JP2016017181A - 連続鋳造用アルミニウム合金及び連続鋳造材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた高温強度を有する連続鋳造材を製造可能なアルミニウム合金を提供する。
【解決手段】Si:10.5〜13.5質量%、Cu:3〜5質量%、Ni:3〜5質量%、Mg:〜1.0質量%、Fe:0.65〜1.0質量%、Mn:0.001〜0.1質量%、を含み、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、且つ、[Fe]と[Mn]の関係が[Mn]≦0.14×[Fe]を満足しているアルミニウム合金。但し、[]は括弧内の元素の含有量(単位:質量%)である。前記アルミニウム合金の溶湯をモールド内に注入して溶湯温度から660〜630℃までの範囲において100℃/s以上の冷却速度で冷却するアルミニウム合金連続鋳造材の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、連続鋳造用アルミニウム合金、アルミニウム合金連続鋳造材の製造方法、アルミニウム合金連続鋳造材、及び、アルミニウム合金連続鋳造体に関する。
各種アルミニウム合金のうち共晶又は過共晶Al−Si合金は、Siを約10質量%以上含有している。このAl−Si合金は、熱膨張係数が小さく、優れた耐摩耗性を有しているので、高温強度や耐摩耗性が要求される部材、特に、内燃機関のピストン等の部品の材料として用いられている。
近年、内燃機関の燃焼効率及び出力を向上させるため、内燃機関の燃焼温度が上昇している。これに伴い、その部品に対しても高い温度域で優れた高温強度が要求されるようになっている。
高温強度を有するアルミニウム合金として、特開平7−216487号公報(特許文献1)では、耐摩耗性に寄与するSiと、析出強化元素であるCu、Mgとを含有するとともに、更に、高温強度の向上に寄与するFe、Niと、高温での回復・再結晶抑制効果を奏するMn、Ti、Zr、Vとを共存させたアルミニウム合金が提案されている。
特開2004−27316号公報(特許文献2)では、Niを所定量含有させて晶出物を均一微細に分散させることで高温強度を高めたアルミニウム合金が提案されている。
特開平7−216487号公報 特開2004−27316号公報
しかしながら、上記特許文献1のアルミニウム合金では、高温強度を発揮できる温度は高くても250℃程度であり、そのため、この合金を例えば内燃機関のピストンの材料として用いると、ピストン天井部において十分な強度を得ることができない。
上記特許文献2のアルミニウム合金では、高温強度の向上に有効な元素であるNiとFeの含有量が[Fe]≦−0.25×[Ni]+1.75質量%の関係(ただし、[ ]は括弧内の元素の含有量)を満足することが条件である。そのため、Niの含有量が4.5質量%以上の高Ni含有アルミニウム合金であってFeの含有量が0.65質量%を超えている場合には、粗大なAl−Ni−Fe系の金属間化合物が晶出してしまい十分な高温強度を得ることができない。
また一般に、高温強度を向上させるためには、Al−Ni−Fe系やAl−Ni−Fe−Cu系の金属間化合物を均一微細に晶出させることが望ましい。しかし、Ni及びFeの含有量を多くすると、連続鋳造時にAl−Ni−Fe系やAl−Ni−Fe−Cu系の金属間化合物が粗大化し易く、そのため高い高温強度を得ることが困難であった。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、優れた高温強度を有する連続鋳造材を製造可能な連続鋳造用アルミニウム合金、アルミニウム合金連続鋳造材の製造方法、優れた高温強度を有するアルミニウム合金連続鋳造材、及び、アルミニウム合金連続鋳造体を提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] Si:10.5質量%≦[Si]≦13.5質量%、
Cu:3質量%<[Cu]≦5質量%、
Ni:3質量%<[Ni]≦5質量%、
Mg:[Mg]≦1.0質量%、
Fe:0.65質量%<[Fe]≦1.0質量%、
Mn:0.001質量%≦[Mn]<0.1質量%、
を含み、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、且つ、
[Fe]と[Mn]の関係が、
[Mn]≦0.14×[Fe]
を満足することを特徴とする連続鋳造用アルミニウム合金。
ただし、[ ]は括弧内の元素の含有量(単位:質量%)である。
[2] 前項1記載のアルミニウム合金の溶湯をモールド内に注入して溶湯温度から660〜630℃までの範囲において100℃/s以上の冷却速度で冷却することを特徴とするアルミニウム合金連続鋳造材の製造方法。
[3] Si:10.5質量%≦[Si]≦13.5質量%、
Cu:3質量%<[Cu]≦5質量%、
Ni:3質量%<[Ni]≦5質量%、
Mg:[Mg]≦1.0質量%、
Fe:0.65質量%<[Fe]≦1.0質量%、
Mn:0.001質量%≦[Mn]<0.1質量%、
を含み、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、且つ、
[Fe]と[Mn]の関係が、
[Mn]≦0.14×[Fe]
を満足することを特徴とするアルミニウム合金連続鋳造材。
ただし、[ ]は括弧内の元素の含有量(単位:質量%)である。
[4] AlとNiとFeとを金属間化合物形成元素として少なくとも含んで形成された金属間化合物の平均粒子径が3μm以下である前項3記載のアルミニウム合金連続鋳造材。
[5] 前項3又は4記載のアルミニウム合金連続鋳造材製であることを特徴とするアルミニウム合金連続鋳造体。
本発明は以下の効果を奏する。
前項[1]の連続鋳造用アルミニウム合金は、各成分元素の含有量が所定量に設定されており、特に、Feの含有量が0.65質量%<[Fe]≦1.0質量%であり、Mnの含有量が0.001質量%≦[Mn]<0.1質量%であり、更に、[Fe]と[Mn]の関係が[Mn]≦0.14×[Fe]を満足していることにより、優れた高温強度を有する連続鋳造材を製造することができる。
前項[2]のアルミニウム合金連続鋳造材の製造方法は、優れた高温強度を有する連続鋳造材を確実に得ることができる。
前項[3]のアルミニウム合金連続鋳造材は、前項[1]と同様の理由により、優れた高温強度を有している。
前項[4]では、アルミニウム合金連続鋳造材の高温強度を確実に高めることができる。
前項[5]のアルミニウム合金連続鋳造体は、前項[1]と同様の理由により、優れた高温強度を有している。
図1は、本発明の一実施形態に係るアルミニウム合金の連続鋳造装置の一例として示したホットトップ鋳造装置の概略断面図である。
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本発明の一実施形態に係る連続鋳造用アルミニウム合金は、
Si:10.5質量%≦[Si]≦13.5質量%、
Cu:3質量%<[Cu]≦5質量%、
Ni:3質量%<[Ni]≦5質量%、
Mg:[Mg]≦1.0質量%、
Fe:0.65質量%<[Fe]≦1.0質量%、
Mn:0.001質量%≦[Mn]<0.1質量%、
を含み、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、且つ、
[Fe]と[Mn]の関係が、
[Mn]≦0.14×[Fe] …式(1)
を満足しているものである。
ただし、[ ]は括弧内の元素の含有量であり、その単位は「質量%」である。
本実施形態のアルミニウム合金は、高い高温強度が要求される部材の材料として好適に用いられ、具体的には、内燃機関のピストン、その他の内燃機関の部品の材料として特に好適に用いられる。
本発明の一実施形態に係るアルミニウム合金連続鋳造材は、本実施形態のアルミニウム合金製のものであり、即ち、本実施形態のアルミニウム合金の溶湯を連続鋳造することにより得られるものである。
本実施形態のアルミニウム合金連続鋳造材は、Feを0.65質量%を超えて含有するとともに、所定の金属間化合物が均一微細に分散されることで高温強度が高められており、特に高温強度として300℃の温度での強度(特に機械的強度)が高められている。
さらに、本実施形態の連続鋳造材は、所定の金属間化合物の平均粒子径が3μm以下に設定されていることが望ましい。
ここで、所定の金属間化合物とは、金属間化合物形成元素としてAlとNiとFeとを少なくとも含んで形成されたものであり、具体的には、Al−Ni−Fe系の金属間化合物、Al−Ni−Fe−Cu系の金属間化合物である。
本発明の一実施形態に係るアルミニウム合金連続鋳造体は、本実施形態の連続鋳造材製のものである。
本実施形態の連続鋳造材において、Feの固溶は高温強度を向上させるために必要不可欠である。また、Mnの含有量が0.001質量%以上であれば、高温強度の向上を図ることができる。しかし、Mnの含有量が0.1質量%以上であると、Feの固溶量が低下してAl−Ni−Fe系の金属間化合物の晶出量が減少するため高い高温強度を得ることができない。したがって、Mnは0.001質量%≦[Mn]<0.1質量%でなければならない。さらに、[Fe]と[Mn]の関係が上記式(1)を満足していることにより、高温強度を確実に向上させることができる。
以下に、本実施形態のアルミニウム合金の成分元素の含有量の限定理由について更に詳しく説明する。
<Si:10.5質量%≦[Si]≦13.5質量%>
Siは、アルミニウム合金の熱膨張を小さく抑制するとともに、耐熱性と耐摩耗性を向上させる作用を有する元素である。さらにSiは、連続鋳造時に溶湯の流れを良好にしたり制振性を向上させたりする作用も有する。さらにSiは、Mgと反応して時効硬化に有効なMgSiを生成する。
Siの含有量が10.5質量%未満では、熱膨張が大きくなるし、十分な高温強度と耐摩耗性を得ることができない。一方、Siの含有量が13.5質量%を超えると、初晶Siの粒子径が大きくなって応力集中による高温強度の低下を招く。したがって、Siの含有量は10.5質量%≦[Si]≦13.5質量%でなければならない。
<Cu:3質量%<[Cu]≦5質量%>
Cuは、固溶強化により室温から約200℃までの温度域で材料強度を向上させる元素である。しかし、Cuの含有量が多すぎると、Al−Ni系金属間化合物の晶出を妨げてしまい、その結果、250℃以上での材料強度の向上を阻害する。そこで、Cuの含有量は3質量%<[Cu]≦5質量%に設定されている。
<Ni:3質量%<[Ni]≦5質量%>
Niは、高い融点を有するAl−Ni系金属間化合物を生成し、200℃から350℃付近までの温度域での高温強度を改善する元素である。
<Mg:[Mg]≦1.0質量%>
Mgは、Siとの共存によって時効処理にてMgSiを析出させて強度を向上させる元素である。Mgの含有量が1.0質量%を超えると、MgSiの粒子径が大きくなって強度の低下を招くし、更に、伸びが低下して連続鋳造時に割れ(即ち鋳造割れ)が生じ易くなる。したがって、Mgの含有量は[Mg]≦1.0質量%でなければならない。
<Fe:0.65質量%<[Fe]≦1.0質量%>
Feは、Niと同様にAlとの化合物を晶出し、高温強度を向上させる作用を有する元素である。Feの含有量が0.65質量%を超えることにより、Feの上記作用を確実に奏しうる。さらに、Feは、Niと共に含有させた場合には、Al−Ni−Fe系の金属間化合物を晶出する。しかし、Feの含有量とNiの含有量との合計含有量が6.0質量%を超えると、粗大なAl−Ni−Fe系の金属間化合物が晶出して高温強度の低下を招く。ここで、Niの含有量の上限は5.0質量%であることから、Feの含有量の上限は1.0質量%に制限される。したがって、Feの含有量は0.65質量%<[Fe]≦1.0質量%でなければならない。
<Mn:0.001質量%≦[Mn]<0.1質量%>
Mnの含有量が0.001質量%以上であれば、高温強度の向上を図ることができる。しかし、Mnの含有量が0.1質量%以上であると、Feの固溶量が低下してAl−Ni−Fe系の金属間化合物の晶出量が減少し、高い高温強度を得ることができない。Mnの含有量が0.1質量%未満であれば、Feの固溶量を低下させず且つAl−Ni−Fe系の金属間化合物を微細に晶出させ得て高温強度を向上させることができる。したがって、Mnの含有量は0.001質量%≦[Mn]<0.1質量%でなければならない。特に望ましいMnの含有量の下限は0.01質量%である。
<[Fe]と[Mn]の関係>
上述したように粗大なAl−Ni−Fe系金属間化合物が生成されると高温強度が低下することになる。Mnの添加によって粗大なAl−Ni−Fe系金属間化合物の生成を抑制する。しかしMnの添加量が多すぎるとFeの固溶量が低下してしまい満足する高温強度が得られない。したがって粗大なAl−Ni−Fe系金属間化合物を晶出せず、更にFeの固溶量を低下させない関係が必要となる。FeとMnの関係が[Mn]≦0.14×[Fe]を満たさないとAl−Ni−Fe系金属間化合物が粗大に晶出してしまう、あるいは満足する高温強度を得られないため、[Mn]≦0.14×[Fe]の関係を満たす必要がある。
本実施形態のアルミニウム合金を用いて本実施形態の連続鋳造材を製造するための連続鋳造法は限定されるものではなく、様々な公知の連続鋳造法(例:垂直型連続鋳造法、水平型連続鋳造法)を用いることができる。
垂直型連続鋳造法としては、ホットトップ鋳造法などが用いられる。
以下では、連続鋳造法の一例として、図1に示したホットトップ鋳造装置9を用いたホットトップ鋳造法によってアルミニウム合金連続鋳造材10を製造する場合(即ち、アルミニウム合金の溶湯1をホットトップ鋳造法によって連続鋳造してアルミニウム合金連続鋳造材10を製造する場合)について簡単に説明する。
同図に示すようにホットトップ鋳造装置9は、モールド(鋳型)2、溶湯受容器(ヘッダー)3などを具備している。モールド2はその内部に充満された冷却水4により冷却されている。受容器3は一般に耐火物製であり、モールド2の上側に設置されている。
受容器3内のアルミニウム合金の溶湯1は、冷却されたモールド2内に下方向に注入されるとともに、モールド2から噴出された冷却水4aにより所定の冷却速度で冷却されて凝固し、更に水槽内の水5(その温度:約20℃)に浸されて完全に凝固する。これにより、棒状などの長尺な連続鋳造材10が得られる。
所定の冷却速度は、モールド2内に注入される前のアルミニウム合金の溶湯温度から660〜630℃までの範囲において100℃/s以上に設定されることが望ましい。こうすることにより、金属間化合物を確実に微細に晶出させ得て高温強度を確実に向上させることができる。冷却速度の上限値については限定されるものではないが、特に望ましい冷却速度の上限値は600℃/sである。冷却速度はDAS(Dendrite Arm Spacing)を用いて算出した。DASの測定方法は2次アームが数本平行に成長しているところをさがし、2次アーム間隔を50か所以上測定した。その後、DASと冷却速度の関係式d=29・C-0.30を用いて冷却速度を算出した。なお上記関係式において、d:DAS(μm)、C:冷却速度(℃/s)である。本実施形態では、連続鋳造材10はDASが2〜6μmの範囲であることが、金属間化合物を確実に微細に晶出させ得て高温強度を確実に向上させることができる点で特に望ましい。したがって、上記冷却速度は、得られる連続鋳造材10のDASが2〜6μmの範囲になるように設定されることが特に望ましく、DASが2〜6μmの範囲に確実になるようにするには上記冷却速度を170〜600℃/sの範囲に設定することが特に望ましい。
なお、モールド2内に注入される前のアルミニウム合金の溶湯温度は、通常、670〜760℃に設定される。
なお本発明では、アルミニウム合金連続鋳造材の製造はホットトップ鋳造法により行われることに限定されるものではなく、その他の連続鋳造法により行われても良い。
こうして得られたアルミニウム合金連続鋳造材は、必要に応じて熱処理されるとともに、必要に応じて所望する部材(製品を含む)の形状に形成されるなどして、本実施形態の連続鋳造体(連続鋳造品を含む)が得られる。したがって、本実施形態の連続鋳造体は本実施形態の連続鋳造材製である。
さらに、連続鋳造材は、必要に応じて所定の塑性加工手段(例:鍛造加工、押出加工、圧延加工)により加工されるなどによって、所望する部材(例:内燃機関のピストン、その他の内燃機関の部品)が得られる。
以上で本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で様々に変更可能であることは言うまでもない。
次に、本発明の具体的実施例及び比較例について以下に説明する。ただし本発明は下記実施例に限定されるものではない。
表1に示す組成を有する複数種のアルミニウム合金の溶湯をホットトップ鋳造法によって連続鋳造し、これにより複数種のアルミニウム合金連続鋳造材(試料番号1〜11)を得た。そして、各連続鋳造材を試験条件である300℃の温度に100時間保持した後、300℃の温度にて引張試験を行うことで各連続鋳造材の高温強度(高温での機械的特性)を評価した。その結果を表2中の「引張強度」欄に示した。
Figure 2016017181
Figure 2016017181
表1中の「Mg」欄において、「−」は検出限界未満(即ち0.005質量%未満であることを示している。
表1中の「[Mn]/[Fe]」欄は、[Mn]を[Fe]で割った値を示している。
表1中の「Fe,Mn量」欄において、「○」は[Fe]と[Mn]の関係が上記式(1)を満足していることを示し、「×」は上記式(1)を満足していないことを示している。
表2中の「冷却速度」欄は、アルミニウム合金の溶湯を連続鋳造する際に適用された、溶湯温度から660〜630℃までの範囲における溶湯の冷却速度を示している。
表2中の「平均粒子径」欄は金属間化合物の平均粒子径を示している。金属間化合物は、AlとNiとFeとを金属間化合物形成元素として少なくとも含んで形成されたものである。金属間化合物の平均粒子径は、連続鋳造材の縦断面中央部から組織観察サンプルを切り出し、ミクロ研磨し、ミクロ写真から評価した。また測定方法は視野1.5815mmの範囲に存在する粒子の円相当径を測定した。同条件で10か所について測定しその平均値を「平均粒子径」欄に記載している。
試料番号1〜7は本発明の実施例であり、本発明の全ての要件を満たしている。
試料番号8〜11は本発明の比較例である。
試料番号8は、Fe、Mg及びNiの含有量と冷却速度とが本発明の要件を満たしていない。
試料番号9は、Fe、Cu及びNiの含有量が本発明の要件を満たしていない。
試料番号10は、Feの含有量が本発明の要件を満たしていない。
試料番号11は、Fe及びNiの含有量と、[Fe]と[Mn]の関係とが本発明の要件を満たしていない。
表2に示すように、本発明の全ての要件を満たしている試料番号1〜7(実施例)は、300℃の温度での引張強度がいずれも試料番号8〜11(比較例)のそれよりも高かった。したがって、試料番号1〜7は優れた高温強度を有していることを確認し得た。
なお試料番号8は、Fe及びNiの含有量がいずれも少ないため、冷却速度が遅くてもAl−Ni−Fe系の金属間化合物の晶出量が少なく、そのため金属間化合物の平均粒子径が小さくなっていた。
本発明は、連続鋳造用アルミニウム合金、その製造方法、アルミニウム合金連続鋳造材、及び、アルミニウム合金連続鋳造体に利用可能である
1:アルミニウム合金の溶湯
2:モールド
9:ホットトップ鋳造装置
10:アルミニウム合金連続鋳造材

Claims (5)

  1. Si:10.5質量%≦[Si]≦13.5質量%、
    Cu:3質量%<[Cu]≦5質量%、
    Ni:3質量%<[Ni]≦5質量%、
    Mg:[Mg]≦1.0質量%、
    Fe:0.65質量%<[Fe]≦1.0質量%、
    Mn:0.001質量%≦[Mn]<0.1質量%、
    を含み、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、且つ、
    [Fe]と[Mn]の関係が、
    [Mn]≦0.14×[Fe]
    を満足することを特徴とする連続鋳造用アルミニウム合金。
    ただし、[ ]は括弧内の元素の含有量(単位:質量%)である。
  2. 請求項1記載のアルミニウム合金の溶湯をモールド内に注入して溶湯温度から660〜630℃までの範囲において100℃/s以上の冷却速度で冷却することを特徴とするアルミニウム合金連続鋳造材の製造方法。
  3. Si:10.5質量%≦[Si]≦13.5質量%、
    Cu:3質量%<[Cu]≦5質量%、
    Ni:3質量%<[Ni]≦5質量%、
    Mg:[Mg]≦1.0質量%、
    Fe:0.65質量%<[Fe]≦1.0質量%、
    Mn:0.001質量%≦[Mn]<0.1質量%、
    を含み、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、且つ、
    [Fe]と[Mn]の関係が、
    [Mn]≦0.14×[Fe]
    を満足することを特徴とするアルミニウム合金連続鋳造材。
    ただし、[ ]は括弧内の元素の含有量(単位:質量%)である。
  4. AlとNiとFeとを金属間化合物形成元素として少なくとも含んで形成された金属間化合物の平均粒子径が3μm以下である請求項3記載のアルミニウム合金連続鋳造材。
  5. 請求項3又は4記載のアルミニウム合金連続鋳造材製であることを特徴とするアルミニウム合金連続鋳造体。
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