JP2016033569A - 振動抑制装置を備えたレンズ鏡筒 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズ鏡筒に共振周波数を変更する手段を持つ動吸振器を取付けることにより、複数の駆動速度において効果的に振動、騒音を抑制できるレンズ鏡筒を提供すること。【解決手段】少なくとも1つのレンズ群と、前記レンズ群を保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を移動可能に支持する本体枠と、前記レンズ群を可動するアクチュエータを備えたレンズ鏡筒において、前記レンズ保持枠、あるいは本体枠に少なくとも1つの動吸振器を備え、前記動吸振器の共振周波数を変更する手段を持つことを特徴とする構成とした。【選択図】図1

Description

本発明は、振動抑制装置を備えたレンズ鏡筒に関する。
従来、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの光学機器ではズーム機構、フォーカス機構、防振機構が設けられている。これらはアクチュエータの駆動によりレンズ保持枠が移動させられることにより実現されている。このようなアクチュエータの駆動によるレンズ保持枠の移動に伴いレンズ保持枠に生じる振動がレンズ鏡筒の振動、騒音の原因となっている。レンズ鏡筒の振動、騒音はデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどの光学機器に搭載されているマイクに騒音として録音される。
一方、近年はデジタルビデオカメラにおける記録メディアの無音化やデジタルスチルカメラにおける動画対応化によりマイクに録音される騒音の静音化が強く要望されている。
現在、マイクに録音される騒音対策として、マイクに録音された信号に対し周波数領域ごとに重み付けを行うことで騒音を抑圧する信号処理を行う方法や、マイクをゴム材などで支持することでレンズ鏡筒からマイクに伝達する振動を減衰させる方法がある。
しかしながら、前者においては騒音以外の音も抑圧してしまう問題がある。後者においてはレンズ鏡筒から生じる騒音がマイクに録音されてしまう。
以上のことから、マイクに録音される騒音の原因であるレンズ鏡筒の振動、騒音の低減が重要課題である。
また、レンズ鏡筒に生じる振動、騒音はカメラ本体を伝播し、操作時に手に振動が伝わる、騒音が耳に聞こえるなどの品位の悪化にもつながっている。このような観点からもレンズ鏡筒の振動、騒音の低減は重要である。
デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの光学機器では、ズーミングやフォーカシング、あるいは沈胴時にいくつかの異なる駆動速度でレンズ保持枠が移動させられるため異なる周波数でレンズ鏡筒が振動し、それにより生じる振動、騒音が問題となる。加えて、フォーカシングにおいてはズームレンズの位置によりフォーカスレンズは異なる駆動速度が用いられ同様に異なる周波数の振動、騒音が生じる。
従来、レンズに生じる振動の抑制手段として本体枠に動吸振器を取付ける方法が開示されている(特許文献1参照)。
特許第2951943号公報
特許文献1に記載の動吸振器は、ある1つの共振周波数のみを持つため効果の得られる駆動速度は限定される。さまざまな駆動速度を用いる場合にそれぞれの駆動速度において効果的な振動抑制効果は得られない。
本発明の目的は、レンズ鏡筒に共振周波数を変更する手段を持つ動吸振器を取付けることにより、複数の駆動速度において効果的に振動、騒音を抑制できるレンズ鏡筒を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも1つのレンズ群と、前記レンズ群を保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を移動可能に支持する本体枠と、前記レンズ群を移動するアクチュエータを備えたレンズ鏡筒において、前記レンズ保持枠、あるいは本体枠に少なくとも1つの動吸振器を備え、前記動吸振器の共振周波数を変更する手段を持つことを特徴とする。
本発明によれば、動吸振器に共振周波数を変更する手段を設けることで、複数の駆動速度において効果的に振動、騒音を抑制できるレンズ鏡筒を提供できる。
本発明の第1の実施形態における二群鏡筒(ズーム移動鏡筒)とズームモータの斜視図である。 前記第1の実施形態における、レンズ鏡筒の分解斜視図である。 前記第1の実施形態における、二群鏡筒と動吸振器の上面図である。 前記第1の実施形態における、動吸振器の状態1と状態2の上面図と断面図である。 二群鏡筒の振動モード形状図である。 前記第1の実施形態における、状態1と状態2の動吸振器取付け時の二群鏡筒の振動周波数と振動応答の関係を示したグラフである。 第2の実施形態における、フォーカス移動鏡筒と固定筒の上面図である。 前記第2の実施形態における、動吸振器の状態1と状態2の上面図とフォーカス移動鏡筒と固定筒の断面図である。 前記第2の実施形態における、レンズ鏡筒の焦点距離とフォーカスレンズの合焦位置の関係を示したグラフである。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
[実施形態1]
以下、本発明の第1の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(レンズ鏡筒の構造)
図2は本発明の実施形態1のレンズ鏡筒の分解斜視図を表わしている。光軸の前方から、固定の一群鏡筒1、前固定筒2、変倍を行う二群鏡筒(ズーム移動鏡筒)3、二群鏡筒3に取付けられた動吸振器11、絞りユニット4、三群鏡筒5、後部固定筒6、フォーカス調整を行う四群鏡筒(フォオーカス移動鏡筒)7、後部枠8が配列されている。
一群鏡筒1は固定で正の屈折力の一群レンズL1を有し、前固定筒2にビスにより固定されている。二群鏡筒(ズーム移動鏡筒)3は変倍(ズーミング)を行う負の屈折力の二群レンズL2を有している。ズーミングに際してズームモータ9により光軸方向に移動するようにされており、フォトインタラプタ10によって二群鏡筒(ズーム移動鏡筒)の位置検出をおこなっている。絞りユニット4は後固定筒6にビスにより固定されている。
三群鏡筒5は固定で正の屈折力のレンズL3を有し、後固定筒6にビスにより固定されている。また、後固定筒6内には正の屈折力の四群レンズL4を有し、リニアアクチュエータにより光軸方向に移動しフォーカス調節を行う四群鏡筒(フォオーカス移動鏡筒)7が設けられている。後固定筒6後部には不図示の撮像素子が取り付けられる後部枠8がビスにより固定されている。
図1は二群鏡筒3とズームモータ9の斜視図である。二群鏡筒3は二群レンズL2と二群レンズL2を保持する二群レンズ保持枠31、二群レンズ保持枠31に取り付けられるラック34、ラック34を二群レンズ保持枠に付勢するためのラック付勢ばね35により構成されている。また、二群レンズ保持枠31には動吸振器11が取付けられている。二群レンズ保持枠31は、ガイドバー32が挿入されるスリーブ穴31a、及びガイドバー33が係合するU字溝31bを有している。ガイドバー32、ガイドバー33のそれぞれの前端が前固定筒2に設けた軸受け部に圧入固定されている。また、ガイドバー32、ガイドバー33のそれぞれの後端は後部固定筒6に設けられた軸受け部に圧入固定されている。前固定筒2はビスによって後固定筒6に固定されている。二群鏡筒3はこれらのガイドバー32、33をガイド部材として、前固定筒2内において光軸方向に移動自在に保持される。
ズームモータ9は、コの字形をした板金に駆動部と出力ネジ部9aが一体に保持されており、後固定筒6にビスで固定されている。また、フォトインタラプタ10は、後固定筒6にビスで固定されている。
一方、二群レンズ保持枠31にはラック34が取付けられており、ラック34がズームモータ9の出力ネジ部9aと噛合することによって光軸方向に駆動される。この際ラック34は、二群レンズ保持枠31に光軸方向にそって形成された穴部31c、31dに軸部34a、軸部34aの反対側に同様に形成された不図示の軸部を嵌合させて取付けられ、二群レンズ保持枠31に対して前記軸部34a、軸部34aの反対側に同様に形成された不図示の軸部を中心に回動可能となっている。このため、ガイドバー32、33と出力ネジ部9aとの平行度にずれがあっても二群鏡筒3がスムーズに移動できるようになっている。
ラック34はラック付勢ばね35によって出力ネジ部9aとの噛合方向と、光軸方向に付勢されており、ラック34と出力ネジ部9aとの噛合いガタと、ラック34と二群レンズ保持枠31とのスラストガタを取り除くようにしている。このためラック34の噛合部とモータ9の出力ネジ部9aとを確実に噛合させることができる。
ズーミングの際にはズームモータ9の駆動力が出力ネジ9aからラック34を介し二群レンズ保持枠31に伝達され、二群レンズ保持枠31が共振を含んだ振動をする。その際に、ガイドバー32、33と二群レンズ保持枠31との間で叩き音が生じる。また、レンズ保持枠31の振動がガイドバー32、33、ラック34および出力ネジ9aを介し本体枠(前固定筒2、後固定筒6、一群鏡筒1、後部枠8)に伝達される。
二群レンズ保持枠31は振動抑制装置としての動吸振器11が備えられており、動吸振器11は図1、図3、図4に示すように例えば銅や鉛、ステンレス等の金属あるいはモールドやゴム材によって形成された吸振体としての錘部材12を有し、錘部材12はバネ用リン青銅やステンレス等の金属あるいはモールドやゴム材によって薄板状に形成された弾性部材13を介して支持部材14とビス20によって二群レンズ保持枠31に一体的に取り付けられている。また、動吸振器11は弾性部材13のばねとして作用する長さ(以降ばね長と表記)を変更するための機構として、二群レンズ保持枠31に接着により一体的に固定されたコイル16及びヨーク17と、マグネット18が接着により一体的に固定され二群レンズ保持枠31により移動可能に支持された移動支持部材15を備えている。移動支持部材15は二群レンズ保持枠31に取付けられたばね19により付勢されている。
(ズームモードについて)
本実施例におけるレンズ鏡筒は二つのズームモードを持っている。ズームモード1は通常撮影時に用いられるズームモードで、駆動速度域R1の駆動速度が用いられる。ズームモード2は通常撮影時と比較してより速いズーミングを行いたい場合に用いられるズームモードで、駆動速度域R2の駆動速度が用いられる。ズームモード2の駆動速度域R2ではズームモード1の駆動速度域R1に対して高い駆動速度によりズーミングが行われる。
(二群鏡筒の振動モード形状について)
本実施例におけるレンズ鏡筒における二群鏡筒3は図5(a)に示すように円筒部3aと板状部3bから一体的に構成されている。図5中に示すC1は光軸を、C2は円筒部中心線を、C3はガイドバー33の中心線を、f1およびf2はそれぞれの振動モード形状の節の位置を表わしている。また、二群鏡筒3の振動周波数と振動応答の関係は図6中に破線で示している。二群鏡筒3は図6に示したように共振周波数ω1とω2においてそれぞれ異なる振動モードを持つ。二群鏡筒3のそれぞれの振動モード形状を示しているのが、図5(b)と図5(c)である。共振周波数ω1においては図5(b)の振動モード形状を、共振周波数ω2においては図5(c)の振動モード形状を持つ。
振動モード形状1(共振周波数ω1時)においては図5(b)に示したように、板状部3aが円筒部中心線上の点f1を節とし振動しており円筒部3bはほとんど振動しない。この振動モード形状1は板状部3aと円筒部3b間の剛性に起因するものである。
振動モード形状2(共振周波数ω2時)においては図5(c)に示したように、円筒部3aと板状部3bが光軸上の点f2を節とし一体的に振動する。この振動モード形状2は二群鏡筒3が備えるラック付勢ばね35の弾性と二群鏡筒3とガイドバー32との取付けガタ(図中にはgと表記)、ズームモータ9の出力ネジ9の剛性などに起因するものである。
本実施例におけるレンズ鏡筒は二つのズームモードを持ちそれぞれ駆動速度域R1、R2が用いられる。それぞれの駆動速度域において生じる振動の周波数成分の領域を図6に示している。図6から分かるように駆動速度域R1を用いるズームモード1においては二群鏡筒3が図5(b)に示したモード形状の共振を含んで振動する。また、駆動速度域R2を用いるズームモード2においては二群鏡筒3が図5(c)に示したモード形状の共振を含んで振動する。よって、それぞれのズームモード(ズーム駆動速度域)で異なる周波数の共振振動が生じている。これらそれぞれの共振振動はともにレンズ鏡筒に伝達され振動、騒音として問題となる。
(動吸振器の共振周波数の変更手段について)
本実施例の動吸振器11は、ばね長の違いにより図4に示すように二つの状態を持つ。
図4(a)に示すように状態1においては、弾性部材13のばね長はb1となる。この状態1では、移動支持部材に一体的に固定されたマグネット18が二群レンズ保持枠に接着固定されたヨーク17に対する磁気吸着により移動支持部材15は弾性部材13に対して非接触状態が保たれている。
図4(b)に示すように状態2においては、弾性部材13のばね長はb2となる。この状態2では、二群レンズ保持枠31に取付けられたばね19の付勢力により移動支持部材15は弾性部材13に対し接触状態が保たれている。状態1から状態2に状態を移行する際には、コイル16に通電しヨーク17とマグネット18との間に電磁力による反発力を発生させて、状態2に移行させる。状態2に移行した後は、コイル16への通電を切る。
状態2から状態1に状態を移行する際には、コイル16に状態1から状態2に移行する際とは逆方向に通電しヨーク17とマグネット18との間に電磁力による吸引力を発生させて、状態1に移行させる。状態1に移行した後は、コイル16への通電を切る。
動吸振器11は状態1、状態2においてそれぞれ異なるばね長b1、b2となる。このばね長の変化により、動吸振器11の共振周波数はそれぞれの状態によって異なったものとなる。
(動吸振器の錘とばねについて)
錘部材12は、二群鏡筒3の振動モードに対応する質量に基づいて設定されている。具体的には、制振対象物の10%程度を選択することで効果的な振動抑制効果が得られることが振動工学的に知られており、ここでは二群鏡筒3の10%に設定されている。また、弾性部材13のばね長は動吸振器11の状態1、状態2がそれぞれ図6の破線で示すように二群鏡筒3の共振周波数ω1、ω2とほぼ一致するように設定されている。具体的には、二群鏡筒3の共振周波数をω、錘部材12の質量をm、弾性部材13のばね定数をkとすると、ω=k/mの関係式を満足するようなばね定数kとなるようにばね長を設定している。
動吸振器11の錘部材12は、その底部において弾性部材13と接着により一体的に固定されている。また、弾性部材13は支持部材14とビス20によって二群レンズ保持枠31に固定されている。このように、錘部材12が弾性部材13を介して一体的にレンズ保持枠31に取り付けられる構成となっている。
(ズーミング時の動作)
続いて上記の構成のレンズ鏡筒におけるズーミング動作について以下に説明する。ズーミングの際には二群鏡筒3が光軸方向に移動させられる。ズームモータ9が駆動し出力ネジ部9aが回転する。出力ネジ部9aが回転することにより二群レンズ保持枠31に取り付けられているラック34が光軸方向に移動させられることで二群鏡筒3は光軸方向に移動する。ズーミングによる二群鏡筒3の移動に伴い、二群鏡筒3に図5に示すような振動モード形状を含んだ振動が発生し、二群レンズ保持枠31が振動する。二群レンズ保持枠31に振動が発生すると、動吸振器11の錘部材12が励振され連成振動する。本実施例の動吸振器11はズーム駆動速度域(ズームモード)によって状態1、状態2を切り換える。よって、それぞれのズーム駆動速度域において連成振動による動吸振器11の共振周波数は二群鏡筒3の共振周波数と略一致させているので、動吸振器11は連成振動により共振を起こす。前記動吸振器11の共振により二群鏡筒3に生じる振動の振動エネルギーを動吸振器11が吸収し二群鏡筒3の振動が低減される。二群鏡筒3の振動が低減されることによりガイドバー32、33と二群レンズ保持枠31との間で生じる叩き音、および本体枠(前固定筒2、後固定筒6、一群鏡筒1、後部枠8)に伝達される振動が低減できる。
次に、本実施形態のレンズ鏡筒の振動低減効果を示す。図6は二群鏡筒3の振動応答と振動周波数の関係を示し、破線は動吸振器11を取り付けていないときの値、実線は動吸振器11を取付けているときの値を示している。図6(a)は状態1の動吸振器11を取り付けたとき、図6(b)は状態2の動吸振器11を取り付けたときの値である。図6に破線で示すように、二群鏡筒3はいくつかの共振周波数をもっており、これらの共振周波数とズームモータ駆動速度が一致する場合に大きな振動が生じる。
本実施例におけるレンズ鏡筒は二つのズームモードを持ちそれぞれ駆動速度域R1、R2が用いられる。それぞれの駆動速度域において生じる振動の周波数成分の領域を図6に示している。ズームモード1では駆動速度域R1が用いられる。その際に二群鏡筒3に生じる振動の周波数成分を図6(a)に示している。図6(a)から分かるようにズームモード1(駆動速度域R1)では二群鏡筒3は周波数ω1の共振を含む振動が生じる。ズームモード2では駆動速度域R2が用いられるその際に二群鏡筒3に生じる振動の周波数成分を図6(b)に示している。図6(b)から分かるようにズームモード2(駆動速度域R2)では二群鏡筒3は周波数ω2の共振を含む振動が生じる。このようにそれぞれのズームモードで異なる周波数の共振振動が生じている。これらそれぞれの共振振動はともにレンズ鏡筒に伝達され振動、騒音として問題となる。
上記のような問題に対し、本実施形態のレンズ鏡筒では図6(a)、図6(b)の実線で示すように、駆動速度域R1を用いるズームモード1においては動吸振器11を状態1に設定し、駆動速度域R2を用いるズームモード2においては動吸振器11を状態2に設定することで異なる駆動速度域が用いられるそれぞれのズームモードにおいて二群鏡筒3に生じる共振振動を低減できる。これによりレンズ鏡筒に生じる振動、騒音を低減できる。
このように本実施の形態では、異なるズーム駆動速度域で用いられるレンズ鏡筒においてそれぞれのズーム駆動速度域に応じて動吸振器11の共振周波数を変更する手段を設け、動吸振器11の連成振動を二群鏡筒3の振動モードの共振周波数とほぼ一致させることで二群鏡筒に生じる振動を低減することができる。すなわち異なるズーム駆動速度域においてレンズ鏡筒に生じる騒音、振動をそれぞれ低減することができる。
[実施形態2]
以下、本発明の第2の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(レンズ鏡筒の構造)
図7は本実施例のレンズ鏡筒におけるフォーカス移動鏡筒40と固定筒42の上面図、図8は本実施例の動吸振器の上面図とフォーカス移動鏡筒40と固定筒42の断面図である。図7、8に示すようにフォーカス移動鏡筒40はフォーカスレンズL11と、フォーカスレンズL11を保持するフォーカスレンズ保持枠41、フォーカスレンズ保持枠41に取付けられるラック45、不図示のラック付勢ばねにより構成されている。フォーカスレンズ保持枠41は実施形態1の二群レンズ保持枠31同様、ガイドバー43が係合するU字溝41a、及びガイドバー44が挿入される不図示のスリーブ穴を有している。ガイドバー43、ガイドバー44のそれぞれの前端、後端が固定筒42により支持されている。フォーカス移動鏡筒40はこれらのガイドバー43、44をガイド部材として光軸方向に移動自在に保持される。
フォーカスレンズ保持枠41に取り付けられているラック45が不図示のフォーカスモータの出力ネジ部と噛合することによって光軸方向に駆動されフォーカシングを行うことができる。
フォーカシングの際にはズームモータの駆動力が出力ネジからラック44を介しフォーカスレンズ保持枠41に伝達され、フォーカスレンズ保持枠41が共振を含んだ振動をする。その際に、ガイドバー43、44とフォオーカスレンズ保持枠41との間で叩き音が生じる。また、レンズ保持枠41の振動がガイドバー43、44、ラック45およびフォーカスモータの出力ネジを介し固定筒42に伝達される。
フォーカスレンズ保持枠41は振動抑制装置としての動吸振器50を備えており、動吸振器50は図7、図8に示すように例えば銅や鉛、ステンレス等の金属あるいはモールドやゴム材によって形成された吸振体としての錘部材51を有し、錘部材51は弾性部材52を介して支持部材53とビス56によってフォーカスレンズ保持枠41に一体的に取り付けられている。動吸振器50は弾性部材52のばね長を変更するための機構として、フォーカスレンズ保持枠41により移動可能に支持された移動支持部材54と移動支持部材54の移動方向に付勢するばね55を備えている。また、固定筒42は光軸方向に延びた固定筒凸部42aを備えている。
(フォーカス移動鏡筒40駆動速度について)
本実施例におけるレンズ鏡筒のフォーカス移動鏡筒40の駆動速度について図9をもとに説明する。図9は撮影対象物までの距離が至近時と無限時の本実施例のレンズ鏡筒の焦点距離に対するフォーカスレンズL11の合焦位置を示したものである。撮影対象物が至近にある場合のフォーカスレンズL11の合焦位置は、焦点距離による変化が比較的小さい。それに対し撮影対象物までの距離が無限にある場合のフォーカスレンズL11の合焦位置は広角側から望遠側に焦点距離が変化した際にある焦点距離(図9中に破線で表記)までは変化が小さいが、ある焦点距離を境に合焦位置の変化が大きくなる。言い換えると、あるフォーカスレンズL11の合焦位置(図9中に一点鎖線で表記)を境にして焦点距離による合焦位置の変化が大きくなる。一方、フォーカシングの際の合焦動作にかかる時間は焦点距離によらず一定としたい場合がある。そこで、合焦動作にかかる時間を一定とするためには合焦位置の変化が小さいフォーカスレンズL11の合焦位置の範囲D1と比較して、合焦位置の変化が大きいフォーカスレンズL11の合焦位置の範囲D2ではフォーカスレンズL11の移動速度、つまりフォーカス移動鏡筒40の駆動速度を高くする必要がある。
(フォーカス移動鏡筒の振動モード形状について)
本実施例のレンズ鏡筒におけるフォーカス移動鏡筒40は実施例1と同様の構成のため、振動モード形状は図5に示したものと同様である。本実施例におけるレンズ鏡筒は焦点距離によりフォーカス移動鏡筒40の駆動速度が異なり、フォーカスレンズL11の合焦位置の範囲D1で用いる駆動速度域R1、フォーカスレンズL11の合焦位置の範囲D2で用いる駆動速度域R2が用いられる。それぞれの駆動速度域では図6に示すように異なる周波数の共振振動が生じている。図6から分かるように駆動速度域R1を用いる合焦位置範囲D1においてはフォーカス移動鏡筒40が図5(b)に示した振動モード形状の共振を含んで振動する。また、駆動速度域R2を用いる合焦位置範囲D2においてはフォーカス移動鏡筒40が図5(c)に示した振動モード形状の共振を含んで振動する。よって、それぞれの合焦位置範囲(フォーカス駆動速度域)で異なる周波数の共振振動が生じている。これらそれぞれの共振振動はともにレンズ鏡筒に伝達され振動、騒音として問題となる。
(動吸振器の共振周波数の変更手段について)
本実施例の動吸振器50は、ばね長の違いにより図8に示すように二つの状態を持つ。
図8(a)に示すように状態1においては、弾性部材52のばね長はb3となる。状態1は、固定筒42に対してフォーカス移動鏡筒40の位置が広角側(図8にD1と表記)にあるときにとる状態である。移動支持部材54がばね55の付勢力により弾性部材52に対して非接触状態が保たれている。図8(b)に示すように状態2においては、弾性部材52のばね長はb4となる。状態2は、固定筒42に対してフォーカス移動鏡筒40の位置が望遠側(図8にD2と表記)にあるときにとる状態である。移動支持部材54が固定筒凸部42aにより光軸中心に向かって押し上げられ弾性部材52に対して接触状態が保たれている。
以上に示したように動吸振器50はフォーカス移動鏡筒40と固定筒42との相対位置の変化により状態1、状態2の状態となる。状態1、状態2ではそれぞれ異なるばね長b3、b4となる。このばね長の変化により、動吸振器50の共振周波数はそれぞれの状態によって異なったものとなる。
(動吸振器の錘とばねについて)
錘部材51とばね52の質量とばね定数の設定については実施形態1と同様である。
(フォーカシング時の動作)
フォーカシングの際にはフォーカス移動鏡筒40が光軸方向に移動させられる。動作原理は実施形態1のズームミング時の動作原理と同様である。フォーカシングによりフォーカスレンズ保持枠41に振動が発生する。フォーカスレンズ保持枠41に振動が発生すると、動吸振器50の錘部材51が励振され連成振動する。本実施例の動吸振器50は固定筒42とフォーカス移動鏡筒40の相対位置(レンズ鏡筒の焦点距離)によって状態1、状態2が切り換えられる。よって、フォーカスレンズL11の合焦位置範囲D1、D2において動吸振器50の共振周波数はフォーカス移動鏡筒40の共振周波数と略一致させているので、動吸振器50は連成振動により共振を起こす。前記動吸振器50の共振によりフォーカス移動鏡筒40に生じる振動の振動エネルギーを動吸振器50が吸収しフォーカス移動鏡筒40の振動が低減される。それによりガイドバー43、44とフォーカスレンズ保持枠41との間で生じる叩き音、およびレンズ鏡筒に伝達される振動が低減できる。
このように本実施の形態では、異なるフォーカス駆動速度域で用いられるレンズ鏡筒において固定筒42とフォーカス移動鏡筒40との相対位置によって動吸振器50の共振周波数を変更する手段を設け、それぞれのフォーカス駆動速度域に応じて変更させ、動吸振器50の連成振動をフォーカスレンズ保持枠41の振動モードの共振周波数とほぼ一致させることでフォーカス移動鏡筒40に生じる振動を低減することができる。すなわち異なるフォーカス駆動速度域においてレンズ鏡筒に生じる騒音、振動をそれぞれ低減することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。上記実施形態では、動吸振器をレンズ保持枠に取付ける構成としたが、これに限らない。
例えば、レンズ鏡筒の本体枠に取付けても良い。上記実施形態では、ズーミング時、フォーカシング時に生じる振動低減を目的とし動吸振器を取り付ける構成としていたが、これに限らない。沈胴鏡筒などで、沈胴時に通常撮影時とは異なる駆動速度を用いる場合に生じる振動を低減する目的で動吸振器を取り付けても良い。
上記実施形態では、レンズ保持枠が二つの異なる駆動速度域で駆動される場合に動吸振器が二つの状態を持つとしたが、これに限らない。二つ以上の複数の駆動速度域でレンズ保持枠が駆動される場合でも良い。また、動吸振器の状態は二つ以上の複数の状態を持っていても良い。
上記実施形態では、レンズ保持枠が異なる駆動速度域で駆動される場合に動吸振器がいくつかの状態を持つとしたが、これに限らない。駆動速度の変化に伴って連続的に動吸振器の共振周波数を変更する構成としても良い。
上記実施形態では、動吸振器の共振周波数を変更する手段として移動支持部材と弾性部材との接触状態を接触状態と非接触状態に切り換える構成としたが、これに限らない。常に移動支持部材が弾性部材に接触した状態で弾性部材のばね長方向に移動支持部材が移動することで弾性部材のばね長を変更する構成としても良い。
上記第2の実施形態では、本体枠に形成した凸部による機構的な構成を移動支持部材の移動手段としていたが、これに限らない。本体枠に形成した凹部による機構的な構成を移動支持部材の移動手段としても良い。
上記実施形態では、マグネットとコイルによる電磁力、あるいは凸部による機構的な構成を移動支持部材の移動手段としていたが、これに限らない。ステッピングモータや形状記憶合金、リニアアクチュエータなどのアクチュエータの駆動によって移動支持部材を移動させても良い。
本発明に係るレンズ鏡筒では、レンズ鏡筒の振動、騒音の低減を図ることができる。このため、本発明は、動画撮影機能を有するデジタルスチルカメラ、デジタル一眼レフカメラおよびデジタルビデオカメラなどのカメラの分野で有用である。
L1 一群レンズ、L2 二群レンズ、L3 三群レンズ、L4 四群レンズ、
1 一群鏡筒、2 前固定筒、3 二群鏡筒(ズーム移動鏡筒)、4 絞りユニット、
5 三群固定鏡筒、6 後固定筒、7 四群鏡筒(フォーカス移動鏡筒)、8 後部枠、
9 ズームモータ、10 フォトインタラプタ、11 動吸振器、12 錘部材、
13 弾性部材、14 支持部材、15 移動支持部材、16 コイル、17 ヨーク、
18 マグネット、19 ばね、20 ビス、31 二群レンズ保持枠、
31a スリーブ穴、31b U字溝、32,33 ガイドバー、34 ラック、
35 ラック付勢ばね、L11 フォーカスレンズ、40 フォーカス移動鏡筒、
41 フォーカスレンズ保持枠、41a U字溝42a、42 固定筒、
42a 固定筒凸部、43,44 ガイドバー、45 ラック、50 動吸振器、
51 錘部材、52 弾性部材、53 支持部材、54 移動支持部材、
55 ばね、56 ビス

Claims (6)

  1. 少なくとも1つのレンズ群と、
    前記レンズ群を保持するレンズ保持枠と、
    前記レンズ保持枠を移動可能に支持する本体枠と、
    前記レンズ群を駆動するアクチュエータを備えたレンズ鏡筒において、
    前記レンズ保持枠、あるいは本体枠に少なくとも1つの動吸振器を備え、
    前記動吸振器の共振周波数を変更する手段を持つことを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 動吸振器は、
    錘部材が弾性部材を介しレンズ保持枠あるいは本体枠に取付けられ、
    前記弾性部材と接触する接触部を有しレンズ保持枠あるいは本体枠に移動可能に保持される移動支持部材を備え、
    前記移動支持部材が移動することで前記弾性部材との接触部を接触状態と非接触状態に切り換えることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  3. 動吸振器は、
    錘部材が弾性部材を介しレンズ保持枠あるいは本体枠に取付けられ、
    前記弾性部材と接触する接触部を有し、
    レンズ保持枠あるいは本体枠に移動可能に保持される移動支持部材を備え、
    前記移動支持部材が移動することで前記弾性部材に対する接触部の接触位置が移動することで共振周波数を変更することを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  4. 動吸振器の移動支持部材は、
    コイルあるいはマグネットを備え、
    レンズ保持枠あるいは本体枠に取付けられたコイルあるいはマグネットと移動支持部材が備えるコイルあるいはマグネットによる磁力を駆動力とし移動することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のレンズ鏡筒。
  5. 動吸振器の移動支持部材は、
    本体枠に形成された凸部あるいは凹部に接触することで移動することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のレンズ鏡筒。
  6. 動吸振器の移動支持部材は、
    レンズ保持枠あるいは本体枠に取付けられたアクチュエータにより駆動されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のレンズ鏡筒。
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WO2023048001A1 (ja) * 2021-09-27 2023-03-30 株式会社ニコン レンズ鏡筒および撮像装置
JP2023051866A (ja) * 2021-09-30 2023-04-11 信泰光學(深セン)有限公司 レンズ装置

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