JP2016017197A - 高炉の炉頂バンカーからの原料の排出挙動推定方法および排出挙動推定システム - Google Patents

高炉の炉頂バンカーからの原料の排出挙動推定方法および排出挙動推定システム Download PDF

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Abstract

【課題】高炉に装入される原料の炉頂バンカーからの排出挙動をより精度よく推定する方法を提供する。
【解決手段】炉頂バンカー5内の原料3の傾斜角を求め、前記求めた傾斜角を用いて、原料3が炉頂バンカー5から排出される際の排出挙動を計算する計算モデルによって原料3の排出挙動を推定する排出挙動推定方法であって、前記傾斜角が、原料3の装入が完了した時点の原料3の斜面の角度(第1の角度)又は、装入された原料3の炉頂バンカー5の排出口6からの排出を開始してからある遷移期間を経た後に安定して形成される、排出口6の上方の位置から炉頂バンカー5の側壁側に向かって上方に傾斜する原料の斜面の角度(第2の角度)である原料3の排出挙動推定方法。
【選択図】図1

Description

本発明はベルレス高炉において、炉頂バンカーに装入された原料が炉頂バンカーから排出される際の挙動を推定する方法に関し、特に異なる種類の原料が炉頂バンカーに装入される場合にそれぞれの原料がどのように炉頂バンカーから排出されるかを推定する方法に関する。
高炉操業においては、高炉上部に配置される炉頂バンカーから鉄源である鉱石や還元材であるコークスが装入され、炉内に層状に堆積させる。鉄源として装入される原料には、焼結鉱や塊鉱石やペレットなど複数の種類(総称して、鉱石と呼ぶ。)が含まれる。さらに副原料や小中塊コークスなども鉱石とともに装入される場合がある。これら複数種類の原料を炉頂バンカーに装入する場合には、原料槽から複数種類の原料がそれぞれ切出され、原料の種類ごとに炉頂バンカーに装入され、装入される順番に炉頂バンカー内に堆積する。
炉頂バンカー内に堆積した原料は排出口から排出されて高炉に装入される。炉頂バンカーから原料が排出される場合、炉頂バンカー内の原料の流れは、排出口上方の領域の流れが速く、側壁側の流れが遅いファネルフローになる。そのため、複数種類の原料が層状に堆石している炉頂バンカーから原料を排出する場合、原料はバンカーに装入された順序では排出されず、各原料がどのようなタイミングで排出されるかを把握することは難しい。一方で、高炉に原料を装入する場合には所定の材料を高炉内の所定の位置に装入することで高炉内の装入物分布を制御する必要があるため、各原料の排出タイミングを把握して制御する必要がある。
そのため、模型実験や数学モデルにより原料排出のタイミングを推定あるいは制御することが行われている。たとえば、特許文献1では原料ホッパー内における原料装入位置とその原料の排出タイミングとの関係に基づき、特定のタイミングでペレットをホッパーから排出するように、ペレットを原料ホッパー内の所定位置に装入する原料装入方法を開示する。
特開2001−192714号公報
しかし、炉頂バンカーから排出される際の原料の排出挙動は、バンカーの形状、原料の装入量、原料の種類、原料の当座の特性(粒度分布、水分含有量など)によってさまざまに変化する。上記のような従来の原料の排出タイミングの予測方法や制御方法では、各原料の排出タイミングを精度よく予測することは困難であった。
そこで本発明は、高炉に装入される原料の炉頂バンカーからの排出挙動をより精度よく推定する方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その発明の要旨とするところ
は以下のとおりである。
(1)原料が炉頂バンカーから排出される際の排出挙動を計算する計算モデルによって原料の排出挙動を推定する排出挙動推定方法において、
炉頂バンカー内の原料の傾斜角を求め、その傾斜角を用いて前記計算モデル内のパラメータの値を決定することを特徴とし、
前記傾斜角が、前記炉頂バンカーへの原料の装入が完了した時点の原料の斜面の角度(第1の角度)、および/または、装入された原料の前記炉頂バンカーの排出口からの排出を開始してからある遷移期間を経た後に安定して形成される、前記排出口の上方の位置から前記炉頂バンカーの側壁側に向かって上方に傾斜する原料の斜面の角度(第2の角度)であることを特徴とする高炉原料の排出挙動推定方法。(1)によれば、上記目的を達成することができる。
(2)上記(1)の高炉原料の排出挙動推定方法において、前記傾斜角が、炉頂バンカーから原料を排出する際に優先して原料が排出されるラットホール領域の、ラットホール領域と隣接する領域との境界面の角度(第3の角度)を含み、前記第3の角度が、予め定められた第1の角度と第3の角度との相関関係に基づいて、前記求めた第1の角度から推定されることを特徴とする高炉原料の排出挙動推定方法。(2)によれば、より精度よく高炉原料の排出挙動を推定することができる。
(3)上記(1)または(2)の高炉原料の排出挙動推定方法において、前記炉頂バンカーの横断面における前記排出口の上方の位置から前記側壁までの範囲における複数の位置において、前記炉頂バンカーに装入された原料の表面の高さである表面レベルを測定し、測定される原料の表面レベルの差に基づき原料の傾斜角を求めることを特徴とする高炉原料の排出挙動推定方法。(3)によれば、計算モデルに必要な角度を精度よく求めることができる。
(4)上記(3)の高炉原料の排出挙動推定方法において、原料の斜面の3か所以上の位置で前記表面レベルを測定し、2組以上の位置の表面レベルの差に基づき測定対象の斜面の傾斜角をそれぞれ求め、求めた複数の傾斜角に基づき原料の傾斜角を決定することを特徴とする高炉原料の排出挙動推定方法。(4)によれば、より正確に計算モデルに必要な角度を求めることができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つの高炉原料の排出挙動推定方法において、炉頂バンカー内に複数種類の原料が種類ごとに装入される場合に、前記傾斜角が各原料の装入後の原料の斜面の傾斜角を含んでいてもよい。
(6)上記(1)〜(4)のいずれか1つの高炉原料の排出挙動推定方法において、炉頂バンカー内に複数種類の原料が種類ごとに装入される場合に、前記傾斜角に加えて、原料の種類ごとの炉頂バンカー内における装入位置を求め、求めた装入位置も用いて前記計算モデル内のパラメータの値を決定してもよい。
(7)炉頂バンカー内の原料の傾斜角を求める傾斜角検出部と、
原料が前記炉頂バンカーから排出される際の排出挙動を計算する計算モデルによって原料の排出挙動を計算する計算処理部と、前記傾斜角から前記計算モデルに用いられているパラメータを決定するパラメータ決定部と、を備える排出挙動推定システム。(7)によれば、上記目的を達成することができる。
(8)上記(7)に記載の高炉原料の排出挙動推定システムにおいて、前記傾斜角検出部が、前記炉頂バンカーへの原料の装入が完了した時点の原料の斜面の角度(第1の角度)および/または、装入された原料の前記炉頂バンカーの排出口からの排出を開始してからある遷移期間を経た後に安定して形成される、前記排出口の上方の位置から前記炉頂バンカーの側壁側に向かって上方に傾斜する原料の斜面の角度(第2の角度)を求め、前記パラメータ決定部が、前記傾斜角検出部が求めた第1および/または第2の角度を、前記計算モデル内のパラメータの決定に用いることができる。
(9)上記(8)の高炉原料の排出挙動推定システムにおいて、炉頂バンカーから原料を排出する際に優先して原料が排出されるラットホール領域の、ラットホール領域と隣接する領域との境界面の角度(第3の角度)と、前記第1の角度との相関関係を予め定めておき、前記計算処理部は、前記相関関係に基づいて前記求めた第1の角度に対応する前記炉頂バンカーに装入された原料についての第3の角度を求め、求めた前記第1の角度と前記第3の角度とを前記計算モデルのパラメータの決定に用いる高炉原料の排出挙動推定システム。(9)によればより精度よく高炉原料の排出挙動を推定することができる。
本発明によれば、高炉に装入される原料の炉頂バンカーからの排出挙動をより精度よく推定する方法を提供することができる。排出挙動をより精度よく推定することで、特定の原料を高炉内の特定の場所に、より精度よく装入することができる。
並列バンカー式ベルレス装入装置の構成を示す模式図である。 実施形態における炉頂バンカー内の原料のレベル測定のためのレベル計の配置例を示す図である。 原料の排出挙動を計算するモデルを説明する図である。 原料の傾斜角αとβを求めるためのスライス模型の模式図である。 スライス模型を用いて求めた傾斜角αと傾斜角βとの関係を示すグラフである。 炉頂バンカー内の原料装入時と原料排出中における原料表面の形状を示す模式図である。 炉頂バンカー内の原料装入後と原料排出中における原料表面のレベルの変化を示す模式図である。 実施例の各ケースにおける原料の装入状態を示す模式図である。 実施例の各ケースにおける排出原料中のコークス含有量の変化を示す計算値と実測値のグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1を参照して、本実施形態に係る高炉の原料装入装置の構成および装入方法について説明する。図1の原料装入装置は、高炉10の炉頂部から焼結鉱やペレットや塊鉱石などの鉄源である鉱石と、還元材であるコークスとを交互に高炉に装入して炉内に層状に堆積させる装入装置である。図1の原料装入装置は炉頂バンカー5が並列に配置される並列バンカー式ベルレス装入装置である。
図1の原料装入装置は、原料槽1と、装入ベルトコンベア2と、切替シュート4と、炉頂バンカー5と、排出口6と、流量調整弁7と、集合ホッパー8と、旋回シュート9などを備え、さらに傾斜角検出手段としてのレベル計12およびレベル測定制御部20と、原料の排出挙動を計算する計算処理部30と、計算処理部30において原料の排出挙動を計算するモデル内に使用されているパラメータをレベル測定制御部20から求められた傾斜角を使って決定するパラメータ決定部40とを備える。レベル計12およびレベル測定制御部20等を含む傾斜角検出手段、パラメータ決定部40および計算処理部30によって、原料の排出挙動を推定する装置(システム)が構成される。
原料槽1は、高炉に装入する原料を原料の種類や粒度に応じてそれぞれ貯蔵する。原料装入装置を用いて高炉10内に原料3を装入する場合には、各原料3を所定重量ずつ装入ベルトコンベア2上に切り出して、切替シュート4を介して炉頂バンカー5に供給する。供給された原料3は、炉頂バンカー5に一旦貯留される。貯留された原料3は、炉頂バンカー5の排出口6から流量調整弁7を通って集合ホッパー8に排出され、旋回シュート9によって炉内に装入される。流量調整弁7の開度を調整することで、排出口6から排出される原料の排出流量が調整される。旋回シュート9は供給された原料3を高炉10の炉内の所望の位置に装入する。並列バンカー式ベルレス装入装置の場合、並列する複数のバンカーを用いて、焼結鉱などの鉱石とコークスを交互に炉内に装入し、鉱石の層とコークスの層を積層させて装入する。
上述の通り、炉頂バンカー5には、鉄源又はコークスが装入されるが、たとえば鉄源として炉頂バンカー5に装入する原料には、複数種類の原料が含まれる場合がある。具体的には、焼結鉱、塊鉱石、ペレットなどの各種鉱石、あるいは、副原料や小中塊コークスなどの鉱石以外の材料が挙げられる。以下の実施形態の説明においては、一例として、鉄源の原料として複数種類の原料が原料ごとに順番に炉頂バンカー5に装入され、その原料を炉頂バンカー5から排出する場合における原料の排出挙動を推定する方法について説明する。排出挙動が推定されることで、たとえば鉄源の原料として焼結鉱とコークスとが炉頂バンカー5に装入され、排出される場合に、どの程度の量のコークスがいつ排出されるか、といったことの推定が可能である。なお、還元材であるコークスについても、たとえば粒度が異なるコークスなど、種類の異なるコークスを種類ごとに炉頂バンカー5に順番に装入する場合には、そのコークスの排出挙動の推定に本実施形態の排出挙動の推定方法を当然適用できる。
(レベル測定制御部)
傾斜角検出手段(傾斜角検出部)であるレベル計12とレベル測定制御部20は、炉頂バンカー5内に装入された原料が形成する斜面の傾斜角を求めるための手段である。原料の傾斜角は、後述のように原料の排出挙動の推定に用いられる。本実施形態の傾斜角検出手段によって求めることができる傾斜角は、炉頂バンカー5への原料装入が完了した後、原料の排出が開始される前の時点において、堆積した原料が静止している状態の傾斜角(つまり安息角)と、原料の排出口6からの排出中に形成される原料の斜面の傾斜角(以下、動的傾斜角)とが含まれる。排出中の原料の動的傾斜角は原料が排出されることで変化するため、タイミングによって角度は異なる。
レベル計12は、炉頂バンカー5内に装入された原料の、炉頂バンカー内における表面レベル(高さ)を測定する。本実施形態では、レベル計12は炉頂バンカー内の原料の表面レベルを複数箇所で測定する。測定された複数箇所のレベルの差から原料の傾斜角が求められる。レベル計12としては原料の表面レベルを連続的に測定できる装置であればどのような装置を用いてもよいが、たとえば非接触式のレーザー距離計やマイクロ波距離計などを用いることができる。なお、図1においてレベル計12を右側の炉頂バンカー5にのみ示しているが、他の炉頂バンカー5にも同様にレベル計12を配置して装入される原料の表面レベル測定処理を行ってよい。
レベル計12が表面レベルを測定する複数箇所の位置は特に限定されない。炉頂バンカー5から排出する1回分の原料が原料槽1から切出されて炉頂バンカー5に装入された場合に、装入された原料の頂部となる位置の表面レベルと、頂部以外の1か所以上の位置の表面レベルを測定することが好ましい。
原料装入後の頂部の位置は、たとえば図1のような偏心型の炉頂バンカー5に対して切替シュート4から原料が装入される場合、炉頂バンカー5の横断面の中心よりも内側の側壁寄りの位置(炉頂バンカー5の装入口の下方位置)になる。原料装入後の表面形状がこのような形状となる場合には、原料頂部付近の位置と、頂部付近の位置よりもバンカー横断面の径方向外側の1か所または複数箇所における原料の表面レベルを測定することが好ましい。
測定箇所の一例を図2に示す。図2はレベル計12によって炉頂バンカー5内の原料レベルを3か所で測定する場合を示す模式図である。図2の場合、レベル計Aによって測定する原料頂部付近の第1の位置と、レベル計Bによる第1の位置よりも炉頂バンカー5の径方向外側の第2の位置と、レベル計Cによる第2の位置よりもさらに径方向外側の第3の位置の計3か所の位置の表面レベルが測定される。第1から第3の位置は、バンカーの径方向において、第1の位置からバンカー内壁(原料装入位置から遠い方のバンカーの側壁の内面)の位置までを等分する位置とすることができる。なお、図2ではレベル計12を測定箇所の上方にそれぞれ配置しているが、各位置の原料のレベルを測定できるのであれば、レベル計12自体はどこに配置されてもよい。また、1つのレベル計で複数個所のレベルを測定できるのであれば、レベル計12は測定箇所の数だけ配置されなくてもよい。
レベル測定制御部20は、レベル計12を制御して原料の表面レベルの測定処理を実行させる。またレベル測定制御部20は、複数点のレベルの測定値から測定対象の斜面の傾斜角を算出する。たとえば、2か所レベルを測定する場合には、レベル測定制御部20はその2か所のレベルの差から傾斜角を求める。また3か所以上のレベルを測定する場合には、たとえば1つの斜面について2か所のレベル差から求められる複数の傾斜角に基づいて傾斜角を決めればよく、たとえば求めた複数の傾斜角の平均値を傾斜角とすることができる。レベル測定制御部20は、たとえばプロセッサなどの処理部や記憶部(メモリ)等を備えるコンピュータでよい。なお傾斜角の算出処理は、レベル測定制御部20以外の他のコンピュータや処理装置が行ってもよい。
(パラメータ決定部)
パラメータ決定部40は、レベル計12とレベル測定制御部20によって求められる傾斜角の値から、計算処理部30のモデル内のパラメータを決定する。計算処理部40は、プロセッサなどの処理部と、予め定められた傾斜角の値とモデル内のパラメータとの対応関係を記憶する記憶部等とを備えるコンピュータでよい。
(計算処理部30)
計算処理部30は、パラメータ決定部40で定められた値を計算モデルに用いて、計算モデルにより原料の排出挙動を推定する処理装置である。計算処理部30は、プロセッサなどの処理部と原料の排出挙動を計算する計算モデルのプログラム等を記憶する記憶部等を備えるコンピュータでよい。計算処理部30は、当該プログラムを実行して後述のように原料の排出挙動を計算する。なお、計算処理部30によって実現される機能の一部または全部がASIC等の処理回路によって実現されてもよい。
次に、上述の傾斜角検出手段によって求める原料の傾斜角に基づき、原料の排出挙動を推定する方法について説明する。本実施形態の原料の排出挙動の推定方法は、求めた傾斜角の値を原料の排出挙動を推定する計算モデルに適用して、計算モデル内のパラメータの値を決定し、炉頂バンカー5内に装入された各種原料それぞれの排出タイミングをより正確に推定するものである。以下、レベル測定により求めた傾斜角を適用可能な計算モデルを例示して、推定方法を具体的に説明する。なお、上述の通り計算モデルによる原料の排出挙動の計算処理は、計算処理部30によって行われればよい。
(計算モデル1について)
まず1つ目の計算モデル1を用いて排出挙動を推定する方法について説明する。図3は、計算モデル1に用いるパラメータであるθ1からθ3の角度について説明する図である。本計算モデルは、Kaoru NAKANO, Kohei SUNAHARA, Takanobu INADA 「Advanced Supporting System for Burden Distribution Control at Blast Furnace Top」 ISIJ International, Vol.50(2010), No.7,pp.994−999に記載のモデルである。
図3(a)は、たとえばA〜Cの3種類の原料を、原料A→原料B→原料Cの順で炉頂バンカー5に装入した場合の、堆積状態を示す断面模式図である。この場合、供給順に排出口側から原料A、B、Cの順で炉頂バンカー5内に原料が堆積する。そして本計算モデルでは、このような順序で装入された原料が図3(b)に示すような順序で排出されるものとしてパターン化し、炉頂バンカー5内の3種類の原料がどのようなタイミングで排出されるかを推定するモデルである。具体的には図3(b)に示されるように、まず原料1として示す範囲にある原料が排出され、次に原料2として示す範囲にある原料が排出され、次に原料3として示す範囲にある原料が排出される、とするモデルである。なお、各原料(図3の場合はA〜Cの3種類)は、少なくとも隣接する原料同士が異なる種類の原料であることを意味し、すべて種類が異なる場合だけでなく、たとえば図3で原料AとCが同じ原料であるような場合も含む。異なる種類の原料とは、排出の挙動が異なる原料であり、鉱石とコークスのように材料が異なる場合や、焼結鉱と塊鉱石のように同じ材料(鉱石)で種類が異なる場合や、同じ種類の材料(鉱石)でも粒度分布などの性状が異なる場合などが含まれる。
そして、本計算モデルでは排出挙動を計算するためのパラメータとして、上述の通りθ1、θ2、θ3の3つの角度を用いる。θ1(第1の角度)は原料装入後の原料の安息角である。θ2(第3の角度)は原料排出時の排出口上方のラットホール領域の境界部分の角度(ラットホール角)である。θ3は、原料排出中の原料崩壊角である。
θ1は、原料の安息角である。θ1は、上述の通り傾斜角検出手段によって原料レベルから求めることができる。
そして上述の通り、炉頂バンカー5から原料を排出する場合、原料は排出口6上方にある原料が側壁側の原料よりも先に排出されるいわゆるファネルフローで排出されるが、その排出口上方の原料が先に排出されるラットホール領域とそこに隣接する原料が残ってしまう領域との境界部分の角度であるラットホール角がθ2である。θ2は、あらかじめ原料の安息角と、原料を排出している際のラットホール角との相関関係を求めておき、傾斜角検出手段によって求めたθ1と当該相関関係とからθ2を求める。
図4は、安息角とラットホール角との相関関係を求める測定装置の一例を示す模式図である。図4の測定装置は炉頂バンカーと同様に、上方から装入された原料を下方から排出する機能を有する直方体状のスライス模型で、断面(透明な側壁部)から原料の堆積形状を透過して観察できる装置である。図4に示すように、スライス模型では右上から原料を装入し、左下の排出口から原料を排出する。
原料装入後の排出前の時点での原料の傾斜角αが安息角であり、原料をスライス模型に装入して原料が崩れずに堆積した状態における原料の斜面の角度である。傾斜角αは、図3に示した炉頂バンカー5に堆積した原料の傾斜角θ1に対応する。次に、スライス模型下部の排出口から原料を一定の流速で排出するとともにスライス模型上部から排出量と同量の原料を供給することで、原料の傾斜角が一定となる状態を作る。その一定となった傾斜角が原料排出中のラットホール角である傾斜角βである。傾斜角βが、図3に示した炉頂バンカー5での原料排出中のθ2に対応する。傾斜角αとβは、堆積した原料の表面が形成する斜面をスライス模型の断面(側面)を通して直接観察して測定して求められる。
このスライス模型を用いて傾斜角αとβの相関関係の算出例を説明する。まず、粒径が1〜5mmの粒子を含むコークス粒子に対して1mm以下の粉コークスの重量比率を変化させた試料を複数種類用意する。そして試料を模型上部より装入し、装入後の傾斜角αを測定する。その後スライス模型の排出口から一定速度で試料を排出するとともに、模型上部から同量の試料を供給して原料の傾斜角が一定となる状態を作り、傾斜角βを測定する。この操作をそれぞれの試料について行い、各試料についてのαとβを求める。これらの測定結果から傾斜角αとβの相関関係を求めた。
図5は各試料についてのαとβの測定結果の一例を示すグラフである。このように、原料の安息角である傾斜角αと排出中のラットホール角である傾斜角βとは、傾斜角αが増加すると傾斜角βが低下する逆相関の関係にあることがわかる。
この相関関係を利用して実際の炉頂バンカー5における原料排出中のラットホール角に対応するθ2を求めることができる。つまり、まず上述のようにして傾斜角検出手段によって原料装入後に傾斜角θ1を求める。そして、図5に示すような予め求めた安息角αとラットホール角βとの相関関係から、求めたθ1に対応するθ2を求めることができる。
なお、図5に示すようなαとβの測定結果から相関関係を決定する場合には、図5において破線で示すように、測定した値から近似式を求めてその近似式を上記相関関係としてθ2の算出に用いてよい。この図5において破線で示す近似式を相関関係と定めた場合には、たとえば実際の炉頂バンカー5で測定されるθ1が40度であった場合、θ2は約77.5度と求めることができる。また、一例としてコークスの安息角とラットホール角との相関関係を求める場合を示したが、鉱石についてのθ2を求める場合には、鉱石の安息角とラットホール角との相関関係を同様の方法で求めればよい。
また、当該相関関係は所定の記憶領域に予め記憶されていればよく、たとえば計算処理部30の記憶部に記憶されていてもよいし、ネットワークを介して計算処理部30に接続されるサーバなどの他の記憶領域に記憶されていてもよい。計算処理部30は原料の排出挙動の計算を行う際に、所定の記憶領域に記憶されている相関関係に基づいてθ2を求めることができる。
以上のようにして求められるθ1とθ2は、炉頂バンカーの形状等の設備条件や、原料の装入条件、あるいは原料の粒度分布、含有粉率、水分の変動に応じて変化する。したがって、本実施形態によれば、これらのさまざまな条件が変化してもその変化に対応したより適切なθ1やθ2を求めることができる。したがって、より適切なθ1やθ2を上述の計算モデルに用いて原料の排出挙動を推定することで、より精度よく原料の排出タイミングを求めることができる。なお炉頂バンカー5からの排出中における原料崩壊角であるθ3については、θ1やθ2の変動に関わらず予め決定した固定値を用いるが、上述のように条件の変化に応じたθ1とθ2を計算モデルに適用できるので、θ3が固定値であっても、より精度よく原料の排出挙動を求めることができる。
なお、計算モデル内のパラメータの値を決定するために用いる情報としては、さらに、複数の原料それぞれの装入時点の斜面の傾斜角(安息角)や、装入位置(バンカー内において各原料が存在する範囲)の情報を用いてもよい。各原料の傾斜角は、たとえば図2(a)のように1回の炉頂バンカーへの原料装入で、原料A、B、Cが順に装入される場合において、各原料の装入後に表面レベルを測定して求められる角度である。また、各原料の装入位置とは、各原料がバンカー内で堆積しているレベルの範囲である。各原料の装入中にレベル計12によってレベルを連続的に測定することで、各原料の装入前後のレベルの変化から各原料が堆積している範囲を特定することができる。各原料の装入のタイミングは、原料槽1から切出される原料の順番や量から算出できる。
各原料の装入時点の傾斜角や装入位置も用いて計算モデルのパラメータの値を決定することで、さらに精度よく原料の排出挙動を推定することができる。
(計算モデル2について)
次に、2つ目の計算モデル2を用いる場合の原料の排出挙動の推定方法について説明する。計算モデル2は、離散要素法(DEM;Discrete Element Method)を用いて原料の排出挙動を推定するものである。DEMは、個々の粒子運動を運動方程式に基づいて求める手法であり、当該手法により炉頂バンカー5から排出される原料全体についての排出挙動を求める。
炉頂バンカー5からの原料の排出挙動の推定処理についてのDEMの適用については、たとえば、Hiroshi Mio, Masatomo Kadowaki, Shinroku Matsuzaki, Kazuya Kunitomo 「Development of particle flow simulator in charging process of blast furnace by discrete element method」 Mineral Engineering 33(2012)27−33に記載されている。DEMを用いた本計算モデル2では、傾斜角検出手段によって原料排出中の原料の斜面の傾斜角を求め、その値を用いてより精度よく原料の排出挙動を求めることができる。
具体的には、まず図6(a)に示すように原料装入後、排出開始前には原料はその安息角で堆積する。この角度は計算モデル1の説明においても示した傾斜角θ1である。その後原料排出を開始するとある遷移期間を経過した後、図6(b)に示すように原料の傾斜角がほぼ一定に維持された表面形状のまま、全体の表面レベルが低下していく時間(期間)がある。この傾斜角が一定に保たれる際の傾斜角θ4(第2の角度)が動的傾斜角である。本計算モデル2においては、この傾斜角θ1および/または傾斜角θ4を用いて、DEMモデル中に用いられているパラメータを決定する。
具体的な計算モデルへの適用方法は、まずレベル計12とレベル測定制御部20によって原料の複数箇所における表面レベルを連続的に測定する。まず、排出開始前に原料の安息角θ1を測定する。続いて、排出を開始して遷移期間経過後にある期間一定の傾斜角となる斜面についての複数箇所のレベル測定値から、上述の動的傾斜角θ4を求める。さらに、安息角θ1から前述の計算モデル1で示した方法によってラットホール角を推定する。これら安息角、動的傾斜角およびラットホール角のいずれかまたは複数の傾斜角を用いて、DEMモデル内で用いられている摩擦係数などのパラメータをフィッティングする。フィッティングでは、たとえば摩擦係数の値を適宜変化させてバンカー内の原料の動きをシミュレーションし、前記傾斜角が最もよく再現する値に決定する。フィッティングに用いる傾斜角の個数に相当する個数のDEMモデル内で用いられるパラメータをフィッティングできる。従って、フィッティングに用いる傾斜角の個数が多いほどDEMモデルの精度が向上する。また、上述の各原料の装入時点の傾斜角や装入位置のデータも用いてDEMモデル内の摩擦係数等のパラメータをフィッティングしてもよい。
ここで、実際に図1に示す方式の原料装入装置の炉頂バンカー5に原料を装入し、レベル計12によって原料の表面レベルの測定を行った結果について説明する。表面レベルの測定は、5370mの容積の高炉に用いられる炉頂バンカーの5.6分の1縮尺の炉頂バンカー5を用いて行った。レベル計12は、図2に示したように、原料3を炉頂バンカー5に装入した場合に頂部となる位置であり、且つ、排出口6の上方の位置の表面レベルを測定するレベル計Aと、レベル計Aよりも炉頂バンカー5の横断面の径方向外方の位置の表面レベルを測定するレベル計Bと、レベル計Bよりもさらに外方の位置の表面レベルを測定するレベル計Cとを用いた。なお、測定位置は、上述のようにバンカーの径方向においてレベル計Aの測定位置と炉頂バンカー5の内壁までを等分した位置であるが、必ずしも等分した位置である必要はなく、複数箇所で表面レベルが測定できればよい。
装入する原料には焼結鉱を用いた。以下の表1に示すように、同じ焼結鉱の原料について、流量調整弁7の開度を変えてそれぞれレベルの変化を測定した。すなわち、サンプル1と2では共通の原料について排出中の弁開度を変えてレベルの変化を測定した。いずれのサンプルも、粒径が2mm以上10mm以下の焼結鉱が混ざった原料である。
図7に測定結果のグラフを示す。図7のグラフは、炉頂バンカー5における径方向のレベル測定位置(横軸)と原料の表面レベル(縦軸)との関係を示す。図7(a)はサンプル1についての測定結果であり、図7(b)はサンプル2についての測定結果である。図7において、レベル計Aによる測定値を白丸(○)で示し、レベル計Bによる測定値を黒丸(●)で示し、レベル計Cによる測定値を四角(□)で示す。
図7に示すように、A〜Cのレベル計12によって各位置の原料の表面レベルを測定することで、斜面の傾斜角など表面形状を把握できることがわかる。そして図7において、サンプル1と2では、グラフにも示すように原料装入後の排出前の0秒の時点で測定されるレベルから求められる傾斜角θ1はほぼ同じであった。
また、原料排出開始後は、排出口6の上方のレベル計Aで測定される領域はラットホール領域となるため、レベル計BやCで測定される領域よりも先にレベルが低下していくことがわかる。排出開始からある程度時間が経過すると(つまり遷移期間経過後)、図6(b)で示すような、排出口6の上方の位置からバンカー内壁(排出口から遠い側の内壁)に向かって上方に傾斜する傾斜面を形成し、一定の傾斜角を維持しながら表面レベル全体が低下していることがわかる。この一定の傾斜角が維持されている際の斜面の複数箇所のレベルから求められる傾斜角が本計算モデル2に用いられる動的傾斜角θ4である。
サンプル1と2で動的傾斜角θ4はほぼ同じであった。具体的にはサンプル1の30秒経過時から50秒経過時頃までの動的傾斜角とサンプル2の30秒前後における動的傾斜角とがほぼ同じ傾斜角となった。同じ原料同士であれば、流量調整弁7の開度が変化しても表面形状の変化のしかたの違いは小さく、ほぼ同じ動的傾斜角をとる。
以上に説明したように、レベル計12を用いて複数箇所の表面レベルを測定することで、炉頂バンカー5に装入された原料が遷移期間経過後に形成する斜面の動的傾斜角θ4を求めることができることがわかる。
以上の本実施形態の推定方法(システム)によれば、炉頂バンカー5に装入された原料の排出前の安息角や、その安息角とあらかじめ定めた相関関係とから求められるラットホール角や、原料排出中にある遷移期間経過後に傾斜が一定となった際の斜面の動的傾斜角を求めて、これらの角度を用いて原料の排出挙動を推定する計算モデルに用いられているパラメータの値を決定できる。
求めた傾斜角を計算モデルに適用してモデル内のパラメータを決定することで、炉頂バンカーの形状等の設備条件や、原料の粒度分布や粉率や重量の変化や水分の変化などの原料の条件などが変化しても、その変化に応じた値(角度)が適用され、パラメータの値が決定されるため、より正確に原料の排出挙動を推定することができる。
そして、各原料の排出タイミングをより精度よく求めることができることで、その推定されるタイミングに基づいて、切替シュート9の角度等を制御して原料の高炉への装入を行うことで、所望の位置に所望の原料を装入することができる。
(計算モデルによる特定原料の排出量の経時変化の推定)
以下、本発明を実施例によってより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。本実施例は、鉄源の原料として鉱石とコークスの両方を含む原料を炉頂バンカー5に装入して実際に排出した場合に、排出される原料中に含まれるコークスの量(含有率)の経時変化を計算モデルによって求めた。そして、実際に排出原料を一定間隔でサンプリング(採取)してコークスの含有量を測定した実測値と、当該計算モデルによって求めた計算値とを比較した。計算モデルには、一例として本発明の方法によって求めた原料の傾斜角θ1とラットホール角であるθ2を利用した計算モデル1を用いた。
具体的には、まず、図8の(a)〜(c)に示すように各種原料を炉頂バンカー5に堆積させた。炉頂バンカー5は、高炉に用いられる5370mの容積の炉頂バンカーの5.6分の1縮尺の炉頂バンカーを用いて行った。図8(a)のケース1は、最初にコークスを装入し、次に鉱石を堆積させた。図8(b)のケース2は、鉱石、コークス、鉱石の順番で原料を装入した。図8(c)のケース3は、鉱石を装入後、コークスを装入した。ケース1〜3の各原料の供給順序と重量は以下の表2に示すとおりであり、鉱石とコークスの装入量は各ケース同じで装入順序を変更したものである。
そして、各ケースについてまず原料装入後の安息角であるθ1を、レベル計12とレベル測定制御部20により求めた。そして、あらかじめ定めた安息角と原料排出中のラットホール角との相関関係(上述の傾斜角αと傾斜角βの相関関係)に基づき、求められたθ1に対応するθ2をそれぞれのケースについて求めた。求めたθ1およびθ2と、あらかじめ定められる固定のパラメータであるθ3の値を用いて、計算モデル1によって原料排出挙動を計算した。
そして、ケース1〜3について計算モデルによって求められる原料の排出挙動から、排出原料に含まれるコークス含有量の計算モデルによる値と実測値を図9(a)〜(c)のグラフに示す。図9(a)はケース1についてのグラフであり、図9(b)はケース2についてのグラフであり、図9(c)はケース3についてのグラフである。縦軸が各タイミングで排出される原料中に含まれるコークスの含有量(wt%)であり、横軸が排出開始時を0とし、原料の排出終了時を1とした場合の無次元の時間経過を示す。
図9に示すように、計算モデルによる計算値はいずれのケースについても、実測でコークスが含まれることが測定されたタイミング付近で、コークスが排出されていることが算出されている。したがって、計算モデルによって原料の排出挙動をより精度よく推定できたことがわかる。
1 原料槽
2 装入ベルトコンベア
3 原料
4 切替シュート
5 炉頂バンカー
6 排出口
7 流量調整弁
8 集合ホッパー
9 旋回シュート
10 高炉
12 レベル計
20 レベル測定制御部
30 計算処理部
40 パラメータ決定部

Claims (9)

  1. 原料が炉頂バンカーから排出される際の排出挙動を計算する計算モデルによって原料の排出挙動を推定する排出挙動推定方法において、
    炉頂バンカー内の原料の傾斜角を求め、その傾斜角を用いて前記計算モデル内のパラメータの値を決定することを特徴とし、
    前記傾斜角が、前記炉頂バンカーへの原料の装入が完了した時点の原料の斜面の角度(第1の角度)、および/または、装入された原料の前記炉頂バンカーの排出口からの排出を開始してからある遷移期間を経た後に安定して形成される、前記排出口の上方の位置から前記炉頂バンカーの側壁側に向かって上方に傾斜する原料の斜面の角度(第2の角度)であることを特徴とする高炉原料の排出挙動推定方法。
  2. 前記傾斜角が、炉頂バンカーから原料を排出する際に優先して原料が排出されるラットホール領域の、ラットホール領域と隣接する領域との境界面の角度(第3の角度)を含み、
    前記第3の角度が、予め定められた第1の角度と第3の角度との相関関係に基づいて、前記求めた第1の角度から推定されることを特徴とする請求項1に記載の高炉原料の排出挙動推定方法。
  3. 前記炉頂バンカーの横断面における前記排出口の上方の位置から前記側壁までの範囲における複数の位置において、前記炉頂バンカーに装入された原料の表面の高さである表面レベルを測定し、
    測定される原料の表面レベルの差に基づき原料の傾斜角を求めることを特徴とする請求項1または2に記載の高炉原料の排出挙動推定方法。
  4. 原料の斜面の3か所以上の位置で前記表面レベルを測定し、
    2組以上の位置の表面レベルの差に基づき測定対象の斜面の傾斜角をそれぞれ求め、
    求めた複数の傾斜角に基づき原料の傾斜角を決定することを特徴とする請求項3に記載の高炉原料の排出挙動推定方法。
  5. 炉頂バンカー内に複数種類の原料が種類ごとに装入される場合に、
    前記傾斜角が各原料の装入後の原料の斜面の傾斜角を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の高炉原料の排出挙動推定方法。
  6. 炉頂バンカー内に複数種類の原料が種類ごとに装入される場合に、
    前記傾斜角に加えて、原料の種類ごとの炉頂バンカー内における装入位置を求め、求めた装入位置も用いて前記計算モデル内のパラメータの値を決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の高炉原料の排出挙動推定方法。
  7. 炉頂バンカー内の原料の傾斜角を求める傾斜角検出部と、
    原料が前記炉頂バンカーから排出される際の排出挙動を計算する計算モデルによって原料の排出挙動を計算する計算処理部と、前記傾斜角から前記計算モデルに用いられているパラメータを決定するパラメータ決定部と、を備える高炉原料の排出挙動推定システム。
  8. 前記傾斜角検出部が、前記炉頂バンカーへの原料の装入が完了した時点の原料の斜面の角度(第1の角度)および/または、装入された原料の前記炉頂バンカーの排出口からの排出を開始してからある遷移期間を経た後に安定して形成される、前記排出口の上方の位置から前記炉頂バンカーの側壁側に向かって上方に傾斜する原料の斜面の角度(第2の角度)を求め、
    前記パラメータ決定部が、前記傾斜角検出部が求めた第1および/または第2の角度を、前記計算モデル内のパラメータの決定に用いる請求項7に記載の高炉原料の排出挙動推定システム。
  9. 炉頂バンカーから原料を排出する際に優先して原料が排出されるラットホール領域の、ラットホール領域と隣接する領域との境界面の角度(第3の角度)と、前記第1の角度との相関関係を予め定めておき、
    前記パラメータ決定部は、前記相関関係に基づいて前記求めた第1の角度に対応する前記炉頂バンカーに装入された原料についての第3の角度を求め、求めた前記第1の角度と前記第3の角度とを前記計算モデルのパラメータの決定に用いる請求項8に記載の高炉原料の排出挙動推定システム。
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