JP2016022530A - 連続圧延機の制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミ材などの圧延材の圧延において、ILQ設計法により制御モデルを設計したとしても、適切な圧延の制御が行える連続圧延機の制御装置及び制御方法を提供する。【解決手段】本発明にかかる連続圧延機の制御装置は、一対のワークロールを備え、圧延材を連続的に圧延する2つ以上の圧延スタンドと、該圧延スタンドの間にルーパを有する連続圧延機の制御装置であって、制御装置は、実測して得られたモデルパラメータが採用された制御モデルを有しており、制御モデルに基づいて圧延スタンドの主機速度指令値、及び圧下指令値を算出し、算出された主機速度指令値、及び圧下指令値を用いて、圧延スタンドを制御するように構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、連続圧延機に備えられた圧延スタンドを多変数制御する制御技術に関する。
従来から、圧延材は、複数の圧延スタンドを有する連続圧延機により製造されている。
この連続圧延機には、圧延材の板厚や張力を所定の値にするために、圧延スタンドにおける圧下荷重やロールギャップなどを制御する制御装置が設けられている。このような制御装置においては、板厚制御と張力制御とを同時に行うことが多いが、これらを別々の制御手段を用いて制御すると互いに干渉が起こり悪影響を与える。この干渉を小さく抑えるためには、板厚・張力干渉系全体を一つの系として捉え、例えば、ILQ(Inverse Linear Quadratic)設計法により制御器を設計して非干渉化する方法が有効である。
上記した連続圧延機の制御装置に関する技術としては、特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1は、複数のスタンドに対応してそれぞれ圧延機駆動主電動機の速度を制御する主機速度制御装置と、ロールギャップを制御するロールギャップ制御装置とを設け、前記主機速度制御装置に対する速度指令値および前記ロールギャップ制御装置に対するロールギャップ指令値を、それぞれ圧延材の板厚およびスタンド間張力の干渉系をモデル化したプロセスモデルを用いて演算する連続熱間圧延機の制御装置であって、前記プロセスモデルを表現する変数、圧延材の板厚目標値、圧延材のスタンド間張力目標値、板厚およびスタンド間張力の応答を指定するための変数、ならびに、板厚およびスタンド間張力の応答を調整するための変数を設定する設定手段と、設定された前記各変数を所定の制御ゲイン演算式に代入して制御ゲインを数値として求める演算手段と、演算された前記制御ゲインを用いて、板厚とスタンド間張力との相互干渉を小さくしながら、板厚を前記板厚目標値に、スタンド間張力を前記スタンド間張力目標値に追随させる前記速度指令値およびロールギャップ指令値を演算する制御ゲイン演算手段と、を備えた連続熱間圧延機の制御装置を開示する。
特開平6−526号公報
前述の特許文献1などの連続圧延機の制御技術は、セットアップ用の物理モデル(例えば、荷重モデルや先進率モデルなど)を用いて、圧延材の板厚およびスタンド間張力の干渉系をモデル化した制御モデル(=プロセスモデル)を構築し、得られた制御モデルを用いて、連続圧延機を制御する制御器を設計している。
しかしながら、前述の特許文献1などの連続圧延機の制御技術は、鋼板を圧延する連続圧延機を制御対象としたものであり、アルミ材などの圧延材を圧延する連続圧延機を制御対象とした場合、不具合が生じることが現場の実績として挙がってきている。
その理由としては、アルミ材などの圧延材を圧延するときの特有の問題として、ロールコーティング状態(表面に形成されている皮膜が薄くなるなどのワークロールの状況変化)の影響により、物理モデルのパラメータである摩擦係数の変化が大きくなるので、制御モデルの基になる物理モデルを作成することは困難になることが挙げられる。
そこで、ロールコーティング状態を反映した物理モデルを構築しようと試みたとしても、物理モデルが徒に複雑なものとなってしまう虞がある。また、複雑な物理モデルの開発は、作成(開発)する期間も長期に亘ったり、開発コストが嵩んでしまう虞がある。
つまり、アルミ材などの圧延材を圧延する連続圧延機の制御器を、特許文献1などの連続圧延機の制御技術を用いて設計する場合、上記したロールコーティング状態の影響を受けた複雑な物理モデルを用いることとなるので、制御モデル、および制御器を正確に設計することは現実的ではない。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、アルミ材などの圧延材の圧延において、ILQ設計法により制御器を設計したとしても、適切な圧延の制御が行える連続圧延機の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる連続圧延機の制御装置は、一対のワークロールを備え、圧延材を連続的に圧延する2つ以上の圧延スタンドと、該圧延スタンドの間にルーパを有する連続圧延機の制御装置であって、前記制御装置は、実測して得られたモデルパラメータが採用された制御モデルを有しており、前記制御モデルに基づいて前記圧延スタンドの主機速度指令値、及び圧下指令値を算出し、算出された前記主機速度指令値、及び前記圧下指令値を用いて、前記圧延スタンドを制御するように構成されていることを特徴とする。
好ましくは、実際の圧延工程で用いられる圧延スタンド乃至は実験用の圧延スタンドにおいて、圧延条件を、前記ワークロールの表面に施されたロールコーティング状態の変化が発現しない時間スパンで変更すると共に、当該圧延条件が変更された時の圧延実績値を測定し、計測した前記圧延実績値から、前記モデルパラメータを算出するように構成されているとよい。
好ましくは、前記制御装置は、ILQ設計法により設計されたものであるとよい。
また、本発明にかかる連続圧延機の制御方法は、一対のワークロールを備え、圧延材を連続的に圧延する2つ以上の圧延スタンドと、該圧延スタンドの間にルーパを有する連続圧延機の制御方法であって、実測して得られたモデルパラメータが採用された制御モデルを用意しておき、前記制御モデルに基づいて、前記圧延スタンドの主機速度指令値、及び圧下指令値を算出し、算出された前記主機速度指令値、及び前記圧下指令値を用いて、前記圧延スタンドを制御することを特徴とする。
好ましくは、実際の圧延工程で用いられる圧延スタンド乃至は実験用の圧延スタンドにおいて、前記圧延条件を、前記ワークロールの表面に施されたロールコーティング状態の変化が発現しない時間スパンで変更すると共に、当該圧延条件が変更された時の圧延実績値を測定し、計測した前記圧延実績値から、前記モデルパラメータを算出するとよい。
好ましくは、前記制御方法は、ILQ設計法により設計されるとよい。
本発明にかかる連続圧延機の制御装置及び制御方法によれば、アルミ材などの圧延材の圧延において、ILQ設計法により制御器を設計したとしても、適切な圧延の制御が行うことができる。
本発明にかかる連続圧延機に備えられた圧延スタンドを示した模式図である。 圧延スタンドのプロセスモデルを示した図である。
以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施形態にかかる連続圧延機1に備えられた圧延スタンド2を示した模式図である。
本実施形態にかかる連続圧延機1は、複数の圧延スタンド2,2,・・・を有するタンデム型である。また、本実施形態では、アルミ材を圧延材Wとして、説明を進める。
図1に示すように、圧延材Wの圧延工程では、上流側の圧延スタンド2に圧延材Wが通された後、下流側に位置する圧延スタンド2を通過する毎に圧下され、最終段の圧延スタンド2を出たところで所定の仕上げ板厚となり、巻き取り装置(図示せず)で巻き取られる。また、圧延スタンド2,2の間には、ルーパ3が設けられており、このルーパ3の高さが可変とされることで、圧延材Wの張力などが調整される。
このように、目標の仕上げ板厚に形状が整えられた圧延材Wが最終製品となる。
以下、連続圧延機1に備えられた圧延スタンド2の詳細について説明を行う。
図1に示すように、圧延スタンド2は上下一対のワークロール4,4を有している。このワークロール4,4は、各々に設けられた電動機5(主機と呼ぶこともある)で駆動され、圧延材Wを圧延する。上下一対のワークロール4,4の間隔は、油圧などで駆動される圧下装置6によって、圧下量(ロールギャップ量)を調整できる構造になっている。
上下のワークロール4,4はそれぞれバックアップロール7,7により背後から支持されるようになっており、圧延スタンド2の出側には、圧延材Wの板厚を検出する出側板厚計8が設けられている。また、圧延スタンド2の入側には、圧延材Wの板厚を検出する入側板厚計9が設けられている。
圧延スタンド2,2の間には、圧延材Wの張力(スタンド間張力)を調整可能なルーパ3が設けられている。このルーパ3には、トルク計などの張力測定手段(図示せず)が設けられ、スタンド間張力を計測可能となっている。
さらに、本実施形態の連続圧延機1には、制御装置20が備えられている。
圧延材Wを製造する連続圧延機1において、製品である圧延材Wの板厚を目標値に一致させ、且つ圧延材W全般に渡って板厚を均一に保つため、板厚制御が適用されている。加えて、圧延材Wに作用する張力を破断限界内に保たなければ安定な操業にならないため、ルーパ3制御などによる張力制御も適用されている。このような制御を行うのが制御装置20であり、具体的には、プロコン、PLC等で実現されている。
この制御装置20は、圧延材Wのスタンド間張力及び板厚を基に、圧延スタンド2の主機速度指令値(電動機5に対する速度指令値、言い換えるならば、ワークロール4の速度指令値)及び圧下指令値(ロールギャップ量の指令値であって圧下装置6に対する指令値)を算出すると共に、算出された主機速度指令値及び圧下指令値を基にして圧延スタンド2を制御するものとなっている。
詳しくは、制御装置20は、制御対象(プロセスモデル)を表現するための変数を設定する設定手段21と、プロセスモデルにおける制御ゲインを算出する制御ゲイン演算手段22と、算出された制御ゲインに基づいて、圧延スタンド2に対する圧下指令値と主機速度指令値を演算する多変数制御演算手段23と、を有している。
まず、設定手段21と制御ゲイン演算手段22と多変数制御演算手段23と備える制御装置20で行われる制御処理の詳細について説明する。
図2は、ルーパ3を除く圧延スタンド2のプロセスモデル(制御モデル)を示している。図2における変数のうち、設定手段21において設定する変数と、その変数の意味を以下に示す。
上記した変数のうち、∂f/∂t、∂ε/∂t、∂P/∂t、∂ε/∂h、Qなどは、制御モデル内に存在する重要なパラメータであり、以降、モデルパラメータと呼ぶ。また、Qを別の表記にすれば∂P/∂hであり、他の影響係数同様、物理モデルあるいは実機テストで得られる係数である。
設定手段21において設定はしないものの、制御において用いる変数は以下の通りである。
以上述べた変数を用いて表されるルーパ3を除く圧延スタンド2のプロセスモデルは、以下の通りであり、制御ゲイン演算手段22内に設定されている。
式(1)における係数は、以下の通りである。
制御ゲイン演算手段22では、設定手段21から出力される各種変数(プロセスモデルを表現する変数、板厚およびスタンド間張力の応答を指定するための変数)を用いて、制御ゲイン(多変数制御ゲイン)を演算する。
本発明においては、ILQ(Inverse Linear Quadratic)設計法に基づき、多変数制御ゲインを決定する。ILQ設計法は、逆問題の結果を巧妙に応用した最適サーボ系設計法であり、多くの文献に詳細が開示されている(例えば、ロバスト制御、木村英紀、藤井隆雄、森武宏著、コロナ社、1994年、pp.141〜153を参照)。
図2のプロセスモデルを用い、ILQ設計法に基づき、多変数制御ゲイン(多変数制御ゲインの演算式)KI11,KI12,KI22,KF11,KF12,KF21,KF23,を算出した結果を以下に示す。
ここで、Tはスタンド間張力の応答を指定するための変数、Tは板厚の応答を指定するための変数である。
次に、多変数制御演算手段23について説明する。
多変数制御演算手段23は、算出された多変数制御ゲインに基づいて、圧延スタンド2に対する圧下指令値と主機速度指令値を演算する。
詳しくは、多変数制御演算手段23では、設定手段21から出力される板厚目標値、スタンド間張力目標値、板厚およびスタンド間張力の応答を調整するための変数σ,σ、制御ゲイン演算手段22から出力される多変数制御ゲイン、出側板厚計8及び入側板厚計9から出力される各板厚実績値、ルーパ3の張力測定手段から出力される圧延スタンド2,2間の張力実績値、圧下装置6から出力される圧下実績値、圧延スタンド2の駆動電動機5から出力される主機速度実績値などを用いて、圧下指令値と主機速度指令値を演算する。
なお、圧延スタンド2によっては、その出側に出側板厚計8が設置されていない場合もある。そのときはゲージメータ式およびマスフロー一定式などに基づき板厚を推定し、この板厚推定値を多変数制御演算手段23に入力するようにするとよい。
ところで、圧延材Wを圧延する連続圧延機1の制御モデル(プロセスモデル)を構築するにあたっては、「発明が解決しようとする課題」で精説したように、ワークロール4のロールコーティング状態の影響により、制御モデルを正確に構築することが困難となる場合がある。
詳しくは、ロールコーティング状態の影響が、アルミ材などの圧延材Wを圧延する圧延工程において摩擦係数を大きく変化させる原因となる。その原因により、物理モデル(荷重モデルや先進率モデルなど)が複雑なものとなってしまう虞がある。それ故、この複雑な物理モデルを用いてILQ設計法で連続圧延機1の制御器を設計したとしても、正確に設計することは困難を極める。
そこで、本願出願人らは、鋭意研究を重ねた結果、圧延材Wの圧延において、ILQ設計法により連続圧延機1の制御器を正確に設計し、その制御器を連続圧延機1に適用させて制御する制御装置20及び制御方法を発明した。
以下に、本発明の制御装置20及び制御方法について、詳細に説明する。
本発明の制御装置20では、実測して得られたモデルパラメータが採用された制御モデルを用い、その制御モデルに基づいて、圧延スタンド2の主機速度指令値、及び圧下指令値を算出し、算出された主機速度指令値、及び圧下指令値を用いて、圧延スタンド2を制
御することとしている。
具体的には、図2に示すように、連続圧延機1の制御モデルを構築するにあたり、まず当該連続圧延機1にて、圧延材Wのテスト圧延(実機を用いた圧延材Wのテスト圧延)を行う。
実機テスト、すなわち連続圧延機1によるテスト圧延とは、実際の圧延工程の前に行うテスト圧延工程であって、実際の圧延工程で使用されている連続圧延機1において、最終製品となる圧延材Wとは別に用意したテスト用圧延材(ただし、最終製品となる圧延材Wと同じ材質)を、実際の圧延工程と同じ圧延条件で圧延する工程である。なお、本実施形態のテスト圧延においては、圧延速度を一定としている。
なお、前述したテスト圧延においては、実際の圧延工程で用いる連続圧延機1(圧延スタンド2)にてテスト圧延を行ってもよいし、実験室などに配備されている実験用の圧延機(実験用の圧延スタンド)や実際の圧延工程で用いる連続圧延機1を模した実験用の圧延機(実験用の圧延スタンド)でテスト圧延を行ってもよい。
その上で、制御装置20は、圧延材Wのテスト圧延において、ワークロール4の表面に施されたロールコーティング状態の変化が発現しない時間スパン、すなわち「ロールコーティング状態の影響」が発現しない非常に短い時間スパン(例えば、数秒程度)にて、圧下位置などの圧延条件を変更する。
圧延条件が変更されると、制御装置20において、当該圧延条件が変更された時の圧延実績値を測定し、計測した圧延実績値から、制御モデルを構築するのに必要なモデルパラメータを算出する。モデルパラメータとしては、∂f/∂t、∂ε/∂t、∂P/∂t、∂ε/∂h、Qなどがあり、各変数は、先進率f、後進率ε、圧延荷重P、出側板厚h、張力t、塑性係数Qである。
具体的には、例えば、図1に示すi番目の連続圧延機1のモデルパラメータ、∂P/∂tを算出するにあたっては、制御装置20は、まず圧延条件を変更する前に、圧延荷重Pと、圧延スタンド2の出側のスタンド間張力tとを測定する。そして、「ロールコーティング状態の影響」が発現しない非常に短い時間スパン(例えば、10秒)にて、圧下位置などの圧延条件を変更する。
続いて、制御装置20は、圧延条件を変更した直後の圧延荷重Pと、圧延スタンド2の出側のスタンド間張力tとを測定する。その後、制御装置20は、変更前の圧延荷重Pと変更後の圧延荷重Pとの差と、変更前のスタンド間張力tと変更後のスタンド間張力tとの差を求め、求めた圧延荷重の差(P−P)と、スタンド間張力の差(t−t)を用いて、i番目の連続圧延機1のモデルパラメータ、∂P/∂tを算出する。
∂f/∂t、∂ε/∂tなどの他のモデルパラメータも同様に、圧延条件が変更された時の圧延実績値を測定し、計測した圧延実績値から算出することができる。
このようにして算出したモデルパラメータ(実機テストのデータから得られた∂f/∂t、∂ε/∂t、∂P/∂tなど)を、連続圧延機1(圧延スタンド2)の制御モデルに適用し、その制御モデルを用いてILQ設計法で設計された制御器を制御装置20における制御器とする。
そして、圧延材Wのテスト圧延(実機テスト)を終えて、実際の圧延材Wの圧延工程に移行する。
実際の圧延材Wの圧延工程に移行すると、制御装置20は、圧延材Wのテスト圧延において得られたモデルパラメータを採用した制御器に基づいて、圧延スタンド2の主機速度指令値(電動機5に対する速度指令値、言い換えるならば、ワークロール4の速度指令値)、及び圧下指令値(ロールギャップ量の指令値であって圧下装置6に対する指令値)を算出し、算出された主機速度指令値、及び圧下指令値を用いて、圧延スタンド2を制御する。
以上述べたように、連続圧延機(実機)1でのテスト圧延において、制御装置20は、圧下位置などの圧延条件を非常に短い時間で変更し、そのときの実機テストのデータ(モデルパラメータ)を測定し、その測定したモデルパラメータを、圧延スタンド2の制御モ
デルに適用すると、正確な制御モデルを得ることができる。そして、その制御モデルを用いてILQ設計法により制御器を設計する。
そして、実際の圧延材Wの圧延工程にて、設計した制御器に基づいて制御することで、圧延材Wのスタンド間張力と板厚の変動を可及的に低減し適切な圧延が行えるようになる。
以上述べたように、アルミ圧延中において、ワークロール4における「ロールコーティング状態の影響」が発現しないように極めて短い時間で変化させて測定した、連続圧延機1における入側板厚、出側板厚などの圧延条件を基にして、ILQ設計法で設計した制御器により制御することで、圧延材Wのスタンド間張力と板厚の変動を可及的に低減し適切な圧延が行えるようになる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、本実施形態において、連続圧延機1を熱間圧延機として説明を行っていたが、本発明の適用がこれに限定されるわけではなく、冷間圧延機であっても何ら問題はない。
また、本実施形態では、圧延材Wをアルミ材として説明を行ったが、圧延材Wが銅材などの軟金属であっても、本発明の技術を適用可能である。
1 連続圧延機
2 圧延スタンド
3 ルーパ
4 ワークロール
5 圧延スタンドの駆動電動機
6 圧下装置
7 バックアップロール
8 出側板厚計
9 入側板厚計
20 制御装置
21 設定手段
22 制御ゲイン演算手段
23 多変数制御演算手段

Claims (6)

  1. 一対のワークロールを備え、圧延材を連続的に圧延する2つ以上の圧延スタンドと、該圧延スタンドの間にルーパを有する連続圧延機の制御装置であって、
    前記制御装置は、
    実測して得られたモデルパラメータが採用された制御モデルを有しており、
    前記制御モデルに基づいて前記圧延スタンドの主機速度指令値、及び圧下指令値を算出し、
    算出された前記主機速度指令値、及び前記圧下指令値を用いて、前記圧延スタンドを制御するように構成されている
    ことを特徴とする連続圧延機の制御装置。
  2. 実際の圧延工程で用いられる圧延スタンド乃至は実験用の圧延スタンドにおいて、圧延条件を、前記ワークロールの表面に施されたロールコーティング状態の変化が発現しない時間スパンで変更すると共に、当該圧延条件が変更された時の圧延実績値を測定し、
    計測した前記圧延実績値から、前記モデルパラメータを算出するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の連続圧延機の制御装置。
  3. 前記制御装置は、ILQ設計法により設計されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の連続圧延機の制御装置。
  4. 一対のワークロールを備え、圧延材を連続的に圧延する2つ以上の圧延スタンドと、該圧延スタンドの間にルーパを有する連続圧延機の制御方法であって、
    実測して得られたモデルパラメータが採用された制御モデルを用意しておき、
    前記制御モデルに基づいて、前記圧延スタンドの主機速度指令値、及び圧下指令値を算出し、
    算出された前記主機速度指令値、及び前記圧下指令値を用いて、前記圧延スタンドを制御する
    ことを特徴とする連続圧延機の制御方法。
  5. 実際の圧延工程で用いられる圧延スタンド乃至は実験用の圧延スタンドにおいて、前記圧延条件を、前記ワークロールの表面に施されたロールコーティング状態の変化が発現しない時間スパンで変更すると共に、当該圧延条件が変更された時の圧延実績値を測定し、
    計測した前記圧延実績値から、前記モデルパラメータを算出する
    ことを特徴とする請求項4に記載の連続圧延機の制御方法。
  6. 前記制御方法は、ILQ設計法により設計されることを特徴とする請求項4又は5に記載の連続圧延機の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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