JP2016017792A - センサーモジュールおよび電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のドリフトキャンセル方法では、微小角度の傾斜計測等においてドリフト現象に起因する誤差成分をキャンセルができないという課題があった。【解決手段】センサーモジュールは、立方体の形状の台座114と、台座114の第1面114aに搭載され、且つ、第1の検出軸121を備えた第1センサー111と、台座114の第2面114cに搭載され、且つ、第2の検出軸123を備えた第2センサー113と、第2センサー113の検出信号に基づき、第1センサー111の検出信号を補正する制御部251と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、センサーモジュールおよびそれを用いた電子機器に関する。
加速度センサーや角速度センサー等の慣性センサーを搭載したセンサーモジュールにおいて、温度変化や経年変化のために実際の計測値とずれて計測されてしまう、いわゆるドリフト現象があることが知られている。正しい計測値を得るためには、何らかの方法でドリフト現象に起因する誤差成分をキャンセルすることが必要となる。例えば、特許文献1に示される角速度センサーでは、角速度センサーの検出信号から基準の信号を抽出し、この基準の信号を角速度センサーの出力から減算した出力を制御信号とすることにより、制御系全体に対するドリフトの影響を軽減するドリフトキャンセル方式が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたドリフトキャンセル方式では、センサーに慣性量の変化が入力され、入力された値から基準信号を抽出し、ドリフトキャンセルを行うことが前提となる。そのため、例えば、構造物のフロアなど水平な環境の傾斜計測等を行う場合においては、慣性量の大きな変化が無いために、基準信号の抽出をすることができず、ドリフト現象をキャンセルしきれない。言い換えると、微小な慣性量の変化を計測するシステムにおいては、特許文献1に記載のドリフトキャンセル方式が適用できないという課題があった。
また、構造物のフロアの傾斜計測を行う場合、例えば、互いに検出軸の方向が異なる2つの加速度センサーを用いて、重力方向に対する傾斜量を計測し、それに基づきフロアが傾斜しているかどうかを計測する。加速度センサーを搭載したセンサーユニットをフロアに設置するにあたり、検出軸を精度良く設定する必要があり、例えば、一方の加速度センサーの検出軸を重力方向に沿うように設定し、他方の加速度センサーの検出軸をフロアの水平面に沿うように設定される。しかしながら、センサーユニットの設置において検出軸が所望の方向からずれてしまうと、傾斜計測の精度が劣化してしまう問題があった。
また、構造物のフロアの傾斜計測を行う場合、例えば、互いに検出軸の方向が異なる2つの加速度センサーを用いて、重力方向に対する傾斜量を計測し、それに基づきフロアが傾斜しているかどうかを計測する。加速度センサーを搭載したセンサーユニットをフロアに設置するにあたり、検出軸を精度良く設定する必要があり、例えば、一方の加速度センサーの検出軸を重力方向に沿うように設定し、他方の加速度センサーの検出軸をフロアの水平面に沿うように設定される。しかしながら、センサーユニットの設置において検出軸が所望の方向からずれてしまうと、傾斜計測の精度が劣化してしまう問題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るセンサーモジュールは、立方体の形状の台座と、前記台座の第1面に搭載され、且つ、第1の検出軸を備えた第1センサーと、前記台座の前記第1面に交わる第2面に搭載され、且つ、重力方向の加速度成分を検出可能な第2の検出軸を備えた第2センサーと、前記第2センサーの検出信号に基づき、前記第1センサーの検出信号を補正する制御部と、を備えていることを特徴とする。
本適用例のセンサーモジュールによれば、慣性量の変化が少ない計測であっても、重力方向の加速度成分を含む第2センサーの検出信号に基づき、第1センサーの検出信号の補正を行うことでドリフト現象に起因する誤差成分のキャンセルが可能となる。これにより、高精度なセンサーモジュールを得ることができる。また立方形状の台座に複数のセンサーを搭載した構造とすることで、例えば建物のフロアの傾斜測定等の微小の慣性量の変化を計測する場合においても、フロアの水平面および重力方向に対してセンサーの検出軸を精度良く設定することができる。
[適用例2]上記適用例に記載のセンサーモジュールにおいて、前記制御部は、前記第2センサーの検出信号から前記重力方向の加速度成分を減算して誤差成分を算出し、前記誤差成分を前記第1センサーの検出信号から減算することを特徴とする。
本適用例のセンサーモジュールによれば、第2センサーは、第2の検出軸が重力方向に沿って設定されるため、重力以外の加速度に対する感度が低くなり、第2センサーの検出信号に現れる成分はドリフトのみとなる。このため、第2センサーの検出信号に基づき第1センサーの検出信号の補正を行い、ドリフトキャンセルをすることができる。これにより高精度なセンサーモジュールを得ることができる。
[適用例3]上記適用例に記載のセンサーモジュールにおいて、前記第2センサーは、前記第2の検出軸に作用する慣性量を計測する機能を備えていることを特徴とする。
本適用例のセンサーモジュールによれば、第2センサーの検出信号を第1の検出信号の補正目的で用いる以外にも、第2センサーの検出信号を用いて第2の検出軸に加わる慣性量を計測しても良い。このように第2のセンサーに補正と計測の機能を兼用させることで、補正用と計測用とで分けてセンサーを配置する必要がなくなり、部品点数を減らすことができる。
[適用例4]上記適用例に記載のセンサーモジュールにおいて、前記第1の検出軸および前記第2の検出軸の両方に交差する第3の検出軸を備えた第3センサーを有し、前記台座の前記第1面および前記第2面に交わる第3面に前記第3センサーが搭載されていることを特徴とする。
本適用例のセンサーモジュールによれば、立方体形状の台座のいずれか3つの面に第1センサー、第2センサー、および第3センサーが各々装着されることにより、3軸方向の検出が可能なセンサーモジュールが構成される。これによれば、例えば、3軸あるうちの1軸を他の2軸の補正用として用いた場合、ドリフトキャンセルをすることができる、これにより、高精度なセンサーモジュールを得ることができる。
[適用例5]上記適用例に記載のセンサーモジュールにおいて、前記第1センサーの検出信号および前記第2センサーの検出信号の少なくとも一方に基づき、構造物の振動、傾斜、および変位の少なくとも一つを計測することを特徴とする。
本適用例のセンサーモジュールによれば、構造物の振動、傾斜、又は変位を高精度に計測することができる。
[適用例6]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載のセンサーモジュールを備えていることを特徴とする。
本適用例の電子機器によれば、上記適用例に記載のセンサーモジュールを備えていることから、微小な慣性量の変化を計測する時のドリフトキャンセルをすることができる、高精度な電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
<センサーモジュール>
本発明の実施形態1に係るセンサーモジュール110について説明する。図1は、センサーモジュール110の概略構成を示す斜視図である。
本実施形態のセンサーモジュールは、加速度センサーを2個用いて重力加速度の変化を計測することによって、物体の傾斜角を計測することができる。なお、本実施形態において加速度センサーによって計測された加速度の値を検出信号と呼ぶ。
また、図1では互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸が図示されている。以下ではX軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。また、文中において「平面視」と記載されている場合は、+Z軸方向から見ることを指している。
<センサーモジュール>
本発明の実施形態1に係るセンサーモジュール110について説明する。図1は、センサーモジュール110の概略構成を示す斜視図である。
本実施形態のセンサーモジュールは、加速度センサーを2個用いて重力加速度の変化を計測することによって、物体の傾斜角を計測することができる。なお、本実施形態において加速度センサーによって計測された加速度の値を検出信号と呼ぶ。
また、図1では互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸が図示されている。以下ではX軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。また、文中において「平面視」と記載されている場合は、+Z軸方向から見ることを指している。
<構成>
実施形態1に係るセンサーモジュール110は、立方体形状の台座114と、基台115と、第1センサー111と、第2センサー113と、制御部251と、を含み構成されている。センサーモジュール110は、−Z軸方向を重力方向116としている。
実施形態1に係るセンサーモジュール110は、立方体形状の台座114と、基台115と、第1センサー111と、第2センサー113と、制御部251と、を含み構成されている。センサーモジュール110は、−Z軸方向を重力方向116としている。
基台115は平板形状に形成されており、センサーモジュールを被測定面へ取り付ける際に、取付け補助用の部材として機能する。そのため、外周部には被測定面への取付け用のネジ穴(図示せず)があることが好ましい。
台座114は六面を有する矩形形状であり、第1面114a、第2面114c、第3面114dなどを備える。
台座114の一面は、基台115の略中央部分にねじ止めやエポキシ系接着剤などにより固定されている。基台115は、台座114より外周が大きいため、その外周部が台座114から鍔状に突出している。
台座114は六面を有する矩形形状であり、第1面114a、第2面114c、第3面114dなどを備える。
台座114の一面は、基台115の略中央部分にねじ止めやエポキシ系接着剤などにより固定されている。基台115は、台座114より外周が大きいため、その外周部が台座114から鍔状に突出している。
第1センサー111および第2センサー113は、同一構造であり、同一プロセスで製造された加速度センサーである。この第1センサー111および第2センサー113は、センサーモジュール110に加わる慣性量を計測する機能および一方のセンサーからの検出信号を用いて他方のセンサーの検出信号を補正する機能の両方を兼ね備えている。第1センサー111および第2センサー113の外観は、箱型の形状をなしており、厚み方向に一対の面を持つ。
また、制御部251は、電子回路が実装されたプリント基板であり、検出信号を補正するためのCPU等の演算器を備える。
また、制御部251は、電子回路が実装されたプリント基板であり、検出信号を補正するためのCPU等の演算器を備える。
第1センサー111は、厚み方向をX軸方向に向け、X軸方向を法線とする第1面114aに搭載されている。第2センサー113は、厚み方向をZ軸方向に向け、Z軸方向を法線とする第2面114cに搭載されている。制御部251は、Y軸方向を法線とする第3面114dに搭載されている。
第1センサー111および第2センサー113を台座114に搭載する場合は、エポキシ系接着剤を用いて固定するのが望ましい。制御部251を台座114に固定する場合は、電子回路が実装されている都合上、ねじ止めであっても良い。第1センサー111および第2センサー113は、配線(図示せず)により制御部251に接続されている。
第1センサー111および第2センサー113を台座114に搭載する場合は、エポキシ系接着剤を用いて固定するのが望ましい。制御部251を台座114に固定する場合は、電子回路が実装されている都合上、ねじ止めであっても良い。第1センサー111および第2センサー113は、配線(図示せず)により制御部251に接続されている。
第1センサー111は第1の検出軸121を備えており、第1の検出軸121は、第1センサー111の厚み方向に沿っている。ここで、検出軸とは、その軸の方向に加速度の感度を持っている軸のことである。例えば、角速度センサーの場合は、その軸の回りに発生する角速度の感度を持っている軸のことである。第2センサー113の第2の検出軸123は、第2センサー113の厚み方向に沿っている。よって、台座114に配置された第1センサー111の第1の検出軸121と、第2センサー113の第2の検出軸123とは互いに交差しており、センサーモジュール110は、2軸の検出軸を有する加速度センサーが搭載されていることとなる。
制御部251は、第2センサー113の重力方向116の加速度成分を含む検出信号に基づき、第1センサー111の検出信号を補正する機能を有する。
台座114および基台115の材質は、第1センサー111および第2センサー113のそれぞれの温度差を小さくするために熱伝導性の良い金属等を用いることが望ましい。具体的にはアルミニウム、銅、真鍮等が適している。
台座114および基台115の材質は、第1センサー111および第2センサー113のそれぞれの温度差を小さくするために熱伝導性の良い金属等を用いることが望ましい。具体的にはアルミニウム、銅、真鍮等が適している。
このように立方形状の台座114の各面に第1センサー111および第2センサー113を搭載することにより、台座114と基台115は互いに水平に実装され、基台115は被測定物に対し水平に実装されるので、センサーの検出軸を被測定物又は重力方向116に対し精度良く設定することができる。例えば、センサーモジュールを建物のフロアに設置し傾斜計測する場合においては、第1センサー111の第1の検出軸121をフロアの水平面に沿って設定でき、第2センサー113の第2の検出軸123を重力方向116に沿って設定することができる。
<回路ブロック>
次にセンサーモジュール110の回路ブロックについて説明する。図2にセンサーモジュールの回路ブロックを示す。
センサーモジュール110の回路ブロックは、第1センサー111と、第2センサー113と、制御部251とを含み構成され、配線(図示せず)などにより検出信号が通信可能となるように設けられている。
次にセンサーモジュール110の回路ブロックについて説明する。図2にセンサーモジュールの回路ブロックを示す。
センサーモジュール110の回路ブロックは、第1センサー111と、第2センサー113と、制御部251とを含み構成され、配線(図示せず)などにより検出信号が通信可能となるように設けられている。
第1センサー111の検出信号としての第1信号254と、第2センサー113の検出信号としての第2信号256と、はそれぞれ制御部251に入力されている。制御部251に入力される制御選択信号253は、データの収集や制御をセンサーモジュール110に対して行うためにホストコンピューター(図示せず)から出力される。
制御部251からは、制御選択信号253の入力により、後述するドリフト補正時に第1センサー111又は第2センサー113のどちらを基準として補正をするか、決定して出力することができる。また、第1センサー111又は第2センサー113の検出信号そのものを何の補正もせずに出力することも可能である。
制御選択信号253の選択に従った結果が出力信号252となる。
制御部251に入力されたデジタル量を、CPU等の演算器を用いて補正をし、出力信号252としてデジタル値の検出信号が得られる。なお、アナログ量が入力されるのであれば、演算器に替えて演算増幅器を用いることでアナログ量の補正をし、出力信号252としてアナログ値が得られる。これにより、出力信号252は、デジタル値でも、アナログ値でも可能である。
なお、第1センサー111および第2センサー113が加速度の変化によって内部の振動子の共振周波数が変化するような方式の加速度センサーの場合、制御部251には、発振回路が含まれる構成となる。
制御部251に入力されたデジタル量を、CPU等の演算器を用いて補正をし、出力信号252としてデジタル値の検出信号が得られる。なお、アナログ量が入力されるのであれば、演算器に替えて演算増幅器を用いることでアナログ量の補正をし、出力信号252としてアナログ値が得られる。これにより、出力信号252は、デジタル値でも、アナログ値でも可能である。
なお、第1センサー111および第2センサー113が加速度の変化によって内部の振動子の共振周波数が変化するような方式の加速度センサーの場合、制御部251には、発振回路が含まれる構成となる。
<加速度センサー>
センサーモジュールに使用されている、第1センサー111および第2センサー113は同一形式の加速度センサーであるため、第1センサー111を例として説明する。図3は第1センサー111の内部構造図である。図3(a)は、第1センサー111の平面図であり、図3(b)は、図3(a)に示すC−C線断面図である。
図3(a)および図3(b)では互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸が図示されている。以下ではX軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。
センサーモジュールに使用されている、第1センサー111および第2センサー113は同一形式の加速度センサーであるため、第1センサー111を例として説明する。図3は第1センサー111の内部構造図である。図3(a)は、第1センサー111の平面図であり、図3(b)は、図3(a)に示すC−C線断面図である。
図3(a)および図3(b)では互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸が図示されている。以下ではX軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。
第1センサー111は、平板状のベース部10と、ベース部10に継ぎ手部11を介して接続された略矩形平板状の可動部12と、ベース部10と可動部12とに掛け渡された物理量検出素子としての加速度検出素子13と、少なくとも上記各構成要素を内部に収容したパッケージ20と、を備えている。
第1センサー111は、図3(a)に示すように、ベース部10とともに可動部12を囲む略矩形の枠状に形成されている平板状の支持部14、を更に備えている。
可動部12は、第1主面12aおよび第2主面12bを有し、第1主面12aおよび第2主面12bには質量部(錘)15が配置されている。可動部12は、XY平面に沿った第1主面12aと交差する、第1方向としてのZ軸方向に加わる物理量としての加速度に応じて、継ぎ手部11を支点としてZ軸方向に変位(回動)可能に構成されている。
なお、本実施形態では、第1主面12aおよび第2主面12bに質量部(錘)15が配置されている形態としたが、これに限らず、少なくともどちらか一方に質量部(錘)15が配置されていればよい。
可動部12は、第1主面12aおよび第2主面12bを有し、第1主面12aおよび第2主面12bには質量部(錘)15が配置されている。可動部12は、XY平面に沿った第1主面12aと交差する、第1方向としてのZ軸方向に加わる物理量としての加速度に応じて、継ぎ手部11を支点としてZ軸方向に変位(回動)可能に構成されている。
なお、本実施形態では、第1主面12aおよび第2主面12bに質量部(錘)15が配置されている形態としたが、これに限らず、少なくともどちらか一方に質量部(錘)15が配置されていればよい。
ベース部10、継ぎ手部11、可動部12、支持部14は、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を用いて一体で略平板状に形成されている。なお、可動部12と支持部14との間には、両者を分離するスリット状の孔が設けられている。ベース部10、継ぎ手部11、可動部12、支持部14の外形形状は、フォトリソグラフィー、エッチングなどの技術を用いて精度よく形成されている。
継ぎ手部11は、+Z軸方向および−Z軸方向からのハーフエッチングによって、ベース部10と可動部12とを区切るように、X軸方向に沿った有底の溝部11a,11bが形成されている。継ぎ手部11は、図3(b)に示すように、溝部11a,11bにより、略H字状に形成されている。
質量部15は、平面視(図3(a))において略U字状に形成され、断面視(図3(b)においては、第1主面12aおよび第2主面12bとの接合面に凸部を有している。
質量部15は、凸部が接合材16を介して第1主面12aおよび第2主面12bに接合されている(取り付けられている)。
質量部15は、凸部が接合材16を介して第1主面12aおよび第2主面12bに接合されている(取り付けられている)。
質量部15は、第1センサー111の感度向上を図るべく平面サイズを極力大きくするために、平面視(図3(a))において、−Y軸方向の一部は支持部14と平面視で重なるように配置され、+Y軸方向は加速度検出素子13を避ける二股形状で継ぎ手部11近傍まで延びている。
質量部15には、例えば、銅および銅合金などの金属に代表される比較的比重の大きい材料が用いられている。接合材16には、例えば、シリコーン樹脂系の接着剤が用いられている。
質量部15には、例えば、銅および銅合金などの金属に代表される比較的比重の大きい材料が用いられている。接合材16には、例えば、シリコーン樹脂系の接着剤が用いられている。
加速度検出素子13は、Y軸方向に沿って延び、X軸方向に屈曲振動をする振動梁13a,13bを有する物理量検出部としての加速度検出部13cと、加速度検出部13cの延在方向の両端に接続された一対の基部13d,13eと、を備えている。加速度検出素子13は、2つの振動梁13a,13bと一対の基部13d,13eとで二組の音叉を構成することから、双音叉素子(双音叉型振動片)とも呼ばれている。
加速度検出素子13は、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を用いて、加速度検出部13cと基部13d,13eとが一体で略平板状に形成されている。また、加速度検出素子13の外形形状は、フォトリソグラフィー、エッチングなどの技術を用いて精度よく形成されている。
加速度検出素子13は、一方の基部13dが可動部12の第1主面12a側に、例えば、低融点ガラス、共晶接合可能な金/錫合金被膜などの接合部材17を介して固定され、他方の基部13eがベース部10の主面10a側(可動部12の第1主面12aと同じ側)に接合部材17を介して固定されている。
加速度検出素子13は、振動梁13a,13bの励振電極(駆動電極)(図示せず)から基部13eに引き出された引き出し電極13f,13gが、例えば、金、アルミニウムなどからなる金属ワイヤー18によって、ベース部10の主面10aに設けられた接続端子10b,10cと接続されている。詳述すると、引き出し電極13fは、接続端子10bと接続され、引き出し電極13gは、接続端子10cと接続されている。
ベース部10の接続端子10b,10cは、配線(図示せず)によって支持部14の外部接続端子14e,14fと接続されている。詳述すると、接続端子10bは、外部接続端子14eと接続され、接続端子10cは、外部接続端子14fと接続されている。
なお、励振電極、引き出し電極13f,13g、接続端子10b,10c、外部接続端子14e,14fは、例えば、クロムを下地層とし、その上に金が積層された金属膜となっている。
なお、励振電極、引き出し電極13f,13g、接続端子10b,10c、外部接続端子14e,14fは、例えば、クロムを下地層とし、その上に金が積層された金属膜となっている。
支持部14は、パッケージ20に固定される部分である複数(ここでは4箇所)の固定部14a,14b,14c,14dを四隅に有している。なお、固定部14b,14cは、ベース部10に形成されていても良い。
パッケージ20は、平面形状が略矩形で凹部を有したパッケージベース21と、パッケージベース21の凹部を覆う平面形状が略矩形で平板状のリッド(蓋体)22と、を有し、略直方体形状に形成されている。パッケージベース21には、セラミックグリーンシートを成形して積層し焼成した酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、炭化珪素質焼結体、ガラスセラミックス焼結体などのセラミックス系の絶縁性材料や、水晶、ガラス、シリコンなどが用いられている。リッド22には、パッケージベース21と同材料、又は、コバール、42アロイ、ステンレス鋼などの金属が用いられている。
パッケージベース21には、内底面(凹部の内側の底面)23の外周部分から凹部の内壁に沿って突出した2箇所の段差部23a,23bに、内部端子24,25が設けられている。内部端子24,25は、支持部14に設けられた外部接続端子14e,14fと対向する位置(平面視において重なる位置)に設けられている。なお、外部接続端子14e,14fは、支持部14の固定部14b,14cと平面視において重なる位置に設けられている。
パッケージベース21の外底面(内底面23の反対側の面、外側の底面)26には、一対の外部端子27,28が形成されている。外部端子27,28は、内部配線(図示せず)によって内部端子24,25と接続されている。例えば、外部端子27は、内部端子24と接続され、外部端子28は、内部端子25と接続されている。内部端子24,25および外部端子27,28は、タングステンなどのメタライズ層にニッケル、金などの各被膜をメッキなどにより積層した金属膜からなる。
パッケージベース21には、凹部の底部にパッケージ20の内部を封止する封止部29が設けられている。封止部29は、パッケージベース21に形成された、外底面26側の孔径が内底面23側の孔径より大きい段付きの貫通孔29aに、金/ゲルマニウム合金、ハンダなどからなる封止材29bを投入し、加熱溶融後、固化させることでパッケージ20の内部を気密に封止する構成となっている。
支持部14の固定部14a,14b,14c,14dは、接合剤30を介して、パッケージベース21の段差部23a,23bに固定されている。ここで、固定部14b,14cが外部接続端子14e,14fと内部端子24,25とを接続する部分であることから、接合剤30には、例えば、金属フィラーなどの導電性物質が混合された導電性接着剤(例えば、シリコーン樹脂系導電性接着剤)が用いられている。なお、固定部14a,14dの固定には、金属フィラーなどの導電性物質を含まない接着剤(例えば、シリコーン樹脂系接着剤)を用いても良い。
第1センサー111は、外部接続端子14e,14fがパッケージベース21の内部端子24,25と接続された状態で、パッケージベース21の凹部がリッド22により覆われ、パッケージベース21とリッド22とがシームリング、低融点ガラス、接着剤などの接合部材22aで接合される。第1センサー111は、リッド22の接合後、パッケージ20の内部が減圧された状態(真空度の高い状態)で、封止部29の貫通孔29aに封止材29bが投入され、加熱溶融後、固化されることにより、パッケージ20の内部が気密に封止される。なお、パッケージ20の内部は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填されていても良い。また、パッケージ20は、パッケージベース21およびリッド22の両方に凹部を有していても良い。
第1センサー111は、外部端子27,28、内部端子24,25、外部接続端子14e,14f、接続端子10b,10cなどを経由して加速度検出素子13の励振電極に印加される駆動信号によって、加速度検出素子13の振動梁13a,13bが所定の周波数で発振(共振)する。そして、第1センサー111は、加わる加速度に応じて変化する加速度検出素子13の共振周波数を検出信号として出力する。
ここで、第1センサー111の動作について説明する。図4は、センサー素子の動作について説明する模式断面図である。
図4(a)および図4(b)では互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸が図示されている。以下ではX軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。
第1センサー111は、厚み方向(Z軸方向)が検出軸である。
図4(a)は、可動部12が−Z軸方向に変位した状態を示す模式断面図であり、図4(b)は、可動部が+Z軸方向に変位した状態を示す模式断面図である。
図4(a)および図4(b)では互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸が図示されている。以下ではX軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。
第1センサー111は、厚み方向(Z軸方向)が検出軸である。
図4(a)は、可動部12が−Z軸方向に変位した状態を示す模式断面図であり、図4(b)は、可動部が+Z軸方向に変位した状態を示す模式断面図である。
図4(a)に示すように、第1センサー111は、+Z軸方向に加わる加速度+αに応じた慣性力によって、可動部12が、継ぎ手部11を支点にして−Z軸方向に変位した場合、加速度検出素子13には、基部13dと基部13eとがY軸方向に互いに離れる方向の引っ張り力が加わり、加速度検出部13cの振動梁13a,13bに引っ張り応力が生じる。これにより、第1センサー111は、例えば、巻き上げられた弦楽器の弦のように、加速度検出部13cの振動梁13a,13bの共振周波数が高くなる方に変化する。
一方、図4(b)に示すように、第1センサー111は、−Z軸方向に加わる加速度−αに応じた慣性力によって、可動部12が、継ぎ手部11を支点にして+Z軸方向に変位した場合、加速度検出素子13には、基部13dと基部13eとがY軸方向に互いに近づく方向の圧縮力が加わり、加速度検出部13cの振動梁13a,13bに圧縮応力が生じる。これにより、第1センサー111は、例えば、巻き戻された弦楽器の弦のように、加速度検出部13cの振動梁13a,13bの共振周波数が低くなる方に変化する。
第1センサー111は、この共振周波数の変化を検出している。±Z軸方向に加わる加速度(+α、−α)は、この検出された共振周波数の変化の割合に応じて、ルックアップテーブルなどによって定められた数値に変換することで導出される。
ここで、図4(a)に示すように、第1センサー111は、+Z軸方向に加わる加速度+αが所定の大きさより大きい場合、可動部12の第1主面12aに固定された質量部15の、平面視において支持部14と重なる部分が支持部14に接触する。これにより、第1センサー111は、加速度+αに応じて−Z軸方向に変位する可動部12の変位を、所定の範囲内に規制する。
一方、図4(b)に示すように、第1センサー111は、−Z軸方向に加わる加速度−αが所定の大きさより大きい場合、可動部12の第2主面12bに固定された質量部15の、平面視において支持部14と重なる部分が支持部14に接触する。これにより、第1センサー111は、加速度−αに応じて+Z軸方向に変位する可動部12の変位を、所定の範囲内に規制する。
<センサーモジュールの特性>
次に、実施形態1に係るセンサーモジュール110の特性について図1、図2、および図5を参照して説明する。図5は、センサーモジュール110を回転させたときの重力加速度の影響による加速度値変化を示す。
図2に示す制御選択信号253は、第1センサー111および第2センサー113からの検出信号をそのままにセンサーモジュール110から出力信号252として出力するモードに設定されている場合で説明する。
次に、実施形態1に係るセンサーモジュール110の特性について図1、図2、および図5を参照して説明する。図5は、センサーモジュール110を回転させたときの重力加速度の影響による加速度値変化を示す。
図2に示す制御選択信号253は、第1センサー111および第2センサー113からの検出信号をそのままにセンサーモジュール110から出力信号252として出力するモードに設定されている場合で説明する。
図5の横軸は、センサーモジュール110をY軸を回転軸として左回りに回転させた時の回転角度を示している。縦軸は、第1センサー111および第2センサー113の検出信号として出力される計測加速度の結果を示している。
図1を用いて説明すると、基台115が略水平にあるときに、第1センサー111の第1の検出軸121は重力方向116と交差しており、第1信号254の計測加速度は、略0を示している。一方、第2センサー113の第2の検出軸123は重力方向116と一致しているが、重力方向116と加速度方向は逆になるため、第2信号256の計測加速度α3は、略1Gが計測されている。
また、センサーモジュール110を、90°回転させた位置θ2にあるときに、第2センサー113の第2の検出軸123は、重力方向116と交差しており、第2信号256の計測加速度は、略0を示している。一方、第1センサー111の第1の検出軸121は、重力方向116と一致しており、第1信号254の計測加速度は、略1Gが計測される。
図1を用いて説明すると、基台115が略水平にあるときに、第1センサー111の第1の検出軸121は重力方向116と交差しており、第1信号254の計測加速度は、略0を示している。一方、第2センサー113の第2の検出軸123は重力方向116と一致しているが、重力方向116と加速度方向は逆になるため、第2信号256の計測加速度α3は、略1Gが計測されている。
また、センサーモジュール110を、90°回転させた位置θ2にあるときに、第2センサー113の第2の検出軸123は、重力方向116と交差しており、第2信号256の計測加速度は、略0を示している。一方、第1センサー111の第1の検出軸121は、重力方向116と一致しており、第1信号254の計測加速度は、略1Gが計測される。
以上の結果から、第1信号254は、Sin特性、第2信号256はCos特性を示すことになる。この特性によって、センサーモジュール110が微小角θ1回転した場合について以下に説明する。
第1センサー111の検出信号である第1信号254は、計測加速度α1を示している。また、第2センサー113の検出信号である第2信号256は、1Gから僅かに下がった計測加速度α2を示している。この時、三角関数の曲率の差により|1G−α2|<<|α1|となることが分かる。従って、微小角回転の場合において第2センサー113の検出信号は、第1センサー111の検出信号変化に対して、十分に小さい値が示されている。
第1センサー111の検出信号である第1信号254は、計測加速度α1を示している。また、第2センサー113の検出信号である第2信号256は、1Gから僅かに下がった計測加速度α2を示している。この時、三角関数の曲率の差により|1G−α2|<<|α1|となることが分かる。従って、微小角回転の場合において第2センサー113の検出信号は、第1センサー111の検出信号変化に対して、十分に小さい値が示されている。
<センサー誤差補正方法(ドリフト補正方法)>
以上の特性を利用したセンサー誤差補正方法(ドリフト補正方法)について、センサーモジュール110を使って、長時間かけて建造物等の傾きが発生しないかを計測する場合を例に説明する。なお、傾きとは、センサーモジュール110を回転させたことと同等のことである。
以上の特性を利用したセンサー誤差補正方法(ドリフト補正方法)について、センサーモジュール110を使って、長時間かけて建造物等の傾きが発生しないかを計測する場合を例に説明する。なお、傾きとは、センサーモジュール110を回転させたことと同等のことである。
センサーモジュール110は、第2の検出軸123が重力方向116と略同方向に向くように、建造物に取り付けられた場合、第1センサー111には、建造物の僅かな傾きによる加速度成分とセンサーのドリフト成分とが、重畳したものが検出信号に現れる。また、第2センサー113も同様に、傾きによる加速度成分と、センサーのドリフト成分とが現れる。
しかし前述したとおり、第2センサー113による検出加速度は、第1センサー111で検出される加速度に比べて検出軸が異なるため、十分に小さい値となっている。そして、第1センサー111と、第2センサー113とは、同一構造を持ち、同一プロセスで作られた加速度センサーであり、急激な環境温度の変化や経年変化によって検出信号の変化となるドリフト成分が略同様となる。
しかし前述したとおり、第2センサー113による検出加速度は、第1センサー111で検出される加速度に比べて検出軸が異なるため、十分に小さい値となっている。そして、第1センサー111と、第2センサー113とは、同一構造を持ち、同一プロセスで作られた加速度センサーであり、急激な環境温度の変化や経年変化によって検出信号の変化となるドリフト成分が略同様となる。
従って、第2センサー113の第2の検出軸123は、重力方向116としており、重力方向116の検出信号に基づいて第1センサー111の検出信号を補正することができる。そして、第2センサー113の検出信号としての第2信号256から重力加速度1Gを差し引き、その値から第1センサー111の検出信号としての第1信号254を減算することで第1センサー111のドリフト成分を含まない出力信号252を得ることができる。
本形態のセンサーモジュール110と同様の構成を持つセンサーモジュールを用い、実際にフィールドデータを取得して補正を行った。補正前後の結果を図6に示す。図6(a)は、補正前のデータであり、図6(b)は、補正後のデータである。横軸は、経過日数を表し20日分のデータを示している。縦軸は、加速度偏差であり単位はmGである。
図6(a)には、検出信号用加速度センサーのデータ151および検出信号補正用加速度センサーのデータ152がプロットされている。検出信号補正用加速度センサーのデータ152は、重力加速度1Gの値を差し引いてある。図6(b)には、データ151からデータ152を差し引いた結果であるデータ153をプロットしている。この結果から、加速度偏差の最大値から最小値の幅で0.5mG程度あったドリフトを幅で0.1mG程度に小さく補正できたことが示されている。
図6(a)には、検出信号用加速度センサーのデータ151および検出信号補正用加速度センサーのデータ152がプロットされている。検出信号補正用加速度センサーのデータ152は、重力加速度1Gの値を差し引いてある。図6(b)には、データ151からデータ152を差し引いた結果であるデータ153をプロットしている。この結果から、加速度偏差の最大値から最小値の幅で0.5mG程度あったドリフトを幅で0.1mG程度に小さく補正できたことが示されている。
上記のセンサーモジュール110は、垂直の壁面の傾斜計測にも適用可能である。設置例として第1センサー111の第1の検出軸121を重力方向116に設置し、基台115を壁面に向けて設置すれば良い。この場合、検出信号用のセンサーは、第2センサー113を用いることになり。第1センサー111の検出信号は、検出信号補正用として使用可能となる。すなわち、第1センサー111と、第2センサー113とは、検出信号用および検出信号補正用の両方の機能を兼ね備えているため、機能を入れ替えることも可能である。
(実施形態2)
次に、実施形態2のセンサーモジュール210について、図7を用いて説明する。図7は、センサーモジュール110に新たに1つの第3センサー112を追加配置した構成である。
台座114において、制御部251が配置されている第3面114dの裏側に位置する第4面114bに新たな第3センサー112を追加した。つまり、台座114の側面のうち3つの側面に第1センサー111、第2センサー113、および第3センサー112が各々装着されている。第3センサー112は第3の検出軸122を有し、第3の検出軸122は、第3センサー112の厚み方向に沿っている。
次に、実施形態2のセンサーモジュール210について、図7を用いて説明する。図7は、センサーモジュール110に新たに1つの第3センサー112を追加配置した構成である。
台座114において、制御部251が配置されている第3面114dの裏側に位置する第4面114bに新たな第3センサー112を追加した。つまり、台座114の側面のうち3つの側面に第1センサー111、第2センサー113、および第3センサー112が各々装着されている。第3センサー112は第3の検出軸122を有し、第3の検出軸122は、第3センサー112の厚み方向に沿っている。
第1センサー111、第2センサー113、および第3センサー112の第1の検出軸121、第2の検出軸123、および第3の検出軸122は、互いに交差することになる。従って、3軸の加速度センサーが構成される。第1センサー111の第1の検出軸121と、第3センサー112の第3の検出軸122とを重力方向116と交差する方向に置き、第2センサー113の第2の検出軸123を重力方向116とすることで、第1センサー111と第3センサー112で水平面2軸の計測が可能となる。第2センサー113は重力方向116に設置されるため、ドリフトの検出信号のみが出力される。この検出信号を用いて、第1センサー111および第3センサー112の検出信号から減算することによって、第1センサー111および第3センサー112のドリフト補正をすることができる。また、第1センサー111、第2センサー113、および第3センサー112は、互いに交差する第1の検出軸121、第2の検出軸123、および第3の検出軸122の各々について計測可能であり、うち2つを検出信号用、残り1つを検出信号補正用として用いることが可能である。従って、計測時に設置方向の自由度が大きく、さらに水平方向に沿った二方向の検出軸のドリフトキャンセルをすることができる、高精度なセンサーモジュールを得ることができる。
以上述べたように、本実施形態に係る傾斜計測用センサーモジュール110,210によれば、以下の効果を得ることができる。
重力軸と検出軸が一致している加速度センサーはドリフトの値のみが出力される。すなわちこの加速度センサーを用いて同一構造を持ち、同一プロセスで作られた他の検出軸の加速度センサーのドリフト補正が可能である。従って、高精度なセンサーモジュールを実現することができる。
重力軸と検出軸が一致している加速度センサーはドリフトの値のみが出力される。すなわちこの加速度センサーを用いて同一構造を持ち、同一プロセスで作られた他の検出軸の加速度センサーのドリフト補正が可能である。従って、高精度なセンサーモジュールを実現することができる。
<電子機器>
次に、上述したセンサーモジュール210を備えている電子機器について説明する。図8は、センサーモジュールを備えた傾斜計5を示す模式斜視図である。
次に、上述したセンサーモジュール210を備えている電子機器について説明する。図8は、センサーモジュールを備えた傾斜計5を示す模式斜視図である。
図8に示すように、センサーモジュール210を備えた電子機器としての傾斜計5は、上述したセンサーモジュール210を、2軸方向の傾斜測定を行うセンサーモジュールとして備えている。傾斜計5は、例えば、山の斜面、道路の法面、盛土の擁壁面などの被計測場所に設置される。傾斜計5は、外部からケーブル40を介して、センサーモジュール210(傾斜センサーモジュール)に電源が供給される。そして、傾斜計5は、センサーモジュール210に加わる重力加速度に応じて変化する第1センサー111の共振周波数から、傾斜計5の姿勢の変化(傾斜計5に対する重力加速度が加わる方向の変化)を検出し、それをルックアップテーブルなどによって角度に換算して、例えば、無線又はケーブル40などで基地局にデータ転送する。このように、傾斜計5は、微小角度計測時のドリフトキャンセルすることができる、高精度なセンサーモジュール210を備えていることから、被計測場所の日常の管理(保全)や異常の早期発見に貢献することができる。
本発明のセンサーモジュールは、上述した傾斜計5に限らず、地震計、ナビゲーション装置、姿勢制御装置、ゲームコントローラー、携帯電話などの加速度センサー、角速度センサー、傾斜センサー、圧力センサー、重量センサーなどとして好適に用いることができ、いずれの場合にも微小角度計測時のドリフトキャンセルをすることができる、高精度な電子機器を提供することができる。
5…傾斜計、10…ベース部、10a…主面、10b,10c…接続端子、11…継ぎ手部、11a…溝部、12…可動部、12a…第1主面、12b…第2主面、13…加速度検出素子、13a…振動梁、13c…加速度検出部、13d,13e…基部、13f,13g…引き出し電極、14…支持部、14a,14b…固定部、14e,14f…外部接続端子、15…質量部、16…接合材、17…接合部材、18…金属ワイヤー、20…パッケージ、21…パッケージベース、22…蓋体、22a…接合部材、23…内底面、23a…段差部、24,25…内部端子、26…外底面、27,28…外部端子、29…封止部、29a…貫通孔、29b…封止材、30…接合剤、40…ケーブル、110…センサーモジュール、111…第1センサー、112…第3センサー、113…第2センサー、114…台座、114a…第1面、114b…第4面、114c…第2面、114d…第3面、115…基台、116…重力方向、121…第1の検出軸、122…第3の検出軸、123…第2の検出軸、151,152,153…データ、210…センサーモジュール、251…制御部、252…出力信号、253…制御選択信号、254…第1信号、256…第2信号。
Claims (6)
- 立方体の形状の台座と、
前記台座の第1面に搭載され、且つ、第1の検出軸を備えた第1センサーと、
前記台座の前記第1面に交わる第2面に搭載され、且つ、重力方向の加速度成分を検出可能な第2の検出軸を備えた第2センサーと、
前記第2センサーの検出信号に基づき、前記第1センサーの検出信号を補正する制御部と、を備えていることを特徴とするセンサーモジュール。 - 前記制御部は、前記第2センサーの検出信号から前記重力方向の加速度成分を減算して誤差成分を算出し、前記誤差成分を前記第1センサーの検出信号から減算することを特徴とする請求項1に記載のセンサーモジュール。
- 前記第2センサーは、前記第2の検出軸に作用する慣性量を計測する機能を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサーモジュール。
- 前記第1の検出軸および前記第2の検出軸の両方に交差する第3の検出軸を備えた第3センサーを有し、
前記台座の前記第1面および前記第2面に交わる第3面に前記第3センサーが搭載されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセンサーモジュール。 - 前記第1センサーの検出信号および前記第2センサーの検出信号の少なくとも一方に基づき、構造物の振動、傾斜、および変位の少なくとも一つを計測することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のセンサーモジュール。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のセンサーモジュールを備えていることを特徴とする電子機器。
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US11073532B2 (en) | 2018-03-09 | 2021-07-27 | Seiko Epson Corporation | Sensor module, inclinometer, and structural health monitoring |
JP2021135150A (ja) * | 2020-02-27 | 2021-09-13 | 大和ハウス工業株式会社 | センサ装置 |
-
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- 2014-07-07 JP JP2014139408A patent/JP2016017792A/ja active Pending
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