JP2016016936A - テープカッター - Google Patents

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Kohei Kasahara
広平 笠原
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Abstract

【課題】テープの引き出しや切断時に動きにくく、軽量のテープカッターを提供する。
【解決手段】テープカッター10は、床面に載置される脚部20と、脚部20の長さ方向の一端側から上方に延びる支持部30と、支持部30から上方に延び、先端部にテープリール70が保持されるリール取付部40と、支持部30から脚部20の長さ方向の他端側に延び、先端部にカッター62が保持されるカッター部50とを備え、カッター部50の先端部はテープリール70の軸芯より下方に位置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、テープの引き出しや切断時にも動きにくく、軽量小型のテープカッターに関する。
従来より、例えば図8に示す構成の卓上テープカッターが知られている。該テープカッター100は床面に安定した状態で置かれており、上方が開放された収容空間111が形成されたケース本体110と、収容空間111に収容され、支持部112によりケース本体110に回転自在に支持されたテープリール120と、ケース本体110の一端部に設けられた切断刃130とを備えている。
テープリール120は、その外周面にロール状に巻き回されたテープTが嵌め込まれており、引き出されたテープTは切断刃130により切断される。
この種のテープカッター100においては、テープTは水平方向に引き出されて切断刃130により切断されるが、テープの引き出しの際に、ケース本体110に加わる水平方向の力によってケース本体110が動いてしまう場合がある。これを防ぐために、ケース本体110の内部に錘140を収容してテープカッター100の重量を大きくしている。
しかし、従来のテープカッター100では、上述のように、大きい重量の錘140を収容する必要があるため、テープカッター100の重量が大きくなり、テープカッター100の向きを変えたり手元に移動させることが容易ではない。また、近年では粘着力のより強いテープTが用いられるようになっており、錘140を備えたテープカッター100であっても、テープTの引き出しの際にテープカッター100が動いてしまう場合がある。
本発明は、上記した課題に着目してなされたものであり、軽量で持ち運びがしやすく、かつ、テープの引き出しの際にケース本体が動きにくいテープカッターを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、床面に載置される脚部と、前記脚部の長さ方向の一端側から上方に延びる支持部と、前記支持部から上方に延び、一対の第1及び第2のリール取付構造体から構成され、一対の前記第1及び第2のリール取付構造体の先端部にテープリールが保持されるリール取付部と、前記支持部から前記脚部の長さ方向の他端側に延び、先端部にカッターが保持されるカッター部とを備え、前記カッター部の先端部は前記テープリールの軸芯より下方に位置するテープカッターにより達成される。
テープリールに保持されたテープは、従来のテープカッターのように水平方向ではなくカッター部の先端部に向けて下方に引き出される。このため、テープが引き出される力によってテープカッターは床面に押さえつけられ、テープカッターが動きにくくなる。従って、錘の重量を小さくすることができ、従来のテープカッターのように重量の大きい錘を備える必要がない。このため、テープカッターを軽量化することができ、持ち運びがしやすくなる。
また、支持部が脚部の長さ方向の一端側から上方に延びており他端側からは延びていないため、テープの引き出しの時に、テープをつまむ手が位置する空間を脚部の長さ方向の他端側の上方に確保することができる。このため、テープの引き出しを容易に行うことができる。
この実施態様においては、前記カッター部の先端部は、前記テープリールの軸芯と前記脚部の長さ方向の他端部とを結ぶ線Aよりも一端側に位置することを特徴としている。
仮に、カッター部の先端部が線Aよりも他端側に位置すると、テープが引き出される方向の延長線上には、脚部の他端部よりもさらに他端側の床面が位置するため、テープカッターが他端側に倒れやすくなる。
しかし、本発明において、テープの引き出し時にカッター部の先端部と線Aとの間にテープを位置させることで、テープが引き出される方向の延長線上には、側面視において脚部が位置する。このため、テープが引き出される力によってテープカッターが床面に押さえつけられ、テープカッターが動きにくくなる。
また、この実施態様においては、前記カッター部が延びる方向は、前記テープリールの軸芯と前記カッター部の先端部を結ぶ線Bに対して垂直であることを特徴としている。
カッターは、その刃部がカッター部が延びる方向に平行となるようにカッター部に保持されている。そして、テープの切断時には、線Bの方向にテープが引き出された状態となるので、カッターの刃部がテープに対して垂直となり、小さい力でテープを切断することができる。
前記支持部は、前記脚部の長さ方向の他端側に傾いて延び、前記リール取付部は、前記支持部の延長線上に沿って前記脚部の長さ方向の他端側に傾いて延び、または前記脚部の長さ方向に対して垂直方向に延びてもよい。
また、前記支持部は、前記脚部の長さ方向に対して垂直方向に延び、前記リール取付部は、前記垂直方向に延び、または前記脚部の長さ方向の他端側に傾いて延びてもよい。
さらに、前記支持部は、前記脚部の長さ方向の一端部から延びてもよい。
また、前記支持部は、前記脚部の長さ方向の一端側の途中位置から延びてもよい。
前記脚部は、一対の脚片と、前記脚片の長さ方向の一端側を連結する脚連結部とを備え、前記支持部は前記脚連結部から延びてもよい。
前記脚部は、二股状に分岐した一対の脚片から構成され、前記支持部は前記脚部の分岐点から延びていてもよい。
本発明のテープカッターは、床面に載置するのではなく、一方の手でテープを引き出し、他方の手で支持部を保持してもよい。このとき、テープリールに保持されたテープを脚部を超えて長く引き出したときには、一対の脚片の間の空間にテープを通して、カッター部のカッターにテープを接触させ、テープを切断する。このように、脚部に一対の脚片を備えて一対の脚片の間に形成される空間にテープを通すことで、長く引き出したテープを切断することが可能となる。
また、前記脚部は、略矩形状の平板であってもよい。
この実施態様においては、射出成形で得られる第1及び第2のテープカッター構成体を組み合わせることで形成されるテープカッターであって、前記床面に載置される一対の前記脚片が相対する方向を幅方向と称する場合に、前記脚部は、前記幅方向に分割された一対の第1及び第2の脚部構成体から形成され、前記支持部は、前記幅方向に分割された一対の第1及び第2の支持部構成体から形成され、前記第1の支持部構成体は前記第1の脚部構成体から延び、前記第2の支持部構成体は前記第2の脚部構成体から延び、前記リール取付部は、前記幅方向に相対する一対の第1及び第2のリール取付部構成体から形成され、前記第1のリール取付部構成体は前記第1の支持部構成体から延び、前記第2のリール取付部構成体は前記第2の支持部構成体から延び、前記カッター部は、前記幅方向に分割された一対の第1及び第2のカッター部構成体から形成され、前記第1のカッター部構成体は前記第1の支持部構成体から延び、前記第2のカッター部構成体は前記第2の支持部構成体から延び、前記第1のテープカッター構成体は、前記第1の脚部構成体と、前記第1の支持部構成体と、前記第1のリール取付部構成体と、前記第1のカッター部構成体とを一体に射出成形したものであり、前記第2のテープカッター構成体は、前記第2の脚部構成体と、前記第2の支持部構成体と、前記第2のリール取付部構成体と、前記第2のカッター部構成体とを一体に射出成形したものであることを特徴としている。
前記構成によれば、第1と第2のテープカッター構成体は、それぞれ第1と第2の脚部構成体と、第1と第2の支持部構成体と、第1と第2のリール取付部構成体と、第1と第2のカッター部構成体とが一体に形成されている。このため、第1と第2の脚部構成体と、第1と第2の支持部構成体と、第1と第2のリール取付部構成体と、第1と第2のカッター部構成体とをそれぞれ別体として組み立てる場合に比べ、部品点数を少なくすることができる。
また、テープカッターを一体物として射出成形するのではなく、テープカッターの部品である第1と第2のテープカッター構成体をそれぞれ射出成形し、これらを組み立てることでテープカッターを形成しているので、射出成形に用いる金型を簡易なものとすることができる。
また、本発明のテープカッターを、一体物として射出成形等により成形してもよい。
この実施態様においては、前記支持部に錘が収容される錘収容部が形成されることを特徴としている。
本発明に係るテープカッターによると、テープが引き出される方向が従来のテープカッターのように水平方向ではなく下方であるため、テープが引き出される力によってテープカッターが床面に押さえつけられ、テープカッターが動きにくくなる。従って、錘の重量を小さくすることができ、従来のテープカッターのように重量の大きい錘を備える必要がなく、またテープカッターの底面とテープカッターが載置された床面との接触面積も小さくできるため、テープカッターを軽量化、小型化することができる。
また、支持部が脚部の長さ方向の一端側から上方に延びており、他端側からは延びていないため、脚部の長さ方向の他端側の上方に、テープをつまむ手が位置する空間を確保することができ、テープの引き出しや切断を容易に行うことができる。
本発明の一実施形態に係るテープカッターを示す斜視図である。 テープカッターの分解斜視図である。 テープカッターの側面図である。 リール取付部の要部の斜視図である。 カッター部の要部の斜視図である。 本発明の他の実施形態に係るテープカッターを示す側面図である。 本発明の他の実施形態に係るテープカッターを示す側面図である。 従来技術のテープカッターを示す側面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、テープカッター10は、床面Sに載置される脚部20と、支持部30と、リール取付部40と、カッター部50とを備えている。
脚部20は、一対の第1及び第2の脚片21A,21Bと、脚片21A,21Bの長さ方向の一端側を連結する脚連結部22とを備えている。
脚片21A,21Bの内部には、強度を補強するためのリブ21aが形成されている。
脚片21A,21Bの底面には、樹脂製の滑り止め60A,60Bが粘着テープ等で取り付けられており、滑り止め60A,60Bが床面Sと接触している。
以下、脚部20(脚片21A,21B)の長さ方向の一端側を一端側と称し、脚部20(脚片21A,21B)の長さ方向の他端側を他端側と称する。また、床面Sに載置される一対の脚片21A,21Bが相対する方向(脚片21A,21Bの長さ方向に対して垂直の方向)を幅方向と称する。
支持部30は、脚部20の一端側の端部から上方に延びており、脚部20の他端側に傾いている。支持部30は、脚片21A,21Bの一端部から延びる一対の第1及び第2の支持側部31A,31Bと、脚部連結部22の一端部から延び、支持側部31A,31Bの間を連結する支持連結部32から構成されている。すなわち、図3に示すように、支持部30が脚部20の一端側から他端側に傾いて延びることで、支持部30と脚部20との間には空間E1が形成される。
図2に示すように、支持連結部32には、錘61が収容される錘収容部34が形成されている。
リール取付部40は、支持部30の第1及び第2の支持側部31A,31Bの先端部から脚部20の長さ方向に対して垂直方向(鉛直上方)に延びる一対の第1及び第2のリール取付部構成体40A,40Bから形成されている。
図2に示すように、リール取付部構成体40A,40Bの内部には、強度を補強するためのリブ40aが形成されている。
各リール取付部構成体40A,40Bの先端部の間には、テープリール70が回転可能及び着脱可能に保持されている。
図2に示すように、テープリール70は、大巻リール71と、小巻リール72と、一対の小巻リール係止部73とから構成される。大巻リール71の外周面には、ロール状に巻回されたテープTが着脱可能に保持される。また、大巻リール71の軸芯には大巻リール筒体71aが設けられており、該筒体71aに小巻リール72が嵌め込まれている。小巻リール72の軸芯には小巻リール筒体72aが設けられている。一対の小巻リール係止部73,73は、それぞれ、円形の鍔部73b,73bと、鍔部73b,73bの中心から延びる軸部73a,73aとから構成されており、軸部73a,73aは小巻リール筒体72aの両端の開口に嵌め込まれる。
なお、大巻リール71を用いず、小巻リール72の外周面にテープTを保持させてもよい。
図4は、各リール取付部構成体40A,40Bの先端部の壁40e(後述)の一部を切り欠いた図である。各リール取付部構成体40A,40Bの先端部は、それぞれ、内側壁40bと、内側壁40bと相対する外側壁40cと、内側壁40bの他端側の端と外側壁40cの他端側の端とを連結する連結壁40dと、内側壁40bの上端と外側壁40cの上端と連結壁40dの上端と連結する先端壁40eを備えている。内側壁40bと外側壁40cとの間には一端側が開放された空間が設けられており、該空間には、一端側から小巻リール係止部73,73の鍔部73b,73bが挿入される。
内側壁40bには、テープリール70を支持する切込み部41が設けられている。
切り込み部41は、一端側が開口し、一端側から他端側に向かって延びるガイド切り込み41aと、ガイド切り込み41aの他端側から下方に延びる半円状の支持切り込み41bとから形成される。ガイド切り込み41aの上下方向の幅や支持切り込み41bの直径は、テープリール70の小巻リール筒体72aの直径よりも若干大きく、テープリール70の鍔部73bの直径よりも小さい。
小巻リール72の小巻リール筒体72aは、ガイド切り込み41aに挿入され支持切り込み41bに回転可能に支持される。
このように、小巻リール筒体72aが支持切り込み41bに支持された状態では、各リール取付部構成体40A,40Bに対してこれらの間隔が広がる方向に力が加わった場合であっても、内側壁40bと外側壁40cとの間に鍔部73b,73bが挿入されているとともに、鍔部73b,73bが各リール取付部構成体40A,40Bの内側壁40bとそれぞれ当接するため、テープリール70がリール取付部40から抜け落ちることがない。
カッター部50は、図1、図3に示すように、支持部30の先端部から脚部20の長さ方向の他端側に延びており、カッター部50の先端部(後述するカッター連結部52の先端部やカッター側部51A,51Bの先端部51aに相当)はテープリール70の軸芯より下方に位置している。カッター部50の先端部にはカッター62が保持されている。
カッター部50は、支持部30の第1及び第2の支持側部31A,31Bの先端部から他端側に延びる第1及び第2のカッター側部51A,51Bと、支持部30の支持連結部32から他端側に延び、カッター側部51A,51Bの間を連結するカッター連結部52とから構成されている。すなわち、図3に示すように、カッター部50の下方であり、カッター部50と脚部20との間には、空間E2が形成される。
図3に示すように、カッター側部51の先端51aは、テープリール70の軸芯と、脚部20の長さ方向の他端部(脚部20の長さ方向の他端における床面Sとの接点)とを結ぶ線Aよりも一端側に位置している。
さらに、カッター部50が延びる方向(図3中の破線矢印D)は、カッター部50の先端部に係止されるカッター62の刃部62a(後述)の先端と、テープリール70の軸芯とを結ぶ線Bに対して垂直としている。
図5に示すように、カッター62は、断面L字形状の係止部62bと、該係止部62bの一辺62cの端部に形成された刃部62aとを備えており、刃部62aは先端が尖鋭な複数の刃を有している。
また、カッター連結部52の先端部には、溝52cが形成されている。カッター連結部52の溝52cにカッター62の断面L字形状の係止部62bの他辺62dを差し込むことで、カッター62がカッター連結部52の先端に係止される。このように、カッター62が係止された状態では、カッター62の刃部62aはカッター部50が延びる方向に平行となっている。
また、カッター連結部52の先端部には、テープリール70から引き出されたテープTを粘着保持する粘着保持部52dが形成されている。
図3に示すように、上記の構成を備えたテープカッター10においては、テープリール70の軸芯から脚部20の長さ方向に対して垂直方向に下ろした線と脚部20の底面との交点Pは、脚部20の一端と他端の間に位置している。さらに、カッター部50の先端部は、テープリール70の軸芯と、交点Pと、脚部20の他端とを結ぶ三角形の内側に位置している。
次に、本発明のテープカッター10の使い方について説明する。
本発明のテープカッター10を床面Sに載置し、まず、一方の手でテープTの先端をつまみ、テープTを斜め下方に向けて引き出す。このとき、テープTを引き出す方向を図3における線Aよりも一端側とすることで、テープTを引き出す力によりテープカッター10が床面Sに押さえ付けられる。そして、カッター連結部51の粘着保持部52dにテープTの切断部近傍を押し当て、テープTの先端をつまんでいる手を、支持部30と脚部20との間の空間E1及びカッター部50の下方の空間E2に位置させて、カッター62に対してテープTをひねるようにテープTに力を加えることでテープTを切断する。
また、他方の手で脚部20を床面Sに押さえながら図3における線Aよりも他端側にテープTを引き出すことで、より長くテープTを引き出すことができる。このように引き出されたテープTを切断する際には、まず、カッター連結部51の粘着保持部52dにテープTの切断部近傍を押し当て、次に、他方の手を脚部20から離し、テープTの切断部の近傍をつまむ。そして、他方の手でカッター62に対してテープTをひねるようにテープTに力を加えることでテープTを切断する。
また、テープカッター10を手で持って使用することもできる。この場合、一方の手でテープTを引き出し、他方の手で支持部30を保持する。テープリール70に保持されたテープTを脚部20を超えて長く引き出すときには、一対の脚片21A,21Bの間の空間にテープTを通して、カッター連結部51の粘着保持部52dにテープTの切断部近傍を押し当てる。そして、一方の手でカッター62に対してテープTをひねるようにテープTに力を加えることでテープTを切断する。
このように、脚部20に一対の脚片21A,21Bを備えて一対の脚片21A,21Bの間に形成される空間にテープTを通すことで、長く引き出したテープTを切断することが可能となる。
本発明に係るテープカッター10によると、テープTが引き出される方向が従来のテープリール120のように横方向ではなく下方であるため、テープTが引き出される力によってテープカッター10が床面Sに押さえつけられ、テープカッター10が動きにくくなる。従って、錘61の重量を小さくすることができ、従来のテープカッターのように重量の大きい錘を備える必要がない。またテープカッター10の底面とテープカッター10が載置された床面Sとの接触面積も小さくできるため、テープカッター10を軽量化、小型化することができる。
また、支持部30が脚部20の長さ方向の一端側から上方に延びており他端側からは延びていないため、テープTの引き出し時に、テープTをつまむ手が位置する空間を脚部20の長さ方向の他端側の上方に確保することができる。このため、テープTの引き出しや切断を容易に行うことができる。
さらに、支持部30が脚部20の長さ方向の他端側に傾いて延びることで、支持部30と脚部20との間に空間E1が形成され、この空間E1はカッター部50の下方の空間E2と連続する。従って、空間E1と空間E2をテープTを切断する際に手をいれる空間として用いることができる。このように、支持部30が脚部20の長さ方向の他端側に傾いて延びることで、テープTを切断する際に手をいれる空間が広がるため、テープTを切断しやすくなる。
また、リール取付部40が支持部30の先端部から、脚部20の長さ方向に対して垂直方向に延びているため、テープリール70の軸芯が支持部30の先端部より他端側に位置しないので、テープTを引き出す際に他端側に倒れにくい。
さらに、カッター側部51の先端51aは、テープリール70の軸芯と、脚部20の長さ方向の他端部(脚部20の長さ方向の他端における床面Sとの接点)とを結ぶ線Aよりも一端側に位置しているので、テープTの引き出し時にカッター部50の先端部と線Aとの間にテープTを位置させることで、図3に示すように、側面視においてテープTの引き出される方向の延長線上に脚部20が位置するようになる。このため、テープTが引き出される力によってテープカッター10が床面Sに押さえつけられ、テープカッター10が動きにくくなる。
また、カッター部50が延びる方向は、テープリール70の軸芯とカッター部50の先端部を結ぶ線Bに対して垂直であり、カッター62の刃部62aはカッター部50が延びる方向に平行となるようにカッター部50に保持されている。そして、テープの切断時には、図3に示す線Bの方向にテープTが引き出された状態となるので、カッター62の刃部62aがテープに対して垂直となる。このため、小さい力でテープを切断することができる。
また、本実施形態では、テープリール70の軸芯とカッター側部51の先端51aとを結ぶ線Cと線Aとのなす角度αを例えば5度以上としている。これにより、線Cと線Aとの間の領域が広くなるため、使用者に確実にテープTをカッター部50の先端部と線Aとの間に引き出させることができる。従って、テープTが引き出される力を確実にテープカッター10を動きにくくするために用いることができる。
さらに、50メートル巻きのテープTをテープリール70に保持させた場合に、テープリール70に巻かれたテープTの外周の一点とカッター部50のカッター62の刃部62aとの間の距離のうち最も短い距離aを例えば15mm以上25mm以下とし、本実施形態では20mmとしている。
距離aが15mmよりも小さい場合には、テープTをつまんで引き出すために、テープTの外周とカッター部50との間に指を入れる空間が確保できない。また、距離aを25mmよりも大きくした場合には、テープリール70の位置が上方に位置するため、テープTを引き出す際や切断する際の反動や振動等によってテープカッター10が倒れやすくなる。距離aを15mm以上25mm以下とすることで、テープTの外周とカッター部50との間に指を入れる空間を確保するとともに、テープTの引き出し時や切断時にテープカッター10が倒れにくくなる。
また、脚部20の一端側から他端側の長さを155mmとした場合に、テープリール70の軸芯から脚部20の長さ方向に対して垂直方向に下ろした線と脚部20の底面との交点Pと、脚部20の長さ方向の一端との間の距離bを例えば30mm以上としている。この構成により、テープカッター10を床面Sに載置したときの安定を保つことができる。
また、カッター部50のカッター62の刃部62aの先端から脚部20の長さ方向に対して垂直方向に下ろした線と脚部20の底面との交点Qと、脚部20の長さ方向の一端との間の距離cを、距離bより長くしている。この構成により、テープTの切断時にテープカッター10が倒れることを防いでいる。
さらに、カッター部50のカッター62の刃部62aの先端と、カッター62の刃部62aの先端から脚部20の長さ方向に対して垂直方向に下ろした線が脚部20の上面と交わる点との距離dは例えば70mm以上としている。この構成により、テープカッター10によって切り取ることのできるテープTの長さを確保している。
また、カッター側部51A,51Bの先端51aをカッター62の刃部62aの先端よりも突出させており、本実施形態では、その突出距離eを例えば4mmとしている。この構成により、カッター62の刃部62aに手が当たることを防いでいる。
なお、本実施形態では、前記角度αを5度以上とし、前記距離aを20mmとし、前記距離bを30mm以上とし、前記距離dを70mm以上とし、前記突出距離eを4mmとしているが、本発明はこれらの値に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて変更が可能である。
また、上述のテープカッター10は、図2に示すように、射出成形で得られる第1及び第2のテープカッター構成体11A,11Bを組み合わせることで形成される。
第1のテープカッター構成体11Aは、第1の脚部構成体23Aと、第1の支持部構成体33Aと、第1のリール取付部構成体40Aと、第1のカッター部構成体53Aとが射出成形により一体形成されており、第2のテープカッター構成体11Bは、第2の脚部構成体23Bと、第2の支持部構成体33Bと、第2のリール取付部構成体40cと、第2のカッター部構成体53Bとが射出成形により一体形成されている。
第1及び第2の脚部構成体23A、23Bは、脚部20を幅方向に分割したものである。
第1の脚部構成体23Aは、第1の脚連結部半割体22Aと第1の脚片21Aとで形成され、第2の脚部構成体23Bは、第2の脚連結部半割体22Bと第2の脚片21Bとで形成されている。第1及び第2の脚連結部半割体22A,22Bは、脚連結部22が幅方向に分割されたものである。
第1及び第2の支持部構成体33A,33Bは、支持部30が幅方向に分割されたものである。第1の支持部構成体33Aは、第1の支持側部31Aと第1の支持連結部半割体32Aで形成され、第2の支持部構成体33Bは、第2の支持側部31Bと第2の支持連結部半割体32Bで形成されている。第1及び第2の支持連結部半割体32A,32Bは支持部30の支持連結部32が幅方向に分割されたものである。第1の支持連結部半割体32Aは第1の脚連結部半割体22Aから延び、第2の支持連結部半割体32Bは第2の脚連結部半割体22Bから延びている。
第1及び第2のカッター部構成体53A,53Bは、カッター部50が幅方向に分割されたものである。第1のカッター部構成体53Aは、第1のカッター側部51Aと第1のカッター連結部半割体52Aで形成され、第2のカッター部構成体53Bは、第2のカッター側部51Bと第2のカッター連結部半割体52Bで形成されている。第1及び第2のカッター連結部半割体52A,52Bは、カッター部50のカッター連結部52が幅方向に分割されたものである。第1のカッター連結部半割体52Aは第1の支持連結部半割体32Aの先端部から延びている。第2のカッター側部51Bは第2の支持側部31Bの先端部から延び、第2のカッター連結部半割体52Bは第2の支持連結部半割体32Bの先端部から延びている。
第1の脚連結部半割体22Aと、第1の支持連結部半割体32Aと、第1のカッター連結部半割体52Aとには、それぞれ、第2の脚連結部半割体22B、第2の支持連結部半割体32B、第2のカッター連結部半割体52Bに向けて開口する筒体22a、32a、52aが設けられ、第2の脚連結部半割体22Bには、筒体22a、32a、52aに挿入される突起22b、32b、52bが設けられている。
第1及び第2のテープカッター構成体11A,11Bは、筒体22a、32a、52aと突起22b、32b、52bにより結合されている。
前記構成によれば、第1及び第2のテープカッター構成体11A,11Bは、それぞれ、第1及び第2の脚部構成体23A,23Bと、第1及び第2の支持部構成体33A,33Bと、第1及び第2のリール取付部構成体40A,40Bと、第1及び第2のカッター部構成体53A,53Bとが一体に形成されている。このため、各構成体23A,23B、33A,33B、40A,40B、53A,53Bとをそれぞれ別体として組み立てる場合に比べ、部品点数を少なくすることができる。
また、テープカッターを一体物として射出成形するのではなく、テープカッター10の部品である第1及び第2のテープカッター構成体11A,11Bをそれぞれ射出成形し、これらを組み立てることでテープカッター10を形成しているので、射出成形に用いる金型を簡易なものとすることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
図6、図7は本発明の変形例を示すテープカッター10の側面図である。これらの変形例では、支持部30が延びる方向、リール取付部40が延びる方向、あるいは脚部20から支持部30が延びる位置が本実施形態とは異なっており、以下にこの相違点について説明する。他の構成は図1に示す本実施形態と同様であるため、説明を省略する。
なお、図6,7については、説明の便宜のために、脚部20、支持部30、リール取付部40、テープリール70、カッター部50等を簡略化して示している。
図6(a)においては、リール取付部40は支持部30の延長線上に沿って脚部20の長さ方向の他端側に傾いて延びている。
図6(b)においては、支持部30は脚部20の長さ方向に対して垂直方向に延びている。
図6(c)においては、支持部30は脚部20の長さ方向に対して垂直方向に延びているとともに、リール取付部40が、脚部20の長さ方向の他端側に傾いて延びている。
図7(a)においては、支持部30は、脚部20の長さ方向の一端側の途中位置から延びている。
図7(b)においては、支持部30は、脚部20の長さ方向の一端側の途中位置から延び、リール取付部40は支持部30の延長線上に沿って脚部20の長さ方向の他端側に傾いて延びている。
図7(c)においては、支持部30は、脚部20の長さ方向の一端側の途中位置から、脚部20の長さ方向に対して垂直方向に延びている。
図7(d)においては、支持部30は、脚部20の長さ方向の一端側の途中位置から、脚部20の長さ方向に対して垂直方向に延びているとともに、リール取付部40は脚部20の長さ方向の他端側に傾いて延びている。
図6(b)、図6(c)、図7(c)、図7(d)のように、支持部30が脚部20の長さ方向に対して垂直方向に延びている場合には、リール取付部40及びカッター部50は脚部20の長さ方向の一端側に位置するため、テープTをつまむ手が位置する空間を脚部20の上方に広く確保することができ、テープTの引き出しや切断を容易に行うことができる。
また、図6(a)、図6(c)、図7(b)、図7(c)のように、リール取付部40が支持部30の延長線上に沿って延びている場合には、テープカッター10の構造が簡単となる。
さらに、図7のように、支持部30が脚部20の長さ方向の一端側の途中位置から延びる場合には、支持部30が延びる脚部20の位置よりもさらに一端側に脚部20が配置されているため、テープTの引き出し時や切断時にテープカッター10が一端側に倒れにくくなる。
また、脚部20の構成は本実施形態に限定されるものではなく、脚部20は二股状に分岐した一対の脚片から構成されてもよい。この場合、支持部30は脚部20の分岐点から延びる。
さらに、脚部20は、略矩形状の平板から構成されてもよい。
また、カッター62をカッター部50に保持する手段としては本実施形態に限定されるものではなく、カッター62をカッター連結部52に接着してもよく、ネジ止めでもよく、その他の手段であってもよい。
さらに、第1及び第2のテープカッター構成体11A,11Bを結合する手段は本実施形態の筒体22a、32aと突起22b、32bに限定されず、第1及び第2のテープカッター構成体11A,11Bを接着により結合してもよく、その他の手段で結合してもよい。
また、本実施形態では、各リール取付部構成体40A,40Bの内側壁40bに形成された切込み部41は、内側壁40bの一端側が開口したガイド切込み41aを備えているが、本実施形態には限定されず、内側壁40bの上方が開口し、下方に延びるガイド切り込みと、ガイド切り込みの下方からさらに下方に延びる半円状の支持切り込みとを備えていてもよい。
さらに、本実施形態では支持部30の支持連結部32の内部に錘収容部34を形成しているが、本実施形態に限定されるものではなく、脚部20の脚連結部22の内部や、脚片21A,21Bの内部に錘収容部を形成してもよい。
また、本実施形態ではリール取付部構成体40A,40Bやカッター部50は支持部30の先端部から延びているが、本実施形態に限定されるものではなく、リール取付部構成体40A,40Bやカッター部50が支持部30の途中位置から延びてもよい。
10 テープカッター
20 脚部
21A,21B 第1及び第2の脚片
22 脚連結部
22A,22B 第1及び第2の脚連結部半割体
23A,23B 第1及び第2の脚部構成体
30 支持部
31A,31B 第1及び第2の支持側部
32 支持連結部
32A,32B 第1及び第2の支持連結部半割体
33A,33B 第1及び第2の支持部構成体
34 錘収容部
40 リール取付部
40A,40B 第1及び第2のリール取付部構成体
41 受け溝
50 カッター部
51A,51B 第1及び第2のカッター側部
52 カッター連結部
53A,53B 第1及び第2のカッター部構成体
61 錘
62 カッター
70 テープリール
71 大巻リール
72 小巻リール
73 小巻リール係止部
A テープリールの軸芯と脚部の長さ方向の他端部とを結ぶ線
B テープリールの軸芯とカッター部の先端部とを結ぶ線
T テープ

Claims (12)

  1. 床面に載置される脚部と、
    前記脚部の長さ方向の一端側から上方に延びる支持部と、
    前記支持部から上方に延び、一対の第1及び第2のリール取付構造体から構成され、一対の前記第1及び第2のリール取付構造体の先端部にテープリールが保持されるリール取付部と、
    前記支持部から前記脚部の長さ方向の他端側に延び、先端部にカッターが保持されるカッター部とを備え、
    前記カッター部の先端部は前記テープリールの軸芯より下方に位置するテープカッター。
  2. 前記カッター部の先端部は、前記テープリールの軸芯と前記脚部の長さ方向の他端部とを結ぶ線よりも一端側に位置する請求項1に記載のテープカッター。
  3. 前記カッター部が延びる方向は、前記テープリールの軸芯と前記カッター部の先端部とを結ぶ線に対して垂直である請求項1または2に記載のテープカッター。
  4. 前記支持部は、前記脚部の長さ方向の他端側に傾いて延び、
    前記リール取付部は、前記支持部の延長線上に沿って前記脚部の長さ方向の他端側に傾いて延び、または前記脚部の長さ方向に対して垂直方向に延びる請求項1から3のいずれかに記載のテープカッター。
  5. 前記支持部は、前記脚部の長さ方向に対して垂直方向に延び、
    前記リール取付部は、前記垂直方向に延び、または前記脚部の長さ方向の他端側に傾いて延びる請求項1から3のいずれかに記載のテープカッター。
  6. 前記支持部は、前記脚部の長さ方向の一端部から延びる請求項4または5に記載のテープカッター。
  7. 前記支持部は、前記脚部の長さ方向の一端側の途中位置から延びる請求項4または5に記載のテープカッター。
  8. 前記脚部は、
    一対の脚片と、
    前記脚片の長さ方向の一端側を連結する脚連結部とを備え、
    前記支持部は前記脚連結部から延びる請求項1から7のいずれかに記載のテープカッター。
  9. 前記脚部は、二股状に分岐した一対の脚片から構成され、
    前記支持部は前記脚部の分岐点から延びる請求項6に記載のテープカッター。
  10. 前記脚部は、略矩形状の平板から構成される請求項6または7に記載のテープカッター。
  11. 射出成形で得られる第1及び第2のテープカッター構成体を組み合わせることで形成されるテープカッターであって、
    前記床面に載置される一対の前記脚片が相対する方向を幅方向と称する場合に、
    前記脚部は、前記幅方向に分割された一対の第1及び第2の脚部構成体から形成され、
    前記支持部は、前記幅方向に分割された一対の第1及び第2の支持部構成体から形成され、前記第1の支持部構成体は前記第1の脚部構成体から延び、前記第2の支持部構成体は前記第2の脚部構成体から延び、
    前記リール取付部は、前記幅方向に相対する一対の第1及び第2のリール取付部構成体から形成され、前記第1のリール取付部構成体は前記第1の支持部構成体から延び、前記第2のリール取付部構成体は前記第2の支持部構成体から延び、
    前記カッター部は、前記幅方向に分割された一対の第1及び第2のカッター部構成体から形成され、前記第1のカッター部構成体は前記第1の支持部構成体から延び、前記第2のカッター部構成体は前記第2の支持部構成体から延び、
    前記第1のテープカッター構成体は、前記第1の脚部構成体と、前記第1の支持部構成体と、前記第1のリール取付部構成体と、前記第1のカッター部構成体とを一体に射出成形したものであり、
    前記第2のテープカッター構成体は、前記第2の脚部構成体と、前記第2の支持部構成体と、前記第2のリール取付部構成体と、前記第2のカッター部構成体とを一体に射出成形したものである請求項1から10のいずれかに記載のテープカッター。
  12. 前記支持部に錘が収容される錘収容部が形成された請求項1から11のいずれかに記載のテープカッター。
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