるDMDを低減する別の手法として、例えば非特許文献7には、波長分散の補償を行う場合と同様の手法を用い、正のDMDを有する所定の長さの光ファイバと、負のDMDを有する所定の長さの光ファイバとを接続し、伝送路の終端で正負のDMDが打ち消し合うようにしてDMDの補償を行う技術が開示されている。正と負のDMDの値はそれぞれ、コアの屈折率分布を段階的に変化させたマルチステップインデックス型の屈折率分布の屈折率を調整することで制御される。また、非特許文献7には、正と負のDMDの傾斜を有する2種類の光ファイバ同士を接続することで、DMDの傾斜が補償されることが示されている。
さらに、例えば非特許文献8には、LP01、LP11(LP11aとLP11bに縮退)、LP21(LP21aとLP21bに縮退)、LP02の6つの伝搬モードに対応し、DMDの符号の異なる2種類のマルチモード光ファイバ(ファイバAとファイバC)同士を接続することで、DMDの絶対値の最大値を低減できることが開示されている。
上述のように、複数のコアを有する光ファイバ、もしくは複数の伝搬モードを利用した光伝送では、光ファイバのコアの数、もしくは伝搬モードの数を増やすことで空間多重数が増え、伝送容量が増加する。しかしながら、光ファイバのコアの複数化及び各コア内で伝搬可能なモードの複数化によって拡大可能な伝送容量には、ある程度限度があった。
そこで、マルチコアとマルチモードを併用し、1本の光ファイバのコア数及び各コア内を伝搬可能なモード数を増やすことで、伝送容量を飛躍的に拡大する技術が提案されている。例えば非特許文献9には、複数のコアを有し、各々のコアが複数の伝搬モードを伝送可能に設計されたマルチコア・マルチモード光ファイバと、これを用いた高密度空間分割多重化方式による光通信技術について開示されている。このように複数のコアと各コア内を伝搬する複数のモードとを組み合わせると、光伝送における空間多重数はコア数×伝搬モード数となり、伝送容量が飛躍的に増大する。例えば、12個のコアを有し、各々のコアが3つのモードを伝搬可能に設計された光ファイバを用いた光伝送の空間多重数は36となり、伝送容量が従来の2〜3倍に拡大される。
このように複数のコアと各コア内を伝搬する複数の伝搬モードとを併用した光伝送では、光通信システムの光伝送路のコア間のクロストークを抑制することで伝送時の品質を保持しつつ、DMDを抑制することで伝送距離を確保する必要がある。
先ず、コア間のクロストークについては、光ファイバの屈折率分布をコアの周囲に低屈折率領域を設けたトレンチ構造にすることで低減される。例えば非特許文献10には、トレンチ構造の採用により、コア間のクロストークが伝送距離100kmあたり−30dB以下に抑えられることが開示されている。また、例えば非特許文献11には、コアの周囲にフォトニック結晶型の構造を設けることで、コア間のクロストークが低減されることが開示されている。
コア間のクロストークは、伝搬定数の異なる2種類のコアを互いに隣接するように配設することでも低減される。これは、伝搬定数の異なるコア同士で、コア間のモード結合が抑制されるためである。例えば非特許文献12には、単一モードではあるが、伝搬定数の異なる2種類のコアを、断面視において六方格子構造や正方格子構造(例えば、非特許文献12の図3等を参照)を形成するように複数配設した光ファイバが開示されている。
次に、伝搬モード間の群遅延時間差については、コアの屈折率分布を段階的に変化させたマルチステップインデックス型の屈折率分布(例えば、非特許文献7を参照)や、コアの屈折率分布を連続的に変化させたグレーデッドインデックス型の屈折率分布(例えば、非特許文献8を参照)を採用することで低減される。これらの屈折率分布を採用した光ファイバのコアは、複数のLPモードを伝搬するマルチモードのコアである。そして、複数のLPモードは、モード間で結合しながら各々のコア内を伝搬する。その一方、コア間では伝搬するモード間で結合が生じないように、コアの屈折率分布が設計されている。
上記したマルチステップインデックス型あるいはグレーデッドインデックス型の屈折率分布を採用した光ファイバのコアとは異なるコアにおける光伝搬の形態として、例えば非特許文献13には、互いに強く結合した3つのコアセグメントからなるコアグループを1つの光伝送路とみなし、3つのコアグループを光ファイバに配設した光伝送路が開示されている。この光伝送路では、光が各コアグループを構成する3つのコアセグメント間で強く結合しながら、複数の伝搬モードでコアグループ内を伝搬していくが、コアグループ間では光が結合しないように設定されているので、結果として光伝送路におけるコア間のクロストークが抑制されている。
J.Sakaguchi et al.,OFC/NFOEC 2012,PDP5C.1. H.Takara et al.,ECOC2012,Th.3.C.1. R.Ryf etal.,OFC/NFOEC 2011,PDPB10. E.Ip et al.,OFC/NFOEC 2013,PDP5A.2. R.Ryf et al.,OFC/NFOEC 2013,PDP5A.1. Y.Jung et al.,OFC/NFOEC 2013,PDP5A.3. T.Sakamoto et al.,IEEE/OSA Journal of Lightwave Technology, Vol. 30, No. 17, pp. 2783−2787, Sept.2012. T.Mori et al.,OFC/NFOEC 2013,OTh3K.1. T.Mizuno et al.,OFC/NFOEC 2014,Th5B.2. Y.Sasaki et al.,ECOC 2013,Mo.3.A.5. C.Xia et al., IEEE Photonics Technology Letters, Vol.24,No.21,pp.1914−1917,Nov.2012. M.Koshiba et al.,IEICE Electronics Express,Vol.6,No.2,pp.98−103,Jan.2009. R.Ryf et al.,OFC 2014,Tu2J.4.
上述のように、複数のコア(マルチコア)と各コア内を伝搬する複数の伝搬モード(マルチモード)とを併用した光伝送では、コア数と伝搬モード数を増やして伝送容量を拡大しつつ、光通信システムの光伝送路のコア間のクロストークとDMDを共に抑制する必要がある。
例えば、非特許文献8に開示された光伝送路のように、光ファイバのコアの屈折率分布をグレーデッドインデックス型にすることで、DMDを平均的にほぼ零に抑制すること可能であることが知られているが、その手法は単一モードのコアを有するフューモードファイバに適用されており、平均的にDMDが零となるコアを有するマルチコア・マルチモード光ファイバの作製は容易ではない。将来的にグレーデッドインデックス型の屈折率分布を採用したマルチコア・マルチモード光ファイバの生産技術が確立された場合でも、製造時のパラメータ誤差や偏差(以下、製造誤差という)が生じることは避け難く、全てのコアでDMDを平均的に零にすることは極めて難しいと考えられる。
一方、例えば非特許文献12に開示された光伝送路のように、屈折率分布の異なるコア同士を近接させて配置することで、コア間のクロストークを抑制すること可能であることが知られている。しかしながら、光伝送の飛躍的な大容量化と高品質伝送及び長距離伝送とを同時に実現するために、コア間のクロストークに加えてDMDを抑制し、且つ高密度なマルチコア・マルチモード光ファイバを作製するには、平均的にDMDが零になる屈折率分布を複数設計する必要があり、制御可能な光ファイバの主要なパラメータである比屈折率差やコア径を操作しても、平均的にDMDが零になる屈折率分布を複数設計することは極めて難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複数のコアを有し、且つ各々のコアが複数のモードを伝搬可能に設定された光伝送路であって、マルチコアとマルチモードとの併用による飛躍的な大容量化と、コア間のクロストークの抑制による高品質伝送と、伝搬モード間の群遅延時間差の抑制による長距離伝送とを同時に実現可能であり、量産に適した光伝送路及びこのような光伝送路を用いた光通信システムを提供することを課題とする。
本発明の光伝送路は、複数のコアを有する光ファイバを備え、前記複数のコアは、複数の伝搬モードを伝搬するように設定されたN個(Nは2以上の整数)のコアを含み、前記N個のコアは前記光ファイバの断面視でn回(nは2以上の整数)の回転対称になる位置に配され、且つ、2種類以上の異なる屈折率分布を有するコアからなり、前記光ファイバには少なくとも1箇所の接続点が設けられ、前記接続点において、前記光ファイバの一方の断片の断面における前記N個のコアの配置は、前記光ファイバの他方の断片の断面における前記N個のコアの配置を前記光ファイバの軸線を中心として、相対的にk・(360/m)°(mは1以外のnの約数、kは1≦k<mの整数)回転させたものであり、前記接続点のうちの少なくとも1箇所において、前記一方の断片のN個のコアのうちの少なくとも1つのコアの伝搬モード間の群遅延時間差が、前記1つのコアが接続される前記他方の断片のコアの伝搬モード間の群遅延時間差と逆符号であることを特徴とする。
また、本発明の光伝送路では、前記接続点は、前記光ファイバの長手方向において、前記一方の断片のN個のコアと前記他方の断片のN個のコアとの組み合わせのうち、伝搬モード間の群遅延時間差の絶対値が最大となるコアの組み合わせの伝搬モード間の群遅延時間差が極小値をとる位置に設定されていることを特徴とする。
また、本発明の光伝送路では、前記Nは偶数であり、前記N個のコアは2種類の屈折率分布を有するコアからなり、前記一方の断片のN個のコアのうち、前記2種類の屈折率分布のうち一方の種類の屈折率分布を有するN/2個のコアの単位長さあたりの伝搬モード間の群遅延時間差をa(1≦i≦Nであって、iはN/2個の整数)とし、前記2種類の屈折率分布のうち他方の種類の屈折率分布を有するN/2個のコアの単位長さあたりの伝搬モード間の群遅延時間差をa(1≦j≦Nであって、jはi以外の整数)とし、
前記他方の断片のN個のコアのうち、伝搬モード間の群遅延時間差aを有するコアに接続されるコアの単位長さあたりの伝搬モード間の群遅延時間差をbとし、伝搬モード間の群遅延時間差aを有するコアに接続されるコアの単位長さあたりの伝搬モード間の群遅延時間差をbとし、前記一方の断片の長さをx、前記他方の断片の長さをx、前記光ファイバの全長をL=x+xとし、下記の(1)式及び(2)式で求められるN/2個のDの絶対値と、N/2個のDの絶対値のうちの最大値が最小になるようにxが設定されていることを特徴とする。
Figure 2016033627
また、本発明の光伝送路では、前記mは偶数であり、前記kはm/2であり、前記接続点における前記一方の断片と、前記他方の断片が同一種類の光ファイバで構成され、前記一方の断片の長さと、前記他方の断片の長さが等しいことを特徴とする。
また、本発明の光伝送路では、前記N個のコアは第1〜第3の屈折率分布を有する3種類のコアからなり、前記第1の屈折率分布は正の伝搬モード間の群遅延時間差であり、前記第2の屈折率分布は平均的に零の伝搬モード間の群遅延時間差であり、前記第3の屈折率分布は負の伝搬モード間の群遅延時間差であり、前記接続点において、前記一方の断片のN個のコアのうちの前記第1の屈折率分布を有するコアは前記他方の断片の前記第3の屈折率分布を有するコアに接続され、前記一方の断片のN個のコアのうちの前記第2の屈折率分布を有するコアは前記他方の断片の前記第2の屈折率分布を有するコアに接続され、前記一方の断片のN個のコアのうちの前記第3の屈折率分布を有するコアは前記他方の断片の前記第1の屈折率分布を有するコアに接続されていることを特徴とする。
また、本発明の光伝送路では、前記N個のコアを有する光ファイバを前記接続点で切断し、前記他方の断片の断面を、前記一方の断片の断面に対し、前記軸線を中心にしてk・(360/m)°回転させ、前記一方の断片と回転させた前記他方の断片とを接続することで構成されていることを特徴とする。
また、本発明の光伝送路では、S本(Sは3以上の整数)の前記光ファイバを直列に接続して構成されている光伝送路であって、S−1箇所の接続点のそれぞれにおいて、一方の前記光ファイバのコアの配置に対し、他方の前記光ファイバのコアの配置がks・(360/m)°(sは1≦s≦Sの整数)回転した状態で前記一方の光ファイバと前記他方の光ファイバとが接続され、前記一方の光ファイバのコアの伝搬モード間の群遅延時間差と、該コアに接続される前記他方の光ファイバのコアの伝搬モード間の群遅延時間差とが異なることを特徴とする。
本発明の光通信システムは、前記光伝送路のうちの少なくとも何れか1つを伝送路に含むことを特徴とする。
本発明によれば、複数のコアを有し、且つ各々のコアが複数のモードを伝搬可能に設定された光伝送路であって、マルチコアとマルチモードとの併用による飛躍的な大容量化と、コア間のクロストーク及びモード間群遅延時間差の抑制とを同時に実現可能であり、量産に適した光伝送路及びこのような光伝送路を用いた光通信システムが提供される。また、マルチコアとマルチモードとの併用による飛躍的な大容量化がなされた光伝送路及び光通信システムにおいて、コア間のクロストークの抑制による高品質化と、モード間群遅延時間差の抑制による長距離化が実現される。
本発明の第1実施形態の光伝送路を示す概略図である。 本発明の第1実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを図1に示す位置P1で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は図1に示すD1方向から見た場合の光ファイバの一方の断片の断面図であり、(b)は図1に示すD2方向から見た場合の光ファイバの他方の断片の断面図である。 本発明の第1実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを図1に示す位置P2で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は図1に示すD1方向から見た場合の光ファイバの一方の断片の断面図であり、(b)は図1に示すD2方向から見た場合の光ファイバの他方の断片の断面図である。 本発明の第1実施形態の光ファイバの設定例における2種類のコア種A,Bの特性を説明するための図であって、(a)はコア種Aの屈折率分布を示す概略図であり、(b)はコア種Bの屈折率分布を示す概略図であり、(c)は伝送路長の変化に対するコア種A,BのDMDの変化を示すグラフである。 図4(a),(b)に示した屈折率分布で設計され、実際に製造されたコア種A,BのDMDの変化を示すグラフであって、(a)は光ファイバの一方の断片のコアのDMDに関し、(b)は他方の断片のコアのDMDに関するものである。 本発明の第1実施形態の光伝送路を構成する光ファイバにおける伝送路長の変化に対するDMDの絶対値の変化を示すグラフである。 本発明の第2実施形態の光伝送路の設定例を示す図であって、(a)は光ファイバの長手方向における2つの断片の接続点の相対位置に対する、6個のコアのDMDを示すグラフであり、(b)は2つの断片の接続点の相対位置を説明するための光ファイバの概略図である。 本発明の第2実施形態の光伝送路を構成する光ファイバにおける伝送路長の変化に対するDMDの絶対値の変化を示すグラフである。 本発明の第3実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 本発明の第3実施形態の光伝送路の設定例を示す図であって、(a)は光ファイバの長手方向における2つの断片の接続点の相対位置に対する、6個のコアのDMDを示すグラフであり、(b)は2つの断片の接続点の相対位置を説明するための光ファイバの概略図である。 10個の光ファイバのサンプルのDMDの絶対値の統計データを示す図であって、(1)異なる光ファイバからなる2つの断片を、軸線Aを中心として互いに60°回転させて接続し、接続点を中間位置とした場合(本発明の第1実施形態に相当)、(2)同一種類の光ファイバからなる2つの断片を、軸線Aを中心として互いに60°回転させて接続し、接続点を中間位置とした場合、(3)同一種類の光ファイバからなる2つの断片を、軸線Aを中心として互いに60°回転させて接続し、接続点を最適位置とした場合、(4)同一種類の光ファイバからなる断片を、軸線Aを中心として互いに180°回転させて接続し、接続点を中間位置とした場合(本発明の第3実施形態に相当)に関するものである。 本発明の第4実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 本発明の第4実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、k=3であり、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 本発明の第4実施形態の光ファイバに用いられている第1〜第3の屈折率分布を示す概略図であって、(a)は第1の屈折率分布を示す図であり、(b)は第2の屈折率分布を示す図であり、(c)は第3の屈折率分布を示す図である。 本発明の第4実施形態の光ファイバのコアの伝送路長に対するDMDを示すグラフであり、(a)は一方の断片のコアに関するものであり、(b)は他方の断片のコアに関するものである。 本発明の第4実施形態の光ファイバの特性を示す図であって、(a)は2つの断片の接続点の相対位置に対する、複数のコアの組み合わせ毎のDMDを示すグラフであり、(b)は複数の組のコアのうち、DMDの絶対値が最大のコアの、DMDの絶対値が最小になる特性を持つ、同一種類で同一の長さの2つの断片を用いた光ファイバの伝送路長に対するDMDの絶対値を示すグラフである。 本発明の第5実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 本発明の第5実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、k=3であり、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 本発明の第5実施形態の光ファイバに用いられている2つのコア種の屈折率分布について説明するための概略図であって、(a)はコア種Aの屈折率分布を示す図であり、(b)はコア種Bの屈折率分布を示す図であり、(c)はコア種Aのみの構成とした場合、コア種Bのみの構成とした場合、本実施形態でk=1とした場合、本実施形態でk=3とした場合のそれぞれの光ファイバの伝送路長に対するDMDの絶対値を示すグラフである。 本発明の第6実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 本発明の第7実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、k=1であり、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 本発明の第7実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、k=2であり、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 本発明の第8実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、k=1であり、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 本発明の第8実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、k=2であり、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 本発明の第8実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、N=6であり、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 本発明の第9実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 本発明の第10実施形態において光伝送路を構成し、m=4、k=1に設定された光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 図27に示した光ファイバの断面の一部を示す図であって、(a)は図27(a)に示すコアのうち、6種類の伝搬モードを伝搬するコアのみを図示したものであり、(b)は図27(a)に示すコアのうち、3種類の伝搬モードを伝搬するコアのみを図示したものである。 本発明の第11実施形態の光伝送路を構成する光ファイバを接続点で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点側から見た場合の一方の断片の断面図であり、(b)は接続点側から見た場合の他方の断片の断面図である。 本発明の第12実施形態の光伝送路を示す概略図である。 本発明の第13実施形態の光伝送路を示す概略図であって、(a)は複数のコアを有する1本の光ファイバを示す図であり、(b)は所定の長さの光伝送路を示す図である。 本発明の第14実施形態の光通信システムを示す概略図である。 本発明の第14実施形態の別の光通信システムを示す概略図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。各実施形態は、可能な限り組み合わせることができる。
なお、本明細書及び図面において、同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅、及び厚みの寸法及び比率等は実際のものと同一とは限らない。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態(以下、単に本実施形態という)における光伝送路1の概略図である。図2は、光伝送路1を構成する光ファイバ100を長手方向の位置P1で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は図1に示すD1方向から見た場合の光ファイバ100の光ファイバ断片(以降、単に断片という)101の断面図であり、(b)は図1に示すD2方向から見た場合の光ファイバ100の断片102の断面図である。
本実施形態の光伝送路1は、図1に示すように、複数のコア(図示略)を有する光ファイバ100から構成されている。これらのコアは、M種類の伝搬モードを伝搬するように設定されたN個のコアを含む。図1及び図2には、7個のコアを有する光ファイバ100と、7個のコアのうち、6個(即ち、N=6)のコアが3種類の伝搬モード(LP01、LP11a、LP11b)を伝搬可能するように設定された構成を例示している。
N個のコアは、断片101の被覆411で覆われたクラッド401、及び、断片102の被覆412で覆われたクラッド402において、断面視でn回の回転対称となる位置に配設されている。本実施形態では、6個のコア201〜206とコア301〜306がそれぞれ、図2(a),(b)に示すように、断片101,102のクラッド401,402において、断面視で6回(即ち、n=6)の回転対称となる位置に配設されている。このように、コアをn回の回転対称となるように配置するためには、n個以上のコアが必要であるため、N≧nであることが好ましい。図2(a)と図2(b)は鏡像対称になっており、光ファイバ100を位置P1で切断する前には、断片101のコア201〜206は、それぞれ断片102のコア301〜306に接続されていた。このような接続状態を明確にするために、図2(a),(b)にはマーカ281〜283,381〜383を図示している。即ち、光ファイバ100を位置P1で切断する前には、断片101,102が、マーカ281はマーカ381に、マーカ282はマーカ382に、マーカ283はマーカ383にそれぞれ連結するように接続されていた。
図2(a)に示す6個のコア201〜206は、コア種A又はコア種Bの2種類の異なる屈折率分布を有するコアからなり、コア201,203,205はコア種Aの屈折率分布を有し、コア202,204,206はコア種Bの屈折率分布を有している。図2(b)に示す6個のコア301〜306は、コア種A又はコア種Bの2種類の異なる屈折率分布を有するコアからなり、コア301,303,305はコア種Aの屈折率分布を有し、コア302,304,306はコア種Bの屈折率分布を有している。このように、6個のコア201〜206,301〜306にはそれぞれ、コア種A又はコア種Bの2種類の屈折率分布が用いられており、断片101,102の断面構造は厳密な6回の回転対称とはいえないが、種類に関係なくコアが設けられている位置でみれば、6回の回転対称となっている。
なお、本実施形態では、断片101,102の断面視において中心に配置されているコア251,351は、いわゆる単一モードのコアである。
図3は、光ファイバ100を長手方向の位置P2で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は図1に示すD1方向から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は図1に示すD2方向から見た場合の断片102の断面図である。図2(a)と図2(b)の関係とは異なり、図3(a)と図3(b)は、鏡像対称になっていない。従って、このような光ファイバ100の長手方向の位置P2を断片101と断片102との接続点141とする。
接続点141においては、断片101のコア201〜206は、それぞれ断片102のコア302、303、304、305、306、301に接続されていた。このような接続状態を明確にするために、図3(a),(b)にも、マーカ281〜283,381〜383を図示している。即ち、光ファイバ100を位置P2で切断する前には、断片101,102が、マーカ281はマーカ382に連結するように接続され、マーカ282とマーカ283はマーカ381とマーカ383とは連結していない状態とされていた。
即ち、光ファイバ100は、接続点141において、断片101(一方の断片)の断面におけるN個のコアの配置に対し、断片102(他方の断片)の断面におけるN個のコアの配置を、光ファイバ100の軸線Aを中心としてk×(360/m)°回転させた状態としたものである。このとき、mは1以外のnの約数であり、kは1≦k<mの整数である。本実施形態では、k=1及びm=6とすると、接続点141において、図3(a),(b)に示すように、断片102の断面(図3(b))における6個のコア301〜306の配置は、軸線Aを中心として断片101の断面(図3(a))における6個のコア201〜206の配置を1×(360/6)°=60°回転させたものと等しい。さらに、断片101の断面(図3(a))のコア201〜206と、これらのコアにそれぞれ接続される断片102の断面(図3(b))のコア302,303,304,305,306,301とは、コアの種類が異なるので、伝搬モード間の群遅延時間差(DMD)が異なっている。断片101の長さと断片102の長さは略同一とされている。このような接続点141を長手方向に1箇所以上含むことで、光ファイバ100のN個のコアにおけるDMDが、従来の光ファイバのコアのDMDに比べて低減される。
なお、本実施形態では、接続点141において、DMDの特性が軸線Aを中心として6回(n=6)の回転反対称になるように、N個(N=6)のコアが配置されていると見なすこともできる。即ち、Nが偶数であって、N個のコアの屈折率分布が2種類で構成され、一方のコア種が正のDMDを有し、他方のコア種が負のDMDを有する光ファイバ100において、断面視で6個のコアのDMDが軸線Aを中心として6回の回転反対称の配置になるように、6個のコアが配置されている。ここで、k=1、m=n=6とすると、軸線Aを中心として図3(a)の構成をk・(360/m)°=60°回転させると、回転の前後でDMDの符号(正負)が逆になり、n回の回転反対称になっている。そして、軸線Aを中心として図3(a)の構成をk・(720/m)°=120°回転させると、回転後のDMDの符号が回転前と同一となり、n/2回の回転対称にもなっている。
次に、本実施形態の光伝送路1の設定例を示す。
なお、以下の設定例では、6個のコア内を伝搬するLP01,LP11a,LP11bの3種類の伝搬モードのうち、LP11aモードとLP11bモードは縮退しているため、LP01モードとLP11モードとの間の群遅延時間の差をDMDとする。
本実施形態では、6個のコアの屈折率分布として、光ファイバ100の径方向に屈折率を段階的に変化させたマルチステップインデックス型の屈折率分布(例えば、非特許文献7を参照)を用いた。また、図3(a),(b)には図示していないが、コア201〜206,301〜306の径方向周囲にトレンチ構造(例えば、非特許文献10を参照)を設けた。なお、コア201〜206,301〜306の周辺に、非特許文献11に開示されているようなフォトニック結晶型の構造等の任意の構造を設けてもよい。
図4は、本設定例における光ファイバ100の2種類のコア種A,Bの特性を説明するための図であって、(a)はコア種Aの屈折率分布を示す概略図であり、(b)はコア種Bの屈折率分布を示す概略図であり、(c)は伝送路長の変化に対するコア種A,BのDMDの変化を示すグラフである。コア種Aは、図4(a)に示す屈折率分布において、Δa1=0.1%、Δa2=0.35%、Δa3=0.1%、γa1=4μm、γa2=8.9μm、γa3=18μmに設定したものである。コア種Bは、図4(b)に示す屈折率分布において、Δb1=0.13%、Δb2=0.32%、Δb3=0.1%、γb1=4μm、γb2=8.8μm、γb3=18μmに設定したものである。光ファイバ100のコア間隔は46μm、クラッド径は195μmに設定した。コア種AのDMDは、コア種BのDMDと逆符号になり、絶対値が概ね等しくなるように設定した。
上記設定により、光ファイバ100内を伝搬する光の中心波長1550nmにおけるコア種A及びコア種BのDMDの目標値をそれぞれ400ps/km、−400ps/kmとした。コア種A,BのDMDが設計通りであれば、同じ長さの断片101と断片102とを、図1に示すように接続することで、原理的に光ファイバ100の6個全てのコアのDMDは零となる。
しかしながら、実際の光ファイバの製造時には、製造誤差によってコア径やコアの屈折率が設計値からずれ、光ファイバ毎に、また各光ファイバのN個のコア毎にDMDのばらつきが生じる。
図5は、その一例を示すものであり、図4(a),(b)に示した屈折率分布で設計され、実際に製造されたコア種A,BのDMDの変化を示すグラフであって、(a)は断片101のコア201〜206のDMDに関し、(b)は断片102のコア301〜306のDMDに関するものである。なお、断片101と断片102とは異なる母材の光ファイバで製造されており、図5(a)と図5(b)に示すように、コア201〜206,301〜306毎のDMDのばらつきが異なっている。
図6は、図5(a),(b)に示す特性を持ち、且つ同一の長さの断片101,102で構成された本実施形態の光ファイバ100における伝送路長の変化に対するDMDの絶対値の変化を示すグラフである。断片101,102の長さは、伝送路長の半分であって、図6において、伝送路長50kmにおいては25kmであり、伝送路長100kmでは50kmである。比較のため、図6には、断片101のみの場合と、断片102のみの場合の伝送路長の変化に対するDMDの絶対値の変化も合わせて示している。図6に示すように、単位長さあたりのDMDの絶対値は、断片101のみの場合は520ps/km、断片102のみの場合は458ps/kmであるのに対し、本実施形態の光ファイバ100は62ps/kmである。従って、光ファイバ100の単位長さあたりのDMDの絶対値が断片101,102のみで構成される光ファイバの単位長さあたりのDMDの絶対値より一桁小さくなり、本実施形態を適用することによってDMDが極めて小さい光ファイバを実現した。仮に、光伝送路で許容される最大のDMDが20nsであるとすると、断片101のみ、もしくは断片102のみで光伝送路を構築した場合の最大伝送距離はそれぞれ38km、もしくは43kmになるが、本実施形態の光ファイバ100で光伝送路1を構築した場合の最大伝送距離は320km以上になる。このように、本実施形態を適用することにより、断片101或いは断片102のみで構成された光伝送路の8倍近い320km以上の伝送を可能とする光伝送路1が実現される。
上記説明したように、本実施形態では、マルチコアとマルチモードとを併用した光伝送において、n回の回転対称に配置したN個のコアを、軸線Aを中心として角度をずらし、異なるコア同士を入れ替えて接続することでコア同士の正負のDMDを補償することができる。これにより、空間多重数を拡大しつつ、コア間のクロストークとDMDを共に抑制することが可能となり、大容量且つ高品質で長距離の光伝送を可能とする光伝送路1が実現される。
なお、本実施形態の光伝送路1について、3種類の伝搬モードを伝搬するよう設定された6個のコアと単一モードの1個のコアとを備え、光伝送路1の空間多重数が19である構成を例示して上記説明したが、光伝送路1を構成する光ファイバ100のコアの数Nと伝搬モードの数はそれぞれ、任意の数に拡張することができる。例えば、光伝送路1において、非特許文献8に開示されているように、LP01,LP11(LP11aとLP11bに縮退),LP21(LP21aとLP21bに縮退),LP02の6種類の伝搬モードを伝搬するように設定してもよい。その場合であっても、LP01,LP11,LP21,LP02の各伝搬モード間で生じるDMDを低減することができる。また、6種類の伝搬モードを伝搬するよう設定した光ファイバを光伝送路1として用い、そのうちの一部の伝搬モードのみを光伝送に用いてもよい。また、コアの数が異なる断片同士を接続して光伝送路1として用いてもよい。さらに、光伝送路1は、各種類のコアが複数の伝搬モードを伝搬すると共にそのような種類のコアを複数有してもよく、例えば3種類の伝搬モードを伝搬するよう設定されたコアと6種類の伝搬モードを伝搬するよう設定されたコアを両方とも含んでいてもよい。
また、本実施形態の光伝送路1の端面に光コネクタ、あるいは入出力デバイスが接続されていてもよい。光伝送路1の両端に光コネクタや入出力デバイスが接続されれば、光伝送路1を光パッチコードとして利用することもできる。
さらに、本実施形態ではk=1としたが、kはこの条件に限定されず、1以外に設定してもよい。ただし、k=2、k=4等のようにkが偶数の場合は、同じコア種からなるコア同士が接続されるので、k=1、k=3、k=5等のようにkは奇数であることが好ましい。本実施形態では、断片101,102として異なるものを用いたが、同じ種類であれば、k=3とk=5は対称になるので、一方について考えればよい。さらに、本実施形態ではm=6としたが、mはこの条件に限定されず、6以外に設定しても良い。但し、例えばm=2とした場合は、k=1になり、m=6、k=3の場合に相当する。従って、本実施形態ではm=nとし、その他の設計条件等を検討することが好ましい。
(第2実施形態)
次いで、本発明の第2実施形態(以下、単に本実施形態という)の光伝送路2について説明する。
第1実施形態では、光ファイバ100の中間点を接続点141としており、断片101の長さと、断片102の長さは略同一とされていた。本実施形態の光伝送路2は、接続点141で接続されている断片101の長さと、断片102の長さを異なるように設定したものである。詳しくは、第1実施形態で示した光ファイバ100において、6個(N=6)のコアのうち、DMDの絶対値が最大のコアについて、DMDの絶対値が最小になるように、断片101,102の長さ及び接続点141が設定されている。これにより、光伝送路2を構成する光ファイバ100におけるDMDがさらに抑制され、より長距離伝送が可能になる。
図7は、本実施形態の光伝送路2の設定例を示す図であって、(a)は本実施形態の光ファイバ100の長手方向における接続点141の相対位置に対する、6組のコアのDMDを示すグラフであり、(b)は接続点141の相対位置を説明するための光ファイバ100の概略図である。図7(a)の横軸の「接続点の位置」は、図7(b)に示すように、接続点141とは反対側の断片101の端部142を始点とした光ファイバ100の全長に対する接続点141の相対位置である。断片101の長さを求める際には、図7(a)のグラフの横軸の値に光ファイバ100の全長を掛ければよい。例えば、光ファイバ100の全長が100kmで、横軸の「接続点の位置」が0.2である場合は、断片101の長さは0.2×100km=20kmであり、断片102の長さは(1−0.2)×100km=80kmとなる。図7(a)のグラフの縦軸は、単位長さあたりのDMDを示す。
第1実施形態では、断片101と断片102は同じ長さに設定しており、図7(a)の横軸の「接続点の位置」が0.5である場合に対応する。この場合、光ファイバ100のDMDは62ps/kmであり、第1実施形態で論じた結果と一致する。ここで、図7(a)に示す全6組(N=6)のコアのそれぞれのDMDの絶対値の最大値が最も小さくなる「接続点の位置」を読み取ったところ、0.477であった。例えば、光ファイバ100の全長が100kmである場合、断片101の長さを47.7km、断片102の長さを52.3kmにすることで、図7(a)に示すコアの6個の組み合わせのDMDの絶対値の最大値が最少となる。このときのDMDの絶対値の最大値は、断片101のコア204と断片102のコア305との組み合わせにおける43ps/kmである。この値は第1実施形態の光ファイバ100のDMDである62ps/kmから約3割減少したものであり、本実施形態を適用することでDMDをより低減し、伝送距離を3割程度延長した。
ここで、接続点141の最適位置を数式により求める方法について説明する。接続点141において、コア数Nが偶数(本実施形態ではN=6)であり、コアの屈折率分布が2種類であって、断片101の断面(図3(a))の6個のコアのうち、一方の種類の屈折率分布(コア種A)を有する3(本実施形態ではN/2)個のコア201,203,205の単位長さあたりのDMDをa(iは1≦i≦Nであって、N/2個の整数である)とし、他方の種類の屈折率分布(コア種B)を有するN/2個のコア202、204、206の単位長さあたりのDMDをa(jは1≦j≦Nであって、i以外の整数である)とし、断片102の断面(図3(b))の6個のコアのうち、断片101の断面のaのDMDを有するコア201、203、205に接続されるコア302、304、306の単位長さあたりのDMDをbとし、断片101の断面のaのDMDを有するコア202、204、206に接続されるコア303、305、301の単位長さあたりのDMDをbとし、断片101,102の長さをそれぞれx、xとすると、光ファイバ100の全長L=x+xにおいて、DMDを下記の(3)式及び(4)式で算出されるN/2個のDの絶対値と、N/2個のDの絶対値のうちの最大値が最小になるxを求める。
Figure 2016033627
上述したように、本実施形態の光ファイバ100は、断片101の端部142を始点とした全長に対する相対位置xに接続点141を有するようにしている。
上記説明した接続点141の最適位置を求める方法の具体的な数値例を示す。本例では、整数i=1、3、5とし、コア201、203、205の単位長さあたりのDMDをそれぞれ、a=519ps/km、a=471ps/km、a=487ps/kmとし、コア201、203、205に接続されるコア302、304、306の単位長さあたりのDMDをそれぞれb=−399ps/km、b=−348ps/km、b=−395ps/kmとした。また、整数j=2、4、6とし、コア202、204、206の単位長さあたりのDMDをそれぞれ、a=−421ps/km、a=−412ps/km、a=−378ps/kmとし、コア202、204、206に接続されるコア303、305、301の単位長さあたりのDMDをそれぞれb=379ps/km、b=457ps/km、b=399ps/kmとした。光ファイバ100の全長をL=1kmとすると、下記の(5)〜(10)式で表される6つのDMDの絶対値が最小となるxを求めると、x=0.477kmとなった。
Figure 2016033627
このとき、L=1kmあたりのモード間群遅延時間差の絶対値は|D|=39ps、|D|=3ps、|D|=43ps、|D|=43ps、|D|=26ps、|D|=28psとなり、最大値は|D|の43ps/kmであるから、図7から求めた結果と一致する。
図8は、2つの断片101,102で構成され、且つDMDの絶対値が最小となる相対位置xに接続点141を有する光ファイバ100における伝送路長の変化に対するDMDの絶対値の変化(図8のグラフでは「最小位置」と記載した)を示すグラフである。比較のため、図8には、断片101のみの場合と、断片102のみの場合と、第1実施形態の光伝送路1を構成する光ファイバ100のそれぞれ(図8のグラフでは「断片101のみ」、「断片102のみ」、「中間位置」と記載した)の伝送路長の変化に対するDMDの絶対値の変化も合わせて示している。図8に示すように、本実施形態では、接続点141を相対位置xにすることで、単位長さあたりのDMDの絶対値は43ps/kmになり、第1実施形態の光伝送路1を構成する光ファイバ100に比べてDMDがより一層小さい光ファイバ100を実現した。仮に光伝送路で許容される最大のモード間群遅延時間差が20nsであるとすると、本実施形態を適用することにより、断片101或いは断片102のみで構成された光伝送路の10倍近い460km以上の伝送を可能とする光伝送路1が実現される。
上記説明したように、本実施形態では、マルチコアとマルチモードとを併用した光伝送において、N個のコアのそれぞれのDMDの絶対値の最大値が最も小さくなる最適位置に接続点141を設けることで単位長さあたりの光ファイバ100のDMDを抑制することができる。これにより、空間多重数を拡大しつつ、コア間のクロストークとDMDを共に、より抑制することが可能となり、大容量且つより高品質で長距離の光伝送を可能とする光伝送路2が実現される。
なお、本実施形態では、接続点141を1箇所として最適位置を導出したが、接続点141が複数設けられる場合であっても、同様にして最適点を導出することができる。また、6個のコアを構成するコア種を2種類としたが、3種類以上であってもよい。また、各コア内を伝搬する伝搬モードの数を3種類としたが、モード数も任意に設定可能である。さらに、本実施形態ではk=1としたが、k=3とすることもできる。このようにkが2以上である場合は、複数のkの中で、上記説明したDMDの絶対値が最小になるkを選択することもできる。
また、本実施形態では、中心波長の近傍の波長におけるDMDの絶対値が最小になるように接続点141の最適位置を設定したが、この設定はより広い波長範囲に対しても拡張できる。例えば、図7(a)の縦軸のDMDをいわゆるCバンド(波長1530nm〜1560nm)の最大値としてもよい。この場合、DMDの傾斜が最小になるようにすることで、より広い波長範囲で本発明を実施することができる。例えば、光ファイバ100のN個のコアに対し、正のDMDを有し、且つ使用する波長範囲の短波長側から長波長側に向けてDMDが正に増加するコア種Aと、負のDMDを有し、且つ使用する波長範囲の短波長側から長波長側に向けてDMDが負に増加するコア種Bとを用いることで、所望の波長あるいは波長範囲のDMDの絶対値だけでなく、その波長における伝送路長の変化に対するDMDの変化量も低減することができる。
(第3実施形態)
次いで、本発明の第3実施形態(以下、単に本実施形態という)の光伝送路3について説明する。
第1実施形態では、k=1、m=6とし、接続点141において、断片101の断面視におけるコア201〜206の配置(図3(a))に対し、断片102の断面のコア301〜306の配置(図3(b))がk・(360/m)°=60°回転して接続されるようにした。本実施形態では、mを偶数、k=m/2に設定し、接続点141における断片101と、断片102とを同一種類の光ファイバとし、断片101の長さと、断片102の長さとを等しくした。このような設定にすることで、第2実施形態で実施したようなDMDのグラフから接続点141の最適位置を読み取る、もしくは数式より最適位置を求める必要はなくなり、同一種類且つ等しい長さの断片101,102同士を接続するだけで最適な一実施形態となるので、第2実施形態よりも量産性に優れる。
本実施形態の光伝送路3、及び光伝送路3を構成する光ファイバ100の具体例について説明する。
図9は、本実施形態の光伝送路3を構成する光ファイバ100を接続点141で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。本実施形態ではn=6であり、mは1以外のnの約数で、2,3,6のうち何れか1つの値である。本実施形態ではmを偶数としているので、2又は6であるが、k=m/2より、何れの場合であっても、k・(360/m)°=180°となる。詳しくは、複数(7個)のコアを有する光ファイバ100において、これら複数のコアは、複数(3種類)の伝搬モード(LP01、LP11a、LP11b)を伝搬するよう設定されたN個(N=6)のコアを含み、これらのN個のコアは光ファイバ100の断面において6回(n=6)の回転対称になるように配置されている。また、N個のコアは2種類(コア種A、コア種B)の異なる屈折率分布を有するコアからなり、光ファイバ100の少なくとも1箇所の接続点141において、断片101の断面(図9(a))のコア201〜206の配置に対し、断片102の断面(図9(b))のコア301〜306の配置が軸線Aを中心として180°回転して接続されている。断片101の断面(図9(a))のコア201〜206のDMDと、コア201〜206に接続される断片102の断面(図9(b))のコア301〜306のDMDが異なり、断片101の6個のコア201〜206のうちの少なくとも1つのコアのDMDが、コア201〜206に接続される断片102のコア304、305、306、301、302、303のDMDと逆符号になるようにしている。さらに、接続点141における断片101と断片102は同一種類の光ファイバであり、断片101,102の長さは等しい。
なお、断片101,102のそれぞれの中心に配置されているコア251,351は、いわゆる単一モードのコアである。
また、本実施形態では、断片101のマーカ281は断片102のマーカ383の位置に接続され、断片101のマーカ283は断片102のマーカ381の位置に接続される。この構成は、第1実施形態と対比すると、第1実施形態において、k=3とし、且つ断片101,102を同一種類の光ファイバとした場合の構成に相当する。
図10は、本実施形態の光伝送路3の設定例を示す図であって、(a)は本実施形態の光ファイバ100の長手方向における接続点141の相対位置に対する、6組のコアのDMDを示すグラフであり、(b)は接続点141の相対位置を説明するための光ファイバ100の概略図である。本実施形態が第2実施形態と異なるのは、「接続点の位置」が0.5とされ、光ファイバ100が接続点141を中心として左右対称となっている点である。そして、接続点141の位置を光ファイバ100の全長に対する相対的な最適位置0.5とし、N組のコアのうちで、DMDの絶対値が最大のコアのDMDの絶対値が最小とされている点にある。
図11は、(1)異なる光ファイバからなる断片101,102を、軸線Aを中心として互いに60°回転させて接続し、接続点141を中間位置とした場合(第1実施形態に相当)、(2)同一種類の光ファイバからなる断片101,102を、軸線Aを中心として互いに60°回転させて接続し、接続点141を中間位置とした場合、(3)同一種類の光ファイバからなる断片101,102を、軸線Aを中心として互いに60°回転させて接続し、接続点141を最適位置とした場合、(4)同一種類の光ファイバからなる断片101,102を、軸線Aを中心として互いに180°回転させて接続し、接続点141を中間位置とした場合(本実施形態に相当)について、それぞれ10個の光ファイバ100のサンプルのDMDの絶対値の統計データ例を示す。
図11に示すように、(1)〜(4)の何れの場合も、従来の光ファイバよりもDMDの絶対値は小さくなっており、顕著な効果が見られる。平均的には、(2)よりも(1),(3),(4)の場合の方が、よりDMDの絶対値が小さくなった。(1),(3),(4)の場合のうち、本実施形態に相当する(4)が光ファイバ100を作製しやすく、量産性に優れている。なお、ここでの統計的な検討は一例であり、使用する光ファイバ100の仕様、複数のコアの配置等により、本発明を任意の形態で実施することができる。
上記説明したように、本実施形態では、マルチコアとマルチモードとを併用した光伝送において、mを偶数、k=m/2に設定し、断片101,102とを同一種類の光ファイバで構成し、断片101,102の長さとを等しくすることで、単位長さあたりの光ファイバ100のDMDを抑制し、且つ光ファイバ100を容易に設計・製造し、量産することができる。これにより、空間多重数を拡大しつつ、コア間のクロストークとDMDを共に抑制することが可能となり、大容量且つ高品質で長距離の光伝送を可能とし、量産性に優れた光伝送路3が実現される。
(第4実施形態)
次いで、本発明の第4実施形態(以下、単に本実施形態という)の光伝送路4について説明する。
本実施形態の光伝送路4は、複数のコアを有する光ファイバ100から構成されている。しかしながら、本実施形態の光ファイバ100(図示略)の断面構造は、第1〜第3実施形態の光伝送路1〜3を構成する光ファイバ100の断面構造とは大きく異なる。本実施形態の光ファイバ100の複数のコアは、複数(3種類)の伝搬モード(LP01、LP11a、LP11b)を伝搬するよう設定された18個(N=18)のコアを含んでいる。
図12は、本実施形態の光伝送路4を構成する光ファイバ100を接続点141で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。
図12(a)に示す18個のコア201〜218は、被覆411で覆われたクラッド401に、断面視で6回(n=6)の回転対称となるように配設されている。また、18個のコア201〜218は、第1〜第3の屈折率分布の3種類の異なる屈折率分布を有するコアで構成されている。具体的には、コア201,203,205,209,213,217は第1の屈折率分布を有するコアである。コア208,210,212,214,216,218は第2の屈折率分布を有するコアである。そして、コア202,204,206,207,211,215は第3の屈折率分布を有するコアである。
図12(b)に示す18個のコア301〜318は、被覆412で覆われたクラッド402に、断面視で6回(n=6)の回転対称となるように配設されている。また、18個のコア301〜318は、コア201〜218と同様に、第1〜第3の屈折率分布の3種類の異なる屈折率分布を有するコアで構成されている。具体的には、コア301,303,305,309,313,317は第1の屈折率分布を有するコアである。コア308,310,312,314,316,318は第2の屈折率分布を有するコアである。そして、コア302,304,306,307,311,315は第3の屈折率分布を有するコアである。
なお、中心に配置されているマーカ281,381は、接続時の断片101,102の位置合わせのためのマーカであり、6回の回転対称となる形状で形成されている。また、マーカ282,382は、断片101の断面に対する断片102の断面の相対角度を確認するために設けられている。本実施形態では、断片101の断面(図12(a))の18個のコアの配置に対し、断片102の断面(図12(b))の18個のコアの配置をk・(360/m)°=60°回転させた状態で、断片101,102が接続されている。ここで、mは1以外のnの約数であり、kは1≦k<mの整数である。本実施形態では、k=1、m=6とした。
本実施形態では、第1の屈折率分布には正のDMD、第2の屈折率分布には平均的に零のDMD、第3の屈折率分布には負のDMDがそれぞれ付与されている。そして、断片101のN個のコアのうちの少なくとも1つのコアのDMDが、断片101の18個のコアにそれぞれ1個ずつ接続される断片102の18個のコアのDMDと逆符号になるように設定されている。詳しくは、第1の屈折率分布を有する断片101のコア201,203,205,209,213,217はそれぞれ、第3の屈折率分布を有する断片102のコア302,304,306,311,315,307に接続されている。また、第2の屈折率分布を有する断片101のコア208,210,212,214,216,218はそれぞれ、第2の屈折率分布を有する断片102のコア310,312,314,316,318,308に接続されている。また、第3の屈折率分布を有する断片101のコア202,204,206,207,211,215はそれぞれ、第1の屈折率分布を有する断片102のコア303,305,301,309,313,317に接続されている。
上記はk=1とした場合について18個のコアの配置構成である。図13は、k=3とした本実施形態の光ファイバ100を接続点141で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。断片101の断面(図13(a))の18個のコアの配置に対し、断片102の断面(図13(b))の18個のコアの配置がk・(360/m)°=180°回転した状態で、断片101,102が接続されている。
なお、本実施形態の18個のコアについては、第1実施形態と同様に、DMDの特性がn回の回転反対称になるように配置されていると見なすこともできる。このような接続点141を1箇所以上含むことで、本実施形態の光ファイバ100の18個のコアのDMDは、従来の光ファイバの複数のコアのDMDに比べて低くなる。
本実施形態の光ファイバ100におけるDMDの設定例を示す。
本実施形態では、18個のコア内を伝搬する伝搬モードは3種類であるが、LP11aモードとLP11bモードは縮退しており、LP01モードと、LP11モード間の群遅延時間の差をDMDとする。
また、本実施形態では、第1及び第3の屈折率分布として、コアの屈折率分布を光ファイバ100の径方向に段階的に変化させたマルチステップインデックス型の屈折率分布を用い、第2の屈折率分布として、コアの屈折率分布を光ファイバ100の径方向に連続的に変化させたグレーデッドインデックス型の屈折率分布を用いた。
また、図12及び図13には図示していないが、18個のコアの径方向周囲にトレンチ構造(例えば、非特許文献10を参照)を設けた。なお、18個のコアの径方向周囲には、非特許文献11に開示されているフォトニック結晶型の構造等が設けられていてもよい。
図14は、本実施形態の光ファイバ100に用いられている第1〜第3の屈折率分布を示す概略図であって、(a)は第1の屈折率分布を示す図であり、(b)は第2の屈折率分布を示す図であり、(c)は第3の屈折率分布を示す図である。図14(a)に示す第1の屈折率分布については、一例として、Δa1=0.1%、Δa2=0.35%、Δa3=−0.5%、γa1=4μm、γa2=9μm、γa3=12μm、γa4=15μmに設定した。図14(b)に示す第2の屈折率分布については、一例として、Δb1=0.55%、Δb2=−0.4%、α=2.0、γb1=9μm、γb2=12μm、γb3=15μmに設定した。図14(c)に示す第3の屈折率分布については、一例として、Δc1=0.13%、Δc2=0.32%、Δc3=−0.5%、γc1=4μm、γc2=8.7μm、γc3=14μm、γc4=17μmに設定した。また、コアの間隔は40μm、クラッド径は230μmに設定した。第1の屈折率分布を有するコアのDMDが、第3の屈折率分布を有するコアのDMDと絶対値が概ね等しく、且つ正負が逆(逆符号)になるように設定し、中心波長1550nmにおける第1の屈折率分布を有するコアと第3の屈折率分布を有するコアのDMDの設計目標をそれぞれ440ps/km、−440ps/kmとした。第2の屈折率分布を有するコアのDMDは概ね零になるように設定し、中心波長1550nmにおける第2の屈折率分布を有するコアのDMDの設計目標を90ps/kmとした。なお、中心波長1550nmにおける第2の屈折率分布を有するコアのDMDは零であることが望ましいが、実際の生産では、完全に零にすることは困難である。例えば、DMDの一般的な値は、ステップインデックス型の屈折率分布を有するコアで2000〜3000ps/km以上、マルチステップインデックス型の屈折率分布を有するコアで500ps/km前後であることを考慮すると、100ps/km程度以下は充分小さいといえる。本発明では、DMDが100ps/km程度以下であれば、平均的に零のDMDを有するものと見なす。
図15は、本実施形態の光ファイバ100のコアの伝送路長に対するDMDを示すグラフであり、(a)は断片101のコア201〜218に関するものであり、(b)は断片102のコア301〜318に関するものである。本設計例では、k=3で、断片101と断片102は同じ母材の光ファイバで構成されたものとしている。
なお、第3実施形態と同様に、本実施形態の光ファイバ100は、接続点141の相対位置0.5において左右対称の構成となっており、同一長さの断片101と断片102を用いることで、結果的にN組のコア(コアの組み合わせ)のうち、DMDの絶対値が最大のコアの、DMDの絶対値が最小になった。図16は、このようなDMDを設定した本実施形態の光ファイバ100の特性を示す図であって、(a)は断片101と断片102との接続点141の相対位置に対する、18組のコアの組み合わせ毎のDMDを示すグラフであり、(b)はN組のコアのうち、DMDの絶対値が最大のコアの、DMDの絶対値が最小になる特性を持つ、同一種類で同一の長さとした断片101,102を用いた光ファイバ100の伝送路長に対するDMDの絶対値を示すグラフである。比較のため、図16(b)には、第1の屈折率分布を有するコアのみの場合、第2の屈折率分布を有するコアのみの場合、そして第3の屈折率分布を有するコアのみの場合のDMDについても図示した。図16(b)に示すように、各光ファイバ100の単位長さあたりのDMDの絶対値は、第1の屈折率分布を有するコアのみで構成された光ファイバ100では496ps/km、第2の屈折率分布を有するコアのみで構成された光ファイバ100では107ps/km、第3の屈折率分布を有するコアのみで構成された光ファイバ100では536ps/kmであったのに対し、本実施形態の光ファイバ100では76ps/kmに低減された。この結果からもわかるように、本実施形態の適用によっても、DMDが小さい光ファイバ100が実現される。
上記説明したように、本実施形態では、マルチコアとマルチモードとを併用した光伝送において、接続点141の相対位置0.5において、光ファイバ100が左右対称の構成を備え、同一長さの断片101,102を用いることで、N組のコアのうち、DMDの絶対値が最大のコアの、DMDの絶対値が最小にすることで、単位長さあたりの光ファイバ100のDMDを抑制することができる。これにより、空間多重数を拡大しつつ、コア間のクロストークとDMDを共に抑制することが可能となり、大容量且つ高品質で長距離の光伝送を可能とする光伝送路4が実現される。
なお、本実施形態の光伝送路4は、3種類の伝搬モードを伝搬するよう設定された18個のコアを含み、空間多重数は54である。コアの数と伝搬モードの数は、任意の数に拡張することができる。例えば、非特許文献8に記載されているLP01,LP11(LP11aとLP11bに縮退),LP21(LP21aとLP21bに縮退),LP02の6種類の伝搬モードを伝搬するよう設定してもよい。その場合であっても、LP01,LP11,LP21,LP02の間で生じるDMDを低減することができる。言うまでもなく、6種類の伝搬モードを伝搬するよう設定した光ファイバを光伝送路として用い、そのうちの一部の伝搬モードのみを光伝送に用いてもよい。また、光ファイバ100は、複数の種種のコアを有し、各コアが複数の伝搬モードを伝搬可能に設定されていてもよく、例えば3種類の伝搬モードを伝搬するように設定されたコアと6種類の伝搬モードを伝搬するように設定されたコアとを同時に備えていてもよい。
また、第2の屈折率分布を有するコアのDMDは107ps/kmと比較的小さかったため、全てのコアを第2の屈折率分布にすれば、DMDを小さくできる。しかしながら、コアを高密度に配置するとコア間クロストークが生じる。一方、コア間クロストークの低減には、伝搬定数の異なる複数のコアを用いるとよいが、その場合、伝搬定数が異なり、DMDを小さくするのは容易ではない。そこで、本実施形態では、3種類の異なる屈折率分布を有するコアを用い、DMDの絶対値が概ね等しく、且つ逆符号が互いにである第1及び第3の屈折率分布のコア同士が連結するようにすると共に、DMDの絶対値が平均的に零となる第2の屈折率分布のコア同士が連結するようにした。このような構成により、空間多重数を増大させつつ、隣接するコア間のクロストークとDMDの低減を同時に達成した。使用するコアの種類を増やす程、光ファイバ100の設計及び作製が難しくなるが、正、零、負の3種類のDMDを活用することで、コア種の数を増やした場合でも、光ファイバ100の設計や作製の負担を軽減できる構成とした。また、本実施形態では、異なる形状の屈折率分布を用いたが、例えば第1〜第3の全ての屈折率分布をグレーデッドインデックス型の屈折率分布にして正、零、負のDMDを実現し、光ファイバ100全体のDMDの低減に活用してもよい。
(第5実施形態)
次いで、本発明の第5実施形態(以下、単に本実施形態という)の光伝送路5について説明する。
本実施形態の光伝送路5を構成する光ファイバ100は、第4実施形態の光伝送路4を構成する光ファイバ100の18個のコアを構成する第1〜第3の屈折率分布の3種類の異なる屈折率分布を有するコアのうち、第2の屈折率分布を有するコアを、単一モードのコアに置き換えたものである。
図17は、本実施形態の光ファイバ100を接続点141で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。
本実施形態において、図17(a)に示す12個(N=12)のコア201〜212は、被覆411で覆われたクラッド401に、断面視で6回(n=6)の回転対称となる位置に配設されている。また、前記12個のコアとは別の7個のコア251〜257も、クラッド401に、断面視で6回(n=6)の回転対称となる位置に配設されている。コア251〜257は単一モードのコアである。12個のコア201〜212はそれぞれ、複数のモードを伝搬するマルチモードのコアであり、コア種Aとコア種Bの2種類の異なる屈折率分布を有するコアから構成されている。コア201,203,205,207,209,211はコア種Aの屈折率分布を有し、コア202,204,206,208,210,212はコア種Bの屈折率分布を有している。
図17(b)に示す12個(N=12)のコア301〜312は、被覆412で覆われたクラッド402に、断面視で6回(n=6)の回転対称となる位置に配設されている。また、前記12個のコアとは別の7個のコア351〜357も、クラッド402に、断面視で6回(n=6)の回転対称となる位置に配置されている。コア351〜357は単一モードのコアである。12個のコア301〜312はそれぞれ、複数のモードを伝搬するマルチモードのコアであり、コア種Aとコア種Bの2種類の異なる屈折率分布を有するコアから構成されている。コア301,303,305,307,309,311はコア種Aの屈折率分布を有し、コア302,304,306,308,310,312はコア種Bの屈折率分布を有している。
図17(a),(b)に示すように、断片101の断面(図17(a))の12個のコア201〜212の配置に対し、断片102の断面(図17(b))の12個のコア301〜312の配置がk・(360/m)°=60°(mは1以外のnの約数、kは1≦k<mの整数)回転した状態で、断片101,102同士が接続されている。本実施形態では、k=1、m=6とした。
本実施形態では、コア種Aは正のDMDを有し、コア種Bは負のDMDを有している。そして、断片101のN個のコアのうちの少なくとも1つのコアのDMDが、断片102の、断片101のN個のコアにそれぞれ接続されるコアのDMDと等しく、且つ逆符号になるように設定されている。詳しくは、断片101のN個のコアのうちのコア種Aからなるコア201,203,205,207,209,211はそれぞれ、断片102のコア種Bのコア302,304,306,308,310,312に接続されている。断片101のN個のコアのうちのコア種Bのコア202,204,206,208,210,212はそれぞれ、断片102のコア種Aのコア303,305,301,309,311,307に接続されている。また、断片101のその他のコア251〜257はそれぞれ、断片102のその他のコア351,353,354,355,356,357,352に接続されている。
上記例示した図17(a),(b)の構成ではk=1としたが、図18はk=3としたときの本実施形態の光ファイバ100を接続点141で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。図18(a),(b)に示すように、断片101の断面(図18(a))のコアの配置に対し、断片102の断面(図18(b))のコアの配置がk・(360/m)°=180°回転した状態で、断片101,102同士が接続されている。このような接続点141を1箇所以上含むことで、光ファイバ100のDMDが従来の光ファイバのDMDに比べて抑制され、本実施形態の光ファイバ100を用いることで大容量光伝送路が実現される。
本実施形態の光ファイバ100におけるDMDの設定例を示す。
本設定例では、伝搬モードは3種類であるが、LP11aモードとLP11bモードは縮退しており、LP01モードと、LP11モードと間の群遅延時間の差をDMDとする。本実施形態では、コア種A及びコア種Bとして、コアの屈折率分布を連続的に変化させたグレーデッドインデックス型の屈折率分布を用いた。また、図17(a),(b)及び図18(a),(b)には図示していないが、12個のコア201〜212と、12個のコア301〜312の径方向周囲にトレンチ構造(例えば、非特許文献10を参照)を設けた。言うまでもなく、このようなトレンチ構造に替えて、フォトニック結晶型の構造等の任意の構造をN個のコアの径方向周囲に設けてもよい。
図19は、本実施形態の光ファイバ100に用いられている2つのコア種の屈折率分布と光ファイバ100の特性を示す概略図であって、(a)はコア種Aの屈折率分布を示す図であり、(b)はコア種Bの屈折率分布を示す図であり、(c)は断片101,102を用いた光ファイバ100の伝送距離に対するDMDの絶対値を示すグラフである。本設定例では、コア種Aの一例として、Δa1=0.5%、Δa2=−0.7%、α=2.1、γa1=10μm、γa2=12μm、γa3=16μmに設定した。また、コア種Bの一例として、Δb1=0.5%、Δb2=−0.7%、α=1.9、γb1=10μm、γb2=12.5μm、γb3=16μmに設定した。コアの間隔は39μmとし、クラッド径は225μmに設定した。コア種AのコアのDMDが、コア種BのコアのDMDと絶対値が概ね等しく、逆符号になるように設定されており、中心波長1550nmにおけるコア種Aのコアとコア種BのコアのDMDの設計目標をそれぞれ100ps/km、−100ps/kmとした。
断片101と断片102は同一の母材の光ファイバとし、k=1の場合、及びk=3の場合について、DMDの絶対値が最大のコアの伝送距離長を変化させた際のDMDの絶対値が最小になるように、断片101,102の接続点141を設定した。図19(c)には、コア種Aのみの構成とした場合、コア種Bのみの構成とした場合、本実施形態でk=1とした場合、本実施形態でk=3とした場合のそれぞれの光ファイバ100の伝送距離に対するDMDの絶対値を示している。本実施形態の光ファイバ100の単位長さあたりのDMDの絶対値は、k=1の場合に接続点141の相対位置が0.493となり、14ps/kmであった。k=3の場合では、接続点の相対位置が0.5となり、17ps/kmであった。そこで、本設計例ではDMDの絶対値がより小さいk=1を採用した。即ち、複数の伝搬モードを伝搬するよう設定され、2種類以上の異なる屈折率分布を有し、断面視でn回(nは2以上の整数)の回転対称になるように配設されたN個のコアを含む光ファイバ100(図17に示す断面構造を有する断片101,102で構成される光ファイバ)では、相対位置0.493に接続点141を備え、接続点141で光ファイバを切断した場合の断片101の断面に対し、断片102の断面をk・(360/m)°回転させた後、断片101,102を再接続した。
上記説明したように、本実施形態では、マルチコアとマルチモードとを併用した光伝送において、3種類の異なる屈折率分布を有するコアを用い、DMDの絶対値が概ね等しく且つDMDが逆符号になるコア種Aとコア種Bのコア同士を接続し、単一モードであるその他のコア同士を接続することで、単位長さあたりの光ファイバ100のDMDを抑制することができる。これにより、空間多重数を拡大しつつ、コア間のクロストークとDMDを共に抑制することが可能となり、大容量且つ高品質で長距離の光伝送を可能とする光伝送路5が実現される。
なお、本実施形態の光伝送路5は、3種類の伝搬モードを伝搬するよう設定された12個のコアを含み、単一モードの7個のコアと合わせて空間多重数は43(=12×3+7×1)である。光ファイバ100のコアの数と伝搬モードの数はそれぞれ任意の数に拡張することができる。例えば、本実施形態の19個のコアの径方向周囲にさらにもう1周分のコアを追加して37個のコアとしてもよい。37個のコアと3種類の伝搬モードとをくみ合わせて100を超える空間多重数となる。
また、本実施形態では、3種類の異なる屈折率分布を有するコアを用い、モード間群遅延時間差の絶対値が概ね等しく、逆符号になるコア種Aとコア種Bのコア同士が接続するようにし、単一モードであるその他のコア同士が接続するようにした。このような構成により、隣接コア間のクロストークとモード間群遅延時間差を低減しつつ、空間多重数を高密度化した。使用するコア種を増やすほど、コア間の独立性が増し、コア間クロストークを抑制したすいが、種類を増やすほど設計と作製が難しくなる。そこで本実施形態では、コア種A,コア種Bのマルチモードのコアと、その他の単一モードのコアの3種類とを活用することで、コア種の数を増やした場合でも、設計や作製の負担を軽減できる構成とした。
(第6実施形態)
次いで、本発明の第6実施形態(以下、単に本実施形態という)の光伝送路6について説明する。
第1〜第5実施形態の光ファイバ100ではn=6とされ、N個のコアが6回の回転対称となる位置に配設されていたが、nは6に限定されるものではなく、6以外でも構わない。
図20は、上記のnの条件をふまえた本実施形態の光伝送路6(図示略)を構成する光ファイバ100を接続点141で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。
本実施形態の光ファイバ100は、図20(a),(b)に示すように、複数(16個)のコアを有し、複数(3種類)の伝搬モードを伝搬するよう設定された16個(N=16)のコアを有し、これらN個のコアは、光ファイバ100の断面視で4回(n=4)の回転対称に配設され、且つ、2種類の異なる屈折率分布を有するコアから構成されているものである。そして、光ファイバの1箇所、もしくは複数箇所の接続点141において、断片101の断面の複数のコアの配置に対し、断片102の断面の複数のコアの配置がk・(360/m)°(mは1以外のnの約数、kは1≦k<mの整数)回転した状態で、断片101,102が接続されている。接続点141のうちの少なくとも1箇所においては、断片101のN個のコアのうちの少なくとも1つのコアのDMDが、これらのN個のコアに接続される断片102の複数のコアのDMDと逆符号になるように設定されている。
上記説明したように、本実施形態では、マルチコアとマルチモードとを併用した光伝送において、N個のコアは、光ファイバ100の断面視で4回(n=4)の回転対称に配設することでも、単位長さあたりの光ファイバ100のDMDを抑制することができる。このように設計の自由度を拡げても、空間多重数を拡大しつつ、コア間のクロストークとDMDを共に抑制することが可能となり、大容量且つ高品質で長距離の光伝送を可能とする光伝送路6が実現される。
(第7実施形態)
次いで、本発明の第7実施形態(以下、単に本実施形態という)の光伝送路7について説明する。
本実施形態では、本実施形態の光伝送路7を構成する光ファイバ100が、複数(3個)のコアを有し、それらのうち、複数(3種類)の伝搬モードを伝搬するよう設定された3個(N=3)のコアを含んでなるものである。これらのN個のコアは、光ファイバの断面に対して、3回(n=3)の回転対称に配置され、且つ3種類の異なる屈折率分布を有するコアからなる。そして、光ファイバの1箇所、もしくは複数箇所の接続点141において、断片101の断面のコアの配置に対し、断片102の断面のコアの配置がk・(360/m)°(mは1以外のnの約数、kは1≦k<mの整数)回転した状態で、断片101,102が接続されている。接続点141のうちの少なくとも1箇所において、断片101のN個のコアのうちの少なくとも1つのコアのDMDが、断片102の光ファイバの、断片101のN個のコア接続されるコアのDMDと逆符号になるように設定されている。
図21は、k=1としたとき、本実施形態の光ファイバ100を接続点141で切断した場合の断面の一例を示す図であって、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。図22は、k=2としたときの光ファイバ100を接続点141で切断した場合の断面の一例を示す図であって、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。
上記説明したように、本実施形態では、マルチコアとマルチモードとを併用した光伝送において、それぞれのコアが3種類の伝搬モードを伝搬するよう設定されたコアを3個含んでなる光ファイバ100のDMDを抑制することができる。このように設計の自由度を拡げても、空間多重数を拡大しつつ、コア間のクロストークとDMDを共に抑制することが可能となり、大容量且つ高品質で長距離の光伝送を可能とする光伝送路7が実現される。
(第8実施形態)
次いで、本発明の第8実施形態(以下、単に本実施形態という)の光伝送路8について説明する。
第1〜第7実施形態の光ファイバ100では、コアの断面形状は円形であるものとして説明したが、コアの断面形状は四角形等の多角形でもよく、その他の形であってもよく、伝送路をなすコアが複数に分割されていてもよい。コアを複数のコアセグメントに分けた場合であっても、分けない場合と同様に光信号を伝送することができる(例えば、非特許文献13を参照)。
図23は、本実施形態の光伝送路8(図示略)を構成する光ファイバ100を接続点141で切断した場合の断面を示す図であって、k=1であり、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。図24は、本実施形態の光伝送路8(図示略)を構成する光ファイバ100を接続点141で切断した場合の断面を示す図であって、k=2であり、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。
本実施形態では、光ファイバ100がそれぞれ複数のコアセグメントからなる、複数(3個)のコア(図23(a)に示すコア201,202,203、及び、図23(b)に示すコア301,302,303)を有している。また、光ファイバ100は、複数(3種類)の伝搬モードを伝搬するよう設定された3個(N=3)のコアを含み、これら3個のコアは、光ファイバ100の断面視で3回(n=3)の回転対称に配置され、且つ、3種類の異なる屈折率分布を有するコアから構成されている。そして、光ファイバ100の1箇所、もしくは複数箇所の接続点141において、断片101の断面のコアの配置に対し、断片の断面のコアの配置がk・(360/m)°(mは1以外のnの約数、kは1≦k<mの整数)回転した状態で、断片101,102が接続されている。接続点141のうちの少なくとも1箇所において、断片101のN個のコアのうちの少なくとも1つのコアのDMDが、断片102の光ファイバの、断片101の前記少なくとも1つのコアに接続されるコアのDMDと逆符号になるように設定されている。
図23(a),(b)に示す本実施形態の光ファイバ100(断片101,102、以下同様)の断面は、図21(a),(b)に示す第7実施形態の光ファイバ100の断面のコア201〜203,301〜303をそれぞれ、3つのコアセグメントからなるコアに置き換えたものと見なすことができる。また、図24(a),(b)に示す本実施形態の光ファイバ100の断面は、図22(a),(b)に示す第7実施形態の光ファイバ100の断面の各コア201〜203,301〜303を、3つのコアセグメントからなるコアに置き換えたものと見なすことができる。具体的な一例として、図23(a)に示すコア201は、コアセグメント271,272,273の集合体で構成され、図21(a)に示すコア201と同様に、複数(3種類)の伝搬モードを伝搬するよう設定されている。
図25は、本実施形態の光ファイバ100の変形例であり、伝送路をなすコアを6個(N=6)に増やした例を示すものであり、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。光ファイバ100の断片101,102の図25(a),(b)に示すコアの配置は、第1実施形態の光ファイバ100の断片101,102の図3(a),(b)に示すコアの配置と同様である。つまり、図3(a),(b)に示す6個のコアを、3つの近接させたコアセグメントからなるコアに置き換えたものと見なすことができる。このように、伝送路をなすコアの数や形態は任意に拡張・変更することができる。また、3つのコアセグメントで1つの伝送路をなすコアとしたが、組み合わせるコアセグメントの数も任意であり、例えば1つの伝送路をなすコアを6つのコアセグメントで構成してもよい。
上記説明したように、本実施形態では、マルチコアとマルチモードとを併用した光伝送において、1つの伝送路をなすコアを複数のコアセグメントで構成した。このように設計の自由度を拡げても、空間多重数を拡大しつつ、コア間のクロストークとDMDを共に抑制することが可能となり、大容量且つ高品質で長距離の光伝送を可能とする光伝送路8が実現される。
なお、本実施形態のコアを構成するそれぞれのコアセグメントは単一モードとされているが、互いに近接させることで光学的に結合し、擬似的に複数の伝搬モードを形成して光伝送路コアを伝搬する。本実施形態で用いた複数の近接させたコアセグメント以外にも、非特許文献6に示すようなフォトニックバンドギャップ型のコア等の構成を用いてもよい。さらに、異なる形状のコア同士を接続してもよく、接続点141において、図21(a),(b)、もしくは、図23(a),(b)のような接続方法以外にも、図21(a)と図23(b)、もしくは、図23(a)と図21(b)のような接続を行ってもよい。このように、本実施形態は、コアの形状が断面視で円形以外であっても、適用実施できることを示すものであり、任意の形状及び任意の数に分割されたコアを採用することができる。
(第9実施形態)
次いで、本発明の第9実施形態(以下、単に本実施形態という)の光伝送路9について説明する。
第1〜第8実施形態では、N個のコアが、いずれもLP01、LP11a、LP11bの3つの伝搬モードを伝搬するよう設定されたコアについて具体的に説明し、伝搬モードの数を3つ以上に拡張できることも述べたが、本実施形態では、6種類の伝搬モードを伝搬するよう設定されたコアを用いた本発明の光伝送路の構成例を示す。
本実施形態の光伝送路9は、4個のコアを有する光ファイバ100からなり、これら4個のコアは、6種類の伝搬モード(LP01,LP11a,LP11b,LP21a,LP21b,LP02)を伝搬するよう設定された4個(N=4)のコアを含む。
図26は、本実施形態の伝送路9を構成する光ファイバ100を接続点141で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。本実施形態において、図26(a)に示す4個のコア201〜204は、被覆411で覆われたクラッド401に、断面視で4回(n=4)の回転対称となるように配設されている。また、コア201〜204は、コア種Aとコア種Bの2種類の異なる屈折率分布を有するコアからなるものである。コア201,203はコア種Aのコアであり、コア202,204はコア種Bのコアである。図26(b)に示す4個のコア301〜304は、被覆412で覆われたクラッド402に、断面視で4回(n=4)の回転対称となるように配設されている。また、コア301〜304は、コア種Aとコア種Bの2種類の異なる屈折率分布を有するコアからなるものである。コア301,303はコア種Aのコアであり、コア302,304はコア種Bのコアである。また、光ファイバ100の断片101の断面(図26(a))のコアの配置に対し、断片102の断面(図26(b))のコアの配置がk・(360/m)°=90°(mは1以外のnの約数、kは1≦k<mの整数)回転した状態で、断片101,102が接続されている。ここでは、k=1、m=4とする。
本実施形態では伝搬モードが3種類以上設定されているため、DMDが複数定義される。具体的には、6種類の伝搬モード(LP01,LP11a,LP11b,LP21a,LP21b,LP02)のうち、LP11aとLP11bは縮退しており、LP21aとLP21bは縮退しているため、LP01,LP11,LP21,LP02の4種類のモード間のDMDを考えればよい。そして、DMDは、基本モード(LP01)と高次モード(LP11,LP21,LP02)との間のモード遅延の差で定義される(例えば、非特許文献8を参照)。すなわち、LP01モードの群遅延時間を基準として、D11をLP11モードの群遅延時間とLP01モードの群遅延時間の差分とし、D21をLP21モードの群遅延時間とLP01モードの群遅延時間の差分とし、D02をLP02モードの群遅延時間とLP01モードの群遅延時間の差分とすることができる。
本実施形態では、図26(a),(b)に示す4つのコアの配置において、コア種AのDMDであるDa11,Da21,Da02と、コア種Bの対応する伝搬モードのDMDであるDb11、Db21、Db02がそれぞれ異なるように設定されている。さらに、光ファイバ100のDMDを容易に抑制する点から、コア種AのDMDと、コア種Bの対応する伝搬モードのDMDの符号は互いに逆になるように設定することがより好ましい。さらにまた同観点から、コア種AのDMDと、コア種Bの対応する伝搬モードのDMDの絶対値の大きさが等しく、且つ逆符号になるようにする形態がより好ましい。
本実施形態では、コア種Aとコア種Bの屈折率分布として、コアの屈折率分布をコアの径方向に連続的に変化させたグレーデッドインデックス型の屈折率分布を用いた。また、図26には図示していないが、コアの径方向周囲にトレンチ構造(例えば、非特許文献10を参照)を設けた。言うまでもなく、コアの径方向周囲にフォトニック結晶型の構造等の、任意の構造を設けてもよい。光ファイバ100のDMDを最小限に抑えるため、Da11=−Db11、Da21=−Db21、Da02=−Db02となるよう、コア種Aとコア種Bの屈折率分布を設計した。
上記説明したように、本実施形態では、マルチコアとマルチモードとを併用した光伝送において、1つの伝送路をなすコアに6種類の伝搬モードが伝搬されるような設定例を示した。このように伝送容量を決める条件を自在に変えることで、空間多重数を拡大しつつ、コア間のクロストークとDMDを共に抑制することが可能となり、大容量且つ高品質で長距離の光伝送を可能とする光伝送路9が実現される。
(第10実施形態)
次いで、本発明の第10実施形態(以下、単に本実施形態という)の光伝送路10について説明する。
第1〜第9実施形態では、光ファイバ100のN個のコアとして、いずれも同一種類の伝搬モードを伝搬するよう設定された伝送路コアを用いたが、異なる伝搬モードを伝搬するコアを用いてもよい。具体的には、6種類の伝搬モードを伝搬するコアと、3種類の伝搬モードを伝搬するコアとを併用して、本発明の光伝送路を形成することができる。以下、このようにして得られる本実施形態の光伝送路10について具体的に説明する。
本実施形態では、8個のコアを有する光ファイバ100が、6種類の伝搬モードを伝搬するよう設定された4個のコアと、3種類の伝搬モードを伝搬するよう設定された4個のコアとの合計8個(N=8)のコアを含んで構成されている。これら8個のコアは、光ファイバの断面視で8回(n=8)の回転対称となるように配置され、且つ、4種類の異なる屈折率分布を有するコアから構成されている。そして、光ファイバの1箇所、もしくは複数箇所の接続点141において、断片101の断面のコアの配置に対し、断片102の断面のコアの配置がk・(360/m)°(mは1以外のnの約数、kは1≦k<mの整数)回転した状態で、断片101,102が接続されているものである。接続点141のうちの少なくとも1箇所において、断片101の8個のコアのうちの少なくとも1つのコアのDMDが、断片102の前記少なくとも1つのコアに接続されるコアのDMDと逆符号になるように設定されている。
図27は、m=4、k=1に設定された本実施形態の光ファイバ100を接続点141で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。
図27(a)に示すコア201,203はコア種Aのコアであり、コア202,204はコア種Bのコアであり、コア205,207はコア種Cのコアであって、コア206,208はコア種Dのコアである。図27(b)に示すコア301,303はコア種Aのコアであり、コア302,304はコア種Bのコアであり、コア305,307はコア種Cのコアであって、コア306,308はコア種Dのコアである。コア種Aとコア種Bはそれぞれ6種類の伝搬モードを伝搬し、且つ、DMDの絶対値が概ね等しく、逆符号になるよう設定されている。コア種Cとコア種Dはそれぞれ3種類の伝搬モードを伝搬し、且つ、DMDの絶対値が概ね等しく、逆符号になるよう設定されている。本実施形態では図27(a),(b)に示すコアの配置において、コア種Aとコア種B同士が接続され、コア種Cとコア種D同士が接続されるため、符号が互いに逆のDMDを有するように設定されたコア種同士の接続により接続部分でDMDが補償され、光ファイバ100のDMDが低減される。
図28は、図27に示した光ファイバ100の断面の一部を示す図であって、(a)は図27(a)に示すコアのうち、6種類の伝搬モードを伝搬するコア(コア種Aとコア種Bのコア)のみを図示したものであり、(b)は図27(a)に示すコアのうち、3種類の伝搬モードを伝搬するコア(コア種Cとコア種Dのコア)のみを図示したものである。図28(a),(b)を見てもわかるように、本実施形態の光ファイバ100のコアの配置は、第9実施形態の光ファイバ100の2種類のコアの配置を重ね合わせたものであると見なすこともできる。
上記説明したように、本実施形態では、マルチコアとマルチモードとを併用した光伝送において、異なる伝搬モードを伝搬するコアを用いた光ファイバ100の設定例を示した。このように伝送容量を決める条件を自在に変えて、空間多重数を拡大しつつ、コア間のクロストークとDMDを共に抑制することが可能となり、大容量且つ高品質で長距離の光伝送を可能とする光伝送路10が実現される。
なお、本実施形態は、異なる伝搬モードを伝搬するコアを用いた一例であり、図27(a),(b)に示した断面構造及びコアの配置に限定されるものではない。
(第11実施形態)
次いで、本発明の第11実施形態(以下、単に本実施形態という)の光伝送路11について説明する。
第1〜第10実施形態では、光伝送路の量産に適した形態として、同種の光ファイバで大容量・高品質・長距離の伝送を実現する光伝送路1〜10の実施形態の一例を示し、各実施形態では異種のコアの回転対称性を利用したコアの設計・配置が本発明の課題を解決するために効果的であることを説明した。本実施形態では、回転対称性を利用しない光ファイバを用いた大容量・高品質・長距離の光伝送路11を示す。
図29は、本実施形態の光伝送路11を構成する光ファイバ100を接続点141で切断した場合の断面を示す図であって、(a)は接続点141側から見た場合の断片101の断面図であり、(b)は接続点141側から見た場合の断片102の断面図である。
図29(a)に示すコア203,204,206はコア種Aのコアであり、コア201,202,205,207はコア種Bのコアである。図29(b)に示すコア301,302,305,307をコア種Aのコアであり、コア303,304,306をコア種Bのコアである。このように、コア種Aとコア種BのDMDを互いに逆符号に設定することで、これらの異種のコア同士を接続したときに各伝送路のDMDが抑制される。
上記説明したように、本実施形態では、マルチコアとマルチモードとを併用した光伝送において、異種のコアの回転対称性を利用した光ファイバ100の設定例を示した。このように伝送容量を決める条件を自在に変えることで、空間多重数を拡大しつつ、コア間のクロストークとDMDを共に抑制することが可能となり、大容量且つ高品質で長距離の光伝送を可能とする光伝送路10が実現される。
(第12実施形態)
次いで、本発明の第12実施形態(以下、単に本実施形態という)の光伝送路12について説明する。
図30は、本実施形態の光伝送路12を示す概略図である。本実施形態の光伝送路12は、図30に示すように、個々に複数のコアを有するS本(Sは3以上の整数)の光ファイバ131〜133,…,134を直列に接続したものである。現在の光通信システムに使用されている光伝送路は、このように複数の光ファイバを長手方向に繋ぎ合わせることで構築されている。例えば、ある光伝送路では、3km長の光ファイバを基本単位とし、そのような光ファイバを30単位接続することで90km長の伝送距離が実現されている。
本実施形態では、S−1箇所の接続点141〜143において、それぞれ断片101(図示略)の断面のコアの配置に対し、断片102の断面のコアの配置がks・(360/m)°(sは1≦s≦Sの整数)回転した状態で、断片101,102が接続されているものである。断片101の断面のコアと接続される断片102の断面のコアのDMDが互いに異なるように設計されている。
光ファイバ131〜133,…,134の構造として、第1〜第11実施形態で示した断面形状、コアの回転形態、コアの種類や屈折率分布等を用いてもよく、それらの条件を組み合わせて用いてもよく、任意である。本実施形態の光伝送路12の設計例として、例えば3kmを基本単位として、第3実施形態で示した配置のコアを有する光ファイバを30組用意し、相互に融着接続することで、全長90kmの光伝送路を構築することができる。なお、このような複数のコアを有する光ファイバ100が、さらに複数束ねて敷設されていてもよい。
以上、本実施形態では、マルチコアとマルチモードによる大容量光伝送において、空間多重数を拡大しつつ、コア間のクロストークとDMDを共に抑えることで、大容量、高品質且つ長距離の伝送を可能とし、光通信の実用システムへの敷設にも適した光伝送路12を実現した。
(第13実施形態)
次いで、本発明の第13実施形態(以下、単に本実施形態という)の光伝送路13について説明する。
第12実施形態では、複数の光ファイバ131〜133,…,134を長手方向に相互接続し、光伝送路12を構築したが、本実施形態では、本発明を適用した光伝送路を基本単位とし、それを複数接続することで、長距離・大容量の光伝送路を構築する。
図31は、本実施形態の光伝送路13を示す概略図であって、(a)は複数のコアを有する1本の光ファイバを示す図であり、(b)は所定の長さの光伝送路を示す図である。
本実施形態では、図31(a)に示すように、複数のコアを有する1本の光ファイバを接続点141で切断し、断片101の断面に対し、断片102の断面をk・(360/m)°回転させた状態で、再接続した。このような光ファイバを基本単位とし、所定の長さに応じて、基本単位同士をつなぎ合わせることで、図31(b)に示すような、所定の長さの光伝送路13とした。基本単位自体がコア間のクロストークとモード間群遅延時間差が共に抑えられているので、図31(b)に示す光伝送路13は、より好ましい形態である。このような基本単位をつなぎ合わせることで、全体の光伝送路13のコア間のクロストークとDMDが共に低減される。
光伝送路13の基本単位として、第1〜第11実施形態で示したような光伝送路1〜11を用いてもよく、これらの光伝送路を組み合わせて用いてもよく、基本単位の構成は任意である。一例として、第3実施形態で示した光伝送路3を用いて、2kmの長さに揃えた基本単位を50組用意し、相互に融着接続することで、全長100kmの大容量光伝送路を構築することができる。また、基本単位の接続形態は任意であり、コネクタ接続、空間光学系による光学的接続、端面を研磨して物理的に接続する等の接続形態を使用してもよい。
以上、本実施形態では、マルチコアとマルチモードによる大容量光伝送において、空間多重数を拡大しつつ、第1〜第11実施形態の光伝送路1〜11を基本単位として、複数の基本単位を接続することで、大容量、高品質且つより長距離の伝送を可能とし、光通信の実用システムへの敷設にも適した光伝送路13を実現した。
(第14実施形態)
次いで、本発明の光通信システムについて説明する。
本実施形態では、第1〜第13実施形態で開示した光伝送路1〜13を用いた光通信システムの一例を示す。
図32は、本実施形態の光通信システム20を示す概略図である。光通信システム20は、図32に示すように、光送信器701と、光合分波器731と、光伝送路1〜13のうち何れか1つ以上の光伝送路を含む光伝送路721,722と、光中継器741と、光合分波器732と、光受信器711と、を備えて構成されている。このように、1対1の光通信ネットワークに本発明を適用した光伝送路1〜13を用いることで、光伝送の大容量化、コア間のクロストークの低減による高品質化、DMDの低減による長距離化が同時に実現される。
図33は、本実施形態の別の光通信システム22を示す概略図である。光通信システム22は、図33に示すように、光送信器701と、光受信器712と、光合分波器731と、光伝送路1〜13のうち何れか1つ以上の光伝送路を含む光伝送路721,722と、光中継器741と、光合分波器732と、光受信器711と、光送信器702と、を備えて構成されている。このように、多数対多数の光通信ネットワークにおいても、本発明を適用した光伝送路1〜13を用いることで、光伝送の大容量化、コア間のクロストークの低減による高品質化、DMDの低減による長距離化の課題が解決され、良好な光伝送が実現される。
以上、本実施形態では、第1〜第13実施形態の光伝送路1〜13を用いて光通信システムを構築することで、大容量、高品質且つより長距離の伝送を可能とする光通信システムを実現した。
なお、本実施形態の光通信システムは、本発明の光伝送路のうちの少なくとも1つを伝送路に含んでいればよい。また、上記説明では、最も簡単な例として本発明の光伝送路をポイント・ツー・ポイントの光通信システムに適用した例を示したが、ROADMノード等のより複雑な光通信システムに適用することも有用であり、適用対象は特に限定されない。
(その他の実施形態)
以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれている。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。本発明は前記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良は、本発明に含まれるものである。
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13…光伝送路
20,22…光通信システム
100…光ファイバ
101,102…光ファイバ断片(断片)
141,142,143,144,145…接続点
201,202,203,204,205,206,207,208,209,210,211,212,213,214,215,216,217,218,251,252,253,254,255,256,257,301,302,303,304,305,306,307,308,309,310,311,312,313,314,315,316,317,318,351,352,353,354,355,356,357…コア
271,272,273,274,275,276,277,278,279,371,372,373,374,375,376,377,378,379…コアセグメント
401,402…クラッド
411,412…被覆
A…軸線

Claims (8)

  1. 複数のコアを有する光ファイバを備え、
    前記複数のコアは、複数の伝搬モードを伝搬するように設定されたN個(Nは2以上の整数)のコアを含み、
    前記N個のコアは前記光ファイバの断面視でn回(nは2以上の整数)の回転対称になる位置に配され、且つ、2種類以上の異なる屈折率分布を有するコアからなり、
    前記光ファイバには少なくとも1箇所の接続点が設けられ、
    前記接続点において、前記光ファイバの一方の断片の断面における前記N個のコアの配置は、前記光ファイバの他方の断片の断面における前記N個のコアの配置を前記光ファイバの軸線を中心として、相対的にk・(360/m)°(mは1以外のnの約数、kは1≦k<mの整数)回転させたものであり、
    前記接続点のうちの少なくとも1箇所において、前記一方の断片のN個のコアのうちの少なくとも1つのコアの伝搬モード間の群遅延時間差が、前記1つのコアが接続される前記他方の断片のコアの伝搬モード間の群遅延時間差と逆符号であることを特徴とする光伝送路。
  2. 前記接続点は、前記光ファイバの長手方向において、前記一方の断片のN個のコアと前記他方の断片のN個のコアとの組み合わせのうち、伝搬モード間の群遅延時間差の絶対値が最大となるコアの組み合わせの伝搬モード間の群遅延時間差が極小値をとる位置に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光伝送路。
  3. 前記Nは偶数であり、
    前記N個のコアは2種類の屈折率分布を有するコアからなり、
    前記一方の断片のN個のコアのうち、前記2種類の屈折率分布のうち一方の種類の屈折率分布を有するN/2個のコアの単位長さあたりの伝搬モード間の群遅延時間差をa(1≦i≦Nであって、iはN/2個の整数)とし、前記2種類の屈折率分布のうち他方の種類の屈折率分布を有するN/2個のコアの単位長さあたりの伝搬モード間の群遅延時間差をa(1≦j≦Nであって、jはi以外の整数)とし、
    前記他方の断片のN個のコアのうち、伝搬モード間の群遅延時間差aを有するコアに接続されるコアの単位長さあたりの伝搬モード間の群遅延時間差をbとし、伝搬モード間の群遅延時間差aを有するコアに接続されるコアの単位長さあたりの伝搬モード間の群遅延時間差をbとし、
    前記一方の断片の長さをx、前記他方の断片の長さをx、前記光ファイバの全長をL=x+xとし、下記の(1)式及び(2)式:
    Figure 2016033627
    で求められるN/2個のDの絶対値と、N/2個のDの絶対値のうちの最大値が最小になるようにxが設定されていることを特徴とする請求項2に記載の光伝送路。
  4. 前記mは偶数であり、
    前記kはm/2であり、
    前記接続点における前記一方の断片と、前記他方の断片が同一種類の光ファイバで構成され、
    前記一方の断片の長さと、前記他方の断片の長さが等しいことを特徴とする請求項1に記載の光伝送路。
  5. 前記N個のコアは第1〜第3の屈折率分布を有する3種類のコアからなり、
    前記第1の屈折率分布は正の伝搬モード間の群遅延時間差であり、前記第2の屈折率分布は平均的に零の伝搬モード間の群遅延時間差であり、前記第3の屈折率分布は負の伝搬モード間の群遅延時間差であり、
    前記接続点において、前記一方の断片のN個のコアのうちの前記第1の屈折率分布を有するコアは前記他方の断片の前記第3の屈折率分布を有するコアに接続され、
    前記一方の断片のN個のコアのうちの前記第2の屈折率分布を有するコアは前記他方の断片の前記第2の屈折率分布を有するコアに接続され、
    前記一方の断片のN個のコアのうちの前記第3の屈折率分布を有するコアは前記他方の断片の前記第1の屈折率分布を有するコアに接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光伝送路。
  6. 前記N個のコアを有する光ファイバを前記接続点で切断し、前記他方の断片の断面を、前記一方の断片の断面に対し、前記軸線を中心にしてk・(360/m)°回転させ、前記一方の断片と回転させた前記他方の断片とを接続することで構成されていることを特徴とする請求項1〜5に記載の光伝送路。
  7. S本(Sは3以上の整数)の前記光ファイバを直列に接続して構成されている光伝送路であって、
    S−1箇所の接続点のそれぞれにおいて、一方の前記光ファイバのコアの配置に対し、他方の前記光ファイバのコアの配置がks・(360/m)°(sは1≦s≦Sの整数)回転した状態で前記一方の光ファイバと前記他方の光ファイバとが接続され、
    前記一方の光ファイバのコアの伝搬モード間の群遅延時間差と、該コアに接続される前記他方の光ファイバのコアの伝搬モード間の群遅延時間差とが異なることを特徴とする請求項1〜6に記載の光伝送路。
  8. 前記請求項1〜7に記載の光伝送路のうちの少なくとも何れか1つを伝送路に含むことを特徴とする光通信システム。
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