JP2016022223A - 医療用保護フィルム材料ならびに製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】滲出液の分泌の程度により吸収体を適宜選択することが可能な,医療用保護フィルム材料の提供。【解決手段】フィルム基材と,フィルム基材の上面の第一粘着層と,フィルム基材の底面の第二粘着層とからなり,これら三層を貫通する貫通孔を有する保護フィルム部材と,この保護フィルム部材の第一粘着層と第二粘着層それぞれに貼付している第一剥離ライナーと第二剥離ライナーとからなることを特徴とする医療用保護フィルム材料。【選択図】図1
Description
本発明は,医療用保護フィルム材料ならびに製品等に関する。
医療用保護フィルムは,火傷や褥瘡などにおいて,患部を保護し,患部から分泌される滲出液を吸収する目的で使用される。
医療用保護フィルムは,患部に貼付して用いられ,数時間から数日単位で交換が行われる。この交換の際,医療用保護フィルムの接着力が強すぎるとこれを剥がすときに,治癒により生じた新生表皮も合わせて剥がれることがあり,痛みを伴うだけでなく,治癒遅延の原因となってしまう。一方で,接着が弱すぎると,医療用保護フィルムがずれたり,剥がれたりする要因となってしまう。これらのことから,医療用保護フィルムでは,強すぎず弱すぎない,適度な接着性が求められる。
加えて,医療用保護フィルムでは,患部から分泌される滲出液を吸収する必要がある。患部の損傷の程度により滲出液の分泌量は異なり,滲出液が多量に分泌されると吸収体が滲出液で満たされることとなる。この場合,医療用保護フィルムの通気性が無くなってしまうため,交換を行う必要がある。そのため,医療用保護フィルムの吸収量が少ないと交換の頻度が高くなってしまうことから,医療用保護フィルムでは,効率的に滲出液を吸収するだけでなく,出来るだけ多くの滲出液を吸収する性能が求められる。
このように医療用保護フィルムでは,接着性と吸収性という二つの機能が求められ,これらの機能を有した医療用保護フィルムに関する技術が開示されている(特許文献1)。
特許文献1では,シリコーン樹脂で被覆された医療用保護フィルムが開示されている。
この先行技術では,患部との接着面である基材となる穴開き材料,ならびに開いた穴(貫通孔)に対応する吸収体部分が,それぞれシリコーン樹脂で被覆されている。これにより,患部に接触しうるほぼ全ての面がシリコーン樹脂で被覆されていることとなり,患部との接着性に優れる技術である。
しかしながら,貫通孔に対応する吸収体部分までシリコーン樹脂で被覆されているため,吸収性を少なからず損なっている点において先行技術は課題を有するものである。
この先行技術では,患部との接着面である基材となる穴開き材料,ならびに開いた穴(貫通孔)に対応する吸収体部分が,それぞれシリコーン樹脂で被覆されている。これにより,患部に接触しうるほぼ全ての面がシリコーン樹脂で被覆されていることとなり,患部との接着性に優れる技術である。
しかしながら,貫通孔に対応する吸収体部分までシリコーン樹脂で被覆されているため,吸収性を少なからず損なっている点において先行技術は課題を有するものである。
加えて,先行技術においては,剥離シート上に塗られたシリコーン樹脂に,穴開き材料,吸収体の順に押しつけて製造を行っている。この製造方法では,製造材料として予め穴開き材料を用いなければならない点において製造方法を複雑化させ,製造コストを押し上げてしまいかねず,課題を有するものである。加えて,穴開き材料をシリコーン樹脂に押しつけ,貫通孔から漏れてくるシリコーン樹脂が,結果的に吸収体に流れ込むという製造方法であるため,基材となる穴開き材料と吸収体の接着が比較的弱く,使用する吸収体に制限が生じてしまう点においても課題を有するものである。
上記事情を背景として,本発明では,使用する吸収体に制限を生じさせない医療用保護フィルム材料の提供,換言すると,滲出液の分泌の程度により吸収体を適宜選択することが可能な,医療用保護フィルム材料の提供を第一の課題とする。
合わせて,そのような医療用保護フィルム材料を用いて,接着性と吸収性それぞれの機能を損なうことなく,簡易に製造することが可能な医療用保護フィルム製品の提供を第二の課題とする。
さらには,医療用保護フィルムとして,吸収体の接着を安定化させた医療用保護フィルムの提供を第三の課題とする。
合わせて,そのような医療用保護フィルム材料を用いて,接着性と吸収性それぞれの機能を損なうことなく,簡易に製造することが可能な医療用保護フィルム製品の提供を第二の課題とする。
さらには,医療用保護フィルムとして,吸収体の接着を安定化させた医療用保護フィルムの提供を第三の課題とする。
発明者は,鋭意研究の結果,フィルム基材の両面に粘着素材を接着させ,これに剥離ライナーを貼付させた新たな医療用保護フィルム材料に想到し,発明を完成させた。加えて,この医療用保護フィルム材料を用いて,片面に吸収体を接着させた医療用保護フィルム製品に想到し,発明を完成させた。さらに,これらに共通する,フィルム基材全面に塗工された粘着層に吸収体を接着させ,吸収体の接着を安定化させた医療用保護フィルム製品の発明を完成させた。
本発明は,以下の構成からなる。
本発明の第一の構成は,フィルム基材と,フィルム基材の底面の第一粘着層と,フィルム基材の上面の第二粘着層とからなり,これら三層を貫通する貫通孔を有する保護フィルム部材と,この保護フィルム部材の第一粘着層と第二粘着層それぞれに貼付している第一剥離ライナーと第二剥離ライナーとからなることを特徴とする医療用保護フィルム材料である。
本発明の第一の構成は,フィルム基材と,フィルム基材の底面の第一粘着層と,フィルム基材の上面の第二粘着層とからなり,これら三層を貫通する貫通孔を有する保護フィルム部材と,この保護フィルム部材の第一粘着層と第二粘着層それぞれに貼付している第一剥離ライナーと第二剥離ライナーとからなることを特徴とする医療用保護フィルム材料である。
本発明の第二の構成は,前記貫通孔が,第一剥離ライナー,第二剥離ライナーのいずれか又は両方を貫通してなることを特徴とする第一の構成に記載の医療用保護フィルム材料である。
本発明の第三の構成は,フィルム基材が,PET,ポリウレタン,シリコーン,オレフィン,ポリエチレン,ポリプロピレン,スチレンのいずれか又は複数から選択されることを特徴とする第一又は第二の構成に記載の医療用保護フィルム材料である。
本発明の第四の構成は,第一粘着層ならびに第二粘着層に用いられる粘着剤が,シリコーン,アクリル,ウレタン,ゴムのいずれか又は複数から選択されることを特徴とする第一から第三の構成に記載の医療用保護フィルム材料である。
本発明の第五の構成は,第一粘着層がシリコーン,第二粘着層がアクリル,ウレタン,ゴムのいずれか又は複数から選択されることを特徴とする第一から第三の構成に記載の医療用保護フィルム材料である。
本発明の第三の構成は,フィルム基材が,PET,ポリウレタン,シリコーン,オレフィン,ポリエチレン,ポリプロピレン,スチレンのいずれか又は複数から選択されることを特徴とする第一又は第二の構成に記載の医療用保護フィルム材料である。
本発明の第四の構成は,第一粘着層ならびに第二粘着層に用いられる粘着剤が,シリコーン,アクリル,ウレタン,ゴムのいずれか又は複数から選択されることを特徴とする第一から第三の構成に記載の医療用保護フィルム材料である。
本発明の第五の構成は,第一粘着層がシリコーン,第二粘着層がアクリル,ウレタン,ゴムのいずれか又は複数から選択されることを特徴とする第一から第三の構成に記載の医療用保護フィルム材料である。
本発明の第六の構成は,第一ないし第五の構成に記載の医療用保護フィルム材料において,第二剥離ライナーを剥離し,フィルム基材の上面に吸収体を貼付したことを特徴とする医療用保護フィルム製品である。
本発明の第七の構成は,吸収体に貫通孔が設けられていることを特徴とする第六の構成に記載の医療用保護フィルム製品である。
本発明の第八の構成は,吸収体が,レーヨン,パルプ,ポリエステル,ポリプロピレン,セルロース,綿のいずれか又は複数から選択されることを特徴とする第六又は第七の構成に記載の医療用保護フィルム製品である。
本発明の第七の構成は,吸収体に貫通孔が設けられていることを特徴とする第六の構成に記載の医療用保護フィルム製品である。
本発明の第八の構成は,吸収体が,レーヨン,パルプ,ポリエステル,ポリプロピレン,セルロース,綿のいずれか又は複数から選択されることを特徴とする第六又は第七の構成に記載の医療用保護フィルム製品である。
本発明の第九の構成は,フィルム基材と,フィルム基材の底面の第一粘着層と,フィルム基材の上面の第二粘着層と,第一粘着層上に貼付される吸収体からなる医療用保護フィルム製品であって,フィルム基材と第一粘着層,第二粘着層,これら三層を貫通する貫通孔を有しており,第二粘着層に剥離ライナーが貼付されていることを特徴とする医療用保護フィルム製品である。
本発明の第十の構成は,第二粘着層が,熱可塑性接着剤であることを特徴とする第九の構成に記載の医療用保護フィルム製品である。
本発明の第十一の構成は,第二粘着層上に吸収体を熱圧着したのち貫通孔を設けることにより,貫通孔に対応する吸収体部分への接着剤の流入を減少させたことを特徴とする第十の構成に記載の医療用保護フィルム製品である。
本発明の第十の構成は,第二粘着層が,熱可塑性接着剤であることを特徴とする第九の構成に記載の医療用保護フィルム製品である。
本発明の第十一の構成は,第二粘着層上に吸収体を熱圧着したのち貫通孔を設けることにより,貫通孔に対応する吸収体部分への接着剤の流入を減少させたことを特徴とする第十の構成に記載の医療用保護フィルム製品である。
本発明により,滲出液の分泌の程度により吸収体を適宜選択することが可能な,医療用保護フィルム材料の提供が可能となった。また,この医療用保護フィルム材料を用いて,吸着性と吸収性それぞれの機能を損なうことなく,簡易に製造することが可能な医療用保護フィルム製品の提供が可能となった。さらには,医療用保護フィルムとして,吸収体の接着を安定化させた医療用保護フィルムの提供が可能となった。
以下,本発明の医療用保護フィルム材料等について図面を例にとり説明を行うが,本発明を以下の内容に限定して解釈すべきでないことはいうまでもない。
<<I.医療用保護フィルム材料の構成>>>
本発明の医療用保護フィルム材料の構成について説明を行う。
本発明の医療用保護フィルム材料は,フィルム基材,第一粘着層,第二粘着層,第一剥離ライナー,第二剥離ライナー,貫通孔からなる(図1のA,図2のEならびにF)。
このような構成とすることにより,使用時に吸収体を接着させる構成とすることが可能となり,患部の損傷具合(滲出液の分泌量)に応じた適切な吸収体を選択することができるため,治療効果の向上が期待できるという効果を有する。
また,フィルム基材が二つの粘着層に挟まれる構成とすることが好ましい。これにより,吸収体とフィルム基材の接着性を向上させることが可能となり,医療用保護フィルムとしての取り扱い性を向上させる効果を有する。
本発明の医療用保護フィルム材料の構成について説明を行う。
本発明の医療用保護フィルム材料は,フィルム基材,第一粘着層,第二粘着層,第一剥離ライナー,第二剥離ライナー,貫通孔からなる(図1のA,図2のEならびにF)。
このような構成とすることにより,使用時に吸収体を接着させる構成とすることが可能となり,患部の損傷具合(滲出液の分泌量)に応じた適切な吸収体を選択することができるため,治療効果の向上が期待できるという効果を有する。
また,フィルム基材が二つの粘着層に挟まれる構成とすることが好ましい。これにより,吸収体とフィルム基材の接着性を向上させることが可能となり,医療用保護フィルムとしての取り扱い性を向上させる効果を有する。
フィルム基材は,医療用に用いられるフィルム素材である限り特に限定する必要はなく,種々のフィルム素材を用いることができ,例えば,PET,ポリウレタン,シリコーン,オレフィン,ポリエチレン,ポリプロピレン,スチレンなどを単独,もしくはこれらの素材を組み合わせて用いることができる。
フィルム基材として,ポリウレタンを用いることが好ましい。これにより,フィルム本体が,水や細菌を通さず水蒸気は通すため,貼付部分を衛生的かつむれにくく保つことが可能となり,本発明の医療用フィルム製品の機能を向上させる効果を有する。
フィルム基材は,肌への追従性を損なわない程度の厚さとすればよく,この目安として,例えば,5〜35μm,より好ましくは7〜20μmとすることができる。
フィルム基材として,ポリウレタンを用いることが好ましい。これにより,フィルム本体が,水や細菌を通さず水蒸気は通すため,貼付部分を衛生的かつむれにくく保つことが可能となり,本発明の医療用フィルム製品の機能を向上させる効果を有する。
フィルム基材は,肌への追従性を損なわない程度の厚さとすればよく,この目安として,例えば,5〜35μm,より好ましくは7〜20μmとすることができる。
第一粘着層ないし第二粘着層に用いられる粘着剤としては,医療用フィルム製品に通常用いられる粘着剤を用いればよく,例えば,アクリル,シリコーン,ウレタン,ゴムなどを用いればよい。
用いる粘着剤として,第一粘着層がシリコーン,第二粘着層がアクリル,ウレタン,ゴムのいずれか又は複数から選択されることが好ましい。これにより,患部への接着についてはシリコーンを用いて安全性を向上させ,かつ,吸収体との接着については比較的安価な粘着剤を用いる組み合わせとすることができ,本発明の医療用保護フィルムの安全性と経済性をバランスよく向上させる効果を有する。
用いる粘着剤として,第一粘着層がシリコーン,第二粘着層がアクリル,ウレタン,ゴムのいずれか又は複数から選択されることが好ましい。これにより,患部への接着についてはシリコーンを用いて安全性を向上させ,かつ,吸収体との接着については比較的安価な粘着剤を用いる組み合わせとすることができ,本発明の医療用保護フィルムの安全性と経済性をバランスよく向上させる効果を有する。
貫通孔は,図1のAや図2のEに示すように,フィルム基材を二つの粘着層ではさむ形の部材(以下,これら三層の部材を「保護フィルム部材」という)に設けることができるが,これに限定する必要はない。すなわち,本発明の医療用保護フィルム材料は,最終的に吸収体を接着させて使用することから,剥離ライナーにおける厳格な機密性というのは必ずしも必要としないため,第一剥離ライナー,第二剥離ライナーのいずれか又は両方を貫通させて貫通孔を設けてもよい(図2のF)。
貫通孔の大きさについては,分泌される滲出液が通過できる適度な大きさとする限り特に限定する必要はないが,例えば,その孔径を0.05から3.0mm程度とすればよい。
貫通孔の大きさについては,分泌される滲出液が通過できる適度な大きさとする限り特に限定する必要はないが,例えば,その孔径を0.05から3.0mm程度とすればよい。
<<II.医療用保護フィルム材料の使用方法>>>
本発明の医療用保護フィルム材料は,下記の一連の流れで使用が行われる。
(1) 第一剥離ライナーを剥いで,患部に貼る(図1,A→B)。
(2) 患部に貼付された状態で第二剥離ライナーを剥がし,第二粘着層を露出させる(図1,B→C)。
(3) 露出された第二粘着層に,吸収体を貼付する(図1,C→D)。
本発明の医療用保護フィルム材料は,下記の一連の流れで使用が行われる。
(1) 第一剥離ライナーを剥いで,患部に貼る(図1,A→B)。
(2) 患部に貼付された状態で第二剥離ライナーを剥がし,第二粘着層を露出させる(図1,B→C)。
(3) 露出された第二粘着層に,吸収体を貼付する(図1,C→D)。
このような一連の流れで,医療用保護フィルム材料は使用される。このような構成とすることにより,患部の損傷具合(滲出液の分泌量)に応じて,適切な吸収能を有する吸収体を選択することが可能となり,医療用保護フィルム材料の汎用性を向上させる効果を有する。加えて,吸収体は,使用時にのみ粘着層と接するため,製造時の圧着などにより,貫通孔に対応する吸収体部分へ粘着剤が浸潤することを防止することが可能となり,吸収体の吸収能を損なう可能性を減少させるという効果を有する。
また,使用を行う際は上記に限定する必要はなく,先に第二剥離ライナーを剥いで吸収体を接着させた後,第一剥離ライナーを剥いで,患部に貼付して使用しても構わない。
また,使用を行う際は上記に限定する必要はなく,先に第二剥離ライナーを剥いで吸収体を接着させた後,第一剥離ライナーを剥いで,患部に貼付して使用しても構わない。
加えて,本発明の医療用保護フィルム材料を半製品として用いて,最終的な医療用保護フィルム製品の作製に用いることができる。この場合,第二剥離ライナーを剥いで吸収体を貼り合せて最終的な医療用保護フィルム製品としてもよいし,第二剥離ライナーを貼らずに,直接,吸収体を接着させ,最終製品としてもよい(図2のG,H,I)。このような構成とすることにより,フィルム基材が二つの粘着層に挟まれる構成とすることが可能となり,吸収体とフィルム基材の接着性を向上させ,医療用保護フィルムとしての取り扱い性を向上させる効果を有する。
<<III.実施態様>>
[実施態様1]
図2のEは,本発明の医療用保護フィルム材料の実施態様を示した図である。底面側から,第一剥離ライナー,第一粘着層,フィルム基材,第二粘着層,第二剥離ライナーの順に構成され,保護フィルム部材に複数の貫通孔が設けられている。
このような構成とすることにより,使用時に吸収体を接着させる構成とすることが可能となり,患部の損傷具合(滲出液の分泌量)に応じた適切な吸収体を選択することができるため,治療効果の向上が期待できるという効果を有する。
加えて,使用時に吸収体を接着させることにより,フィルム製造時の圧着により貫通孔部分に対応する吸収体に接着剤が浸潤することを防止することが可能となり,吸収体の吸収能を損なう可能性を減少させるという効果を有する。
また,フィルム基材が二つの粘着層に挟まれる構成とすることにより,吸収体とフィルム基材の接着性を向上させることが可能となり,医療用保護フィルムとしての取り扱い性を向上させる効果を有する。
[実施態様1]
図2のEは,本発明の医療用保護フィルム材料の実施態様を示した図である。底面側から,第一剥離ライナー,第一粘着層,フィルム基材,第二粘着層,第二剥離ライナーの順に構成され,保護フィルム部材に複数の貫通孔が設けられている。
このような構成とすることにより,使用時に吸収体を接着させる構成とすることが可能となり,患部の損傷具合(滲出液の分泌量)に応じた適切な吸収体を選択することができるため,治療効果の向上が期待できるという効果を有する。
加えて,使用時に吸収体を接着させることにより,フィルム製造時の圧着により貫通孔部分に対応する吸収体に接着剤が浸潤することを防止することが可能となり,吸収体の吸収能を損なう可能性を減少させるという効果を有する。
また,フィルム基材が二つの粘着層に挟まれる構成とすることにより,吸収体とフィルム基材の接着性を向上させることが可能となり,医療用保護フィルムとしての取り扱い性を向上させる効果を有する。
[実施態様2]
図2のFは,本発明の医療用保護フィルム材料の実施態様を示した図である。底面側から,第一剥離ライナー,第一粘着層,フィルム基材,第二粘着層,第二剥離ライナーの順に構成され,保護フィルム部材および剥離ライナーのすべての層に複数の貫通孔が設けられている。
このような構成とすることにより,使用時に吸収体を接着させる構成とすることが可能となり,患部の損傷具合(滲出液の分泌量)に応じた適切な吸収体を選択することができるため,治療効果の向上が期待できるという効果を有する。
加えて,使用時に吸収体を接着させることにより,フィルム製造時の圧着により貫通孔部分に対応する吸収体に接着剤が浸潤することを防止することが可能となり,吸収体の吸収能を損なう可能性を減少させるという効果を有する。
また,フィルム基材が二つの粘着層に挟まれる構成とすることにより,吸収体とフィルム基材の接着性を向上させることが可能となり,医療用保護フィルムとしての取り扱い性を向上させる効果を有する。
さらに,すべての層を重ね合わせてから貫通孔を開けることにより製造することができることから,製造方法を単純化させ製造時間を短縮することが可能となるとともに,製造コストを減少させる効果を有する。
図2のFは,本発明の医療用保護フィルム材料の実施態様を示した図である。底面側から,第一剥離ライナー,第一粘着層,フィルム基材,第二粘着層,第二剥離ライナーの順に構成され,保護フィルム部材および剥離ライナーのすべての層に複数の貫通孔が設けられている。
このような構成とすることにより,使用時に吸収体を接着させる構成とすることが可能となり,患部の損傷具合(滲出液の分泌量)に応じた適切な吸収体を選択することができるため,治療効果の向上が期待できるという効果を有する。
加えて,使用時に吸収体を接着させることにより,フィルム製造時の圧着により貫通孔部分に対応する吸収体に接着剤が浸潤することを防止することが可能となり,吸収体の吸収能を損なう可能性を減少させるという効果を有する。
また,フィルム基材が二つの粘着層に挟まれる構成とすることにより,吸収体とフィルム基材の接着性を向上させることが可能となり,医療用保護フィルムとしての取り扱い性を向上させる効果を有する。
さらに,すべての層を重ね合わせてから貫通孔を開けることにより製造することができることから,製造方法を単純化させ製造時間を短縮することが可能となるとともに,製造コストを減少させる効果を有する。
[実施態様3]
図2のGは,本発明の医療用保護フィルム製品の実施態様を示した図である。底面側から,第一剥離ライナー,第一粘着層,フィルム基材,第二粘着層,吸収体の順に構成され,保護フィルム部材に複数の貫通孔が設けられている。
実施態様3は,実施態様1に示すような医療用保護フィルム材料を半製品として使用することにより製造することができるし,また,実施態様1の医療用保護フィルム材料を用いず,直接,製造することも可能である。
このように,フィルム基材が二つの粘着層に挟まれる構成とすることにより,吸収体とフィルム基材の接着性を向上させることが可能となり,医療用保護フィルムとしての取り扱い性を向上させる効果を有する。
図2のGは,本発明の医療用保護フィルム製品の実施態様を示した図である。底面側から,第一剥離ライナー,第一粘着層,フィルム基材,第二粘着層,吸収体の順に構成され,保護フィルム部材に複数の貫通孔が設けられている。
実施態様3は,実施態様1に示すような医療用保護フィルム材料を半製品として使用することにより製造することができるし,また,実施態様1の医療用保護フィルム材料を用いず,直接,製造することも可能である。
このように,フィルム基材が二つの粘着層に挟まれる構成とすることにより,吸収体とフィルム基材の接着性を向上させることが可能となり,医療用保護フィルムとしての取り扱い性を向上させる効果を有する。
[実施態様4]
図2のHは,本発明の医療用保護フィルム製品の実施態様を示した図である。底面側から,第一剥離ライナー,第一粘着層,フィルム基材,第二粘着層,吸収体の順に構成され,保護フィルム部材に複数の貫通孔が設けられている。この場合,第二粘着層に熱可塑性接着剤が用いられている。
実施態様4は,実施態様1の医療用保護フィルム材料を用いず,直接,製造される。
このように,フィルム基材が二つの粘着層に挟まれる構成とすることにより,吸収体とフィルム基材の接着性を向上させることが可能となり,医療用保護フィルムとしての取り扱い性を向上させる効果を有する。
また,実施態様4の製造を行う場合,第二粘着層上に吸収体を熱圧着したのち貫通孔を設けることが好ましい。これにより,例え,熱圧着時に貫通孔に対応する吸収体部分へ接着剤が浸潤したとしても,貫通孔が吸収体表面に及んでいることから,これを取り除くことが可能となり,吸収体の吸収能を損なう可能性を減少させる効果を有する。
図2のHは,本発明の医療用保護フィルム製品の実施態様を示した図である。底面側から,第一剥離ライナー,第一粘着層,フィルム基材,第二粘着層,吸収体の順に構成され,保護フィルム部材に複数の貫通孔が設けられている。この場合,第二粘着層に熱可塑性接着剤が用いられている。
実施態様4は,実施態様1の医療用保護フィルム材料を用いず,直接,製造される。
このように,フィルム基材が二つの粘着層に挟まれる構成とすることにより,吸収体とフィルム基材の接着性を向上させることが可能となり,医療用保護フィルムとしての取り扱い性を向上させる効果を有する。
また,実施態様4の製造を行う場合,第二粘着層上に吸収体を熱圧着したのち貫通孔を設けることが好ましい。これにより,例え,熱圧着時に貫通孔に対応する吸収体部分へ接着剤が浸潤したとしても,貫通孔が吸収体表面に及んでいることから,これを取り除くことが可能となり,吸収体の吸収能を損なう可能性を減少させる効果を有する。
[実施態様5]
図2のIは,本発明の医療用保護フィルム製品の実施態様を示した図である。底面側から,第一剥離ライナー,第一粘着層,フィルム基材,第二粘着層,吸収体の順に構成され,保護フィルム部材に複数の貫通孔が設けられている。この場合,第二粘着層に熱可塑性接着剤が用いられている。
実施態様5は,実施態様1の医療用保護フィルム材料を用いず,直接,製造される。加えて,貫通孔が吸収体の一部にまで及ぶ構成となっている。
このように,フィルム基材が二つの粘着層に挟まれる構成とすることにより,吸収体とフィルム基材の接着性を向上させることが可能となり,医療用保護フィルムとしての取り扱い性を向上させる効果を有する。
また,貫通孔が吸収体の一部にまで及ぶ構成となっていることから,例えフィルム製造時の圧着により貫通孔部分に対応する吸収体に接着剤が浸潤したとしてもこの部分を確実に取り除くことが可能となり,吸収体の吸収能を損なう可能性を極めて減少させるという効果を有する。
図2のIは,本発明の医療用保護フィルム製品の実施態様を示した図である。底面側から,第一剥離ライナー,第一粘着層,フィルム基材,第二粘着層,吸収体の順に構成され,保護フィルム部材に複数の貫通孔が設けられている。この場合,第二粘着層に熱可塑性接着剤が用いられている。
実施態様5は,実施態様1の医療用保護フィルム材料を用いず,直接,製造される。加えて,貫通孔が吸収体の一部にまで及ぶ構成となっている。
このように,フィルム基材が二つの粘着層に挟まれる構成とすることにより,吸収体とフィルム基材の接着性を向上させることが可能となり,医療用保護フィルムとしての取り扱い性を向上させる効果を有する。
また,貫通孔が吸収体の一部にまで及ぶ構成となっていることから,例えフィルム製造時の圧着により貫通孔部分に対応する吸収体に接着剤が浸潤したとしてもこの部分を確実に取り除くことが可能となり,吸収体の吸収能を損なう可能性を極めて減少させるという効果を有する。
[試作例]
図3から5は,本発明の医療用フィルム製品の試作例を示した図である。図3が上から見た図,図4が剥離ライナー(第一剥離ライナーに該当)を一部剥がし粘着層(第一粘着層に該当)を露出させた図,図5が図4の一部を拡大した図である。
試作例の医療用保護フィルムは,それぞれ吸収体としてパルプ不織布,第二粘着層としてアクリル系粘着剤,フィルム基材としてポリエステル,第一粘着層としてアクリル系粘着剤,第一剥離ライナーとして紙を用いており,白色の外観を有している。
貫通孔は,孔径が約0.5mm,これが約3mmの間隔で規則正しく設けられている。
図3から5は,本発明の医療用フィルム製品の試作例を示した図である。図3が上から見た図,図4が剥離ライナー(第一剥離ライナーに該当)を一部剥がし粘着層(第一粘着層に該当)を露出させた図,図5が図4の一部を拡大した図である。
試作例の医療用保護フィルムは,それぞれ吸収体としてパルプ不織布,第二粘着層としてアクリル系粘着剤,フィルム基材としてポリエステル,第一粘着層としてアクリル系粘着剤,第一剥離ライナーとして紙を用いており,白色の外観を有している。
貫通孔は,孔径が約0.5mm,これが約3mmの間隔で規則正しく設けられている。
Claims (11)
- フィルム基材と,フィルム基材の底面の第一粘着層と,フィルム基材の上面の第二粘着層とからなり,これら三層を貫通する貫通孔を有する保護フィルム部材と,
この保護フィルム部材の第一粘着層と第二粘着層それぞれに貼付している第一剥離ライナーと第二剥離ライナーとからなることを特徴とする医療用保護フィルム材料
- 前記貫通孔が,第一剥離ライナー,第二剥離ライナーのいずれか又は両方を貫通してなることを特徴とする請求項1に記載の医療用保護フィルム材料
- フィルム基材が,PET,ポリウレタン,シリコーン,オレフィン,ポリエチレン,ポリプロピレン,スチレンのいずれか又は複数から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用保護フィルム材料
- 第一粘着層ならびに第二粘着層に用いられる粘着剤が,シリコーン,アクリル,ウレタン,ゴムのいずれか又は複数から選択されることを特徴とする請求項1から3に記載の医療用保護フィルム材料
- 第一粘着層がシリコーン,第二粘着層がアクリル,ウレタン,ゴムのいずれか又は複数から選択されることを特徴とする請求項1から3に記載の医療用保護フィルム材料
- 請求項1ないし5に記載の医療用保護フィルム材料において,第二剥離ライナーを剥離し,フィルム基材の上面に吸収体を貼付したことを特徴とする医療用保護フィルム製品
- 吸収体に貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の医療用保護フィルム製品
- 吸収体が,レーヨン,パルプ,ポリエステル,ポリプロピレン,セルロース,綿のいずれか又は複数から選択されることを特徴とする請求項6又は7に記載の医療用保護フィルム製品
- フィルム基材と,フィルム基材の底面の第一粘着層と,フィルム基材の上面の第二粘着層と,第二粘着層上に貼付される吸収体からなる医療用保護フィルム製品であって,
フィルム基材と第一粘着層,第二粘着層,これら三層を貫通する貫通孔を有しており,第二粘着層に剥離ライナーが貼付されていることを特徴とする医療用保護フィルム製品
- 第二粘着層が,熱可塑性接着剤であることを特徴とする請求項9に記載の医療用保護フィルム製品
- 第二粘着層上に吸収体を熱圧着したのち貫通孔を設けることにより,貫通孔に対応する吸収体部分への接着剤の流入を減少させたことを特徴とする請求項10に記載の医療用保護フィルム製品
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JP2014149272A JP2016022223A (ja) | 2014-07-22 | 2014-07-22 | 医療用保護フィルム材料ならびに製品 |
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- 2014-07-22 JP JP2014149272A patent/JP2016022223A/ja active Pending
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