JP2016020076A - プレストレス導入集積板 - Google Patents

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Nobuaki Sakurai
信彰 櫻井
林 賢一
Kenichi Hayashi
賢一 林
健太郎 蓑和
Kentaro Minowa
健太郎 蓑和
田中 宏明
Hiroaki Tanaka
宏明 田中
靖 宮竹
Yasushi Miyatake
靖 宮竹
展彰 鳥羽
Nobuaki Toba
展彰 鳥羽
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Abstract

【課題】CLTのような集積板の耐荷性を向上させることのできるプレストレス導入集積板を提供すること。【解決手段】板の繊維方向が交互に直交するようにして、かつ板の広幅面同士が接触するようにして複数の板(単板1a)が積層され、広幅面同士が相互に接着されてなる、二つの広幅面と四つの端面から構成される六面体の集積板1において、少なくとも一組の対向する端面の間を複数の貫通孔が貫通し、それぞれの貫通孔に緊張材2Aが配設され、緊張材2Aを介して、広幅面の面内の少なくとも一方向にプレストレスが導入されているプレストレス導入集積板10である。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の木質板が積層され、プレストレスが導入されている集積板に関するものである。
鉄筋コンクリート構造では設計が困難な大スパン架構や積載荷重の大きな構造物に対し、ひび割れの制御をも可能とした構造形態として、プレストレストコンクリート構造が一般に用いられている。このプレストレストコンクリート構造では、梁等の構造部材に高強度の緊張材(PC鋼線、PC鋼より線、PC鋼棒)を配設し、これを油圧ジャッキ等で緊張することでコンクリートに圧縮力を付与し、構造部材の耐荷性や耐ひび割れ性を向上させることができる。
ところで、このプレストレスを、木造建築物の骨格をなす木質スラブ(床や壁)形成用の集積板に導入し、集積板の耐荷性を高めることもおこなわれており、たとえば特許文献1において、プレストレスが導入された木橋に関する技術の開示がある。
より具体的には、多数の長尺集成材が前後及び左右に当接及び密接して千鳥状に並設されてなる床版体と、その集成材床版体の厚みの中央部に床版面に平行で集成材の繊維方向に直交して穿設された多数の貫通孔と、貫通孔に貫挿されたPC鋼棒と、PC鋼棒の両端に配設された木製の定着板を用いた定着具とから構成され、定着具を介してPC鋼棒及び集成材床版体にプレストレスが導入されてなるプレストレス木床版を木橋の床版に採用したものである。
このように、特許文献1で開示されるプレストレス木床版は、積層した板の積層方向にプレストレスを導入するものである。このことは、特許文献1の図9を参照することにより、木造建築物の全体に対してプレストレスがどのように導入されるのかが容易に理解できる。しかし、このように積層した板の積層方向にプレストレスを導入する形態を、一般のスラブ材に適用することはできない。
なぜなら、一般の集積板からなるスラブ材は、板の繊維方向が交互に直交するようにして、かつ板の広幅面同士が接触するようにして複数の板が積層され、広幅面同士が相互に接着されてその全体が構成されているからである。このような集積板に対して特許文献1に記載の方向で緊張材を配し、プレストレスを導入する場合、集積板の広幅面に多数の短尺な緊張材を配設することになり、プレストレスの導入に関して非効率で見栄えの悪い集積板になってしまう。
上記する集積板として、クロスラミネイテッドティンバー(CLT)が一般に知られている。この集積板は、圧縮力に強く、引張力に弱い特性があることから、CLTにおいても、引張力によってその耐力が決定する。また、CLTは面内力には比較的強いものの、面外力に対しては変形が大きくなることから、これを床材や壁材、屋根材に適用する際には梁材等で補強する必要がある。
特開2000−226811号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、CLTのような集積板の耐荷性を向上させることのできるプレストレス導入集積板を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明によるプレストレス導入集積板は、板の繊維方向が交互に直交するようにして、かつ板の広幅面同士が接触するようにして複数の板が積層され、広幅面同士が相互に接着されてなる、二つの広幅面と四つの端面から構成される六面体の集積板において、少なくとも一組の対向する端面の間に複数の貫通孔が形成され、それぞれの貫通孔に緊張材が配設され、前記緊張材を介して、広幅面の面内の少なくとも一方向にプレストレスが導入されているものである。
本発明のプレストレス導入集積板は、集積板の広幅面の面内の少なくとも一方向にプレストレスが導入されているものであり、したがって、特許文献1で開示されるプレストレス木床版と異なり、床材や壁材、屋根材を構成する集積板一般に適用が可能なものである。
導入されるプレストレスは、ポストテンション方式でもプレテンション方式でもよい。ポストテンション方式の場合は、集積板が組み付けられ、プレストレスが導入された施工段階で本発明のプレストレス導入集積板が形成される。一方、プレテンション方式の場合は、工場等で集積板が製作された段階で本発明のプレストレス導入集積板が形成される。なお、ポストテンションにてプレストレスが導入される場合は、プレストレス導入後の緊張材の端部が締付け金具等で固定される。一方、プレテンションにてプレストレスが導入される場合は、貫通孔に緊張材を配して緊張材を緊張した後、貫通孔に接着剤を注入等し、緊張材の硬化を待って緊張材を解放することで集積板にプレストレスを付与することができる。
集積板は広幅面を有する六面体であり、広幅面の形状は正方形もしくは長方形が一般的であるが、端面同士が直交しない菱形等の四角形であってもよい。
ここで、「板の繊維方向が交互に直交するようにして」に関し、「板の繊維方向」とは、板の繊維方向を細かく見た際には当然に蛇行しているものの、繊維方向を包括的もしくは概略的に見た際には平面視長方形の板において、その長手方向、もしくは短手方向に繊維方向があることを意味している。すなわち、そのように板を加工する。また、平面視正方形の板に関しては、直交2方向のいずれかの方向が繊維方向であることを原則とするものである。
また、「広幅面の面内の少なくとも一方向にプレストレスが導入されている」には、以下、多様な形態が包含される。
一つの形態は、二組四つの端面のうちの一組二つの対向する端面間に複数の緊張材が配設されている形態である。この形態では、集積板の任意の同じ厚みレベルに全ての緊張材が配設されている。
また、他の形態は、二組四つの端面のうちの一組二つの対向する端面間に複数の緊張材が配設されている形態であって、集積板の厚み方向で上下二段の二つのレベルにそれぞれ複数の緊張材が配設されている。
また、他の形態は、二組四つの端面のうちの一組二つの対向する端面間に複数の緊張材が配設され、他の一組二つの対向する端面間に別途の複数の緊張材が配設され、これら二種の緊張材が90度に直交していたり、90度以外の角度で交差している形態である。
この形態ではさらに、集積板の厚み方向のたとえば下方領域(厚みの中央レベルよりも下方の領域)に二段の緊張材が直交する態様で配設されている形態が好適である。たとえば集積板が床材として適用される場合、集積板の自重や集積板に載荷される上載荷重によって集積板が下方に撓むことが想定されるため、集積板の下方領域に直交する二段の緊張材を介してプレストレスを面内に導入することで集積板に上方へのむくりを生じさせ、このむくりによって下方への撓みを抑制でき、この撓みに起因する曲げモーメントの低減を図ることができる。
さらに、その他の形態としては、集積板の厚みが比較的厚い場合に、厚み方向に三段以上の緊張材が配設された形態(二段の緊張材同士が互いに直交し、これらに対して他の一段の緊張材が45度の角度で交差した形態)や、厚み方向の上方領域、下方領域のそれぞれにおいて、直交する二方向に二段の緊張材が配設された形態(よって合計四段の緊張材を配設する形態)などがある。
なお、このように、集積板の厚み方向の上方領域、下方領域のそれぞれにおいて、直交する二方向に二段の緊張材が配設された形態においても、この集積板を床材として使用する場合は、上方領域の緊張材に導入するプレストレスに比して下方領域の緊張材に導入するプレストレスを相対的に大きくすることで、集積板の下方領域に生じ得る曲げモーメントに対抗でき、かつ下方への集積板の撓みを解消できる効果的なプレストレスを集積板に導入可能となる。
ここで、緊張材には、PC鋼線やPC鋼より線、PC鋼棒、異径棒鋼や丸鋼などが適用される。
また、貫通孔は、集積板の厚み方向の途中レベルに設けられ、たとえば対向する二つの端面間を貫通する孔であるが、その加工方法は多義に亘る。たとえば集積板と同じ面積の広幅面を有する板を繊維方向が交互に直交するようにして積層してなる集積板に対し、集積板の対向する端面間にドリルで貫通孔を加工する方法がある。
また、繊維方向が長手方向である細幅の分割板を接着剤を介して横に並べて一枚の板を形成し、これに直交する方向に別途の細幅の分割板を接着剤を介して横に並べて一枚の板を形成し、これを交互に繰り返して集積板を形成する加工方法がある。この加工方法では、細幅の分割板を横に並べる際に途中に分割板の無い歯抜け部を設けることで、集積板が形成された際にこの歯抜け部を貫通孔にすることができる。
なお、このような集積板の加工方法では、複数の板を所定段数積層した状態で、集積板を上下から押圧することにより、横に並んだ細幅の分割板間の接着剤が分割板の上下面に回り込み、この回り込んだ接着剤にて積層する板同士の接着を図ることができ、したがって、細幅の分割板が上下左右に相互に接着されてなる集積板が形成されることになる。
以上の説明から理解できるように、本発明のプレストレス導入集積板によれば、板の繊維方向が交互に直交するようにして、かつ板の広幅面同士が接触するようにして複数の板が積層され、広幅面同士が相互に接着されてなる、二つの広幅面と四つの端面から構成される六面体の集積板において、広幅面の面内の少なくとも一方向にプレストレス力が導入されていることにより、床材や壁材、屋根材を構成する一般的な集積板において耐荷性や曲げ耐力を向上させることができ、撓みの低減を図ることができる。
本発明のプレストレス導入集積板の実施の形態1の斜視図である。 プレストレス導入集積板の製作方法の実施の形態1を説明した模式図である。 プレストレス導入集積板の製作方法の実施の形態2を説明した模式図である。 プレストレス導入集積板の製作方法の実施の形態3を説明した模式図である。 プレストレス導入集積板の製作方法の実施の形態4を説明した模式図である。 本発明のプレストレス導入集積板の実施の形態2の斜視図である。 本発明のプレストレス導入集積板の実施の形態3の斜視図である。 本発明のプレストレス導入集積板の実施の形態4の斜視図である。 集積板に緊張材を配設し、さらにプレストレスを導入することの効果を検証した解析で適用したモデル図である。 解析結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明のプレストレス導入集積板の実施の形態を説明する。なお、図示するプレストレス導入集積板の各実施の形態はいずれも、板厚が同じ複数の単板1a,1a’を積層した形態を示しているが、厚みの異なる単板を積層した形態であってもよい。
(プレストレス導入集積板の実施の形態1および製作方法の実施の形態1〜4)
図1はプレストレス導入集積板の実施の形態1を示した斜視図であり、図2はプレストレス導入集積板の製作方法の実施の形態1を説明した模式図である。
図1で示すプレストレス導入集積板10(実施の形態1)は、広幅面を有する複数の単板1aが、それぞれの繊維方向が交互に直交するようにして、かつ板の広幅面同士が接触するようにして積層され、単板1a同士が接着剤にて接着されてなる集積板1と、この集積板1にプレストレスを導入する緊張材2Aとから構成されている。ここで、この集積板1はクロスラミネイテッドティンバー(CLT)である。
図示するプレストレス導入集積板10は、壁材、床材、屋根材のいずれに適用されてもよいが、特に図示例のプレストレス導入集積板10は、その下方領域に緊張材2Aが配設されていることから、床材に好適である(理由は後述)。
単板1aは、広幅面を有する1枚の板であってもよいし、図2で示すように複数の細長の分割板1a’が接着されて構成された板であってもよい。
この集積板1の有する四つの端面のうち、対向する二つの端面1b、1c間には、集積板1の厚み方向で同じレベルに複数の貫通孔が開設され、各貫通孔に緊張材2Aが配設されている。
ここで、緊張材2Aとしては、PC鋼線やPC鋼より線、PC鋼棒、異径棒鋼や丸鋼のうちのいずれか一種もしくは二種以上が適用できる。
また、緊張材2Aを緊張し、集積板1にプレストレスを導入する方式は、プレテンション方式であってもポストテンション方式であってもよい。
貫通孔は、集積板1製作後に対向する二つの端面1b、1c間をドリル加工して形成してもよいし、図2のように分割板1b間に歯抜け部1fを設けておき、この歯抜け部1fを貫通孔としてもよい。
ここで、以下、図2〜5を参照して集積板の製作方法の実施の形態1〜4を説明する。
<製作方法の実施の形態1>
図2は、集積板の製作方法の実施の形態1を説明した模式図である。同図で示す製作方法は、一つのレベルに貫通孔を具備する、すなわち、貫通孔を一段備えた集積板を製作する方法であり、しかも、複数の分割板1a’から製作された単板1aを使用して集積板を製作する方法である。まず、複数の細長の分割板1a’の端面に接着剤を塗布しておき、相互に端面同士を密着させながら一枚の単板1aを製作する。ここで、分割板1a’の長手方向は板の繊維方向である。
次に、別途の複数の細長の分割板1a’の端面に接着剤を塗布し、既に製作済みの単板1aと繊維方向が直交する方向に別途の複数の細長の分割板1a’を載せていく(図2のX1方向)。
この二段目の単板1aの製作においては、分割板1a’を連続して接着していくのではなくて、所定の間隔で分割板1a’の無い歯抜け部1fを設けるようにして別途の分割板1a’を載せていく。
次に、三段目の単板1aは、一段目と同様に分割板1a’を連続して接着して単板1aを製作し、これを二段目の単板1aの上に繊維方向が直交するように載せていく(図2のX2方向)。
このように、3枚の単板1aを積層させた際に、歯抜け部1fは貫通孔となる。
以上の加工を所定段数まで繰り返し(ただし、貫通孔を設けたいレベルに応じて上記二段目の加工が実施される)、単板1aが所定段数積層した状態で上下から加圧することにより、分割板1a’間にある接着剤は分割板1a’の上下面に回り込み、この回り込んだ接着剤にて上下の単板1a同士が接着され、所定の厚みレベルに所定数の貫通孔を備えた集積板1が製作される。
集積板1に対し、プレストレスをポストテンションにて導入する場合は、集積板1を他の集積板(床材、壁材、屋根材、梁材等)と組み付けた後、貫通孔に緊張材2Aを挿通し、緊張材2Aを油圧ジャッキ等で緊張し、緊張材2Aの端部を不図示の締付け金具等で固定することにより、プレストレスが集積板1に導入されてプレストレス導入集積板10が形成される。
すなわち、ポストテンションにて集積板1にプレストレスを導入する場合は、木造建築物等の施工において集積板同士を組み付け、緊張材2Aを配設して緊張し、締付け金具等で締め付けた段階ではじめて図示するプレストレス導入集積板10が形成される。
一方、集積板1に対してプレストレスをプレテンションにて導入する場合は、工場等において、集積板1を不図示の枠状の反力架台内に配設し、緊張材2Aを貫通孔に挿通し、緊張材2Aの端部を油圧ジャッキ等で緊張した状態で、貫通孔内に接着剤を注入し、接着剤の硬化を待って緊張材2Aの端部を切断することにより、プレストレスを集積板1に導入してプレストレス導入集積板10を製作する。
プレテンション方式のプレストレス導入集積板10を使用する場合は、プレストレスがポストテンションにて導入されているプレストレス導入集積板を使用する場合に比して、木造構造物の施工効率を格段に向上させることができ、締付け金具等のプレストレス保持部品を不要とでき、部材同士の接合箇所の納まりもシンプルで見栄えの良好な接合構造を施工できる。
また、図1で示すプレストレス導入集積板10が床材に適用された場合、集積板の自重や載荷される上載荷重(図1における矢印q)によってプレストレス導入集積板10が下方に撓み、この撓みによって集積板下方領域には曲げモーメントが生じる。
そこで、図示例のように集積板1の下方領域に緊張材2Aを配設し、プレストレスを導入することで、集積板1には上方へのむくりが生じ、このむくりによって下方への撓みが相殺される。そして、下方への撓みが低減される、もしくは解消されることでこれに起因する曲げモーメントも低減もしくは解消することができる。
このように、プレストレス導入集積板10を床材として適用する場合には、集積板1の下方領域に緊張材2Aを配設するのが好適である。
<集積板の製作方法の実施の形態2>
図3は、集積板の製作方法の実施の形態2を説明した模式図である。なお、製作方法の実施の形態2〜4においては、緊張材の配設方法やプレストレスの導入方法の説明を省略する。
同図で示す製作方法は、貫通孔を一段備えた集積板を製作する方法であるものの、図2で示す方法とは異なる製作方法である。複数の分割板1a’から構成される単板1aを複数用意し、各単板1aの繊維方向を変化させながらたとえば図示例のように三つの単板1aを相互に接着させながら積層して単板ユニット1aaを製作し、単板ユニット1aaの端面に半割り溝1g’を形成しておく。
上下2つの単板ユニット1aaを製作し、双方の半割り溝1g’を具備する端面同士で当接させ、接着させることにより、双方の端面の対応する半割り溝1g’同士が溝1gを形成して貫通孔を成し、複数の貫通孔1gを具備する集積板を製作するものである。
<集積板の製作方法の実施の形態3>
図4は、集積板の製作方法の実施の形態3を説明した模式図である。
同図で示す製作方法は、貫通孔を二段備えた集積板を製作する方法である。図3で示す2つの単板ユニット1aaの他に、上下の端面に複数の半割り溝1g’が形成された単板ユニット1abを用意する。単板ユニット1abを中央に配し、2つの単板ユニット1aaを単板ユニット1abの上下面にそれぞれ対応する半割り溝1g’同士が溝1gを形成するように配し、単板ユニット1aa、1abを接着することによって、二段の貫通孔を備えた集積板を製作するものである。
<集積板の製作方法の実施の形態4>
図5は、集積板の製作方法の実施の形態4を説明した模式図である。
同図で示す製作方法は、相互に直交する貫通孔を二段備えた集積板を製作する方法である。図3で示す2つの単板ユニット1aaは半割り溝1g’を具備していたが、これに代わり、溝1gを端面に備えた2つの単板ユニット1ac同士を双方の溝1gが直交するようにして上下の端面同士を接着することにより、直交する貫通孔を備えた集積板を製作する、ものである。
(プレストレス導入集積板の実施の形態2)
図6はプレストレス導入集積板の実施の形態2を示した斜視図である。
図示するプレストレス導入集積板10Aは、集積板1の下方領域において、対向する端面1b、1c間に緊張材2Aを配設し、さらに、他の対向する端面1d、1e間に緊張材2Bを緊張材2Aと直交するように、かつ段違いに配設し、それぞれの緊張材2A,2Bを緊張してプレストレスが集積板1に導入されたものである。
このように直交する二方向にプレストレスが導入されていることで、上記する集積板1の撓み抑制効果、曲げモーメント低減効果が一層高まり、たとえば大きな上載荷重が予想される床材に適用される場合に、図示するプレストレス導入集積板10Aは好適である。
(プレストレス導入集積板の実施の形態3,4)
図7,8はそれぞれ、プレストレス導入集積板の実施の形態3、実施の形態4を示した斜視図である。
図7で示すプレストレス導入集積板10Bは、集積板1の下方領域に直交二方向に延びる緊張材2A,2Bを段違いに配設することに加えて、上方領域においても直交二方向に延びる緊張材2C,2Dを段違いに配設し、これら計四段の緊張材2A〜2Dを緊張してプレストレスを導入したものである。
このように集積板1の厚みの全領域に緊張材を配してプレストレスが導入されていることから、プレストレス導入集積板10Bは特に2つの広幅面のいずれの方向からも外力が付与され得る壁材に好適である。
一方、図8で示すプレストレス導入集積板10Cは、単板1aの繊維方向に対して二段の緊張材2E,2Fが45度傾斜した方向に配設され、プレストレスが導入されている。
このように45度方向に緊張材2E,2Fが配設され、プレストレスが導入されていることで、この緊張材2E,2Fが壁材に適用される斜材(ブレス材)の役割を担いながら、プレストレス導入によって剛性の高い壁材となる。
なお、図示するプレストレス導入集積板10Cに対し、下方領域にも別途の二段の斜め方向に延びる緊張材を配設してもよいし、直交二方向の緊張材をさらに配設してもよい。
[集積板に緊張材を配設し、さらにプレストレスを導入することの効果を検証した解析とその結果]
本発明者等は、集積板に緊張材を配設した際の効果と、さらにこの緊張材を介して集積板にプレストレスを導入した際の効果を検証する解析をおこなった。コンピュータ内で作成した解析モデルおよび等分布荷重の載荷態様を図9に示す。また、解析モデルの物性条件を以下の表1とした。
Figure 2016020076
解析結果を図10に示す。同図より、木質材のみの場合に比して、木質材に緊張材を配設しただけで木質材の剛性向上が確認された。
この緊張材に緊張力30kNを導入して木質材にプレストレスを導入することで、木質材にむくりが生じた。このむくりは、木質材が下方へ撓もうとする際の撓みの低減もしくは解消に繋がるものである。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…集積板、1a…単板、1a’…分割板、1aa,1ab,1ac…単板ユニット、1b、1c、1d、1e…端面、1f…歯抜け部、1g…溝(貫通孔)、2A,2B,2C,2D,2E,2F…緊張材、10,10A,10B,10C…プレストレス導入集積板(床材、壁材、屋根材)

Claims (4)

  1. 板の繊維方向が交互に直交するようにして、かつ板の広幅面同士が接触するようにして複数の板が積層され、広幅面同士が相互に接着されてなる、二つの広幅面と四つの端面から構成される六面体の集積板において、
    少なくとも一組の対向する端面の間に複数の貫通孔が形成され、
    それぞれの貫通孔に緊張材が配設され、
    前記緊張材を介して、広幅面の面内の少なくとも一方向にプレストレスが導入されている、プレストレス導入集積板。
  2. 二組の対向する端面の間のそれぞれに複数の貫通孔が形成され、
    それぞれの貫通孔に緊張材が配設され、
    それぞれの緊張材を介して、広幅面の面内の交差する二方向にプレストレスが導入されている、請求項1に記載のプレストレス導入集積板。
  3. 前記交差する二方向が直交している請求項2に記載のプレストレス導入集積板。
  4. 対向する端面の間に上下2段の貫通孔が形成され、
    それぞれの貫通孔に緊張材が配設され、それぞれの緊張材を介してプレストレスが導入されている、請求項1〜3のいずれかに記載のプレストレス導入集積板。
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