JP2016023915A - 環境制御装置、プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザの嗜好に応じた機器の制御をよりよく実現することを可能にする。【解決手段】環境制御装置10は、入力部11と計画部13と実行部14と記憶部15とを備える。入力部11は、環境に対する評価が入力される。計画部13は、入力部11に与えられた評価に関する情報に基づく感性的特徴を用いて記憶部15から抽出される制御パターンを用いて制御計画を生成する。実行部14は、計画部13が生成した制御計画に従って、環境を制御する機器(空調機器30)を制御する。記憶部15は、ユーザごとの感性的特徴を分類したクラスタに、時間経過に伴う制御量の変化である制御パターンを対応付けて記憶する。【選択図】図1

Description

本発明は、環境を制御する機器の動作を指示する環境制御装置、コンピュータを環境制御装置として機能させるプログラムに関する。
従来、照明機器、空調機器のように環境を制御する機器を、ユーザの嗜好に合わせて制御することが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術では、複数のセンサノードがセンシングした環境情報を用い、信号生成部が評価関数を用いて、機器を制御するための機器制御信号を生成している。そして、明るさ、温度などの環境を人の嗜好に合わせるために、評価関数に含まれるセンシング信号に、ユーザの嗜好に応じた重み付けが行われている。ユーザごとの重み付けを行うユーザ係数は、ユーザテーブルに設定されている。さらに、特許文献1には、ユーザテーブルに設定されたユーザ係数が、リモコンなどを用いて機器を操作したときに、操作信号によって変更されることが記載されている。
特許第4602914号公報
上述したように、特許文献1に記載された技術では、ユーザの嗜好を機器の制御に反映させるためにユーザテーブルに設定されているユーザ係数が、リモコンなどの操作によって変更される構成である。したがって、ユーザ係数は、リモコンなどを操作した時点におけるユーザの状態に依存して設定され、必ずしもユーザの嗜好に対応しているとは言えない。すなわち、ユーザの嗜好というよりは、気分によってユーザ係数が変更される可能性がある。
本発明は、ユーザの嗜好に応じた機器の制御をよりよく実現することを可能にした環境制御装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、コンピュータをこの環境制御装置として機能させるプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る環境制御装置は、ユーザごとの感性的特徴を分類したクラスタに、時間経過に伴う制御量の変化である制御パターンを対応付けて記憶した記憶部と、環境に対する評価が入力される入力部と、前記入力部に与えられた評価に関する情報に基づく感性的特徴を用いて前記記憶部から抽出される前記制御パターンを用いて制御計画を生成する計画部と、前記計画部が生成した前記制御計画に従って、環境を制御する機器を制御する実行部とを備えることを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、環境制御装置として機能させることを特徴とする。
本発明の構成によれば、ユーザの嗜好に応じた機器の制御をよりよく実現することが可能になる。
実施形態を示すブロック図である。 実施形態におけるクラスタの概念を示す図である。 実施形態において制御パターンの例を示す図である。
以下に説明する実施形態では、機器による制御が可能であり、かつ機器の制御を開始してから目標の状態に達するまでに比較的長い時間を要する環境を想定している。ただし、制御する環境は、物理的な要素だけではなく、ユーザの体感による要素を含む。したがって、物理的な環境の要素は、たとえば、温度、湿度などであるが、風速、風向のように体感に影響を与える要素を含んでいてもよい。また、建物内における環境を想定しており、とくに住宅における室内の環境を想定して説明する。
機器は、冷房と暖房とが可能な空調機器を代表例とするが、ヒータ、床暖房装置、除湿器、加湿器などでも同様の技術を適用することが可能である。
ところで、室内の温度を制御する場合、暑くなると設定温度を下げ、寒くなると設定温度を上げるというように、ユーザの知覚に従って設定温度を変更している。つまり、環境における物理的な要素は、設定温度によって変更される。一方、ユーザは「暑い」、「寒い」、「気持ちよい」などの感性に従って設定温度を変更している。したがって、機器によって環境を制御する場合に、温度、湿度などの情報ではなく、ユーザが快適と感じるように機器を制御することが望ましい。しかしながら、ユーザの知覚する感覚に従って、ユーザが快適と感じるように機器を制御することは難しい。
以下に説明する実施形態は、機器の制御にユーザの感覚を反映させることを可能にし、これによりユーザの環境に対する満足度を向上させることを目的にしている。
(実施形態1)
本実施形態は、制御対象の機器が空調機器であり、空調機器により制御可能な環境の要素は、温度、湿度、風速、風向の4種類とする。空調機器が環境を制御する空間は室内とする。本実施形態の空調機器は、温度が0.5〜1℃刻みで設定可能である場合を想定している。風速は、3〜5段階程度の複数段階で設定可能であり、風向は、上下方向に50〜90度程度の角度範囲、かつ左右方向に90〜180度程度の角度範囲で調節可能とする。風向における調節可能な角度範囲は、床面などを基準にした角度の絶対値ではなく、各方向において調節可能な最大角と最小角との差、つまり角度の振れ幅を意味する。
さらに、湿度は相対湿度であって、本実施形態の空調機器は、除湿と加湿との機能を有し、かつ湿度が5〜10%刻みで設定可能とする。ただし、湿度が設定可能であることは必須ではなく、空調機器が除湿または加湿の機能を有していれば湿度は調節可能であり、温度を変化させることにより相対湿度が変化する場合も湿度は調節可能とみなす。
上述のように、本実施形態で用いる空調機器は、温度と湿度とを設定可能であり、風速と風向とが調節可能である。以下では、温度、湿度、風速、風向のうち、主として温度を環境の要素として制御する構成例を説明するが、必要に応じて湿度、風速、風向も制御の対象とする。
(全体構成)
図1に示すように、環境制御装置10は、センサ20が環境の要素を計測することにより得た環境情報D11を入力情報とし、空調機器30の動作を指示する制御情報D12を出力情報とする。つまり、環境制御装置10は、センサ20から環境情報D11が入力される入力部11と、空調機器30に制御情報D12を出力する出力部12とを備える。入力部11には、環境情報D11が所定の取込周期でセンサ20から入力され、出力部12は、所定の制御周期で空調機器30に制御情報D12を出力する。
取込周期および制御周期は、たとえば30秒〜10分程度の範囲で適宜に定められる。空調機器30の設定温度を変更してから室内の温度が設定温度(目標環境)に達するまでの時間(以下、「制御時間」という)は、環境に応じて変化する。制御時間は、たとえば5分〜1時間を要する。したがって、取込周期および制御周期はともに1分間、制御開始からの制御時間は5分間などに設定されていればよい。この値は一例であって、適宜に変更可能であることはもちろんのことである。
環境情報D11は入力部11から計画部13に引き渡され、計画部13は環境情報D11と後述する感性情報とを用いて空調機器30の制御計画を生成する。この制御計画は、空調機器30に対しては、温度、湿度、風速、風向などの制御対象に関する時間経過に伴う設定内容の変化を表す。たとえば、空調機器30の設定温度に関する制御計画は、時間経過に伴う設定温度の変化を意味する。
制御計画には、あらかじめ複数種類のテンプレートが用意されており、感性情報に応じて、いずれかのテンプレートが採用される。したがって、計画部13は、感性情報に応じたテンプレートを選択することによって、感性情報に応じた制御計画を生成する。テンプレートは、空調機器30が制御する環境の要素が温度である場合、時間経過に伴う温度の変化の典型例として設定されている。なお、空調機器30の設定温度は消費電力に反映されるから、テンプレートは、時間経過に伴う消費電力の変化の典型例として設定されていてもよい。
計画部13が生成した制御計画は実行部14に入力され、実行部14は、経過時間に応じて制御周期毎の設定温度を制御量として出力し、出力部12を通して制御周期毎に制御量を空調機器30に与える。
ところで、上述したテンプレートは、感性情報に関連付けて記憶部15に格納されている。すなわち、計画部13が、センサ20から取り込んだ環境情報D11および感性情報に基づいて制御計画を生成し、制御情報D12を空調機器30に与えるためには、記憶部15にあらかじめテンプレートが登録されていなければならない。言い換えると、環境制御装置10の動作には、テンプレートを作成し記憶部15に登録する事前処理と、センサ20が監視している環境に基づいて空調機器30を動作させる通常処理とがある。
(事前処理)
事前処理では、環境の変化に対するユーザの感性的特徴を分析するために、入力部11は、ユーザへの質問に対する回答を受け付ける。質問に対する回答は、ユーザが操作する操作器41から入力部11に入力される。ユーザへの質問の提示は、質問を印刷した紙などを用いて行うことが可能であるが、本実施形態では、操作器41と表示器42とを一体に備える操作表示器40を用い、表示器42に質問を提示する構成を採用している。この種の操作表示器40は、環境制御装置10に対する専用装置のほか、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどの汎用の装置で実現してもよい。
ユーザの特徴を多面的に捉えるために、質問は複数の項目について行われることが望ましい。質問は、空調機器30に関連した内容、住環境全体を評価する内容など適宜に設定される。たとえば、適宜の状況をユーザに提示し、提示した状況に対してユーザが想起する理想の環境を回答させるという形式で質問の内容が設定される。
一例を示すと、「あなたにとって理想的なエアコン冷房の環境を思い浮かべて、以下の項目で評価してください」という項目が設定される。この例の形式は、質問形式ではないが、実質的には、エアコン冷房の環境という状況において、ユーザにとっての理想的な環境を問う質問と等価である。
質問に対しては、環境に対する感覚を表す複数種類の形容詞または形容動詞を回答の選択肢として用意しておき、これらの選択肢の中からユーザが想起した感覚を選択させる。たとえば、上述した質問に対しては、「暖かい」、「涼しい」、「さわやかな」、「蒸し暑い」のような温熱環境を表す修飾語が選択肢として設定される。選択肢は、3〜7段階程度の複数段階に設定されるか、「はい」と「いいえ」の形式に設定される。いずれにしても、ユーザが簡単に回答できる形式が用いられる。
回答の選択肢には、数値が対応付けられ、選択肢が3種類の場合、たとえば1〜3の整数値が各選択肢に対応付けられる。また、質問に回答するユーザには、ユーザを区別するための情報(ユーザID)が付与され、質問ごとの回答は、ユーザIDおよび質問した項目と紐付けられて記憶部15に記録される。
なお、上述した例において、ユーザに適宜の状況を想起させ、想起させた状況に対して回答を求めているが、質問する時点の環境に対する評価も回答に含めることが望ましい。つまり、質問する時点の環境の評価と、想起した状況に対する目標の環境とが記憶部15に記憶される。質問する時点での環境の評価は、任意の時点で入力部11に与えることが可能であって、この処理によって、現実の環境に対するユーザの評価を記憶部15に蓄積することが可能である。
ただし、現実の環境に対するユーザの評価を記憶部15に与えることは必須ではなく、ユーザに適宜の状況を想起させ、ユーザが求める理想の環境を回答させることにより、実験や計測を行うことなく、ユーザの環境に対する感じ方を知ることができる。この種の情報が記憶部15に蓄積されると、記憶部15に蓄積された情報を用いて、ユーザの感覚に関する特徴の分析が可能になる。ユーザの感覚に関する分析は分析部16が行い、分析部16による分析結果に基づくテンプレートが記憶部15に格納される。
上述した記憶部15は、インターネットのような電気通信回線(図示せず)を通して計画部13と通信するサーバ(図示せず)に設けられていることが望ましい。サーバは、1台のコンピュータで構成されるほか、複数台のコンピュータで構成されていてもよい。また、サーバは、クラウドコンピューティングシステムで構成されていてもよい。記憶部15をサーバに設ける場合、分析部16もサーバに設けられることが望ましい。この構成では、計画部13は、電気通信回線を通して環境情報D11および感性情報を記憶部15に引き渡し、電気通信回線を通して記憶部15からテンプレートを受け取る。
上述した構成例は、環境制御装置10を通常処理だけではなく事前処理に用いている。これに対して、通常処理を行う環境制御装置10とは別に事前処理を行う装置を設けることも可能である。たとえば、以下に説明するクラスタリングは、環境制御装置10とは別の装置で行い、クラスタリングの結果のみを記憶部15に格納することも可能である。
(クラスタリング)
記憶部15は、質問と回答との組み合わせを多数のユーザについて記憶し、分析部16は、記憶部15に格納された質問と回答との組み合わせについてクラスタリングを行う。クラスタリングを行うと、環境に対するユーザの感性的特徴を、質問と回答との組み合わせを複数のクラスタに分けることが可能である。言い換えると、質問と回答との組み合わせは、環境に対するユーザの感性的特徴の分類を可能にするように設定される。
クラスタリングに際して、分析部16は、質問の項目を軸に持つ多次元のベクトル空間でクラスタ分析を行う。つまり、質問ごとの回答の数値をベクトルの成分とする多次元ベクトルについてクラスタ分析が行われる。このような多次元ベクトルをベクトル空間に配置すると、ベクトルの分布に偏りが生じ、相対的に距離の近いベクトルによりクラスタが形成される。そして、距離の近いベクトルは、類似した感性を持つユーザの集合とみなすことが可能になる。
クラスタ分析には複数種類のアルゴリズムが提案されている。それぞれのアルゴリズムは、距離の計算方法、クラスタの形成ルールなどに相違がある。分析部16は、適宜のアルゴリズムを使い分けることにより、質問と回答との組に関するクラスタリングを行う。クラスタは、自動切断のアルゴリズムによって自動的に決定することが望ましいが、作業者が手作業で定めることも可能である。クラスタを切り分ける際には、生成されるクラスタの個数を制限しておくことが望ましい。
分析部16は、クラスタ分析によって求められたクラスタに対して、当該クラスタを代表するベクトル(代表ベクトル)を定め、さらに、クラスタを識別する識別情報(クラスタID)を付与する。代表するベクトルは、クラスタに属するベクトルについて成分ごとの平均値あるいは中央値を用いて設定される。クラスタの代表ベクトルは、クラスタIDと対応付けて記憶部15に格納される。
また、分析部16は、ユーザごとのベクトルについて、ユーザIDとクラスタIDとに対応付けて記憶部15に格納する。ユーザIDに対応するクラスタIDは、ユーザごとのベクトルと代表ベクトルとの距離に基づいて定められる。すなわち、代表ベクトルとユーザごとのベクトルとの距離が最小であるクラスタが、該当するユーザが属するクラスタとみなされ、このクラスタのクラスタIDと該当するユーザのユーザIDとが対応付けられる。質問の内容と回答の選択肢とが適切に設定されていれば、クラスタは、ユーザの感性的特徴を反映するから、ユーザが属するクラスタを定めることにより、ユーザの感性的特徴が分類されることになる。
ユーザごとのベクトルとクラスタの代表ベクトルとの距離は、ユークリッド距離、マハラノビス距離などから選択すればよい。ユークリッド距離は、距離を求める2つのベクトルの成分ごとの残差平方和の平方根として求められるが、残差平方和を用いて距離の評価を行ってもよく、また、クラスタリングに有効な特定の成分があれば、該当する成分に重み付けを行ってもよい。
質問する項目が多数であると、クラスタリングの対象となるベクトルは多数の成分を持つことになる。そこで、分析部16は、主成分分析により元の多次元ベクトルを低次元のベクトルに圧縮した後に、クラスタ分析を行うようにしてもよい。この場合、クラスタの代表ベクトルも低次元になるから、通常処理に際してユーザのベクトルも、主成分分析によって求めたベクトル軸を用いて低次元に圧縮することが必要になる。
元の多次元ベクトルを低次元のベクトルに圧縮するには、記憶部15が記憶しているクラスタリングの対象である複数個の多次元ベクトルを用いて主成分分析を行う。主成分分析により得られる複数の主成分のうち、第1主成分と第2主成分とを用いると元の多次元ベクトルが2次元ベクトルに圧縮され、第1主成分と第2主成分と第3主成分とを用いると元の多次元ベクトルが3次元ベクトルに圧縮される。
たとえば、第1主成分と第2主成分とを用いる場合、図2のように、元の多次元ベクトルを、第1主成分と第2主成分とを軸に持つ2次元ベクトル平面に投影したときの座標値を、2次元ベクトルの成分とする。同様に、第1主成分と第2主成分と第3主成分とを用いる場合、3次元ベクトル空間における座標値を、3次元ベクトルの成分とする。なお、主成分分析は、周知のアルゴリズムを用いて行えばよい。
主成分分析を行って元の多次元ベクトルを2次元ベクトルあるいは3次元ベクトルに圧縮する場合、元の多次元ベクトルから2次元ベクトルあるいは3次元ベクトルに変換するベクトルが得られる。このベクトルを固有ベクトルと呼ぶ。固有ベクトルの成分は、元の多次元ベクトルを2次元ベクトルあるいは3次元ベクトルに変換するための係数を含む。固有ベクトルは、主成分ごとに求められる。
いま、質問の項目数がn個であると仮定する。また、ユーザkに対する質問への回答を成分とする多次元ベクトルを、(Xk1,Xk2,…,Xkn)という形式で表す。この多次元ベクトルの成分Xk1,Xk2,…は、上述したように、数値で表されている。主成分分析によって抽出した第1主成分と第2主成分とを軸に持つ2次元平面に、上述した多次元ベクトルを投影すると、2次元平面での座標値(Pk1,Pk2)は、下記の形式で表される。
Pk1=a11・Xk1+a12・Xk2+…+a1n・Xkn
Pk2=a21・Xk1+a22・Xk2+…+a2n・Xkn
この式が多次元ベクトルを2次元ベクトルに変換する変換式になる。ここに、上の変換式の係数群からなるベクトル(a11,a12,……,a1n)は第1主成分の固有ベクトルになり、下の変換式の係数群からなるベクトル(a21,a22,…,a2n)は第2主成分の固有ベクトルになる。
分析部16は、元の多次元ベクトルを圧縮した2次元ベクトルあるいは3次元ベクトルに対してクラスタ分析を行う。このクラスタ分析では、元の多次元ベクトルに比べて扱う成分の個数が低減されるから、クラスタ分析に要する処理負荷が軽減される。このようにして主成分分析を利用してクラスタリングが行われた場合、クラスタを代表する2次元ベクトルあるいは3次元ベクトルの成分(座標値)が主成分得点として求められる。
主成分分析を利用して生成した2次元ベクトルあるいは3次元ベクトルは、元の多次元ベクトルと一対一に対応付けることができる。したがって、2次元ベクトルあるいは3次元ベクトルを用いて求めたクラスタに属する多次元ベクトルを用いて、代表ベクトルを求めることが可能である。このようにして求められた代表ベクトルは、主成分得点と併せて記憶部15に保存される。図2では、クラスタCL1〜CL6,CLkごとの代表ベクトルに対応する主成分得点の位置を2次元平面に表している。
ユーザごとに得られている多次元ベクトルは、すでに求められている固有ベクトルを用いて2次元ベクトルあるいは3次元ベクトルに変換される。つまり、ユーザごとの多次元ベクトルが2次元平面あるいは3次元空間にマッピングされる。分析部16は、特定のユーザについて求めた2次元ベクトルあるいは3次元ベクトルと、クラスタごとの代表点を表す2次元ベクトルあるいは3次元ベクトルとの距離を求める。分析部16は、求めた距離が最小であるクラスタをユーザの属するクラスタとみなし、ユーザに関する元の多次元ベクトルをユーザIDおよびクラスタIDに対応付けて記憶部15に格納する。記憶部15には、多次元ベクトルから変換した2次元ベクトルあるいは3次元ベクトルが併せて格納されてもよい。
なお、ユーザが属するクラスタを定めるために求めた距離が、複数のクラスタに対して有意の差がない場合、ユーザが属するクラスタを一意に定めることができない。つまり、距離の差を判断するための基準値が設定され、複数のクラスタに対して距離の差が基準値よりも小さい場合は有意の差がないと判断される。このような場合には、ユーザを複数のクラスタに所属させてもよい。また、元の多次元ベクトルにおいてクラスタ間で差分が最大になる成分に着目し、ユーザに対応する多次元ベクトルとクラスタの代表ベクトルとにおいて該当する成分の差分が最小になるクラスタをユーザが属するクラスタとして採用してもよい。あるいはまた、ユーザに対応する多次元ベクトルとクラスタの代表ベクトルとのすべての成分を用い、成分ごとの差分の平均値が最小であるクラスタ、あるいは成分ごとの差分の総和が最小であるクラスタを、ユーザが属するクラスタとしてもよい。
クラスタ分析のためのプログラム、主因子分析を行うプログラムは、ライブラリとして用意されている周知のプログラムを用いればよい。
(テンプレート作成)
記憶部15には、ユーザが属するクラスタに加えて、クラスタごとに空調機器30の制御計画に関するテンプレートが登録される。テンプレートは、制御パターンを含む。制御パターンは、図3のように、時間経過に伴う制御量の変化のパターン(以下、「制御パターン」という)として設定される。制御量は、たとえば投入電力に対応する。図3Aは制御量が時間の対数関数、図3Bは制御量が時間の一次関数、図3Cは制御量が時間の指数関数である制御パターンを示している。また、図3Dは、制御量が、時間の経過に伴って振動し、かつ増加傾向の制御パターンを示している。図3に示す制御パターンは一例であって、たとえば二次関数なども採用可能である。テンプレートの例は後述する。
いま、計画部13が記憶部15から抽出したテンプレートにおいて、制御パターンが二次関数に相当していたと仮定する。また、環境の制御対象が温度(室温)であり、制御によって達成する温度が23℃、センサ20から取り込んだ環境情報D11における温度θ1が19℃であったとする。この例では、現状の室温から目標の室温まで変化させる温度差Δθは4℃になる。計画部13は、これらの情報と、空調機器30の制御周期(たとえば、1分間)と、制御開始からの制御時間N(たとえば、5分間)とを用いて、制御周期ごとの空調機器30の制御量を割り付ける。環境を制御する機器が複数種類あれば、計画部13は、それぞれの機器に制御量を割り付ける。
上述の例では、制御パターンとして二次関数を選択しているから、制御開始からt分後の温度は、(Δθ/N)×t+θ1=(4/25)×t2+19のように表される。この式を用いて、1分後から5分後までの温度を1分刻みの制御計画を生成すると、表1のようになる。なお、表1では、0.5℃刻みで温度の設定が可能である空調機器30を想定している。
Figure 2016023915
また、センサ20から取り込んだ温度が18℃であり、目標の温度が20℃であるときに、制御パターンが一次関数であり、制御開始から1時間で目標の温度に到達させるとすれば、t分後の温度は、(2/60)×t+18と表される。したがって、計画部13は、表1と同様に1分ごとの制御量を求めて、制御計画を生成する。
なお、上述した例では、制御パターンは、時間間隔が一定であるが、時間間隔が可変であってもよい。時間間隔が可変であれば、温度を0.5℃ずつ変化させるのに要する時間を調節することによって、制御パターンを実現することができる。
ここで、個々のユーザの感性的特徴は、ユーザが属するクラスタに対応していると仮定している。したがって、適宜のユーザを選んで制御された環境を体験させ、かつその環境を評価させることにより、該当するユーザが快適と評価した環境を抽出し、この環境を生成した制御計画をテンプレートとし、テンプレートを該当するユーザが属するクラスタに対応付ける。ユーザに体験させる環境の制御計画は、制御可能な環境の要素(温度、湿度、風量、風向など)を組み合わせ、それぞれの組み合わせについて制御パターンと組み合わせることにより生成される。
ユーザが快適と評価する環境は、制御前の環境(以下、「初期環境」という)と、制御を行った後の環境(以下、「目標環境」という)との関係にも依存するから、制御計画のテンプレートは、空調機器30の初期環境と目標環境をパラメータに含む。すなわち、クラスタごとに、制御計画のテンプレートとして、時間経過に伴う制御パターンと、初期環境と目標環境との情報とが記憶部15に登録される。初期環境および目標環境の情報は、初期環境である温度と目標環境である温度とのような絶対値が望ましいが、初期環境の温度と目標環境の温度との温度差であってもよい。たとえば、温度差として、1℃、3℃、5℃などの情報をテンプレートに設定してもよい。
なお、記憶部15は、ユーザの評価結果をテンプレートと併せて記憶していてもよい。ユーザの評価結果は、テンプレートである制御計画により生成される環境変化の途中過程での評価結果であってもよい。テンプレートの例を表2に示す。
Figure 2016023915
表2に記載されたテンプレートのうち、「制御」は、図3および表1に示した制御パターンを表しており、「クラスタ」は、ユーザが属するクラスタを表している。なお、「評価」は、空調機器30を使用するユーザが想定した理想の環境を表す評価(問に対する回答)であり、「満足度」は後述するように、ユーザからのフィードバックである。
(制御計画の生成)
記憶部15にテンプレートが登録されると、センサ20から取り込んだ環境情報D11に基づいて空調機器30を制御することが可能になる。ここで、環境制御装置10は、クラスタリングを行ったときと同様に、表示器42に環境についての質問を提示する。ユーザが操作器41を用いて環境に対する回答を行うと、計画部13は回答の組を記憶部15に照合してユーザが属するクラスタを抽出し、回答の組と抽出したクラスタとを関連付けて記憶部15に登録する。
計画部13は、テンプレートにおける「評価」と回答の組との類似度がもっとも高いテンプレートを記憶部15から抽出する。また、ユーザが特定されている場合には、計画部13は、ユーザの属するクラスタに対応付けたテンプレートを記憶部15から抽出する。
計画部13は、ユーザが入力した回答の組と、記憶部15に格納されているテンプレートの「評価」とを比較し、上述のようにベクトル間の距離が最小であるクラスタを、ユーザが属するクラスタの候補として求める。ユーザが属するクラスタの候補が決まると、計画部13は、センサ20が計測した現状の環境(温度、湿度、風速、風向など)と、記憶部15に格納されている初期環境とを比較する。
計画部13は、ユーザが属するクラスタに対応するテンプレートのうち、センサ20が計測した現状の環境に初期環境がもっとも近いテンプレートを抽出する。このテンプレートに含まれる情報を用いることにより、計画部13は、空調機器30を制御するための制御計画を設定する。
ところで、ユーザが空調機器30の温度を設定することは、環境について目標値を定めることにほかならない。ユーザが目標値を定めた場合には、計画部13は記憶部15に格納された目標環境と照合することによってテンプレートを抽出することが可能である。また、上述したように、テンプレートが、温度差を含む場合には、センサ20が計測した環境とユーザが入力した目標値との温度差が記憶部15に照合される。
ここに、計画部13がテンプレートを抽出する際には、現状の環境とユーザが設定した環境との一方を採用すればよく、ユーザが設定した環境を採用する場合は環境の要素のいずれかを採用すればよい。これらの条件は、ユーザに関係なく同じ条件を適用することが可能であり、また、ユーザごとに異なる条件を適用することも可能である。
計画部13は、記憶部15から抽出したテンプレートを用いて制御計画を生成する。空調機器30の制御が開始されると、計画部13は制御周期ごとに制御量を実行部14に引き渡し、実行部14は出力部12を通して制御量を含む制御情報D12を空調機器30に引き渡す。つまり、空調機器30の設定温度は、時間経過に伴って変更される。上述した例において、空調機器30の設定温度は、たとえば、1分刻みで更新される。上述した動作例では、環境の制御対象のうち温度のみについて説明しているが、温度および湿度のように複数の対象を制御する場合、対象ごとに制御計画が生成される。ただし、上述のようにして設定された制御計画は候補であり、以下の処理により制御計画が確定する。
(制御計画の決定)
仮の制御計画によって空調機器30が動作している状態で、ユーザは任意の時点で入力部11を通して環境を評価することが可能になる。つまり、空調機器30の制御が開始されると、環境制御装置10は、ユーザによる評価を受け付ける画面を操作表示器40に表示し、かつ操作表示器40から評価の入力を待ち受ける状態になる。環境の評価は、快適度のような指標をユーザに入力させることにより行う。また、クラスタを生成する際に用いた質問と同様に複数の質問を行い、質問に対する回答の組で表されるベクトルと、目標とする回答の組で表されるベクトルとの距離を用いて評価を行ってもよい。
空調機器30を仮の制御計画で動作している期間において、ユーザによる評価が入力されるか否か、また入力された場合の評価の結果に応じて、最終的な制御計画が以下のようにして生成される。
(1)評価が入力されない場合:空調機器30は、制御計画に従って制御され、制御計画による制御が終了すると、制御計画によって到達した環境が最終状態になる。
(2)評価が入力され、かつ評価が高い場合:評価が入力された時点の環境を最終状態として、以後の制御計画は破棄される。この場合、制御開始から評価が入力された時点までの制御パターンに基づいて、新たなテンプレートが記憶部15に格納される。
(3)評価が入力され、かつ評価が低い場合:計画部13は、評価が入力された時点においてセンサ20から取り込んだ環境情報D11と目標の環境とを満足する制御計画を新たに生成する。
なお、評価は、上述のように、指標あるいはベクトルの距離で表されるから、適宜の閾値を設定し、評価が閾値以上であるときに評価が高いと判定され、評価が閾値未満であるときに評価が低いと判定される。
評価が入力されない場合、ユーザは制御計画に満足しているとみなされる。この場合、計画部13が生成した制御計画に、評価(ユーザが理想とする評価)、初期環境、目標環境、制御時間、評価結果(満足度)などの諸条件を加えて、記憶部15に格納する。すなわち、この制御計画が採用される。また、評価が入力され、かつ評価が高かった場合、評価が入力されない場合と同様に、採用された制御計画が諸条件とともに記憶部15に格納される。
一方、評価が入力され、かつ評価が低かった場合、目標の環境までの制御計画を生成し直され、空調機器30の制御が継続される。ただし、この段階で目標の環境が実現されている場合には、記憶部15から目標の環境が異なるテンプレートが選択される。また、制御計画は、テンプレートの変更だけではなく、制御時間の変更、制御開始時点の環境、最終状態の環境、あるいはクラスタの変更によって新たに生成してもよい。
このように、評価が低い場合、つまりユーザが不満を持った制御計画に対しては、制御計画を変更し、変更後の制御計画に対して最終的に高い評価が得られると、変更後の制御計画が諸条件とともに記憶部15に格納される。つまり、制御計画が既存のテンプレートとは異なる場合に、変更後の制御計画が新たなテンプレートとして記憶部15に格納される。
ユーザによる評価結果にかかわらず、記憶部15に格納される制御計画には、ユーザIDが対応付けられる。言い換えると、ユーザごとに、ユーザが快適と考える制御計画が記憶部15に格納される。そのため、ユーザが評価した制御計画にはユーザIDが付加される。
ユーザを識別するには、操作表示器40を用いてユーザが自己申告すればよい。複数のユーザが空調機器30を利用する場合には、環境制御装置10にあらかじめ個人登録を行っておき、空調機器30を動作させる際に、操作表示器40にユーザの選択肢を提示すればよい。また、個々のユーザが、ユーザを特定するためのRFID(Radio Frequency IDentification)を所持している場合、環境制御装置10は、RFIDの情報を読み取って個人を特定するように構成されていてもよい。あるいはまた、空調機器30が配置された部屋への入室時に、顔認証あるいは生体認証を行うことによってユーザを特定してもよい。
なお、空調機器30を利用する複数のユーザに対応するクラスタの範囲内で、空調機器30を利用する特定のユーザが属するクラスタについて順に制御計画を実施することによって、該当するユーザに当て嵌まる制御計画を求めてもよい。たとえば、住宅で使用する場合、個々の家族が属するクラスタが既知であれば、クラスタごとの制御計画を順に実施することにより、該当するユーザに当て嵌まる制御計画を求めることが可能である。
上述した構成例では、クラスタリングは1回だけ行っている。ただし、新たな質問と回答との組み合わせ得られた時点でクラスタリングを行うことが望ましい。また、一定の時間間隔でクラスタリングを行うようにしてもよい。クラスタリングが行われると、クラスタごとの代表ベクトルを必要に応じて修正することが望ましく、またクラスタへのテンプレートの対応付けも必要に応じて修正する。
上述の動作から明らかなように、空調機器30を運転するときには、目標環境(たとえば、設定温度)を空調機器30に指示する通常の動作と、ユーザが空調機器30により形成された環境を評価する動作とがある。したがって、環境制御装置10は、ユーザがいずれかの動作を選択可能に構成されていることが望ましい。
また、ユーザが空調機器30にどちらの動作を行わせるかを指示しない場合、環境制御装置10は、初期設定では目標環境を待ち受け、目標環境が入力された後は、評価値の入力を待ち受けるようにしてもよい。この場合、制御計画による制御が終了した時点で、制御計画が記憶部15に格納される。その後、計画部13が生成した制御計画を採用するか否かの判断が行われる。
初期環境、目標環境、制御時間、評価の結果などの情報は、空調機器30を実際に制御するたびに制御パターンに対応付けて記憶部15に記録しておき、これらの情報から制御パターンに対する代表値を求めて制御計画を生成すればよい。代表値は、平均値などを採用すればよい。また、平均値ではなく、新しい情報ほど重み係数が大きくなるように重み付けした値を代表値に用いてもよい。このようにして制御計画を生成すれば、複数のユーザの合意を形成することが可能になる。
また、制御パターンに、ユーザID、制御計画、目標環境、評価結果、クラスタを対応付けて記憶部15に記録しておき、ユーザごとに情報を管理してもよい。この場合、ユーザごとに制御計画を生成することが可能になる。
本実施形態の環境制御装置10は、入力部11と計画部13と実行部14と記憶部15とを備える。入力部11は、環境に対する評価が入力される。計画部13は、入力部11に与えられた評価に関する情報に基づく感性的特徴を用いて記憶部15から抽出される制御パターンを用いて制御計画を生成する。実行部14は、計画部13が生成した制御計画に従って、環境を制御する機器(空調機器30)を制御する。記憶部15は、ユーザごとの感性的特徴を分類したクラスタに、時間経過に伴う制御量の変化である制御パターンを対応付けて記憶する。
この構成によれば、ユーザが環境に対して感性に従う評価を行うことにより、環境に関する具体的な値を指示することなく、ユーザの感性的特徴に基づいてユーザが快適と感じる環境が掲載される。なお、ユーザの属性(年齢、性別など)を用いてクラスタを細分しておけば、ユーザの感性的特徴の分類をより的確に行うことが可能になる。
また、入力部11は、制御計画に従って機器(空調機器30)が制御されている期間において、環境に対する評価を受け付けるように構成されていることが望ましい。加えて、計画部13は、評価が不満を表している場合に、制御計画を修正または変更するように構成されていることが望ましい。
この構成によれば、空調機器30が制御計画に従って生成している環境にユーザが不満であれば、評価がフィードバックされて制御計画が修正あるいは変更されるから、ユーザの満足する制御計画が得られるようになる。
記憶部15は、ユーザの評価が基準値以上である制御パターンを優先的に蓄積するように構成されていることが望ましい。
この構成によれば、記憶部15はユーザが好む制御パターンを優先的に蓄積するから、ユーザにとって満足度の高い環境を作り出すことが可能になる。
上述した環境制御装置10は、プログラムに従って動作するプロセッサおよび他装置を接続するためのインターフェイス回路を主なハードウェア要素として構成される。この種のプロセッサは、別途にメモリを必要とする構成のほか、メモリと一体化されたマイコン(Microcontroller)などを用いることが可能である。つまり、適宜のプログラムをコンピュータで実行することにより、コンピュータを上述した環境制御装置10として機能させることが可能である。
プログラムは、あらかじめROM(Read Only Memory)に書き込まれているか、コンピュータで読み取り可能な記録媒体により提供される。また、インターネットのような電気通信回線を通してプログラムが提供される構成であってもよい。
(実施形態2)
上述した構成例は、制御対象として空調機器30を想定しており、ユーザIDをクラスタIDに対応付け、クラスタIDに対応付けたテンプレートを用いて、空調機器30の制御計画を生成している。空調機器30は、冷房運転だけではなく暖房運転が可能であり、また、制御対象は空調機器30に限らない。したがって、制御計画は、年間を通して一律にせず、1日の時間帯、1週間の曜日、天候、季節など、環境を変化させる他の要因に応じて変化させることが望ましい。
本実施形態では、実施形態1と同様に、制御対象が空調機器30である場合を想定し、環境を変化させる他の要因としては外気温に着目する。外気温は、1日の時間帯、天候、季節によって変動する。空調機器30が制御する環境の要素には、気温だけでなく湿度も含まれる。したがって、制御計画を生成する際に、外気の湿度も用いることが可能であるが、説明を簡単にするために、湿度は考慮しない動作について説明した後に、湿度を考慮する場合について説明する。外気温は、室外に配置された温度センサで計測したデータを用いるか、インターネットのような電気通信回線を通して提供される気象のデータを用いる。室外に配置された温度センサは、空調機器30の室外機に内蔵された温度センサであってもよい。本実施形態では、図1に示すセンサ20が外気温を計測する温度センサを含んでいる場合を想定する。
外気温は、たとえば、10分〜1時間程度の周期で環境制御装置10に取り込まれ、1〜複数年に亘って記憶部15に蓄積される。記憶部15は、外気温のデータを、空調機器30の制御量とともに、日時に対応付けて格納する。したがって、時間経過に伴う空調機器30の制御量の変化を外気温に対応付けることが可能になる。また、空調機器30の制御量の変化を日時にも対応付けている。
そのため、記憶部15に格納された情報を用いることによって、時間経過に伴う空調機器30の制御量の変化を、特定環境でのユーザの感性的特徴ではなく、季節およびユーザの生活パターンに応じた感性的特徴に対応付けることになる。その結果、たとえば、ユーザの生体リズムなどによる感性的特徴の変化をテンプレートに対応付けることが可能になり、精度の高い制御計画を設定することが可能になる。テンプレートは、適宜のタイミングで更新される。テンプレートの更新は、ユーザが行うか、所定のタイミングで自動的に行う。
記憶部15に格納された情報からテンプレートを作成するために、分析部16は、外気温と室温との温度差ごとに、時間経過に伴う空調機器30の制御パターン(図3参照)を抽出する。温度差は、たとえば3℃、5℃のようにあらかじめ定めた値であって(1℃を含んでいてもよい)、温度差がこれらの値ではない場合には、四捨五入などによってこれらの値に丸められる。分析部16は、温度差ごとに、制御パターンの度数を求め、最大度数の制御パターンを抽出する。
住宅において家族が共用する空調機器30のように、複数のユーザが空調機器30を共用する場合、ユーザごとの感性的特徴によって、制御パターンが異なる場合がある。この場合でも、上述したように度数が最大になる制御パターンを抽出することによって、複数のユーザ間で合意したと考えられる制御パターンが抽出されることになる。
温度に関する目標環境、制御時間についても、温度の変化パターンと同様に、温度差ごとに集計され、発生頻度の高い値が選択される。ここに、温度に関する目標環境および制御時間は、個々の値の発生頻度ではなく、一定幅の区間ごとに発生頻度が求められる。
なお、空調機器30の制御計画を生成する際に、1日ごとの情報を採用するほか、複数日の情報を平均した情報を採用してもよい。ただし、制御計画を生成するために情報を採用する複数日のうちには、外気温が他の日とは大幅に異なる日が含まれる可能性がある。そこで、情報を採用する複数日における外気温の平均値と各日の外気温との差分を求め、この差分が所定の基準値以上になる場合には、該当する情報は制御計画を生成する情報から除外されることが望ましい。たとえば、外気温の平均値に対して7℃以上の差である日の情報が制御計画を生成する情報から除外されると、平均した情報の妥当性が高くなる。なお、同じ外気温に対して複数種類の制御計画が生成される場合には、湿度のような他の情報を併せて用いることにより、採用する制御計画を決定すればよい。
本実施形態の構成によれば、1〜複数年に亘って蓄積された情報を用いるから、季節ごとに制御計画を生成することが可能になる。とくに、複数年の情報を用いると、年ごとの環境の相違を空調機器30の制御に反映させることが可能になる。たとえば、暑さの厳しい年、冷夏の年、暖冬の年、梅雨の長い年などの年ごとの特徴を考慮することによって、該当する特徴に合わせた制御計画を生成することが可能になる。
室温と外気温とが同じであっても、生体の順応の程度が異なり、また服装に相違が生じる。たとえば、1月の暖かかった日と、3月の厳しく冷え込んだ日とでは、該当する日の前の数日間の環境、服装、生体の順応などによって、空調機器30による暖房の制御内容に相違が生じる可能性がある。外気温だけではなく空調機器30の制御内容を日時に対応付けて記憶部15に格納しておくことにより、外気温だけでは制御計画を絞り込めない場合に、外気温の変化のパターンを考慮することによって、年ごとの特徴を考慮した制御計画を生成することが可能になる。
なお、過去の複数年の制御内容が日時に対応付けられていることにより、外気温に応じたユーザの習慣を反映して、冷房運転、暖房運転のタイミングを自動的に定めることも可能である。
ところで、空調機器30の制御計画を生活パターンに応じて生成するには、1日における空調機器30の稼働と非稼働との時刻について、生活パターンが異なる日ごとに分類することが必要になる。生活パターンが異なる日には、平日と休日との別であり、子供がいる場合には、夏休み、冬休みなども考慮する必要がある。生活パターンが異なる日を分類するには、起床時刻、帰宅時刻、就寝時刻のように、ユーザごとのパターンが現れやすい時刻に着目することが望ましい。これらの時刻には誤差があるから、数分〜30分程度の幅を持つ時間帯を用いることが望ましい。
このような生活パターンの時刻を用いる場合、それぞれの時刻の一致率が基準値(たとえば、80%)以上の生活パターンに対応するように制御計画を生成すればよい。なお、時間帯の幅、一致率に対する基準値は、デフォルト値として標準的な値を設定しておき、必要に応じて、ユーザが適宜に設定あるいは調節することが望ましい。
本実施形態は、外気温などを外部環境の影響を考慮して制御計画を生成している。室温のように空調機器30が制御する環境は、外気温の影響を受けるが、日射量のように天候の影響も受ける。したがって、外部環境の情報として、外気温のほかに天候を加えておくことが望ましい。つまり、外気温の情報と同様に天候の情報も記憶部15に格納しておくことが望ましい。天候の情報は、インターネットのような電気通信回線を通して、たとえば10分〜1時間程度の周期で入手可能である。
計画部13は、制御計画を生成する際に、電気通信回線を通して天気予報の情報を入手し、記憶部15に格納されている天候の情報と照合すれば、記憶部15に格納されている過去の天候を考慮して制御計画を生成することが可能になる。すなわち、外気温だけではなく、天候も考慮した上で、制御計画を生成することが可能になる。
上述のようにして生成された制御計画は、実施形態1と同様に、ユーザが操作表示器40を用いて評価することが可能であり、環境制御装置10が生成した制御計画に対するユーザの評価が得られる。つまり、ユーザが制御計画に不満を持つ場合には、この評価によって、ユーザの感性的特徴を反映するフィードバックが得られる。このようなフィードバックが得られた場合は、実施形態1と同様に、制御計画を修正あるいは変更し、最終的にユーザが満足した制御計画が採用される。要するに、ユーザが属するクラスタに合うように環境制御装置10が自動的に生成した制御計画を、個々のユーザの感性的特徴に合うように必要に応じて調節し、最終的に、個々のユーザが満足する制御計画を生成することが可能になる。その他の構成および動作は実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。
10 環境制御装置
11 入力部
12 出力部
13 計画部
14 実行部
15 記憶部
30 空調機器(機器)

Claims (4)

  1. ユーザごとの感性的特徴を分類したクラスタに、時間経過に伴う制御量の変化である制御パターンを対応付けて記憶した記憶部と、
    環境に対する評価が入力される入力部と、
    前記入力部に与えられた評価に関する情報に基づく感性的特徴を用いて前記記憶部から抽出される前記制御パターンを用いて制御計画を生成する計画部と、
    前記計画部が生成した前記制御計画に従って、環境を制御する機器を制御する実行部とを備える
    ことを特徴とする環境制御装置。
  2. 前記入力部は、前記制御計画に従って前記機器が制御されている期間において、前記環境に対する評価を受け付けるように構成され、
    前記計画部は、前記評価が不満を表している場合に、制御計画を修正または変更するように構成されている
    請求項1記載の環境制御装置。
  3. 前記記憶部は、前記ユーザの前記評価が基準値以上である制御パターンを優先的に蓄積するように
    請求項1又は2記載の環境制御装置。
  4. コンピュータを、請求項1〜3のいずれか1項に記載の環境制御装置として機能させることを特徴とするプログラム。
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