JP2016022690A - 積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
1つの実施形態においては、上記温度T1が上記樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上である。
1つの実施形態においては、上記温度T2が上記樹脂基材のガラス転移温度(Tg)よりも低い。
1つの実施形態においては、上記温度T1が上記樹脂基材のガラス転移温度(Tg)+20℃以下である。
1つの実施形態においては、上記樹脂基材がポリエチレンテレフタレート系樹脂で形成されている。
本発明の別の局面によれば、偏光膜の製造方法が提供される。この偏光膜の製造方法は、上記製造方法により得られた積層体を用いる。
1つの実施形態においては、上記積層体を延伸する工程を含む。
本発明のさらに別の局面によれば、偏光板の製造方法が提供される。この偏光板の製造方法は、上記製造方法により得られた偏光膜に保護フィルムを積層する工程を含む。
図1は、本発明の1つの実施形態による積層体の概略断面図である。積層体10は、樹脂基材11上にポリビニルアルコール系樹脂層12を形成することにより得られる。ポリビニルアルコール系樹脂層は、樹脂基材にポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)溶液を塗布して塗布積層体を作製し、この塗布積層体を乾燥することにより形成される。
上記樹脂基材は、代表的には、長尺状とされている。樹脂基材の厚みは、好ましくは20μm〜300μm、さらに好ましくは50μm〜200μmである。
塗布積層体は、上記樹脂基材にPVA系樹脂溶液を塗布することにより作製される。PVA系樹脂溶液は、代表的には、上記PVA系樹脂を溶媒に溶解させた溶液である。PVA系樹脂としては、任意の適切な樹脂が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%〜100モル%であり、好ましくは95.0モル%〜99.95モル%、さらに好ましくは99.0モル%〜99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光膜が得られ得る。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
本発明の積層体の製造方法は、上記塗布積層体を、温度T1から温度T2まで連続的にまたは段階的に低下させて乾燥する工程を含む。このような乾燥処理によれば、塗布積層体(主に、塗布膜)に含まれる溶媒(代表的には、水)の減少に伴って乾燥温度を低下させるので、溶媒が減少して樹脂基材の温度が上がりやすい状態では乾燥温度が低く、カールの発生を抑制することができる。しかも、優れた乾燥効率を達成し得る。温度T1と温度T2との差(温度T1−温度T2)は、好ましくは10℃以上35℃以下である。
水分率(wt%)=(採取したサンプルの重量(g))−(乾燥後のサンプルの重量(g))/(採取したサンプルの重量(g))×100
本発明の偏光膜は、上記積層体のPVA系樹脂層を偏光膜とするための処理を施すことにより作製される。
上記染色処理は、代表的には、PVA系樹脂層を二色性物質で染色することにより行う。好ましくは、PVA系樹脂層に二色性物質を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては、例えば、二色性物質を含む染色液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬させる方法、PVA系樹脂層に当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系樹脂層に噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは、染色液に積層体を浸漬させる方法である。二色性物質が良好に吸着し得るからである。
積層体の延伸方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。具体的には、固定端延伸(例えば、テンター延伸機を用いる方法)でもよいし、自由端延伸(例えば、周速の異なるロール間に積層体を通して一軸延伸する方法)でもよい。また、同時二軸延伸(例えば、同時二軸延伸機を用いる方法)でもよいし、逐次二軸延伸でもよい。積層体の延伸は、一段階で行ってもよいし、多段階で行ってもよい。多段階で行う場合、後述の積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は、各段階の延伸倍率の積である。
上記不溶化処理は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。特に水中延伸方式を採用する場合、不溶化処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。不溶化浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜50℃である。好ましくは、不溶化処理は、積層体作製後、染色処理や水中延伸処理の前に行う。
上記架橋処理は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。架橋処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。また、上記染色処理後に架橋処理を行う場合、さらに、ヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜5重量部である。ヨウ化物の具体例は、上述のとおりである。架橋浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜50℃である。好ましくは、架橋処理は水中延伸処理の前に行う。好ましい実施形態においては、染色処理、架橋処理および水中延伸処理をこの順で行う。
上記洗浄処理は、代表的には、ヨウ化カリウム水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。
乾燥処理における乾燥温度は、好ましくは30℃〜100℃である。
本発明の偏光板は、上記偏光膜を有する。好ましくは、偏光板は、上記偏光膜と、この偏光膜の少なくとも片側に配置された保護フィルムとを有する。この保護フィルムとしては、上記樹脂基材をそのまま用いてもよいし、上記樹脂基材とは別のフィルムを用いてもよい。保護フィルムの形成材料としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。保護フィルムの厚みは、好ましくは10μm〜100μmである。
厚み100μm、幅1000mmの樹脂基材(ポリエチレンテレフタレート、Tg:67℃)の片面にコロナ処理を施した。このコロナ処理面に、濃度8wt%のポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)水溶液を25℃で塗布した(塗布厚み:140μm)。ここで、樹脂基材の幅方向両端部(幅:2mm)には水溶液を塗布せず、未塗布部とした。
樹脂基材に水溶液を塗布した後、70℃で132秒間、65℃で48秒間、60℃で120秒間の条件で順次乾燥し、厚み11μmのポリビニルアルコール系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
未塗布部の幅を7mmとしたこと以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。
未塗布部の幅を10mmとしたこと以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。
未塗布部の幅を50mmとしたこと以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。
未塗布部を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。
水溶液の乾燥を、70℃で110秒間、65℃で40秒間、60℃で100秒間の条件で順次行ったこと以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。
未塗布部の幅を7mmとしたこと以外は実施例5と同様にして、積層体を作製した。
未塗布部の幅を10mmとしたこと以外は実施例5と同様にして、積層体を作製した。
未塗布部の幅を50mmとしたこと以外は実施例5と同様にして、積層体を作製した。
水溶液の乾燥を、70℃で250秒間の条件で行ったこと以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。
未塗布部の幅を7mmとしたこと以外は比較例1と同様にして、積層体を作製した。
未塗布部の幅を10mmとしたこと以外は比較例1と同様にして、積層体を作製した。
未塗布部の幅を50mmとしたこと以外は比較例1と同様にして、積層体を作製した。
未塗布部を設けなかったこと以外は比較例1と同様にして、積層体を作製した。
水溶液の乾燥を、70℃で300秒間の条件で行ったこと以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。
未塗布部の幅を7mmとしたこと以外は比較例5と同様にして、積層体を作製した。
未塗布部の幅を10mmとしたこと以外は比較例5と同様にして、積層体を作製した。
未塗布部の幅を50mmとしたこと以外は比較例5と同様にして、積層体を作製した。
水溶液の乾燥を、60℃で300秒間の条件で行ったこと以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。
比較例10では十分に乾燥されておらず、水分率が高く(20wt%)、塗膜形成が不安定な状態であった。
11 樹脂基材
12 ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂層
Claims (8)
- 樹脂基材と、該樹脂基材の片側に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層とを有する積層体の製造方法であって、
樹脂基材にポリビニルアルコール系樹脂溶液を塗布して塗布積層体を作製する工程と、
前記塗布積層体を温度T1から温度T2まで連続的にまたは段階的に低下させて乾燥する工程と
を含む、積層体の製造方法。 - 前記温度T1が前記樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上である、請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 前記温度T2が前記樹脂基材のガラス転移温度(Tg)よりも低い、請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
- 前記温度T1が前記樹脂基材のガラス転移温度(Tg)+20℃以下である、請求項1から3のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 前記樹脂基材がポリエチレンテレフタレート系樹脂で形成されている、請求項1から4のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載の製造方法により得られた積層体を用いる、偏光膜の製造方法。
- 前記積層体を延伸する工程を含む、請求項6に記載の偏光膜の製造方法。
- 請求項6または7に記載の製造方法により得られた偏光膜に保護フィルムを積層する工程を含む、偏光板の製造方法。
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