JP2016033288A - 解錠装置及び収納装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の収納部を備えた収納装置において非常時解錠手段の設置スペースの効果的な削減を実現する解錠装置及び収納装置を提供する。【解決手段】 解錠装置は、ボックス扉2の解錠を指示するための解錠指示部10と、解錠指示部10から伝達された解錠指示の動作を後述の解錠部30に伝達する解錠伝達部20と、解錠伝達部20により伝達された解錠指示の動作を後述の施錠部に作用させて解錠を行う解錠部30と、解錠伝達部20を支持する支持部40とを有して構成される。【選択図】 図1

Description

本発明は解錠装置及び収納装置に関し、特に、停電時においても解錠が可能な解錠装置及び収納装置に関する。
一般に、ロッカー装置等の収納装置においては、扉を施錠するために電気錠が用いられている。電気錠は、駆動源として電動モータ又はソレノイドを使用しており、施解錠には電力を要するものである。
地震等の災害が発生したとき等には、収容装置への電力の供給が停止することがある。このような非常時には、上記電気錠を解錠するための駆動源が動作しない。従って、電気錠に、電力が不要な機械的に解錠する手段を別途設けることが多い。
このような非常時において機械的に解錠する手段が開示された従来技術の1つとして、特許文献1が開示するところの電気錠が提案されている。
特許文献1に記載の電気錠は、閂部材をラック歯車で駆動する錠前であって、回動基板上に減速機構及び駆動モータを設け、この回動基板を支持軸を中心に回動させる駆動カムで回動させ、ラック歯車と減速機構との係合を解除する事により非常時に閂部材を錠箱本体内に退避させる事ができるよう構成されている。
特開平7−119340
しかしながら、上記特許文献1に開示の電気錠を、通常複数の収納部(ボックス)を有するロッカー装置に適用しようとすると、各収納部ごとに上記非常時解錠手段を設ける必要があるため、それら複数の非常時解錠手段の設置スペースを確保しなければならないという問題が生じる。
すなわち、それら非常時解錠手段の設置スペースを十分に確保しようとすると、収納部(ボックス)の数や広さをその分犠牲にしなければならず、ロッカー装置等の収納装置の機能性を損なうおそれが生じる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数の収納部を備えた収納装置において非常時解錠手段の設置スペースの効果的な削減を実現する解錠装置及び収納装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明は、複数の施錠装置を解錠する解錠装置であって、施錠装置ごとに解錠を指示する解錠指示部と、各施錠装置の解錠を行う解錠部と、解錠指示部からの解錠指示を解錠部に対して機械的に伝達する解錠伝達部と、解錠伝達部を支持する支持部とを有し、解錠伝達部は、複数の長板状又は棒状の部材である伝達部材が略平行に配置されて構成され、伝達部材が解錠指示部の空間的変位を解錠部に伝達して空間的に変位させ、解錠させることを特徴とする。
また、本発明における解錠装置によれば、解錠指示部は、回動可能なアーム状の部材である解錠指示アームを有し、解錠指示アームは、伝達部材と略垂直に配置され、解錠指示により一方の端部へ垂直方向の力が印加されると、回動動作が行われ、他方の端部が略垂直方向へ変位して、伝達部材を垂直方向へ変位させることを特徴とする。
また、本発明における解錠装置によれば、複数の伝達部材は、それぞれ垂直下方の位置に解錠指示アームが当接する当接部を有し、当接部は、伝達部材の長手方向において各伝達部材で異なる位置に設けられていることを特徴とする。
また、本発明における解錠装置によれば、伝達部材は、長手方向の一方の端部が回動可能に支持されるとともに、他方の端部が支持部に載置されており、解錠指示アームの空間的変位が伝達すると、一方の端部を軸に回動して他方の端部が垂直上方に変位し、変位を解錠部に伝達して空間的に変位させ、解錠させることを特徴とする。
また、本発明における解錠装置によれば、解錠部は、複数の長板状又は棒状の部材である解錠部材が略平行に配置されて構成され、一方の端部には伝達部材に係止可能な係止手段が設けられ、伝達部材の空間的変位に応じて所定方向に変位して施錠装置の解錠を行うことを特徴とする。
また、本発明における解錠装置によれば、複数の伝達部材の他方の端部は、全体として階段状をなし、端部にそれぞれ解錠部材が係止され、互いに略平行に配置されることを特徴とする。
また、本発明における解錠装置によれば、解錠部材は、係止する伝達部材以外の他の伝達部材の端部を挿通する孔部を有することを特徴とする。
また、本発明における解錠装置によれば、複数の解錠部材は、互いに長さの異なる長板状又は棒状の部材であり、重量が略均一に形成されていることを特徴とする。
また、本発明における収納装置は、上記解錠装置を備えたことを特徴とする。
本発明は、複数の施錠装置を解錠する解錠装置であって、施錠装置ごとに解錠を指示する解錠指示部と、各施錠装置の解錠を行う解錠部と、解錠指示部からの解錠指示を解錠部に対して機械的に伝達する解錠伝達部とを有し、その解錠伝達部は、複数の長板状又は棒状の部材である伝達部材が略平行に配置されて構成され、伝達部材が解錠指示部の空間的変位を解錠部に伝達し、空間的に変位させて解錠させるので、解錠装置を各施錠装置ごとに個々に設ける場合と比べて、その設置スペースを効果的に削減することができ、その分ボックスの収納スペースを確保することが可能となる。
本発明の実施の形態におけるロッカー装置の正面側の外観図である。 本発明の実施の形態における解錠装置の正面側の斜視図である。 本発明の実施の形態における解錠装置の背面側の斜視図である。 本発明の実施の形態における解錠装置の平面図である。 本発明の実施の形態における解錠装置が有する複数の解錠指示アームの回転量を示す図である。 本発明の実施の形態における解錠装置の正面透過図である。 本発明の実施の形態における解錠装置の側面図である。
<概要>
図1は、本発明の実施の形態におけるロッカー装置1の正面側の外観図である。
図に示すように、ロッカー装置1は、収納空間であるボックスを複数備え、各ボックスは、図示しない電気錠等からなる施錠部によりそれぞれ施錠され開閉可能なボックス扉2により封止されている。各施錠部は独立しており、各施錠部の施錠及び解錠はそれぞれ個別に行われる。
ロッカー装置1へ電力が供給されている場合には、ICカード等と通信可能な読取手段やキーボタンからなる入力手段を備えた操作部3を操作することにより、上記施錠部を電気的に解錠し、ボックス扉2を開扉し、ボックス内に収納された物品を取り出すことが可能となる。
一方、停電等によりロッカー装置1への電力の供給が停止した場合には、操作部3により解錠することはできない。
この場合、ロッカー装置1に備えられた解錠装置を用いて機械的に(非常)解錠することになる。
ロッカー装置1は、上記物品を収納するためのボックスを閉止するためのボックス扉2の他に、解錠スイッチ11を外部から操作できないように封止するスイッチ扉4が設けられている。
平常時には、スイッチ扉4は図示しないシリンダー錠等からなるスイッチ施錠部により施錠され、閉扉されている。
鍵をスイッチ扉4に備えられた図示しない鍵穴に挿入して回転させる等してスイッチ施錠部を解錠すると、スイッチ扉4が開扉する。なお、図の例では、1つのスイッチ扉4を開扉すると、縦2列分のボックス扉2の非常解錠をするための解錠スイッチ11が外部に開放される。
図に示すように、スイッチ扉4が開扉すると、各ボックス扉2を解錠するための解錠スイッチ11が外部に解放され、操作可能となる。
当該解錠スイッチ11は、ボックス扉2の施錠部の数だけ設けられており、各施錠部と機械的に一対一に連結されており、所定の解錠スイッチ11を操作することで、これに対応する所定のボックス扉2のみが解錠される。
<構成>
(解錠装置全体の構成)
図2は、本発明の実施の形態における解錠装置の正面側の斜視図である。
また、図3は、本発明の実施の形態における解錠装置の背面側の斜視図である。
また、図4は、本発明の実施の形態における解錠装置の平面図である。
また、図5は、本発明の実施の形態における解錠装置が有する複数の解錠指示アーム13の回転量を示す図である。
また、図6は、本発明の実施の形態における解錠装置の正面透過図である。
また、図7は、本発明の実施の形態における解錠装置の側面図である。
以下、これら図を用いて、解錠装置の構成について説明する。
図2〜7に示す解錠装置は、ボックス扉2の解錠を指示するための解錠指示部10と、解錠指示部10から伝達された解錠指示の動作を後述の解錠部30に伝達する解錠伝達部20と、解錠伝達部20により伝達された解錠指示の動作を後述の施錠部に作用させて解錠を行う解錠部30と、解錠伝達部20を支持する支持部40とを有して構成される。
なお、図2において、解錠装置を構成する各ユニットP,Qは、それぞれ縦方向1列ずつのボックス扉2の解錠を行う。
(支持部40の構成)
詳しくは後述するが、解錠伝達部20は、長板状等の伝達部材21を1以上有して構成される。
支持部40は、それら長板状等の伝達部材21を支持するものであって、伝達部材21の長手方向の一端を回動自在に支持する回動軸41と、櫛状を形成しその櫛歯間の谷部に長板状等の伝達部材21の他端を載置し支持する櫛状支持部42とを有して構成される。
(解錠指示部10の構成)
図2〜4に示すように、解錠指示部10は、
ボックス扉2と同数設けられた解錠スイッチ11と、各解錠スイッチ11を操作することでそれぞれ変位する解錠指示バー12と、アーム状の部材であり解錠指示バー12の変位により一端が後述の伝達部材に当接するよう構成されるアーム状の解錠指示アーム13とを有して構成される。
これら解錠スイッチ11、解錠指示バー12及び解錠指示アーム13は、それぞれ同数設けられており、一対一に対応している。これら解錠スイッチ11、解錠指示バー12及び解錠指示アーム13は、少なくとも非常時に解錠を行うボックス扉2の数だけ設けられている。
図4,5に示されるように、解錠指示アーム13は、アーム状のアーム本体13aと、回動軸14回りに回動自在に支持される回動部13bとを有して構成される。
各解錠指示アーム13は、全て共通の回動軸14回りにそれぞれ回動自在に支持されており、各解錠指示レバー12からアーム本体の一方の端部13cに力が加わると、その回動軸14回りに回動して、他方の端部13dを介して各伝達部材21にその力を伝達するよう構成されている。
また、図4に示すように、垂直上方から見ると、各解錠指示アーム13は、後述する解錠伝達部20を構成する各伝達部材21に一対一に当接し、互いが干渉し合わないよう屈曲して形成されている。
また、図5には、各伝達部材21をそれぞれ変位させる複数の解錠指示アーム13が示されている。
これら複数の解錠指示アーム13は側方から見ると重なっているが、本図では、見やすいように各解錠指示アーム13の側面を並べて示している。図に示すように、上方から下方に行くほど、解錠スイッチ11側近くに配置された伝達部材21を変位させる解錠指示アーム13が示されている。
上述のように、解錠スイッチ11を垂直下方にスライドするように操作すると、その解錠スイッチ11と一体に設けられている解錠指示レバー12が垂直下方(矢印B方向)に変位する。
すると、図5に示すように、解錠指示アーム13は、その上面が解錠指示バー12の下端12aにより端部13cの上面を垂直下方に押圧されて、回動軸12b回りに矢印C方向(図に向かって反時計回り)に回動し、解錠指示アーム13の作用点側の端部13dの上面が伝達部材21の当接部21bを垂直上方に押圧する。
各解錠スイッチ11のスライドによる垂直下方への変化量は、全て略同一となるように構成されている。これとともに、各解錠指示バー12の垂直下方への変化量もまた全て略同一となるように構成されている。
さらに、各伝達部材21の垂直上方への変化量もまた全て略同一となるように構成されている。
ここで、図5に示すように、各解錠指示アーム13はアーム長手方向の長さがそれぞれ異なる。すなわち、解錠指示アーム13は、解錠スイッチ11から遠くに配置されている伝達部材21を変位させるものほど、回動部13bから端部13dまでの長さが長く構成されている。
このように回動部13bから端部13dまでの長さが異なるように構成されていると、仮に、アーム本体13aが直棒状に形成されている場合には、各解錠指示バー12の垂直下方への変化量が略同一であったとしても、各伝達部材21の垂直上方への変化量を全て略同一とすることはできない。
従って、本実施の形態では、図5に示すように、アーム本体13aを回動部13bの部分において所定角度αで屈曲させて形成している。すなわち、解錠指示アーム13は、解錠スイッチ11から遠くに配置されている伝達部材21を変位させるものほど、当該屈曲角度αを大きくして、施錠時の解錠指示アーム13の端部13dの垂直方向下方に位置させることにより、各伝達部材21の垂直上方への変化量を全て略同一とすることを実現している。
これにより、解錠装置を構成する各部材の寸法の設計及び製造を容易にすることを実現している。
(解錠伝達部20の構成)
解錠伝達部20は、長板状又は棒状の部材であって上記各解錠指示アーム13が当接すると一端が垂直上方へそれぞれ変位する1以上の伝達部材21を有して構成される。
図2〜4に示すように、1以上の伝達部材21それぞれは、長板状又は棒状の基部21aと、その基部21aの下方に突出し、上記解錠指示アーム13が当接する当接部21bとから構成されるものであって、解錠スイッチ11側手前から奥にかけて互いに略平行に並べられて配置されている。
長板状の伝達部材21の基部21a一方の端部21cは、図4,6に示すように、支持部40の回動軸41に回動自在に支持されている。
一方、長板状の伝達部材21の基部21aの他方の端部21dは、図2,3に示すように、ボックス扉2の施錠時においては、支持部40における櫛形状の櫛状支持部42の各谷部に支持され、互いに平行に並置されている。
ボックス扉2の解錠指示時には、解錠指示アーム13が当接部21bに対し垂直上方に持ち上げるように押圧すると、伝達部材21は回動軸41周りに図6に向かって時計回り(矢印X方向)に回動し、伝達部材21の端部21dは、支持部40の櫛状支持部42の谷部間に載置された状態から垂直上方(矢印D方向)に持ち上げられ、変位する。
この伝達部材21の端部21dの変位が解錠部30の解錠部材31に伝達され、解錠が行われる。
また、図3,4に示すように、複数の伝達部材21において、各当接部21bの位置が基部21aの長手方向にずらされて設けられている。このように設けたことにより、各解錠指示アーム13が互いに干渉せずにそれぞれ1つの伝達部材21の当接部21bのみに当接可能に構成されている。
また、図2〜4に示すように、伝達部材21は、基部21aの長手方向の長さが互いに異なっている。
図2〜4の例では、解錠スイッチ11側に向かうにつれて基部21aの長手方向が長く形成されており、複数の伝達部材21の端部21dは全体で階段状を形成する。
このように階段状に形成されていることから、これら端部21dにそれぞれ掛け吊らされる解錠部材31が互いに干渉しないで動作することが可能となっている。
(解錠部30の構成)
解錠部30は、伝達部材21の変位が伝達されると、当該変位をさらに施錠部に伝達して解錠を行う1以上の解錠部材31を有して構成される。
解錠部材31は、互いに長さの異なるアーム状の部材であり、垂直方向に並設されているボックス扉2それぞれを解錠する部材である。
図2〜7に示すように、解錠部材31は、一方の端部にはくり抜かれて孔状を形成する掛吊部31aが設けられているとともに、他方の端部はフック状の解錠端部31bが形成されている。
掛吊部31aに長板状又は棒状の伝達部材21が挿通されることで、解錠部材31は、上記伝達部材21に掛け吊られた状態となり、伝達部材21に係止される。
上記のように、伝達部材21の下部に解錠指示アーム13が当接すると、伝達部材21は回動軸22回りに回動し、端部21dは上方に変位する。これにともなって、伝達部材21に係止された解錠部材31も垂直上方に変位する。
また、図2,3,4,6に示すように、1以上の解錠部材31は、上記のごとく掛吊部31aにおいて伝達部材21に互いに略平行に掛け吊られて配置されている。
図の例では、1つの伝達部材21が1つの解錠部材31を係止するよう構成されており、1つの伝達部材21が係止する解錠部材31以外の他の解錠部材31に干渉(接触)しないように、掛吊部31a側には孔状の孔部31cが設けられている。
解錠部材31は、当該孔部31cに、自身が係止される伝達部材21以外の他の伝達部材21の端部21dを挿通させることで、その他の伝達部材21が変位しても自身が変位しないようにしている。
なお、孔部31cは、他の伝達部材21の端部21dのサイズよりも大きめに余裕をもった大きさに構成されることが好ましい。このように構成することにより、他の伝達部材21が変位したときでも接触を防止できる。
また、各解錠部材31は、それぞれ長さや形状が異なるものであるが、構成する材料や板状の厚さを調整することにより、略均一の重量となるよう構成されている。
このように構成することにより、解錠するボックス扉2によって、解錠スイッチ11を垂直下方に変位させるように操作するときの負荷のバラつき(どれくらいの力で操作するか)をなくし、操作性の向上を実現することが可能となる。
<動作>
(施錠部の解錠レバー51の動作)
図7は、本発明の実施の形態における解錠装置の側面図である。
図に示すように、施錠部は、ボックス扉2を解錠するレバー状の部材である解錠レバー51を各ボックス扉2ごとに個別に有している。
解錠レバー51は、一方の端部51aが回動可能に支持され、他方の端部51bには解錠部材31が当接している。
解錠部材31は、垂直方向(縦方向)に並設されたボックス扉2(ボックス)の数だけ設けられており、それぞれ対応するボックス扉2の解錠を個別に行う。また、図に示すように、各解錠部材31は、垂直方向に並設されるボックス扉2の位置に応じて、垂直方向(アーム長手方向)の長さが異なるように形成される。
施錠部(ボックス扉2)の施錠時には、その解錠レバー51の他方の端部51bの下面が解錠部材31の解錠端部31bの上面に当接したまま、解錠レバー51は、図に示すように、水平面に対し略平行な状態を維持する。
解錠装置が作動し、解錠部材31により解錠レバー51の端部51bに垂直上方に加わると、端部51aを回動軸として解錠レバー51が回動し、解錠レバー51の端部51bが持ち上がるように解錠レバー51全体が立ち上がる。
解錠レバー51が立ち上がると、施錠部(ボックス扉2)が解錠される。
なお、解錠レバー51の立ち上がることにより解錠が行われる機構については公知技術と同様であるので、その説明については省略する。
(解錠装置による解錠動作)
次に、図7を用いて、本実施の形態における解錠装置による施錠部の解錠動作について説明する。
解錠スイッチ11は垂直方向上下にスライド可能なスイッチである。施錠部の施錠時には、解錠スイッチ11はスライド可能な垂直方向の範囲内において上方限界の位置にある。
ここで、ボックス扉2の解錠を行う際には、この解錠スイッチ11をスライド可能な垂直方向の範囲内において下方限界まで図中の矢印A方向へスライドさせる。
すると、解錠スイッチ11と連結されている解錠指示バー12は、解錠スイッチ11の変位量に合わせて矢印B方向(垂直下方)へ変位する。
解錠指示バー12が矢印B方向へ変位すると、解錠指示バー12の下端12aが解錠指示アーム13の力点側の端部13cの上面を垂直下方に押圧する。
すると、解錠指示アーム13(アーム本体13a)は、回動部13b回りに矢印C方向(図に向かって反時計回り)に回動し、解錠指示アーム13の作用点側の端部13dの上面が伝達部材21の当接部21bを垂直上方に押圧する。
解錠指示アーム13により押圧されると、伝達部材21は、上述したように、回動軸41周りに回動し、伝達部材21の端部21dは、支持部40の櫛状支持部42に載置された状態から垂直上方(矢印D方向)に持ち上げられ、変位する。
伝達部材21の端部21dが垂直上方に変位すると、伝達部材21に掛け吊られている解錠部材31もまた同様に、垂直上方(矢印E方向)に持ち上げられ、変位する。
すると、フック状の解錠部材31の解錠端部31bは、施錠部の解錠レバー51の端部51bの下面を持ち上げ、解錠レバー51を垂直上方に立ち上げるように変位させる。
この解錠レバー51の動作により施錠部の解錠が行われる。
<実施形態のまとめ>
以上説明したように、本実施の形態によれば、停電等の非常時にロッカー装置1のボックス扉2を機械的に解錠するための解錠装置をまとめて1か所に配置したことにより、ボックス扉2個々に設ける場合と比べて、その設置スペースを効果的に削減することができ、その分ボックスの収納スペースを確保することが可能となる。
特に、伝達部材21及び解錠部材31を長板状等に形成し、これらを互いに略平行に配置すること等により、解錠装置の省スペース化を実現している。
また、本実施の形態によれば、停電等の非常時にロッカー装置1への電力の供給が停止された際に、各ボックス扉2の鍵穴に鍵を差し込み回すといった煩雑な作業をすることなく、スイッチ扉4を開扉することで解放された1以上の解錠スイッチ11から解錠するボックス扉2に対応した解錠スイッチ11を選択し操作するだけで簡単に機械的にボックス扉2を解錠することが可能となる。
なお、上記の実施の形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施の形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
例えば、本実施の形態では、ロッカー装置1正面(ボックス扉2側)から見て、伝達部材21は水平方向、手前から奥にかけて互いに略平行に並設されるものであるが、伝達部材21同士が互いに略平行であれば、その設置方向は上記に限定されない。
また、同様に、解錠部材31も互いに略平行であれば、その設置方向は上記に限定されない。
また、本実施の形態では、1つの解錠スイッチ11により1つのボックス扉2の施錠部を解錠するものであったが、複数のボックス扉2を解錠するように構成してもよい。
この場合、例えば、解錠部材31にフック状の解錠端部31bを複数設け、1つの解錠端部31bの変位により複数の解錠レバー51の端部51bの下面を持ち上げるように構成するようにしてもよい。
また、本実施の形態において、解錠装置は、解錠レバー51を垂直に立ち上げることで施錠装置(ボックス扉2)を解錠するよう構成されているが、施錠装置を解錠させる構成はこれに限定されない。
例えば、何らかの機械的な作用を加えることで解錠可能な一般的な解錠手段を適用するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、解錠装置はロッカー装置(収納装置)に適用されていたが、施錠及び解錠機構を備えるものであれば、他の物品に適用してもよい。
例えば、その他の収納装置、操作装置又は表示装置を扉等で隠蔽し施錠するものに適用してもよく、具体的には、キーボックス、充電装置、配電盤又はタッチパネル等を遮蔽する際などに用いられる。
1 ロッカー装置
2 ボックス扉
3 操作部
4 スイッチ扉
11 解錠スイッチ
12 解錠指示バー
12a 下端
13 解錠指示アーム
13a アーム本体
13b 回動部
13c,13d 端部
20 解錠伝達部
21 伝達部材
21a 基部
21b 当接部
21c,21d 端部
30 解錠部
31 解錠部材
31a 掛吊部
31b 解錠端部
31c 孔部
40 支持部
41 回動軸
42 櫛状支持部
51 解錠レバー
51a,51b 端部
P,Q ユニット

Claims (9)

  1. 複数の施錠装置を解錠する解錠装置であって、
    前記施錠装置ごとに解錠を指示する解錠指示部と、前記各施錠装置の解錠を行う解錠部と、前記解錠指示部からの解錠指示を前記解錠部に対して機械的に伝達する解錠伝達部と、前記解錠伝達部を支持する支持部とを有し、
    前記解錠伝達部は、複数の長板状又は棒状の部材である伝達部材が略平行に配置されて構成され、該伝達部材が前記解錠指示部の空間的変位を前記解錠部に伝達して空間的に変位させ、解錠させることを特徴とする解錠装置。
  2. 前記解錠指示部は、回動可能なアーム状の部材である解錠指示アームを有し、該解錠指示アームは、前記伝達部材と略垂直に配置され、解錠指示により一方の端部へ垂直方向の力が印加されると、回動動作が行われ、他方の端部が略垂直方向へ変位して、前記伝達部材を垂直方向へ変位させることを特徴とする請求項1記載の解錠装置。
  3. 前記複数の伝達部材は、それぞれ垂直下方の位置に前記解錠指示アームが当接する当接部を有し、
    前記当接部は、前記伝達部材の長手方向において前記各伝達部材で異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項2記載の解錠装置。
  4. 前記伝達部材は、長手方向の一方の端部が回動可能に支持されるとともに、他方の端部が前記支持部に載置されており、前記解錠指示アームの空間的変位が伝達すると、前記一方の端部を軸に回動して前記他方の端部が垂直上方に変位し、該変位を前記解錠部に伝達して空間的に変位させ、解錠させることを特徴とする請求項2又は3記載の解錠装置。
  5. 前記解錠部は、複数の長板状又は棒状の部材である解錠部材が略平行に配置されて構成され、一方の端部には前記伝達部材に係止可能な係止手段が設けられ、前記伝達部材の空間的変位に応じて所定方向に変位して前記施錠装置の解錠を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の解錠装置。
  6. 前記複数の伝達部材の他方の端部は、全体として階段状をなし、該端部にそれぞれ前記解錠部材が係止され、互いに略平行に配置されることを特徴とする請求項5記載の解錠装置。
  7. 前記解錠部材は、前記係止する伝達部材以外の他の伝達部材の端部を挿通する孔部を有することを特徴とする請求項5又は6記載の解錠装置。
  8. 前記複数の解錠部材は、互いに長さの異なる長板状又は棒状の部材であり、重量が略均一に形成されていることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の解錠装置。
  9. 前記請求項1から8のいずれか1項に記載の解錠装置を備えたことを特徴とする収納装置。
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