JP2016023193A - ケミカルヒートポンプ用反応材とその製造方法、ケミカルヒートポンプ - Google Patents

ケミカルヒートポンプ用反応材とその製造方法、ケミカルヒートポンプ Download PDF

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浩子 大倉
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Yohei Shiren
陽平 志連
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Abstract

【課題】蓄熱・放熱過程を繰り返した場合でも、III型無水石膏からII型無水石膏への結晶構造変化を抑制できるケミカルヒートポンプ用反応材の提供。【解決手段】次の[1]〜[4]の要件を満たすケミカルヒートポンプ用反応材。[1]硫酸カルシウムに対し、Ca(OH)2を0.1〜8mol%添加した混合物を原材料とする反応材である。[2]Ca1+XSO4(0.001≦x≦0.08)で表される、結晶歪みを有するIII型無水石膏を主成分とする反応材である。[3]蓄熱・放熱過程により、反応材と、前記III型無水石膏の水和物である結晶歪みを有する半水石膏を主成分とする材料との間で、可逆的に相互変化が可能である。[4]大気雰囲気下での示差熱−熱重量同時分析(TG−DTA)において、III型無水石膏からII型無水石膏への相転移温度に相当するTG−DTAの発熱ピーク温度が、昇温速度10℃/minにおいて400℃以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、ケミカルヒートポンプ用反応材、該反応材の製造方法、及び該反応材を用いたケミカルヒートポンプに関する。
近年、省エネルギーなどの観点から、余剰排熱等の熱源を有効利用するケミカルヒートポンプ等の熱回収システムが注目されている。
ケミカルヒートポンプは、反応媒体と蓄熱材(以後、反応材と称する)との間の可逆的な化学反応(水和反応及び脱水反応)に伴う発熱・吸熱現象を利用して、熱供給・蓄熱を行うシステムである。ケミカルヒートポンプは、一般的に、反応媒体と可逆的に反応する反応材が充填された熱交換器を備えた反応器と、液体の反応媒体を蒸発する蒸発器と、気体の反応媒体を凝縮させる凝縮器とが、開閉機構を介して接続されている。
ケミカルヒートポンプ用の反応材としては、酸化カルシウム(CaO)を利用する系(特許文献1)、酸化マグネシウム(MgO)を利用する系(特許文献2)、硫酸カルシウム(CaSO)を利用する系等が検討されてきた。しかしながら、特許文献1、2のヒートポンプは、蓄熱・放熱過程を繰り返すことにより、反応材の反応率が低下するという問題点を有する。酸化マグネシウム/水系ケミカルヒートポンプの場合、蓄熱操作温度は350℃以上、酸化カルシウム/水系ケミカルヒートポンプの場合、蓄熱操作温度は500℃以上であり、いずれも高温領域で使用される反応材である。
一方、硫酸カルシウム/水系ケミカルヒートポンプの場合、蓄熱操作温度は中温領域の110〜190℃であり、これまで有効利用されていなかった工場などで発生する中温領域の廃熱に適応可能な反応材である。硫酸カルシウムをケミカルヒートポンプに使用する場合には、III型無水石膏(III型の硫酸カルシウム)が用いられる。そして放熱過程では、III型無水石膏と反応媒体との反応により発生する反応熱を取り出し、蓄熱過程では、半水石膏(半水硫酸カルシウム)に余剰排熱等の外部熱を加えて反応媒体を脱離させる。
特許文献3には、硫酸カルシウム/アルコール系ケミカルヒートポンプが開示されているが、冷凍システムに用いるものであり、蓄熱操作温度が中温領域である本発明のケミカルヒートポンプとは前提条件が異なる。
硫酸カルシウムを反応材として使用する場合でも反応材の反応率の低下が問題となる。硫酸カルシウムを用いた場合の反応率の低下は硫酸カルシウムの結晶構造の相転移に主な要因がある。具体的には、III型無水石膏は、蓄熱・放熱過程を繰り返すことによってより結晶構造が安定なII型無水石膏へと変化し、蓄熱量及び放熱量が減少してしまう。
したがって、本発明は、蓄熱・放熱過程を繰り返した場合でも、III型無水石膏からII型無水石膏への結晶構造変化を抑制できるケミカルヒートポンプ用反応材の提供を目的とする。
上記課題は、次の<1>の発明によって解決される。
<1> 次の要件[1]〜[4]を満たすことを特徴とするケミカルヒートポンプ用反応材。
[1]硫酸カルシウムに対し、Ca(OH)を0.1〜8mol%添加した混合物を原材料とする反応材である。
[2]Ca1+XSO(0.001≦x≦0.08)で表される、結晶歪みを有するIII型無水石膏を主成分とする反応材である。
[3]蓄熱・放熱過程により、反応材と、前記III型無水石膏の水和物である結晶歪みを有する半水石膏を主成分とする材料との間で、可逆的に相互変化が可能である。
[4]大気雰囲気下での示差熱−熱重量同時分析(TG−DTA)において、III型無水石膏からII型無水石膏への相転移温度に相当するTG−DTAの発熱ピーク温度が、昇温速度10℃/minにおいて400℃以上である。
本発明によれば、蓄熱・放熱過程を繰り返した場合でも、III型無水石膏からII型無水石膏への結晶構造変化を抑制できるケミカルヒートポンプ用反応材を提供できる。
本発明のケミカルヒートポンプの一例を示す概略構成図である。 本発明のケミカルヒートポンプの作動例を示す概略図である。図2(a)は蓄熱過程時の作動例、図2(b)は放熱過程時の作動例である。 本発明の反応材の劣化特性を示す概略図である。 比較例の反応材の劣化特性を示す概略図である。 本発明の反応材のII型相転移温度を示す図である。 比較例の反応材のII型相転移温度を示す図である。 本発明の反応材のX線回折(XRD)結果を示す図である。 比較例の反応材のX線回折(XRD)結果を示す図である。
以下、上記本発明<1>について詳しく説明するが、本発明の実施の形態には、次の<2>〜<3>も含まれるので、これらについても併せて説明する。
<2> 少なくとも、Ca(OH)水溶液と硫酸カルシウムを混練して混練物を得る混練工程、該混練物を成形して成形物を得る成形工程、該成形物を乾燥して乾燥物を得る乾燥工程、該乾燥物を焼成して反応材を得る焼成工程を含み、硫酸カルシウムに対し0.1〜8mol%のCa(OH)を添加することを特徴とする<1>に記載のケミカルヒートポンプ用反応材の製造方法。
<3> <1>に記載のケミカルヒートポンプ用反応材を備えた反応部と、水を蒸発又は凝縮する蒸発凝縮部と、前記反応部と前記蒸発凝縮部を接続する接続部と、前記接続部の開閉を制御する開閉機構を有することを特徴とするケミカルヒートポンプ。
(反応材及び反応媒体)
本発明の反応材は、硫酸カルシウムに対し、Ca(OH)を0.1〜8mol%添加した混合物を原材料として製造するので、硫酸カルシウムが化学量論的組成よりもCa過剰になってSOが欠損し結晶歪みが発生する。その結果、本発明の反応材の主成分は、Ca1+XSO(0.001≦x≦0.08)で表される、結晶歪みを有するIII型無水石膏となる。ここで主成分とは、基本的に結晶歪みを有するIII型無水石膏からなるが、若干の結晶歪みを有しないIII型無水石膏などが含まれることもあることを意味する。なお、III型無水石膏は、IIIα型無水石膏でもIIIβ型無水石膏でも良い。
本発明の反応材と可逆反応する反応媒体は水(水蒸気)である。
本発明の反応材は、蓄熱・放熱過程で水蒸気と可逆的に反応し、前記III型無水石膏の水和物である結晶歪みを有する半水石膏を主成分とする材料との間で可逆的に相互変化する。III型無水石膏は半水石膏の結晶水がそのままとれた構造であるから、半水石膏の結晶水は格子構造に影響を与えず、III型無水石膏と半水石膏の結晶格子に差異はない。したがって、半水石膏の結晶格子もIII型無水石膏と同じ歪みを有する。
(反応材の製造方法)
本発明の反応材の製造方法は、Ca(OH)と水を混合してCa(OH)水溶液を得る混合工程、該Ca(OH)水溶液と硫酸カルシウムを混練して混練物を得る混練工程、該混練物を成形して成形物を得る成形工程、該成形物を乾燥して乾燥物を得る乾燥工程、該乾燥物を焼成して反応材を得る焼成工程を含む。但し、混合工程は必須ではなく、Ca(OH)水溶液を入手できる場合には省略することもできる。
以下、各工程について順に説明する。
[混合工程]
混合工程では、Ca(OH)を蒸留水と混合してCa(OH)水溶液を作製する。Ca(OH)と蒸留水の混合割合は、Ca(OH)の含有量が水に対する溶解度以下であれば特に制限はない。後述する成形工程における流し込み時の取り扱い易さ及び硬化後の密度や強度によって混合する水量を決定し、これに狙いの混合量のCa(OH)を溶かして混合液を用意するとよい。
[混練工程]
混練工程では、混合工程で得られたCa(OH)水溶液と硫酸カルシウムを混練して混練物を作製する。前述したように、材料の混合割合は、硫酸カルシウムに対し、Ca(OH)が0.1〜8mol%となるようにする。これにより、Ca過剰な硫酸カルシウム二水和物が形成される。
硫酸カルシウムは無水石膏でも半水石膏でもよい。半水石膏を使用した場合でも、後の焼成工程で無水物とすることができる。なお、硫酸カルシウムは粉状、粒状、塊状等の何れのものでもよい。
混練時間は、Ca(OH)水溶液と硫酸カルシウムを十分に混練することができれば特に制限はない。また混練温度も特に制限はない。
[成形工程]
成形工程では、混合工程で得られた混練物を成形して成形物を作製する。
成形方法には特に制限はないが、混練物を所定の型に流し込み、所定の時間放置して硬化させる方法等が挙げられる。放置する時間は、混練物を十分硬化させることができれば特に制限はない。
[乾燥工程]
乾燥工程では、成形工程で得られた成形物を型から取り出し、室温雰囲気下で結晶間等に付着している液状の水を蒸発させて乾燥物を作製する。
[焼成工程]
焼成工程では、乾燥工程で得られた乾燥物を焼成して反応材を作製する。焼成条件は、乾燥物中の水分を除去して無水物を得ることができれば特に制限はなく、例えば、減圧雰囲気下又は大気雰囲気下、100℃〜200℃で所定の時間焼成すれば無水物を得ることができる。
本発明の反応材の製造方法では、硫酸カルシウムが化学量論的組成よりもCa過剰になり、SOが欠損し結晶歪みが発生する。組成式で示すと、Ca1+XSO(0.001≦x≦0.08)となる。全体が均一の混合状態であることが望ましいが、xの値が結晶内で局所的に変動していてもよい。硫酸カルシウムの結晶格子が歪んでいることにより、水蒸気との反応による蓄熱・放熱過程を繰り返した場合でも、III型無水石膏よりも熱力学的に安定であるII型無水石膏への結晶構造変化(相変化)を抑制(減少)することができる。
(ケミカルヒートポンプ)
次に、本発明のケミカルヒートポンプについて説明する。
図1は、本発明のケミカルヒートポンプの一例の概略構成図であるが、その構成は一般的なものであって、本発明はこれにより限定されるものではない。
ケミカルヒートポンプ100には、本発明の反応材Rを収納する反応部120と、気体の反応媒体を凝縮させ液体の反応媒体を蒸発させる蒸発凝縮部140が設けられている。また、反応部120と蒸発凝縮部140を接続する接続パイプなどから構成される接続部160が設けられている。
反応部120には、反応器122と、その外側の熱交換器124とが設けられている。熱交換器124により反応器122の外部と熱の授受を行うことができる。通常、反応器122の外部には、図示しない熱媒体流路が形成され、反応器122で発生した反応熱は、熱交換器124及び熱媒体流路を介して熱媒体へと供給される。なお、図1では反応器122が1つの例を示したが、反応器122を複数設けても良い。
蒸発凝縮部140は、気体の反応媒体を凝縮させる凝縮器142と、液体の反応媒体を蒸発させる蒸発器144とが、接続パイプ146で接続されている。接続パイプ146には開閉バルブ148が設けられ、凝縮器142と蒸発器144との間の接続、即ち、反応媒体の移動を制御することができる。また、凝縮器142及び蒸発器144には、各々熱交換器150、152が設けられている。熱交換器150、152によって、各々、凝縮器142及び蒸発器144の外部と熱の授受を行うことができる。より具体的には、凝縮器142は、熱交換器150で外部に熱を放出することにより、水蒸気を液体の水へと変換することができる。一方、蒸発器144は、熱交換器152で外部から熱を受け取ることにより、水を水蒸気へと変換することができる。そして、接続パイプ146及び開閉バルブ148を操作することにより、凝縮器142で凝縮された水(及び水蒸気)を、蒸発器144側に供給することができる。
ケミカルヒートポンプ100は、反応部120と蒸発凝縮部140とを接続する接続部160を有する。接続部160には、反応器122と凝縮器142を接続する接続パイプ162、及び、反応器122と蒸発器144を接続する接続パイプ164が設けられている。接続パイプ162及び接続パイプ164には、これらの開閉を制御するため、各々、開閉バルブ166及び開閉バルブ168が設けられている。
接続パイプ162により、反応器122で放出される水蒸気(及び水)を凝縮器142に送ることができる。また、接続パイプ164によって、蒸発器144で発生する水蒸気(及び水)を反応器122に送ることができる。即ち、ケミカルヒートポンプ100は、反応部120で発生した水蒸気を凝縮器142で凝縮し、凝縮された水を蒸発器144に供給し、蒸発器144でこの水を蒸発させ、水蒸気として反応部120に供給することができる。
図2は本発明のケミカルヒートポンプ100の作動例を説明するための概略図であり、図2(a)は蓄熱過程時の作動例、図2(b)は放熱過程時の作動例である。
図2(a)に示す蓄熱過程時には、熱交換器124を介して反応器122に例えば余剰排熱等の熱が供給される。反応器122内では、供給された熱により、反応材と水蒸気との水和物から、水蒸気が脱着する脱着反応が起こる。脱着反応により、反応器122内には水蒸気が発生する。発生した水蒸気は、接続パイプ162を介して凝縮器142に導入される。この状態では、開閉バルブ166は開いた状態となっている。
凝縮器142に導入された水蒸気は、凝縮器142内で熱交換器150を介して蒸発凝縮部140の外側へと排出されるか、又は低温熱源からの低温の熱を利用して凝縮され、水になる。この動作終了後、接続パイプ146の開閉バルブ148を開放し、凝縮器142から蒸発器144に水を移動させる。
一方、図2(b)に示す放熱過程時には、蒸発器144内で熱交換器152を介して水を蒸発させる。その際、外部から気化熱を吸収することになるため、この気化熱を利用して、ケミカルヒートポンプ100は外部を冷却することができる。
そして、接続バルブ168を開いて水蒸気を反応器122に導入する。水蒸気は反応器122に導入され、反応材Rは水蒸気を吸着して水和物となる。この際、反応器122内では熱が放出される。
即ち、上記一連の流れにより、ケミカルヒートポンプ100は、図2(a)において、反応部120が高熱を外部から吸収し、蒸発凝縮部140から熱を排出し、図2(b)において、蒸発凝縮部140が高熱を外部から吸収し、反応部120から熱を排出することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、例中の「部」は「質量部」である。
実施例1〜5
蒸留水7400部に対し、Ca(OH)を、5.1部(実施例1)、51.6部(実施例2)、104.2部(実施例3)、212.7部(実施例4)、443.9部(実施例5)加えて混合し、Ca(OH)水溶液を得た。
次に、各水溶液に対しβ型半水石膏(吉野石膏社製:サクラ石膏A級)10000部を加えて混練した。
次に、各混練物を、縦2.5cm、横2.5cm、高さ0.5cmのシリコン製の型に流し込み硬化させた。
なお、仕込み量から計算される混練物の組成は、次のとおりである。
・実施例1:Ca1+XSO[x=0.001]
・実施例2:Ca1+XSO[x=0.01]
・実施例3:Ca1+XSO[x=0.02]
・実施例4:Ca1+XSO[x=0.04]
・実施例5:Ca1+XSO[x=0.08]

次に、硬化した混練物を型から取り出し、25℃50%RHの恒温恒湿槽で乾燥させた後、180℃で焼成し、実施例1〜5の各反応材(硫酸化合物の無水物)を得た。
比較例1
Ca(OH)を加えなかった点以外は実施例1と同様にして、比較例1の反応材(硫酸カルシウムの無水物)を得た。
比較例2〜5
蒸留水7400部に対し、Li(OH)を、14.2部(比較例2)、28.5部(比較例3)、57.6部(比較例4)、2.6部(比較例5)加えて混合し、Li(OH)水溶液を得た。
次に、各水溶液に対し、β型半水石膏(吉野石膏社製:サクラ石膏A級)10000部を加えて混練した。
次に、各混練物を、縦2.5cm、横2.5cm、高さ0.5cmのシリコン製の型に流し込み硬化させた。
なお、仕込み量から計算される混練物の組成は次のとおりである。式中のn、n′は、モル数である。
・比較例2:Ca0.995Li0.005SO
[n′Li/(nCa+n′Li)=0.005]
・比較例3:Ca0.99Li0.01SO
[n′Li/(nCa+n′Li)=0.01]
・比較例4:Ca0.98Li0.02SO
[n′Li/(nCa+n′Li)=0.02]
・比較例5:Ca0.98Li0.0005SO
[n′Li/(nCa+n′Li)=0.0005]

次に、硬化した混練物を型から取り出し、25℃50%RHの恒温恒湿槽で乾燥させた後、180℃で焼成し、比較例2〜5の反応材を得た。
上記実施例1〜5及び比較例1〜5の各反応材に対して、以下の水和処理(放熱過程)及び脱水処理(蓄熱過程)の条件で負荷を与えた。
蓄熱過程については、熱交換器124から反応器122に150℃の熱媒を導入し、反応材から水分を蒸発させた。接続パイプ162を介して反応器122を凝縮器に接続し、凝縮器の水蒸気圧が1.5kPaとなるように設定して、前記蒸発させた水分を液化させた。この蓄熱過程を10分間行った。
一方、放熱過程については、蒸発器144の水蒸気圧が90kPaとなるように設定し、接続パイプ162を介して反応材に水蒸気を暴露させた(供給した)。水蒸気を吸収した反応材は約185℃に発熱し、反応器122に導入した150℃の熱媒を昇温させたので、熱交換器124で昇温した熱を取り出した。この放熱過程を10分間行った。
上記蓄熱・放熱過程を1回の蓄熱・放熱過程とし、20回繰り返し運転を行った。
次いで、各反応材を25℃50%RHの恒温恒湿槽に1日静置した後、反応材中のIII型無水石膏とII型無水石膏の比率を測定し、III型無水石膏の比率を未劣化率とした。なお、前記比率は、反応材のX線回折パターンと、III型無水石膏単体及びII型無水石膏単体のX線回折パターンとを比較することにより求めた。
表1及び図3に、Ca(OH)添加量を変化させたときの未劣化率を示す。
比較例1(石膏のみ)の未劣化率が52.1%であったのに対し、実施例1〜5では、Ca(OH)添加量が増えるにしたがって、未劣化率が向上した。
即ち、Ca(OH)添加量が0.1〜8mol%の間で、III型無水石膏からII型無水石膏への結晶構造変化の抑制効果があることが分かった。
Figure 2016023193
また、表2及び図4に、Li(OH)添加量を変化させたときの未劣化率を示す。
比較例1(石膏のみ)のときの未劣化率52.1%に対し、比較例2〜4では、Li(OH)添加量が増えるにしたがって、未劣化率が低下した。
Figure 2016023193
次に、表3及び図5に、実施例1〜5及び比較例1、比較例5の大気雰囲気下における示差熱−熱重量同時分析(TG−DTA)の測定結果を示す。
比較例1、比較例5では、昇温速度10℃/minにおいてIII型からII型への相転移温度に相当するTG−DTAの発熱ピーク温度がそれぞれ358.9℃、365.0℃であったのに対し、実施例1〜5では400℃以上と高温側にシフトした。これは本発明の反応材がII型に相転移しにくくなり、反応材がより安定になったことを示す。
Figure 2016023193
また、表4及び図6に、比較例3〜4のTG−DTAの発熱ピーク温度を示すが、いずれも400℃以下であった。なお、図6には、比較例1のデータも併せて示した。
Figure 2016023193
次に、図7に、実施例3及び比較例1の反応材のX線回折(XRD)パターンを示す。図7において、「○」印はIII型無水石膏の理論上のピーク位置であり、「△」印は、II型無水石膏の理論上のピーク位置である。
比較例1に対し、実施例3ではII型を示すピーク強度が減少していることが分かる。
また、図8に、比較例3及び比較例1の反応材のX線回折(XRD)パターンを示す。比較例1に対し、Li(OH)を添加した比較例3はII型を示すピーク強度が増加していることが分かる。
実施例6
Ca(OH)の添加量を0.5mol%に変えた点以外は、実施例1と同様にして、実施例6の反応材を得た。
上記反応材及び比較例1の反応材について、X線回折パターンからIII型無水石膏の結晶構造である六方晶の格子定数を求めた。
その結果、比較例1の無水石膏の格子定数がa=6.94Å,c=6.35Åであったのに対し、実施例6の無水石膏では、格子定数がa=6.92Å,c=6.32Åと短くなっており、結晶格子が歪んでいることが確認できた。
これは、CaSOにCa(OH)を添加し、混練、焼成して製造したため、CaSOが化学量論的組成よりもCa過剰になり、SOが欠損して結晶歪みが発生し、熱負荷をかけた場合でもII型無水石膏に相転移しにくくなったためと考えられる。
なお、熱負荷を掛けなかった本発明の反応材のX線回折パターンからはCa(OH)由来のピークは見当たらなかった。
以上の結果から、本発明の反応材は、蓄熱・放熱過程を繰り返した場合でも、III型無水石膏からII型無水石膏への結晶構造変化が抑制され、蓄放熱特性に優れ、かつ劣化特性が改善されたものであることが分かる。
R 反応材
100 ケミカルヒートポンプ
120 反応部
122 反応器
124 熱交換器
140 蒸発凝縮部
142 凝縮器
144 蒸発器
146 接続パイプ
148 開閉バルブ
150 熱交換器
152 熱交換器
160 接続部
162 接続パイプ
164 接続パイプ
166 開閉バルブ
168 開閉バルブ
特開2010−185035号公報 特開平9−026225号公報 特開2011−163730号公報

Claims (3)

  1. 次の[1]〜[4]の要件を満たすことを特徴とするケミカルヒートポンプ用反応材。
    [1]硫酸カルシウムに対し、Ca(OH)を0.1〜8mol%添加した混合物を原材料とする反応材である。
    [2]Ca1+XSO(0.001≦x≦0.08)で表される、結晶歪みを有するIII型無水石膏を主成分とする反応材である。
    [3]蓄熱・放熱過程により、反応材と、前記III型無水石膏の水和物である結晶歪みを有する半水石膏を主成分とする材料との間で、可逆的に相互変化が可能である。
    [4]大気雰囲気下での示差熱−熱重量同時分析(TG−DTA)において、III型無水石膏からII型無水石膏への相転移温度に相当するTG−DTAの発熱ピーク温度が、昇温速度10℃/minにおいて400℃以上である。
  2. 少なくとも、Ca(OH)水溶液と硫酸カルシウムを混練して混練物を得る混練工程、該混練物を成形して成形物を得る成形工程、該成形物を乾燥して乾燥物を得る乾燥工程、該乾燥物を焼成して反応材を得る焼成工程を含み、硫酸カルシウムに対し、0.1〜8mol%のCa(OH)を添加することを特徴とする請求項1に記載のケミカルヒートポンプ用反応材の製造方法。
  3. 請求項1に記載のケミカルヒートポンプ用反応材を備えた反応部と、水を蒸発又は凝縮する蒸発凝縮部と、前記反応部と前記蒸発凝縮部を接続する接続部と、前記接続部の開閉を制御する開閉機構を有することを特徴とするケミカルヒートポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021106881A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 タテホ化学工業株式会社 化学蓄熱材及びその製造方法、並びにケミカルヒートポンプ

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