JP2016018657A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】円偏波の度合いを最適に制御できるプラズマ処理装置の提供とプラズマ処理方法を確立する。
【解決手段】プラズマ処理装置は、円形導波管内に設けられ、処理室内の負荷の反射係数を測定する反射係数測定器204と、負荷の反射係数の変化に対応して円偏波を発生する特性可変の円偏波発生器202と、反射係数測定器204からの測定結果を入力信号として受け取り、特性制御用の出力信号を算出して、円偏波発生器202に出力する制御装置208と、を備える。そして、制御装置208は、入力信号に対する円偏波発生器202の挙動を算出するためのテーブルまたは数値モデルを保存する記憶部207と、テーブルの参照または数値モデルによる特性計算により円偏波発生器202の特性を可変する出力信号を出力する円偏波発生制御機206と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマ処理技術に関し、特に、円偏波の電磁波により処理室内にプラズマを発生させ、この処理室内の被処理基板に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置、およびこのプラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法に関する。
プラズマ処理装置の一例として、マイクロ波プラズマエッチング装置がある。このマイクロ波プラズマエッチング装置では、プラズマ処理室に、プラズマ発生用の電磁波としてマイクロ波が供給される。このプラズマ処理室には、処理ガスの供給系と真空排気系が接続されており、プラズマ処理室は処理に適した圧力とガス雰囲気に制御されている。
このようなプラズマ処理装置は、半導体集積回路素子の生産に用いられている。半導体集積回路素子の生産では、素子の性能向上とコスト低減のため、素子の微細化が進展してきている。従来は、素子の2次元的な微細化により、1枚の被処理基板より製造できる素子数が増加して素子1個当たりの製造コストが下がると同時に、配線長短縮などの効果で性能向上も図れてきている。しかし、2次元的な微細化の限界が近づいているといわれており、新材料や3次元的な素子構造の適用など、対応が為されている。これらの構造変更により、製造の難易度は増し、製造コストの増大が深刻な問題となっている。
また、製造コストの低減を図るために、被処理基板を現在主流の直径300mmから450mmに拡大する動きがある。これによれば、面積が2.25倍となるので、被処理基板当たりの製造コストが同等であれば、面積増加で多くの素子が製造できるのでコスト低減につながるためである。
例えば、プラズマ発生用電磁波としてマイクロ波を用いたプラズマ処理装置において、円偏波化したマイクロ波を用いることで均一なプラズマ処理を行えることが、特許文献1や特許文献2に示されている。
特許文献1や特許文献2には、プラズマ処理室の負荷が変動しても、これに対応して円偏波の度合いを最適に調整することのできる特性可変の円偏波発生器が開示されている。さらに、特許文献1には、円偏波の度合いをその場で測定できるモニタ装置も開示されており、制御装置等との組み合わせで円偏波の度合いを最適に調整できることが述べられている。
特開2011−77292号公報 特開2011−176146号公報
上述した前記特許文献1では、特性可変の円偏波発生器に加えてモニタ装置も開示されているが、円偏波の度合いを最適に制御する方法について、開示が十分になされていなかった。
本発明の代表的な目的は、円偏波の度合いを最適に制御できるプラズマ処理装置の提供とプラズマ処理方法を確立することである。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
(1)代表的なプラズマ処理装置は、円偏波の電磁波により処理室内にプラズマを発生させ、前記処理室内の被処理基板に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置である。前記プラズマ処理装置は、前記円偏波の電磁波を前記処理室内に伝播させる円形導波管と、前記円形導波管内に設けられ、前記処理室内の負荷の反射係数を測定する反射係数測定器と、前記負荷の反射係数の変化に対応して前記円偏波を発生する特性可変の円偏波発生器と、前記反射係数測定器からの測定結果を入力信号として受け取り、特性制御用の出力信号を算出して、前記円偏波発生器に出力する制御装置と、を備える。そして、前記制御装置は、前記入力信号に対する前記円偏波発生器の挙動を算出するためのテーブルまたは数値モデルと、前記テーブルの参照または前記数値モデルによる特性計算により前記円偏波発生器の特性を可変する出力信号を出力する円偏波発生制御機と、を有する。
より好ましくは、前記プラズマ処理装置は、前記円形導波管内に設けられ、前記円偏波の度合いを測定する円偏波検出器をさらに備える。そして、前記制御装置は、前記反射係数測定器からの測定結果と、前記円偏波検出器からの測定結果とを入力信号として受け取り、特性制御用の出力信号を算出して前記円偏波発生器に出力する。
(2)代表的なプラズマ処理方法は、前記プラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法である。そして、前記制御装置による処理として、前記円偏波発生器に初期パラメータを設定する第1ステップと、前記反射係数測定器で測定した負荷の反射係数から円偏波の度合いを最適化するパラメータをテーブルから検索するか、または数値モデルにより最適なパラメータを計算し、このパラメータを決定する第2ステップと、前記第2ステップで決定したパラメータを前記円偏波発生器に適用して制御する第3ステップと、を含む。
より好ましくは、前記第2ステップでは、前記反射係数測定器で測定した負荷の反射係数と、前記円偏波検出器で測定した円偏波の度合いとから円偏波の度合いを最適化するパラメータをテーブルから検索するか、または数値モデルにより最適なパラメータを計算し、このパラメータを決定する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
代表的な効果は、円偏波の度合いを最適に制御できるプラズマ処理装置の提供とプラズマ処理方法を確立することができる。この結果、プラズマ処理条件を変更しても、常に円偏波の度合いを自動的に最適化でき、プラズマ処理の均一性を容易に確保できる効果がある。
本発明の一実施の形態であるプラズマエッチング装置の構成の一例を示す概略図である。 図1のプラズマエッチング装置において、マイクロ波導入系と円偏波発生制御機構の構成の一例を示すブロック図である。 図1のプラズマエッチング装置において、円偏波検出器および反射係数測定器の一例を示す断面図である。 図3の円偏波検出器および反射係数測定器の一例を示す側面図である。 図1のプラズマエッチング装置において、円形導波管のTE11モードの電界分布の一例(電界ベクトルが縦方向)を示す図である。 図1のプラズマエッチング装置において、円形導波管のTE11モードの電界分布の一例(電界ベクトルが横方向)を示す図である。 図1のプラズマエッチング装置において、円偏波検出器で検出される電界の大きさを表す式のパラメータを求めた結果の一例を示す図である。 図1のプラズマエッチング装置において、反射係数測定器で負荷の反射係数を求めた結果の一例を示す図である。 図1のプラズマエッチング装置において、負荷の反射係数と誘電体板の挿入長の最適値のテーブルの一例を示す図である。 図1のプラズマエッチング装置において、円偏波の度合いを最適化する処理の一例を示すフローチャートである。
以下の実施の形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
[実施の形態の概要]
まず、実施の形態の概要について説明する。本実施の形態の概要では、一例として、括弧内に実施の形態の対応する構成要素の符号等を付して説明する。
(1)本実施の形態の代表的なプラズマ処理装置は、円偏波の電磁波により処理室内にプラズマを発生させ、前記処理室内の被処理基板に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置である。前記プラズマ処理装置は、前記円偏波の電磁波を前記処理室内に伝播させる円形導波管(円形導波管105)と、前記円形導波管内に設けられ、前記処理室内の負荷の反射係数を測定する反射係数測定器(反射係数測定器204)と、前記負荷の反射係数の変化に対応して前記円偏波を発生する特性可変の円偏波発生器(円偏波発生器202)と、前記反射係数測定器からの測定結果を入力信号として受け取り、特性制御用の出力信号を算出して、前記円偏波発生器に出力する制御装置(制御装置208)と、を備える。そして、前記制御装置は、前記入力信号に対する前記円偏波発生器の挙動を算出するためのテーブルまたは数値モデル(記憶部207)と、前記テーブルの参照または前記数値モデルによる特性計算により前記円偏波発生器の特性を可変する出力信号を出力する円偏波発生制御機(円偏波発生制御機206)と、を有する。
より好ましくは、前記プラズマ処理装置は、前記円形導波管内に設けられ、前記円偏波の度合いを測定する円偏波検出器(円偏波検出器203)をさらに備える。そして、前記制御装置は、前記反射係数測定器からの測定結果と、前記円偏波検出器からの測定結果とを入力信号として受け取り、特性制御用の出力信号を算出して前記円偏波発生器に出力する。
(2)本実施の形態の代表的なプラズマ処理方法は、前記プラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法である。そして、前記制御装置による処理として、前記円偏波発生器に初期パラメータを設定する第1ステップ(ステップS1)と、前記反射係数測定器で測定した負荷の反射係数から円偏波の度合いを最適化するパラメータをテーブルから検索するか、または数値モデルにより最適なパラメータを計算し、このパラメータを決定する第2ステップ(ステップS3)と、前記第2ステップで決定したパラメータを前記円偏波発生器に適用して制御する第3ステップ(ステップS4)と、を含む。
より好ましくは、前記第2ステップでは、前記反射係数測定器で測定した負荷の反射係数と、前記円偏波検出器で測定した円偏波の度合いとから円偏波の度合いを最適化するパラメータをテーブルから検索するか、または数値モデルにより最適なパラメータを計算し、このパラメータを決定する。
以下、上述した実施の形態の概要に基づいた一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図(側面図)であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
[一実施の形態]
本実施の形態においては、本発明のプラズマ処理装置の一例としてのプラズマエッチング装置、およびこのプラズマエッチング装置におけるプラズマエッチング方法について説明する。また、本実施の形態は、本発明者が以前に出願した前述の特許文献1や特許文献2記載の技術を用いると共に、円偏波の度合いを最適に制御できる装置の提供と方法を確立するために改善されたものである。よって、本実施の形態では、特許文献1や特許文献2記載の技術を用いるとの記載により、特許文献1や特許文献2記載の技術までも含めるものとする。
<プラズマエッチング装置>
図1は、本実施の形態であるプラズマエッチング装置の構成の一例を示す概略図である。
プラズマエッチング装置は、マイクロ波源101、自動整合機102、方形導波管103、方形円形導波管変換機104、円形導波管105、空洞共振部106、マイクロ波導入窓107、シャワープレート108、ガス供給系109、プラズマ処理室110、被処理基板111、基板電極112、自動整合機113、バイアス電源114、バルブ115、圧力制御機構116、真空排気系117、アイソレータ118、内筒121、アース電極122などから構成される。
プラズマエッチング装置において、マイクロ波源101で発生したマイクロ波は、アイソレータ118、自動整合機102、方形導波管103、方形円形導波管変換機104を介して、円形導波管105に伝送される。方形円形導波管変換機104は、一方が方形導波管103に接続され、他方が円形導波管105に接続され、導波管の方向を90度曲げるコーナー部も兼ねている。自動整合機102は、負荷インピーダンスを調整して反射波を自動的に抑制する。マイクロ波源101としては、発振周波数2.45GHzのマグネトロンを用いた。また、マイクロ波源101の保護のためにアイソレータ118を用いて、反射波がマイクロ波源101に入射することを抑制した。
円形導波管105は、空洞共振部106に接続される。円形導波管105内には、後述の円偏波発生器202、円偏波検出器203、反射係数測定器204が備えられている。円形導波管105は、最低次のモードであるTE11モードのみが伝播できる直径とした。これにより、他の伝播モードが混入しないので、マイクロ波の電磁界が安定する効果がある。空洞共振部106は、マイクロ波電磁界分布をプラズマ処理に適した分布に調整する働きを持つ。
空洞共振部106の下部には、マイクロ波導入窓107、シャワープレート108を介して、プラズマ処理室110が備えられている。シャワープレート108は、プラズマ処理室110に発生するプラズマに直接曝されるため、プラズマ耐性が高く、プラズマ処理に悪影響を及ぼさない材質であることが望ましい。マイクロ波導入窓107、シャワープレート108の材質としては、マイクロ波を効率よく透過し、プラズマ処理室を気密に保持する材料として石英を用いた。
マイクロ波導入窓107とシャワープレート108の間には図示しない微小な間隙が設けられており、この間隙には、プラズマ処理に用いる処理ガスがガス供給系109より供給される。シャワープレート108には図示しない微細なガス供給孔が複数設けられ、ガス供給系109より供給された処理ガスをガス供給孔からプラズマ処理室110にシャワー状に供給する。
プラズマ処理室110内には、被処理基板111を戴置するための基板電極112が設置されている。基板電極112には、被処理基板111にRFバイアス電力を供給するために、自動整合機113を介してバイアス電源114が接続されている。バイアス電源の周波数は、400kHzとした。
また、プラズマ処理室110内には、基板電極112に印加するRFバイアスのアースとなるアース電極122が設けられている。さらに、プラズマ処理室110内には、このプラズマ処理室110の内面を保護するために、内筒121が設けられている。このプラズマ処理室110内で処理される被処理基板111としては、直径450mmのものを用いた。
プラズマ処理室110には、バルブ115、圧力制御機構116を介して、真空排気系117が接続されている。また、プラズマ処理室110には、処理室圧力を測定するための図示しない圧力計が接続されている。圧力制御機構116と圧力計により、真空排気系117の排気速度を調整することができる。また、ガス供給系109より供給される処理ガスの排気速度を制御して、プラズマ処理室110の圧力を制御することができる。
ここで、円形導波管105を介してプラズマ処理室110に供給される電磁波(マイクロ波)の円偏波について簡単に説明する。偏波面とは、電磁波の進行方向と電界ベクトルの方向からなる面を指す。以下、偏波面に関して電界ベクトルは導波管の中心軸上で定義するものとする。また、円偏波とは、偏波面が時間的に回転する電磁波を指す。一方、偏波面が回転しない電磁波を直線偏波と呼ぶ。 円偏波では、電界ベクトルの終点がなす軌跡が円または楕円となり、直線偏波の場合は直線となる。楕円となる場合を楕円偏波と呼ぶ場合がある。
円偏波は、例えば、偏波面が直行する2つの等振幅の直線偏波を、位相を90度ずらして重ね合わせることで生成できることが知られている。円偏波発生のために2つの直線偏波を重ね合わせる場合、偏波面が直交することは必ずしも必須でなく、他の角度であっても振幅および位相を調整することで円偏波を発生させることができる。また、2つの直線偏波の重ね合わせだけでなく、3つ以上の直線偏波を重ね合わせることにより、円偏波を発生させることができる。
本実施の形態では、円形導波管105内に、プラズマの状態変動に対応して円偏波の度合い(真円度)を最適化して、プラズマ処理の均一性を高めることのできる特性可変の円偏波発生器を設けている。すなわち、異なる偏波面を持つ複数のモードが同時に伝播できる導波路内に各モードの位相および振幅を調整可能な機構を設けることにより、常に真円度の高い円偏波を得ることのできる構造を持つ。
円偏波の度合いを最適化する、あるいは円偏波の度合いが最適となるとは、完全な円偏波にすることを意味する。または、完全な円偏波にできない場合でも、完全な円偏波に近づけることを、最適化あるいは最適となることの定義として含むものとする。最適なパラメータや最適な位置なども、完全な円偏波または完全な円偏波に近づけるためのパラメータや位置を定義するものとする。
円形導波管105中を伝播する各モードの電磁波の位相や振幅を調整可能な機構(特性可変部材)として、種々の公知の機構がある。例えば、導波管中に移動可能な誘電体板を装荷する方法、スタブと呼ばれる挿入長可変の導体棒を導波管中に挿入する方法、導波管を分岐し、この分岐に一端を短絡した長さ可変の導波管を接続する構造等がある。
本実施の形態では、以下において、主に導波管中に移動可能な誘電体板を装荷する方法を例に説明する。この導波管内の誘電体板は、電磁波(マイクロ波)の位相や振幅を調整する特性可変部材として機能する。なお、スタブと呼ばれる導体棒も、特性可変部材である。
<マイクロ波導入系と円偏波発生制御機構>
図2は、上述した図1のプラズマエッチング装置において、マイクロ波導入系と円偏波発生制御機構の構成の一例を示すブロック図である。図2では、マイクロ波の通る主な経路と円偏波発生器周辺の制御系の構成を示している。ここでは、図1の説明と重複する部分については説明および図示を省略している。
マイクロ波源101からのマイクロ波は、アイソレータ118、入反射電力測定器201、自動整合機102を介して、円偏波発生器202に伝送される。入反射電力測定器201は、自動整合機102内に内蔵されており、マイクロ波の入射電力および反射電力を測定している。
マイクロ波源101から円偏波発生器202の直前までは、方形導波管103で構成されている。円偏波発生器202の出口からは円形導波管105となっており、円偏波検出器203、反射係数測定器204は後述のように円形導波管105に電界検出器301を設けた構成となっている。図2におけるリアクタ部205は図1の空洞共振部106以降に相当し、このリアクタ部205へのマイクロ波の入射ポートは円形導波管105となっている。
本実施の形態では、円偏波発生器202として、前述の特許文献1記載の円偏波発生器を用いた。すなわち、この円偏波発生器202は、2枚の誘電体板の位置を調整して負荷からの反射波があっても円偏波の度合いを最適に制御できる。さらに、円偏波発生器202は、誘電体板の駆動系も含み、誘電体板位置の制御信号に従い、誘電体板を所定の位置に制御できる。この誘電体板を使った円偏波発生器202は、前述の特許文献1では円形導波管105の一部を置き換えた正方形導波管に設けているが、これに限られるものではない。
同様に、円偏波の度合いを測定するために、前述の特許文献1記載の円偏波真円度のモニタ装置を、本実施の形態では円偏波検出器203として用いた。すなわち、この円偏波検出器203は、円偏波の度合い(真円度)と楕円偏波の軸の方向を実時間で測定して定量化し、円偏波度合いの信号として円偏波発生制御機206に出力する。円偏波の度合い(真円度)は、後述する(式1)中のLに対応し、また、楕円偏波の軸の方向は、後述する(式1)中のφ’に対応する。
さらに、本実施の形態では、反射係数測定器204において、リアクタ部205の反射係数を実時間で測定して定量化し、同様に、負荷の反射係数信号として円偏波発生制御機206に出力する。円偏波発生制御機206は、円偏波度合いの信号と負荷の反射係数信号の入力信号を元に、円偏波の度合いを最適化する誘電体板位置の制御信号を生成し、円偏波発生器202に出力する。円偏波発生器202は、誘電体板位置の制御信号に基づき、2枚の誘電体板を所定の位置に移動させる。
円偏波発生制御機206には、後述するテーブルや数値モデルなどを記録および保存する記憶部207が接続されている。これらの円偏波発生制御機206および記憶部207は、プラズマエッチング装置の全体的な制御を司る制御装置208に含まれている。
また、制御装置208の記憶部207には、後述するプラズマエッチング装置の動作条件(レシピ)を記録および保存する領域も有する。これにより、制御装置208は、記憶部207に保存した動作条件に従って、プラズマエッチング装置を動作させることができる。
<円偏波検出器および反射係数測定器>
図3および図4は、円偏波検出器203および反射係数測定器204の一例を示す断面図と側面図である。図3および図4では、円偏波検出器203および反射係数測定器204の機能を兼ねた電界検出器301を円形導波管105に取り付けた例を示しており、図3は断面図であり、図4は側面図である。
電界検出器301の一つの機能である円偏波検出器203は、前述の特許文献1記載の円偏波真円度のモニタ装置と同様である。ただし、特許文献1記載の円偏波真円度のモニタ装置と異なり、円形導波管105の軸方向にも電界検出器301を配置しており、反射係数測定器204の機能も有する。複数の電界検出器301は、円形導波管105の側面に取り付けられ、各部のマイクロ波電界の大きさを検出することができる。複数の電界検出器301において、円形導波管105の軸方向に配置された電界検出器301は反射係数測定器204として機能し、また、円形導波管105の円周方向に配置された電界検出器301は円偏波検出器203として機能する。
本実施の形態では、図4に示すように円形導波管105の軸方向に3個の電界検出器301(反射係数測定器204)を取り付け、図3に示すように円形導波管105の円周方向に7個の電界検出器301(円偏波検出器203)を取り付けた例を示している。円形導波管105の軸方向に取り付けた3個の電界検出器301は、45mm間隔で設置した。円形導波管105の円周方向に取り付けた7個の電界検出器301は、180度の範囲内に30度間隔で設置した。
これらの電界検出器301のうち、円形導波管105の軸方向に取り付けた各電界検出器301(反射係数測定器204)の検出値から、負荷の反射係数を後述の方法で求めることができる。負荷の反射係数については、被処理基板111を含めてプラズマ処理室110内の全ての構成部材(マイクロ波の入射に対して反射がある部材の全て)を負荷と称する。また、円形導波管105の円周方向に取り付けた各電界検出器301(円偏波検出器203)の検出値から、前述の特許文献1記載の方法を改善した後述の方法により、円偏波の度合いを測定することができる。
<円形導波管のTE11モードの電界分布>
図5および図6は、円形導波管105の最低次モードであるTE11モードの電界分布の一例を示す図である。本実施の形態では、円形導波管105としてTE11モードのみが伝播可能なサイズにしているが、電界の方向が異なるTE11モードが伝播できる。円形導波管105の偏波面を中心軸上で定義するものとし、図5、図6のように偏波面の角度が90度異なる2つのモードを基本に考えることにする。
例えば、図5に示すTE11モードは中心軸上で電界ベクトルが縦方向であるが、全体を中心軸に対して90度回転させて中心軸上で電界ベクトルが横方向になる図6に示すモードも同時に伝播することができる。両モードの電界ベクトルは、円形導波管105の断面の各点で互いに直行する。さらに、両モードの位相差を90度ずらすと、両モードの重ね合わせにより電界ベクトルは時間的に回転し、円偏波とすることができる。
<反射係数測定器>
図4に示したように、負荷の反射係数を測定する反射係数測定器204は、電界検出器301として円形導波管105の軸方向に取り付けられる。負荷の反射係数は、電圧定在波より計算できることが知られている。電圧定在波とは、入射波と反射波が重畳してできる電圧の定在波を指し、図4に示した円形導波管105の軸方向に取り付けた複数の電界検出器301の測定値から電圧定在波の分布を測定できる。この測定した電圧定在波より、後述の方法で負荷の反射係数を求めることができる。
前述の通り、円形導波管105は、最低次のTE11モードのみが伝播できる直径としている。電圧定在波のパターンは、円形導波管105の軸方向にTE11モードの半波長ごとに同じパターンを示すが、これを正しく検出できるように電界検出器301(反射係数測定器204)を配置する必要がある。そのため、TE11モードの半波長より短い間隔で電界検出器301を配置することが望ましい。本実施の形態では、3個の電界検出器301を45mm間隔で設置した。ただし、中央の電界検出器301は、円偏波検出器203の機能も有する電界検出器を用いた。
<散乱行列を用いた数値モデル>
図1に示したように、本実施の形態のプラズマエッチング装置では、円形導波管105より負荷側は概ね中心軸に対して対称な構造としている。これにより、構造に起因するプラズマ処理特性の非軸対称性を小さくしている。
また、本実施の形態では、散乱行列を用いて、円偏波発生器202、この円偏波発生器202の負荷となる図2におけるリアクタ部205をモデル化した。散乱行列とは、マイクロ波などの高周波回路解析に一般的に用いられる行列であり、反射係数の概念を複数のポート(入力面、出力面)や複数の伝播モードを持つ高周波回路に拡張したと解釈でき、各ポート、各モード間の波の進行、反射を定量的に扱うことができる。
円偏波発生器202は、方形導波管103側から電磁波が入射し、円形導波管105側から円偏波が出力される。円偏波は、偏波面の異なる2つのモードの重畳で表現できる。これを散乱行列でモデル化すると、方形導波管103に対応するポートと円形導波管105の2つのモードに対応する2つのポートを持つモデルで表現できる。そのため、円偏波発生器202に対する散乱行列は3×3の行列となる。
また、円偏波発生器202の負荷となる図2におけるリアクタ部205は、ある反射係数を持つ媒質としてモデル化できる。リアクタ部205に静磁界を加えるための静磁界発生器を併用すると、静磁界によるプラズマ制御が可能となる。例えば、電子サイクロトロン共鳴現象を用いる場合には、通常ではプラズマ発生が困難な低圧力下でも容易にプラズマが発生できる効果がある。また、静磁界による電子の拡散抑制効果で、プラズマ損失低減やプラズマ密度分布の調整が可能となる。静磁界を加えたプラズマは、静磁界の方向と大きさにより特性が異なる異方性媒質となることが知られている。この場合、リアクタ部は、2×2の散乱行列でモデル化することができる。
円偏波発生器202の散乱行列は、前述の特許文献1に記載のように複数のモデルに分割し、電磁界計算により各部の散乱行列を算出したのち、全体の散乱行列を数値的に合成した。負荷の反射係数および円偏波の度合いは、円偏波検出器203および負荷の反射係数測定器204の測定値より以下の手順で求めた。
手順1:円偏波検出器203の各電界検出器301の測定値より、ある基準方向の偏波面を持つ波の大きさと基準方向から90度位相がずれた方向の偏波面を持つ波の大きさを求める。偏波面を持つ波の大きさは、マイクロ波電界の大きさ、またはマイクロ波電力である。
手順2:負荷の反射係数測定器204の各電界検出器301の測定値より、負荷の反射係数を求める。
手順1に対応して以下を実施した。前述の特許文献1記載のように、円偏波検出器203の内部で検出される電界の大きさ|E|は、以下の(式1)で表される。特許文献1では、パラメータKとφ’を考慮していないが、ここでは追加して改善している。
Figure 2016018657
円偏波検出器203の各電界検出器301の出力より誤差が最小となるようにフィッティングし、(式1)のパラメータK、L、φ’を求めた。この結果を図7に示す。図7は、円偏波検出器203で検出される電界の大きさ|E|を表す(式1)のパラメータを求めた結果の一例を示す図である。図7に示す通り、円偏波真円度を表すパラメータLは、1に近い値(0.952)となり、完全に近い円偏波となった。また、パラメータKは0.450、パラメータφ’は181.0度となった。
手順2に対応して以下を実施した。反射係数測定器204の電界検出器301の信号から負荷の反射係数を求めた。反射係数は、入射波と反射波より生じる定在波を測定することで算出できる。定在波の位置(原点からの距離)と大きさ(マイクロ波電界の大きさ、またはマイクロ波電力)をフィッティングにより求めて、反射係数を求めた。負荷の反射係数は、例えば、公知の電圧定在波比(VSWR)から求めることができる。この結果を図8に示す。図8は、反射係数測定器204で負荷の反射係数を求めた結果の一例を示す図である。図8に示す通り、反射係数の実部は0.125、反射係数の虚部は−0.009となった。
本実施の形態では、あらかじめ、反射係数の実部と虚部、またはこれと等価な反射係数の大きさと角度に対し、円偏波の度合いを最適化するための2枚の誘電体板の位置をテーブルとして準備した。誘電体板の位置は、上述のように散乱行列によるモデルを用いて求めた。散乱行列は、電磁波の基本方程式であるマックスウェルの方程式を有限要素法により解くことで求めた。計算量削減のため、円偏波発生器202を誘電体板部とそれ以外に分割して散乱行列を求めておき、得られた散乱行列を数値的に合成して全体の散乱行列を求めた。
図9に、求めたテーブルの一部を例示する。図9は、負荷の反射係数と誘電体板の挿入長の最適値のテーブルの一例を示す図である。ただし、2枚の誘電体板1と誘電体板2については、各誘電体板を導波管壁に密着した位置を原点とし、導波管の軸方向への挿入長を取った。テーブルの数値は離散的であるが、数値的に補間して精度の劣化を防止した。
図9の例では、負荷の反射係数の大きさが0.4、0.6、0.8で、角度が0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度、315度で示している。例えば、負荷の反射係数の大きさが0.8で、角度が315度の場合に、真円度が最適となるパラメータは、誘電体板1の挿入長が2mm、誘電体板2の挿入長が4mmとなった。他は、図9に示す通りである。このようなテーブルを準備することで、負荷の反射係数(大きさ、角度)を測定することで、真円度が最適となる誘電体板の挿入長が判るので、誘電体板の最適な位置を決定することができる。
本実施の形態では、散乱行列を用いた数値モデルであらかじめ最適値をテーブルとして求めておいたが、散乱行列による数値モデルをその場で計算して誘電体板の位置の最適値を求めてもよい。テーブルまたは数値モデルによる誘電体板の位置により、円偏波の度合いが十分に高い精度で最適化できる場合は、円偏波検出器は省略してもよい。
<円偏波の度合いを最適化する処理>
図10は、円偏波の度合いを最適化する処理の一例を示すフローチャートである。この円偏波の度合いを最適化する処理(プラズマエッチング方法)を、図2に示した円偏波発生制御機構の構成を参照しながら説明する。この円偏波の度合いを最適化する処理において、全体的な制御は、図2に示した制御装置208により実行される。
プラズマエッチング装置の電源が投入され、円偏波発生制御機206が動作を開始すると、円偏波発生制御機206は、まず、円偏波発生器202に初期パラメータとして、誘電体板の初期位置を出力する(ステップS1)。初期位置としては、(a)ユーザが指定する位置、(b)前回動作終了時の位置、(c)負荷の反射係数がゼロの場合の最適位置、(d)誘電体板の挿入長が最小の位置、のいずれかをユーザが選択できるものとする。
続いて、電磁波電力が投入されると、反射係数測定器204は、負荷の反射係数を測定し、この測定した負荷の反射係数信号を円偏波発生制御機206へ出力する(ステップS2)。同時に、円偏波検出器203は、円偏波の真円度(円偏波の度合い)を測定し、この測定した円偏波度合いの信号を円偏波発生制御機206へ出力する(ステップS2)。
さらに、これらの測定信号に従い、円偏波発生制御機206は、負荷の反射係数から円偏波の真円度を最適化するパラメータをテーブルから検索するか、または数値モデルにより最適なパラメータを計算し、パラメータを決定する(ステップS3)。
そして、円偏波発生制御機206は、この決定したパラメータを円偏波発生器202に適用するために、このパラメータによる誘電体板位置の制御信号を円偏波発生器202に出力する(ステップS4)。これにより、円偏波発生器202の誘電体板を、円偏波発生制御機206からの誘電体板位置の制御信号に基づいて最適な位置に移動させることができる。なお、円偏波真円度や負荷の反射係数の測定結果は、表示できるようにしてもよい。この場合には、図2に示した制御装置208に表示装置が接続され、この表示装置に測定結果などが表示される。
その後、ステップS2の前に戻り、負荷の反射係数の測定(ステップS2)、円偏波の真円度の測定(ステップS2)、最適なパラメータの決定(ステップS3)、パラメータの円偏波発生器202への適用(ステップS4)を繰り返す。これにより、円偏波の真円度を最適に制御することができる。この繰り返しにおいては、円偏波の真円度に閾値を設け、閾値を超えた場合に誘電体板の位置を固定し、閾値を下回った場合に誘電体板の最適値を求めて最適位置に移動させる制御としてもよい。
一般に、プラズマエッチング装置では、電磁波の電力や処理室の圧力、ガス流量などの動作条件をレシピとして保存して用いることが多い。本実施の形態では、図2に示した記憶部207に動作条件を記録して保存している。この動作条件には、上述した電界の大きさ|E|を表す(式1)のパラメータである円偏波発生器202の制御パラメータが含まれている。そこで、あらかじめ各動作条件(レシピ)に応じて、円偏波発生器202の誘電体板の位置を最適化しておき、レシピの項目として誘電体板の初期位置を設定してもよい。この場合、負荷の反射係数の測定や円偏波の度合いの測定、制御動作を省略して一定値としてもよい。
また、他の方法として、誘電体板の位置の移動履歴に応じて円偏波の度合いを記録しておき、円偏波の度合いを最適化する最急降下法などの公知のアルゴリズムを用いてもよい。また、初期値のみ数値モデルまたはテーブルを用いて、その後、公知のアルゴリズムに切り替えて用いてもよい。
本実施の形態においては、円偏波発生器202として、前述の特許文献1記載のものを用いたが、他の例えば前述の特許文献2記載の特性可変の円偏波発生器を用いてもよい。特許文献2記載の円偏波発生器では、特性可変部材としてスタブを用いている。
<実施の形態の効果>
以上説明した本実施の形態によれば、代表的には、円偏波の度合いを最適に制御できるプラズマエッチング装置を提供すると共にプラズマエッチング方法を確立することができる。この結果、プラズマ処理条件を変更しても、常に円偏波の度合いを自動的に最適化でき、プラズマ処理の均一性を容易に確保できる効果がある。より詳細には、以下のような効果を得ることができる。
(1)プラズマエッチング装置は、反射係数測定器204、円偏波発生器202、および制御装置208を備える。これにより、制御装置208は、反射係数測定器204からの測定結果を入力信号として受け取り、特性制御用の出力信号を算出して円偏波発生器202に出力して、円偏波の度合いを最適に制御することができる。特に、制御装置208は、テーブルまたは数値モデルを保存する記憶部207と、円偏波発生制御機206とを有する。これにより、円偏波発生制御機206は、テーブルの参照または数値モデルによる特性計算により、円偏波発生器202の特性を可変する出力信号を出力して、最適に制御することができる。
(2)プラズマエッチング装置は、さらに円偏波検出器203を備える。これにより、制御装置208は、反射係数測定器204からの測定結果と、円偏波検出器203からの測定結果とを入力信号として受け取り、特性制御用の出力信号を算出して円偏波発生器202に出力することで、より一層、円偏波の度合いを最適に制御することができる。
(3)複数個の反射係数測定器204は、円形導波管の軸方向に取り付けられていることで、リアクタ部205の反射係数を実時間で測定することができる。
(4)複数個の円偏波検出器203は、円形導波管の円周方向に取り付けられていることで、円偏波の度合いと楕円偏波の軸の方向を実時間で測定することができる。
(5)複数個の円偏波検出器203で測定される電界の大きさ|E|を表す(式1)には、円偏波の度合いを表すパラメータLと、偏波面の角度を表すパラメータφ’と、電界の大きさを合わせるためのパラメータKとを含む。これにより、パラメータφ’とパラメータKとを考慮して、パラメータLで表される円偏波の度合いを最適に制御することができる。
(6)テーブルは、負荷の反射係数の大きさと角度に対し、円偏波の度合いが最適となる円偏波発生器202の誘電体板の位置を格納している。これにより、円偏波発生制御機206は、テーブルに格納された円偏波発生器202の誘電体板の位置を参照して、円偏波の度合いを最適に制御することができる。
(7)数値モデルは、円偏波発生器202および円偏波発生器202の負荷となるリアクタ部205を散乱行列を用いてモデル化している。これにより、円偏波発生制御機206は、数値モデルにより円偏波発生器202の誘電体板の位置を計算して、円偏波の度合いを最適に制御することができる。
(8)制御装置208は、さらに円偏波発生器202の制御パラメータを含む動作条件を記録および保存する記憶部207を有する。これにより、制御装置208は、記憶部207に保存した動作条件でプラズマエッチング装置を動作させることができる。この結果、プラズマ処理条件を変更しても、常に円偏波の度合いを自動的に最適化することができるので、プラズマ処理の均一性を容易に確保することが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
101…マイクロ波源
102…自動整合機
103…方形導波管
104…方形円形導波管変換機
105…円形導波管
106…空洞共振部
107…マイクロ波導入窓
108…シャワープレート
109…ガス供給系
110…プラズマ処理室
111…被処理基板
112…基板電極
113…自動整合機
114…バイアス電源
115…バルブ
116…圧力制御機構
117…真空排気系
118…アイソレータ
121…内筒
122…アース電極
201…入反射電力測定器
202…円偏波発生器
203…円偏波検出器
204…反射係数測定器
205…リアクタ部
206…円偏波発生制御機
207…記憶部
208…制御装置
301…電界検出器

Claims (11)

  1. 円偏波の電磁波により処理室内にプラズマを発生させ、前記処理室内の被処理基板に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置であって、
    前記円偏波の電磁波を前記処理室内に伝播させる円形導波管と、
    前記円形導波管内に設けられ、前記処理室内の負荷の反射係数を測定する反射係数測定器と、
    前記負荷の反射係数の変化に対応して前記円偏波を発生する特性可変の円偏波発生器と、
    前記反射係数測定器からの測定結果を入力信号として受け取り、特性制御用の出力信号を算出して前記円偏波発生器に出力する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記入力信号に対する前記円偏波発生器の挙動を算出するためのテーブルまたは数値モデルと、
    前記テーブルの参照または前記数値モデルによる特性計算により前記円偏波発生器の特性を可変する出力信号を出力する円偏波発生制御機と、
    を有する、プラズマ処理装置。
  2. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
    前記円形導波管内に設けられ、前記円偏波の度合いを測定する円偏波検出器をさらに備え、
    前記制御装置は、前記反射係数測定器からの測定結果と、前記円偏波検出器からの測定結果とを入力信号として受け取り、特性制御用の出力信号を算出して前記円偏波発生器に出力する、プラズマ処理装置。
  3. 請求項2記載のプラズマ処理装置において、
    前記反射係数測定器は、複数個からなり、
    前記複数個の反射係数測定器のそれぞれは、前記円形導波管の軸方向に取り付けられている、プラズマ処理装置。
  4. 請求項3記載のプラズマ処理装置において、
    前記円偏波検出器は、複数個からなり、
    前記複数個の円偏波検出器のそれぞれは、前記円形導波管の円周方向に取り付けられている、プラズマ処理装置。
  5. 請求項4記載のプラズマ処理装置において、
    前記複数個の円偏波検出器のそれぞれで測定される電界の大きさを表す式には、前記円偏波の度合いを表すパラメータと、偏波面の角度を表すパラメータと、電界の大きさを合わせるためのパラメータと、を含む、プラズマ処理装置。
  6. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
    前記テーブルは、前記負荷の反射係数の大きさと角度に対し、前記円偏波の度合いが最適となる前記円偏波発生器の特性可変部材の位置を格納したテーブルである、プラズマ処理装置。
  7. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
    前記数値モデルは、前記円偏波発生器および前記円偏波発生器の負荷となるリアクタ部を散乱行列を用いてモデル化し、前記円偏波発生器の特性可変部材の位置を計算するモデルである、プラズマ処理装置。
  8. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
    前記制御装置は、前記円偏波発生器の制御パラメータを含む動作条件を記録および保存する記憶部をさらに有し、前記記憶部に保存した前記動作条件で前記プラズマ処理装置を動作させる、プラズマ処理装置。
  9. 円偏波の電磁波により処理室内にプラズマを発生させ、前記処理室内の被処理基板に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法であって、
    前記プラズマ処理装置は、前記円偏波の電磁波を前記処理室内に伝播させる円形導波管と、前記円形導波管内に設けられ、前記処理室内の負荷の反射係数を測定する反射係数測定器と、前記負荷の反射係数の変化に対応して前記円偏波を発生する特性可変の円偏波発生器と、前記反射係数測定器からの測定結果を入力信号として受け取り、特性制御用の出力信号を算出して前記円偏波発生器に出力する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記入力信号に対する前記円偏波発生器の挙動を算出するためのテーブルまたは数値モデルと、前記テーブルの参照または前記数値モデルによる特性計算により前記円偏波発生器の特性を可変する出力信号を出力する円偏波発生制御機と、を有し、
    前記制御装置による処理として、
    前記円偏波発生器に初期パラメータを設定する第1ステップと、
    前記反射係数測定器で測定した負荷の反射係数から円偏波の度合いを最適化するパラメータを前記テーブルから検索するか、または前記数値モデルにより最適なパラメータを計算し、このパラメータを決定する第2ステップと、
    前記第2ステップで決定したパラメータを前記円偏波発生器に適用して制御する第3ステップと、
    を含む、プラズマ処理方法。
  10. 請求項9記載のプラズマ処理方法において、
    前記プラズマ処理装置は、前記円形導波管内に設けられ、前記円偏波の度合いを測定する円偏波検出器をさらに備え、
    前記第2ステップでは、前記反射係数測定器で測定した負荷の反射係数と、前記円偏波検出器で測定した円偏波の度合いとから円偏波の度合いを最適化するパラメータを前記テーブルから検索するか、または前記数値モデルにより最適なパラメータを計算し、このパラメータを決定する、プラズマ処理方法。
  11. 請求項10記載のプラズマ処理方法において、
    前記第1ステップでは、前記円偏波発生器に特性可変部材の初期位置を設定し、
    前記第3ステップでは、前記第2ステップで決定したパラメータを前記円偏波発生器に適用して、前記円偏波発生器の特性可変部材を最適な位置に移動させる、プラズマ処理方法。
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