JP2016031653A - 画像形成システム及び画像形成システムのバージョン変更処理方法 - Google Patents

画像形成システム及び画像形成システムのバージョン変更処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不都合のあるバージョンの組合せとなる各ファームウェアの更新を防ぎ、カスタムファームウェアを誤って一般用ファームウェアに変更しない。
【解決手段】画像形成装置は、カスタムファームウェアと一般用ファームウェアの区別を示す情報を含む問い合わせ情報を生成し、問い合わせ情報をサーバーに送信する。サーバーは、動作確認がとれているファームウェアの種類とそれらのバージョンを示す適合組合せを記憶し、画像形成装置にカスタムファームウェアが記憶されている場合には、カスタムファームウェアを一般用ファームウェアに書き換えない適合組合せを画像形成装置に返信する。画像形成装置は、記憶されるファームウェアのうち適合組合せとは異なるバージョンのファームウェアについて、適合組合せと一致するようにファームウェアをサーバーからダウンロードしインストールする。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像形成装置と、画像形成装置にインストールされるファームウェアを提供するサーバーからなる画像形成システムとその制御方法に関する。
例えば、画像形成装置には、複数種のファームウェアが記憶される。例えば、画像形成装置では、印刷用ファームウェア、スキャン用ファームウェアのように、機能や画像形成装置の一部分がファームウェアの1つの単位とされる。そして、不具合や改良のため、ファームウェアのインストール(更新、アップデート)がなされることがある。このようなファームウェアのアップデート方法の一例が特許文献1に記載されている。
具体的に、特許文献1には、複数のセクションにそれぞれファームウェアを備えられ、新バージョンのファームウェアが格納された外部記憶媒体(USBメモリー)が装着されると、新バージョン情報を取得し、取得した新バージョン情報とそれに対応する既存ファームウェアのバージョン情報とをセクション毎に対比してそれらのファームウェア名を表示し、セクション毎の各ファームウェア名に対してファームアップ対象とする指定操作が行われると、装置内にあらかじめ保存されているファームアップ管理情報を用いてアップデートすべきファームウェアの選択処理を行い、選択処理の結果に基づいてバージョンアップ処理、アップデート処理を実行するファームウェアのアップデート方法が記載されている。この構成によりファームアップの組み合わせやアップデートをおこなう順番が不適切とならないようにしようとする(特許文献1:請求項1、段落[0006]等参照)。
特開2007−310690号公報
特許文献1に記載されるように、従来、画像形成装置のファームウェアのアップデートには、USBメモリーのような外部記憶媒体(持ち運びされる記憶媒体)が用いられていた。例えば、USBメモリーに新しいバージョンのファームウェアを記憶させておく。そして、メンテナンスを行うサービスマンがUSBメモリーを画像形成装置に接続する。そして、USBメモリーから新バージョンのファームウェアが読み出され、ファームウェアのアップデートが行われる。
しかし、USBメモリーを用いる場合、アップデートに際して予めUSBメモリーに新バージョンのファームウェアを記憶させておく必要がある。画像形成装置に記憶されたファームウェアのうち、複数のファームウェアを更新する場合には、複数の更新用のファームウェアをUSBメモリーに記憶させておかねばならない。そのため、USBメモリーを用いるファームウェアのアップデートは、前準備の手間がかかる。更に、アップデートを行うべき機種が多数ある場合には、それぞれの機種に対してアップデート用のファームウェアをUSBメモリーに記憶させなくてはならず、更に前準備に手間がかかる。また、USBメモリーの紛失があったとき、USBメモリーから顧客に関する情報が漏れる可能性がゼロではない。
そこで、画像形成装置と、各機種用の様々なファームウェアを蓄積、格納するサーバー(アップデート用のデータサーバー)とをネットワークで接続し、サーバーからファームウェアをダウンロードすることによりファームウェアのアップデートを行うことがある。
ここで、ダウンロードによりファームウェアのアップデートを行う場合、ダウンロードを行う画像形成装置から機種を示す情報などがサーバーに送信される。そして、サーバーからは、画像形成装置の機種に適合する1又は複数のファームウェアが送信される(ファームウェアのダウンロード)。これにより、自動的、半自動的にファームウェアのアップデートを行うことができる。例えば、画像形成装置が複数種のファームウェアを備えるとき、それぞれのファームウェアは、最新バージョンに更新される。しかし、各ファームウェア間のデータのやりとりの整合性がとれていないなどの理由により、アップデート後の各ファームウェアのバージョンが、画像形成装置の全部、又は、一部が動作しない不都合が生ずるような組合せとなる場合がある。そのため、画像形成装置のような複数種のファームウェアを備える装置では、ファームウェアの種類とそれらのバージョンの適切な組合せを考慮して、ファームウェアのダウンロードとアップデート(バージョン変更)を行う必要があるという問題がある。
また、顧客の要望に応え、カスタマイズされたファームウェア(以下、「カスタムファームウェア」と称する。)が提供されることがある。例えば、白紙は必ず出力しないようにしたり、不要な特定の設定項目に関しての設定画面を表示させないようにしたりするといったカスタマイズがなされることがある。しかし、自動的、半自動的なファームウェアのダウンロードとインストールでは、主にアップデートしようとする画像形成装置の機種に着目するので、カスタムファームウェアを一般用ファームウェアにアップデートしてしまう場合があるという問題もある。カスタムファームウェアに一般用ファームウェアを上書きすると、顧客の要望が反映されず、ファームウェアのインストールのやり直しの手間がかかる。
ここで、特許文献1の発明は、USBメモリーを用いたファームウェアのアップデートに関する技術である。そのため、上述のように、予めファームウェアをUSBメモリーに記憶させておく必要があるので、サービスマンのアップデートの前準備の作業負担は大きい。また、いったんファームウェアをアップデートしたものの、動作的な問題が生じたためにファームウェアを以前のバージョンに戻したいとき、元のバージョンのファームウェアを再度USBメモリーに記憶させる作業が必要となり、不便である。さらに、上述したように、USBメモリーの紛失による情報漏洩が生じ得るという問題もある。このように特許文献1記載の技術では、上記の問題を解決することはできない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、動作に不都合がでるバージョンの組合せとなるような画像形成装置のファームウェアの変更、更新を防ぎつつ、カスタムファームウェアを誤って一般用ファームウェアに変更しないようにする。
上記課題解決のため、請求項1に係る画像形成システムは、画像形成装置とサーバーを含む。前記画像形成装置は、種類が異なる複数のファームウェアと、それぞれの前記ファームウェアのバージョンを記憶する記憶部と、前記サーバーと通信するための通信部と、前記記憶部にインストールされた各前記ファームウェアのうち、どの前記ファームウェアがカスタマイズされたカスタムファームウェアであるか、どのファームウェアがカスタマイズされていない一般用ファームウェアであるかを判別し、前記記憶部に記憶されているファームウェアの種類と、どの前記ファームウェアが前記カスタムファームウェアであり、どのファームウェアが前記一般用ファームウェアであるかを示す情報を含む問い合わせ情報を生成し、生成した前記問い合わせ情報を前記通信部から前記サーバーに送信させる制御部、を含む。前記サーバーは、前記問い合わせ情報を受信するサーバー通信部と、種類ごと及びバージョンごとに、複数の前記ファームウェアを記憶するとともに、動作確認がとれている前記ファームウェアの種類とそれらのバージョンの組合せである適合組合せを複数、組合せデータとして記憶するサーバー記憶部と、前記問い合わせ情報を発した前記画像形成装置の前記記憶部に前記カスタムファームウェアが記憶されている場合には、当該カスタムファームウェアを前記一般用ファームウェアに書き換えない前記適合組合せであって、前記画像形成装置に記憶されている各前記ファームウェアとファームウェアの種類が同じである前記適合組合せを、前記問い合わせ情報を発した前記画像形成装置の前記記憶部に前記カスタムファームウェアが記憶されていない場合には、前記画像形成装置に記憶されている各前記ファームウェアとファームウェアの種類が同じである前記適合組合せを、前記組合せデータのなかから検索し、選び出した前記適合組合せを前記サーバー通信部から前記通信部にむけて返信させるサーバー処理部と、を含む。前記適合組合せを受信したとき、前記画像形成装置の前記制御部は、前記記憶部に記憶される前記ファームウェアのうち前記適合組合せに示されるバージョンと異なるバージョンの前記ファームウェアについて、前記適合組合せに示されるバージョンと一致するように前記ファームウェアを前記サーバーから前記通信部にダウンロードさせるとともに、ダウンロードした前記ファームウェアを前記記憶部にインストールさせるバージョン変更処理を前記記憶部と前記通信部に行わせる。
本発明によれば、サーバーからファームウェアをダウンロードしてインストールする場合、バージョン変更後に画像形成装置に記憶された各ファームウェアの種類と、それらのバージョンは、必ず、動作に不都合がでない組合せとなる。また、カスタムファームウェアを誤って一般用ファームウェアにバージョン変更することもない。
実施形態に係る画像形成システムの一例を示す図である。 実施形態に係る複合機の一例を示す図である。 実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示す図である。 サーバーに記憶される組合せデータの一例を示す図である。 複合機からサーバーへの問い合わせ情報の送信の流れの一例を示すフローチャートである。 サーバーでの適合組合せの検索と送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。 複合機でのバージョン変更の操作と処理の流れの一例を示すフローチャートである。 バージョン変更設定画面の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る画像形成システム100を図1〜図8を用いて説明する。具体的に、画像形成装置としての複合機1と、ファームウェア4を提供するサーバー2を含む画像形成システム100を説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(画像形成システム100の概要)
まず、図1を用いて、実施形態に係る画像形成システム100の一例を説明する。図1は、実施形態に係る画像形成システム100の一例を示す図である。
図1に示すように、画像形成システム100は、複合機1とサーバー2を含む。サーバー2は、画像形成装置の各機種、各バージョンのファームウェア4を記憶する。言い換えると、サーバー2は、製造販売者が提供する画像形成装置の全種類に用いられる全てのファームウェア4の全バージョンを記憶する。そして、複合機1とサーバー2は、IP通信網のようなネットワーク3により相互に通信可能に接続される。
複合機1には複数のファームウェア4がインストールされる。複合機1は、バージョン変更を行うとき、ファームウェア4をサーバー2からダウンロードする(詳細は後述)。
(画像形成装置の概略)
次に、図2に基づき、実施形態に係る複合機1の概略を説明する。図2は実施形態に係る複合機1の一例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態の複合機1は、複合機1の正面前方に操作パネル11が設けられる(図2に破線で図示)。最上部に画像読取部12と原稿カバー13とを有する。また、更に、複合機1内部には、印刷部1aとして、給紙部14、搬送部15、画像形成部16、定着部17等が設けられる。
原稿カバー13は、紙面上下方向に開閉可能であり、コンタクトガラスにセットされた原稿を抑える。画像読取部12内には露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。画像読取部12は、光学系部材を用いて原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。複合機1は、読み取りにより得られた画像データに基づき印刷を行うことができる(コピー機能)。また、原稿読み取りで得られた画像データを記憶したり、コンピューター200に送信したりすることもできる(スキャン機能)
操作パネル11は、複合機1の状態、各種メッセージ、設定画面を表示する表示部11aを備える。表示部11aは、設定用のキーを表示できる。又、表示部11aに対してタッチパネル部11b(画像形成装置の操作部に相当)が設けられる。タッチパネル部11bは、表示部11aでタッチされた部分の位置、座標を検出し、使用者のキーに対する操作を検知するためのものである。又、操作パネル11には、スタートキーのようなハードキー11c(画像形成装置の操作部に相当)も設けられる。
次に、印刷部1aについて説明する。まず、給紙部14は、複数の用紙を収容し、1枚ずつ搬送部15に送る。搬送部15は、給紙部14から送られた用紙排出トレイ15aまで搬送する。画像形成部16は、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。定着部17は、用紙に転写されたトナー像を定着させる。トナー定着後の用紙は、排出トレイ15aに排出される。
(画像形成システム100のハードウェア構成)
次に、図3に基づき実施形態に係る画像形成システム100のハードウェア構成の一例を説明する。図3は、実施形態に係る画像形成システム100の構成の一例を示す図である。
まず、複合機1内には、主制御部10(画像形成装置の制御部に相当)が設けられる。主制御部10は複合機1の全体的な動作制御を司る。そして、主制御部10は、CPU10a、画像処理部10bを含む。CPU10aは、中央演算処理装置であって、記憶部18に格納され、展開されるプログラムやデータに基づき複合機1の各部を制御する。画像処理部10bは、印刷を行う画像データや、外部のコンピューター200や相手方のFAX装置300に送信される画像データに対し、各種画像処理を施す。
記憶部18は、例えば、ROM、HDD、フラッシュROMのような不揮発性の記憶装置と、RAMのような揮発性の記憶装置の組み合わせである。記憶部18は、複数種のファームウェア4を不揮発的に記憶する。本実施形態の記憶部18は、ファームウェア4として、メインファームウェア4a、パネル用ファームウェア4b、エンジン用ファームウェア4c、スキャン用ファームウェア4dなどを記憶する。各ファームウェア4は、記憶部18のフラッシュROMなどに不揮発的に記憶される。ファームウェア4の種類は一例にすぎず、他の種類や分類のファームウェア4が記憶されてもよい。
メインファームウェア4aは、主制御部10のハードウェアの基本的な制御を行い、主制御部10に所望の動作をさせるためのソフトウェアである。CPU10aや画像処理部10bは、メインファームウェア4aに基づいて処理や動作を行う。
パネル用ファームウェア4bは、操作パネル11のハードウェアの基本的な制御を行い、所望の動作をさせるためのソフトウェアである。操作パネル11には、表示部11aの表示を制御し、タッチパネル部11bの出力やハードキー11cの出力に基づき使用者の操作(操作したキー)を認識するパネル制御部110が設けられる(図3参照)。パネル制御部110は、パネル用ファームウェア4bに基づき、表示部11aの表示を制御し、使用者の操作を受け付ける。操作パネル11の表示入力装置としての機能が、パネル用ファームウェア4bによって実現される。
エンジン用ファームウェア4cは、印刷部1aに含まれるハードウェアの基本的な制御を行い、所望の動作をさせるためのソフトウェアである。印刷部1aには、給紙部14、搬送部15、画像形成部16、定着部17などの動作を制御し、印刷部1a内に配されたセンサー(不図示)の出力に基づいて、印刷部1aの動作(印刷)を実際に制御するエンジン制御部1bが設けられる(図3参照)。エンジン制御部1bは、エンジン用ファームウェア4cに基づき、印刷部1aに含まれる各部の動作を実際に制御する。コピー機能やプリント機能を用いるとき、印刷部1aの印刷を行う機能が、エンジン用ファームウェア4cによって実現される。
スキャン用ファームウェア4dは、画像読取部12に含まれるハードウェアの基本的な制御を行い、所望の動作をさせるためのソフトウェアである。画像読取部12には、イメージセンサーや、ランプやランプを移動させるモーターなどの動作を制御し、画像読取部12の動作(スキャン)を実際に制御するスキャン制御部12aが設けられる(図3参照)。スキャン制御部12aは、スキャン用ファームウェア4dに基づき、画像読取部12に含まれる各部の動作を実際に制御し、スキャンに関する動作を制御する。コピー機能やスキャン送信機能を用いるとき、原稿読み取り機能が、スキャン用ファームウェア4dによって実現される。
又、記憶部18は、複合機1の機種を示す情報(機種情報i1)を記憶する。また、記憶部18は、各ファームウェア4(メインファームウェア4a、パネル用ファームウェア4b、エンジン用ファームウェア4c、スキャン用ファームウェア4d)がカスタマイズされているか否かを示すカスタマイズ情報i2も記憶する。更に、ファームウェア4のそれぞれには、そのファームウェア4のバージョンを示すバージョン情報が付されている。従って、記憶部18は、それぞれのファームウェア4のバージョンも記憶している。機種情報i1、カスタマイズ情報i2、バージョン情報は、ファームウェア4のバージョン変更に用いることができる。
更に、主制御部10は、各種コネクタ、ソケット、通信制御用のチップ等を備えた通信部19と接続される。通信部19は、ネットワーク3やケーブル等により、サーバー2や、コンピューター200や、FAX装置300と複合機1とを通信可能に接続する。例えば、設定データ等を含む画像データをコンピューター200やFAX装置300(インターネットFAXでもよい)と送受信に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。又、コンピューター200やFAX装置300からの画像データに基づき印刷を行うこともできる(プリンタ機能、FAX機能)。
次に、サーバー2について説明する。サーバー2は、ネットワーク3を介して複合機1と通信可能に接続される。そして、図3に示すように、サーバー2は、例えば、CPU20aや、メモリー20b(RAM)を含むサーバー処理部20を備える。サーバー処理部20は、例えば、サーバー2の制御基板である。
サーバー記憶部21は、HDDやSSDなどの大容量の記憶装置である。そして、サーバー記憶部21は、製造者が製造、販売する画像形成装置の各機種のファームウェア4を記憶する。画像形成装置が、実施形態に係る複合機1のように、メインファームウェア4a、パネル用ファームウェア4b、エンジン用ファームウェア4c、スキャン用ファームウェア4dのように、1機種が複数種類のファームウェア4を記憶する場合、サーバー記憶部21は、その機種のファームウェア4の全種類を記憶する。また、ある種類のファームウェア4にバージョンが複数ある場合、サーバー記憶部21は、それぞれのバージョンを記憶する。言い換えると、サーバー記憶部21は、種類ごと及びバージョンごとに、複数のファームウェア4を記憶する。また、サーバー記憶部21は、顧客の依頼によってカスタマイズされていない一般の顧客向けの一般用ファームウェアを記憶する。また、サーバー記憶部21は、顧客の依頼によってカスタマイズされたカスタムファームウェアも記憶する。
又、サーバー2は、外部と通信を行うためのインターフェイスであるサーバー通信部23を含む。例えば、図3に示すように、ネットワーク3等を介して、複合機1の通信部19とサーバー通信部23は、通信可能に接続される。そして、サーバー2と複合機1間では、各種データの送受信を行うことができる。
又、サーバー2には、キーボードやマウスのような入力を行うための入力デバイス24や、画面を表示させるためのディスプレイ25を設けることができる(尚、便宜上、図1では、入力デバイス24とディスプレイ25の図示を省略している)。
(サーバー記憶部21に記憶される組合せデータD1)
次に、図4を用いて、サーバー2に記憶される組合せデータD1を説明する。図4は、サーバー2に記憶される組合せデータD1の一例を示す図である。
ファームウェア4のバージョンが異なると、信号形式、データ形式、信号発信タイミングなど、信号(インターフェイス)の決まりごとが変わる場合がある。ファームウェア4の種類とそれらのバージョンの組合せによっては、複合機1に含まれる各部分とのやりとりやファームウェア間でのやりとりに齟齬が生じ、複合機1が適切に動作しなくなる場合がある。そのため、ファームウェア4のバージョン変更をするときには、各ファームウェア4の種類とそれらのバージョンの組合せを考慮する必要がある。そこで、サーバー記憶部21は、組合せデータD1を記憶する。組合せデータD1は、動作しないなどの不都合や問題が無く、動作確認がとれているファームウェア4の種類とそれらのバージョンの組合せである適合組合せD2を含むデータである。
適合組合せD2は、サーバー2の管理者や、ファームウェア4の開発者によって、入力デバイス24によりサーバー2に入力される。新たに入力され、サーバー記憶部21に登録された適合組合せD2は、組合せデータD1に追加される。なお、サーバー2とは別のコンピューターで適合組合せD2を作成し、コンピューターから適合組合せD2を示すデータをサーバー通信部23に送信することにより、組合せデータD1に新たな適合組合せD2が登録されるようにしてもよい。
図4を用いて、組合せデータD1の具体例を説明する。図4に示す「機種A」は、画像形成装置の一機種であって、本願の複合機1の機種を示す。この機種では、ファームウェア4が複数種類ある。この機種では、上述したように、ファームウェア4として、メインファームウェア4a、パネル用ファームウェア4b、エンジン用ファームウェア4c、スキャン用ファームウェア4dが記憶部18にインストールされる。また、図4に示す「機種B」は、「機種A」と異なる機種の画像形成装置である。なお、「機種B」の画像形成装置でも、ファームウェア4として、メインのファームウェア4、パネル用のファームウェア4、エンジン用のファームウェア4、スキャン用のファームウェア4がある。しかし、機種によって、全く異なる区分け、名称でファームウェア4が用意されることがある。
そして、図4のうち、「一般機」は、記憶部18にインストールされたファームウェア4に、カスタムファームウェアが全く含まれていないものを示す。言い換えると、複合機1の購入後、複合機1の製造販売者にファームウェア4のカスタマイズを依頼せず、そのまま使っている顧客の複合機1が「一般機」である。
そして、図4では、一般用ファームウェアのバージョンを数字3桁で示している。機種Aに関しては、メインファームウェア4aでは、「010」、「011」、「012」がバージョンを示す。また、パネル用ファームウェア4b、エンジン用ファームウェア4c、スキャン用ファームウェア4dでは、「001」、「002」、「003」がバージョンを示す。そして、3桁の数字が大きいほど、新しいバージョンである。バージョンを数字3桁で表すのは一例にすぎず、他の手法、態様によりバージョンを示してもよい。
そして、図4の例では、一般機(一般用ファームウェア)では、問題無く動作すると動作確認がとれているファームウェア4の種類と、それらのバージョンの組合せである適合組合せD2が、3つ、組合せデータD1として記憶されている。例えば、図4で示す一般機に連なる3つの横並びの矩形のうち、最も左側の矩形で示す適合組合せD2は、「バージョン012のメインファームウェア4aと、バージョン002のパネル用ファームウェア4bと、バージョン003のエンジン用ファームウェア4cと、バージョン003のスキャン用ファームウェア4d」である。
一方、図4のうち、「カスタム機」は、記憶部18にインストールされたファームウェア4に、1つ以上、カスタムファームウェアが含まれているものを示す。言い換えると、複合機1の購入後、複合機1の製造販売者にファームウェア4のカスタマイズを依頼し、カスタマイズされたファームウェア4を使っている顧客の複合機1が「カスタム機」である。
そして、図4では、「カスタム機」にインストールされたファームウェア4のうち、カスタムファームウェアのバージョンは、「アルファベット+数字2桁」で示している。アルファベットは、カスタムファームウェアのタイプを示す。そのため、図4に示す「a型」の「カスタム機」にインストールされた「Aタイプ」のカスタムファームウェアと、「b型」の「カスタム機」にインストールされた「Bタイプ」のカスタムファームウェアは、同じメインファームウェア4aであるが、種類が異なるものとして扱われる。このように、サーバー記憶部21は、種類、タイプごとに、カスタムファームウェアを記憶する。そして、カスタムファームウェアの種類、タイプごとに、動作確認がとれているファームウェア4の種類とそれらのバージョンの組合せである適合組合せD2が組合せデータD1として記憶される。
尚、複合機1にインストールされるファームウェア4のうち、全種類のファームウェア4がカスタマイズされるとは限らない。図4に示す例では、一般用ファームウェアのバージョンを数字3桁で示すので、a型、b型の「カスタム機」の何れも、パネル用ファームウェア4b、エンジン用ファームウェア4c、スキャン用ファームウェア4dには、一般用ファームウェアが適用される。尚、パネル用ファームウェア4b、エンジン用ファームウェア4c、スキャン用ファームウェア4dの何れか、又は、全てがカスタムファームウェアである場合もある。
具体的に、a型のカスタム機では、メインファームウェア4aの「12」、「11」、がカスタムファームウェアのバージョンを示す。b型のカスタム機では、メインファームウェア4aの「05」がカスタムファームウェアのバージョンを示す。そして、数字2桁部分の数字が大きいほど、新しいバージョンであること示している。また、a型、b型のカスタム機でも一般機と同様に、パネル用ファームウェア4b、エンジン用ファームウェア4c、スキャン用ファームウェア4dでは「001」、「002」、「003」がバージョンを示す。
そして、図4の例では、a型とb型のカスタム機のそれぞれについて、適合組合せD2が2つずつ、組合せデータD1として記憶されている。a型のカスタム機に関しては、組合せデータD1には、「バージョンA12(又は、A11)のメインのカスタムファームウェアと、バージョン001のパネル用の一般用ファームウェアと、バージョン002のエンジン用の一般用ファームウェアと、バージョン002のスキャン用の一般用ファームウェアの組合せ」が適合組合せD2として登録されている。また、b型のカスタム機に関しては、組合せデータD1には、「バージョンB05のメインのカスタムファームウェアと、バージョン001(又は002)のパネル用の一般用ファームウェアと、バージョン001(又は003)のエンジン用の一般用ファームウェアと、バージョン001のスキャン用の一般用ファームウェアの組合せ」が適合組合せD2として登録されている。
尚、図4において、それぞれの適合組合せD2の上側に付された「20□□/△△」は、西暦と月を示す。具体的には、適合組合せD2が組合せデータD1に含められた(登録された)時を示す。
そして、図4に機種B、機種Cとして示すように、機種ごとに、動作確認がとれているファームウェア4の種類とそれらのバージョンの組合せが定義された適合組合せD2が組合せデータD1としてサーバー記憶部21に記憶される。
(ファームウェア4のバージョン変更の流れ)
次に、図5〜図8を用いて複合機1のファームウェア4のバージョン変更の流れを説明する。
〈1.問い合わせ情報の送信〉
まず、図5を用いて、複合機1に記憶された各ファームウェア4のバージョン変更処理の第1段階である問い合わせ情報の送信について説明する。図5は、複合機1からサーバー2への問い合わせ情報の送信の流れの一例を示すフローチャートである。
図5のスタートは、複合機1にインストールされているファームウェア4の全種類、又は、一部の種類のバージョン変更処理の開始時点である。操作パネル11は、使用者やサービスマンによるバージョン変更処理の開始を指示する所定操作を受け付ける。所定操作がなされると、主制御部10は、バージョン変更処理を開始する。尚、各ファームウェア4のバージョン変更は、一定の時点で自動的に開始されても良いし(例えば、偶数月や奇数月の15日の12時などのように、決まった月の特定の日時)、新たなバージョンのファームウェア4がサーバー記憶部21に記憶されたときに、サーバー処理部20がサーバー通信部23から各複合機1の通信部19にむけて発信させる通知に基づき開始されてもよい。
続いて、主制御部10は、記憶部18に記憶された各ファームウェア4がカスタマイズされたカスタムファームウェアであるか、カスタマイズされていない一般用ファームウェアであるかを判別する(ステップ♯11)。カスタムファームウェアを一般用ファームウェアに変更しないようにするため、バージョン変更処理の当初で確認する。例えば、主制御部10は、カスタマイズ情報i2に基づき、記憶部18にインストールされたファームウェア4のうち、どれがカスタムファームウェアであり、どのファームウェア4が一般用ファームウェアであるかを認識する。更に、主制御部10は、バージョン情報に基づき、各ファームウェア4のバージョンを確認する(ステップ♯12)。
そして、主制御部10は、問い合わせ情報を生成する(ステップ♯13)。具体的には、オプション装置の追加によって、記憶部18にオプション装置用のファームウェア4が追加でインストールされることもあるので、主制御部10は、記憶部18にインストールされているファームウェア4の種類(メインファームウェア4a、パネル用ファームウェア4b、エンジン用ファームウェア4c、スキャン用ファームウェア4dなど)を示す情報を問い合わせ情報に含める。また、主制御部10は、複数のファームウェア4のうち、どのファームウェア4がカスタムファームウェアであるか、どのファームウェア4が一般用ファームウェアであるかを示す情報を問い合わせ情報に含める。また、主制御部10は、バージョン情報に基づき、各ファームウェア4のバージョンを問い合わせ情報に含めてもよい。更に、主制御部10は、機種情報i1に基づき、自機(複合機1)の機種を示す情報を問い合わせ情報に含める。そして、主制御部10は、通信部19からサーバー2(サーバー通信部23)に向けて生成した問い合わせ情報を送信させる(ステップ♯14)。
〈2.適合組合せD2の検索と送信〉
次に、図6を用いて、複合機1から問い合わせ情報を受信したサーバー2での処理を説明する。図6は、サーバー2での適合組合せD2の検索と送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6のスタートは、サーバー通信部23が複合機1の通信部19からの問い合わせ情報を受信した時点である。まず、サーバー処理部20は、複合機1の機種、及び、複合機1でのファームウェア4の種類の組合せ、各ファームウェア4のバージョンを確認する(ステップ♯21)。
そして、サーバー処理部20は、組合せデータD1のなかから、複合機1の機種向けの組合せであって、かつ、複合機1にインストールされているファームウェア4の種類とファームウェア4の種類が同じ適合組合せD2を、問い合わせ情報を送信した複合機1に適合する適合組合せD2として検索し、選び出す(ステップ♯22)。なお、問い合わせ情報を送信した複合機1の各ファームウェア4とファームウェア4の種類が同じ適合組合せD2が複数あるとき、サーバー処理部20は、全ての適合組合せD2を選び出す。
具体的な検索条件を説明する。サーバー処理部20は、問い合わせ情報を発した複合機1の記憶部18にカスタムファームウェアが記憶されている場合、当該カスタムファームウェアを一般用ファームウェアに書き換えない適合組合せD2を検索する。言い換えると、サーバー処理部20は、複合機1に記憶されている複数のファームウェア4のうち、カスタムファームウェアに関しては、同じ種類(同じタイプ)であって、同じバージョンのカスタムファームウェア、又は、同じ種類であるがバージョン違いのカスタムファームウェアが定義されている適合組合せD2を選び出す。例えば、図4の例を用いると、サーバー処理部20は、「a型」のカスタム機では、組合せデータD1に含まれる適合組合せD2のうち、メインファームウェア4aが「A12」、「A11」である適合組合せD2を抽出する。
一方、サーバー処理部20は、組合せデータD1のなかから、問い合わせ情報を発した複合機1の記憶部18にカスタムファームウェアが記憶されていない場合(全種類、一般用ファームウェアである場合)、複合機1(の機種)に適合する一般用ファームウェアの組合せが定義された適合組合せD2を選び出す。これにより、一般用ファームウェアを誤ってカスタムファームウェアにインストールすることがなくなる。
そして、サーバー処理部20は、選び出した適合組合せD2(機種に適合する各ファームウェア4の種類とそれらのバージョンの組合せ)を、複合機1の通信部19に向けて、サーバー通信部23に送信させる(ステップ♯23)。これにより、問い合わせ情報を送信した複合機1に対するサーバー2の応答処理は終了する(エンド)。尚、送信する適合組合せD2の数が多すぎると、複合機1で表示しきれない場合があるので、サーバー処理部20は、組合せデータD1に登録された時点が新しい順で、予め定められた個数分(例えば、3〜5)の適合組合せD2を送信するようにしてもよい。
〈3.バージョン変更の操作と処理〉
次に、図7、図8を用いて、適合組合せD2を受信した複合機1での処理を説明する。図7は、複合機1でのバージョン変更の操作と処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8は、バージョン変更設定画面S1の一例を示す図である。
図7のスタートは、複合機1の通信部19がサーバー通信部23から適合組合せD2を受信した時点である。まず、主制御部10は、適合組合せD2の内容を操作パネル11の表示部11aに表示させる(ステップ♯31)。図8に示すように、主制御部10は、適合組合せD2の内容をバージョン変更設定画面S1上に表示させる。そこで、図8を用いて、バージョン変更設定画面S1を説明する。
まず、主制御部10は、現在、記憶部18に記憶されているそれぞれのファームウェア4の現在のバージョンをバージョン変更設定画面S1内に表示させる。図8は、「Current Version」の文字が付された現バージョン表示領域S1aの内側に、記憶部18に記憶される現在の各ファームウェア4の種類と、それぞれのバージョンを表示する例を示す。これにより、現在の各ファームウェア4のバージョンを知ることができ、適合組合せD2との比較するうえで参照することができる。
図8に示す例では、現バージョン表示領域S1aは、「現在、記憶部18にバージョンC07であってカスタマイズされたメインファームウェア4aと、バージョン001であって一般用のパネル用ファームウェア4bと、バージョン002であって一般用のエンジン用ファームウェア4cと、バージョン002であって一般用のスキャン用ファームウェア4dの4種類のファームウェア4がインストールされている。」ことを示している。
また、主制御部10は、バージョン変更設定画面S1内にバージョン変更キーK1を表示させる。バージョン変更キーK1は、適合組合せD2に基づき、記憶部18に記憶されるファームウェア4の全種類、又は、一部を変更するときに操作される(詳細は後述)。
更に、図8に示すように、主制御部10は、バージョン変更設定画面S1内の適合組合せ表示領域S1bに、適合組合せD2での各ファームウェア4の種類と、それらのバージョンを表示部11aに表示させる。具体的に、主制御部10は、適合組合せD2ごとに複数のタブT1、T2、T3を表示部11aに表示させる。タブ(T1、T2、T3)内には、その適合組合せD2が組合せデータD1に登録された(含められた)時を示す情報が含まれる。具体的に、図8の上下両図の例では、3つのタブT1内に「2014/06」、タブT2内に「2014/01」、タブT3内に「2013/10」が付されている。具体的に、「2014年06月」、「2014年1月」、「2013年10月」に、それぞれのタブT1、T2、T3に対応する適合組合せD2が、サーバー記憶部21に登録されたことを示している。また、タブT1、T2、T3は、組合せデータD1として登録された時が新しい順に並べて表示される(図8の例では、左側ほど新しい)。
これらのタブT1、T2、T3の表示のため、サーバー記憶部21は、登録された年月日を示す属性情報が付された適合組合せD2を組合せデータD1として記憶する。言い換えると、サーバー記憶部21は、各適合組合せD2が組合せデータD1として登録された年月日も記憶する。そして、サーバー処理部20は、組合せデータD1として登録された年月日を、複合機1の機種及びカスタムファームウェアの有無に応じて適合するとして選ばれた各適合組合せD2に付して、複合機1の通信部19に送信する。
操作パネル11のタッチパネル部11bは、何れかのタブに対する操作を受け付ける。そして、主制御部10(パネル制御部110)は、操作されたタブに対応する適合組合せD2のファームウェア4の種類とそれらのバージョンを適合組合せ表示領域S1b内に表示させる(カスタムファームウェアであるか否かは、バージョンを示す部分にアルファベットが付されているか否からより示される)。図8の上側と下側の図は、タブT1に対応する適合組合せD2を表示している状態から、タブT3へのタッチ操作に応じて、タブT3に対応する適合組合せD2に表示を切り替える例を示している。
また、図8の上側のバージョン変更設定画面S1では、2014年06月に登録され、「バージョンC08であってカスタマイズされたメインファームウェア4aと、バージョン002であって一般用のパネル用ファームウェア4bと、バージョン003であって一般用のエンジン用ファームウェア4cと、バージョン003であって一般用のスキャン用ファームウェア4dの組合せ」が定められた適合組合せD2が示されている。
また、図8の下側のバージョン変更設定画面S1では、2013年10月に登録され、「バージョンC06であってカスタマイズされたメインファームウェア4aと、バージョン001であって一般用のパネル用ファームウェア4bと、バージョン002であって一般用のエンジン用ファームウェア4cと、バージョン002であって一般用のスキャン用ファームウェア4dの適合組合せD2、組合せ」が定められた適合組合せD2が示されている。
そして、主制御部10は、タッチパネル部11bがバージョン変更キーK1への操作(タッチ)を受け付けたか否か(バージョン変更設定画面S1でバージョン変更キーK1が操作されたか否か)を確認する(ステップ♯32)。バージョン変更キーK1への操作がなされないとき(ステップ♯32のNo)、フローは、ステップ♯31に戻る。
一方、バージョン変更キーK1への操作がなされたとき(ステップ♯32のYes)、主制御部10は、記憶部18に記憶されるファームウェア4のうち適合組合せD2で示されるバージョンと異なるバージョンのファームウェア4をサーバー2から通信部19にダウンロードさせる(ステップ♯33)。言い換えると、主制御部10は、表示部11aに表示されている適合組合せD2と一致させるため、記憶部18に記憶されるファームウェア4のうち、バージョン変更キーK1が操作された時点で内容が表示されていた適合組合せD2(選択されていたタブT1、T2、T3に対応する適合組合せD2)と異なるバージョンのファームウェア4について、適合組合せD2に示されるバージョンのファームウェア4を通信部19にダウンロードさせる(サーバー2から取得させる)。尚、カスタムファームウェアについては、場合により、バージョンが異なるものの、顧客の要望が実現され、同じタイプ、種類、系統であるカスタムファームウェアがダウンロードされる。
更に、主制御部10は、ダウンロードしたファームウェア4を記憶部18にインストールさせる(ステップ♯34)。このように、主制御部10は、記憶部18にインストールされるファームウェア4の種類とそれらのバージョンと、適合組合せD2に示されたファームウェア4の種類とそれらのバージョンを一致させるバージョン変更処理を、通信部19、記憶部18に行わせる。
尚、バージョン変更処理では、適合組合せD2のうち、現在、記憶部18に記憶されているファームウェア4よりも古いバージョンのファームウェア4への変更が許容されている。例えば、最新版のファームウェア4にインストールしたところ、後日、インストール後のファームウェア4に不具合が見つかり、インストール前のファームウェア4に戻したい場合がある。このように場合、サーバー2から受信した適合組合せD2のうち、元に戻したいファームウェア4のバージョンを含む適合組合せD2を選択し、バージョン変更処理を実行するだけで、複合機1の状態を動作に問題がない状態に戻すことができる。
このようにして、実施形態に係る画像形成システム100は、画像形成装置(複合機1)とサーバー2を含む。画像形成装置(複合機1)は、種類が異なる複数のファームウェア4と、それぞれのファームウェア4のバージョンを記憶する記憶部18と、サーバー2と通信するための通信部19と、記憶部18にインストールされた各ファームウェア4のうち、どのファームウェア4がカスタマイズされたカスタムファームウェアであるか、どのファームウェア4がカスタマイズされていない一般用ファームウェアであるかを判別し、記憶部18に記憶されているファームウェア4の種類と、どのファームウェア4がカスタムファームウェアであり、どのファームウェア4が一般用ファームウェアであるかを示す情報を含む問い合わせ情報を生成し、生成した問い合わせ情報を通信部19からサーバー2に送信させる制御部(主制御部10)、を含む。サーバー2は、問い合わせ情報を受信するサーバー通信部23と、種類ごと及びバージョンごとに、複数のファームウェア4を記憶するとともに、動作確認がとれているファームウェア4の種類とそれらのバージョンの組合せである適合組合せD2を複数、組合せデータD1として記憶するサーバー記憶部21と、問い合わせ情報を発した画像形成装置(複合機1)の記憶部18にカスタムファームウェアが記憶されている場合には、当該カスタムファームウェアを一般用ファームウェアに書き換えない適合組合せD2であって、画像形成装置に記憶されている各ファームウェア4とファームウェア4の種類が同じである適合組合せD2を、問い合わせ情報を発した画像形成装置の記憶部18にカスタムファームウェアが記憶されていない場合には、画像形成装置に記憶されている各ファームウェア4とファームウェア4の種類が同じである適合組合せD2を、組合せデータD1のなかから検索し、選び出した適合組合せD2をサーバー通信部23から通信部19にむけて返信させるサーバー処理部20と、を含む。適合組合せD2を受信したとき、画像形成装置(複合機1)の制御部(主制御部10)は、記憶部18に記憶されるファームウェア4のうち適合組合せD2に示されるバージョンと異なるバージョンのファームウェア4について、適合組合せD2に示されるバージョンと一致するようにファームウェア4をサーバー2から通信部19にダウンロードさせるとともに、ダウンロードしたファームウェア4を記憶部18にインストールさせるバージョン変更処理を記憶部18と通信部19に行わせる。
これにより、サーバー記憶部21には、動作しないといった不都合がなく、動作確認がとれているファームウェア4のバージョンの組合せである適合組合せD2が記憶される。そして、サーバー処理部20は、組合せデータD1のなかから、問い合わせしてきた画像形成装置の機種、インストールされているファームウェア4向けの適合組合せD2を検索する。そのため、検索により得られた適合組合せD2に示される各ファームウェア4のバージョンに合致するように画像形成装置の1又は複数のファームウェア4のバージョン変更を行っても、動作しないといった不都合は生じない。従って、変更後の各ファームウェア4のバージョンの組合せが、画像形成装置が動作しないような組合せとなることを防ぐことができる。
更に、画像形成装置にカスタムファームウェアがインストールされているとき、カスタムファームウェアを一般用ファームウェアに書き換えない適合組合せD2であって、画像形成装置に適合するファームウェア4の種類とそれらのバージョンの適合組合せD2、組合せが検索される。従って、カスタムファームウェアを一般用ファームウェアに誤って書き換えてしまうこともない。又、一般用ファームウェアは、一般用ファームウェアにバージョン変更され、カスタムファームウェアに変更されることがない。
ここで、適合組合せD2では、バージョンが同じカスタムファームウェアはもちろんのこと、バージョンは異なるが同じ顧客向けのカスタムファームウェアは、同じ種類のファームウェア4と扱われる。異なる顧客向けであり、実現される機能に差があるカスタムファームウェアは異なる種類のファームウェア4と扱われる。同様の用途、機能の一部は共通していても、カスタムファームウェアと一般用ファームウェアは異なる種類のファームウェア4として扱われる。
又、画像形成システム100の画像形成装置(複合機1)は、表示を行う表示部11aと、使用者の操作を受け付ける操作部(タッチパネル部11b、ハードキー11c)と、を含んでいる。そして、制御部(主制御部10)は、記憶部18に記憶されたそれぞれ各ファームウェア4の種類とそれらの現在のバージョンと、適合組合せD2での各ファームウェア4の種類と、それらのバージョンと、バージョン変更キーK1を表示部11aに表示させ、バージョン変更キーK1への操作を操作部が受け付けたとき、表示部11aに表示されている適合組合せD2と一致するように通信部19と記憶部18にバージョン変更処理を行わせる。これにより、キーをタッチするという簡単な操作で、適合組合せD2の適合組合せD2のバージョンと一致するように画像形成装置(複合機1)の各ファームウェア4をバージョン変更することができる。
又、サーバー処理部20は、複数種の適合組合せD2をサーバー通信部23から通信部19にむけて返信させる。そして、制御部(主制御部10)は、記憶部18に記憶されたそれぞれのファームウェア4の現在のバージョンとバージョン変更キーK1を表示部11aに表示させるとともに、適合組合せD2ごとに複数のタブT1、T2、T3を表示部11aに表示させ、更に、操作されたタブT1、T2、T3に対応する適合組合せD2の内容を表示部11aに表示させ、バージョン変更キーK1への操作を操作部が受け付けたとき、記憶部18に記憶されるファームウェア4のうち、バージョン変更キーK1が操作された時点で表示されていた適合組合せD2と異なるバージョンのファームウェア4について、通信部19と記憶部18にバージョン変更処理を行わせる。これにより、画像形成装置(複合機1)に適合するファームウェア4の種類とそれらのバージョンの組合せ(適合組合せD2)が複数存在するとき、これら複数の適合組合せD2を複数パターン、表示させることができる。そして、タブT1、T2、T3により、表示させる適合組合せD2を選択することができる。また、タブT1、T2、T3により選択された適合組合せD2と一致するバージョンで、各ファームウェア4のダウンロードとダウンロードしたファームウェア4のインストールがなされる。従って、容易に、画像形成装置に記憶される各ファームウェア4のバージョンを。使用者が所望するバージョンや、動作が保証されたバージョンにあわせることができる。
又、制御部(主制御部10)は、組合せデータD1として登録された時が新しい順に、それぞれの適合組合せD2に対応するタブT1、T2、T3を並べて表示し、組合せデータD1に登録された時を示す情報をタブT1、T2、T3内に表示させる。これにより、タブT1、T2、T3は、ファームウェア4バージョンが最新のものから順番に表示される。従って、組合せデータD1への登録時を確認することによって、以前のバージョンのファームウェア4をインストールしたい場合には、以前のファームウェア4のバージョンを含む適合組合せD2に対応するタブT1、T2、T3を選択し、バージョン変更キーK1を操作すればよい。また、画像形成装置(複合機1)のファームウェア4を、それぞれ最も新しいバージョンにしたい場合、登録時が最も新しいタブT1、T2、T3を選択し、バージョン変更キーK1を操作すればよい。従って、日時、新しさを基準に、画像形成装置の各ファームウェア4のバージョンを調整、変更することができる。
又、本発明(画像形成システム100)は、方法の発明としても捉えることができる。具体的に、本発明の画像形成システム100のバージョン変更処理方法は、種類が異なる複数のファームウェア4と、それぞれのファームウェア4のバージョンを画像形成装置(複合機1)に記憶させること、画像形成装置にインストールされた各ファームウェア4のうち、どのファームウェア4がカスタマイズされたカスタムファームウェアであるか、どのファームウェア4がカスタマイズされていない一般用ファームウェアであるかを判別すること、画像形成装置に記憶されているファームウェア4の種類と、どのファームウェア4がカスタムファームウェアであり、どのファームウェア4が一般用ファームウェアであるかを示す情報を含む問い合わせ情報を生成すること、生成した問い合わせ情報を画像形成装置からサーバー2に送信すること、種類ごと及びバージョンごとに、複数のファームウェア4をサーバー2に記憶させること、動作確認がとれているファームウェア4の種類とそれらのバージョンの組合せである適合組合せD2を複数、組合せデータD1としてサーバー2に記憶させること、問い合わせ情報を発した画像形成装置にカスタムファームウェアが記憶されている場合には、当該カスタムファームウェアを一般用ファームウェアに書き換えない適合組合せD2であって、画像形成装置に記憶されている各ファームウェア4とファームウェア4の種類が同じである適合組合せD2を、問い合わせ情報を発した画像形成装置にカスタムファームウェアが記憶されていない場合には、画像形成装置に記憶されている各ファームウェア4とファームウェア4の種類が同じである適合組合せD2を、組合せデータD1のなかから検索すること、選び出した適合組合せD2をサーバー2から画像形成装置通信部19にむけて返信すること、適合組合せD2を受信したとき、画像形成装置が記憶するファームウェア4のうち適合組合せD2に示されるバージョンと異なるバージョンのファームウェア4について、適合組合せD2に示されるバージョンと一致するようにファームウェア4をサーバー2からダウンロードすること、ダウンロードしたファームウェア4を画像形成装置にインストールするバージョン変更処理を行うこと、を含む。
これにより、本発明のバージョン変更処理方法によれば、インストールされる各ファームウェア4のバージョンの組合せが、動作に不都合、支障がある組合せとならない。また、画像形成装置にインストールされたファームウェア4のうち、カスタムファームウェアを誤って一般用ファームウェアに上書きしてしまうことがなくなる。
又、本発明は、上述のように、画像形成システム100の制御方法の発明として捉えることもできる。具体的には、
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、画像形成装置やサーバーを含む画像形成システムに使用可能である。
100 画像形成システム 1 複合機(画像形成装置)
10 主制御部(制御部) 11a 表示部
11b タッチパネル部(操作部) 11c ハードキー(操作部)
18 記憶部 19 通信部
2 サーバー 20 サーバー処理部
21 サーバー記憶部 23 サーバー通信部
4 ファームウェア D1 組合せデータ
D2 適合組合せ T1、T2、T3 タブ

Claims (5)

  1. 画像形成装置とサーバーを含み、
    前記画像形成装置は、
    種類が異なる複数のファームウェアと、それぞれの前記ファームウェアのバージョンを記憶する記憶部と、
    前記サーバーと通信するための通信部と、
    前記記憶部にインストールされた各前記ファームウェアのうち、どの前記ファームウェアがカスタマイズされたカスタムファームウェアであるか、どのファームウェアがカスタマイズされていない一般用ファームウェアであるかを判別し、前記記憶部に記憶されているファームウェアの種類と、どの前記ファームウェアが前記カスタムファームウェアであり、どのファームウェアが前記一般用ファームウェアであるかを示す情報を含む問い合わせ情報を生成し、生成した前記問い合わせ情報を前記通信部から前記サーバーに送信させる制御部、を含み、
    前記サーバーは、
    前記問い合わせ情報を受信するサーバー通信部と、
    種類ごと及びバージョンごとに、複数の前記ファームウェアを記憶するとともに、動作確認がとれている前記ファームウェアの種類とそれらのバージョンの組合せである適合組合せを複数、組合せデータとして記憶するサーバー記憶部と、
    前記問い合わせ情報を発した前記画像形成装置の前記記憶部に前記カスタムファームウェアが記憶されている場合には、当該カスタムファームウェアを前記一般用ファームウェアに書き換えない前記適合組合せであって、前記画像形成装置に記憶されている各前記ファームウェアとファームウェアの種類が同じである前記適合組合せを、前記問い合わせ情報を発した前記画像形成装置の前記記憶部に前記カスタムファームウェアが記憶されていない場合には、前記画像形成装置に記憶されている各前記ファームウェアとファームウェアの種類が同じである前記適合組合せを、前記組合せデータのなかから検索し、選び出した前記適合組合せを前記サーバー通信部から前記通信部にむけて返信させるサーバー処理部と、を含み、
    前記適合組合せを受信したとき、
    前記画像形成装置の前記制御部は、前記記憶部に記憶される前記ファームウェアのうち前記適合組合せに示されるバージョンと異なるバージョンの前記ファームウェアについて、前記適合組合せに示されるバージョンと一致するように前記ファームウェアを前記サーバーから前記通信部にダウンロードさせるとともに、ダウンロードした前記ファームウェアを前記記憶部にインストールさせるバージョン変更処理を前記記憶部と前記通信部に行わせることを特徴とする画像形成システム
  2. 前記画像形成装置は、表示を行う表示部と、使用者の操作を受け付ける操作部と、を含み、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶されたそれぞれ各前記ファームウェアの種類とそれらの現在のバージョンと、前記適合組合せでの各前記ファームウェアの種類と、それらのバージョンと、バージョン変更キーを前記表示部に表示させ、前記バージョン変更キーへの操作を前記操作部が受け付けたとき、前記表示部に表示されている前記適合組合せと一致するように前記通信部と前記記憶部に前記バージョン変更処理を行わせることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
  3. 前記サーバー処理部は、複数種の前記適合組合せを前記サーバー通信部から前記通信部にむけて返信させ、
    前記画像形成装置は、表示を行う表示部と、使用者の操作を受け付ける操作部と、を含み、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶されたそれぞれの前記ファームウェアの現在のバージョンとバージョン変更キーを前記表示部に表示させるとともに、前記適合組合せごとに複数のタブを前記表示部に表示させ、更に、操作された前記タブに対応する前記適合組合せの内容を前記表示部に表示させ、前記バージョン変更キーへの操作を前記操作部が受け付けたとき、前記記憶部に記憶される前記ファームウェアのうち、前記バージョン変更キーが操作された時点で表示されていた前記適合組合せと異なるバージョンの前記ファームウェアについて、前記通信部と前記記憶部に前記バージョン変更処理を行わせることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成システム。
  4. 前記制御部は、前記組合せデータとして登録された時が新しい順に、それぞれの前記適合組合せに対応する前記タブを並べて表示し、前記組合せデータに登録された時を示す情報を前記タブ内に表示させることを特徴とする請求項3記載の画像形成システム。
  5. 種類が異なる複数のファームウェアと、それぞれの前記ファームウェアのバージョンを画像形成装置に記憶させること、
    前記画像形成装置にインストールされた各前記ファームウェアのうち、どのファームウェアがカスタマイズされたカスタムファームウェアであるか、どのファームウェアがカスタマイズされていない一般用ファームウェアであるかを判別すること、
    前記画像形成装置に記憶されている前記ファームウェアの種類と、どのファームウェアが前記カスタムファームウェアであり、どのファームウェアが前記一般用ファームウェアであるかを示す情報を含む問い合わせ情報を生成すること、
    生成した前記問い合わせ情報を前記画像形成装置からサーバーに送信すること、
    種類ごと及びバージョンごとに、複数の前記ファームウェアを前記サーバーに記憶させること、
    動作確認がとれているファームウェアの種類とそれらのバージョンの組合せである適合組合せを複数、組合せデータとして前記サーバーに記憶させること、
    前記問い合わせ情報を発した前記画像形成装置に前記カスタムファームウェアが記憶されている場合には、当該カスタムファームウェアを前記一般用ファームウェアに書き換えない前記適合組合せであって、前記画像形成装置に記憶されている各前記ファームウェアと前記ファームウェアの種類が同じである前記適合組合せを、前記問い合わせ情報を発した前記画像形成装置に前記カスタムファームウェアが記憶されていない場合には、前記画像形成装置に記憶されている各前記ファームウェアと前記ファームウェアの種類が同じである前記適合組合せを、前記組合せデータのなかから検索すること、
    選び出した前記適合組合せを前記サーバーから前記画像形成装置通信部にむけて返信すること、
    前記適合組合せを受信したとき、前記画像形成装置が記憶する前記ファームウェアのうち前記適合組合せに示されるバージョンと異なるバージョンの前記ファームウェアについて、前記適合組合せに示されるバージョンと一致するように前記サーバーからダウンロードすること、
    ダウンロードした前記ファームウェアを前記画像形成装置にインストールするバージョン変更処理を行うこと、を特徴とする画像形成システムのバージョン変更処理方法。
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