JP2016030270A - 通電加熱方法及びプレス成形品の作製方法。 - Google Patents

通電加熱方法及びプレス成形品の作製方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】作業工程が少なく量産化し易い通電加熱方法とプレス成形品の作製方法を提供する。【解決手段】長手方向に断面積が変化する板状ワークWへ通電し、高温加熱される領域と高温加熱されない領域とが前記長手方向に沿って並ぶように板状ワークを加熱する通電加熱方法は、板状ワークに一方の電極1と他方の電極2とからなる電極対を配置する準備工程と、一方の電極が高温加熱される領域の一端部に達している状態で電極対に給電しながら一方の電極を長手方向に移動し、一方の電極が高温加熱される領域の他端部に達すると電極の移動を一旦停止し、その後所定時間経過すると電極対への給電を停止する加熱工程と、加熱工程のあと、一方の電極の長手方向への移動を再開して次の高温加熱される領域の一端部に一方の電極を移動して前記加熱工程に移行する非加熱工程を有する。この通電加熱方法で加熱された板状ワークをプレス型により加圧してホットプレス成形する。【選択図】図1

Description

本発明は、板状ワークを通電する通電加熱方法とそれを用いたプレス成形品の作製方法に関する。
自動車の構造物、例えば各種ピラー、リィンフォースメントなどの強度を必要とする部材には熱処理が施されて作製されている。熱処理には間接加熱と直接加熱がある。間接加熱には、ワークを炉に収容して炉の温度を制御することにより加熱する、いわゆる炉加熱などがある。直接加熱には、ワークに渦電流を流すことで加熱する誘導加熱と、ワークに電流を直接流すことで加熱する通電加熱とがある。
自動車ボディの部品として、異種鋼板をつなぎ合わせることで特性を部分的に変える、所謂テーラードブランク材が用いられている。例えば、特許文献1では、材質や厚みが異なる素材の各端部を突き合わせて溶接をした後、プレス加工を施している。
特開2004‐58082号公報
しかしながら、テーラーブランク材は、複数の素材を突き合わせて溶接する必要がある。また作業工程が多くなり、量産化に向かない。
そこで、本発明では、作業工程が少なく量産化し易い通電加熱方法と、それを用いたプレス成形品の作製方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の特徴的手段を講ずる。
[1] 長手方向に断面積が変化する板状ワークへ通電し、高温加熱される領域と高温加熱されない領域とが前記長手方向に沿って並ぶように前記板状ワークを加熱する通電加熱方法であって、
前記板状ワークに一方の電極と他方の電極とからなる電極対を配置する準備工程と、
前記一方の電極が前記高温加熱される領域の一端部に達している状態で電極対に給電しながら前記一方の電極を長手方向に移動し、前記一方の電極が前記高温加熱される領域の他端部に達すると前記電極の移動を一旦停止し、その後所定時間経過すると前記電極対への給電を停止する加熱工程と、
を含む、通電加熱方法。
[2] 前記加熱工程のあと、前記一方の電極の長手方向への移動を再開して次の高温加熱される領域の一端部に前記一方の電極を移動して前記加熱工程に移行する非加熱工程を含む、前記[1]に記載の通電加熱方法。
[3] 前記加熱工程において、前記高温加熱される領域が長手方向に所定の温度分布を有するように、前記電極対への給電、前記一方の電極の移動速度の何れか一方又は双方を制御する、前記[1]又は[2]に記載の通電加熱方法。
[4] 前記板状ワークの断面積の変化に応じて前記電極対への給電、及び、前記一方の電極の移動速度を制御し、
前記一方の電極が移動した領域であって前記高温加熱される領域に対し、前記一方の電極が前記高温加熱される領域の他端部から前記次の高温加熱される領域の一端部へ移動する間に、前記電極対へ給電されないことによる熱量の不足分を補うよう、前記高温加熱される領域の他端部に前記一方の電極を一旦移動を停止して、前記電極対へ給電する、前記[1]乃至[3]の何れかに記載の通電加熱方法。
[5] 前記電極対に供給する電流を一定とし、前記板状ワークの断面積の変化に応じて前記一方の電極の移動速度を制御し、前記高温加熱される領域の他端部から次の高温加熱される領域の一端部へ前記一方の電極を移動するのに必要な時間に基づいて前記所定時間を設定する、前記[1]乃至[3]の何れかに記載の通電加熱方法。
[6] 前記一方の電極の移動速度を一定とし、前記板状ワークの断面積の変化に応じて前記電極対に供給する電流を制御し、前記高温加熱される領域の他端部から次の高温加熱される領域の一端部へ前記一方の電極を移動するのに必要な時間に基づいて前記所定時間を設定する、前記[1]乃至[3]の何れかに記載の通電加熱方法。
[7] 長手方向に断面積が変化する板状ワークへ通電し、高温加熱される領域と高温加熱されない領域とが前記長手方向に沿って並ぶように前記板状ワークを加熱する通電加熱方法であって、
前記板状ワークに一方の電極と他方の電極とからなる電極対を配置し、
少なくとも前記一方の電極を、前記高温加熱されない領域上を移動する間は、前記電極対への給電を停止すると共に、
前記一方の電極が移動した領域であって前記高温加熱される領域に対し、前記一方の電極が前記高温加熱される領域の他端部から前記次の高温加熱される領域の一端部へ移動する間に、前記電極対へ給電されないことによる熱量の不足分を補うよう、前記高温加熱される領域の他端部に前記一方の電極を一旦移動を停止して、前記電極対へ給電する、通電加熱方法。
[8] 前記高温加熱される領域において、前記板状ワークの断面積が長手方向の位置に対して変化しない区間では、前記電極対への給電を停止する、前記[1]乃至[7]の何れかに記載の通電加熱方法。
[9] 前記[1]乃至[8]の何れかに記載の通電加熱方法を用いて板状ワークを加熱し、プレス型により加圧してホットプレス成形を行う、プレス成形品の作製方法。
本発明によれば、加熱工程を行うことにより、高温加熱される領域は高温加熱されない領域に比べて単位体積当たりの熱量が多くなるので、高温加熱される領域と、高温加熱されない領域とが長手方向に沿って形成され、比較的簡単な制御により量産化できる。またプレス成形品の作製が容易となる。
本発明の実施形態で適用される板状ワークを示し、(a)は平面図(b)は正面図、(c)は板状ワークの通電加熱方法を説明するための概念図である。 本発明の実施形態を説明する前提として、板状ワークに高温加熱される領域が一つ設定されている場合あって、電極対に一定電流を流して電極の移動速度を制御する場合を想定したときの通電加熱方法を示し、(a),(b),(c),(d)は長手方向の位置に対する電流I,移動電極の速度v(x),経過時間,最終の加熱温度を模式的に示す図である。 本発明の実施形態を説明する前提として、板状ワークに高温加熱される領域が一つ設定されている場合あって、一方の電極を一定速度で移動させながら電極対へ供給する電流を制御する場合を想定したときの通電加熱方法を示し、(a),(b),(c),(d)は長手方向の位置に対する電流I(x),移動電極の速度v,経過時間,最終の加熱温度を模式的に示す図である。 板状ワークに高温加熱されない領域が一つ設定されておりその両側に高温加熱される領域が設定されている場合において一定電流による通電加熱方法について示し、(a),(b),(c),(d)は長手方向の位置に対する電流I,移動電極の速度v(x),経過時間,最終の加熱温度を模式的に示す図である。 板状ワークに高温加熱されない領域が一つ設定されておりその両側に高温加熱される領域が設定されている場合において、一定速度で電極を移動させることによる通電加熱方法について示し、(a),(b),(c),(d)は長手方向の位置に対する電流I,移動電極の速度v,経過時間,最終の加熱温度を模式的に示す図である。 板状ワークWに高温加熱されない領域が二つ設定されておりその両側に高温加熱される領域が設定されている場合において一定電流による通電加熱方法について示し、(a),(b),(c),(d)は長手方向の位置に対する電流I,移動電極の速度v(x),経過時間,最終の加熱温度を模式的に示す図である。 板状ワークに高温加熱されない領域が二つ設定されておりその両側に高温加熱される領域が設定されている場合において、一定速度で電極を移動させることによる通電加熱方法について示し、(a),(b),(c),(d)は長手方向の位置に対する電流I(x),移動電極の速度v,経過時間,最終の加熱温度を模式的に示す図である。 図1とは異なる板状ワークの一部を示す平面図である。 図1及び図8とは異なる板状ワークを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図1、図8及び図9と異なる板状ワークの平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔対象ワークその1〕
本発明の実施形態において適用されるワークは、長手方向に断面積が変化する、すなわち長手方向に直交する断面積が長手方向に変化する板状のワークである。例えば、一定の板厚を有し、板幅が長手方向に単調減少又は単調増加する鋼板が挙げられる。以下、図1に示すように、左端が幅広であり、右幅が幅狭である場合を例にとって説明する。このようなワークWを通電加熱するためには、一方の電極1と他方の電極2とを加熱される領域の広幅側の一端部に設置し、各電極1,2を配線により給電設備に接続する。給電は直流電流でも交流電流でもよい。以下では、一方の電極1を移動電極として用い、他方の電極2を固定電極として用いる例を説明するが、後述するように双方の電極を移動電極として用いてもよい。他方の電極2は幅広である左端側に設置し、他方の電極2の右側に近接して一方の電極1を配置する。一方の電極1及び他方の電極2の何れも、加熱される領域の幅よりも長く、加熱される領域を横断して配置される。移動電極は移動機構(図示しない)に取り付けられ、板状ワークWに接触したままで長手方向に沿って移動される。
〔板状ワークに高温加熱される領域が一つ設定されている場合の通電加熱方法〕
本発明の実施形態を説明する前提として、図1に示す板状ワークWに高温加熱される領域が一つ設定されている場合の通電加熱方法について説明する。板状ワークWの加熱領域が図1(c)のように仮想的に区分され、各仮想区分領域が長手方向に並んでいると考える。第i区分領域はその板幅、即ち奥行き幅を有し、長手方向距離Lをn等分した距離ΔL(=L/n)を有する。移動電極が距離ΔLを通過する際の通電電流をI,通電時間をtとすると、第i区分領域の昇温θは、移動電極がこの区分を通過した以降、通電により供給されるエネルギーの総和によって定まり、式(1)で与えられる。iは1からnまでの自然数である。
Figure 2016030270
ここで、ρは抵抗率(Ωm)、ρは密度(Kg/m)、Cは比熱(J/kg・℃)、Aiは第i区分の断面積である。
板状ワークの抵抗率、比熱、密度が略同一の範囲である場合、各区分の温度が一定となるには、式(2)で示される関係を満たすように各区分での電流I及び通電時間tを決定すればよい。
Figure 2016030270
即ち、板状ワークWが均一に加熱されるためには、板状ワークを長手方向に区分した領域毎に、各領域を移動電極が移動した以後の通電により供給される単位体積当たりの熱量が同一の範囲となるように、一方の電極1と他方の電極2とで構成する電極対への供給する電流、移動電極の速度の何れか一方又は双方を制御すればよい。
一般的に、加熱される領域を長手方向にn分割し、加熱される領域が或る温度分布を持たせたい場合には、次のように考えればよい。即ち、第i区分の温度をθiとすると、θi=f(xi)で示されるよう温度分布を有する場合には、各区分での電流Iiと通電時間tiが次の関係を満たせるように制御すればよい。
Figure 2016030270
ただし、xi=ΔL×iであり、i=1〜nである。
電極の移動速度が一定である場合には、各区分の断面積Aに応じて電流Iを設定すればよいし、電流Iが一定である場合には、各区分の断面積Aに応じて電極の移動速度を設定すればよいし、各区分の断面積Aに応じて、電流I及び電極の移動速度を設定してもよい。ここで、第i区分領域Wiでの電極の移動速度vは、ΔL/tで規定される。また移動電極が第n区分領域まで移動すると電極の移動を停止するが、停止した後第n区分領域が昇温するのに必要な時間だけ給電し続け、加熱される領域が温度分布を有する。ここで、「温度分布を有する」とは、同一の温度範囲であるという意味と、温度勾配を有する場合であるという意味の双方を有する。
図2には、板状ワークに高温加熱される領域が一つ設定されている場合であって、電極対に一定電流を流して電極の移動速度を制御する場合を想定したときの通電加熱方法が示されている。図2(a)に示すように長手方向の位置に対する電流Iを一定とし、式(2)を満たすように一方の電極1の移動速度を断面積の変化に基づいてv(x)で変化させ、図2(b)に示すように増加させる。すると、通電開始からの経過時間と一方の電極1の位置と関係は図2(c)に示すようになり、最終の加熱温度は図2(d)のようになり均一となり板状ワークWが加熱される。
図3には、板状ワークに高温加熱される領域が一つ設定されている場合であって、一方の電極1を一定速度で移動して電極対への電流を制御する場合を想定したときの通電加熱方法が示されている。図3(b)に示すように一方の電極を一定速度vで移動させ、式(2)を満たすように電極対へ供給する電流I(x)を断面積の変化に基づいて変化させ図3(a)に示すように減少させる。すると、通電開始からの経過時間と一方の電極1の位置との関係は図3(c)に示すようになり、最終の加熱温度は図3(d)のようになり均一となり板状ワークWが加熱される。
〔板状ワークに高温加熱される領域と高温加熱されない領域とが設定されている場合の通電加熱方法〕
本発明の実施形態は、長手方向に断面積が変化する板状ワークへ通電し、高温加熱される領域と高温加熱されない領域とが長手方向に沿って並ぶように板状ワークを加熱する方法に関する。この通電加熱方法は、準備工程及び加熱工程を行うことで実現され、さらに非加熱工程を行うことにより高温加熱される領域と高温加熱されない領域とが長手方向に沿って交互に並んで設けられる。
準備工程とは、板状ワークに一方の電極と他方の電極とからなる電極対を配置する工程である。
加熱工程とは、一方の電極が高温加熱される領域の一端部に達している状態で電極対に給電しながら一方の電極を長手方向に移動し、一方の電極が高温加熱される領域の他端部に達すると電極の移動を一旦停止し、その後所定時間経過すると電極対への給電を停止する工程である。
非加熱工程とは、加熱工程のあと、一方の電極の長手方向への移動を再開して次の高温加熱される領域の一端部に一方の電極を移動して加熱工程に移行する工程である。
準備工程では、他方の電極を高温加熱される領域の幅広側に配置し、一方の電極を他方の電極の隣で高温加熱される領域の幅狭側に配置してもよい。または、他方の電極を高温加熱されない領域の幅広側に配置し、一方の電極を他方の電極の隣で高温加熱されない領域の幅狭側に配置し、その上で一方の電極を長手方向に移動して高温加熱される領域の一端部に達するように移動させてもよい。つまり、一方の電極と他方の電極とを板状ワークに配置し、少なくとも何れかの電極を移動して加熱工程に移行するようにしてもよい。
加熱工程での所定時間とは、例えば、非加熱工程において、一方の移動電極が、高温加熱される領域の他端部から次の高温加熱される領域の一端部へ移動するまでの時間であり、一方の電極が高温加熱されない領域を移動する際に給電を停止することにより生じる熱量の不足分を補う。なお、高温加熱される領域が一つである場合には、所定時間とはその一つの領域が全体として所定の温度分布を有するように加熱されて所定の温度まで昇温するのに必要な熱量を補える時間として設定される。高温加熱される領域が複数ある場合においても、最終の高温加熱される領域の他端部に電極の移動を停止しているときも同様である。ここで、「温度分布を有する」とは、同一の温度範囲であるという意味と、温度勾配を有する場合であるという意味の双方を有する。
電極対への給電と一方の電極の移動速度とは、板状ワークWを図1(c)に示すように長手方向に区分した領域毎に、各加熱工程での給電により供給される単位体積当たりの熱量が同一の範囲となるように、双方可変制御されてもよいし、何れか一方を固定の値として他方を可変として制御されてもよい。また、一般に、加熱領域が長手方向に同一の範囲の或る温度を有するように、電極対への給電、一方の電極の移動速度の何れか一方又は双方を制御してもよい。ここで、温度分布とは、温度が同一性の範囲の分布を有する場合、或る温度勾配を有する場合の何れも含まれる。
〔板状ワークに高温加熱されない領域が一つ設定されておりその両側に高温加熱される領域が設定されている場合における一定電流による通電加熱方法〕
板状ワークWに高温加熱されない領域が一つ設定されておりその両側に高温加熱される領域が設定されている場合を考える。図1に示す板状ワークWの長手方向にx軸をとり、板幅の大きい一端をx=0とする。今、x≦x≦xの範囲が高温加熱されない領域として設定されるとする。すると、移動電極となる一方の電極1がx≦x≦xにあるときは給電を一旦停止することが考えられる。図4は、板状ワークWに高温加熱されない領域が一つ設定されておりその両側に高温加熱される領域が設定されている場合において一定電流による通電加熱方法について示し、(a),(b),(c),(d)は長手方向の位置に対する電流I,移動電極の速度v(x),経過時間,最終の加熱温度を模式的に示す図である。
図4(a)に示すように、移動電極がx=xからx=xへ移動する間給電を停止し、図4(b),(c)に示すように、移動電極の速度v(x)、経過時間が図2に示す場合と同じにすると、x≦x≦Lの領域は所定の温度まで加熱される一方、0≦x≦xの領域は、移動電極がx=xからx=xまで移動する間に給電が停止されることから、その給電停止期間だけ熱量が供給されず図4(d)において点線で示す温度まで加熱されない。
そこで、板状ワークWのうち0≦x≦xの領域が所定の高温まで加熱されないことを防ぐために、移動電極がx=xに達すると、移動電極がx=xからx=xまで移動するのに必要な時間だけ移動電極を一旦停止させて一定電流Iを供給し続け、その後、電流供給を一旦停止し、移動電極をx=xからx=xまで移動し、一定電流の供給を再開するとよい。
つまり、移動電極がx=xに達すると電極の移動を一旦停止させて、仮に移動電極がx=xからx=xまで移動する間、断面積の変化に応じて移動速度v(x)を変化させてその移動速度v(x)で移動し続けたとしたとき移動電極がx=xに移動するまでの時間、一定電流の供給をする。すると、板状ワークWのうち0≦x≦xの領域で不足する熱量を補うことができる。また、移動電極がx=xに達した後から給電を停止するまでの時間は、移動電極をx=xからx=xまでに移動させる間、給電を停止するので、それにより、x≦xの領域への熱量の供給が減るのを補うのに必要な時間に設定される。そのとき、電極対への供給する電流を変化させてもよい。
なお、給電を一旦停止して移動電極をx=xからx=xまで移動させる時間は、板状ワークWの最終加熱温度に影響を殆ど与えないので、任意の速度で移動させてもよい。
〔板状ワークに高温加熱される領域の間に高温加熱されない領域が一つ設定されている場合において、一定速度で電極を移動させることによる通電加熱方法〕
図4に示す場合と異なり、一定速度で電極を移動させることによる通電加熱について説明する。図5は、板状ワークWに高温加熱されない領域が一つ設定されておりその両側に高温加熱される領域が設定されている場合において、一定速度で電極を移動させることによる通電加熱方法について示し、(a),(b),(c),(d)は長手方向の位置に対する電流I,移動電極の速度v,経過時間,最終の加熱温度を模式的に示す図である。
図5(a)に示すように、移動電極がx=xからx=xまで移動する間、給電を停止し、図5(b),(c)に示すように、移動電極の速度v、経過時間が図3に示す場合と同じにすると、x≦x≦Lの領域は所定の温度まで加熱される一方、0≦x≦xの領域は、移動電極がx=xからx=xの間を移動する間に通電が停止されることから、その通電停止期間だけ熱量の供給がされず図5(d)に点線で示す温度まで加熱されない。
そこで、板状ワークWのうち0≦x≦xの領域が所定の高温まで加熱されないことを防ぐために、移動電極がx=xに達すると、あたかも移動電極をそのまま一定速度vで移動させたと仮定して断面積の変化に応じて電流を制御して供給し続け、移動電極がx=xからx=xまで移動するのに必要な時間、すなわち、高温加熱されない領域の長手方向の長さ分だけ速度vで移動するのに必要な時間だけ電極の移動を一旦停止させる。その後、給電を一旦停止し、移動電極をx=xからx=xまで一定速度vで移動し、一定電流の供給を再開する。つまり、移動電極をx=xで移動を停止させ、移動電極がx=xからx=xまでの間を仮に移動すると仮定したとき式(2)を満たすように電流を制御する。すると、板状ワークWのうち0≦x≦xの領域で不足する熱量を補うことができる。なお、給電を一旦停止して移動電極をx=xからx=xまで移動させることは、板状ワークWの最終加熱温度に影響を殆ど与えないので、任意の速度で移動させてもよい。
〔板状ワークに高温加熱される領域の間に高温加熱されない領域が二箇所設定されている場合において一定電流による通電加熱方法〕
次に、板状ワークWに高温加熱されない領域が二つ設定されておりその両側に高温加熱される領域が設定されている場合を考える。今、x≦x≦xの範囲とx≦x≦xの範囲が高温加熱されない領域として設定されるとする。すると、移動電極がx≦x≦xにあるときとx≦x≦xにあるとき電流供給を一旦停止することが考えられる。図6は、板状ワークWに高温加熱されない領域が二つ設定されておりその両側に高温加熱される領域が設定されている場合において一定電流による通電加熱方法について示し、(a),(b),(c),(d)は長手方向の位置に対する電流I,移動電極の速度v(x),経過時間,最終の加熱温度を模式的に示す図である。
図6(a)に示すように、移動電極がx=xからx=xまで移動する間、x=xからx=xまで移動する間、給電を停止し、図6(b),(c)に示すように、移動電極の速度v(x)、経過時間が図2に示す場合と同じにすると、x≦x≦Lの領域は所定の温度まで加熱される一方、0≦x≦xの領域は、移動電極がx=xからx=xまで移動する間、x=xからx=xまで移動する間給電が停止されることから、給電を停止した期間だけ熱量が供給されず所定の高温まで加熱されない。x≦x≦xの領域についても、移動電極がx=xからx=xまで移動する間給電が停止されることから、給電を停止した期間だけ熱量が供給されず所定の高温まで加熱されない。
そこで、板状ワークWのうち0≦x≦xの領域が所定の高温まで加熱されないことを防ぐために、移動電極がx=xに達すると、移動電極がx=xからx=xまで移動するのに必要な時間だけ移動電極を一旦停止させて一定電流Iを供給し続け、その後、給電を一旦停止し、移動電極をx=xからx=xまで移動し、一定電流の供給を再開する。
また、板状ワークWのうちx≦x≦xの領域は、所定の高温まで加熱されないことを防ぐために、移動電極がx=xに達すると、移動電極がx=xからx=xまで移動するのに必要な時間だけ移動電極を一旦停止させて一定電流Iを供給し続け、その後、給電を一旦停止し、移動電極をx=xからx=xまで移動し、一定電流の供給を再開する。これは、板状ワークWのうち0≦x≦xの領域が所定の高温まで加熱されないことを防ぐことにも役立つ。
つまり、移動電極がx=xに達すると電極の移動を一旦停止させて、仮に移動電極がx=xから移動速度v(x)で移動し続けx=xに移動するまでの時間、一定電流Iを供給する。さらに、移動電極がx=xに達すると一旦移動を停止させ、仮に移動電極がx=xから移動速度v(x)で移動し続けx=xに達するまでの時間、一定電流Iを供給する。すると、板状ワークWのうち0≦x≦xの領域、x≦x≦xの領域で不足する熱量を補うことができる。なお、一般に、移動電極がx=x、xにおいて、電極を移動させないで通電する時間は、移動電極がx=x〜xまで移動する間に、またx=x〜xまで移動する間に、高温加熱される領域への給電量の不足分を補うのに必要な電流及び時間で決定される。
〔板状ワークに高温加熱される領域の間に高温加熱されない領域が二箇所設定されている場合において、一定速度で電極を移動させることによる通電加熱方法〕
図6に示す場合とは異なり、一定速度で電極を移動させることによる通電加熱について説明する。図7は、板状ワークWに高温加熱されない領域が二つ設定されておりその両側に高温加熱される領域が設定されている場合において、一定速度で電極を移動させることによる通電加熱方法について示し、(a),(b),(c),(d)は長手方向の位置に対する電流I(x),移動電極の速度v,経過時間,最終の加熱温度を模式的に示す図である。
図7(a)に示すように、移動電極がx=xからx=xまで移動する間、x=xからx=xまで移動する間、給電を停止し、図7(b),(c)に示すように、移動電極の速度v、経過時間が図3に示す場合と同じにすると、x≦x≦Lの領域は所定の温度まで加熱される一方、0≦x≦xの領域は、移動電極がx=xからx=xまで移動する間、x=xからx=xまで移動する間給電が停止されることから、その給電を停止した間だけ熱量が供給されず所定の高温まで加熱されない。
そこで、板状ワークWのうち0≦x≦xの領域、x≦x≦xの領域が所定の高温まで加熱されないことを防ぐために、移動電極がx=xに達すると、あたかも移動電極をそのまま一定速度vで移動させたと仮定して断面積の変化に応じて電流を制御して供給し続け、移動電極がx=xからx=xまで速度vで移動するのに必要な時間だけ電極の移動をx=xにおいて一旦停止させる。その後、給電を一旦停止し、移動電極をx=xからx=xまで一定速度vで移動し、移動電極がx=xに達すると、x=xでの断面積に応じた電流の供給を再開する。
続けて、移動電極がx=xに達すると、あたかも移動電極をそのまま一定速度vでx=xからx=xまで移動させたと仮定して断面積の変化に応じて電流を制御して供給し続け、移動電極がx=xからx=xまで速度vで移動するのに必要な時間だけ電極の移動をx=xにおいて一旦停止させる。その後、給電を一旦停止し、移動電極をx=xからx=xまで一定速度vで移動し、移動電極がx=xに達するとx=xでの断面積に応じた電流の供給を再開する。これは、板状ワークWのうち0≦x≦xの領域が所定の高温まで加熱されないことを防ぐことにも役立つ。
つまり、移動電極がx=xに達すると電極の移動を一旦停止させて、仮に移動電極がx=xからx=xまで移動する間を一定速度vで移動する時間、移動電極の仮の位置での断面積の変化に応じて電流を制御し続けて供給する。その後給電を停止して移動電極をx=xからx=xまで移動させ、移動電極がx=xに達するとその断面積に応じた電流の供給を再開する。移動電極がx=xに達すると電極の移動を一旦停止させて、仮に移動電極がx=xからx=xまで移動する間を一定速度vで移動する時間、移動電極の仮の位置での断面積の変化に応じて電流を制御し続けて供給する。その後給電を停止して移動電極をx=xからx=xまで移動させ、移動電極がx=xに達するとその断面積に応じた電流の供給を再開する。すると、板状ワークWのうち0≦x≦xの領域、x≦x≦xの領域で不足する熱量を補うことができる。なお、一般に、移動電極がx=x、xにおいて、電極を移動させないで通電する時間は、移動電極がx=x〜xまで移動する間に、またx=x〜xまで移動する間に、高温加熱される領域への給電量の不足分を補うのに必要な電流及び時間で決定される。
以上の各説明では、高温加熱される領域が2つの場合を想定しているが、それ以上の場合であっても、前述したように加熱工程と非加熱工程とを順に繰り返せばよい。
〔対象ワークその2とその通電加熱方法〕
長手方向に断面積が変化するような板状ワークであっても、長手方向で或る区間において断面積が変化しないような板状ワークにおいても、次のようにすれば通電加熱することができる。図8は、図1とは異なる板状ワークの一部を示す平面図である。板状ワークW1が一定の板厚を有して図8に示すようなxα≦x≦xβで板厚が変化しないため断面積がxα≦x≦xβで変化しないようなワークにおいて、x=0からx=xまでの間が高温加熱される領域として設定される場合には、次のようにすればよい。準備工程として一方の電極1及び他方の電極2の電極対を高温加熱される領域の広幅側の一端部に配置し、各電極1,2を配線により給電設備に接続する。そして、電極対へ前述の要領で移動速度、供給する電流を制御しながら一方の電極1をx=xαまで移動し、その後給電を一旦停止する。一方の電極1をx=xβまで任意の速度で移動させ、その後、一方の電極1がx=xβにある状態でx=xαでの速度と同じ速度で給電を再開する。これにより、高温加熱される領域に断面積が変化しない部分があっても、前述と同様に加熱することができる。
また、高温加熱される領域と高温加熱されない領域にまたがって断面積が変化しない区間を設ける場合において、高温加熱される領域、高温加熱されない領域の順に一方の電極1が移動する際には、前述の趣旨に沿って変更すればよい。例えば、高温加熱される領域において断面積が変化しない区間が開始する位置で給電を一旦停止し、その後、高温加熱される領域の他端部まで一方の電極1を移動させその位置で再度一方の電極1の移動を停止して給電停止前の電流を所定時間流す。ここでの所定時間とは、仮に一方の電極1が隣接する高温加熱されない領域を長手方向に通過して次の高温加熱される領域まで移動する間給電したとして、本来であれば一方の電極1が既に通過した高温加熱される領域へ供給されるべき熱量を供給する時間である。その後、給電を停止し、一方の電極1を次の高温加熱される領域の一端部まで移動させるようにすればよい。なお、所定時間のみならず、供給する電流量を調整するようにして、本来であれば一方の電極1が既に通過した高温加熱される領域へ供給されるべき熱量を供給してもよい。
逆に、高温加熱されない領域と高温加熱される領域にまたがって断面積が変化しない区間を設ける場合において、高温加熱されない領域、高温加熱される領域の順に一方の電極1が移動する際には、前述の趣旨に沿って変更すればよい。例えば、高温加熱されない領域から高温加熱される領域に一方の電極1が移動し、高温加熱される領域の一端部に達しても断面積が変化しない区間が終了するまでは給電を開始しない。加熱される領域において断面積が変化しない区間が終了する位置に達すると給電を開始すればよい。
〔対象ワークその3と通電加熱方法〕
図9は、図1及び図8とは異なる板状ワークを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。図9に示すように板状ワークW2を左右の幅が奥行き方向で異ならないで略一定とし、或る一以上の区間で板厚が変化しているような板状ワークW2を想定する。板状ワークW2の厚みは、左右方向すなわち長手方向に或る一以上の区間だけ厚く設定し、その他の区間では薄く設定する。すなわち、薄板の部分Rαと厚板の部分Rβとが交互に並んでおり、両端側には薄板の部分Rαが存在している。これにより、板状ワークW2の表面及び裏面の少なくとも一方には長手方向に沿って凹凸が生じる。図9では凹凸は板厚に比べて誇張して示している。
図9に示すような板状ワークW2を通電加熱する場合には、図1とは異なり、加熱される領域の左右両端に電極1,2に配置する。電極1,2は、加熱される領域の幅よりも長く、加熱される領域を横断して配置される。電極1及び電極2の間を配線により給電設備に接続する。そして、給電設備から電極1及び電極2に給電する。
すると、電極1と電極2との間の板状ワークW2において、長手方向に直交する断面積が小さい部分では電流密度が大きく、断面積が大きい部分では電流密度が小さくなる。電流密度が大きい部分では電流密度が小さい部分よりも供給される熱量が大きくなり、電流密度が小さい部分は電流密度が大きい部分と比べて温度が上昇しない。
これにより、板状ワークW2の長手方向に沿って、高温加熱される領域と高温加熱されない領域とを断面積の大小により設けることができる。
すなわち、本発明の一実施形態は、板状ワークW2を通電することにより高温加熱される領域と高温加熱されない領域とが長手方向に並んで例えば交互に並ぶようにする通電加熱方法は、次のステップにより実現される。
先ず、高温加熱されない領域では長手方向の断面を大きく設定した板状ワークW2を準備する。
次に、板状ワークW2の加熱領域の一端部に一方の電極1を配置し、加熱領域の他端に対となる他方の電極2を配置する。
そして、一方の電極1と他方の電極2との間に給電する。ここで、給電は直流を用いても交流を用いてもよい。
図9に点線で示すように、板状ワークW2において凹凸が緩やかに変化するように傾斜部10を設けることが好ましい。また板状ワークW2の表面と裏面の何れかで凹凸を設ける方が好ましい。これは、板状ワークW2の断面積を長手方向に沿って急激に変化させても、板状ワークW2の表裏面近傍に電流が広がらずに、長手方向に沿って平行に流れる電流が多くなり、断面積の大きい部分において硬さの均一性が損なわれるためである。
本発明の各実施形態において、高温加熱される領域の温度は、Ac3点以上の温度であり、例えば850℃以上である。一方、高温加熱されない領域の温度とは、例えばAc1点より低い、例えば730℃以下の温度である。板状ワークを通電加熱した後に、プレス型により加圧してプレス型により加圧してホットプレス成形を行うことができる。よって、高温加熱される領域は焼入れがなされる部分となり、高温加熱されない領域は焼入れがなされない部分となる。これにより、材質が異なる板状のピースを溶接等しなくても、所定の硬度を有する部分とそうでない部分とを同じ材質の板で製造することができる。
〔変形例〕
本発明の実施形態では、板状ワークにおいて加熱領域が設定され、その加熱領域において高温加熱される領域と高温加熱されない領域とが長手方向に交互に存在している場合を説明している。次のような板状ワークにおいても適用可能である。
図10は、図1、図8及び図9と異なる板状ワークの平面図である。図10に示す板状ワークW3は、断面積の左右方向の変化に極値を有するような形状をしている。例えば、一定の板厚を有し、板幅が長手方向に単調増加しその後単調減少している。板状ワークW3を通電加熱する場合には、加熱される領域において板幅が広い部分に一方の電極1と他方の電極2とを並べて配置し、各電極1,2を配線により給電設備に接続する。ここで供給される電気は直流でも交流もよい。この実施形態では、一方の電極1として移動電極を用い、かつ他方の電極2として移動電極を用いる。移動電極は移動機構(図示しない)に取り付けられ、板状ワークW3に接触したままで長手方向に沿って逆向きに移動する。
各移動電極は前述したように、断面積の変化に応じて電極の移動速度や電流を調整し、長手方向に区分した領域毎に給電により供給される単位体積当たりの熱量が同一の範囲となるようにする。或る例では、断面積の変化に応じて電極の速度を増加させ、移動電極が高温加熱される領域の端部に到達すると、その高温加熱される領域の端部に電極を停止させて一定の電流Iを供給し続けて給電を一旦停止し、移動電極を次の高温加熱される領域の端部まで移動させ、給電を再開するとよい。別の例では、移動電極を一定速度で移動させつつ断面積の変化に応じて電流を制御し、移動電極が高温加熱される領域の端部に到達すると、高温加熱される領域の端部で電極を停止させて前述の実施形態と同様電流を制御して供給し続け、その後給電を一旦停止し、電極を次の高温加熱される領域の端部まで移動させ、給電を再開するとよい。
本発明の実施形態では、加熱工程において、高温加熱される領域が長手方向に所定の温度分布を有するように、電極対への給電、一方の電極の移動速度の何れか一方又は双方を制御することで、高温加熱される領域と高温加熱されない領域とが交互に設けることができる。その際、高温加熱される領域毎に、温度が異なっていても、また、高温加熱される領域内において温度が分布を持っていてもよい。高温加熱される領域毎に、同一の温度となるようにするには、前記板状ワークを長手方向に区分した領域毎に、前記加熱工程での給電により供給される単位体積当たりの熱量が同一の範囲となるように、前記電極対への給電、前記一方の電極の移動速度の何れか一方又は双方を制御すればよい。
また、本発明の実施形態では、板状ワークの断面積の変化に応じて電極対への給電、及び、前記一方の電極の移動速度を制御し、一方の電極が移動した領域であって高温加熱される領域に対し、一方の電極が前記高温加熱される領域の他端部から次の高温加熱される領域の一端部へ移動する間に、電極対へ給電されないことによる熱量の不足分を補うよう、前記高温加熱される領域の他端部に一方の電極を一旦移動を停止して、電極対へ給電する。これにより、高温加熱されない領域上で一方の電極が移動する際、給電されないことによる熱量の不足分を補うことができる。
素材として炭素0.2%を含み、長さLが500mmであり、板厚が0.6mmであり、一方の板幅が100mm、他方の板幅が200mmの平面視で等脚台形の板状ワークを準備した。幅広の一端部に固定電極を配置し、固定電極の内側に移動電極を配置した。式(2)を満たす速度v(x)で移動電極移動させながら、交流50Hzで実効電流が2600Aで一定とした。x=0を板状ワークの幅狭の一端とし、板状ワークの幅広側にx軸の正の方向にとった。単位はmmである。高温加熱される領域を、110≦x≦200,300≦x≦350,450≦x≦500とした。なお、加熱開始から最終の加熱終了までの時間を16.8秒であった。
x軸上で各位置の最終加熱温度をサーモカメラにより測定した。なお測温位置は奥行き板幅のほぼ中心である。x=90mmでは783.3℃、x=110mmでは860.1℃、x=130mmでは953.3℃、x=205mでは684.4℃、x=250mmでは703.5℃、x=305mmでは905.2℃、x=325mmでは953℃、x=355mmでは693.5℃、x=400mmでは720.3℃、x=455mmでは897.3℃、x=490mmでは918.7℃であった。
以上の結果から、一つの素材で構成された板状ワークであっても、高温加熱された領域と、高温加熱されない領域とが交互に長手方向に沿って設けることが出来ることが分かった。
1:一方の電極(電極)
2:他方の電極(電極)
10:傾斜部
W,W1,W2,W3:板状ワーク
Wi:第i区分領域
α:薄板の部分
β:厚板の部分

Claims (9)

  1. 長手方向に断面積が変化する板状ワークへ通電し、高温加熱される領域と高温加熱されない領域とが前記長手方向に沿って並ぶように前記板状ワークを加熱する通電加熱方法であって、
    前記板状ワークに一方の電極と他方の電極とからなる電極対を配置する準備工程と、
    前記一方の電極が前記高温加熱される領域の一端部に達している状態で前記電極対に給電しながら前記一方の電極を長手方向に移動し、前記一方の電極が前記高温加熱される領域の他端部に達すると前記電極の移動を一旦停止し、その後所定時間経過すると前記電極対への給電を停止する加熱工程と、
    を含む、通電加熱方法。
  2. 前記加熱工程のあと、前記一方の電極の長手方向への移動を再開して次の高温加熱される領域の一端部に前記一方の電極を移動して前記加熱工程に移行する非加熱工程を含む、請求項1に記載の通電加熱方法。
  3. 前記加熱工程において、前記高温加熱される領域が長手方向に所定の温度分布を有するように、前記電極対への給電、前記一方の電極の移動速度の何れか一方又は双方を制御する、請求項1又は2に記載の通電加熱方法。
  4. 前記板状ワークの断面積の変化に応じて前記電極対への給電、及び、前記一方の電極の移動速度を制御し、
    前記一方の電極が移動した領域であって前記高温加熱される領域に対し、前記一方の電極が前記高温加熱される領域の他端部から前記次の高温加熱される領域の一端部へ移動する間に、前記電極対へ給電されないことによる熱量の不足分を補うよう、前記高温加熱される領域の他端部に前記一方の電極を一旦移動を停止して、前記電極対へ給電する、請求項1乃至3の何れかに記載の通電加熱方法。
  5. 前記電極対に供給する電流を一定とし、前記板状ワークの断面積の変化に応じて前記一方の電極の移動速度を制御し、前記高温加熱される領域の他端部から次の高温加熱される領域の一端部へ前記一方の電極を移動するのに必要な時間に基づいて前記所定時間を設定する、請求項1乃至3の何れかに記載の通電加熱方法。
  6. 前記一方の電極の移動速度を一定とし、前記板状ワークの断面積の変化に応じて前記電極対に供給する電流を制御し、前記高温加熱される領域の他端部から次の高温加熱される領域の一端部へ前記一方の電極を移動するのに必要な時間に基づいて前記所定時間を設定する、請求項1乃至3の何れかに記載の通電加熱方法。
  7. 長手方向に断面積が変化する板状ワークへ通電し、高温加熱される領域と高温加熱されない領域とが前記長手方向に沿って並ぶように前記板状ワークを加熱する通電加熱方法であって、
    前記板状ワークに一方の電極と他方の電極とからなる電極対を配置し、
    少なくとも前記一方の電極を、前記高温加熱されない領域上を移動する間は、前記電極対への給電を停止すると共に、
    前記一方の電極が移動した領域であって前記高温加熱される領域に対し、前記一方の電極が前記高温加熱される領域の他端部から前記次の高温加熱される領域の一端部へ移動する間に、前記電極対へ給電されないことによる熱量の不足分を補うよう、前記高温加熱される領域の他端部に前記一方の電極を一旦移動を停止して、前記電極対へ給電する、通電加熱方法。
  8. 前記高温加熱される領域において、前記板状ワークの断面積が長手方向の位置に対して変化しない区間では、前記電極対への給電を停止する、請求項1乃至7の何れかに記載の通電加熱方法。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載の通電加熱方法を用いて板状ワークを加熱し、プレス型により加圧してホットプレス成形を行う、プレス成形品の作製方法。
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