JP2016016499A - 金属部材のき裂修復方法及びき裂修復装置 - Google Patents

金属部材のき裂修復方法及びき裂修復装置 Download PDF

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厚志 細井
陽 巨
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陽 巨
幸靖 浅岡
Yukiyasu Asaoka
幸靖 浅岡
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Abstract

【課題】簡易な設備等により、様々な金属材料に対し、疲労等によって生じたき裂面に存在する酸化物を除去した上で、き裂面を接合させることにより、接合強度の高いき裂の自己治癒を実現する。
【解決手段】き裂修復装置10は、金属部材を収容する収容部11と、収容部11に収容された金属部材に熱処理を施す加熱冷却手段12と、加熱冷却手段12による熱処理を制御する制御手段13とを備えている。制御手段13では、き裂の表面に存在する酸化被膜が消失する圧力条件及び温度条件で金属部材を加熱した後、金属部材を急冷し、き裂の周囲に熱圧縮応力を発生させてき裂面が接合するように前記熱処理を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、疲労等によって金属部材に生じたき裂を自己治癒させることのできる金属部材のき裂修復方法及びき裂修復装置に関する。
疲労等によって金属構造物に発生したき裂を修繕する手法として、き裂先端に円孔を開けて応力集中を低減させる手法、溶接金属によってき裂を接合させる手法、き裂周囲に補強部材を設ける手法等がある。しかしながら、これら従来のき裂修繕手法は、き裂面上に存在して当該き裂面同士の完全な接合を妨げる酸化物を除去するのではなく、疲労等によって発生した金属部材のき裂を根本的に治癒するものではない。つまり、当該き裂治癒を促す訳ではないため、修繕後、構造物に対して原型と相違する何等かの変形を伴うことになる。
ところで、特許文献1には、き裂が生じた金属部材に対し、当該金属部材の熱膨張率より小さい熱膨張率の治具を挟み込んで圧縮応力を生じさせ、その状態で当該金属部材を高温高圧下で熱処理を施し、固相拡散接合によってき裂を補修する手法が開示されている。当該特許文献1には、当該高温高圧下で熱処理の前に、き裂面に生じた酸化層を還元するために、水素及び/又は塩素の雰囲気中での熱処理を前処理として行うことも開示されている。
特開2001−55928号公報
前記特許文献1の手法においては、き裂面に存在する酸化層を除去するための熱処理が行われるものの、当該熱処理を水素や塩素の雰囲気中で行う必要があり、金属材料によっては水素脆化等の材料の組織変化を発生させるという問題がある。また、当該手法では、水素ガスや塩素ガスを用いる必要があり、これらガスの取り扱い上の問題もある。更に、前記特許文献1の手法では、固相拡散接合をさせる熱処理時に、補修対象の金属部材を挟み込む治具が必要となり、金属部材の材質や形状によっては、補修対応に制約が生じる虞がある。
本発明は、このような課題に着目して案出されたものであり、その目的は、簡易な設備等により、様々な金属材料に対し、疲労等によって生じたき裂面に存在する酸化物を除去した上で、き裂面を接合させることにより、接合強度の高いき裂の自己治癒を実現可能な金属部材のき裂修復方法及びき裂修復装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係るき裂修復手法は、き裂が生じた金属部材に対し、真空中、き裂面を酸化させずに母材に影響を与えないガス中、若しくは大気中において、前記き裂の表面に形成された酸化被膜が消失する温度条件及び圧力条件で加熱を行う加熱工程後に、前記金属部材を急冷する急冷工程によって、前記き裂の周囲に発生した熱圧縮応力で前記き裂面を接合させる、という手法を採っている。
また、本発明に係るき裂修復装置は、金属部材を収容する収容部と、当該収容部に収容された前記金属部材に所定の熱処理を施す加熱冷却手段と、当該加熱冷却手段による熱処理を制御する制御手段とを備え、前記制御手段では、前記き裂の表面に存在する酸化被膜が消失する圧力条件及び温度条件で、前記金属部材を加熱してから、前記金属部材を急冷し、前記き裂の周囲に熱圧縮応力を発生させて前記き裂面が接合するように、前記熱処理を制御する、という構成を採っている。
本発明を適用可能な金属材料としては、加熱して酸素と反応する物質を含む金属や当該金属を主とする合金であれば何でも良く、例えば、鉛、アルミニウム、銅、銀、黄銅、ニッケル、炭素鋼、ステンレス鋼、チタン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、及びこれら何れかの金属の少なくとも1つを主とする合金を挙げることができる。
前記加熱時の温度条件としては、酸化被膜が還元又は結晶粒内に固溶することで、当該酸化被膜を消失でき、且つ、各金属の残留ひずみを除去しつつ、溶融されない温度範囲が条件とされる。当該温度範囲は、対象とする金属に応じて異なり、その上限は、溶融する温度の最低値未満となる。一方、当該温度範囲の下限値は、鉛では摂氏100度、アルミニウム及び銅では、同200度、銀では、同300度、黄銅では、同400度、ニッケルでは、同500度、炭素鋼では、同600度、ステンレス鋼及びチタンでは、同700度、ジルコニウムでは、同800度、ニオブでは、同1000度、モリブデンでは、同1100度、タンタルでは、同1200度となる。
また、加熱工程の態様としては、真空加熱と、アルゴンやヘリウム等の不活性ガス(置換ガス)の雰囲気中での加圧加熱と、大気中での加圧加熱とが挙げられる。これら加熱時における圧力条件は、真空加熱で70Pa以下、置換ガス下の加熱や大気中での加熱で10MPa以上の条件が必要となる。ここで、真空加熱においては、真空度が高い程、き裂表面部が正常化され、き裂治癒後の接合強度が高くなる。また、置換ガスとしては、き裂面を酸化させず、母材に影響を与えないガスであれば前述のガスに限定されない。
加熱工程後の急冷工程では、窒素ガス等の冷媒を用いて、加熱工程後の金属部材を常温程度まで冷却する。
本発明では、き裂が生じた金属部材に対し、所定の圧力条件及び温度条件での加熱工程によって、酸化被膜を消失させるとともに、残留ひずみを取り除くことで、き裂面の表面活性化を促す。そして、当該表面活性化に十分となる時間が経過した後に、加熱工程よりも短時間で元の温度に冷却する急冷工程を行うことで、金属部材が外側から急激に冷却収縮し、き裂面の周囲で熱圧縮応力が発生する。この熱圧縮応力により、表面活性化されたき裂面が接触して原子拡散することで、き裂面が接合する。
本発明によれば、前記特許文献1のような水素ガス等や特殊な治具を用いることなく、疲労等によって生じたき裂面上に存在する酸化物を除去した上で、き裂面を接合させることができ、本発明者の実験によれば、所定の金属材料に対し、接合強度の高いき裂の自己治癒が実証された。
本実施形態に係る金属部材のき裂修復装置の概略構成図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、本実施形態に係る金属部材のき裂修復装置の概略構成図が示されている。この図において、き裂修復装置10は、疲労等によってき裂が生じた金属部材に対して、自己治癒によってき裂を修復させるための装置であって、金属部材が収容される収容部11と、収容部11に収容された金属部材に対して熱処理を施す加熱冷却手段12と、加熱冷却手段12による熱処理を制御する制御手段13とを備えている。
前記収容部11は、断熱状態とされ、き裂の修復時において外気の導入が遮断される密閉空間となっている。
前記加熱冷却手段12は、図示しない真空ポンプ等により収容部11を所定の真空度に維持しながら、図示しないヒーターによって収容部11内を所定温度まで加熱可能に設けられるとともに、当該加熱された収容部11内の温度よりも低温の気体や液体を収容部11内に供給することにより、収容部11内を冷却可能に設けられている。
前記制御手段13では、き裂の表面(き裂面)に存在する酸化被膜が消失する圧力条件及び温度条件で金属部材を加熱した後に、き裂の周囲に熱圧縮応力を発生させて前記き裂面が接合するように金属部材を急冷するように、加熱冷却手段12での熱処理を制御するようになっている。
すなわち、先ず、き裂面に存在する酸化被膜を消失させ、且つ、各金属の残留ひずみを除去しつつ、金属が溶融されないように、金属の種類に応じた前述の圧力条件及び温度条件により、収容部11内の金属部材が真空加熱される。その後、加熱された収容部11内の温度よりも低温の気体や液体が収容部11内に供給され、き裂面の酸化被膜が消失して表面活性化された状態の金属部材が常温程度まで急冷される。当該急冷により、金属部材の周囲に圧縮応力が作用し、表面活性化されたき裂面が隙間無く密着して接合し、き裂面が修復されることとなる。
なお、加熱冷却手段12においては、き裂面に存在する酸化被膜を消失させ、且つ、各金属の残留ひずみを除去しつつ、金属が溶融されない限りにおいて、本実施形態の真空加熱に限定されるものではなく、収容部11内に不活性ガス等の置換ガスを充填し、或いは、収容部11内を大気状態とし、前記制御手段13によって前述した圧力条件及び温度条件に制御した状態で加熱する構成にしても良い。
本発明者らは、次の実験を行い、本発明の一実施例における金属部材の自己治癒の効果を実証した。これを以下に詳述する。
本実施例では、金属部材としてオーステナイト系ステンレス鋼を用いた。この金属部材の形状は、CT(Compact Tension)試験片の形状(厚み3mm)とし、所定の疲労試験によって疲労予き裂を導入した。そして、この疲労予き裂が導入された金属部材に対して次の熱処理を行った。
真空度を0.5Torr(66.7Pa)とした真空状態の炉内に金属部材を置き、約1時間で常温から摂氏800度まで炉内温度を上昇させ、この同800度の温度状態を約1時間半保持し、更に、約1時間で同1030度まで炉内温度を上昇させ、この同1030度の温度状態を約3時間保持した。そして、当該真空加熱後に、金属部材の周囲に冷却ガス(窒素ガス)を循環させることで、温度上昇時間よりも短時間での冷却(急冷)を行った、具体的には、約30分間で炉内を常温まで冷却した。
この急冷後に得られた金属部材について、き裂部分を観察したところ、き裂が消滅したことが確認された。また、金属部材から、修復されたき裂部分から試験片を切り出して、引張試験を行ったところ、き裂前の同試験片に比べ、約74%と高い強度で修復されたことが確認された。
10 き裂修復装置
11 収容部
12 加熱冷却手段
13 制御手段

Claims (3)

  1. き裂が生じた金属部材に対し、真空加熱を施して前記き裂の表面に形成された酸化被膜を消失させた後、前記金属部材を急冷し、前記き裂の周囲に熱圧縮応力を発生させて前記き裂面を接合させることを特徴とする金属部材のき裂修復方法。
  2. き裂が生じた金属部材に対し、大気中、若しくは前記き裂の表面を酸化させないガス雰囲気中で、10MPa以上の圧力で加熱し、前記き裂の表面に形成された酸化被膜を消失させた後、前記金属部材を急冷し、前記き裂の周囲に熱圧縮応力を発生させて前記き裂面を接合させることを特徴とする金属部材のき裂修復方法。
  3. き裂が生じた金属部材を修復するき裂修復装置において、
    前記金属部材を収容する収容部と、当該収容部に収容された前記金属部材に所定の熱処理を施す加熱冷却手段と、当該加熱冷却手段による熱処理を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段では、前記き裂の表面に存在する酸化被膜が消失する圧力条件及び温度条件で、前記金属部材を加熱してから、前記金属部材を急冷し、前記き裂の周囲に熱圧縮応力を発生させて前記き裂面が接合するように、前記熱処理を制御することを特徴とする金属部材のき裂修復装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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