JP2016033626A - カメラ用フォーカルプレーンシャッタ、及びそれを備えたカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】
カメラの小型化、シャッタ速度や連写速度の向上の要求が高まるに伴い、シャッタ羽根を作動させるモータの高トルク化、高応答性が図られている。それにより、モータと近接して配置されたカメラ本体側の撮像素子に、モータからの磁気ノイズが影響する問題がある。
【解決手段】
モータと近接して配置された撮像素子との間に、シャッタの駆動機構を構成する一部材から延伸させた磁気シールド部を配置させることにより、高トルク化したモータからの磁気ノイズの影響を防ぐことができる。
【選択図】図1
カメラの小型化、シャッタ速度や連写速度の向上の要求が高まるに伴い、シャッタ羽根を作動させるモータの高トルク化、高応答性が図られている。それにより、モータと近接して配置されたカメラ本体側の撮像素子に、モータからの磁気ノイズが影響する問題がある。
【解決手段】
モータと近接して配置された撮像素子との間に、シャッタの駆動機構を構成する一部材から延伸させた磁気シールド部を配置させることにより、高トルク化したモータからの磁気ノイズの影響を防ぐことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを供えたカメラに関する。
近年のカメラにおいては、小型化の要求が強くなっているため、フォーカルプレンシャッタを含めたカメラ内部の各ユニットの小型化に加えて、カメラ内部のレイアウトの高密度化が図られている。そのため、フォーカルプレーンシャッタでは、シャッタ羽根を露光作動開始位置に作動させるためのモータがシャッタ地板と一体に設けられている。その一例として、比較的大きくて細長いモータを出来るだけ被写体光路用の開口部に近づけ、回転軸の長さ方向をシャッタ羽根の作動方向に合わせて配置することにより、フォーカルプレーンシャッタを小型化にする構成が以下の特許文献に示されている。
しかしながら、近年のカメラは、小型化に加えて、シャッタ速度や連写速度の向上がより一層要求され、それに対応するモータは、高トルク化や応答性向上のため、磁力の強い永久磁石を使用する必要があり、さらにモータ内のコイルへの通電量も増加している。特許文献1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、フォーカルプレンシャッタを小型化にするため、シャッタ羽根を露光作動開始位置に作動させるためのモータが、撮像素子に近くなるように配置されている。そのため、モータが、撮像素子の近くに配置されることにより、撮像素子の画像生成に対してモータの磁気ノイズの影響を受け易いという問題があった。
また、モータのケース本体は本来の磁気回路を形成する役割に加え、磁気ノイズを抑える役割を追加するとなると、専用の磁気シールド材料が必要となる。しかし、そのような磁気シールド材として用いられるパーマロイなどの高透磁率材料は、高コストや加工特性からモータ本体の高コスト化となり、それによりモータを備えたフォーカルプレンシャッタの高コスト化を招く一因となってしまう問題もあった。
本発明は、上記事情に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、モータによりシャッタ羽根を作動させるフォーカルプレンシャッタにおいて、構造の簡略化、低コスト化を図りつつ、カメラ本体側に配置される撮像素子とモータとを近接して配置させても、撮像素子が、モータから発生する磁気ノイズの影響を受けることを防止できるカメラ用フォーカルプレンシャッタ及びそれを備えたカメラを提供することを目的とする。
本発明は、上記事情に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、モータによりシャッタ羽根を作動させるフォーカルプレンシャッタにおいて、構造の簡略化、低コスト化を図りつつ、カメラ本体側に配置される撮像素子とモータとを近接して配置させても、撮像素子が、モータから発生する磁気ノイズの影響を受けることを防止できるカメラ用フォーカルプレンシャッタ及びそれを備えたカメラを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、被写体光路用の開口部を有し両者間に羽根室を形成する地板及び補助地板と、地板に回転可能に取り付けられたアーム及び該アームに連結された羽根とからなる少なくとも一組のシャッタ羽根と、シャッタ羽根を駆動させる駆動機構と、シャッタ羽根を露光作動開始位置に作動させるチャージ機構及びそのチャージ機構を駆動するモータと、駆動機構の一部材から延存させてモータとカメラ本体側に取り付けられた撮像素子との間に配置される磁気シールド部とを設けたことを特長とする。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、モータが取り付けられている地板側に撮像素子が配置されていることが好ましい。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、駆動機構の一部材が、駆動機構に取り付けられていて、そのシャッタ駆動機構から発生する塵埃の飛散を防止する防塵板であるようにすると好ましい。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、駆動機構の一部材が、シャッタ羽根の駆動源となる駆動ばねの付勢力を調整するラチェット車を支持する支持板であるようにすると好ましい。
さらに、本発明のカメラは、上記発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタを備えているようにすると好ましい。
本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたカメラによれば、モータによりシャッタ羽根を作動させるフォーカルプレンシャッタにおいて、構造の簡略化、低コスト化を図りつつ、カメラ本体側に配置される撮像素子とモータとを近接して配置させても、撮像素子が、モータから発生する磁気ノイズの影響を受けることを防止することができる。
本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。先ず、第一実施例について、図1、図2、図3を用いて説明するが、その説明に際しては、地板側を表面側と称し、補助地板側を背面側と称することにする。シャッタ地板1には、その略中央部に被写体光路用の開口部1aが形成されている。このシャッタ地板1と所定の間隔を空けて補助地板2が配置されていて、両者の間に羽根室を形成している。羽根室内には、先羽根用シャッタ羽根10と後羽根用シャッタ羽根11との二組のシャッタ羽根が配置されている。
先羽根用シャッタ羽根10は、周知のように地板1に回転可能に取り付けられた二つの先羽根用アーム8の先端側に向けて順に複数枚の羽根が回転可能に取り付けられている。また、後羽根用シャッタ羽根11は、先羽根用シャッタ羽根と同様に地板1に回転可能に取り付けられた二つの後羽根用アーム9の先端側に向けて順に複数枚の羽根が回転可能に取り付けられている。
そしてそれらのシャッタ羽根を作動させる機構は、詳しい図示を省略しているが、開口部1aの左側の領域に駆動機構3が設けられている。このシャッタ駆動機構は、実用化されている周知のものと同じでよいことから、各図においては直方体のブロックとして示してあるが、例えば、特開2001−281727号公報に記載されている構成と同じであっても構わない。即ち、シャッタ駆動機構3の構成部材としては、先羽根用シャッタ羽根と後羽根用シャッタ羽根に各々連結された二つの駆動部材、それらの二つの駆動部材の作動開始を各々制御するための二つの電磁石、それらの二つの駆動部材を各々作動させるための二つの駆動ばね、それら二つの駆動部材を駆動ばねの付勢力に抗して露光作動開始位置である二つの電磁石に吸着される位置まで作動させるセット部材、それらの二つの駆動ばねの付勢力を各々調整可能にするための二つのラチェット車等が含まれる。さらに、地板1の表面側には、地板1と所定の間隔を空けて、各々二つの駆動部材、電磁石、ラチェット車を地板1との間で支持する支持板や、電磁石に通電するためのプリント配線板などが配置されている。
また、地板1には、各シャッタ羽根を露光作動開始位置に作動させるためのチャージ機構4やチャージ機構の駆動源となるDCモータであるモータ5が配置されている。このチャージ機構4は、上記の駆動機構3と同様に実用化されている周知のものと同じでよいことから、各図においては直方体のブロックとして示してあるが、例えば、特開2002−162669号公報に記載されている構成と同じであっても構わない。即ち、チャージ機構の主な構成部材としては、モータの駆動力を伝達する歯車やレバーやカム等が含まれる。そして上記のチャージ機構の駆動源となるDCモータのモータ5は、適宜な手段により地板1の表面側にとりつけられていて、回転子としてのコイル5aと、コイル5aを囲むようにして配置された永久磁石5bと、コイル5aと一体になった出力軸5cとを有し、出力軸5cがチャージ機構に連結されている。
また、駆動機構3の側面には、駆動機構から発生する塵埃を飛散させないようにする防塵部材7が取り付けられている。この防塵板7は、磁性体の金属鋼板により形成されていて、二つのフック部7a、7bと、上記したモータ5の磁気ノイズを抑える磁気シールド部7c、7d,7eを一体的に備えている。この防塵板7は、二つのフック部7a,7bを駆動機構3に適宜な手段で掛け止めさせることにより取り付けられており、更に、磁気シールド部7c,7d,7eが、モータ5の一部を覆うようにしている。
また、シャッタ地板1には、モータと5と近接するようにして、カメラ本体側に取り付けられた撮像素子6が配置されている。この撮像素子は、第一実施例においては、撮像面を地板1側にして配置されているが、撮像面を地板1とは反対側に向けるように配置しても差し支えない。
次に作動について説明する。本実施例のフォーカルプレンシャッタは、実用化されている周知のフォーカルプレーンシャッタと同様で、図2は、露光動作開始前の状態を示しており、カメラ側のレリーズボタンが押されると、先羽根用シャッタ羽根が先羽根用駆動部材により図面下方に作動させられる。これにより、開口部1aを覆っている先羽根用シャッタ羽根10が作動して開口部1aを開放してゆき、その所定時間後に後羽根用シャッタ羽根11が、後羽根用駆動部材により開口部1aを覆うように作動する。これにより撮影が終了する。次にモータ5が回転してチャージ機構4を作動させ、セット部材により駆動ばねの付勢力に抗して二つの駆動部材を図1に示された状態に復帰させる。このような作動は、シャッタ速度の高速化や、連写速度の高速化によりモータ5の高トルク化や高応答性が要求されるため、モータ5からの磁気ノイズが多くなり、近接して配置された撮像素子に影響を与えることになる。
しかし、本実施例においては、モータ5と撮像素子6は地板1の同じ側に近接して配置されているが、ステンレスや鋼板を用いて作成された防塵カバー7は、一体的に磁気シールド部7c,7d,7eを形成してモータ5と撮像素子6の間に配置されているので、駆動機構3の防塵機能だけでなく、モータ5による磁気ノイズの影響を撮像素子に与えないようにできる。
つまり、防塵カバー7をモータ5と撮像素子6の間を磁気的に仕切るような形状にすることで、駆動機構3の塵埃の出入りを遮断するという機能に加え、モータ5の磁気ノイズを遮断する役割も与えられる。また防塵カバー7は、図3で示すようにフック部7a、7bを駆動機構3に掛け止めするだけで取り付けられるので、モータ5の磁気ノイズを遮断するために専用の部材が必要なくなり、低コスト化の維持でできる。
次に第二実施例について、図4、図5を用いて説明する。第二実施例は、第一実施例と基本構成は同じだが、以下に相違する点を述べる。第一実施例では防塵カバーの磁気シールド部7c,7d,7eによりモータ5の磁気ノイズを対策したが、本実施例では支持板12を用いて磁気ノイズ対策を行うものである。
支持板12は、シャッタ地板1と板面を平行にし、且つシャッタ地板1と所定の空間を保って配置され、それらの間に、上記した駆動部材、駆動ばね、セット部材、ラチェット車等を支持する板部材である。この支持板には、一体的に形成された磁気シールド部12a,12bが形成されていて、モータ5と撮像素子6の間に配置されることにより、モータ5と撮像素子6の間を磁気的に仕切ることでモータ5の磁気ノイズが撮像素子6に与える影響を防止することができる。これにより第一実施例と同様に、モータ5の磁気ノイズを遮断するための専用の部材が必要なくなり、低コスト化が維持できる。
尚、上記した二つの実施例においては、先羽根用シャッタ羽根と後羽根用シャッタ羽根とを備えているようにしたが、本発明は、少なくとも一つのシャッタ羽根により構成するようにしても差し支えない。
以上、述べたように、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、チャージ機構を駆動するモータを撮像素子に近接して配置しても撮像素子に磁気ノイズの影響を与えないようにできるため、一眼カメラ、ミラーレスカメラ等のカメラに適用できる。
1 地板
1a 開口部
2 補助地板
3 駆動機構
4 チャージ機構
5 モータ
5a コイル
5b 永久磁石
5c 出力軸
6 撮像素子
7 防塵カバー
7a,7b フック部
7c,7d,7e 磁気シールド部
8,9 アーム
10 先羽根用シャッタ羽根
11 後羽根用シャッタ羽根
12 支持板
12a,12b 磁気シールド部
1a 開口部
2 補助地板
3 駆動機構
4 チャージ機構
5 モータ
5a コイル
5b 永久磁石
5c 出力軸
6 撮像素子
7 防塵カバー
7a,7b フック部
7c,7d,7e 磁気シールド部
8,9 アーム
10 先羽根用シャッタ羽根
11 後羽根用シャッタ羽根
12 支持板
12a,12b 磁気シールド部
Claims (5)
- 被写体光路用の開口部を有し両者間に羽根室を形成する地板及び補助地板と、前記地板に回転可能に取り付けられたアーム及び該アームに連結された羽根とからなる少なくとも一組のシャッタ羽根と、前記シャッタ羽根を駆動させる駆動機構と、前記シャッタ羽根を露光作動開始位置に作動させるチャージ機構及び該チャージ機構を駆動するモータと、前記駆動機構の一部材から延存させてカメラ本体側に取り付けられた撮像素子と前記モータの間に配置される磁気シールド部とを設けたことを特長とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記モータが取り付けられている地板側に撮像素子が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記駆動機構の一部材が、該駆動機構から発生する塵埃の飛散を防止する防塵板であることを特徴とする請求項2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記駆動機構の一部材が、シャッタ羽根の駆動源となる駆動ばねの付勢力を調整するラチェット車を支持する支持板であることを特徴とする請求項2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタを備えていることを特徴とするカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014157106A JP2016033626A (ja) | 2014-07-31 | 2014-07-31 | カメラ用フォーカルプレーンシャッタ、及びそれを備えたカメラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014157106A JP2016033626A (ja) | 2014-07-31 | 2014-07-31 | カメラ用フォーカルプレーンシャッタ、及びそれを備えたカメラ |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016033626A true JP2016033626A (ja) | 2016-03-10 |
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JP2014157106A Pending JP2016033626A (ja) | 2014-07-31 | 2014-07-31 | カメラ用フォーカルプレーンシャッタ、及びそれを備えたカメラ |
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JP (1) | JP2016033626A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019184921A (ja) * | 2018-04-13 | 2019-10-24 | キヤノン株式会社 | 撮像装置 |
WO2020253210A1 (zh) * | 2019-06-20 | 2020-12-24 | 歌尔股份有限公司 | 摄像头升降装置和智能终端 |
-
2014
- 2014-07-31 JP JP2014157106A patent/JP2016033626A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019184921A (ja) * | 2018-04-13 | 2019-10-24 | キヤノン株式会社 | 撮像装置 |
JP7154804B2 (ja) | 2018-04-13 | 2022-10-18 | キヤノン株式会社 | 撮像装置 |
WO2020253210A1 (zh) * | 2019-06-20 | 2020-12-24 | 歌尔股份有限公司 | 摄像头升降装置和智能终端 |
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