JP2016023236A - 電子機器用粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】細幅であっても高い水密性を維持できる電子機器用粘着シートを提供する。
【解決手段】架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートと、前記架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートの少なくとも片面に積層一体化された粘着剤層とを有する電子機器用粘着シートであって、前記粘着剤層は、リビングラジカル重合により得られた分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のアクリル系ポリマーと、ロジン系粘着付与樹脂とを含有し、前記アクリル系ポリマーは、アルコール性水酸基を有し、前記ロジン系粘着付与樹脂は、水酸基価が25〜55であり、前記アクリル系ポリマー100重量部に対する含有量が5〜40重量部である電子機器用粘着シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、細幅であっても高い水密性を維持できる電子機器用粘着シートに関する。
画像表示装置又は入力装置を搭載した電子機器(例えば、携帯電話、携帯情報端末等)においては、組み立てのために粘着シートが用いられている。具体的には、例えば、電子機器の表面を保護するためのカバーパネルをタッチパネルモジュール又はディスプレイパネルモジュールに接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したりするために粘着シートが用いられている。
このような粘着シートは、例えば、額縁状等の形状に打ち抜かれ、表示画面の周辺に配置されるようにして用いられる。
電子機器に用いられる粘着シートには、接着性をはじめとする様々な性能が求められており、例えば、電子機器の内部に水等の液体が浸入することを防ぐ水密性も必要とされている。
特許文献1には、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートと、上記架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートの一面に積層一体化された所定のアクリル系粘着剤層とを含む電子機器用粘着シートが記載されており、この電子機器用粘着シートは厚みが薄いながら十分な衝撃吸収性及び水密性を有することが記載されている。
近年、表示画面の大画面化に伴って開口部面積が増大しており、それにより表示画面の周辺の接合固定部分が狭幅化している。このため、粘着シートは年々、細幅になってきており、細幅で用いられると強い水圧が加わったり長時間浸水したりした場合に高い水密性が維持できないという問題点があった。
一方、粘着シートの粘着剤には、ビニルモノマー、アクリルモノマー等のラジカル重合性モノマーを重合させて得られたポリマーが頻用されている。ラジカル重合の種類としてはフリーラジカル重合が一般的である。しかしながら、フリーラジカル重合は、分子量及び分子量分布、共重合体組成等を充分に制御できず、低分子量成分が生成したり、共重合の場合であってもホモポリマーが生成したりするため、これらの成分が粘着剤の耐熱性低下、凝集力低下等を招くという欠点がある。
これに対して、より制御されたラジカル重合として、リビングラジカル重合が検討されている。リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合であるため、分子量及び分子量分布、共重合体組成等を制御しやすく、低分子量成分の生成及び共重合せずに生じるホモポリマーの生成を抑えることができる。
特許文献2には、有機テルル化合物を重合開始剤として用いてリビングラジカル重合法によりモノマーを共重合して得られた共重合体を含有する粘着剤が記載されている。しかしながら、単にこのような粘着剤を用いただけでは、粘着シートを細幅で用いた場合に充分に高い水密性を得ることは難しかった。
特開2010−215906号公報 特許第5256515号公報
本発明は、細幅であっても高い水密性を維持できる電子機器用粘着シートを提供することを目的とする。
本発明は、架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートと、前記架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートの少なくとも片面に積層一体化された粘着剤層とを有する電子機器用粘着シートであって、前記粘着剤層は、リビングラジカル重合により得られた分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のアクリル系ポリマーと、ロジン系粘着付与樹脂とを含有し、前記アクリル系ポリマーは、アルコール性水酸基を有し、前記ロジン系粘着付与樹脂は、水酸基価が25〜55であり、前記アクリル系ポリマー100重量部に対する含有量が5〜40重量部である電子機器用粘着シートである。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートと、粘着剤層とを有する電子機器用粘着シートにおいて、リビングラジカル重合により得られた分子量分布の狭いアクリル系ポリマーと、ロジン系粘着付与樹脂とを粘着剤層に配合し、アクリル系ポリマーをアルコール性水酸基を有するものとし、更に、ロジン系粘着付与樹脂の水酸基価及び含有量を特定範囲に調整することにより、電子機器用粘着シートを細幅で用いた場合であっても充分に高い粘着力が得られ、高い水密性を維持できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の電子機器用粘着シートは、架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートと、上記架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートの少なくとも片面に積層一体化された粘着剤層とを有する。
本発明の電子機器用粘着シートは、架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートの少なくとも片面に粘着剤層を有していればよく、架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートの両面に粘着剤層を有していてもよい。
上記架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートは緩衝性を有するため、本発明の電子機器用粘着シートは、必ずしも上記架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートの両面に粘着剤層を有していなくても充分に高い耐衝撃性を有することができる。また、上記架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートを有することで、本発明の電子機器用粘着シートは、段差に対する密着追従性が向上し、高い水密性を維持することができる。
上記架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートは特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂発泡シートを架橋することで得ることができる。
上記ポリオレフィン樹脂発泡シートを架橋する方法は特に限定されず、例えば、上記ポリオレフィン樹脂発泡シートに電子線、α線、β線、γ線等の電離性放射線を照射する方法、上記ポリオレフィン樹脂発泡シートに予め配合しておいた有機過酸化物を加熱により分解させる方法等が挙げられる。
上記ポリオレフィン樹脂発泡シートは、シート状であり、かつ、ポリオレフィン系樹脂を含む発泡体であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン系発泡体、ポリプロピレン系発泡体、エチレン−プロピレン系発泡体等が挙げられるが、耐衝撃性が向上することから、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリオレフィン系樹脂を含む発泡体(本明細書において「メタロセン系ポリオレフィン発泡体」ともいう)が好ましい。なかでも、メタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂を含む発泡体(本明細書において「メタロセン系ポリエチレン発泡体」ともいう)がより好ましい。
上記メタロセン化合物として、例えば、カミンスキー触媒等が挙げられる。
上記メタロセン系ポリエチレン発泡体に含まれる上記メタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂として、例えば、上記メタロセン化合物を用いて、エチレンと、必要に応じて配合される他のα−オレフィンとを共重合することにより得られたポリエチレン系樹脂等が挙げられる。上記他のα−オレフィンとして、例えば、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等が挙げられる。
上記メタロセン系ポリエチレン発泡体は、上記メタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂に加えて、更に、他のオレフィン系樹脂を含んでいてもよい。上記他のオレフィン系樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。
なお、この場合、上記メタロセン系ポリエチレン発泡体における上記メタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂の含有量は、40重量%以上が好ましい。上記メタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂の含有量が40重量%以上であると、上記メタロセン系ポリエチレン発泡体の厚みが薄くても高い圧縮強度を得ることができる。
上記架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートの厚みは、用途によって設定されるので特に限定されないが、10〜500μmが好ましく、60〜400μmがより好ましい。上記厚みが10μm未満であると、電子機器用粘着シートの機械的強度が低下し、細幅で打ち抜き加工した場合に粘着シートが切れたり、強い衝撃が加わった場合に粘着シートが破壊したりすることがある。上記厚みが500μmを超えると、電子機器用粘着シートの密着追従性及び水密性の向上を見込めないうえ、経済性が低下したり、細幅で打ち抜き加工した場合の幅の寸法精度が低下したりすることがある。
上記架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートの製造方法は特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂と発泡剤(例えば、アゾジカルボンアミド)とを含有する発泡性ポリオレフィン樹脂組成物を調製し、この発泡性ポリオレフィン樹脂組成物を押出機を用いてシート状に押出加工する際に発泡剤を発泡させ、得られたポリオレフィン樹脂発泡シートを必要に応じて架橋する方法が好ましい。
また、上記発泡性ポリオレフィン樹脂組成物を押出機を用いて発泡剤を発泡させることなくシート状に押出加工し、得られた発泡性ポリオレフィン樹脂シートを必要に応じて架橋した後、発泡剤を発泡させる方法を用いてもよい。
更に、得られた発泡シートを必要に応じて延伸してもよい。
上記粘着剤層は、リビングラジカル重合により得られた分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のアクリル系ポリマーと、ロジン系粘着付与樹脂とを含有する。
上記アクリル系ポリマーは、リビングラジカル重合、より好ましくは有機テルル重合開始剤を用いたリビングラジカル重合により得られたものである。
リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合によれば、例えばフリーラジカル重合等と比較してより均一な分子量及び組成を有するポリマーが得られ、低分子量成分等の生成を抑えることができる。このため、上記アクリル系ポリマーの分子量分布を上記範囲に調整しやすくなり、電子機器用粘着シートを細幅で用いた場合であっても充分に高い粘着力が得られ、高い水密性を維持することができる。
上記有機テルル重合開始剤は、リビングラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、有機テルル化合物、有機テルリド化合物等が挙げられる。
上記有機テルル化合物として、例えば、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−クロロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−アミノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−シアノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−(メチルテラニル−メチル)ピリジン、2−(1−メチルテラニル−エチル)ピリジン、2−(2−メチルテラニル−プロピル)ピリジン、2−メチルテラニル−エタン酸メチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−エタン酸エチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸エチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メチルテラニルアセトニトリル、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル等が挙げられる。上記化合物中のメチルテラニル基は、エチルテラニル基、n−プロピルテラニル基、イソプロピルテラニル基、n−ブチルテラニル基、イソブチルテラニル基、t−ブチルテラニル基、フェニルテラニル基等であってもよく、また、これらの有機テルル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機テルリド化合物として、例えば、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジ−sec−ブチルジテルリド、ジ−tert−ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス−(p−メトキシフェニル)ジテルリド、ビス−(p−アミノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−ニトロフェニル)ジテルリド、ビス−(p−シアノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリド、ジピリジルジテルリド等が挙げられる。これらの有機テルリド化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジフェニルジテルリドが好ましい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記有機テルル重合開始剤に加えて、重合速度の促進を目的として重合開始剤としてアゾ化合物を用いてもよい。上記アゾ化合物は、ラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アクリル系ポリマーは、アルコール性水酸基を有する。
上記アクリル系ポリマーをアルコール性水酸基を有するものとすることにより、電子機器用粘着シートの耐剥離性能が向上する。特にイソシアネート系架橋剤等の架橋剤をアルコール性水酸基と反応させることにより上記アクリル系ポリマーの主鎖間に架橋構造を形成した場合においては、耐剥離性能の向上が顕著になり、電子機器用粘着シートを細幅で用いた場合であっても高い水密性を維持することができる。
上記アクリル系ポリマーにアルコール性水酸基を導入する方法は特に限定されず、例えば、上記リビングラジカル重合においてアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを共重合する方法が挙げられる。
上記アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルは特に限定されず、例えば、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、2−ヒドロキシエチルアクリレート又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、他のリビングラジカル重合とは異なり、有機テルル重合開始剤を用いたリビングラジカル重合は、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基及びニトリル基等の極性官能基を有するモノマーをいずれも保護することなく、同一の開始剤で分子量、分子量分布を制御することができる。このため、極性官能基を有するモノマーを容易に共重合することができる。
上記アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いた場合、その含有量は特に限定されないが、上記リビングラジカル重合により重合するラジカル重合性モノマー中の好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は10重量%である。上記含有量が0.01重量%未満であると、電子機器用粘着シートの水密性が低下したり、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎて耐熱接着強度が低下したりすることがある。上記含有量が10重量%を超えると、上記粘着剤層のゲル分率が高くなりすぎ、剥がれやすくなったり水密性が低下したりすることがある。上記含有量のより好ましい下限は0.05重量%、より好ましい上限は3重量%である。
上記リビングラジカル重合により重合するラジカル重合性モノマーとして、上記アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルのほかに、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、ビニル化合物等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸エステルは特に限定されず、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、エチルアクリレートが好ましい。
上記アクリル系ポリマーにおいては、上記ラジカル重合性モノマー中の上記(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、少ないと上記粘着剤層の粘着力の低下につながり、上記粘着剤層が剥がれやすくなったり水密性が低下したりすることがあるので、50重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。
なかでも、上記アクリル系ポリマーは、エチルアクリレート成分を5〜30重量%含有することが好ましい。上記含有量が5重量%未満であると、上記粘着剤層が剥がれやすくなったり水密性が低下したりすることがある。上記含有量が30重量%を超えると、塗工時の粘度が高すぎて上記粘着剤層に厚みムラが生じたり、上記粘着剤層が硬くなりすぎて剥がれやすくなったり水密性が低下したりすることがある。上記エチルアクリレート成分の含有量のより好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は25重量%である。
また、(メタ)アクリル酸を用いることも好ましく、その含有量は特に限定されないが、上記ラジカル重合性モノマー中の好ましい下限は0.1重量%、好ましい上限は10重量%である。上記含有量が0.1重量%未満であると、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎ、耐熱性が低下して剥がれやすくなることがある。上記含有量が10重量%を超えても、上記粘着剤層が硬くなりすぎて剥がれやすくなったり水密性が低下したりすることがある。
上記ビニル化合物は特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、N−アクリロイルモルフォリン、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。これらのビニル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記リビングラジカル重合においては、分散安定剤を用いてもよい。上記分散安定剤として、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合の方法として、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合において重合溶媒を用いる場合、該重合溶媒は特に限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒や、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の高極性溶媒を用いることができる。これらの重合溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アクリル系ポリマーは、分子量分布(Mw/Mn)が1.05〜2.5である。上記分子量分布が2.5を超えると、重合において生成した低分子量成分等が増えるため、電子機器用粘着シートが剥がれやすくなったり水密性が低下したりする。上記分子量分布の好ましい上限は2.0であり、より好ましい上限は1.8である。
上記アクリル系ポリマーは、重量平均分子量(Mw)の好ましい下限が45万、好ましい上限が110万である。上記重量平均分子量が45万未満であると、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎて剥がれやすくなったり水密性が低下したりすることがある。上記重量平均分子量が110万を超えると、塗工時の粘度が高すぎて上記粘着剤層に厚みムラが生じることがある。上記重量平均分子量(Mw)のより好ましい下限は50万、より好ましい上限は105万であり、更に好ましい下限は60万、更に好ましい上限は80万である。
なお、分子量分布(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。具体的には、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、アクリル系ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液を用いてGPC法によりポリスチレン換算分子量として測定される。GPC法では、例えば、2690 Separations Model(Waters社製)等を使用できる。
上記ロジン系粘着付与樹脂は、水酸基価が25〜55であり、上記アクリル系ポリマー100重量部に対する含有量が5〜40重量部である。
上記粘着剤層に上記ロジン系粘着付与樹脂を配合し、更に、上記ロジン系粘着付与樹脂の水酸基価及び含有量を上記範囲に調整することにより、電子機器用粘着シートを細幅で用いた場合であっても充分に高い粘着力が得られ、高い水密性を維持することができる。
上記水酸基価が上記範囲を外れると、上記粘着剤層が剥がれやすくなったり水密性が低下したりする。上記水酸基価の好ましい下限は30、好ましい上限は50である。
なお、水酸基価は、JIS K1557(無水フタル酸法)により測定できる。
上記ロジン系粘着付与樹脂は、軟化温度の好ましい下限が70℃、好ましい上限が170℃である。上記軟化温度が70℃未満であると、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎて剥がれやすくなったり水密性が低下したりすることがある。上記軟化温度が170℃を超えると、上記粘着剤層が硬くなりすぎて剥がれやすくなったり水密性が低下したりすることがある。上記軟化温度のより好ましい下限は120℃である。
なお、軟化温度とは、JIS K2207環球法により測定した軟化温度である。
上記ロジン系粘着付与樹脂は特に限定されないが、ロジンエステル系樹脂が好ましい。上記ロジンエステル系樹脂とは、アビエチン酸を主成分とするロジン樹脂、不均化ロジン樹脂及び水添ロジン樹脂、並びに、アビエチン酸等の樹脂酸の二量体(重合ロジン樹脂)等を、アルコール類によってエステル化させて得られる樹脂である。エステル化に用いたアルコール類の水酸基の一部がエステル化に使用されずに樹脂内に含有されてなることで、水酸基価が上記範囲に調整されるものである。
ロジン樹脂をエステル化したものがロジンエステル樹脂、不均化ロジン樹脂をエステル化したものが不均化ロジンエステル樹脂、水添ロジン樹脂をエステル化したものが水添ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹脂をエステル化したものが重合ロジンエステル樹脂である。上記エステル化に使用されるアルコール類としては、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールが挙げられる。
上記水添ロジンエステル樹脂として、例えば、荒川化学工業社製パインクリスタルKE−359(水酸基価42、軟化温度100℃)、同社製エステルガムH(水酸基価29、軟化温度70℃)等が挙げられる。
上記重合ロジンエステル樹脂として、例えば、荒川化学工業社製ペンセルD135(水酸基価45、軟化温度135℃)、同社製ペンセルD130(水酸基価45、軟化温度130℃)、同社製ペンセルD125(水酸基価34、軟化温度125℃)、同社製ペンセルD160(水酸基価42、軟化温度160℃)等が挙げられる。
これらのロジン系粘着付与樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ロジン系粘着付与樹脂の含有量は、上記アクリル系ポリマー100重量部に対する下限が5重量部、上限が40重量部である。上記含有量が5重量部未満であると、上記粘着剤層が剥がれやすくなったり水密性が低下したりする。上記含有量が40重量部を超えても、ガラス転移温度(Tg)の上昇により上記粘着剤層が硬くなりすぎて剥がれやすくなったり水密性が低下したりする。上記含有量の好ましい下限は7重量部、好ましい上限は30重量部である。
上記粘着剤層は、更に、テルペン系粘着付与樹脂を含有していてもよい。上記テルペン系粘着付与樹脂は特に限定されないが、テルペンフェノール系樹脂が好ましい。上記テルペンフェノール系樹脂とは、フェノールの存在下においてテルペンを重合させて得られた樹脂である。
上記テルペン系粘着付与樹脂として、例えば、ヤスハラケミカル社製YSポリスターG150(軟化点150℃)、同社製YSポリスターT100(軟化点100℃),同社製YSポリスターG125(軟化点125℃)、YSポリスターT115(軟化点115℃)、同社製YSポリスターT130(軟化点130℃)等が挙げられる。
上記粘着剤層は、必要に応じて、可塑剤、乳化剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、酸化防止剤等の添加剤等のその他の樹脂等を含有していてもよい。
上記粘着剤層は、ゲル分率の好ましい下限が3重量%、好ましい上限が60重量%である。上記ゲル分率が3重量%未満であると、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎて剥がれやすくなったり水密性が低下したりすることがある。上記ゲル分率が60重量%を超えると、上記粘着剤層の架橋密度が高くなりすぎて剥がれやすくなったり水密性が低下したりすることがある。上記ゲル分率のより好ましい下限は5重量%、より好ましい上限は55重量%である。
なお、ゲル分率は、次のようにして測定される。まず、電子機器用粘着シートを50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出する。なお、試験片には、粘着剤層を保護するための離型フィルムは積層されていないものとする。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
上記範囲のゲル分率の粘着剤層を得る方法としては、架橋剤を添加して上記アクリル系ポリマーの主鎖間に架橋構造を形成する方法が挙げられる。このとき、上記架橋剤の種類又は量を適宜調整することによって、上記粘着剤層のゲル分率を目的とする範囲に調整することができる。
上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、上記架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートに対する密着安定性に優れるため、イソシアネート系架橋剤が好ましい。上記イソシアネート系架橋剤として、例えば、コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)、コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)、マイテックNY260A(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記架橋剤の配合量は、上記アクリル系ポリマー100重量部に対する好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が5重量部である。上記配合量が0.01重量部未満であると、上記粘着剤層のゲル分率が低くなりすぎて剥がれやすくなったり水密性が低下したりすることがある。上記配合量が5重量部を超えると、上記粘着剤層のゲル分率が高くなりすぎて剥がれやすくなったり水密性が低下したりすることがある。上記配合量のより好ましい下限は0.05重量部、より好ましい上限は3重量部である。
上記粘着剤層の厚みは、用途によって設定されるので特に限定されないが、好ましい下限が1μm、好ましい上限が200μmである。上記厚みが1μm未満であると、上記粘着剤層の粘着力が低下し、剥がれやすくなったり水密性が低下したりすることがある。上記厚みが200μmを超えると、電子機器用粘着シートのせん断保持性能が低下したり打ち抜き加工性が低下したりすることがある。上記厚みのより好ましい下限は2.5μm、より好ましい上限は100μmである。
本発明の電子機器用粘着シートの製造方法は特に限定されず、例えば、上記アクリル系ポリマーと、上記ロジン系粘着付与樹脂とを、必要に応じてその他の配合成分と共に混合し、攪拌して粘着剤溶液を調製し、続いて、この粘着剤溶液を離型処理したPETフィルム(製造離型フィルム)に塗工乾燥させて粘着剤層を形成し、得られた粘着剤層を架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートに転着させる方法、上記粘着剤溶液を架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートに直接塗工乾燥させる方法等が挙げられる。
本発明の電子機器用粘着シートの用途は、電子機器用途であれば特に限定されないが、例えば、額縁状等の形状に打ち抜かれ、表示画面の周辺に配置されるようにして用いられることに適している。
このときの額縁の幅は特に限定されないが、通常、2.5mm以下である。本発明の電子機器用粘着シートは、額縁の幅が1.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下、更に好ましくは0.5mm以下の細幅であっても高い水密性を維持することができる。
また、表示画面のサイズが大きいと、表示画面の周辺の接合固定部分が狭幅化する。このため、本発明の電子機器用粘着シートは、表示画面のサイズが大きい表示装置に適しており、例えば、表示画面のサイズが8インチ以上の表示装置、より好ましくは9インチ以上の表示装置、更に好ましくは10インチ以上の表示装置に適している。
本発明によれば、細幅であっても高い水密性を維持できる電子機器用粘着シートを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(合成1〜7)
(リビングラジカル重合アクリル系ポリマーの合成)
Tellurium(40メッシュ、金属テルル、アルドリッチ社製)6.38g(50mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mLに懸濁させ、これに1.6mol/Lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(アルドリッチ社製)34.4mL(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで攪拌した。この反応溶液に、エチル−2−ブロモ−イソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物の2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチルを得た。
アルゴン置換したグローブボックス内で、反応容器中に、上記で得られた2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチル及びV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)をそれぞれ表1に示す量(仕込み量)計量し、酢酸エチル1mLを投入した後、反応容器を密閉し、反応容器をグローブボックスから取り出した。続いて、反応容器にアルゴンガスを流入しながら、反応容器内に、表1に示すモノマー(2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート、BA:ブチルアクリレート、EA:エチルアクリレート、Aac:アクリル酸、HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート)の合計100g、重合溶媒として酢酸エチル66.5gを投入し、60℃で20時間重合反応を行い、リビングラジカル重合アクリル系ポリマー含有溶液を得た。
得られたリビングラジカル重合アクリル系ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、ポリマーのポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。カラムとしてはGPC KF−806L(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
(合成8、9)
(フリーラジカル重合アクリル系ポリマーの合成)
反応容器内に、重合溶媒として酢酸エチル50gを加え、窒素でバブリングした後、窒素を流入しながら反応容器を加熱して還流を開始した。続いて、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)0.15gを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に投入し、表1に示すモノマーの合計100gを2時間かけて滴下添加した。滴下終了後、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)0.15gを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に再度投入し、4時間重合反応を行い、フリーラジカル重合アクリル系ポリマー含有溶液を得た。合成1と同様にして、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
Figure 2016023236
(実施例1〜9、比較例1〜7)
(1)粘着剤溶液の調製
上記で得られたラジカル重合アクリル系ポリマー含有溶液に酢酸エチルを加え、次いでその不揮発分100重量部に対して表2に示す所定量の粘着付与樹脂及び架橋剤(「コロネートL」、日本ポリウレタン工業社製、イソシアネート誘導体、又は、「TETRAD−X」、三菱ガス化学社製、テトラグリシジル−m−キシレンジアミン)を添加して攪拌し、不揮発分30重量%の粘着剤溶液を得た。使用した粘着付与樹脂を下記に示す。
・ペンセルD130(重合ロジンエステル樹脂、水酸基価45、軟化温度130℃、荒川化学工業社製)
・KE−359(水添ロジンエステル樹脂、水酸基価42、軟化温度100℃、荒川化学工業社製)
・マイティーエースG150(テルペンフェノール樹脂、軟化温度150℃、ヤスハラケミカル社製)
・YSポリスターT130(テルペンフェノール樹脂、軟化温度130℃、ヤスハラケミカル社製)
(2)架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートの製造
重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られた直鎖状低密度ポリエチレン(エクソン・ケミカル社製、商品名「EXACT3027」、密度0.900g/cm、融点98℃、軟化点85℃)100重量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド5重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部及び酸化亜鉛1重量部を含有する発泡性ポリオレフィン樹脂組成物を押出機に供給して130℃で溶融混練し、幅200mm、厚さ0.8mmの長尺状の発泡性ポリオレフィン樹脂シートに押出した。
次に、得られた発泡性ポリオレフィン樹脂シートの両面に加速電圧800kVの電子線を5Mrad照射して、発泡性ポリオレフィン樹脂シートを架橋した。この発泡性ポリオレフィン樹脂シートを熱風及び赤外線ヒータにより250℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで加熱し、発泡させた。
得られた発泡シートを発泡炉から連続的に送り出した後、この発泡シートをその両面の温度が200〜250℃となるように維持した状態で、そのCDに延伸倍率3倍で延伸させた。同時に、発泡性ポリオレフィン樹脂シートの発泡炉への送り込み速度(供給速度)よりも速い巻取速度で発泡シートを巻き取ることによって発泡シートを延伸倍率3倍でMDに延伸させた。これにより、発泡シートの気泡をCD及びMDに延伸して変形させ、幅1050mm、厚み0.1mm、架橋度25重量%、発泡倍率4.7倍の架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートを得た。
(3)粘着シートの製造
得られた架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートの両面に粘着剤組成物溶液を乾燥後の厚みが50μmになるよう塗工し、105℃で5分間乾燥させて、架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートの両面のそれぞれに厚みが50μmの粘着剤層を積層一体化して電子機器用粘着シートを得た。
得られた粘着シートを50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製した。試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
<評価>
実施例及び比較例で得られた粘着シートについて、下記の評価を行った。結果を表2に示す。
(1)水密性A1及び水密性A2
粘着シートを外径60mm、内径50mmのリング状に打ち抜き、幅5mmのリング状の試験片A1を得た。また、粘着シートを外径60mm、内径55mmのリング状に打ち抜き、幅2.5mmのリング状の試験片A2を得た。
試験片A1又は試験片A2を2枚の互いに平行なアクリル樹脂板間に挟み、試験片の圧縮率が10%になるように(即ち、試験片の圧縮後の厚みが圧縮前の厚みの10%となるように)、試験片をその厚み方向に2枚のアクリル樹脂板で圧縮した。
2枚のアクリル樹脂板のうちの一方のアクリル樹脂板には、試験片の中心部に対応する部分に貫通孔が開いており、この貫通孔より、2枚のアクリル樹脂板の対向面と試験片とで囲まれた空間内に水を満たした。10kPaの圧力をかけた状態でJIS C0920 IPX7に準拠して漏水が始まるまでの時間を評価した。試験片A1を用いた際の評価結果と、試験片A2を用いた際の評価結果について表2に示した。
Figure 2016023236
本発明によれば、細幅であっても高い水密性を維持できる電子機器用粘着シートを提供することができる。

Claims (2)

  1. 架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートと、前記架橋ポリオレフィン樹脂発泡シートの少なくとも片面に積層一体化された粘着剤層とを有する電子機器用粘着シートであって、
    前記粘着剤層は、リビングラジカル重合により得られた分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のアクリル系ポリマーと、ロジン系粘着付与樹脂とを含有し、
    前記アクリル系ポリマーは、アルコール性水酸基を有し、
    前記ロジン系粘着付与樹脂は、水酸基価が25〜55であり、前記アクリル系ポリマー100重量部に対する含有量が5〜40重量部である
    ことを特徴とする電子機器用粘着シート。
  2. アクリル系ポリマーは、エチルアクリレート成分を5〜30重量%含有することを特徴とする請求項1の電子機器用粘着シート。
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