JP2016025514A - 集音装置 - Google Patents

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朋代 白木
Tomoyo Shiraki
朋代 白木
中谷 政次
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Abstract

【課題】周波数特性を維持した状態で振動ノイズを高精度に除去することで、よりクリアな音声信号を生成することができる集音装置を提供する。【解決手段】集音装置100は、音孔107と第1のマイク60とを有する第1の筐体105を含む。第1のマイク60は、音孔107を通過した音波の空気振動と機械的振動とを受ける第1の振動板62と第1の振動板62の振動に応じた第1の音声信号を出力する第1のマイクユニット64とを含む。集音装置100は、音孔107より開口面積が小さい気圧調整孔109と第2のマイク70とを有する第2の筐体106を含む。第2のマイク70は、気圧調整孔109を通過した音波の空気振動と機械的振動とを受ける第2の振動板72と第2の振動板72の振動に応じた第2の音声信号を出力する第2のマイクユニット74とを含む。集音装置100は、第1の音声信号から第2の音声信号を減算する。【選択図】図2

Description

本開示は、集音装置の制御に関し、特に、複数のマイクを有する集音装置の制御に関する。
従来、音声データや音声データを含んだ画像データを生成することが可能な様々な集音装置が開発されている。このような集音装置の例として、ビデオカメラ、レコーダー、車載用の電子機器、ロボットなどが挙げられる。これらの集音装置は、内蔵されているマイクロフォン(マイク)によって音声データを生成する。このとき、マイクロフォン自体が振動することによって、振動ノイズが音声データに含まれてしまう場合がある。たとえば、ビデオカメラにおいては、ズームレンズの駆動による振動や他の物体との接触時の振動がマイクに伝わることによって、振動ノイズが生じる。ロボットにおいては、走行時に生じる機械的振動がマイクに伝わり、振動ノイズが生じる。近年では、このような振動ノイズを低減するための技術が開発されている。
たとえば、特許文献1は、内部のモーターなどの振動ノイズを音声信号から除去することができる小型化されたマイクアンプ回路を開示している。特許文献2は、周波数特性を維持しつつ、振動雑音を低減するマイクロフォン装置を開示している。特許文献3は、マイクロフォンが原理的に収拾する振動成分を除去することで、よりクリアな音質を出力するマイクロフォンを開示している。
特開2009−232201号公報 特開2008−10969号公報 特開2010−114878号公報
特許文献1に開示されるマイクアンプ回路は、圧電効果により起電圧を生じるコンデンサを用いて、機械的振動に応じた振動検出信号を生成する。このマイクアンプ回路は、マイクロフォンから入力される音声検出信号から、生成した振動検出信号を差し引くことにより、機械的振動により生じたノイズ成分を音声検出信号から相殺する。このとき、マイクアンプ回路は、音声信号を生成するマイクロフォンの電圧の周波数特性を補正することでノイズ成分を相殺する。元の音声信号の周波数特性が補正されると、元の音声信号に雑音が加わってしまう可能性がある。このため、周波数特性を維持した状態で、機械的振動による雑音(以下、「振動ノイズ」ともいう。)を低減するための技術が必要とされている。
特許文献2に開示されるマイクロフォン装置は、第1の振動板と、第1の振動板に空気振動を伝達するための集音部とを有し、第1の振動板の振動に応じた電気信号を出力する第1のマイクロフォンユニットを含む。このマイクロフォン装置は、さらに、第2の振動板と、第2の振動板への空気振動の伝達を遮断する密閉構造とを有し、第2の振動板の振動に応じた電気信号を出力する第2のマイクロフォンユニットを含む。マイクロフォン装置は、第1のマイクロフォンユニットから出力される電気信号から、第2のマイクロフォンユニットから出力される電気信号を減算することにより振動ノイズを除去する。
ここで、第2のマイクロフォンユニットおよび第2の振動板は、密閉空間に収納されているため、第2の振動板が振動するときに受ける空気抵抗が、第1の振動板が受ける空気抵抗よりも大きくなる。この結果、第1の振動板と第2の振動板とは、振幅と位相とが異なるように振動する。したがって、第2マイクロフォンユニットによって検出された振動ノイズを減算したとしても、振動ノイズを完全には除去することができない。
特許文献3に開示されるマイクロフォンは、一つの筐体が障壁を介して分離された2つの室Aと室Bとを有する。室Aには、第1のダイヤフラム(振動板)が設けられており、音波を入射させる音孔が設けられている。室Bには、第2のダイヤフラム(振動板)が設けられている。室Bは、密閉状態であるため、室Bには外部から音波が入射しない。マイクロフォンは、第1のダイヤフラムの電気振動から、第2のダイヤフラムの電気振動を減算することにより振動ノイズを低減する。しかしながら、特許文献3に開示されるマイクロフォンは、特許文献2に開示されるマイクロフォン装置と同様に、室Bが密閉状態であるため、振動ノイズを完全には除去することができない。
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、周波数特性を維持した状態で振動ノイズを高精度に除去することで、よりクリアな音声信号を生成することができる集音装置を提供することである。
一実施の形態に従うと、集音装置は、第1の孔が設けられており、第1のマイクを収納するための第1の筐体を備える。第1のマイクは、第1の孔を通過した音波による空気振動と集音装置の振動とを受けるための第1の振動板と、第1の振動板の振動に応じた第1の音声信号を出力するための第1の出力部とを含む。集音装置は、第1の筐体に隣接するように設けられており、第1の孔よりも開口面積が小さい第2の孔が設けられており、第2のマイクを収納するための第2の筐体を備える。第2のマイクは、第2の孔を通過した音波による空気振動と集音装置の振動とを受けるための第2の振動板と、第2の振動板の振動に応じた第2の音声信号を出力するための第2の出力部とを含む。集音装置は、第1の音声信号から第2の音声信号を減算するための演算部を備える。
好ましくは、第1の筐体と第2の筐体とは、一体の筐体として形成されている。
好ましくは、第1の筐体には、第1の孔よりも開口面積が小さい第3の孔がさらに設けられている。第3の孔から第1の振動板までの距離と、第2の孔から第2の振動板までの距離とは等しい。
好ましくは、第2の孔の開口面積と、第3の孔の開口面積とは等しい。
好ましくは、第2の孔および第3の孔の一部は、多数の細孔を有する物質で構成されている。
好ましくは、第1の筐体に設けられている第1の孔と第3の孔とは、一体の孔として形成されている。
ある局面において、周波数特性を維持した状態で振動ノイズを高精度に除去することで、よりクリアな音声信号を生成することができる。
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
関連技術に従う集音装置の内部の機械構造を示す断面図である。 第1の実施の形態に従う集音装置の主要な構成を模式的に示した図である。 第1の実施の形態に従う集音装置の外観の一例を示した斜視図である。 第1の実施の形態に従う集音装置の内部の機械構造を示す断面図である。 第1の実施の形態に従う集音装置の各機器から出力される音声信号のフローを概略的に示した概念図である。 第2の実施の形態に従う集音装置の内部の機械構造を示す断面図である。 第3の実施の形態に従う集音装置の内部の機械構造を示す断面図である。 第4の実施の形態に従う集音装置の内部の機械構造を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。また、以下で説明される各実施の形態は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
<関連技術>
まず、本発明に係る実施の形態についての理解を深めるために、図1を参照して、関連技術に従う集音装置50について説明する。図1は、集音装置50の内部の機械構造を示す断面図である。図1に示されるように、集音装置50は、第1のマイク20と、第2のマイク30とを含む。
第1のマイク20は、第1の集音部11と、第1の振動板12と、第1のマイクユニット13とを有する。第1の集音部11は、外部からの音波による空気振動を第1の振動板12に伝達する。第1の振動板12は、伝達された空気振動により振動する。また、第1の振動板12は、外部から集音装置50に加えられる力によって生じる振動や、集音装置50に内蔵される機械の動作により生じる振動などの機械的振動によっても振動する。第1のマイクユニット13は、第1の振動板12でとらえた振動を音声信号に変換するための装置で、固定電極および抵抗などからなる。
第2のマイク30は、第1のマイク20と同じ種類のマイクであり、同じ性能を有する。また、第2のマイク30は、空気振動を遮断する密閉空間17内に収納される。第2のマイク30は、第2の集音部14と、第2の振動板15と、第2のマイクユニット16とを有する。第2の振動板15は、第1の振動板12と平行になるように配置される。第2の集音部14は、密閉空間17内に収納されるため、外部からの音声を受けることはない。このため、外部からの音波による空気振動が、第2の集音部14から第2の振動板15に伝達されることはない。したがって、第2の振動板15は、機械的振動によってのみ振動する。第2のマイクユニット16は、第2の振動板15の振動に応じた音声信号を出力する。
集音装置50は、第1のマイク20によって出力される音声信号から、第2のマイク30によって出力される音声信号を減算する。これにより、集音装置50は、第1のマイク20によって出力される音声信号から機械的振動によって生じた振動ノイズのみを除去することができる。
しかしながら、第2のマイク30が密閉空間17に収納されているため、第2の振動板15が振動するときに受ける空気抵抗は、第1の振動板12が受ける空気抵抗よりも大きくなる。この結果、第1の振動板12と第2の振動板15とは、振幅と位相とが異なるように振動し、互いに異なる振動ノイズを出力する。このため、集音装置50は、第1のマイク20から出力される音声信号から、第2のマイク30から出力される音声信号を減算したとしても、振動ノイズを完全には除去できない。
これに対して、以下で説明する各実施の形態に従う集音装置は、第1の振動板12が受ける空気抵抗と、第2の振動板15が受ける空気抵抗とを等しくすることにより、第1のマイク60から出力される振動ノイズと第2のマイク70から出力される振動ノイズとを等しくすることができ、第1のマイク20によって出力される音声信号から振動ノイズをより完全に除去することができる。
<第1の実施の形態>
[概要]
図2を参照して、第1の実施の形態に従う集音装置100の概要について説明する。図2は、集音装置100の主要な構成を模式的に示した図である。集音装置100は、たとえば、音響機器や、機械的振動が発生するその他の電子機器に組み込まれる。図2に示されるように、集音装置100は、第1の筐体105と、第1の筐体105に隣接するように設けられている第2の筐体106と、CPU(Central Processing Unit)130とを含む。
第1の筐体105には、外部からの音波を通過させるための音孔107(第1の孔)が設けられている。また、第1の筐体105には、第1のマイク60が収納されている。第1のマイク60は、第1の振動板62と、第1のマイクユニット64(第1の出力部)とを含む。第1の振動板62は、音孔107を通過した音波による空気振動と、集音装置100の機械的振動とを受ける。第1のマイクユニット64は、第1の振動板62の振動に応じた音声信号を出力する。すなわち、第1のマイクユニット64は、第1の振動板62でとらえた振動を信号に変換するための装置で、固定電極および抵抗などからなる。
第2の筐体106には、音孔107よりも開口面積が小さい気圧調整孔109(第2の孔)が設けられている。また、第2の筐体106には、第2のマイク70が収納されている。第2のマイク70は、第1のマイク60と同じ種類のマイクであり、同じ性能を有する。第2のマイク70は、第2の振動板72と、第2のマイクユニット74(第2の出力部)とを含む。第2の振動板72は、気圧調整孔109を通過した音波による空気振動と、集音装置100の機械的振動とを受ける。第2のマイクユニット74は、第2の振動板72の振動に応じた第2の音声信号を出力する。すなわち、第2のマイクユニット74は、第2の振動板72でとらえた振動を信号に変換するための装置で、固定電極および抵抗などからなる。
気圧調整孔109が第2の筐体106に設けられることにより、空気が気圧調整孔109を通過できるようになる。このため、第2の筐体106の内部と外部とで気圧が等しくなる。これにより、第2の筐体106が密室に構成される場合に比べて、第2の振動板72が振動時に受ける空気抵抗は小さくなる。この結果、機械的振動の第2の振動板72は、第1の振動板62の振幅および位相と等しくなる。
また、気圧調整孔109は、音孔107よりも開口面積が小さいため、外部からの音波は、音孔107と比べて、気圧調整孔109を通過しにくくなる。もしくは、外部からの音声は、気圧調整孔109をほとんど通過しない。このため、外部からの音声による第2の振動板72の振幅は、第1の振動板62の振幅に比べて小さくなる。
CPU130に含まれる演算部132は、第1のマイクユニット64から出力される音声信号から、第2のマイクユニット74から出力される音声信号を減算する。機械的振動によって生じる第1の振動板62の振動と第2の振動板72の振動とは等しいため、集音装置100は、演算部132の減算処理により、機械的振動により生じる振動ノイズを打ち消すことができる。また、外部音声による空気振動によって生じる第1の振動板62の振動は、第2の振動板72の振動よりも大きくなるため、外部音声は、演算部132の減算処理によって完全に打ち消されない。すなわち、集音装置100は、第1のマイク60によって出力される音声信号から振動ノイズのみを除去することができる。また、集音装置100は、振動ノイズの除去時に減算処理を実行するだけであるので、各マイク出力の周波数特性を維持した状態で振動ノイズを除去することができる。
なお、図2においては、CPU130が、第1の筐体105および第2の筐体106の外部に配置されている例が示されているが、CPU130は、第1の筐体105または第2の筐体106内に配置されてもよい。
[機械構造]
図3および図4を参照して、第1の実施の形態に従う集音装置100の機械構造について説明する。図3は、集音装置100の外観の一例を示した斜視図である。図4は、図3に示される集音装置100の内部の機械構造を示す断面図である。
図3に示されるように、集音装置100は、たとえば、円筒形の形状を有する。集音装置100は、第1の筐体105と、第2の筐体106とを含む。第1の筐体105と第2の筐体106とは、一体の筐体111として形成されてもよいし、別々の筐体として形成されてもよい。第1の筐体105には、音波を通過させるための音孔107と、音孔107よりも開口面積が小さい気圧調整孔108(第3の孔)とが設けられている。第2の筐体106には、第2の筐体106の内部と外部とで気圧を等しくするための気圧調整孔109が設けられている。なお、上述の図2の例では、気圧調整孔108が設けられていない第1の筐体105について説明を行なったが、後述の理由により、第1の筐体105には気圧調整孔108が設けられる方が望ましい。
図4を参照して、集音装置100の内部の機械構造について説明する。仕切り110は、筐体111を、第1の筐体105と第2の筐体106とに空間的に分離する。これにより、第1の筐体105および第2の筐体106間で空気が流れることがなくなり、空気振動は、第1の筐体105から第2の筐体106に伝わらなくなる。
第1の筐体105は、その内部に、第1のマイク60を収納する。第1のマイク60は、第1の振動板62と、第1のマイクユニット64とを含む。第1の筐体105には、第1の振動板62の上部に音孔107が設けられている。音孔107を通過した音波を効率よく第1の振動板62でとらえるためには、音孔107の開口面積は、第1の振動板62の面積よりも小さいことが望ましい。第1の振動板62および音孔107が円形に形成されている場合には、音孔107の開口径は、第1の振動板62の径よりも小さいことが望ましい。
第2の筐体106は、その内部に、第2のマイク70を収納する。第2のマイク70は、第2の振動板72と、第2のマイクユニット74とを含む。音孔107を通過した音波による第1の筐体105内での反響音の発生を抑えるためには、第1の筐体105は、その平面積が、第1のマイクユニット64の設置面積に近くなるように形成されることが望ましい。
第1の振動板62と、第1のマイクユニット64と、第2の振動板72と、第2のマイクユニット74とは、互いに平行になるように配置されている。好ましくは、筐体111および仕切り110は、筐体111および仕切り110の剛性を高くするために、金属または弾性率の高い樹脂などで形成される。これにより、機械的振動による第1の振動板62の振動と、機械的振動による第2の振動板72の振動とは、振幅および位相が等しくなる。
第1の筐体105には気圧調整孔108が設けられ、第2の筐体106には気圧調整孔109が設けられている。好ましくは、外部からの音波が気圧調整孔108から第1の振動板62に到達するまでの経路長と、外部からの音波が気圧調整孔109から第2の振動板72まで到達するまでの経路長とが等しくなる位置に、気圧調整孔108および気圧調整孔109が配置される。この結果、気圧調整孔108を通過した音波による第1の振動板62の振動と、気圧調整孔109から第2の振動板72を通過した音波による第2の振動板72の振動とは、振幅および位相が等しくなる。
気圧調整孔108,109は、それらの開口面積が音孔107よりも小さくなるように形成される。気圧調整孔108,109を通過する音波の音圧をなるべく小さくするためには、気圧調整孔108,109は、外部から音波が入射される方向とは異なる方向に設けられていることが望ましい。
好ましくは、気圧調整孔108,109は、それらの開口面積が等しくなるように形成される。これにより、集音装置100は、気圧調整孔108,109を通過した音波による空気振動の振幅および位相を等しく、もしくは、極力等しくすることができる。
なお、気圧調整孔108,109の一部は、多数の細孔を有する物質(多孔性物質)で構成されてもよい。多孔性物質は、たとえば、グラスウール、ウレタンフォームなどである。気圧調整孔108,109の一部が多孔性物質で構成されることにより、集音装置100は、気圧調整孔108,109から音波の通過を少なくした状態で空気を通過させることができる。
第1のマイク60および第2のマイク70は、それらの出力信号の感度、S/N(Signal/Noise)比、および周波数特性などの特性や、第1のマイク60および第2のマイク70の構造などが互いに等しくなるように構成される。
[音声処理]
図4を引き続き参照して、集音装置100の音声処理について説明する。第1の振動板62は、音孔107を通過した音波を受けて振動する。これにより、音声信号V(1sl)が第1のマイクから出力されたとする。一方、第1の筐体105と第2の筐体106との間には、仕切り110により空気が流れないため、音孔107からの音波が、第2の振動板72に伝わることはない。このため、音孔107を通過した音波によって第2のマイク70が出力する音声信号V(2sl)は、以下の式(1)に示されるようにゼロとなる。
V(2sl) = 0・・・(1)
音波は、音孔107の他にも、気圧調整孔108も通過する。このため、第1の振動板62は、気圧調整孔108を通過した音波によっても振動する。この音波により、第1のマイク60は、信号V(1ss)を出力する。また、音波は、気圧調整孔109も通過する。この音波により、第2のマイク70は、信号V(2ss)を出力する。
ここで、気圧調整孔108と気圧調整孔109との間の距離、または、第1の振動板62と第2の振動板72との間の距離よりも、外部音源から集音装置100までの距離の方が充分に長い場合には、気圧調整孔108から第1の振動板62までの距離と、気圧調整孔109から第2の振動板72までの距離とを等しくすることで、信号V(1ss)と信号V(2ss)とは、それらの振幅および位相が等しくなる(式(2)参照)。
V(1ss) = V(2ss)・・・(2)
第1のマイク60と第2のマイク70とは、外部からの音波による空気振動の影響を受ける他にも、外部からの衝撃などの機械的振動の影響も受ける。機械的振動が集音装置100に与えられた場合には、その機械的振動により、第1の振動板62と第2の振動板72とが振動する。このとき、空気が気圧調整孔109を介して第2の筐体106の内外を流れるため、第2の筐体106の内部と外部とで、気圧がほぼ等しくなる。これにより、第2の振動板72は第2の筐体106が密室に構成される場合よりも空気抵抗を受けない。
一方、第1の筐体105についても、空気が音孔107および気圧調整孔108を介して第1の筐体105の内外を流れるため、第1の筐体105の内部と外部とで、気圧がほぼ等しくなる。そのため、第1の振動板62が受ける空気抵抗と、第2の振動板72が受ける空気抵抗とが等しくなる。この結果、第1の振動板62と第2の振動板72とは、振幅および位相に差がない状態で機械的振動をとらえることができる。好ましくは、第1の振動板62と第2の振動板72とを互いに同期して振動させるために、筐体111および仕切り110は、それらの剛性が高くなるように形成される。
さらに、第1のマイク60と第2のマイク70とは、それらの周波数特性が等しいことから、全周波数帯域において、同じ入力因子に対して、振幅および位相が等しい信号を出力する。したがって、以下の式(3)に示されるように、外部からの機械的振動を受けて第1のマイク60が出力する信号V(1v)と、外部からの機械的振動を受けて第2のマイク70が出力する信号V(2v)とは等しくなる。
V(1v) = V(2v)・・・(3)
以上から、集音装置100が、音波による空気振動と、外部からの衝撃などの機械的振動との両方を受けた場合には、第1のマイク60からの出力信号V1outは、以下の式(4)に示されるようになり、第2のマイク70からの出力信号V2outは、以下の式(5)に示されるようになる。
V1out = V(1sl)+V(1ss)+V(1v)・・・(4)
V2out = V(2sl)+V(2ss)+V(2v)・・・(5)
ここで、第1のマイク60の出力信号V1outから第2のマイク70の出力信号V2outを減算すると、式(1)から式(5)の関係から以下の式(6)が成り立つ。
V1out−V2out=V(1sl)・・・(6)
すなわち、集音装置100は、外部からの音波による出力信号V(1sl)のみを抽出することができ、機械的振動による雑音信号を除去した良質な音声データを取得することができる。
[音声信号のフロー]
図5を参照して、音声信号のフローについて説明する。図5は、集音装置100の各機器から出力される音声信号のフローを概略的に示した概念図である。
図5に示されるように、第1のマイク60は、第1のマイクユニット64と、第1のゲイン調整器66とを含む。第1のゲイン調整器66は、第1のマイクユニット64からの出力信号V1outのゲインを調整する。第2のマイク70は、第2のマイクユニット74と、第2のゲイン調整器76とを含む。第2のゲイン調整器76は、第2のマイクユニット74からの出力信号V1outのゲインを調整する。
CPU130の演算部132(信号演算器)は、ゲイン調整後のV1outからゲイン調整後のV2outを除去するように減算処理を行なう。これにより、演算部132は、上述の式(6)のように、第1のマイクユニット64の外部音波による出力信号V(1sl)のみを抽出することができる。
[まとめ]
以上のようにして、本実施の形態に従う集音装置100は、周波数特性を保持した状態で外部からの機械的振動による雑音を高精度に除去することができ、より良質の音声データを得ることができる。
<第2の実施の形態>
図6を参照して、第2の実施の形態に従う集音装置100Aの概要について説明する。図6は、集音装置100Aの内部の機械構造を示す断面図である。第1の実施の形態に従う集音装置100においては、第1の筐体105と第2の筐体106とが鉛直方向に配置されていた。これに対して、第2の実施の形態に従う集音装置100Aにおいては、第1の筐体105と第2の筐体106とが水平方向に配置されている。音声処理の方法などその他の点については第1の実施の形態に従う集音装置100と同じであるので、それらの説明は繰り返さない。
図6に示されるように、集音装置100Aは、水平方向に隣接するように配置されている第1の筐体105と第2の筐体106とを含む。第1の筐体105は、その内部に、第1のマイク60を収納する。第1のマイク60は、第1の振動板62と、第1のマイクユニット64とを含む。第1の筐体105には、第1の振動板62の上部に位置する場所に音孔107が設けられている。さらに、第1の筐体105には、気圧調整孔108が設けられている。
第2の筐体は、仕切り110によって第1の筐体105とは空間的に分離されている。第2のマイク70は、第2の振動板72と、第2のマイクユニット74とを有する。第2の筐体106には、内部と外部とで気圧を等しくするための気圧調整孔109が設けられている。
以上のようにして、本実施の形態に従う集音装置100Aは、第1の筐体105および第2の筐体106が水平方向に配置されるように構成される。また、第1の実施の形態に従う集音装置100のように、第1の筐体105および第2の筐体106を鉛直方向に配置することも可能であるので、集音装置100Aの製造者は、集音装置を組み込む装置の形状に合わせて各筐体の配置を決定することができる。
<第3の実施の形態>
図7を参照して、第3の実施の形態に従う集音装置100Bの概要について説明する。図7は、集音装置100Bの内部の機械構造を示す断面図である。第1の実施の形態に従う集音装置100は、2つの筐体(第1の筐体105および第2の筐体106)で構成されていた。これに対して、第3の実施の形態に従う集音装置100Bは、3つの筐体で構成されている。音声処理の方法などのその他の点については第1の実施の形態に従う集音装置100と同じであるので、それらの説明は繰り返さない。
図7に示されるように、集音装置100Bは、互いに隣接するように配置されている第1の筐体105と、第2の筐体106と、第3の筐体205とを含む。第1の筐体105は、その内部に、第1のマイク60を収納する。第1のマイク60は、第1の振動板62と、第1のマイクユニット64とを含む。第1の筐体105には、第1の振動板62の上部に位置する場所に音孔107が設けられている。さらに、第1の筐体105には、気圧調整孔108が設けられている。
第2の筐体106は、仕切り110によって、第1の筐体105と空間的に分離されている。第2のマイク70は、第2の振動板72と、第2のマイクユニット74とを有する。第2の筐体106には、内部と外部とで気圧を等しくするための気圧調整孔109が設けられている。
第3の筐体205は、仕切り210によって、第2の筐体106と空間的に分離されている。第3の筐体205は、その内部に、第3のマイク80を収納する。第3のマイク80は、第3の振動板82と、第3のマイクユニット84とを含む。第3の筐体205には、第3の振動板82の上部に位置する場所に音孔207が設けられている。さらに、第3の筐体205には、気圧調整孔208が設けられている。
以上のように、本実施の形態に従う集音装置100Bは、振動ノイズを除去するための第2のマイク70の他に、外部からの音波を受けて音声信号を生成するための2つのマイク(すなわち、第1のマイク60および第3のマイク80)を有する。集音装置100Bは、各マイクから出力される音声信号を演算回路(図2の演算部132)によって合成することで、音声データの集音指向性を高めることができる。
なお、上記では、集音装置100Bが3つの筐体を有する例について説明を行なったが、集音装置100Bは、4つ以上の筐体を有してもよい。
<第4の実施の形態>
図8を参照して、第4の実施の形態に従う集音装置100Cの概要について説明する。図8は、集音装置100Cの内部の機械構造を示す断面図である。第1の実施の形態に従う集音装置100においては、音孔107と気圧調整孔108とのそれぞれが別々の孔として構成されていた。これに対して、第4の実施の形態に従う集音装置100Cにおいては、音孔107と気圧調整孔108とが一体の孔として形成されている。音声処理の方法などのその他の点については第1の実施の形態に従う集音装置100と同じであるので、それらの説明は繰り返さない。
図8に示されるように、集音装置100Cは、第1の筐体105と第2の筐体106とを含む。第1の筐体105は、その内部に、第1のマイク60を収納する。第1のマイク60は、第1の振動板62と、第1のマイクユニット64とを含む。第1の筐体105には、第1の振動板62の上部に位置する場所に孔140が設けられている。孔140は、上述の音孔107と気圧調整孔108とを一体にしたものである。すなわち、孔140は、音波を通過させる機能の他に、第1の筐体105の内部と外部との気圧を等しくする機能も備える。このため、集音装置100Cの製造者は、第1の筐体105に1つの孔を設けるだけでよいので、製造工程を削減することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 第1の集音部、12,62 第1の振動板、13,64 第1のマイクユニット、14 第2の集音部、15,72 第2の振動板、16,74 第2のマイクユニット、17 密閉空間、20,60 第1のマイク、30,70 第2のマイク、50,100,100A〜100C 集音装置、66 第1のゲイン調整器、76 第2のゲイン調整器、80 第3のマイク、82 第3の振動板、84 第3のマイクユニット、105 第1の筐体、106 第2の筐体、107,207 音孔、108,109,208 気圧調整孔、110,210 仕切り、111 筐体、130 CPU、140 孔、132 演算部、205 第3の筐体。

Claims (6)

  1. 集音装置であって、
    第1の孔が設けられており、第1のマイクを収納するための第1の筐体を備え、
    前記第1のマイクは、
    前記第1の孔を通過した音波による空気振動と前記集音装置の振動とを受けるための第1の振動板と、
    前記第1の振動板の振動に応じた第1の音声信号を出力するための第1の出力部とを含み、
    前記第1の筐体に隣接するように設けられており、前記第1の孔よりも開口面積が小さい第2の孔が設けられており、第2のマイクを収納するための第2の筐体を備え、
    前記第2のマイクは、
    前記第2の孔を通過した音波による空気振動と前記集音装置の振動とを受けるための第2の振動板と、
    前記第2の振動板の振動に応じた第2の音声信号を出力するための第2の出力部とを含み、
    前記第1の音声信号から前記第2の音声信号を減算するための演算部を備える、集音装置。
  2. 前記第1の筐体と前記第2の筐体とは、一体の筐体として形成されている、請求項1に記載の集音装置。
  3. 前記第1の筐体には、前記第1の孔よりも開口面積が小さい第3の孔がさらに設けられており、
    前記第3の孔から前記第1の振動板までの距離と、前記第2の孔から前記第2の振動板までの距離とは等しい、請求項1または2に記載の集音装置。
  4. 前記第2の孔の開口面積と、前記第3の孔の開口面積とは等しい、請求項3に記載の集音装置。
  5. 前記第2の孔および前記第3の孔の一部は、多数の細孔を有する物質で構成されている、請求項3または4に記載の集音装置。
  6. 前記第1の筐体に設けられている前記第1の孔と前記第3の孔とは、一体の孔として形成されている、請求項3〜5のいずれか1項に記載の集音装置。
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