JP2016022912A - 履帯およびこれを備えたクローラユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量でかつ簡易な構成の履帯を提供することにより、履帯を含むクローラユニットや移動ロボットの軽量化を図る。【解決手段】本発明は、スプロケット32,33により回転駆動される無端状の履帯30に関する。履帯30は、回転方向に並ぶ複数の履板部41と、履板部41よりも薄肉に形成され、隣接する履板部41どうしを連結する屈曲自在なヒンジ部42とを備える。履板部41およびヒンジ部42は、合成樹脂により一体に形成されている。【選択図】図10

Description

本発明は、スプロケットにより回転駆動される無端状の履帯、およびこれを用いたクローラユニット並びに移動ロボットに関する。
従来、下記特許文献1に示されるように、履帯を含むクローラユニットを移動手段として用いた点検ロボットが知られている。この点検ロボットに用いられている履帯は、ゴムまたは合成樹脂製の複数のシューと、シューどうしを連結するリンクとを備えており、電動機を動力源とする駆動機構により回転駆動される。
特開2010−146034号公報
上記特許文献1に記載された履帯では、シューの材質としてゴムまたは合成樹脂を用いているので、ある程度の軽量化を図ることが可能である。しかしながら、特許文献1では、シューどうしを別体のリンクにより連結しているため、リンクの分だけ重量が嵩むことが避けられない上、シューとリンクとを結合するために締結部材等が別途必要になる。このため、履帯の軽量化にも限界があり、さらなる改善の余地があった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、軽量でかつ簡易な構成の履帯を提供することにより、履帯を含むクローラユニットや移動ロボットの軽量化を図ることを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、スプロケットにより回転駆動される無端状の履帯であって、回転方向に並ぶ複数の履板部と、履板部よりも薄肉に形成され、隣接する履板部どうしを連結する屈曲自在なヒンジ部とを備え、上記履板部およびヒンジ部が合成樹脂により一体に形成された、ことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明の履帯によれば、その履板部およびヒンジ部が合成樹脂により一体に形成されているため、例えば隣接する履板部どうしを別体のヒンジ部品等により連結した場合と異なり、部品点数を大幅に削減することができ、履帯の重量を効果的に低減することができる。しかも、ヒンジ部が履板部よりも薄肉に形成されて屈曲自在とされているため、履帯を容易に無端状(環状)に形成することができ、スプロケットに巻き付けた状態で問題なく使用することができる。
本発明の履帯において、上記ヒンジ部の屈曲自在性と強度とを実用上問題ないレベルで確保するには、上記ヒンジ部における最も肉厚が薄い部分の厚みを0.2〜0.7mmに設定する必要がある(請求項2)。特に、当該厚みが0.3〜0.5mmであれば、屈曲自在性と強度とをバランスよく両立させることができる(請求項3)。
上記履板部の材質としては、ヒンジ特性を有する材質であれば特に限定されないが、例えばポリプロピレンが好適である(請求項4)。
本発明の履帯において、好ましくは、上記履板部の接地側の面に、弾性体からなるグリップ部材が取り付けられる(請求項5)。
この構成によれば、履帯のグリッピング性能を向上させることができ、凹凸の多い不整地や滑り易い雪上等での走行性を効果的に向上させることができる。
上記グリップ部材を取り付ける位置や数は特に限定されないが、例えば、1つの上記履板部につき2つずつの割合でグリップ部材を設け、各履板部の幅方向の両側部にそれぞれグリップ部材を取り付けるとよい(請求項6)。
上記グリップ部材は中空状に形成されることが好ましい(請求項7)。
このような中空状のグリップ部材は、高い衝撃吸収能力および摩擦力を発揮するので、走行性の向上により貢献することができる。
本発明の履帯において、好ましくは、上記履帯の幅方向両側の側辺部に、上記スプロケットの歯を受け入れ可能な形状に切り欠かれた複数の係合凹部が一定間隔で並ぶように形成される(請求項8)。
この構成によれば、スプロケットによる履帯の送り出し動作を確実に保証しつつ、履帯のさらなる軽量化を図ることができる。
また、本発明は、履帯を含むクローラユニットおよび移動ロボットを提供する。具体的に、本発明のクローラユニットは、上述した履帯と、履帯に囲まれた領域の一端側および他端側において履帯と係合するように設けられた一対のスプロケットと、一対のスプロケットの少なくとも1つを回転駆動する駆動機構とを備える(請求項9)。また、本発明の移動ロボットは、上述したクローラユニットと、クローラユニットに支持された撮像可能なカメラユニットとを備える(請求項10)。
これらの発明によれば、クローラユニットまたは移動ロボットの軽量化を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、軽量でかつ簡易な構成の履帯を提供することにより、履帯を含むクローラユニットや移動ロボットの軽量化を図ることができる。
本発明の一実施形態にかかる移動ロボットの全体構成を示す斜視図である。 上記移動ロボットの走行部を示す斜視図である。 上記走行部の上面図である。 上記走行部の側面図である。 上記走行部の底面図である。 上記走行部を構成する一対のクローラユニットのうちの1つを単体で示す斜視図である。 上記クローラユニットの側面図である。 上記クローラユニットの底面図である。 上記クローラユニットから本体フレームを取り除いた主要部分の側面図である。 上記クローラユニットから履帯とスプロケットだけを抽出して組み立てた状態の斜視図である。 図10に対応する底面図である。 上記履帯の一部拡大側面図である。 上記履帯に取り付けられるグリップ部材の単体の斜視図である。 上記実施形態の変形例を説明するための図12相当図である。
(1)ロボットの全体構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる移動ロボット1の全体構成を示す斜視図である。当実施形態の移動ロボット1は、人による作業が難しい狭所(建物の床下など)や災害地等において探索または点検を行うためのロボットであり、図外のコントローラにより遠隔操作される。この移動ロボット1は、移動手段としての走行部2と、走行部2の上面に取り付けられたスタンド3と、スタンド3に支持されたカメラユニット4と、走行部2およびカメラユニット4に電力を供給するバッテリ5と、上記コントローラからの制御信号を受信するための図外の受信機とを備えている。
スタンド3は、平板状の支持プレート10と、支持プレート10と走行部2との間を連結する複数のサスペンション部材11とを有している。各サスペンション部材11は、コイルばねとダンパとを含み、走行部2からカメラユニット4に伝達される振動を吸収するために設けられている。
カメラユニット4は、支持プレート10の上面に固定されたベース部15と、ベース部15に対し上下左右に回転可能に支持されたカメラ本体16とを有している。カメラ本体16は、周囲の画像を取り込むためのレンズ部16aと、暗所を照らすためのLED光源16bと、レンズ部16aから導入された画像を電気信号に変換する図外の撮像素子と、撮像素子により撮像された画像を外部に送信する送信機17とを有している。
(2)走行部の具体的構成
図2〜図5は、走行部2の具体的構成を示す図であり、スタンド3およびカメラユニット4を取り外した状態の走行部2を示している。これらの図に示すように、走行部2は、左右一対のクローラユニット20,20と、クローラユニット20,20の間に設けられて両者を連結する連結板21とを有している。
クローラユニット20,20は同一の構造を有している。すなわち、各クローラユニット20は、無端状に形成された履帯30と、履帯30を覆う断面コ字状の本体フレーム31と、履帯30に囲まれた領域の一端側および他端側に設けられた前後一対のスプロケット32,33と、スプロケット32,33のうちの一方側(当実施形態ではスプロケット32)を駆動することにより履帯30を回転させる駆動機構34と、スプロケット33を介して履帯30に付与される張力を調整するためのテンションコントローラ35と、履帯30の下側の内面を弾性的に押圧するサスペンション機構36とを有している。なお、以下では、駆動機構34により駆動される側のスプロケット32を駆動側スプロケット、もう一方のスプロケット33を従動側スプロケットということがある。
図6〜図8は、1つのクローラユニット20を単体で示す図であり、図9は、クローラユニット20から本体フレーム31を取り除いた主要部分を示す図であり、図10および図11は、履帯30とスプロケット32,33だけを抽出して組み立てた状態を示す図である。ただし、図10および図11では、後述するグリップ部材45を取り外した状態で履帯30を示している。
図6〜図11に示すように、履帯30は、回転方向に交互に並んだ複数の履板部41および複数のヒンジ部42を有している。
履板部41は、平面視において、履帯30の幅方向(履帯30の回転方向と直交する方向)に長尺なほぼ長方形をなし、一定の厚みを有するように形成されている。ヒンジ部42は、履板部41と一体に形成されており、隣接する履板部41どうしを連結している。ヒンジ部42は、履板部41よりも薄肉に形成されることにより、屈曲自在とされている。より具体的に、ヒンジ部42は、側面視で半円状の凹部を有するように形成されることにより、履板部41よりも薄肉とされている。
履帯30の材質として、当実施形態ではポリプロピレンが用いられている。その理由は、一般的な合成樹脂材料の中でもポリプロピレンが最もヒンジ特性(繰り返し折り曲げに耐える特定)に優れているからである。ただし、履帯30として使用可能な材質は、ヒンジ特性を有する合成樹脂であればよく、ポリプロピレンに限られない。
図12は、履帯30の一部を拡大して示す側面図である。本図に示す寸法tは、ヒンジ部42の最薄部、つまり最も肉厚が薄い部分(半円状の凹部の最深部に対応する部分)の厚みを表している。このヒンジ部42の最薄部の厚みtは、当実施形態では0.3mmに設定されている。最薄部がこのような厚みに設定されたヒンジ部42は、最薄部を起点に容易に屈曲することが可能である。
ただし、上記最薄部の厚みtは、ヒンジ部42の屈曲自在性を確保できる厚みであればよく、0.3mmに限られない。具体的に、厚みtは、実用上0.2〜0.7mmの範囲に含まれていればよい。その理由は、0.2mmよりも小さいとヒンジ部42の強度が弱くなって破断し易くなり、0.7mmよりも大きいとヒンジ部42の屈曲自在性が損なわれるからである。特に、強度と屈曲自在性とのバランスを考慮した場合、上記最薄部の厚みtは、0.3〜0.5mmの範囲に含めることが好ましい。
なお、履板部41の厚みTは特に問わないが、例えば3mm程度に設定される。
図8、図10、図11に示すように、履帯30の幅方向両側の側辺部には、スプロケット32,33の後述する歯Tを受け入れ可能な形状に切り欠かれた複数の係合凹部43が、一定の間隔で並ぶように形成されている。各係合凹部43は、ヒンジ部42の幅方向両側に位置する領域を履板部41の角部を含めて切り欠くように形成されている。
このような形状の履帯30は、スプロケット32,33に組み付ける前の状態において、所定方向(履板部41およびヒンジ部42の並び方向)に有限の長さを有している。そして、上記所定方向の一端側の履板部41と他端側の履板部41とが付き合わされるとともに、付き合わされた両履板部41,41が履帯30とは別体のヒンジ部品46(図8、図11)を介して連結されることにより、履帯30が無端状(環状)に形成されている。
図2〜図9に示すように、履帯30における各履板部41の外面(接地側の面)には、例えば発泡ゴム等の弾性体からなるグリップ部材45が取り付けられている。グリップ部材45は、1つの履板部41につき2つずつの割合で設けられ、各履板部41の幅方向の両側部にそれぞれ取り付けられている。
図13は、グリップ部材45を単体で示す斜視図である。グリップ部材45は、内部に中空部を有するとともに、履板部41に取り付けられる側の面が平坦な断面D字状をなすように形成されている。このようなグリップ部材45は、平坦な面を履板部41の外面に沿わせた状態で、図外のネジ等の締結部材を介して、もしくは両面テープや接着剤等の接着手段を介して、履板部41に固定されている。
図6〜図11(特に図10)に示すように、駆動側スプロケット32は、履帯30の幅方向に延びる軸部32bと、軸部32bに間隔を空けて取り付けられた一対の円盤状の本体部32a,32aとを有している。各本体部32a,32aの周面には、履帯30の幅方向両側辺部に形成された係合凹部43と係合可能な複数の歯Tが一定のピッチで円周上に並ぶように突設されている。このような駆動側スプロケット32は、本体フレーム31の側面板に設けられた孔(図示省略)に軸部32bが挿入される等により、本体フレーム31に回転可能に支持されている。この支持状態において、駆動側スプロケット32の各本体部32aは履帯30の一端側に配置され、その歯Tが履帯30の複数の係合凹部43と係合する。
従動側スプロケット33も、駆動側スプロケット32と同様の構造を有している。すなわち、従動側スプロケット33は、履帯30の幅方向に延びる軸部33bと、軸部33bに間隔を空けて取り付けられた一対の円盤状の本体部33a,33aとを有している。各本体部33a,33aの周面には、履帯30の幅方向両側辺部に形成された係合凹部43と係合可能な複数の歯Tが一定のピッチで円周上に並ぶように突設されている。このような従動側スプロケット33は、本体フレーム31の側面板に設けられた孔(図示省略)に軸部33bが挿入される等により、本体フレーム31に回転可能に支持されている。この支持状態において、従動側スプロケット33の各本体部33aは履帯30の他端側に配置され、その歯Tが履帯30の複数の係合凹部43と係合する。
図6〜図9に示すように、駆動機構34は、バッテリ5から供給される電力により駆動される電動式のモータ51と、駆動側スプロケット32の軸部32bに同軸に固定されたプーリ52と、モータ51の軸部51aとプーリ52との間に掛け回されるベルト53とを有している。モータ51が駆動されると、その駆動力がベルト53を介してプーリ52に伝達されることにより、駆動側スプロケット32がプーリ52と一体に回転駆動される。また、駆動側スプロケット32により送り駆動される履帯30を介して、従動側スプロケット33が同期して回転駆動される。
テンションコントローラ35は、主にコイルスプリングからなり、当該コイルスプリングの弾発力により従動側スプロケット33を駆動側スプロケット32から離間する方向に引っ張ることで、履帯30に付与される張力を一定に維持する役割を果たしている。
サスペンション機構36は、特に図9に示すように、側面視で駆動側スプロケット32とモータ51との間、および、モータ51と従動側スプロケット33との間の2箇所に配設されている。各サスペンション機構36は、本体フレーム31に上端部が軸支されかつ側面視でハ字状に配設された前後一対のアーム55と、各アーム55の下端部に取り付けられた回転可能な前後一対のローラ56と、各アーム55の間に取り付けられたコイルスプリング57とを有している。そして、コイルスプリング57の弾発力により各アーム55が近接方向に引き寄せられることで、各アーム55に取り付けられたローラ56が履帯30の下側の内面に弾性的に押し付けられるようになっている。
以上のような構成のクローラユニット20を左右一対組み合わせた走行部2を含む移動ロボット1は、次のようにして前進、後退、または旋回する。
すなわち、移動ロボット1は、一対のクローラユニット20,20にそれぞれ備わるモータ51がともに正転駆動されることにより前進し、クローラユニット20,20の各モータ51がともに逆転駆動されることにより後退する。また、移動ロボット1は、片方のクローラユニット20のモータ51が正転駆動されるとともに、もう片方のクローラユニット20のモータ51が逆転駆動されることにより、旋回(超信地旋回)する。
(3)作用
以上説明したように、当実施形態の移動ロボット1では、その走行部2(一対のクローラユニット20,20)に無端状の履帯30が用いられている。この履帯30は、その回転方向に並ぶ複数の履板部41と、履板部41よりも薄肉に形成され、隣接する履板部41どうしを連結する屈曲自在なヒンジ部42とを備え、履板部41およびヒンジ部42が合成樹脂(当実施形態ではポリプロピレン)により一体に形成されている。このような構成によれば、履帯30の構成を簡素化してその軽量化を図ることができ、クローラユニット20ひいてはこれを含む移動ロボット1の軽量化を図ることができる。
すなわち、上記実施形態では、履板部41およびヒンジ部42が合成樹脂により一体に形成されているため、例えば隣接する履板部41どうしを別体のヒンジ部品等により連結した場合と異なり、部品点数を大幅に削減することができ、履帯30の重量を効果的に低減することができる。しかも、ヒンジ部42が履板部41よりも薄肉に形成されて屈曲自在とされているため、履帯30を容易に無端状(環状)に形成することができ、スプロケット32,33に巻き付けた状態で問題なく使用することができる。
特に、上記実施形態では、履帯30の材質としてヒンジ特性(繰り返し折り曲げに耐える特定)に優れたポリプロピレンを用い、かつヒンジ部42の最薄部の厚みt(図12)を0.3mmに設定したため、ヒンジ部42の屈曲自在性を良好に確保しつつ、ヒンジ部42の強度を十分に確保することができる。ただし、既に述べたとおり、上記最薄部の厚みtは、0.3〜0.5mmの範囲に収まっていれば上記実施形態と同様の性能が得られ、0.2〜0.7mmの範囲に収まっていれば実用に耐えることができる。
また、上記実施形態では、履帯30の各履板部41における接地側の面に、弾性体からなるグリップ部材45が取り付けられているので、履帯30のグリッピング性能を高めることができ、凹凸の多い不整地や滑り易い雪上等でのクローラユニット20の走行性を効果的に向上させることができる。
特に、上記実施形態では、グリップ部材45が中空状に形成されているので、衝撃吸収能力および摩擦力を十分に高めることができ、クローラユニット20の走行性をより効果的に向上させることができる。
また、上記実施形態では、履帯30の幅方向両側の側辺部に複数の係合凹部43が一定間隔で並ぶように形成されているので、この係合凹部43にスプロケット32,33の歯Tを係合させることにより、スプロケット32,33による履帯30の送り出し動作を確実に保証しつつ、履帯30のさらなる軽量化を図ることができる。
ここで、履帯の軽量化とクローラユニットの走行性とを両立させるための別の方法として、履帯全体をゴム製の部品(いわゆるゴムベルト)で構成することが考えられる。しかしながら、ゴムベルトを使用した場合は、損傷したときにゴムベルト全体を交換する必要があるので、悪路で使用するとゴムベルトの交換が頻繁に発生することになり、経済的ではない。これに対し、上記実施形態では、履帯30を合成樹脂製としつつ、これとは別体のグリップ部材45を履帯30の接地面に取り付けているので、履帯30の耐久性を向上させることができる。また、悪路走行時には、接地部品であるグリップ部材45が損傷する可能性はあるものの、その場合でも損傷したグリップ部材45だけを交換すれば済むので、経済的である。
また、履帯としてゴムベルトを使用した場合、特にゴムベルトがクローズエンド構造(環状に完全に連続した一体構造)であると、ゴムベルトを交換するのに本体フレームをいちいち取り外す必要があり、ゴムベルトの交換に要する工数が増大してしまう。これに対し、上記実施形態のようなオープンエンド構造の履帯30(ヒンジ部品46のような別体の部品を介して環状に形成されたもの)を用いた場合には、仮に履帯30を交換する必要が生じたとしても、本体フレーム31を取り外すことなく交換作業を行うことができるため、メンテナンス性を向上させることができる。
さらに、クローズエンド構造のゴムベルトを採用した場合には、その成形のために特殊な(高価な)製造機械を用いる必要があるが、上記実施形態のような履帯30を用いた場合には、汎用の射出成型機、CNCフライス盤等の汎用の工作機械、あるいは3Dプリンター等を用いて容易に履帯30を成形することができるため、製造コストを効果的に削減することができる。
(4)実施例
本願発明者は、履板部41とヒンジ部42とが一体化されたポリプロピレン製の履帯30を用いて、全長×全高×全幅=270×290×220(mm)のサイズを有する図1に示したような移動ロボット1を作製した。また、履帯30の各履板部41には、図1〜図9に示したような態様で中空状のグリップ部材45を取り付けた。これに対し、本願発明者は、比較例として、ポリプロピレン製の複数の履板部どうしを別体の金属製ヒンジ部品により連結した履帯を用いて移動ロボットを作製し、この履帯に中空状でないグリップ部材を取り付けた。以上の実施例および比較例を用いて行った走行試験等の結果を以下に簡単に説明する。
実施例では、履板部41とヒンジ部42とが一体化されたポリプロピレン製の履帯30を用いたことにより、履板部どうしを連結するために別体のヒンジ部品を用いた比較例と比べて、履帯30の重量を半減させることに成功した(具体的に、比較例の履帯の重量が650gであったのに対し、実施例の履帯30の重量は320gであった)。また、実施例では、中空状のグリップ部材45を取り付けたことにより、中空状でないグリップ部材を取り付けた比較例と比べて、登坂可能な上限の傾斜角度を高めることに成功した(具体的に、比較例の上限傾斜角度が38度であったのに対し、実施例の上限傾斜角度は40度であった)。しかも、このようにグリッピング性能の向上を図りながらも、実施例の移動ロボット1の消費電力は比較例と同等に抑えられた。これは、履帯30が軽量化されたことによる省エネ効果が、グリッピング性能の向上による消費電力の増大をほぼ打ち消したためと考えられる。
以上のことから理解されるように、上記実施形態の履帯30を用いたクローラユニット20または移動ロボット1によれば、その重量を十分に低減することができる上に、走行性能を向上させつつ消費電力の増大を抑制することができる。
(5)その他
上記実施形態では、人による作業が難しい狭所(建物の床下など)や災害地等において探索または点検を行うための移動ロボット1に対し本発明の履帯を適用した例について説明したが、本発明の履帯は、このような移動ロボット1に限らず、移動手段としてクローラユニットを用いる各種ロボットや移動体に好適に適用することができる。また、ベルトコンベア用のベルトとして本発明の履帯を用いてもよい。
また、上記実施形態では、側面視で半円状の凹部を有するようにヒンジ部42を形成したが、例えば図14に示すヒンジ部42’のように、側面視で三角形の凹部を有する形状としてもよい。この場合においても、ヒンジ部42’の最薄部(三角形の頂点に対応する部分)の厚みt’は、0.2〜0.7mm、より好ましくは0.3〜0.5mmに設定するのがよい。
1 移動ロボット
20 クローラユニット
30 履帯
32,33 スプロケット
34 駆動機構
41 履板部
42 ヒンジ部
43 係合凹部
45 グリップ部材
本発明は、スプロケットにより回転駆動される無端状の履帯、およびこれを備えたクローラユニットに関する。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、軽量でかつ簡易な構成の履帯を提供することにより、履帯を含むクローラユニットの軽量化を図ることを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、スプロケットにより回転駆動される無端状の履帯であって、回転方向に並ぶ複数の履板部と、履板部よりも薄肉に形成され、隣接する履板部どうしを連結する屈曲自在な複数のヒンジ部と、各ヒンジ部の幅方向両側に位置する領域を上記スプロケットの歯を受け入れ可能な形状に切り欠いた複数の係合凹部とを備え、上記履板部およびヒンジ部が合成樹脂により一体に形成され、上記係合凹部の形成に伴って上記ヒンジ部の幅方向寸法が上記履板部よりも短くされた、ことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明の履帯によれば、その履板部およびヒンジ部が合成樹脂により一体に形成されているため、例えば隣接する履板部どうしを別体のヒンジ部品等により連結した場合と異なり、部品点数を大幅に削減することができ、履帯の重量を効果的に低減することができる。しかも、ヒンジ部が履板部よりも薄肉に形成されて屈曲自在とされているため、履帯を容易に無端状(環状)に形成することができ、スプロケットに巻き付けた状態で問題なく使用することができる。さらに、各ヒンジ部の幅方向両側に位置する領域に係合凹部が形成され、この係合凹部にスプロケットの歯が係合されるので、スプロケットによる履帯の送り出し動作を確実に保証しつつ、履帯のさらなる軽量化を図ることができる。
上記グリップ部材は中空状に形成されることが好ましい(請求項6)。
また、本発明は、履帯を含むクローラユニットを提供する。具体的に、本発明のクローラユニットは、上述した履帯と、履帯に囲まれた領域の一端側および他端側において履帯と係合するように設けられた一対のスプロケットと、一対のスプロケットの少なくとも1つを回転駆動する駆動機構とを備える(請求項7)。
発明によれば、クローラユニットの軽量化を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、軽量でかつ簡易な構成の履帯を提供することにより、履帯を含むクローラユニットの軽量化を図ることができる。

Claims (10)

  1. スプロケットにより回転駆動される無端状の履帯であって、
    回転方向に並ぶ複数の履板部と、
    履板部よりも薄肉に形成され、隣接する履板部どうしを連結する屈曲自在なヒンジ部とを備え、
    上記履板部およびヒンジ部が合成樹脂により一体に形成された、ことを特徴とする履帯。
  2. 請求項1に記載の履帯において、
    上記ヒンジ部における最も肉厚が薄い部分の厚みが0.2〜0.7mmに設定された、ことを特徴とする履帯。
  3. 請求項2に記載の履帯において、
    上記ヒンジ部における最も肉厚が薄い部分の厚みが0.3〜0.5mmに設定された、ことを特徴とする履帯。
  4. 請求項2または3に記載の履帯において、
    上記履板部およびヒンジ部の材質がポリプロピレンである、ことを特徴とする履帯。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の履帯において、
    上記履板部の接地側の面に、弾性体からなるグリップ部材が取り付けられた、ことを特徴とする履帯。
  6. 請求項5に記載の履帯において、
    上記グリップ部材は、1つの上記履板部につき2つずつの割合で設けられ、各履板部の幅方向の両側部にそれぞれ取り付けられた、ことを特徴とする履帯。
  7. 請求項5または6に記載の履帯において、
    上記グリップ部材が中空状に形成された、ことを特徴とする履帯。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の履帯において、
    上記履帯の幅方向両側の側辺部に、上記スプロケットの歯を受け入れ可能な形状に切り欠かれた複数の係合凹部が一定間隔で並ぶように形成された、ことを特徴とする履帯。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の履帯と、
    履帯に囲まれた領域の一端側および他端側において履帯と係合するように設けられた一対のスプロケットと、
    一対のスプロケットの少なくとも1つを回転駆動する駆動機構とを備えた、ことを特徴とするクローラユニット。
  10. 請求項9記載のクローラユニットと、
    クローラユニットに支持された撮像可能なカメラユニットとを備えた、ことを特徴とする移動ロボット。
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