JP2016036943A - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造効率に優れ、かつ、品質面においても優れた偏光膜を製造させ得る積層体を提供すること。
【解決手段】本発明の積層体の製造方法は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む塗布液を塗布面に塗布してポリビニルアルコール系樹脂膜12を形成する工程と、このポリビニルアルコール系樹脂膜12を樹脂基材11に積層する工程とを含む。上記塗布面の温度は、樹脂基材11のガラス転移温度(Tg)以上である。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層体の製造方法に関する。具体的には、樹脂基材およびこの樹脂基材上に形成されたポリビニルアルコール(PVA)系樹脂膜を有する積層体の製造方法に関する。
樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成し、この積層体を延伸、染色することにより偏光膜を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1)。このような方法によれば、厚みの薄い偏光膜が得られるため、例えば、画像表示装置の薄型化に寄与し得るとして注目されている。しかし、このような製造方法は、樹脂基材を用いるため、製造プロセスにおいて制約を受けやすいという問題がある。具体的には、十分な光学特性を達成するには製造に膨大な時間を要してしまい、逆に、製造効率を優先すると得られる偏光膜の品質(例えば、外観、光学特性)が不十分であるという問題がある。
特開2000−338329号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、製造効率に優れ、かつ、品質面においても優れた偏光膜を製造させ得る積層体を提供することにある。
本発明の積層体の製造方法は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む塗布液を塗布面に塗布してポリビニルアルコール系樹脂膜を形成する工程と、このポリビニルアルコール系樹脂膜を樹脂基材に積層する工程とを含み、上記塗布面の温度が上記樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上である。本発明の積層体は、延伸処理に供される。
1つの実施形態においては、上記ポリビニルアルコール系樹脂膜の形成と上記積層とを連続して行う。
1つの実施形態においては、上記ポリビニルアルコール系樹脂膜の厚みが15μm以下である。
1つの実施形態においては、上記樹脂基材のガラス転移温度(Tg)が100℃以下である。
1つの実施形態においては、上記樹脂基材がポリエチレンテレフタレート系樹脂で構成されている。
1つの実施形態においては、上記塗布液がポリビニルアルコール系樹脂溶液である。
1つの実施形態においては、上記塗布液の温度が上記樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上である。
1つの実施形態においては、上記ポリビニルアルコール系樹脂膜を、その塗布面とは反対側が上記樹脂基材側となるように積層する。
1つの実施形態においては、上記塗布面が金属面である。
1つの実施形態においては、上記金属面がロールの周面である。
1つの実施形態においては、上記樹脂基材を積層する前に、上記ポリビニルアルコール系樹脂膜を熱ロールに接触させる。
本発明の別の局面によれば、偏光膜の製造方法が提供される。この偏光膜の製造方法は、上記製造方法により得られた積層体を用いる。
1つの実施形態においては、上記積層体を水中延伸する工程を含む。
本発明のさらに別の局面によれば、偏光板の製造方法が提供される。この偏光板の製造方法は、上記製造方法により得られた偏光膜に保護フィルムを積層する工程を含む。
本発明によれば、塗布面にポリビニルアルコール系樹脂を含む塗布液を塗布してポリビニルアルコール系樹脂膜を形成し、このポリビニルアルコール系樹脂膜を樹脂基材に積層して積層体を作製することにより、樹脂基材の性質に左右されずポリビニルアルコール系樹脂膜を形成することができる。例えば、上記塗布液および/または塗布面を樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上に設定して、ポリビニルアルコール系樹脂膜を形成することができる。その結果、製造効率を格段に向上させることができ、製造設備の小型化にも寄与し得る。また、PVA系樹脂膜の形成を考慮せずに樹脂基材を選択することができ、偏光膜とするための処理(特に、水中延伸)に適した樹脂基材を用いて光学特性に優れた偏光膜を製造することができる。その上、塗布液を樹脂基材に直接塗布しないので、樹脂基材の変形が抑制されて表面均一性に優れた積層体を作製することができる。このような積層体に各種処理を施すことで、外観に優れた偏光膜を製造することができる。
本発明の好ましい実施形態による積層体の概略断面図である。 本発明の積層体の製造方法の一例を示す概略図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.積層体
図1は、本発明の1つの実施形態による積層体の概略断面図である。積層体10は、樹脂基材11にポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)膜12を積層することにより得られる。
A−1.PVA系樹脂膜
上記PVA系樹脂膜を形成するPVA系樹脂としては、任意の適切な樹脂が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%〜100モル%であり、好ましくは95.0モル%〜99.95モル%、さらに好ましくは99.0モル%〜99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光膜が得られ得る。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切に選択され得る。平均重合度は、通常1000〜10000であり、好ましくは1200〜4500、さらに好ましくは1500〜4300である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
上記PVA系樹脂膜は、PVA系樹脂を含む塗布液を塗布面に塗布することにより形成される。塗布液としては、例えば、PVA系樹脂を溶媒に溶解させた溶液、PVA系樹脂の溶融液が挙げられる。好ましくは、PVA系樹脂溶液が用いられる。PVA系樹脂を溶解させる溶媒としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、各種グリコール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類が用いられる。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、好ましくは、水である。
上記溶液のPVA系樹脂濃度は、任意の適切な値に設定され得る。例えば、PVA系樹脂の重合度やケン化度等に応じて設定される。PVA系樹脂濃度は、例えば、溶媒100重量部に対して3重量部〜20重量部である。
塗布液には、添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、界面活性剤等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、エチレングリコールやグリセリン等の多価アルコールが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤が挙げられる。これらは、得られるPVA系樹脂膜の均一性や染色性、延伸性をより一層向上させる目的で使用され得る。また、添加剤としては、例えば、易接着成分が挙げられる。易接着成分を用いることにより、樹脂基材とPVA系樹脂膜との密着性を向上させ得る。その結果、例えば、樹脂基材からPVA系樹脂膜が剥がれる等の不具合を抑制して、後述の染色、水中延伸を良好に行うことができる。易接着成分としては、例えば、アセトアセチル変性PVAなどの変性PVAが用いられる。
1つの実施形態においては、上記塗布面は金属面である。金属面を採用することにより、PVA系樹脂を含む塗布液に対し、急速に熱をかけることができる。例えば、塗布液に水分が多く含まれている状態で急速に熱をかけると、PVA系樹脂の結晶化が促進されて、耐水性に極めて優れたPVA系樹脂膜を形成することができる。その結果、後述の水中延伸性が格段に向上し、光学特性に優れた偏光膜が得られ得る。また、後述の偏光膜とするための処理(例えば、不溶化処理)の簡略化にも寄与し得る。これに加え、金属面を採用することにより、塗布面の温度制御が容易であり、塗布の際に高温・高圧にすることができる。高温・高圧下では、例えば、上記塗布液(溶液)のPVA系樹脂濃度を高く設定することができる。
上記金属面を構成する金属材料としては、例えば、ニッケル、クロム、銅、ステンレススチールが挙げられる。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。塗布液を塗布する金属面は、任意の適切な形態を採用することができる。1つの実施形態においては、金属面は、ロール(ドラム)の周面である。この場合、ロール周面は、腐食しにくく、鏡面光沢が得られる金属で構成されていることが好ましい。また、ロールの耐久性を高める観点から、ロール周面が、ニッケル層、クロム層もしくはニッケル/クロム合金層の単層構造、または、複層構造を有していてもよい。別の実施形態においては、金属面はベルト表面である。この場合、ベルト全体が金属材料で構成されていてもよいし(例えば、ステンレスベルト)、ベルト表面に金属層を形成することにより金属面が構成されていてもよい。
塗布面の表面粗さ(最大高さRy)は、好ましくは3S以下、より好ましくは2S以下、さらに好ましくは1S以下、特に好ましくは0.5S以下、最も好ましくは0.3S以下である。厚みの均一性に優れたPVA系樹脂膜が得られるからである。一方、塗布面の表面粗さは、好ましくは0.01S以上である。
塗布する際、塗布液は、任意の適切な温度に設定され得る。1つの実施形態においては、塗布液は、後述の樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上に設定されている。このような形態によれば、例えば、塗布液がPVA系樹脂溶液である場合に、乾燥時間を格段に短縮することができる。
塗布する際、塗布面は、任意の適切な温度に設定され得る。例えば、上記ロールを用いる場合、ロールを任意の適切な温度に加熱して、熱ロールとしてもよい。1つの実施形態においては、塗布面(金属面)は、後述の樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上に設定されている。このような形態によれば、例えば、塗布液がPVA系樹脂溶液である場合に、乾燥時間を格段に短縮することができる。
塗布液の塗布方法としては、塗布面の形態等に応じて、任意の適切な方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレコート法、ナイフコート法(コンマコート法等)が挙げられる。
塗布液は、得られるPVA系樹脂膜の厚みが15μm以下となるように塗布することが好ましい。塗布液は、任意の適切は温度下で塗布される。好ましくは20℃以上、さらに好ましくは50℃以上である。
A−2.樹脂基材
上記樹脂基材の構成材料としては、任意の適切な材料が採用され得る。例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂が用いられる。中でも、非晶質のポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましく用いられる。非晶質のポリエチレンテレフタレート系樹脂の具体例としては、ジカルボン酸としてイソフタル酸をさらに含む共重合体や、グリコールとしてシクロヘキサンジメタノールをさらに含む共重合体が挙げられる。
樹脂基材のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下である。このような樹脂基材を用いることにより、後述する積層体の延伸において、PVA系樹脂膜の結晶化を抑制しながら、延伸性(特に、水中延伸における)を十分に確保することができる。その結果、優れた光学特性(例えば、偏光度)を有する偏光膜を製造することができる。一方、樹脂基材のガラス転移温度は、好ましくは60℃以上である。なお、ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じて求められる値である。
1つの実施形態においては、樹脂基材は、好ましくは、その吸水率が0.2%以上であり、さらに好ましくは0.3%以上である。このような樹脂基材は水を吸収し、水が可塑剤的な働きをして可塑化し得る。その結果、延伸応力を大幅に低下させることができ、延伸性に優れ得る。一方、樹脂基材の吸水率は、好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。このような樹脂基材を用いることにより、製造時に樹脂基材の寸法安定性が著しく低下して、得られる偏光膜の外観が悪化するなどの不具合を防止することができる。また、水中延伸時に破断したり、樹脂基材からPVA系樹脂膜が剥離したりするのを防止することができる。なお、吸水率は、JIS K 7209に準じて求められる値である。
樹脂基材の厚みは、好ましくは20μm〜300μm、より好ましくは50μm〜200μmである。樹脂基材表面には、表面改質処理(例えば、コロナ処理等)が施されていてもよいし、易接着層が形成されていてもよい。このような処理によれば、樹脂基材とPVA系樹脂膜との密着性に優れた積層体が得られ得る。
A−3.積層
上記PVA系樹脂膜は、上記樹脂基材に積層される。図2は、本発明の積層体の製造方法の一例を示す概略図である。図示例では、ダイから吐出させた塗布液を、所定の温度に加熱されたロール(熱ロール)R1の周面(金属面)に塗布してPVA系樹脂膜12を形成し、このPVA系樹脂膜12を、別途、ロールR2から繰り出された樹脂基材11にロールR3,R4で搬送しながら積層し、積層体10を製造する。塗布液を塗布するロールR1の直径は、代表的には0.5m〜2.0mである。ロールR1の幅は、代表的には2m〜5mである。図示しないが、積層体10は乾燥処理に供され得る。積層体の乾燥温度は、好ましくは50℃以上である。
樹脂基材11は、好ましくはPVA系樹脂膜の塗布面とは反対側(具体的には、塗布面とは接触していない面)に積層される。このような実施形態によれば、樹脂基材とPVA系樹脂膜とを密着させて(実質的に接着剤や粘着剤を用いずに)積層することができる。こうして得られる積層体は延伸性に優れ、優れた光学特性を有する偏光膜を作製することができる。なお、PVA系樹脂膜の塗布面側は、塗布面との接触によりその表面に皮張りが発生し得、樹脂基材と十分に密着しないおそれがある。
1つの実施形態においては、図示例のように、PVA系樹脂膜と樹脂基材との積層は、PVA系樹脂膜の形成後、連続して行う。連続して行うことで、PVA系樹脂膜の乾燥が十分に進む前に積層することにより、樹脂基材とPVA系樹脂膜との密着性に優れた積層体を製造し得る。
本発明の積層体の製造は、図示例に限らず適宜変更可能である。例えば、図示例では1つの熱ロールR1を用いているが、樹脂基材と積層する前に、PVA系樹脂膜を2つ以上の熱ロールに接触させる形態が挙げられる。このような実施形態によれば、PVA系樹脂膜の乾燥効率をより向上させることができる。2つ以上の熱ロールを用いる場合、各熱ロールの温度はそれぞれに設定され得る。熱ロールの温度は、好ましくは100℃以下である。100℃を超える場合、塗布液の溶媒(水分)の突沸などにより気泡などの外観不良が発生する可能性が高くなる。さらには、乾燥時間の短縮等の観点から、熱ロールの温度は、樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上に設定されることが好ましい。2つ以上の熱ロールを用いる場合、各熱ロールは、好ましくは、PVA系樹脂膜の一方の面(具体的には、塗布面と接触していた面)に接触するように設置される。隣接する熱ロールのロール間距離(表面間距離)は、好ましくは30cm以下、より好ましくは10cm以下、さらに好ましくは5cm以下、特に好ましくは3cm以下である。このような範囲であれば、ロールの回転による随伴流等により、PVA系樹脂膜を安定して浮遊させることができる。
1つの実施形態においては、積層に際し、PVA系樹脂膜および/または樹脂基材に易接着層が設けられる。易接着層は、例えば、アセトアセチル変性PVAなどの変性PVAで形成される。このような形態によれば、樹脂基材とPVA系樹脂膜との密着性を十分に確保することができる。このような形態は、PVA系樹脂膜の塗布面と接触していた面に樹脂基材を積層する場合や、樹脂基材と積層する前にPVA系樹脂膜を2つ以上の熱ロールに接触させる場合に、特に好適である。
B.偏光膜
本発明の偏光膜は、上記積層体のPVA系樹脂膜を偏光膜とするための処理を施すことにより作製される。
上記偏光膜とするための処理としては、例えば、染色処理、延伸処理、不溶化処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理が挙げられる。これらの処理は、目的に応じて適宜選択され得る。また、処理順序、処理のタイミング、処理回数等、適宜設定され得る。以下、各々の処理について説明する。
(染色処理)
上記染色処理は、代表的には、PVA系樹脂膜を二色性物質で染色することにより行う。好ましくは、PVA系樹脂膜に二色性物質を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては、例えば、二色性物質を含む染色液にPVA系樹脂膜(積層体)を浸漬させる方法、PVA系樹脂膜に当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系樹脂膜に噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは、染色液に積層体を浸漬させる方法である。二色性物質が良好に吸着し得るからである。
上記二色性物質としては、例えば、ヨウ素、有機染料が挙げられる。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。二色性物質は、好ましくは、ヨウ素である。二色性物質としてヨウ素を用いる場合、上記染色液は、好ましくは、ヨウ素水溶液である。ヨウ素の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜0.5重量部である。ヨウ素の水に対する溶解度を高めるため、ヨウ素水溶液にヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ヨウ化カリウムである。ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは0.02重量部〜20重量部、より好ましくは0.1重量部〜10重量部である。
染色液の染色時の液温は、PVA系樹脂の溶解を抑制するため、好ましくは20℃〜50℃である。染色液にPVA系樹脂膜を浸漬させる場合、浸漬時間は、PVA系樹脂膜の透過率を確保するため、好ましくは5秒〜5分である。また、染色条件(濃度、液温、浸漬時間)は、最終的に得られる偏光膜の偏光度もしくは単体透過率が所定の範囲となるように、設定することができる。1つの実施形態においては、得られる偏光膜の偏光度が99.98%以上となるように、浸漬時間を設定する。別の実施形態においては、得られる偏光膜の単体透過率が40%〜44%となるように、浸漬時間を設定する。
(延伸処理)
積層体の延伸方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。具体的には、固定端延伸(例えば、テンター延伸機を用いる方法)でもよいし、自由端延伸(例えば、周速の異なるロール間に積層体を通して一軸延伸する方法)でもよい。また、同時二軸延伸(例えば、同時二軸延伸機を用いる方法)でもよいし、逐次二軸延伸でもよい。積層体の延伸は、一段階で行ってもよいし、多段階で行ってもよい。多段階で行う場合、後述の積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は、各段階の延伸倍率の積である。
延伸処理は、積層体を延伸浴に浸漬させながら行う水中延伸方式であってもよいし、空中延伸方式であってもよい。好ましくは、水中延伸処理を少なくとも1回施し、さらに好ましくは、水中延伸処理と空中延伸処理を組み合わせる。水中延伸によれば、上記樹脂基材やPVA系樹脂膜のガラス転移温度(代表的には、80℃程度)よりも低い温度で延伸し得、PVA系樹脂膜を、その結晶化を抑えながら、高倍率に延伸することができる。その結果、優れた光学特性(例えば、偏光度)を有する偏光膜を製造することができる。
積層体の延伸方向としては、任意の適切な方向を選択することができる。1つの実施形態においては、長尺状の積層体の長手方向に延伸する。具体的には、積層体を長手方向に搬送し、その搬送方向(MD)である。別の実施形態においては、長尺状の積層体の幅方向に延伸する。具体的には、積層体を長手方向に搬送し、その搬送方向(MD)と直交する方向(TD)である。
積層体の延伸温度は、樹脂基材の形成材料、延伸方式等に応じて、任意の適切な値に設定することができる。空中延伸方式を採用する場合、延伸温度は、好ましくは樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上であり、さらに好ましくは樹脂基材のガラス転移温度(Tg)+10℃以上、特に好ましくはTg+15℃以上である。一方、積層体の延伸温度は、好ましくは170℃以下である。このような温度で延伸することで、PVA系樹脂の結晶化が急速に進むのを抑制して、当該結晶化による不具合(例えば、延伸によるPVA系樹脂膜の配向を妨げる)を抑制することができる。
延伸方式として水中延伸方式を採用する場合、延伸浴の液温は、好ましくは40℃〜85℃、より好ましくは50℃〜85℃である。このような温度であれば、PVA系樹脂膜の溶解を抑制しながら高倍率に延伸することができる。具体的には、上述のように、樹脂基材のガラス転移温度(Tg)は、PVA系樹脂膜の形成との関係で、好ましくは60℃以上である。この場合、延伸温度が40℃を下回ると、水による樹脂基材の可塑化を考慮しても、良好に延伸できないおそれがある。一方、延伸浴の温度が高温になるほど、PVA系樹脂膜の溶解性が高くなって、優れた光学特性が得られないおそれがある。
水中延伸方式を採用する場合、積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することが好ましい(ホウ酸水中延伸)。延伸浴としてホウ酸水溶液を用いることで、PVA系樹脂膜に、延伸時にかかる張力に耐える剛性と、水に溶解しない耐水性とを付与することができる。具体的には、ホウ酸は、水溶液中でテトラヒドロキシホウ酸アニオンを生成してPVA系樹脂と水素結合により架橋し得る。その結果、PVA系樹脂膜に剛性と耐水性とを付与して、良好に延伸することができ、優れた光学特性を有する偏光膜を作製することができる。
上記ホウ酸水溶液は、好ましくは、溶媒である水にホウ酸および/またはホウ酸塩を溶解させることにより得られる。ホウ酸濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜10重量部である。ホウ酸濃度を1重量部以上とすることにより、PVA系樹脂膜の溶解を効果的に抑制することができ、より高特性の偏光膜を作製することができる。なお、ホウ酸またはホウ酸塩以外に、ホウ砂等のホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等を溶媒に溶解して得られた水溶液も用いることができる。
好ましくは、上記延伸浴(ホウ酸水溶液)にヨウ化物を配合する。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂膜に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物の具体例は、上述のとおりである。ヨウ化物の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは0.05重量部〜15重量部、より好ましくは0.5重量部〜8重量部である。
積層体の延伸浴への浸漬時間は、好ましくは15秒〜5分である。
積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は、積層体の元長に対して、好ましくは5.0倍以上である。このような高い延伸倍率は、例えば、水中延伸方式(ホウ酸水中延伸)を採用することにより、達成し得る。なお、本明細書において「最大延伸倍率」とは、積層体が破断する直前の延伸倍率をいい、別途、積層体が破断する延伸倍率を確認し、その値よりも0.2低い値をいう。
好ましくは、水中延伸処理は染色処理の後に行う。
(不溶化処理)
上記不溶化処理は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂膜を浸漬させることにより行う。特に水中延伸方式を採用する場合、不溶化処理を施すことにより、PVA系樹脂膜に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。不溶化浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜40℃である。好ましくは、不溶化処理は、積層体作製後、染色処理や水中延伸処理の前に行う。
(架橋処理)
上記架橋処理は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂膜を浸漬させることにより行う。架橋処理を施すことにより、PVA系樹脂膜に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。また、上記染色処理後に架橋処理を行う場合、さらに、ヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂膜に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜5重量部である。ヨウ化物の具体例は、上述のとおりである。架橋浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜50℃である。好ましくは、架橋処理は水中延伸処理の前に行う。好ましい実施形態においては、染色処理、架橋処理および水中延伸処理をこの順で行う。
(洗浄処理)
上記洗浄処理は、代表的には、ヨウ化カリウム水溶液にPVA系樹脂膜を浸漬させることにより行う。
(乾燥処理)
乾燥処理における乾燥温度は、好ましくは30℃〜100℃である。
得られる偏光膜は、実質的には、二色性物質が吸着配向されたPVA系樹脂膜である。偏光膜の厚みは、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは7μm以下、特に好ましくは5μm以下である。一方、偏光膜の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上である。
偏光膜は、好ましくは、波長380nm〜780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光膜の単体透過率は、好ましくは40.0%以上、より好ましくは41.0%以上、さらに好ましくは42.0%以上、特に好ましくは43.0%以上である。偏光膜の偏光度は、好ましくは99.8%以上、より好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.95%以上である。
C.偏光板
本発明の偏光板は、上記偏光膜を有する。好ましくは、偏光板は、上記偏光膜と、この偏光膜の少なくとも片側に配置された保護フィルムとを有する。この保護フィルムとしては、上記樹脂基材をそのまま用いてもよいし、上記樹脂基材とは別のフィルムを用いてもよい。保護フィルムの形成材料としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。保護フィルムの厚みは、好ましくは10μm〜100μmである。
1つの実施形態においては、偏光膜から上記樹脂基材は剥離され、別のフィルムを積層する。保護フィルムは、偏光膜に接着層を介して積層してもよいし、密着させて(接着層を介さずに)積層してもよい。接着層は、代表的には、接着剤または粘着剤で形成される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
(積層体の作製)
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)を9:1の比で含む水溶液(23℃)を、80℃に加熱された金属製のロール上に、乾燥後の厚みが10μmとなるように、60℃雰囲気下で塗布した。
続いて、片面にコロナ処理を施した長尺状の樹脂基材のコロナ処理面に、上記塗布により得られたPVA系樹脂膜を金属製のロールの周面から転写し、60℃に保たれたオーブン内で乾燥して、樹脂基材上に厚み10μmのPVA系樹脂膜が形成された積層体を作製した。ここでは、樹脂基材として、厚み100μmで、吸水率0.75%、Tg75℃の非晶質のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(IPA共重合PET)フィルムを用いた。
(偏光膜の作製)
得られた積層体を、120℃のオーブン内で周速の異なるロール間で長手方向に2.0倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸)。
次いで、積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対してホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴に、得られる偏光板が所定の透過率となるようにヨウ素濃度、浸漬時間を調整しながら浸漬させた。本実施例では、水100重量部に対して、ヨウ素を0.2重量部配合し、ヨウ化カリウムを1.0重量部配合して得られたヨウ素水溶液に60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温30℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合し、ヨウ化カリウムを5重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で長手方向に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸)。
その後、積層体を液温30℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
(偏光板の作製)
続いて、積層体のPVA系樹脂膜表面に、PVA系樹脂水溶液(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマー(登録商標)Z−200」、樹脂濃度:3重量%)を塗布し、トリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ社製、商品名「KC4UY」、厚み40μm)を60℃に維持したオーブンで5分間加熱した。
その後、樹脂基材を剥離して、厚み5μmの偏光膜の片側に保護フィルムが配置された偏光板を得た。
[実施例2]
積層体の作製に際し、水溶液を塗布するロールの温度を100℃としたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を作製した。
[実施例3]
積層体の作製に際し、塗布する水溶液の温度を80℃としたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を作製した。
[比較例1]
水溶液を樹脂基材に直接塗布して積層体を作製したこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を作製した。塗布は、水溶液の温度を23℃、樹脂基材の温度を60℃とし、60℃雰囲気下で行った。
[比較例2]
水溶液を樹脂基材に直接塗布して積層体を作製したこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を作製した。塗布は、水溶液の温度を23℃、樹脂基材の温度を60℃とし、80℃雰囲気下で行った。
[比較例3]
水溶液を樹脂基材に直接塗布して積層体を作製したこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を作製した。塗布は、水溶液の温度を23℃、樹脂基材の温度を80℃とし、60℃雰囲気下で行った。
[比較例4]
水溶液を樹脂基材に直接塗布して積層体を作製したこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を作製した。塗布は、水溶液の温度を23℃、樹脂基材の温度を100℃とし、60℃雰囲気下で行った。
[比較例5]
水溶液を樹脂基材に直接塗布して積層体を作製したこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を作製した。塗布は、水溶液の温度を80℃、樹脂基材の温度を60℃とし、60℃雰囲気下で行った。
[比較例6]
水溶液を樹脂基材に直接塗布して積層体を作製したこと、および、樹脂基材としてTg120℃のノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製、商品名「Zeonor」、厚み100μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光膜の作製を試みた。塗布は、水溶液の温度を80℃、樹脂基材の温度を100℃とし、80℃雰囲気下で行った。
[比較例7]
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(重合度1200、アセトアセチル変性度4.6%、ケン化度99.0モル%以上、日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ200」)を9:1の比で含む水溶液(80℃)を、80℃に加熱された金属製のロール上に、乾燥後の厚みが10μmとなるように、80℃雰囲気下で塗布した。得られたPVA系樹脂膜を樹脂基材に転写せずに、各種処理を施して偏光膜の作製を試みた。
(評価)
各実施例および比較例について、以下の評価を行った。
1.製膜性
水溶液の塗布および樹脂基材への転写に際し、樹脂基材の変形や、この変形に伴うウェーブカールやシワの発生を目視にて観察した。
2.乾燥時間
水溶液の塗布からPVA系樹脂膜表面のべたつきがなくなるまでの時間を計測し、比較例1の乾燥時間を100としたときの乾燥に要する時間の割合を算出した。なお、べたつきの有無は官能評価により確認した。
3.延伸性(水中延伸)
水中延伸により総延伸倍率5.5倍まで延伸できるか否かを確認した。
Figure 2016036943
各実施例では、PVA系樹脂膜の製膜性に優れる上に、乾燥時間も比較例1に比べて劇的に短かった。比較例1のような実施形態では、非常に大きな乾燥オーブンが必要となる。比較例2〜5では、水溶液の塗布の際に樹脂基材のシワが発生し、得られた偏光膜は外観に問題があった。比較例6では、積層体を水中延伸することができなかった。比較例7では水中延伸時にPVA系樹脂膜が破断してしまった。
本発明の偏光膜は、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯ゲーム機、カーナビゲーション、コピー機、プリンター、ファックス、時計、電子レンジ等の液晶パネルに好適に用いられる。
10 積層体
11 樹脂基材
12 ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂膜

Claims (14)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂を含む塗布液を塗布面に塗布してポリビニルアルコール系樹脂膜を形成する工程と、
    前記ポリビニルアルコール系樹脂膜を樹脂基材に積層する工程とを含み、
    前記塗布面の温度が前記樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上であり、
    延伸処理に供される積層体の製造方法。
  2. 前記ポリビニルアルコール系樹脂膜の形成と前記積層とを連続して行う、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ポリビニルアルコール系樹脂膜の厚みが15μm以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記樹脂基材のガラス転移温度(Tg)が100℃以下である、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記樹脂基材がポリエチレンテレフタレート系樹脂で構成されている、請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記塗布液がポリビニルアルコール系樹脂溶液である、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記塗布液の温度が前記樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上である、請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記ポリビニルアルコール系樹脂膜を、その塗布面とは反対側が前記樹脂基材側となるように積層する、請求項1から7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記塗布面が金属面である、請求項1から8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記塗布面がロールの周面である、請求項1から9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 前記樹脂基材に積層する前に、前記ポリビニルアルコール系樹脂膜を熱ロールに接触させる、請求項1から10のいずれに記載の製造方法。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の製造方法により得られた積層体を用いる、偏光膜の製造方法。
  13. 前記積層体を水中延伸する工程を含む、請求項12に記載の偏光膜の製造方法。
  14. 請求項12または13に記載の製造方法により得られた偏光膜に保護フィルムを積層する工程を含む、偏光板の製造方法。
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